JP2000096349A - 蓄光性着色糸およびそれを用いた蓄光性着色製品 - Google Patents

蓄光性着色糸およびそれを用いた蓄光性着色製品

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JP2000096349A JP26867998A JP26867998A JP2000096349A JP 2000096349 A JP2000096349 A JP 2000096349A JP 26867998 A JP26867998 A JP 26867998A JP 26867998 A JP26867998 A JP 26867998A JP 2000096349 A JP2000096349 A JP 2000096349A
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fiber
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sheath
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Takeshi Fukutani
武 福谷
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Kanebo Kasei KK
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Kanebo Ltd
Kanebo Kasei KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】暗闇で、着色された色味が鮮明に見える状態で
高輝度で発光する優れた蓄光性着色糸と、それを用いた
蓄光性着色製品を提供する。 【解決手段】芯鞘型複合繊維からなり、上記複合繊維の
芯部1が、繊維成分3に蓄光物質4を配合してなる蓄光
繊維材で形成されており、鞘部2が、繊維成分3′に着
色顔料5を配合してなる着色繊維材で形成されており、
少なくとも鞘部2表面が着色されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を吸収して蓄光
し、暗闇で、それ自体に付与された所定の色とともに発
光する蓄光性着色糸およびそれを用いた蓄光性着色製品
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、太陽光や蛍光灯等の光を吸収
して蓄光(励起)し、暗闇で発光することを特徴とする
蓄光物質として、硫化亜鉛等が知られている。また、最
近では、上記硫化亜鉛よりも性能の優れた蓄光物質とし
てアルミン酸ストロンチウム(SrAl2 4 )が提案
され賞用されている。これらの蓄光物質は、塗料やシー
トに含有され、各種の案内表示や時計の文字板、アクセ
サリー等に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
用途では、とにかく「暗闇で光ること」に主眼がおかれ
ているため、その発光の色は、蓄光物質の色(通常、黄
緑がかった蛍光色)を利用しているにすぎない。したが
って、色のバリエーションに乏しく、用途も限られてい
る。そこで、樹脂等の基材に、蓄光物質とともに着色顔
料を配合して、任意の色に着色することが検討されてい
るが、着色によって蓄光物質の蓄光および発光が阻害さ
れて発光が弱くなるため、せっかく着色した色が暗闇で
わかりにくいという問題がある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされて
もので、暗闇で、着色された色味が鮮明に見える状態で
高輝度で発光する優れた蓄光性着色糸と、それを用いた
蓄光性着色製品の提供を、その目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、芯鞘型複合繊維からなり、上記複合繊維
の芯部が、蓄光物質を含む蓄光繊維材で形成されてお
り、顔料もしくは染料の付与によって、少なくとも鞘部
表面が着色されている蓄光性着色糸を第1の要旨とす
る。
【0006】また、上記蓄光性着色糸のなかでも、特
に、上記複合繊維の芯部が、蓄光物質を2〜50重量%
含有する蓄光繊維材で形成されているとともに、鞘部
が、着色顔料を0.01〜0.5重量%含有する着色繊
維材で形成されているものを第2の要旨とし、上記複合
繊維の芯部が、蓄光物質を2〜50重量%含有する蓄光
繊維材で形成されており、全体が、染料によって染着さ
れている蓄光性着色糸を第3の要旨とする。
【0007】そして、上記蓄光性着色糸を用いてなる蓄
光性着色製品を第4の要旨とする。
【0008】すなわち、本発明の蓄光性着色糸は、単に
蓄光物質と顔料を練り込むのではなく、芯部に蓄光物質
を含む芯鞘型複合繊維を用い、少なくともその鞘部表面
を着色するようにしたものである。この構成によれば、
蓄光物質が糸内部から高輝度で発光し、糸表面の色を効
果的に照らして暗闇に浮かび上がらせることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0010】図1は、本発明の一実施の形態である蓄光
性着色糸を示している。この糸は、芯部1と鞘部2から
なる芯鞘型複合繊維のモノフィラメントで構成されてお
り、上記芯部1は、繊維成分3に蓄光物質4を配合して
なる蓄光繊維材で形成されている。また、上記鞘部2
は、繊維成分3′に着色顔料5を配合してなる着色繊維
材で形成されている。そして、この蓄光性着色糸は、上
記着色顔料5によって、糸表面が所定の色を呈してお
り、暗闇においても、その色が、内側からの発光に照ら
されて、鮮やかに浮かび上がるようになっている。
【0011】上記芯部1において、繊維成分3は、従来
から複合繊維の製造に用いられているどのようなもので
もよいが、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ
エステル,ポリスチレン,ポリアミドといった透明度の
高いポリマーが好適である。特に、風合いの点から、ポ
リエステルを用いることが好適である。
【0012】そして、上記繊維成分3に配合される蓄光
物質4としては、アルミン酸ストロンチウム,硫化亜
鉛,酸化亜鉛等があげられるが、なかでも、アルミン酸
ストロンチウムを用いることが好適である。すなわち、
上記アルミン酸ストロンチウムは、発光特性に優れ、し
かも紫外線による劣化が少なく、耐久性に優れていると
ともに、放射性物質を含まないため、人体への影響がな
いという利点を有するからである。
【0013】上記蓄光物質4の平均粒子径は、特に制限
するものではないが、通常1〜80μm、なかでも1〜
10μmに設定することが好適である。すなわち、蓄光
物質4が1μmより小さいと、充分な発光が得られにく
く、逆に80μmより大きいと、溶融紡糸する際の成形
性や糸の走行性に問題が生じやすいからである。また、
同様の理由から、上記蓄光物質4の含有割合は、芯部1
全体に対し2〜50重量%(以下「%」と略す)、特に
5〜30%に設定することが好適である。
【0014】一方、上記芯部1の周囲に形成される鞘部
2において、繊維成分3′は、上記芯部1の形成に用い
る繊維成分3と同様のものがあげられ、両繊維成分3,
3′は、互いに同一のものを用いても、異なるものを用
いてもよい。ただし、芯部1と鞘部2との接合性や芯部
1への入光,芯部1からの出光等を考慮すると、両繊維
成分3,3′は同一成分とすることが好適である。
【0015】そして、上記繊維成分3′に配合される着
色顔料5としては、着色しようとする色に応じて適宜の
顔料が選択されるが、例えば酸化チタン(白色),カー
ボンブラック(黒色),フタロシアニン系顔料(青
色),アゾ系顔料(オレンジ色)等があげられる。そし
て、その平均粒子径は、芯部1に含有される蓄光物質4
の蓄光,発光を妨げることのないよう、小さければ小さ
いほど好ましいが、通常、0.1〜10μmのものが用
いられる。
【0016】また、上記着色顔料5の含有割合は、その
着色顔料5の種類にもよるが、通常、鞘部2全体に対し
0.01〜0.5%に設定することが好ましく、特に、
酸化チタンを用いる場合には、その配合割合を0.05
〜0.5%に設定することが好適であり、カーボンブラ
ックを用いる場合には、その配合割合を0.01〜0.
5%に設定することが好適である。
【0017】なお、上記芯部1および鞘部2の各繊維成
分3,3′には、それぞれ必要に応じて、分散剤,界面
活性剤等を添加することができる。
【0018】また、上記鞘部2の直径(外径)を1とす
ると、上記芯部1の直径は、0.02〜0.95、なか
でも0.1〜0.8となるよう設定することが好適であ
る。すなわち、芯部1の割合が小さすぎると、含有する
蓄光物質4の量が少なくなって発光が不充分となるので
あり、逆に、芯部1の割合が大きすぎると、鞘部2で充
分に芯部1を被覆することが困難になるからである。
【0019】図1に示す蓄光性着色糸は、上記各成分原
料を用い、従来公知の、芯鞘型複合繊維を製造する方法
に従って製造することができる。その一例を示す。ま
ず、芯部1および鞘部2を形成するための材料として、
単一種類(もしくは異なる2種類)のポリマーチップを
用意し、鞘型複合繊維製造用の口金を備えた溶融紡糸装
置を用い、芯部1側に供給する溶融ポリマーに、所定の
割合で蓄光物質4を配合し、鞘部1側に供給する溶融ポ
リマーに、所定の割合で着色顔料5を配合して、所定の
押出速度で両者を口金から同心円的に押し出し、冷却
後、延伸巻き取りを行う。これにより、目的とする蓄光
性着色糸を得ることができる。
【0020】このようにして得られる蓄光性着色糸は、
暗闇において、その色が、内側からの発光に照らされ
て、鮮やかに浮かび上がるため、その性質を利用して、
例えば、暗闇でカラフルに発色する人工毛髪を得ること
ができる。しかも、上記蓄光性着色糸は、比較的粒径の
大きな蓄光物質4が、芯部1のみに含まれるため、糸表
面が平滑で、櫛通りがよいという利点を有する。また、
糸に所定の処理や加工を施す場合に、装置の、糸が走行
しながら当接する部分が摩耗しにくいという利点も有す
る。なお、上記人工毛髪は、頭部全体を覆うかつらタイ
プのものに適用しても、装飾を目的とする部分的な付け
毛タイプのものに適用してもよい。この場合、糸の太さ
は、用いる蓄光物質4の平均粒子径にもよるが、通常、
10〜200μm程度に設定することが好適である。
【0021】また、上記蓄光性着色糸を所定長に切断
し、織編地,フィルム,合成樹脂製品等の基材表面に、
静電気植毛することにより、暗闇において、カラフルな
色に発光する新規な蓄光性着色製品を得ることができ
る。この場合、糸の太さは、用いる蓄光物質4の平均粒
子径にもよるが、通常、10〜100μm程度に設定す
ることが好適である。
【0022】もちろん、上記蓄光性着色糸を直接織地に
したり、編地にしたり、不織布にしたりしてもよい。そ
して、これらをさらに所定形状に縫製したり、加工した
り、あるいは他の部材に組み合わせたりして、従来にな
い、蓄光性着色製品を得ることができる。
【0023】図2は、本発明の他の実施の形態である蓄
光性着色糸を示している。この糸は、図1に示された蓄
光性着色糸と同様、芯部1と鞘部2からなる芯鞘型複合
繊維のモノフィラメントで構成されており、上記芯部1
は、繊維成分3に蓄光物質4を配合してなる蓄光繊維材
で形成されているが、上記鞘部2は、繊維成分3′には
着色顔料が配合されておらず、その代わり、全体が染色
によって所定の色に染着されている。したがって、この
糸も、暗闇においても、その染着された色が、内側から
の発光に照らされて、鮮やかに浮かび上がるようになっ
ている。
【0024】上記芯部1の構成は、図1のものと同様で
あり、鞘部2の構成も、着色顔料を用いない以外は、図
1のものと同様である。
【0025】上記蓄光性着色糸の着色は、全体に対する
染色によってなされている。その染色方法は、芯部1お
よび鞘部2に用いられる繊維成分3,3′の種類によっ
て適宜選択されるが、上記繊維成分3,3′として好適
なポリエステル,ポリエチレン等は、いずれも疎水性で
あることから、例えばアゾ染料,アントラキノン系染
料,ニトロジフェニルアミン系染料といった分散染料を
用い、キャリアー染色法もしくは高温染色法によって染
色を行うことが好適である。
【0026】上記アゾ染料は、通常、黄〜赤系の色相を
与えるのに用いられる染料で、例えば下記の構造式
(1)で示されるアゾ化合物(C.I、ジスパースイエ
ロー5)があげられる。なお「C.I」はカラーインデ
ックスの略である。
【0027】
【化1】
【0028】また、上記アントラキノン系染料は、通
常、青系の色相を与えるのに用いられる染料で、例えば
下記の構造式(2)で示されるアントラキノン化合物
(C.I、ジスパースブルー3)があげられる。
【0029】
【化2】
【0030】さらに、上記ニトロジフェニルアミン系染
料は、通常、黄色系の色相を与えるのに用いられる染料
で、例えば下記の構造式(3)で示されるニトロジフェ
ニルアミン化合物(C.I、ジスパースイエロー1)が
あげられる。
【0031】
【化3】
【0032】これらの分散染料は、単独で用いても、所
定の色相を得るために2種以上を組み合わせて用いても
よい。もちろん、一定の染着性を得ることができるので
あれば、上記のものに限らず、どのような染料を用いて
もよい。
【0033】そして、前記キャリアー染色法とは、繊維
内部への染料の拡散を促進するキャリアーを併用して染
色する方法であり、上記キャリアーとして、オルトフェ
ニルフェノール、1,2,4−トリクロロベンゼン、メ
チルナフタリン等があげられる。
【0034】また、前記高温染色法とは、120〜13
0℃の高温で染料分子と繊維分子の熱運動を活性化させ
ることにより、染色性を向上させる方法である。
【0035】上記染色によって着色された蓄光性着色糸
は、前記図1の形態のものと同様の効果を奏する。ま
た、少ロット生産で色の異なるものを多品種製造するこ
とができるという利点を有する。
【0036】なお、染色によって着色を行う場合、染着
濃度が高くなりすぎると、糸の芯部1に含有されている
蓄光物質の蓄光・発光が不充分になるため、染着濃度
(単位糸重量に対する付着染料の重さ)を0.3%以
上、なかでも0.5〜7%に設定することが好適であ
る。なお、染着濃度が0.3%を下回ると、着色が不充
分となり、暗闇で鮮明な色を認識しにくくなる。
【0037】つぎに、実施例について、比較例と併せて
説明する。
【0038】
【実施例1〜4】図1に示す構成の蓄光性着色糸を得る
ために、芯部1および鞘部2を形成する繊維成分3,
3′として、ポリエステル樹脂を準備し、芯部1に、後
記の表1に示す条件で、蓄光物質4としてアルミン酸ス
トロンチウム(根本特殊化学社製、N夜光、平均粒子径
10μm)を配合した。また、鞘部2に、着色顔料5と
して、フタロシアニンブルー(住友化学社製、平均粒子
径10μm)を0.5%配合した。そして、複合繊維溶
融紡糸製造装置を用い、芯部1の直径が30μm、鞘部
2の直径(糸の外径)が50μmの蓄光性着色糸を得
た。このものは、表面が鮮明な青色を呈し、艶やかであ
った。なお、実施例3の蓄光性着色糸を、電子顕微鏡で
400倍に拡大して表面を観察したところ、表面は凹凸
のないきれいな平滑面であった。
【0039】得られた蓄光性着色糸について、下記のよ
うにして、その輝度と色の鮮明さを評価し、その結果を
後記の表1に併せて示した。また、上記蓄光性着色糸を
得る際の製糸性について、後記のとおり評価し、その結
果も後記の表1に併せて示した。
【0040】〔輝度〕長さ20cmに切断した蓄光性着
色糸を100本束ねて、晴天時の日光に5分間さらし、
その後、人工的につくった暗闇に持ち込んで、糸の輝度
を目視によって観察した。評価は、◎…非常に明るい、
○…明るい、△…やや暗い、×…暗いの4段階評価とし
た。
【0041】〔色の鮮明さ〕輝度の評価と同様にして、
暗闇内での糸の色の鮮明さを目視によって観察した。評
価は、◎…非常に鮮明、○…鮮明、△…やや不鮮明 ×
…不鮮明の4段階評価とした。
【0042】〔製糸性〕蓄光性着色糸を製造する際、3
日間連続で紡糸製造装置を稼働させ、その間、糸の成形
不良、糸切れ等、糸に由来するトラブルの発生が何回生
じるかを記録し、下記のとおり評価した。◎…0回(ト
ラブル発生せず)、○…1〜2回発生、△…3〜5回、
×…6回以上
【0043】
【表1】
【0044】
【比較例1】上記実施例1〜4と同様のポリエステル樹
脂と蓄光物質と着色顔料を用い、糸の直径が50μm
の、芯鞘型複合繊維ではない蓄光性着色糸を製造した。
なお、蓄光物質の配合割合は10%とした。このもの
は、図3に示すように、繊維成分3中に蓄光物質4と着
色顔料5が練り込まれただけのもので、その顕微鏡写真
(400倍)を見ると、表面が、蓄光物質4に由来する
突起が不規則に形成されていた。
【0045】
【比較例2】上記実施例1〜4と同様のポリエステル樹
脂と蓄光物質と着色顔料を用い、実施例1〜4と同様に
して、芯鞘型の蓄光性着色糸を得た。ただし、図4に示
すように、繊維成分3に対し1%の着色顔料5を芯部1
に含有させ、繊維成分3分に対し10%の蓄光物質4を
鞘部2に含有させるようにした。このものも、その顕微
鏡写真(400倍)を見ると、表面が、蓄光物質4に由
来する突起が不規則に形成されている。
【0046】これらの比較例1,2品についても、前記
実施例1〜4と同様にして、その輝度と色の鮮明さと製
糸性を評価し、後記の表2にその結果を示した。また、
前記実施例3と上記比較例1,2品について、その残光
特性を比べ、その結果を図5に示した。なお、残光特性
の測定方法については、下記のとおりである。
【0047】〔残光特性の測定方法〕長さ20cmに切
断した蓄光性着色糸を100本束ね、D65光源(40
0Lux)を20分照射したのち、残光輝度測定機(ト
プコン社製、色彩輝度計BM−5A)にかけて、経時的
な輝度変化を測定した。
【0048】
【表2】
【0049】なお、上記比較例1品および比較例2品
は、輝度,色の鮮明さにおいて、実施例1〜4品に比べ
て大幅に劣るものではないが、糸の表面が凹凸粗面にな
っているため、上記のとおり製糸性が悪く、実用的でな
い。
【0050】
【実施例5〜12】芯部1に配合するアルミン酸ストロ
ンチウムの平均粒子径と、芯部1の直径と、鞘部2の直
径を、下記の表3、表4に示すとおり変更した。それ以
外は、上記実施例3と同様にして、蓄光性着色糸を得
た。得られた蓄光性着色糸について、上記と同様の評価
を行い、その結果を下記の表3,表4に併せて示した。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【実施例13〜16】鞘部2に配合する着色顔料5の平
均粒子径と、その配合割合を、下記の表5に示すとおり
変えた。それ以外は、前記実施例3と同様にして、蓄光
性着色糸を得た。そして、得られた蓄光性着色糸につい
て、上記と同様の評価を行い、その結果を下記の表5に
併せて示した。
【0054】
【表5】
【0055】
【実施例17〜20】鞘部2に着色顔料5を配合せず、
それ以外は実施例3と同様にして、着色されていない蓄
光糸を得たのち、分散染料としてポリエステルブルー
(住友化学社製、スミカロン)を用い、実施例17〜1
9についてはキャリアー染色を行い(キャリアー:オル
トフェニルフェノール)、実施例20については高温染
色を行うことにより、図2に示す構成の蓄光性着色糸を
得た。ただし、染着濃度が下記の表6に示す値となるよ
う染色条件を調整した。そして、得られた蓄光性着色糸
について、上記と同様にして、輝度と色の鮮明さを評価
し、下記の表6に併せて示した。
【0056】
【表6】
【0057】
【応用例、比較応用例】実施例3品を長さ20cmに切
断し、200本を束ねて、その根本部に、地毛への取り
付け金具を固定して、ファッション用の付け毛を作製し
た。このものを、モニターの地毛に取り付けて、上記と
同様にして輝度と色の鮮明さを評価したところ、良好な
結果が得られた。また、ヘアブラシを用い、地毛ととも
にブラッシングを行ったところ、付け毛部分もスムーズ
にとかすことができ、違和感はなかった。これに対し、
比較例1品,比較例2品を用い、上記と同様にして作製
した付け毛は、輝度も色の鮮明さも劣るものであった。
また、ブラッシングすると、付け毛部分のブラシ通りが
悪く、付け毛部分がもつれたり、付け毛部分が取り付け
金具ごと外れたりした。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明の蓄光性着色糸
は、芯鞘型複合繊維からなり、芯部に蓄光物質が含有さ
れ、少なくとも鞘部表面が着色されているため、暗闇に
おいて、その色が、内側からの発光に照らされて、鮮や
かに浮かび上がるようになっている。したがって、例え
ば、暗闇でカラフルに発色する人工毛髪等、ファッショ
ン性の高い製品を得ることができる。しかも、本発明の
蓄光性着色糸は、蓄光物質が芯部側に含まれるため、糸
表面が平滑で、櫛通りがよく、また、糸に所定の処理や
加工を施す場合に、装置の、糸が走行しながら当接する
部分が摩耗しにくいという利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施例の構成を示す説明図であ
る。
【図3】比較例1品の構成を示す説明図である。
【図4】比較例2品の構成を示す説明図である。
【図5】蓄光性着色糸の残光特性を示す線図である。
【符号の説明】 1 芯部 2 鞘部 3,3′ 繊維成分 4 蓄光物質 5 着色顔料

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯鞘型複合繊維からなり、上記複合繊維
    の芯部が、蓄光物質を含む蓄光繊維材で形成されてお
    り、顔料もしくは染料の付与によって、少なくとも鞘部
    表面が着色されていることを特徴とする蓄光性着色糸。
  2. 【請求項2】 上記複合繊維の芯部が、蓄光物質を2〜
    50重量%含有する蓄光繊維材で形成されているととも
    に、鞘部が、着色顔料を0.01〜0.5重量%含有す
    る着色繊維材で形成されている請求項1記載の蓄光性着
    色糸。
  3. 【請求項3】 上記着色顔料が、酸化チタンおよびカー
    ボンブラックの少なくとも一方である請求項2記載の蓄
    光性着色糸。
  4. 【請求項4】 上記複合繊維の芯部が、蓄光物質を2〜
    50重量%含有する蓄光繊維材で形成されており、全体
    が、染料によって染着されている請求項1記載の蓄光性
    着色糸。
  5. 【請求項5】 上記染料が、アゾ染料およびアントラキ
    ノン系染料の少なくとも一方であり、キャリアー染色法
    もしくは高温染色法によって染着されている請求項4記
    載の蓄光性着色糸。
  6. 【請求項6】 上記蓄光物質が、アルミン酸ストロンチ
    ウムである請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄光性
    着色糸。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄
    光性着色糸を用いてなる蓄光性着色製品。
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