JP4405336B2 - 制震ブロック壁構造 - Google Patents
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ブロック壁1は、鋼製ブロック部材5と低降伏点鋼ブロック部材6との組み合わせとし、建物の柱・梁架構面内の上段と下段に鋼製ブロック部材5を配置し、その中間部分に少なくとも一段の低降伏点鋼ブロック部材6を配置し、上下・左右に組み合わせた各ブロック部材5、6の相互間を接合した構成とされており、
前記構成のブロック壁1は、建物の柱・梁架構面内に、その左右の縦辺と柱2との間に前記低降伏点鋼ブロック部材6の地震時の変形を許容する大きさのクリアランスTを設けて組み込まれ、同ブロック壁1の上辺と下辺がそれぞれ上下の梁3と接合されていることを特徴とする。
ブロック壁1が組み込まれる建物の柱・梁架構面内における上下の梁3の内周面にあと施工アンカー10が設けられ、フランジ11bの外面にスタッド12を有するCT鋼材11が、そのウエブ11aを内方に向け、前記フランジ外面のスタッド12を前記あと施工アンカー10と接合し、更に前記梁3の内周面とCT鋼材11のフランジ11bとの間に無収縮モルタル・コンクリート13を充填して固定したCT鋼材11がブロック壁の上下辺の固定治具として設けられ、
ブロック壁1の上辺は前記上側梁3のCT鋼材11のウエブ11bと接合され、下辺は下側梁3のCT鋼材11のウエブ11bと接合されていることを特徴とする。
既存建物の柱・梁架構における下階梁3の上面に左右に間隔をあけて新設柱20が構築され、各新設柱20の上端部は相互に新設梁21で連結して新設柱・梁架構が形成され、
ブロック壁1は、鋼製ブロック部材5と低降伏点鋼ブロック部材6との組み合わせとし、前記新設柱・梁架構面内の上段と下段に鋼製ブロック部材5を配置し、その中間部分に少なくとも一段の低降伏点鋼ブロック部材6を配置し、上下・左右に組み合わせた各ブロック部材5、6の相互間を接合した構成とされ、
前記新設柱・梁架構における上辺の新設梁21の内周面に、フランジ外面にスタッド22を有するCT鋼材23が、そのウエブを内方に向け、フランジと新設梁内面との間に無収縮モルタル・コンクリート26を充填して固定したCT鋼材23がブロック壁用の上側固定治具として設けられ、
前記新設柱・梁架構における下階梁3の内周面にあと施工アンカー10が設けられ、フランジ外面にスタッド25を有するCT鋼材24が、そのウエブを内方に向け、フランジ外面のスタッド25を前記あと施工アンカー10と接合し、更に新設柱・梁架構の下階梁3の内周面とCT鋼材24のフランジとの間に無収縮モルタル・コンクリート26を充填して固定したCT鋼材24がブロック壁用の下側固定治具として設けられ、
前記ブロック壁1は、新設柱・梁架構面内に、その左右の縦辺と柱2との間に前記低降伏点鋼ブロック部材6の地震時の変形を許容する大きさのクリアランスTを設けて組み込まれ、その上辺が前記上側の新設梁21のCT鋼材23のウエブと接合され、下辺は下側の下階梁3のCT鋼材24のウエブと接合されていることを特徴とする。
ブロック壁1の左右の縦辺にも、前記柱・梁架構面内の高さと略等しい長さのCT鋼材17又は29が、そのウエブを内向きとしブロック壁1と接合して設けられ、同CT鋼材のフランジ外面の上下の端部に、外方に向けてガゼットプレート18又は30が設けられており、
前記ガゼットプレート18又は30が、柱・梁架構の前記柱側面に設けた前記CT鋼材14又は28のウエブと接合されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1ないし4のいずれか一に記載した制震ブロック壁構造において、
鋼製ブロック部材5は、上下にフランジ5bを有する溝形鋼状材を背中合わせに二つ組み合わせて構成され、上下に隣接する鋼製ブロック部材5、5同士は各々のフランジ5b同士を重ね合わせて接合され、左右方向に隣接する鋼製ブロック部材5、5は上下方向に配置したCT鋼材9の左右のフランジ9b、9bを二つの溝形鋼状材のウエブ5a、5a間に挟んで接合されており、
低降伏点鋼ブロック部材6は板状に形成され、上下に隣接する鋼製ブロック部材5とは接合鋼板7の上下一方の端部を鋼製ブロック部材5を構成する二つの溝形鋼状材のウエブ5a、5a間に挟んで接合され、他方の端部と低降伏点鋼ブロック部材とは重ね合わせて接合され、上下に隣接する低降伏点鋼ブロック部材6、6同士は水平方向に配置したCT鋼材8の上下のフランジ8bと重ね合わせて接合され、左右に隣接する低降伏点鋼ブロック部材6、6同士は上下方向に配置したCT鋼材9の左右のフランジ9b、9bと重ね合わせて接合されていることを特徴とする、。
前記構成のブロック壁1は、建物の柱・梁架構面内に、その左右の縦辺と柱2との間に前記低降伏点鋼ブロック部材6の地震時の変形を許容する大きさのクリアランスTを設けて組み込み、同ブロック壁1の上辺と下辺をそれぞれ上下の梁3と接合する。
本実施例の制震ブロック壁構造は、通例のブロック壁構造と同様に、ブロック壁1が既存建物の柱2と梁3とで形成される柱・梁架構4の面内に組み込まれ、その上下の辺がそれぞれ梁3、3と接合された構成とされている。
同様に、下階梁3の上面3bと対峙するフランジ11bにスタッド12を有するCT鋼材11が、そのウエブ11aを柱・梁架構4の内方に向けて配置されている。前記下階梁3の上面3bのあと施工アンカー10とCT鋼材11のフランジ11bのスタッド12とを接合した上で、同上面3bとフランジ11bとの間に無収縮モルタル・コンクリート13が充填され、同CT鋼材11はブロック壁1の下辺の固定治具として設けられている。
同ブロック壁1の下端部(下辺)は、具体的な図示は省略するが、上端部と同じく、下段の鋼製ブロック部材5、5のウエブ5a、5aで挟み込まれた下辺の固定治具であるCT鋼材11のウエブ11aと接合されている(請求項2記載の発明)。
具体的には、図1、図3(C)、図4(C)に示すように、柱・梁架構4における左右の柱2、2の内周面、すなわち、左右の柱2、2が向かい合う側面2a、2aと相対峙する配置で、フランジ14bの外面にスタッド15を有し、柱・梁架構4の高さと略等しい長さのCT鋼材14が、そのウエブ14aを柱・梁架構4の内方に向けて配置されている。前記CT鋼材14のフランジ14bと柱2の側面2aとの間に無収縮モルタル・コンクリート16が充填され、同CT鋼材14はせん断力伝達治具として設けられている。
具体的には、新設柱・梁架構19における左右の内周面、すなわち、左右の新設柱20、20の向かい合う側面20a、20aに、スタッド27を介して架構19の高さと略等しい長さのCT鋼材28がせん断力伝達治具として、そのウエブ28aを新設柱・梁架構19の内方に向けて設けられている。
2 柱
3 梁
4 架構
5 鋼製ブロック部材
6 低降伏点鋼ブロック部材
10 あと施工アンカー
11 CT鋼材
11a ウエブ
11b フランジ
12 スタッド
13 無収縮モルタル・コンクリート
14 CT鋼材
14a ウエブ
14b フランジ
15 スタッド
16 無収縮モルタル・コンクリート
17 CT鋼材
17a ウエブ
17b フランジ
18 ガゼットプレート
19 架構
20 新設柱
21 新設梁
22、25 スタッド
23、24 CT鋼材
23a、24a ウエブ
24b フランジ
26 無収縮モルタル・コンクリート
27 スタッド
28 CT鋼材
28a ウエブ
29 CT鋼材
29a ウエブ
29b フランジ
30 ガゼットプレート
31、32 新設梁
33 スタッド
34 CT鋼材
34a ウエブ
Claims (5)
- ブロック壁は、鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材との組み合わせとし、建物の柱・梁架構面内の上段と下段に鋼製ブロック部材を配置し、その中間部分に少なくとも一段の低降伏点鋼ブロック部材を配置し、上下・左右に組み合わせた各ブロック部材の相互間を接合した構成とされており、
前記構成のブロック壁は、建物の柱・梁架構面内に、その左右の縦辺と柱との間に前記低降伏点鋼ブロック部材の地震時の変形を許容する大きさのクリアランスを設けて組み込まれ、同ブロック壁の上辺と下辺がそれぞれ上下の梁と接合されていることを特徴とする、制震ブロック壁構造。 - ブロック壁が組み込まれる建物の柱・梁架構面内における上下の梁内周面にあと施工アンカーが設けられ、フランジ外面にスタッドを有するCT鋼材が、そのウエブを内方に向け、前記フランジ外面のスタッドを前記あと施工アンカーと接合し、更に前記梁の内周面とCT鋼材のフランジとの間に無収縮モルタル・コンクリートを充填して固定したCT鋼材がブロック壁の上下辺の固定治具として設けられ、
ブロック壁の上辺は前記上側梁のCT鋼材のウエブと接合され、下辺は下側梁のCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする、請求項1に記載した制震ブロック壁構造。 - 既存建物の柱・梁架構における下階梁の上面に左右に間隔をあけて新設柱が構築され、各新設柱の上端部は相互に新設梁で連結して新設柱・梁架構が形成され、
ブロック壁は、矩形状の鋼製ブロック部材と低降伏点鋼ブロック部材との組み合わせとし、前記新設柱・梁架構面内の上段と下段に鋼製ブロック部材を配置し、その中間部分に少なくとも一段の低降伏点鋼ブロック部材を配置し、上下・左右に組み合わせた各ブロック部材の相互間を接合した構成とされ、
前記新設柱・梁架構における上辺の新設梁内周面に、フランジ外面にスタッドを有するCT鋼材が、そのウエブを内方に向け、フランジと新設梁内面との間に無収縮モルタル・コンクリートを充填して固定したCT鋼材がブロック壁用の上側固定治具として設けられ、
前記新設柱・梁架構における下階梁内周面にあと施工アンカーが設けられ、外面にスタッドを有するCT鋼材が、そのウエブを内方に向け、フランジ外面のスタッドを前記あと施工アンカーと接合し、更に新設柱・梁架構の下階梁内周面とCT鋼材のフランジとの間に無収縮モルタル・コンクリートを充填して固定したCT鋼材がブロック壁用の下側固定治具として設けられ、
前記ブロック壁は、新設柱・梁架構面内に、その左右の縦辺と柱との間に前記低降伏点鋼ブロック部材の地震時の変形を許容する大きさのクリアランスを設けて組み込まれ、その上辺が前記上側の新設梁のCT鋼材のウエブと接合され、下辺は下側の下階梁のCT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする、制震ブロック壁構造。 - ブロック壁が組み込まれる柱・梁架構面内における左右の柱側面と相対峙する配置で、フランジ外面にスタッドを有し、柱・梁架構面内の高さと略等しい長さのCT鋼材が、そのウエブを内方に向けて配置され、前記架構面内の柱側面と前記CT鋼材のフランジとの間に無収縮モルタル・コンクリートを充填して前記CT鋼材がせん断力伝達治具として設けられ、
ブロック壁の左右の縦辺にも、前記柱・梁架構面内の高さと略等しい長さのCT鋼材が、そのウエブを内向きとしブロック壁と接合して設けられ、同CT鋼材のフランジ外面の上下の端部に、外方に向けてガゼットプレートが設けられており、
前記ガゼットプレートが、柱・梁架構の前記柱側面に設けた前記CT鋼材のウエブと接合されていることを特徴とする、請求項1又は3に記載した制震ブロック壁構造。 - 鋼製ブロック部材は、上下にフランジを有する溝形鋼状材を背中合わせに二つ組み合わせて構成され、上下に隣接する鋼製ブロック部材同士は各々のフランジ同士を重ね合わせて接合され、左右方向に隣接する鋼製ブロック部材は上下方向に配置したCT鋼材の左右のフランジを二つの溝形鋼状材のウエブ間に挟んで接合されており、
低降伏点鋼ブロック部材は板状に形成され、上下に隣接する鋼製ブロック部材とは接合鋼板の上下一方の端部を鋼製ブロック部材を構成する二つの溝形鋼状材のウエブ間に挟んで接合され、他方の端部と低降伏点鋼ブロック部材とは重ね合わせて接合され、上下に隣接する低降伏点鋼ブロック部材同士は水平方向に配置したCT鋼材の上下のフランジと重ね合わせて接合され、左右に隣接する低降伏点鋼ブロック部材同士は上下方向に配置したCT鋼材の左右のフランジと重ね合わせて接合されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一に記載した制震ブロック壁構造。
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