JP2000095514A - シリカ球状粒子及びその製造方法 - Google Patents

シリカ球状粒子及びその製造方法

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JP2000095514A JP10269973A JP26997398A JP2000095514A JP 2000095514 A JP2000095514 A JP 2000095514A JP 10269973 A JP10269973 A JP 10269973A JP 26997398 A JP26997398 A JP 26997398A JP 2000095514 A JP2000095514 A JP 2000095514A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が強く、比表面積が大きく、流動
性の良い球状シリカ系粒子を提供すること及びその再現
性の良い製造方法を提供する。 【解決手段】 a)比表面積60〜500(m2
g)、b)細孔容積0.1〜0.5(cm3 /g)、
c)細孔直径10〜500Åの範囲に細孔容積の90%
以上があり、d)嵩密度0.6〜1.3(g/c
3 )、e)耐摩耗性2.0wt%/15hr以下、
f)平均粒子径0.5〜300μm、g)アルミニウム
の含有量が酸化物として5〜40wt%であり、かつマ
グネシウムの含有量が酸化物として3〜30wt%であ
る、アルミニウムとマグネシウムを含有するシリカ球状
粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】機械的強度に優れたアルミニ
ウムとマグネシウムを含有するシリカ球状粒子(以下、
球状シリカ−アルミナ−マグネシア粒子という。)及び
その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】球状シリカ系粒子は様々な用途にその特
性を活かした材料として利用されている。その例を示す
と液体クロマトグラフィー用充填剤、化粧品基剤、触媒
担体、流動調整剤、希釈剤等が挙げられる。これらの用
途に要求される要件を満たす為に、高比表面積等の物性
を満たそうとすると多孔質になり機械的強度が弱くな
る。一方、機械的強度を満たそうとすると、高い温度で
焼成したりすることから比表面積が小さくなる。このよ
うに機械的強度が強く、比表面積が大きいという相反す
る物性を満たす球状のシリカ系粒子を得ることは難し
く、両者の要求を満足する球状のシリカ系粒子は得られ
ていなかった。さらに、このシリカ系粒子を大量に再現
性よく製造する方法も望まれている。
【0003】シリカ系の物質の一つである石英は硬く、
機械的強度が高いことが知られている。しかしながら機
械的強度は優れているが比表面積が低く(1m2 /g以
下)、高い比表面積を必要とする用途には使用すること
ができない。特開昭63−16049号公報には、粒径
が20〜500μmで比表面積が30〜800m2 /g
で細孔容積が0.3〜2.0cm3 /gである球状のシ
リカゲルよりなる流動床用触媒担体が提案されている
が、機械的強度は弱い。
【0004】特開平6−64915号公報には、界面活
性剤を含む非極性有機ハロゲン化物溶媒中で、アルカリ
金属ケイ酸塩水溶液を乳化させ、次いでゲル化剤により
ゲル化させて、球状シリカを製造する方法が提案されて
いる。ここで得られる球状シリカは120℃で数時間乾
燥し、ゲル間水を除去したものでゲル間水由来で細孔容
積が大きく、比表面積が大きいものが得られるが、機械
的強度は弱い。液体クロマトグラフィー用充填剤、化粧
品基剤等に用いるた場合には割れ、欠けが生じてしま
う。
【0005】特開平8−119621号公報には、比表
面積が50m2 /g以下で、かつ細孔容積が0.3ml
/g以下かつ耐摩耗性3.0wt%/15hr以下で嵩
密度が0.6〜1.3g/mlで平均粒子径が30〜1
50μmであるシリカ−リン−ホウ素からなる組成物の
製造法が提案されている。しかし、提案されているもの
は触媒担体、流動調製剤などに使用するには比表面積が
小さい。
【0006】特開平9−52044号公報には、強度に
優れたカルボン酸エステル製造用触媒の担持体として、
アルミニウムの含有量が酸化物として5〜40wt%、
マグネシウムの含有量が酸化物として3〜30wt%、
SiO2 として50〜92wt%の範囲で含有するシリ
カ−アルミナ−マグネシアを担持体で用いる提案がなさ
れている。この担持体は通常の使用条件下では機械的強
度を満足できる。しかし、粒子同士、粒子と撹拌バネ等
などの激しい混合条件での反応、例えば懸濁反応等の過
酷な条件で使用すると、割れ、欠けの問題が生じる場合
があった。また、工業規模でシリカ−アルミナ−マグネ
シアの担持体を製造しようとした場合に、割れ、欠け、
中空が発生することが時々起こり、さらに機械的強度の
強い担体、及び再現性良く製造する方法が望まれてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、機械的強度
が強く、比表面積が大きく、流動性の良い球状シリカ系
粒子を提供すること及びその再現性の良い製造方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、機械的強
度を満足し、比表面積が大きく、流動性の良い球状シリ
カ粒子を製造する為にはシリカ−アルミナ−マグネシア
粒子を緻密な構造にすることが重要と考え、シリカ−ア
ルミナ−マグネシア粒子の物性と製造条件の相関につい
て鋭意研究を進めた。その結果、割れ、欠け、中空の原
因が主に粒子内の密度と深い関係があることを見出し、
特定の割合でシリカ、アルミニウム化合物、マグネシウ
ム化合物を含有するスラリーを調合し、該スラリーをあ
る特定の粘度に高めてから噴霧造粒し、焼成すると、驚
くべきことに機械的強度が強く、かつ比表面積の大き
い、球状シリカ粒子が製造できることを見いだし、本発
明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は以下のとおりである。 (1) 下記a)〜f)の特性を有する、アルミニウム
とマグネシウムを含有するシリカ球状粒子。 a)比表面積 ; 60〜500(m2 /g) b)細孔容積 ; 0.1〜0.5(cm3 /g) c)細孔分布 ; 細孔直径10〜500Åの範囲に細
孔容積の90%以上がある。 d)嵩密度 ; 0.6〜1.3(g/cm3 ) e)耐摩耗性 ; 2.0wt%/15hr以下 f)平均粒子径 ; 0.5〜300μm g)アルミニウムの含有量が酸化物として5〜40wt
%であり、かつマグネシウムの含有量が酸化物として3
〜30wt%である。 (2) シリカ、アルミニウム化合物、マグネシウム化
合物を、それぞれシリカ、アルミニウム酸化物、マグネ
シウム酸化物として30〜92wt%、5〜40wt
%、3〜30wt%含有するスラリーを調合し、該スラ
リーの粘度が100cp〜10000cpの範囲で噴霧
乾燥造粒して製造する(1)記載シリカ球状粒子の製造
方法。 (3) (1)に記載のシリカ球状粒子にパラジウムを
含む金属成分を担持してなる貴金属担持物。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明
は、シリカ、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物
を含有するスラリーを調合し、そのスラリーの粘度が1
00cp〜10000cpの範囲で噴霧乾燥造粒するこ
とが重要である。これにより如何なる理由で機械的強度
が高まるのか詳細な検討は不十分であるが、本発明者ら
はこの効果について次の様に推定した。
【0011】スラリーを噴霧乾燥して造粒した場合は通
常いろいろな形状を示すもので、液滴は液体蒸発によ
り、まず収縮をはじめる。その後、次の3種の状態変化
がある。液滴表面の固形化により、出口をふさがれて
内部の液滴の蒸発が外部に向かってできず、一度収縮し
た粒径が内部圧の上昇で大きくなり、その結果として破
壊(割れ、欠け)、孔開球が生じ、その後温度が常温に
戻った時点で、内部圧がなくなる、または負圧になるこ
とにより、陥没球ができる。稀にそのまま膨張球になる
場合もある。一度収縮した粒径が保たれて中空球がで
きる。乾燥温度と収縮が上手くバランスすると内部に
気孔のない充実球が得られる。本発明の目的の球状シリ
カ−アルミナ−マグネシア粒子を得る為には、密度を高
くし、機械的強度を高めることができるのような充実
球を再現性良く製造する必要がある。
【0012】本発明においては、噴霧乾燥造粒する前の
スラリー中において、シリカゲルの未架橋シリカ(Si
−OH)鎖に、Si−O−Al−O−Si結合が新たに
形成されるものと推定できる。該スラリーの粘度が高く
なることは、Si−O−Al−O−Si結合数が増える
ことを示唆していると考えている。この結合形成により
シリカゲルの未架橋シリカ(Si−OH)鎖が減り、S
i−O結合が強化されたと考えられる。その結果、噴霧
乾燥造粒する前のスラリー段階で強い結合ができていた
ので、噴霧乾燥造粒時に起こる破壊、中空などの発生を
抑制でき、の充実球が製造できたと考えている。ま
た、マグネシウム(Mg)を共存させることで、Si−
O−Al−O−Si架橋構造の生成によるSi(四価)
とAl(三価)の価数の違いにより生じる電荷の違いを
マグネシウム(二価)が補償中和し、電荷的バランスが
とれるため、構造の安定性が高められると推察される。
【0013】本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネシ
ア粒子は、 a)比表面積 ; 60〜500(m2 /g) b)細孔容積 ; 0.1〜0.5(cc/g) c)細孔分布 ; 細孔直径10〜500Åの範囲に細
孔容積の90%以上がある。 d)嵩密度 ; 0.6〜1.3(g/cc) e)耐摩耗性 ; 2.0wt%/15hr以上 f)平均粒子径 ; 0.5〜300μm g)アルミニウムの含有量が酸化物として5〜40wt
%であり、かつマグネシウムの含有量が酸化物として3
〜30wt%であることが必要である。
【0014】a)比表面積、b)細孔容積、c)細孔分
布、d)嵩密度、e)耐摩耗性、f)平均粒子径、g)
アルミニウムとマグネシウムの含量が、この範囲内にあ
れば、本発明の目的である機械的強度が強く、比表面積
が大きく、流動性の良い粒子を得ることができる。これ
はこの範囲内でマグネシウム、アルミニウム、シリカが
特定の安定な結合構造を形成するため、球状シリカ−ア
ルミナ−マグネシア粒子が緻密な構造をとることによる
と推定される。
【0015】本発明の、球状シリカ−アルミナ−マグネ
シア粒子の比表面積は、窒素吸着法による測定で60〜
500m2 /gであることが必要であり、好ましくは8
0〜400m2 /gであり、より好ましくは100〜3
00m2 /gである。また、噴霧乾燥造粒後に上記比表
面積になるように好適な温度で焼成して使用することが
好ましい。焼成温度としては220〜800℃の範囲か
ら選ばれる。800℃を越える温度で焼成すると比表面
積の低下が著しく好ましくない。また、焼成雰囲気は特
に限定されないが、空気中あるいは窒素中で焼成するの
が一般的である。また、焼成時間は、焼成後の比表面積
に応じて決めることができる。
【0016】本発明の、球状シリカ−アルミナ−マグネ
シア粒子の細孔容積は0.1〜0.5(cm3 /g)で
あることが必要であり、好ましくは0.15〜0.4
(cm 3 /g)であり、より好ましくは0.2〜0.3
(cm3 /g)である。細孔容積が、0.5(cm3
g)より大きくなると機械的強度が弱くなる。また、細
孔容積が0.1(cm3 /g)未満であると、比表面積
が不充分となる。
【0017】細孔分布は、細孔容積の90%以上が細孔
直径10〜500Åの範囲にあることが必要である。細
孔容積の90%以上が細孔直径が10〜500Åの範囲
に集中して分布すれば、クラック(歪み)が少なく機械
的強度が高くなる。好ましくは93%以上である。嵩密
度は0.6〜1.3(g/cm3 )であることが必要で
あり、好ましくは0.8〜1.2(g/cm3 )であ
り、より好ましくは0.85〜1.15(g/cm3
である。嵩密度は球状シリカ粒子の球状の度合い又は流
動状態の指標になっている。嵩密度が0.6(g/cm
3 )未満であれば、形状が歪な物や、割れ、欠け、中空
のシリカ粒子が多くなる。また、1.3(g/cm3
を越えると、比表面積が低下し、不充分となる。
【0018】耐磨耗性は、2.0wt%/15hr以下
であることが必要であり、好ましくは1.0wt%/1
5hr以下であり、より好ましくは0.5wt%/15
hr以下である。耐磨耗性が、2.0wt%/15hr
を越えると粒子の粉化、割れ等が起こり易くなる。平均
粒子径は0.5〜300μmであることが必要であり、
好ましくは20〜200μmであり、より好ましくは3
0〜150μmである。
【0019】アルミニウム、マグネシウムの含有量は、
アルミニウムの含有量が酸化物として5〜40wt%で
あることが必要であり、好ましくは5〜30wt%であ
り、より好ましくは7〜20wt%である。マグネシウ
ムの含有量が酸化物として3〜30wt%であることが
必要であり、好ましくは3〜20wt%であり、より好
ましくは5〜15wt%である。
【0020】本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネシ
ア粒子の製造法について説明する。本発明で用いられる
スラリーは以下のようにして調合される。 (1)あらかじめシリカ−アルミナゲルを形成させ、酸
化マグネシウムを添加して反応させて得られるもの、
(2)シリカゲル等の溶液と、アルミニウム化合物及び
マグネシウム化合物の溶液とを反応させて得られるも
の、(3)シリカゲルと、水に不溶なアルミニウム化合
物及びマグネシウム化合物とを反応させて得られるも
の、(4)シリカゲルと、水溶性のアルミニウム化合物
及びマグネシウム化合物の水溶液とを反応させて得られ
るもの。このようにして得られたスラリーを、粘度が1
00cp〜10000cpの範囲で噴霧乾燥造粒して製
造することが本発明においては必要であり、好ましくは
500〜10000cp、より好ましくは800〜10
000cpの範囲で噴霧乾燥造粒する。スラリーの粘度
が数cp〜数十cpでは大きな改善効果が認められな
い。ところが意外にも100cpを越えると劇的な効果
が現れることを本発明者らは見出した。一方、スラリー
粘度が10000cp以上でも同様の効果は期待できる
が、スラリー粘度上昇に伴い、通常、噴霧乾燥造粒が困
難になる。
【0021】本発明において、平均粒子径が30μm以
上の粒子を調製する場合には、スラリーの粘度は500
cp〜10000cpが好ましい。さらに好ましくは1
000cp〜10000cp、特に好ましくは2000
cp〜10000cpである。スラリーの粘度が高まる
のは、スラリー中でシリカとアルミニウム、マグネシウ
ムとの結合が強くなるためであり、平均粒子径の大きな
ものを調製しようとする場合には、粘度を高めることが
機械的強度の強い、球状シリカ−アルミナ−マグネシア
粒子を得るためには重要である。一方、30μm未満の
粒子を噴霧乾燥造粒により調製する場合には、粘度を高
め過ぎると製造時の収率が悪くなるので、100〜30
00cpが好ましく、より好ましくは100〜1000
cpである。
【0022】以下に、上記(1)〜(4)の入手法につ
いて説明する。シリカ原料としては、シリカゾル、水ガ
ラスあるいはシリカゲルを用いることができる。シリカ
ゾル中のシリカコロイド粒子の平均粒子径は、強度を付
与するために、数種類の粒径が異なるシリカコロイドを
用いることもできる。シリカゲルとしてはアルミニウム
と反応する未架橋シリカ(Si−OH)鎖を有すればよ
く、該Si−O鎖の長さについては限定されない。アル
ミニウム原料としては、アルミン酸ソーダ、塩化アルミ
ニウム六水和物、過塩素酸アルミニウム六水和物、硫酸
アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、二酢酸アル
ミニウム等の水溶性化合物が好ましいが、水酸化アルミ
ニウム、酸化アルミニウム等の水に不溶な化合物でもシ
リカゾル、シリカゲル中の未架橋シリカと反応する化合
物であればいずれも用いることが可能である。
【0023】マグネシウム原料としては、酸化マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マ
グネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等を
用いることができる。シリカ−アルミナゲルを出発原料
にする(1)の具体例を挙げれば、予め、水ガラスに硫
酸を加えてpH8〜10.5のシリカヒドロゲルをつく
り、これにAl2(SO4)3 水溶液を加え(pH2または
それ以下)、さらにアルミン酸ソーダを添加し(pH5
〜5.5)生成するシリカ−アルミナヒドロゲルを調製
し、水分等を調整した後、MgOを添加し、スラリーを
得ることができる。
【0024】シリカゾル等の溶液を出発原料とする
(2)及び(3)の場合は、シリカゾル等の溶液とアル
ミニウム化合物及びマグネシウム化合物を混合してスラ
リーを得る。この際、アルミニウム化合物及びマグネシ
ウム化合物を溶かすために硝酸、硫酸、塩酸等の酸を用
いることができる。シリカゲルを出発原料として用いる
(4)の場合は、シリカゲルと、水溶性のアルミニウム
化合物及びマグネシウム化合物の水溶液とを反応させて
スラリーを得る。その際にシリカゲルを予め所定の粒径
まで粉砕しておくか、又は予備的に粗粉砕しておいても
良い。
【0025】このようにして得られたスラリーは、必要
に応じて加熱して粘度を上げることができる。また、工
業的に製造する場合のように、噴霧乾燥造粒の時間が長
くなる場合にはスラリーの粘度が安定するようにスラリ
ー温度を下げて粘度が余り変化しない状態にしてから噴
霧乾燥造粒することが好ましい。スラリーを加熱する温
度としては、40〜100℃が好ましく、より好ましく
は40〜80℃である。加熱する温度が100℃を越え
ると、スラリー粘度が高くなりすぎたり、スラリー中の
水等が蒸発して再現性を得るのが困難となる。加熱する
温度が40℃未満では粘度が上がらなかったり、粘度を
上げるのに時間がかかり過ぎる。
【0026】また、本発明において、噴霧乾燥造粒する
時のスラリー濃度は、酸化物としての濃度が5〜50w
t%であることが好ましく、より好ましくは10〜40
wt%、特に好ましくは15〜30wt%である。本発
明の製造方法は、再現性も良く、また得られた球状のシ
リカ−アルミナ−マグネシア粒子が機械的強度に優れ、
且つ流動性も良いことから、該粒子を工業的スケールの
ような大規模に製造する場合に特に好適である。
【0027】本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネシ
ア粒子は、顔料、充填剤、研磨剤、化粧品基剤、農薬用
担体、触媒担体、吸着剤等の材料に用いることができ
る。例えば、顔料の求められる用件としては、水、油、
有機溶剤などに不溶性の微細な粉末で、機械的強度が強
いことが求められている。本発明の球状シリカ−アルミ
ナ−マグネシア粒子は機械的強度が強く、たやすく割れ
たり、欠けたりしない優れた特性がある。さらに、本発
明の粒子は、耐水性、耐油性、耐有機溶剤性にも優れて
いる。また、顔料としては小さな粒子が一般的に用いら
れ、平均粒子径が0.5〜10μmであることが好まし
く、さらに好ましくは0.5〜5μmであることが好ま
しい。また、塗料、印刷インキ、合成樹脂、繊維、ゴム
等の添加剤としても用いることができる。
【0028】また、充填剤として、従来用いられていた
合成シリカ充てん剤は嵩密度が0.04〜0.2(g/
cm3 )と小さいので、輸送、取り扱いが不便であっ
た。本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネシア粒子
は、嵩密度が0.6〜1.3(g/cc)と高く、従来
の合成シリカ充てん剤の欠点を解決している。また、機
械的強度も強いのでポリマーの強度を増加させる補強剤
として有用である。さらに、艶消し剤や塩化ビニルペー
スト、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂のプレポリマー
の粘度調整材としても有用である。
【0029】本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネシ
ア粒子は、耐磨耗性が2.0wt%/15hr以下であ
ることから、研磨剤としても有用である。研磨剤として
は、形状および嵩密度の幾何学的性質が重要である。ケ
イ砂、浮き石、ケイソウ土などに較べ、本発明の粒子は
機械的強度が強く、球状で嵩密度が高いので研磨剤とし
ての特性に優れている。また、研磨する対象によって粒
径を揃える必要があるが、機械的強度が強いので、分級
しても破損等が起こりにくく、研磨対象に適した粒度の
球状粒子物を得ることができる。研磨剤としての平均粒
子径は、研磨する対象によって様々な粒径のものが用い
られ、一般的には1〜300μmが好ましく、用途によ
って最適粒子径のものが用いられる。本発明の粒子はガ
ラス、木材の研磨や、錆び落とし、汚れ落とし、金属、
木材、象牙等の骨細工品の仕上げ、美術工芸品、セラミ
ック、軟質金属の光沢出し等に有用である。
【0030】化粧品基剤としては、人体に無害、無刺
激であること、安定性がよいこと、使用性が良いこ
とが望まれている。本発明の粒子は、無害、無刺激であ
り、耐水性、耐油性、耐有機溶剤性に優れているので安
定性が良く、球形であるので滑らかな感触を与え、使用
性も高いので化粧品基剤として有用である。農薬用担体
として用いられる粒子は、粒度分布が斉一であって、か
つ、10μm以下の粒子を除く操作(分級)が行われ
る。それは、10μm以下の粒子を除くと粉剤の物理
性、例えば吐粉性、分散性、飛散性等、および経時的安
定性が著しく改善されるためである。本発明の球状シリ
カ−アルミナ−マグネシア粒子は球状で、機械的強度が
強いので、風力分級により10μm以下の粒子を除くこ
とは容易である。また、粘度を3000cp以上に高め
て噴霧乾燥造粒すると粒径10μm以下粒子の割合を少
なくした製造もできる。
【0031】本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネシ
ア粒子を、触媒担体としての利用例を具体的な例をもと
に以下に説明する。流動床用触媒担体として用いる場合
は、これに触媒活性成分を担持させるが、これらの成分
としては対象になる反応により活性成分が適宜選定さ
れ、例えばモリブデン、バナジウム、コバルト、ニッケ
ル、銀、銅、タングステン、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、及び/又は亜鉛などの成分が挙げられる。これ
らの成分を本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネシア
粒子に担持させる方法としては、その成分に応じて通常
の含浸法、沈殿法、イオン交換法、溶融含浸法又は蒸着
法などが採用される。また、本発明の球状シリカ−アル
ミナ−マグネシア粒子の適用可能な流動床用反応として
は特に限定されず、例えば酸化エチレンからアセトアル
デヒドへの異性化反応、エチレンシアンヒドリンの脱水
によるアクリロントリルの製造反応、ホルムアルデヒド
とアセトアルデヒドよりアクロレインを合成する反応、
オレフィンの水和反応、ナフタレン又はo−キシレンの
酸化により無水フタル酸を得る反応などが挙げられる。
【0032】本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネシ
ア粒子は、パラジウム金属担持触媒、パラジウム金属化
合物担持触媒の担体としても好ましく用いられる。該球
状シリカ−アルミナ−マグネシア粒子を担体として用い
てパラジウム金属担持触媒、パラジウム金属化合物担持
触媒を調製する方法としては、含浸法、沈殿法、イオン
交換法等があるが、これら触媒の用いる反応にあった調
製法を採用すれば良い。
【0033】また、パラジウム金属担持触媒、パラジウ
ム金属化合物担持触媒としては広い触媒反応に利用する
ことが出来る。例えば、アルデヒドとアルコールから酸
化的カルボン酸エステル化反応、アセチレン類のオレフ
ィン類への部分水素化反応、パラフィン類への完全水素
化反応、ジオレフィン類のモノオレフィン化反応、オレ
フィンの選択水素化反応、脂肪族脱ハロゲン化反応、芳
香族脱ハロゲン化反応、酸クロライドの還元反応、芳香
族ニトロ化合物のアミンへの水素化反応、芳香族カルボ
ニルの水素化反応、安息香酸の環水素化反応、フェノー
ルのシクロヘキサンへの水素化、芳香族ケトンのアルコ
ールへの水素化、芳香族ケトンのアルキル芳香族への水
素化、芳香族カルボニルの水素化分解、芳香族カルボニ
ルの脱カルボニル、芳香族ニトリルアルデヒドへの水素
化、シクロヘキセンの不均化、オレフィンの移動、アニ
リン類の還元N−メチル化、芳香族ニトロ化合物のヒド
ラゾベンゼン化合物への水素化、ニトロヘキサン類のシ
クロオキサノン類への水素化、ニトロオレフィン類のア
ルキルアミン類への水素化、オキサム類の第一アミンへ
の水素化、脱ベンジル反応、エポキサイドのアルコール
類への水素化、還元アミノ化、キノン類のハイドロキノ
ン類への水素化、芳香族エステル類の環水素化、フラン
環の水素化、ピリジン化合物の環の水素化、硝酸塩のヒ
ドロキシアミンへの水素化、過酸化物の水素化、脂肪族
ニトロ化合物の水素化、アセトオキシレーション、カル
ボニレーション、脱水素反応、液相酸化反応、デオキソ
反応、一酸化炭素の酸化、NOXの還元などの触媒とし
て利用できる。
【0034】本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネシ
ア粒子は比表面積は60〜500m 2 /gで、細孔容積
は0.1〜0.5(cm3 /g)で、嵩密度は0.6〜
1.3(g/cm3 )であるが、貴金属触媒の担体とし
て用いる場合には、反応特性と強度とのバランスから最
適化が行われ、パラジウム金属担持触媒、パラジウム金
属化合物担持触媒の担体に用いる場合、好ましくは、比
表面積70〜350m 2 /gで、細孔容積0.14〜
0.45(cm3 /g)で、嵩密度0.7〜1.20
(g/cm3 )、より好ましくは比表面積が80〜30
0m2 /gで、細孔容積が0.18〜0.40(cm3
/g)で、嵩密度は0.8〜1.15(g/cm3 )で
ある。触媒調製上からは、担体の比表面積が大きいこと
は特に問題はない。しかしながら、比表面積が大きい場
合には機械的強度及び耐食性が低下する傾向が見られ
る。
【0035】このため、最も好ましくは比表面積が10
0〜250m2 /gで、細孔容積が0.18〜0.35
(cc/g)で、嵩密度は0.85〜1.10(g/c
c)の範囲から選ばれる。比表面積が60m2 /g未満
でも、パラジウム成分を担持できるが、担持したパラジ
ウムを有効に働かせるためには比表面積が不十分で、得
られる触媒の反応活性も低い。また、流動層反応や液層
反応などで、沈降分離法を用いる場合には、分離の為に
粒径の最適化が行われ、平均粒子径は10〜200μm
が好ましいが、より好ましくは20〜150μm、特に
好ましくは30〜100μmで用いられる。
【0036】
【発明実施の形態】以下、本発明を実施例を挙げて説明
する。なお、実施例および比較例において用いた評価方
法は以下のとおりである。 ・Mg,Al,Siの含有量の求め方は、Mgは王水で
溶解、Al、Siはアルカリ溶融塩で溶解させ、ICP
(プラズマ発光分光分析器)によって測定し、各元素を
MgO、Al2 3 、SiO2の酸化物に換算して求め
た。 ・スラリーの粘度測定は、B型粘度計を用いて測定し
た。 ・比表面積は窒素ガス吸着法((株)島津製作所製 ソ
ープトグラフADS−1B)で測定した。 ・細孔容積と細孔分布は、20〜150Å範囲で、窒素
ガス吸着法(カルロ・エルバ社製 ソープトマチック1
800)で測定した。150Å以上は水銀圧入法(島津
製作所製 オートポア9200)で測定した。 ・嵩密度(CBD)の測定方法は、前処理として、担体
をステンレスルツボに約120g採取し、500℃のマ
ッフル炉で1時間焼成を行う。焼成後、デシケータ(シ
リカゲル入り)に入れ室温まで冷却する。測定は、前処
理した担体を100.0g採取し、250mlのメスシ
リンダーに移し、メスシリンダーを振とう器で15分間
タッピング充填する。メスシリンダーを取り外し、試料
表面を平らにし充填容積を読み取る。嵩密度は担体の重
量を充填容積で割った値である。 ・粒子の摩耗度は、通常FCC触媒の試験方法として行
われているように、底部に1/64インチの3つのオリ
フィスを有する孔明円板を備えた、内径1.5インチの
垂直チューブに粒子約50gを精秤投入し、孔明円板を
通して毎時15CFの速度で空気を激しく粒子を稼動さ
せた。粒子の摩耗度を、5〜20時間の間に微細化し
て、垂直チューブの上部から逸散した粒子の、初期投入
量に対する割合として求めた。 ・粒子が球形であること、及び割れ、欠け、中空の観察
は電子顕微鏡(SEM)((株)日立製作所製 S−2
700)により行った。
【0037】
【実施例1】500リットルのステンレス製容器に、硝
酸アルミニウム九水和物37.6kg、硝酸マグネシウ
ム六水和物25.5kg、60%硝酸5.4kg、水4
6.7kgを入れ撹拌しておく。ついで、シリカゾル溶
液(SiO2 30重量%)(日産化学(株)製、スノ
ーテックスN−30)200.0kgを少しずつ加え混
合させ、スラリーを15℃に保ち2時間撹拌する。この
時のスラリー粘度は11cpであった。その後、スラリ
ー温度を50℃になるように撹拌下に加温し、スラリー
温度が50℃になったらそのまま24時間保持すると粘
度は2546cpであった。このスラリーを、130℃
の温度に設定したスプレードライヤーで噴霧乾燥し固形
物を得た。つぎに、得た固形物をマッフル炉で室温から
300℃まで2時間かけ昇温後1時間保持した。さらに
600℃まで2時間で昇温後1時間保持した後徐冷し
て、球状のシリカ−アルミナ−マグネシア粒子(A)を
得た。表1にスラリー調合条件、表2に該球状シリカ−
アルミナ−マグネシア粒子(A)組成と焼成時の最高温
度、表3に該球状シリカ−アルミナ−マグネシア粒子
(A)の性状を示す。
【0038】
【実施例2】実施例1と同様にして、スラリー温度を5
0℃で、50時間保持し粘度が2637cpになったあ
と、スラリー温度を撹拌下に降温し15℃にして3時間
保持した。この時のスラリー粘度は1103cpであっ
た。このスラリーを実施例1と同様に130℃の温度に
設定したスプレードライヤーで噴霧乾燥し固形物を得
た。つぎに、得た固形物をマッフル炉で室温から300
℃まで2時間かけ昇温後1時間保持した。さらに600
℃まで2時間で昇温後1時間保持した後徐冷し、球状の
シリカ−アルミナ−マグネシア粒子(B)を得た。表1
にスラリー調合条件、表2に該球状シリカ−アルミナ−
マグネシア粒子(B)組成と焼成時の最高温度、表3に
該球状シリカ−アルミナ−マグネシア粒子(B)の性状
を示す。
【0039】
【比較例1】実施例1で、500リットルのステンレス
製容器に、硝酸アルミニウム九水和物37.6kg、硝
酸マグネシウム六水和物25.5kg、60%硝酸5.
4kg、水46.7kgを入れ撹拌しておく。ついで、
シリカゾル溶液(SiO230重量%)(日産化学
(株)製 スノーテックスN−30)200.0kgを
少しずつ加え混合させ、スラリーを15℃に保ち2時間
撹拌する。この時のスラリー粘度は11cpであった。
このスラリーを実施例1と同様に130℃の温度に設定
したスプレードライヤーで噴霧乾燥し固形物を得た。つ
ぎに、得た固形物をマッフル炉で室温から300℃まで
2時間かけ昇温後1時間保持した。さらに600℃まで
2時間で昇温後1時間保持した後徐冷し、球状のシリカ
−アルミナ−マグネシア粒子(C)を得た。表1にスラ
リー調合条件、表2に該球状シリカーアルミナーマグネ
シア粒子C組成と焼成時の最高温度、表3に該球状シリ
カ−アルミナ−マグネシア粒子(C)の性状を示す。
【0040】
【実施例3〜7、比較例2〜3】実施例1と同等の調製
を行ったが、硝酸アルミニウム九水和物、硝酸マグネシ
ウム六水和物、硝酸量を表1の原料項目に示し、スラリ
ー調合時の温度とスラリーを24時間かけてコントロー
ルした時のスラリー温度を表1の調合条件項目に示し
た。また、噴霧乾燥する条件は各実施例とも実施例1と
同等条件で行った。噴霧乾燥で得られた固形物を焼成す
る際には得た固形物をマッフル炉で、室温から300℃
まで2時間かけ昇温後1時間保持する工程までは実施例
1と同じ様にした。その後実施例1では、さらに600
℃まで2時間で昇温後1時間保持した後徐冷し、球状シ
リカ−アルミナ−マグネシア粒子を得ているが、この焼
成時の最高温度を各実施例について表2に焼成温度とし
て示した。また、球状シリカ−アルミナ−マグネシア粒
子組成を表2に示した。表3に各実施例で得た球状シリ
カ−アルミナ−マグネシア粒子の性状を示した。
【0041】
【実施例8】実施例1で得られた球状シリカ−アルミナ
−マグネシア粒子(A)1kgを蒸留水5リットルを入
れたガラス容器に加え、60℃で撹拌しながら、塩化パ
ラジウムの希塩酸溶液、硝酸鉛水溶液をPdおよびPb
として2.5wt%(粒子(A)に対して)に相当する
量を素早く投入する。その後1時間保持し、ヒドラジン
を量論量の1.2倍添加し還元する。還元後上澄みをデ
カントし、Clイオンが検出されなくなるまで蒸留水で
洗浄し、60℃で真空乾燥しPd、Pbを2.5wt%
担持した触媒を得た。電磁誘導撹拌器付き300mlの
ステンレス製オートクレーブに触媒20g、原料とし
て、メタクロレイン濃度が20wt%のメタノールを1
50ml加え、滞留時間3時間となる様にメタクロレイ
ン濃度20wt%のメタノールを連続的に供給し、温度
80℃、圧力4kg/cm2 、回転数1000rpm
(撹拌チップ速度:1.2m/s)、pH7となるよう
にNaOH/メタノール溶液を、出口酸素濃度8体積%
となる様に、空気および窒素を供給し、連続反応を行っ
た。200時間反応させ、反応生成物をガスクロマトグ
ラフィーで分析したところメタクロレインの転化率は6
3.3%でメチルメタクリレート(MMA)の選択率は
89.4%であった。また、1000時間反応後触媒を
抜き出し、電子顕微鏡(SEM)で調べたところ触媒に
割れ、欠け、中空はほとんど見られなかった。
【0042】
【比較例4】比較例1の球状シリカ−アルミナ−マグネ
シア粒子(C)を実施例8と同様の方法で触媒を得た。
実施例8と同様の操作で連続反応を行った。200時間
反応させ、ガスクロマトグラフィーで分析したところメ
タクロレインの転化率は59.2%でメチルメタクリレ
ート(MMA)の選択率は87.4%であった。また、
1000時間反応後触媒を抜き出し、電子顕微鏡(SE
M)で調べたところ触媒の一部に割れ、欠け、中空が見
られた。
【0043】
【実施例9】実施例1の球状シリカ−アルミナ−マグネ
シア粒子(A)1kgを0.1Nのアンモニア水を酸点
の量の3〜4倍に相当する量でイオン交換した。1リッ
トルの蒸留水を加え、60℃で撹拌しながら0.01モ
ルの[Pd[NH34]C12水溶液をPdが2.5wt
%(粒子(A)に対して)に相当する量をゆっくり滴下
する。その後ろ過し、Clイオンが検出されなくなるま
で蒸留水で洗浄し、110℃で乾燥する。水素気流中
で、300℃、4時間還元し、さらに、酢酸ビスマスを
ビスマスとして2.5wt%相当量を含浸担持した触媒
を得た。電磁誘導撹拌器付き300mlのステンレス製
オートクレーブに触媒20g、原料として、アクロレイ
ン濃度が20wt%のメタノールを150ml加え、滞
留時間3時間となる様にアクロレイン濃度20wt%の
メタノールを連続的に供給し、温度80℃、圧力4kg
/cm2 、回転数1000rpm(撹拌チップ速度:
1.2m/s)、pH7となるようにNaOH/メタノ
ール溶液を、出口酸素濃度8体積%となる様に、空気お
よび窒素を供給し、連続反応を行った。反応200時間
反応させガスクロマトグラフィーで分析したところアク
ロレインの転化率は64.1%でアクリレートの選択率
は88.6%であった。1000時間反応後触媒を抜き
出し、電子顕微鏡(SEM)で調べたところ触媒に割
れ、欠け、中空はほとんど見られなかった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】本発明の球状シリカ−アルミナ−マグネ
シア粒子は機械的強度が強く、比表面積が大きく、形状
が球状で、環境に優しい材料であることから、顔料、充
填剤、研磨剤、化粧品基剤、農業用担体、触媒担体、吸
着剤等として有用であり、特に、パラジウム系担持触媒
を提供する際に、この球状シリカーアルミナーマグネシ
ア粒子を触媒担持とし用いれば、優れた触媒性能を長期
間安定に運転継続することができると共に、触媒寿命が
大きく改善されたことにより触媒交換の頻度が少なくな
ることから操作性も良く、経済的効果が大である。ま
た、本発明の方法によれば、機械的強度が強く、比表面
積が大きく、流動性の良い球状シリカーアルミナーマグ
ネシア粒子を再現性良く製造することできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA01 AA03 AA08 AA11 BA01A BA01B BA02A BA02B BA06A BA06B BA37 BC72A BC72B CB02 CB04 CB05 CB06 CB75 CB77 EA04X EC02X EC03X EC06X EC13X EC14X EC15X EC21X FB63 FC06 4G072 AA35 AA36 BB07 DD03 GG01 GG03 HH18 JJ30 LL06 MM01 MM02 MM21 MM32 MM36 RR06 TT01 TT04 TT05 TT09 TT30 UU17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記a)〜f)の特性を有する、アルミ
    ニウムとマグネシウムを含有するシリカ球状粒子。 a)比表面積 ; 60〜500(m2 /g) b)細孔容積 ; 0.1〜0.5(cm3 /g) c)細孔分布 ; 細孔直径10〜500Åの範囲に細
    孔容積の90%以上がある。 d)嵩密度 ; 0.6〜1.3(g/cm3 ) e)耐摩耗性 ; 2.0wt%/15hr以下 f)平均粒子径 ; 0.5〜300μm g)アルミニウムの含有量が酸化物として5〜40wt
    %であり、かつマグネシウムの含有量が酸化物として3
    〜30wt%である。
  2. 【請求項2】 シリカ、アルミニウム化合物、マグネシ
    ウム化合物を、それぞれシリカ、アルミニウム酸化物、
    マグネシウム酸化物として30〜92wt%、5〜40
    wt%、3〜30wt%含有するスラリーを調合し、該
    スラリーの粘度が100cp〜10000cpの範囲で
    噴霧乾燥造粒して製造する請求項1記載シリカ球状粒子
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のシリカ球状粒子にパラ
    ジウムを含む金属成分を担持してなる貴金属担持物。
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