JPH09257079A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JPH09257079A
JPH09257079A JP9028096A JP9028096A JPH09257079A JP H09257079 A JPH09257079 A JP H09257079A JP 9028096 A JP9028096 A JP 9028096A JP 9028096 A JP9028096 A JP 9028096A JP H09257079 A JPH09257079 A JP H09257079A
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JP
Japan
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cylinder
outer cylinder
rod guide
inner cylinder
guide
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Application number
JP9028096A
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English (en)
Inventor
Masaru Kamiyama
勝 神山
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロッドガイドの加工性を向上させ、加工工
数、加工コスト等を削減すると共に、ロッドガイドの軽
量化を図れるようにする。 【解決手段】 プレス加工により形成したロッドガイド
11の外側筒部11Aを外筒1内に嵌着し、環状段差部
11Dを内筒5の上端部に係止させた状態で、嵌合筒部
11Cを内筒5内に嵌着させる。そして、ピストンロッ
ド7をガイド筒部11Bの内周側でガイドシール13を
介して軸方向に摺動可能にガイドし、環状頭部11F上
には環状蓋板3を外筒1の各カシメ部1Aを介して一体
に取付ける。また、テーパ筒部11Eには環状凹部12
と漏出油収容室14とを連通する各連通孔11E1 を穿
設し、環状凹部12にはリップシール15を嵌着してそ
のリップ部15Bを弁座面11E2 に離,着座可能に設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば乗用車等の
車両の振動を緩衝するのに用いて好適な油圧緩衝器に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、一端側が閉塞され、他端側に蓋
体が設けられた外筒と、該外筒内に設けられ、該外筒と
の間にリザーバ室を形成する内筒と、一端側が該内筒内
に挿入され、他端側が前記蓋体を介して前記外筒から外
部に突出するピストンロッドと、前記内筒の他端側を閉
塞するように前記外筒内に設けられ、該ピストンロッド
を摺動可能にガイドするロッドガイドからなる油圧緩衝
器は、例えば実開平3−68650号公報等によって知
られている。
【0003】この種の従来技術による油圧緩衝器は、例
えば外筒の一端側を車両の車軸側に固定すると共に、ピ
ストンロッドの他端(突出端)側を車両の車体側に固定
し、、車両に外部から振動等が加えられたときに、ピス
トンロッドを伸縮させ、内筒内に形成されるボトム側油
室とロッド側油室との間で油液を流通させることによ
り、減衰力発生機構等で減衰力を発生させ、車両の振動
を緩衝するようにしている。
【0004】そして、ピストンロッドの伸縮時には、内
筒内の容積がピストンロッドの進退入の体積分だけ変動
するから、このときに内筒内の油液をボトム側油室の一
端側から外筒と内筒との間に形成されるリザーバ室に流
出,入させると共に、この油液で該リザーバ室内に封入
したガスを圧縮,膨張させることにより、内筒内で生じ
るこのような容積変動を吸収するようにしている。
【0005】ここで、前記ロッドガイドは焼結金属等に
より厚肉の段付筒状に形成され、前記内筒に嵌着される
小径筒部側と、前記外筒に嵌着される大径筒部とを有し
ている。また、ロッドガイドの大径筒部にはその外周側
に前記蓋体側に向けて漸次縮径したテーパ面が弁座面と
して形成され、前記蓋体とロッドガイドとの間に設ける
チェックバルブ(リップシール等)は、そのリップ側が
前記テーパ面(弁座面)に離,接可能に当接している。
【0006】そして、前記リップシールは、ピストンロ
ッドの伸長行程において、前記ロッド側油室内の油液
が、ピストンロッドとロッドガイドとの間を介して、該
ロッドガイドと蓋体との間の漏出油収容室内に漏洩し、
この油液を、前記リザーバ室内に戻す役割を果たしてい
る。一方、ピストンロッドの縮小行程ではリザーバ室内
のガスが圧縮されて、このガスがリザーバ室から漏出油
収容室を介して内筒内に向けて流通するのをリップシー
ルが阻止し、前記減衰力発生機構等による減衰力特性が
悪くなるのを防止するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による油圧緩衝器では、ロッドガイドを焼結金属
等によって厚肉の段付筒状に形成すると共に、ロッドガ
イドの大径筒部側には蓋体と該ロッドガイドとの間に介
装されるリップシールの弁座面となるテーパ面を形成し
ている。
【0008】このため従来技術では、ロッドガイドの大
径筒部側を型取りするための型形状が複雑化してしま
い、成形型自体の加工が難しくなり、ロッドガイドの製
作にかかる加工コスト等が上昇してしまうという問題が
ある。また、ロッドガイド全体の重量が増加してしま
い、車体に装備される油圧緩衝器全体の重量が増加して
しまうという問題がある。
【0009】また、焼結成形したロッドガイドはその表
面形状が粗くなってしまい、この状態でリップシールを
ロッドガイドのテーパ面に着座させた場合には、該テー
パ面とリップシールとの間のシール性を確保するのが難
しくなる。このため、ロッドガイドを焼結成形した後に
は、後処理としてテーパ面に切削加工や表面研磨処理等
の複数の仕上げ加工を施す必要が生じ、これによってロ
ッドガイドの製作にかかる加工工数が増加してしまう上
に、加工コスト等が高くついてしまうという問題があ
る。
【0010】さらに、ロッドガイドの大径筒部に形成さ
れる前記テーパ面は、該大径筒部の径方向外側に向けて
拡径して外部に露出する構成となっているため、焼結成
形等の手段によってテーパ面を形成したとしても、ロッ
ドガイドの運搬時や組付時に該テーパ面に打痕等の傷が
付き易く、リップシールとシール面との間のシール性を
確保するのが難しいという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、ロッドガイドの加工性を大幅
に向上でき、ロッドガイドの製作時にかかる加工工数お
よび加工コスト等を削減できる上に、ロッドガイドの軽
量化を図ることができ、装置全体の重量を確実に軽減化
できるようにした油圧緩衝器を提供することを目的とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、一端側が閉塞され、他端側に蓋体が設
けられた外筒と、該外筒内に設けられ、該外筒との間に
環状のリザーバ室を形成する内筒と、一端側が該内筒内
に挿入され、他端側が前記蓋体を介して前記外筒から外
部に突出するピストンロッドと、前記内筒の他端側を閉
塞するように前記外筒内に設けられ、該ピストンロッド
を摺動可能にガイドするロッドガイドからなる油圧緩衝
器に適用される。
【0013】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記ロッドガイドを単一の板材をプレス
成形することにより、前記外筒に嵌着される外側筒部
と、前記内筒の内側に嵌着される内側筒部とから構成
し、該内側筒部の内周部に前記ピストンロッドと摺動す
る摺動部を設けたことにある。
【0014】また、請求項2に記載の発明では、前記外
筒の他端側に設ける蓋体とロッドガイドとの間に、前記
内筒内から漏出した油液を収容する漏出油収容室を形成
し、前記ロッドガイドの前記内側筒部と外側筒部との間
に環状凹部を形成し、前記ロッドガイドに前記漏出油収
容室と前記環状凹部とを連通する連通路を設け、前記環
状凹部内の前記連通路と前記リザーバ室との間に、前記
漏出油収容室内の油液が前記環状の油室に向けてのみ流
通を許すチェックバルブを設けたことにある。
【0015】さらに、請求項3に記載の発明が採用する
構成の特徴は、前記ロッドガイドを前記外筒に嵌着され
る外側筒部と、前記内筒の内側に嵌着される内側筒部と
から構成し、該内側筒部の内周部に前記ピストンロッド
と摺動する摺動部を設け、さらに前記外筒の他端側に設
ける蓋体とロッドガイドとの間に、前記内筒内から漏出
した油液を収容する漏出油収容室を形成し、前記ロッド
ガイドの前記内側筒部と外側筒部との間に環状凹部を形
成し、前記ロッドガイドに前記漏出油収容室と前記環状
凹部とを連通する連通路を設け、前記環状凹部内の前記
連通路と前記リザーバ室との間に、前記漏出油収容室内
の油液が前記リザーバ室に向けてのみ流通を許すチェッ
クバルブを設けたことにある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
油圧緩衝器として複筒式の油圧緩衝器を自動車に用いた
場合を例に挙げて添付図1ないし4に従って詳細に説明
する。
【0017】図中、1は油圧緩衝器の本体を構成する有
底筒状の外筒を示し、該外筒1の一端側となる下端側は
ボトムキャップ2によって閉塞され、他端側となる上端
側には複数のカシメ部1A,1A,…(2個のみ図示)
が形成されている。また、ボトムキャップ2の上側には
後述のボトムバルブ10が設けられている。
【0018】3は外筒1の上端側に設けられた蓋体とし
ての環状蓋板を示し、該環状蓋板3は外筒1の各カシメ
部1Aにより後述するロッドガイド11の環状頭部11
F上に当接した状態でカシメ固定されている。
【0019】4は環状蓋板3の内周側に取付けられたシ
ール部材としてのロッドシールを示し、該ロッドシール
4は後述のピストンロッド7に摺接し、該ピストンロッ
ド7が内筒5の軸方向に移動するのを許しつつ、該ピス
トンロッド7との間を液密状態に保持している。
【0020】5は外筒1内に同軸に配設された内筒を示
し、該内筒5は下端側がボトムバルブ10に嵌着され、
上端側は後述するロッドガイド11の嵌合筒部11Cに
嵌着され、これによって内筒5は外筒1内に軸方向およ
び径方向に位置決めされている。ここで、内筒5は外筒
1との間に環状のリザーバ室Aを画成し、該リザーバ室
A内には油液と共にガスが封入されている。また、内筒
5の内部にはピストン6が摺動可能に挿嵌され、該ピス
トン6は内筒5内をボトム側油室Bとロッド側油室Cと
に画成している。
【0021】7はピストンロッドで、該ピストンロッド
7は、一端側となる下端側がピストン6の内周側に固着
され、他端側となる上端側はロッドガイド11、ロッド
シール4等を介して外部に突出し、その突出端側は自動
車の車体側に取付けられるようになっている。そして、
自動車に上,下方向の振動が加えられると、ピストン6
が内筒5内を上,下方向に摺動して、ピストンロッド7
が外筒1から伸長または縮小するようになっている。
【0022】8,9はピストン6に設けられた伸長側お
よび縮小側の減衰力発生機構で、該減衰力発生機構8,
9はピストンロッド7の伸長時、縮小時にそれぞれ開弁
して油室B,C間で油液を流通させることにより、所定
の減衰力を発生させ、自動車に加えられた上,下方向の
振動を減衰させるものである。
【0023】10はボトムキャップ2の上側に位置して
内筒5の下端側に設けられたボトムバルブを示し、該ボ
トムバルブ10はピストンロッド7の縮小時にボトム側
油室B内の油液(ピストンロッド7の進入体積分に相当
する油液)をリザーバ室A側に流通させつつ、縮小時の
減衰力を発生させる。一方、ピストンロッド7の伸長時
にはボトムバルブ10が開弁状態に保持され、リザーバ
室A内の油液を油室B側に減衰力を発生させることなく
流入させる。
【0024】11は内筒5の上端側に設けられたロッド
ガイドを示し、該ロッドガイド11は表面が平滑な一枚
の鋼板等をプレス成形することにより、図4に示す如く
全体として二重筒状に形成されている。
【0025】ここで、ロッドガイド11は、外筒1の内
径にほぼ対応する外径を有した外側筒部11Aと、ピス
トンロッド7の外径よりも僅かに大きい内径を有し、上
端側が径方向内向きに略L字状に折曲げられたガイド筒
部11Bと、該ガイド筒部11Bの下端側から該ガイド
筒部11Bの外周面上に折り重ねるように折曲げられ、
軸方向上向きに延び内筒1内に嵌合する嵌合筒部11C
と、該嵌合筒部11Cの上端部から径方向外向きに延設
された環状段差部11Dと、該環状段差部11Dの外周
端から軸方向で斜め上向きにテーパ状に拡開して延び、
複数の連通孔11E1 (2個のみ図示)が穿設されたテ
ーパ筒部11Eと、該テーパ筒部11Eの上側端から径
方向外向きに延設され、外周端が前記外側筒部11Aの
上側端に連結された環状頭部11Fとからなり、ガイド
筒部11Bと嵌合筒部11Cとは内側筒部を構成してい
る。
【0026】そして、前記外側筒部11Aおよび嵌合筒
部11Cは、それぞれ外筒1の内周面、内筒5の内周面
に圧入嵌合した状態で嵌着されると共に、環状段差部1
1Dはその下側面を内筒5の上端部に係止させている。
また、環状頭部11Fはその上側面を環状蓋板3の下側
面に当接させている。
【0027】ここで、外側筒部11Aと嵌合筒部11C
との間には、外側筒部11Aの内周面とテーパ筒部11
Eの外周面と環状頭部11Fの下側面とによって、後述
のリップシール15が収容される環状凹部12が形成さ
れ、該環状凹部12はリザーバ室Aに向けて開口すると
共に、テーパ筒部11Eの連通路としての各連通孔11
E1 を介して後述の漏出油収容室14に連通している。
また、テーパ筒部11Eはその下側外周面がリップシー
ル15に対する弁座面11E2 となっている。
【0028】そして、ロッドガイド11はピストンロッ
ド7をガイド筒部11Bの内周側に挿通することによ
り、該ガイド筒部11Bの内周面に嵌着された摺動部と
しての樹脂等からなる筒状のガイドシール13と共に、
ピストンロッド7を軸方向に摺動可能に案内するように
なっている。
【0029】14は内筒5の上端側に設けられ通常は油
液で満たされた漏出油収容室を示し、該漏出油収容室1
4は、環状蓋板3、ピストンロッド7、ロッドガイド1
1との間に略筒状の空間として形成され、テーパ筒部1
1Eの各連通孔11E1 を介してロッドガイド11の環
状凹部12に連通している。
【0030】ここで、ピストンロッド7とガイドシール
13との間、あるいは該ガイドシール13とロッドガイ
ド11のガイド筒部11Bとの間には、ピストンロッド
7の摺動性を確保するために実質的に僅かな隙間が形成
されている。そして、漏出油収容室14は、リザーバ室
A内の油液がこれらの僅かな隙間を介して漏出油収容室
14内に漏出したときに、余分な油液を各連通孔11E
1 、環状凹部12、リップシール15を介してリザーバ
室Aに排出させるのを許す構成となっている。
【0031】15はロッドガイド11の環状凹部12内
に設けられたチェックバルブとしてのリップシールを示
し、該リップシール15は図2および図3に示す如く、
上端側が径方向内向きに折曲られ、内部に芯金が埋設さ
れた取付筒部15Aと、該取付筒部15Aの上端側から
径方向内向きで、かつ軸方向下向きに斜めに延びたリッ
プ部15Bとから構成されている。ここで、前記取付筒
部15Aは外側筒部11Aの軸方向下側内周面に圧入嵌
合された状態で嵌着されると共に、リップ部15Bはテ
ーパ筒部11Eの弁座面11E2 に締代をもって当接
し、該弁座面11E2 に離,着座するようになってい
る。
【0032】そして、リップシール15は、漏出油収容
室14内および環状凹部12内の油液をリザーバ室A内
に流出させるのを許し、一方、該リザーバ室A内のガス
が環状凹部12から各連通孔11E1 を介して漏出油収
容室14内に逆流するのを阻止するものである。
【0033】16は外筒1と環状蓋板3とロッドガイド
11との間の隙間に嵌着されたOリングで、該Oリング
16は、環状蓋板3の外周面と外筒1の内周面との間
と、外筒1の内周面とロッドガイド11の外側筒部11
Aとの間と、環状蓋体3Aの下側面と環状頭部11Fと
の間とを確実にシールして、リザーバ室A内の油液ある
いはガスが外部や漏出油収容室14に流出するのを阻止
するものである。さらに、17は外筒1のボトムキャッ
プ2下側面に固着された取付アイを示している。
【0034】本実施の形態による油圧緩衝器は上述の如
き構成を有するもので、ピストンロッド7の上端側はマ
ウントラバー等(図示せず)を介して自動車の車体側に
取付けられ、外筒1の下端側は取付アイ17等を介して
自動車の車軸側に固定して取付けられる。そして、自動
車の走行時等に振動が発生した場合には、ピストンロッ
ド7を伸長、縮小させつつ、ピストン6に設けられた減
衰力発生機構8,9によって減衰力を発生させ、このと
きの振動を減衰させるようになっている。
【0035】即ち、ピストンロッド7が伸長行程にある
場合には、ロッド側油室C内が高圧状態となるから、該
油室C内の圧油がピストン6の減衰力発生機構8を介し
てボトム側油室B内へと流出し、所定の減衰力が発生す
る。そして、内筒5から進出したピストンロッド7の進
出体積分に相当する分量の油液が、リザーバ室A内から
ボトムバルブ10を介してボトム側油室B内に流入する
と共に、リザーバ室A内のガスが減圧されることによ
り、前記進出体積分を吸収するようにしている。
【0036】ここで、ピストンロッド7の伸長時にはロ
ッド側油室C内が高圧状態となるから、該油室C内の油
液がロッドガイド11とピストンロッド7との間の僅か
な隙間、あるいはガイドシール13とピストンロッド7
との間の僅かな隙間を介して漏出油収容室14内に漏出
することがある。
【0037】しかし、漏出油収容室14内に漏出した漏
出油により余分となった油液は、リップシール15のリ
ップ部15Bをテーパ筒部11Eの弁座面15E1 から
離座させて、リザーバ室A内に還流される。
【0038】また、ピストンロッド7が縮小行程にある
場合には、ボトム側油室B内が高圧となるから該油室B
内の圧油を減衰力発生機構9を介してロッド側油室C内
へと流出し、所定の減衰力が発生する。そして、内筒5
内へのピストンロッド7の進入体積分に相当する分量の
油液が、ボトム側油室Bからボトムバルブ10を介して
リザーバ室A内に流入し、該リザーバ室A内のガスを加
圧してリップシール15のリップ部15Bをテーパ筒部
11Eの弁座面15E1 に押圧させると共に、前記進入
体積分を吸収させるようにしている。
【0039】ここで、ロッドガイド11は表面が予め平
滑な一枚の鋼板材等から形成されているから、ロッドガ
イド11の弁座面11E2 表面は平滑面として形成され
ている。これによってリップシール15のリップ部15
Bを弁座面11E2 に着座させたときには、該リップ部
15Bと弁座面11E2 との間のシール性を確実に保持
することができる。
【0040】この結果、ピストンロッド7の縮小行程時
等ではリップシール15を閉弁状態に保持でき、リザー
バ室A内のガスあるいは油液がリップシール15および
ロッドガイド11の各連通孔11E1 等を介して、漏出
油収容室14からガイドシール13とピストンロッド7
との間の僅かな隙間を介して、ボトム側油室Cの油液中
に混入してしまうのを阻止することができ、これによっ
てリザーバ室A内のガスあるいは油液が、ロッド側油室
C内に混入して当該油圧緩衝器の減衰特性が低下してし
まうのを防止することができる。
【0041】一方、ピストンロッド7が縮小行程と伸長
行程とを繰返す間、ピストン6と内筒5の内周面との間
およびピストンロッド7とガイドシール13の内周面と
の間には大きな摺動抵抗が生じるため、このときの摩擦
熱等で各油室B,C内の油液が高温となり該油液中にガ
ス(気泡)が発生することがある。そして、このような
ガスは当該油圧緩衝器の減衰力特性を低下させてしま
う。
【0042】しかし、油室C内で発生したこのようなガ
スは、ピストンロッド7とガイドシール13との間の僅
かな隙間から漏出油収容室14へと放出させることがで
きる。そして、該漏出油収容室14に放出されたガス
は、各連通孔11E1 を介して環状凹部12内に流出
し、リップシール15を前記弁座面11E2 から離座さ
せることによりリザーバ室A内に排出させることがき
る。
【0043】かくして、本実施例では、ロッドガイド1
1の外側筒部11Aを外筒1内に嵌着し、環状段差部1
1Dを内筒5の上端部に係止させた状態で、嵌合筒部1
1Cを内筒5内に嵌着させると共に、ピストンロッド5
をガイド筒部11Bの内周側でガイドシール13を介し
て軸方向に摺動可能にガイドし、環状頭部11F上には
環状蓋板3を外筒1の各カシメ部1Aを介して一体に取
付ける構成としている。また、ロッドガイド11のテー
パ筒部11Eには環状凹部12と漏出油収容室14とを
連通させる各連通孔11E1 を穿設し、環状凹部12に
はリップシール15を装着してそのリップ部15Bを弁
座面11E2 に離,着座可能に当接させる構成としてい
る。
【0044】この結果、表面が平滑な一枚の鋼板材等に
プレス加工を施すことにより、ロッドガイド11を外側
筒部11A、ガイド筒部11B、嵌合筒部11C、環状
段差部11D、テーパ筒部11E、環状頭部11Fおよ
び環状凹部12等を有した二重筒状体として容易に形成
することができると共に、ロッドガイド11の弁座面1
1E2 等を、プレス加工のみによって容易に平滑面とし
て形成することができる。
【0045】また、リップシール15をロッドガイド1
1に取付けるための取付スペースを外側筒部11Aと嵌
合筒部11Cとの間に形成される環状凹部12によって
容易に確保できると共に、リップ部15Bが離,着座す
る弁座面11E2 を環状凹部12内に容易に形成するこ
とができる。
【0046】従って、本実施の形態では、ロッドガイド
11を一枚の鋼板等から容易に形成できると共に、リッ
プシール15が離,着座するロッドガイド11のリップ
部15B表面を確実に平滑面とすることができ、従来技
術で述べたようにロッドガイドを厚肉の焼結金属等によ
って形成した後に、さらにその弁座面等に切削加工や表
面仕上げ加工等の複数の仕上げ加工を施す必要がなくな
り、これによってロッドガイド11の製作にかかるコス
トおよび工数等を効果的に削減できる。また、ロッドガ
イド11の重量を大幅に軽量化することができ、ひいて
は車体に装備される当該油圧緩衝器全体の重量を確実に
軽減化することができる。
【0047】さらに、ロッドガイド11の弁座面11E
2 はロッドガイド11の外部に直接露出していないの
で、ロッドガイド11の運搬時や組付時等に前記弁座面
11E2 に打痕等の傷が付くことを効果的に低減するこ
とができる。
【0048】なお、前記実施の形態では、ロッドガイド
11の内側筒部をガイド筒部11Bと嵌合筒部11Cと
により二重に折重ねる構成としたが、本発明はこれに限
らず、例えばガイド筒部11Bと嵌合筒部11Cとの間
に隙間を介在させる構成としてもよい。また、内側筒部
をプレス加工によって3重以上に折重ねるように形成
し、該内側筒部の機械的強度を向上させる構成としても
よい。
【0049】さらに、前記実施の形態では、摺動部とし
てガイドシール13を設けたが、これに限らず、内側筒
部の内周面を4フッ化エチレン加工する等により別部材
を設けず、内側筒部を利用しても良い。
【0050】また、前記実施の形態では、単一の板材を
プレス加工した例を示したが、従来の焼結金属であって
も、環状凹部を設け、この環状凹部にチェックバルブ1
5を設ける構成とすることにより、チェックバルブ15
の着座する弁座面が凹部に設けられるので、運搬時や組
付時に弁座面に傷がつくことを防止するという効果を得
ることができる。
【0051】また、前記実施の形態では、自動車の油圧
緩衝器を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限ら
ず、例えば、振動源となる種々の機械や構築物等に用い
る油圧緩衝器やガススプリング等の緩衝器に用いてもよ
い。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、ロッドガイドを単一の板材をプレス成形すること
により外筒に嵌着される外側筒部と、内筒に嵌着される
内側筒部とから構成し、該内側筒部の内周部にはピスト
ンロッドに対する摺動部を設けているから、ロッドガイ
ドを単一の板材からプレス成形により容易に形成するこ
とができ、ロッドガイドの重量を大幅に軽量でき、ひい
ては車体に装備される当該油圧緩衝器全体の重量を確実
に軽減することができる。
【0053】また、請求項2の発明では、環状凹部の内
側面をプレス加工時等に平滑面として容易に形成するこ
とができるので、ロッドガイドの加工性を効果的に向上
させることができ、従来技術で述べたようにロッドガイ
ドを厚肉の焼結金属等によって成形し、そのテーパ面等
に複数の表面仕上げに要する加工を施すような作業を省
略することができ、これによってロッドガイドの製作に
かかるコストおよび工数等を効果的に削減できる。
【0054】さらに請求項2または3の発明では、環状
凹部にチェックバルブを設けたので、ロッドガイドの運
搬時や組付時等に、前記環状凹部の内側面(平滑面)に
打痕等の傷が付くことを効果的に低減することができ、
チェックバルブを環状凹部の内側面に着座させたときに
確実なシール状態に保持することができる。よって、リ
ザーバ室内のガスがリザーバ室外に漏出してしまうのを
確実に防止することができ、当該油圧緩衝器が備える減
衰力特性を長期に亘って安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による油圧緩衝器を示す縦断面
図である。
【図2】図1中の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図2中の外筒、内筒、ロッドガイドおよびリッ
プシール等を拡大して示す要部断面図である。
【図4】図2中のロッドガイドを拡大して示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1 外筒 3 環状蓋板(蓋体) 5 内筒 7 ピストンロッド 11 ロッドガイド 11A 外側筒部 11B ガイド筒部(内側筒部) 11C 嵌合筒部(内側筒部) 12 環状凹部 14 漏出油収容室 15 リップシール(チェックバルブ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側が閉塞され、他端側に蓋体が設け
    られた外筒と、該外筒内に設けられ、該外筒との間に環
    状のリザーバ室を形成する内筒と、一端側が該内筒内に
    挿入され、他端側が前記蓋体を介して前記外筒から外部
    に突出するピストンロッドと、前記内筒の他端側を閉塞
    するように前記外筒内に設けられ、該ピストンロッドを
    摺動可能にガイドするロッドガイドからなる油圧緩衝器
    において、前記ロッドガイドは単一の板材をプレス成形
    することにより、前記外筒に嵌着される外側筒部と、前
    記内筒の内側に嵌着される内側筒部とから構成され、該
    内側筒部の内周部には前記ピストンロッドと摺動する摺
    動部を設けたことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記外筒の他端側に設ける蓋体とロッド
    ガイドとの間には、前記内筒内から漏出した油液を収容
    する漏出油収容室を形成し、前記ロッドガイドの前記内
    側筒部と外側筒部との間には環状凹部を形成し、前記ロ
    ッドガイドに前記漏出油収容室と前記環状凹部とを連通
    する連通路を設け、前記環状凹部内の前記連通路と前記
    リザーバ室との間には、前記漏出油収容室内の油液が前
    記リザーバ室に向けてのみ流通を許すチェックバルブを
    設けてなる請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 一端側が閉塞され、他端側に蓋体が設け
    られた外筒と、該外筒内に設けられ、該外筒との間に環
    状のリザーバ室を形成する内筒と、一端側が該内筒内に
    挿入され、他端側が前記蓋体を介して前記外筒から外部
    に突出するピストンロッドと、前記内筒の他端側を閉塞
    するように前記外筒内に設けられ、該ピストンロッドを
    摺動可能にガイドするロッドガイドからなる油圧緩衝器
    において、前記ロッドガイドは前記外筒に嵌着される外
    側筒部と、前記内筒の内側に嵌着される内側筒部とから
    構成され、該内側筒部の内周部には前記ピストンロッド
    と摺動する摺動部を設け、さらに前記外筒の他端側に設
    ける蓋体とロッドガイドとの間には、前記内筒内から漏
    出した油液を収容する漏出油収容室を形成し、前記ロッ
    ドガイドの前記内側筒部と外側筒部との間には環状凹部
    を形成し、前記ロッドガイドに前記漏出油収容室と前記
    環状凹部とを連通する連通路を設け、前記環状凹部内の
    前記連通路と前記リザーバ室との間には、前記漏出油収
    容室内の油液が前記リザーバ室に向けてのみ流通を許す
    チェックバルブを設けてなる油圧緩衝器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002070914A (ja) * 2000-08-31 2002-03-08 Tokico Ltd 油圧緩衝器及びそれに用いるロッドガイドの製造方法
JP2004116776A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Zf Sachs Ag 振動ダンパー
JP2009121498A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器
JP2018118284A (ja) * 2017-01-26 2018-08-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 シリンダ装置の製造方法およびシリンダ装置

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