JP2000095313A - 制振ラックフレーム及び高層倉庫 - Google Patents

制振ラックフレーム及び高層倉庫

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JP2000095313A
JP2000095313A JP10267743A JP26774398A JP2000095313A JP 2000095313 A JP2000095313 A JP 2000095313A JP 10267743 A JP10267743 A JP 10267743A JP 26774398 A JP26774398 A JP 26774398A JP 2000095313 A JP2000095313 A JP 2000095313A
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chord
chord material
upper chord
rack frame
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Hironori Nagai
宏典 永井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平方向の力に対するねばりが強く、全体の
重量が軽く、安全性が高く、施工性が良く、経済的な高
層倉庫の制振ラックフレームを提供する。 【解決手段】 制振ラックフレーム1は、上弦材21及
び下弦材22から構成される下部梁20と、下部梁20
上に立設された中立軸11、中立軸11を挟む主架構1
2、横梁13及び斜材14から構成されてトラス構造を
なす複数のフレーム部10と、フレーム部10の上端部
を横方向に連結してフレーム部10とで門型ラーメン構
造を構成する上弦材31及び下弦材32を有する上部梁
30と、中立軸11及び主架構12の下側で上弦材21
と下弦材22とをアンカーボルトを用いないで連結する
束材40と、主架構12の下側の束材40周りに空隙部
51を有するコンクリートのマットスラブ50と、マッ
トスラブ50の下層に設けられて空隙部51の下側に空
隙部61を有するスペーサ60とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振性を向上させ
るとともに、施工性の向上のためにアンカーボルトを用
いないで構成した制振ラックフレームと、それを用いた
高層倉庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来の高層倉庫におけるラック
フレームの一例を示すとともに地中部を断面で示す正面
図である。また、図9は、図8のフレーム部110の地
中部との連結部分を詳細に示す図であり、(a)は正面
図、(b)は(a)のA−A方向の矢視断面図である。
【0003】図8に示すように、ラックフレーム100
は、地上に複数並設されたフレーム部110を備える。
これらの各フレーム部110は、2本のチャンネルを重
ね合わせた中立軸111と、中立軸111を挟むように
中立軸111と所定間隔を介して一対配置された主架構
112と、中立軸111と一対の主架構112とを横方
向に連結する横梁113と、中立軸111とこれに隣接
する一対の主架構112とを斜め方向に連結する斜材1
14とから構成されることにより、トラス構造をなして
いる。また、このラックフレーム100は、複数のフレ
ーム部110の上端がH型鋼等の上部梁130で剛接さ
れることにより、ラーメン構造をなしている。
【0004】図9に示すように、地面部分には一対のチ
ャンネル材151が設けられ、上側のチャンネル材15
1は地面ライン上に配置され、下側のチャンネル材15
1は上側のチャンネル材151と所定間隔を介して対向
配置されている。中立軸111及び主架構112の各下
端の柱脚部111a及び112aは、上側のチャンネル
材151上に搭載されるとともに、一対のチャンネル材
151間を締結するアンカーボルト152によって固定
されている。そして、上側のチャンネル材151とアン
カーボルト152の下端との範囲に位置する地中層に
は、コンクリートからなるマットスラブ150が設けら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来の
ラックフレーム100において、地震等によってラック
フレーム100に水平方向の力がかかると、フレーム部
110が傾斜し、中立軸111及び主架構112の柱脚
部111a及び112aに応力が集中し、この柱脚部1
11a及び112aが引張力や圧縮力によって崩壊して
しまうおそれがある。
【0006】そこで、従来のラックフレーム100で
は、主架構112を下端部ほど太くして強度を高めると
ともに、アンカーボルト152の本数を増やしたり、ア
ンカーボルト152による固定力を高めるためにマット
スラブ150の打設時に予め補助鋼材を埋設すること等
を行っていた。
【0007】しかし、アンカーボルト152の本数を増
やすと、アンカーボルト152は芯出しを行って打ち込
まなければならないので、この芯出し作業やアンカーボ
ルト152による固定作業に時間がかかるという問題が
ある。また、主架構112の下端部を太くすると、それ
だけラックフレーム100全体の重量が増加して材料費
がかかり、アンカーボルト152の本数を増やしたり補
助鋼材を使用することによってもこれらの材料費がかか
るという問題がある。さらにまた、従来のラックフレー
ム100では、フレーム部110がトラス構造をなすも
のであるので、たとえ主架構112の下端部を太くする
等しても、高さが40mを越す高層倉庫においては、地
震等によって水平方向の力を受けると、中立軸111を
境にして両側の主架構112に極めて大きな引張力及び
圧縮力が作用し、応力集中による崩壊の危険があるとい
う問題がある。
【0008】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、水平方向の力に対するねばりが強く、全体の重量が
軽く、安全性が高く、施工性が良く、経済的な高層倉庫
における制振ラックフレームを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明(制振ラックフレーム)は、高層倉
庫のラックフレームとして用いられる制振ラックフレー
ムであって、地面ラインに配置された上弦材、及び前記
上弦材の下側に所定間隔を介して対向配置された下弦材
から構成される下部梁と、前記下部梁の前記上弦材上に
立設された中立軸、前記中立軸を挟むように前記中立軸
と所定間隔を介して一対配置されるとともに前記下部梁
の前記上弦材上に立設された主架構、前記中立軸と一対
の前記主架構とを横方向に連結する横梁、及び前記中立
軸と一対の前記主架構とを斜め方向に連結する斜材から
構成されてトラス構造をなし、複数並設されたフレーム
部と、複数の前記フレーム部の上端部を横方向に連結す
るとともに所定間隔を介して対向配置された上弦材と下
弦材、及び一対の前記主架構間において前記上弦材と前
記下弦材とを斜め方向に連結する斜材から構成され、前
記フレーム部とで門型ラーメン構造を構成する上部梁
と、前記中立軸及び各前記主架構の下側であって前記下
部梁の前記上弦材と前記下弦材との間を、アンカーボル
トを用いることなく連結する鉄鋼からなる束材と、前記
下部梁の前記上弦材と前記下弦材との間に位置するよう
に設けられた地中層であって、各前記主架構の下側の前
記束材周りに第1空隙部を有するコンクリートからなる
マットスラブと、前記下部梁の前記下弦材の下側に位置
するように設けられた地中層であって、前記マットスラ
ブの前記第1空隙部に対向する領域に第2空隙部を有す
る鉄鋼からなる板状のスペーサとを備えることを特徴と
する。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の制振
ラックフレームにおいて、隣接する前記フレーム部の隣
り合う前記主架構間では、前記上部梁の前記上弦材及び
前記下弦材は、分離されているとともに滑動可能に接続
されており、かつ前記上部梁の前記上弦材と前記下弦材
とが軟鋼からなる制振ダンパにより連結されていること
を特徴とする。請求項3の発明は、請求項1又は請求項
2に記載した制振ラックフレームにおいて、前記中立軸
及び前記主架構の上端は、前記上部梁の前記上弦材から
上方に突出していることを特徴とする。
【0011】請求項4の発明(高層倉庫)は、請求項1
から請求項3までのいずれか1項に記載の制振ラックフ
レームと、前記制振ラックフレームの各前記フレーム部
間に設けられたクレーン走行空間と、前記クレーン走行
空間の前記下部梁の前記上弦材上に設けられ、クレーン
が走行するレールと、前記レールの下側の前記下部梁の
前記上弦材と前記下弦材との間を連結する鉄鋼からなる
第2束材とを備え、前記第2束材周りには、前記マット
スラブが設けられており、前記第2束材周りに設けられ
た前記マットスラブの下側には、前記スペーサが設けら
れていることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明においては、制振ラックフレームが水平
方向の力を受けると、中立軸の両側の主架構には引張力
及び圧縮力が生じる。このときに、下部梁の上弦材及び
下弦材は、主架構の下に存在する第1空隙部及び第2空
隙部により、引張力を受ける主架構側では上に凸となる
方向にたわみ、圧縮力を受ける主架構側では下に凸とな
る方向にたわむ。このたわみは、フレーム部と上部梁と
から構成される門型ラーメン構造で吸収され、特に請求
項3の発明においては、上部梁でこのたわみが吸収され
る。したがって、主架構の下端部に働く引張応力及び圧
縮応力は、小さくなる。また、請求項2の発明において
は、制振ラックフレームに発生した揺れは、制振ダンパ
によって抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
の一実施形態について説明する。図1は、本発明による
高層倉庫の一実施形態を示す外観斜視図である。図1に
おいて、高層倉庫は、図中、B方向に並設された複数の
フレーム部10等により構成される制振ラックフレーム
1と、隣接するフレーム部10の間に形成されたクレー
ン走行空間2と、このクレーン走行空間2の床面に敷設
されたレール3と、このレール3上を走行するクレーン
4等とを備える。ここで、図中、C方向は、クレーン4
の走行方向である。
【0014】図2は、図1の制振ラックフレーム1を示
すとともに地中部を断面で示す正面図である。下部梁2
0は、地面ラインに配置された上弦材21と、上弦材2
1の下側に所定間隔を介して対向配置された下弦材22
とから構成されている。また、複数並設されたフレーム
部10は、多層の棚を有し、中立軸11と、主架構12
と、横梁13と、斜材14とから構成されている。
【0015】中立軸11は、2本のチャンネルを重ね合
わせたものから形成され、下部梁20の上弦材21上に
立設されている。また、主架構12は、角パイプ材であ
り、中立軸11を挟むように中立軸11と所定間隔を介
して一対配置され、下部梁20の上弦材21上に立設さ
れている。ここで、従来技術で説明した主架構112
は、下端部の強度を高めるために、下端部ほど太くした
(断面を大きくした)ものを用いていたが、本実施形態
での主架構12は、断面が一定なものを用いている。横
梁13は、中立軸11とこれに隣接する一対の主架構1
2とを各層において横方向に連結している。また、斜材
14は、滑接(ピン接合)又は半剛接(セミリジット)
等により、中立軸11とこれに隣接する一対の主架構1
2とを隣接する上下層間において斜め方向に連結してい
る。以上の構成によって、フレーム部10は、トラス構
造をなしている。
【0016】さらに、図1に示すように、複数の中立軸
11及びフレーム部10の数層にまたがるようにブレス
材15を設けることにより、中立軸11とブレス材15
とで大きなブレス構造を構成し、クレーン4の走行方向
(図1中、C方向)に対する強度を高めている。
【0017】各フレーム部10の上端部間は、上部梁3
0によって連結されている。上部梁30は、所定間隔を
介して対向配置されたH型鋼からなる上弦材31と下弦
材32、及び中立軸11とこれに隣接する主架構12と
の間において上弦材31と下弦材32とを斜め方向に連
結する斜材33から構成されている。また、上部梁30
の上弦材31上から中立軸11及び主架構12の先端部
が突出するように上弦材31を取り付けている。この上
部梁30によってフレーム部10間を連結することによ
り、フレーム部10と上部梁30とで門型ラーメン構造
を構成する。なお、隣接するフレーム部10の隣り合う
主架構12間において、上部梁30の上弦材31と下弦
材32との間には、斜材33は設けられず、後述する制
振ダンパ86(図5)が設けられている。
【0018】図3は、中立軸11、下部梁20、及び束
材40を詳細に示すとともに地中部を断面で示す図であ
り、(a)は正面図、(b)は(a)のD−D方向の矢
視断面図、(c)は(a)のE−E方向の矢視断面図で
ある。図3において、中立軸11の下端の左右両側面に
はL型アングル16が取り付けられ、このL型アングル
16を下部梁20の上弦材21上にボルト17にて締結
することにより、中立軸11を支持している。なお、図
示しないが、各主架構12も中立軸11と同様にして下
部梁20の上弦材21上に支持されている。
【0019】上弦材21及び下弦材22は、H型鋼を中
央部から切断してT型鋼としたもの(CT型鋼)であ
り、平坦部がそれぞれ上面及び下面となるように対向配
置されている。これらの上弦材21と下弦材22とは、
各中立軸11の下側に配置された鉄鋼からなる束材40
により連結されている。
【0020】束材40は、束材40aと40bとから構
成されている。束材40aは、L型鋼であり、上弦材2
1及び下弦材22を連結するようにこれらの両面に配置
され、かつ、束材40bを挟むように束材40bから所
定間隔を介して一対配置されている。すなわち、1つの
中立軸11の下側には4つの束材40aが設けられてい
る。また、束材40bは、平板鋼から形成され、中立軸
11のほぼ真下に配置されている。そして、束材40b
の天面側及び底面側にはそれぞれ溝が形成され、この溝
に上弦材21及び下弦材22のT型形状の凸部分が入り
込んでいる。
【0021】これらの束材40a及び40bは、溶接に
よって上弦材21及び下弦材22に連結されている。な
お、各主架構12の下側も、中立軸11と同様に束材4
0が設けられている。以上の構成から明らかであるが、
従来例で示したアンカーボルト152を用いずに中立軸
11及び主架構12を固定している。
【0022】図4は、下部梁20の上弦材21の下側に
設けられるマットスラブ50、及び下部梁20の下弦材
22の下側に設けられるスペーサ60を示すとともに地
中部を断面で示す図であり、(a)は正面図、(b)は
平面図である。隣接するフレーム部10間のクレーン走
行空間2において、下部梁20の上弦材21上には、レ
ール3が延在して設けられているが、このレール3のほ
ぼ真下において、下部梁20の上弦材21と下弦材22
との間は平板鋼からなる束材70によって連結されてい
る。束材70は、上弦材21及び下弦材22に溶接され
ることにより連結されている。
【0023】マットスラブ50は、コンクリートからな
り、下部梁20の上弦材21と下弦材22との間に位置
するように設けられた地中層である。そして、このマッ
トスラブ50は、全範囲に設けられているのではなく、
一部に空隙部51を有する。空隙部51は、主架構12
の下側の束材40周りに略直方体状の空間を形成するよ
うに設けられている。一方、その他の範囲、すなわち中
立軸11の下側の束材40周りや、レール3の下側の束
材70周りには、マットスラブ50が設けられている。
【0024】スペーサ60は、板状の鉄鋼からなり、下
部梁20の下弦材22の下側に位置するように設けられ
た地中層である。このスペーサ60は、その上層に設け
られたマットスラブ50の空隙部51に対応する領域
に、空隙部61を有する。すなわち、主架構12の下側
では、下部梁20の上弦材21と下弦材22との間には
空隙部51が形成されており、さらに下弦材22の下側
には空隙部61が形成されている。なお、これらの空隙
部51及び61を形成するには、空隙部51には木製パ
ネルを装着し、空隙部61には発泡スチロールを装着し
た状態でコンクリートを打設して、マットスラブ50を
設ければ良い。
【0025】図5は、制振ラックフレーム1の上端部近
傍を詳細に示す正面図である。上部梁30の上弦材31
上には、屋根81が設けられている。隣接するフレーム
部10の隣り合う主架構12の各上端(上弦材31上か
ら突出した部分)には、Lアングル82が設けられ、さ
らにこのLアングル82にC型チャネル83が取り付け
られている。そして、屋根81は、このC型チャネル8
3により支持されている。さらに、隣接するフレーム部
10の隣り合う主架構12間において上部梁30の上弦
材31上には、立設する支持部材84が設けられてお
り、この支持部材84の上端にも上記と同様にLアング
ル82を介してC型チャネル83が取り付けられ、屋根
81を支持している。
【0026】また、隣接するフレーム部10の隣り合う
主架構12間では、上部梁30の上弦材31及び下弦材
32は、L字状に分離されるとともに滑動可能に接続さ
れている。図5に示すように、分離された上弦材31及
び下弦材32は、スライド可能なボルト85によって連
結されている。また、上弦材31及び下弦材32の分離
された部分では、制振ダンパ86によって上弦材31と
下弦材32とが連結されている。制振ダンパ86は、例
えばH型軟鋼から形成されたものである。そして、制振
ダンパ86の上端及び下端は、それぞれボルト87によ
って上弦材31及び下弦材32に固定されている。
【0027】以上のように構成された制振ラックフレー
ム1においては、アンカーボルトを用いず、また、上部
梁30を上弦材31と下弦材32とから構成してフレー
ム部10を上述のように連結し、さらに断面が一定な主
架構12を用いているので、制振ラックフレーム1全体
の重量を軽くすることができ、従来のラックフレーム1
と比較して、使用する鉄鋼材料を20〜30%程度削減
することができる。
【0028】図6は、制振ラックフレーム1が水平方向
の力を受けたときの状態を示すとともに地中部を断面で
示す正面図である。各フレーム部10が水平方向(図
中、矢印F方向)の力を受けると、主架構12、横梁1
3及び斜材14は、それぞれ点線12’、13’及び1
4’で示すように変位するとともに、各フレーム部10
の図中、左側の主架構12には引張力P1が生じ、図中
右側の主架構12には圧縮力P2が生じる。
【0029】しかし、各主架構12の下側において下部
梁20の上弦材21と下弦材22との間には空隙部51
が形成されており、かつ下弦材22の下側には空隙部6
1が形成されているので、上弦材21及び下弦材22
は、中立軸11を中心として、引張力P1を受ける主架
構12側では上に凸となる方向にたわみ、圧縮力P2を
受ける主架構12側では下に凸となる方向にたわむ。上
弦材21及び下弦材22の変位後の状態をそれぞれ点線
21’、22’で示す。このように上弦材21及び下弦
材22をたわませれば、主架構12には応力集中が生じ
ないので、主架構12の下端部を太くしなくても問題は
ない。
【0030】下部梁20の上弦材21及び下弦材22
は、全体として波状にたわむ。そして、このたわみは、
制振ラックフレーム1の門型ラーメン構造で吸収され、
中立軸11で相殺される。したがって、中立軸11には
引張力及び圧縮力が生じない。特に、本実施形態のよう
に上部梁30の上弦材31上から中立軸11及び主架構
12の先端部を突出させた構造にすれば、上部梁30で
たわみを効率良く吸収することができる。
【0031】また、隣接するフレーム部10の隣り合う
主架構12の中間のレール3の直下では、その両側の主
架構12の引張力と圧縮力とが相殺される中立位置にあ
る。よって、この位置には引張力や圧縮力は生じない。
さらにまた、隣接するフレーム部10の隣り合う主架構
12間では、水平方向の力を受けることにより、上部梁
30の上弦材31及び下弦材32は、可動範囲内でそれ
ぞれ滑動するが、このときの制振ラックフレーム1の揺
れは、制振ダンパ86によって抑制される。
【0032】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図
7は、従来のラックフレームと本発明による制振ラック
フレームとを、振動応答解析によりシュミレーションを
行ったときの制振結果を比較して示す図であり、(a)
は従来のラックフレーム、(b)は本発明による制振ラ
ックフレームを示す。振動応答解析の条件は、設置高さ
を43メートルで層を25段とし、荷重量を1トン/パ
レットとし、入力地震波をエルセントロEWで最大加速
度200ガルとした。この結果より、最大加速度は、従
来のラックフレームが約700ガルであるのに対し、本
発明による制振ラックフレームでは約450ガルまで減
衰しており、本発明の制振ラックフレームは、極めて高
い制振効果を発揮できることを確認できた。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、制振ラックフレームが
水平方向の力を受けたときに、主架構の下側の下部梁の
上弦材及び下弦材をたわませ、このたわみを門型フレー
ム構造、特に請求項3の発明では上部梁で吸収できるの
で、主架構の下端部に働く引張応力及び圧縮応力を小さ
くすることができる。これにより、水平方向の力に対す
るねばりを強くし、安全性を高めることができる。特
に、高さが40mを越す高層倉庫であっても、応力集中
をなくして崩壊の危険を防止することができる。
【0034】また、制振ラックフレーム全体の重量を軽
くして、材料コストの低減を図ることができる。さらに
また、従来のようにアンカーボルトを使用しないので、
アンカーボルトの芯出し作業等の必要がなくなり、施工
性を良くし、経済的なものにすることができる。さら
に、請求項2の発明によれば、制振ダンパによって制振
ラックフレームの揺れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高層倉庫の一実施形態を示す外観
斜視図である。
【図2】図1の制振ラックフレームを示すとともに地中
部を断面で示す正面図である。
【図3】中立軸、下部梁、及び束材を詳細に示すととも
に地中部を断面で示す図であり、(a)は正面図、
(b)は(a)のD−D方向の矢視断面図、(c)は
(a)のE−E方向の矢視断面図である。
【図4】下部梁の上弦材の下側に設けられるマットスラ
ブ、及び下部梁の下弦材の下側に設けられるスペーサを
示すとともに地中部を断面で示す図であり、(a)は正
面図、(b)は平面図である。
【図5】制振ラックフレームの上端部近傍を詳細に示す
正面図である。
【図6】制振ラックフレームが水平方向の力を受けたと
きの状態を示すとともに地中部を断面で示す正面図であ
る。
【図7】振動応答解析によりシュミレーションを行った
ときの制振結果を示す図であり、(a)は従来のラック
フレームを示し、(b)は本発明による制振ラックフレ
ームを示す。
【図8】従来の高層倉庫におけるラックフレームの一例
を示すとともに地中部を断面で示す正面図である。
【図9】図8のフレーム部の地中部との連結部分を詳細
に示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA
−A方向の矢視断面図である。
【符号の説明】
1 制振ラックフレーム 2 クレーン走行空間 3 レール 4 クレーン 10 フレーム部 11 中立軸 12 主架構 13 横梁 14 斜材 20 下部梁 21 上弦材 22 下弦材 30 上部梁 31 上弦材 32 下弦材 33 斜材 40 束材 50 マットスラブ 51 空隙部(第1空隙部) 60 スペーサ 61 空隙部(第2空隙部) 70 束材(第2束材) 86 制振ダンパ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高層倉庫のラックフレームとして用いら
    れる制振ラックフレームであって、 地面ラインに配置された上弦材、及び前記上弦材の下側
    に所定間隔を介して対向配置された下弦材から構成され
    る下部梁と、 前記下部梁の前記上弦材上に立設された中立軸、前記中
    立軸を挟むように前記中立軸と所定間隔を介して一対配
    置されるとともに前記下部梁の前記上弦材上に立設され
    た主架構、前記中立軸と一対の前記主架構とを横方向に
    連結する横梁、及び前記中立軸と一対の前記主架構とを
    斜め方向に連結する斜材から構成されてトラス構造をな
    し、複数並設されたフレーム部と、 複数の前記フレーム部の上端部を横方向に連結するとと
    もに所定間隔を介して対向配置された上弦材と下弦材、
    及び一対の前記主架構間において前記上弦材と前記下弦
    材とを斜め方向に連結する斜材から構成され、前記フレ
    ーム部とで門型ラーメン構造を構成する上部梁と、 前記中立軸及び各前記主架構の下側であって前記下部梁
    の前記上弦材と前記下弦材との間を、アンカーボルトを
    用いることなく連結する鉄鋼からなる束材と、 前記下部梁の前記上弦材と前記下弦材との間に位置する
    ように設けられた地中層であって、各前記主架構の下側
    の前記束材周りに第1空隙部を有するコンクリートから
    なるマットスラブと、 前記下部梁の前記下弦材の下側に位置するように設けら
    れた地中層であって、前記マットスラブの前記第1空隙
    部に対向する領域に第2空隙部を有する鉄鋼からなる板
    状のスペーサとを備えることを特徴とする制振ラックフ
    レーム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の制振ラックフレームに
    おいて、 隣接する前記フレーム部の隣り合う前記主架構間では、
    前記上部梁の前記上弦材及び前記下弦材は、分離されて
    いるとともに滑動可能に接続されており、かつ前記上部
    梁の前記上弦材と前記下弦材とが軟鋼からなる制振ダン
    パにより連結されていることを特徴とする制振ラックフ
    レーム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載した制振ラ
    ックフレームにおいて、 前記中立軸及び前記主架構の上端は、前記上部梁の前記
    上弦材から上方に突出していることを特徴とする制振ラ
    ックフレーム。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載の制振ラックフレームと、 前記制振ラックフレームの各前記フレーム部間に設けら
    れたクレーン走行空間と、 前記クレーン走行空間の前記下部梁の前記上弦材上に設
    けられ、クレーンが走行するレールと、 前記レールの下側の前記下部梁の前記上弦材と前記下弦
    材との間を連結する鉄鋼からなる第2束材とを備え、 前記第2束材周りには、前記マットスラブが設けられて
    おり、前記第2束材周りに設けられた前記マットスラブ
    の下側には、前記スペーサが設けられていることを特徴
    とする高層倉庫。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002338018A (ja) * 2001-05-11 2002-11-27 Nippon Steel Corp 立体倉庫
CN103708162A (zh) * 2012-10-05 2014-04-09 株式会社丰田自动织机 物品收纳架
CN110182513A (zh) * 2019-05-13 2019-08-30 盐城品迅智能科技服务有限公司 一种用于智能仓储装备的分类仓储架及分类仓储方法

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