JP2000089417A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2000089417A
JP2000089417A JP25506498A JP25506498A JP2000089417A JP 2000089417 A JP2000089417 A JP 2000089417A JP 25506498 A JP25506498 A JP 25506498A JP 25506498 A JP25506498 A JP 25506498A JP 2000089417 A JP2000089417 A JP 2000089417A
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silver halide
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coating
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JP25506498A
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English (en)
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Yoshiro Shigetomi
義郎 重富
Masaru Iwagaki
賢 岩垣
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層同時塗布方法において塗布性が優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料を提供すると共に、経時保存安
定性、現像処理安定性、圧力耐性が改良されたハロゲン
化銀写真感光材料およびその現像処理方法を提供するこ
と。 【解決手段】 支持体上の一方の側に、それぞれ少なく
とも2層の赤感光性層、緑感光性層、青感光性層および
非感光性層からなる写真構成層を有するハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料において、写真構成層を塗布するとき
の湿潤膜厚の合計をAμm、塗布乾燥後の巻き取り時の
乾燥膜厚をBμmとしたとき、以下の関係が成立するこ
とを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 8.3≦A/B≦13 A;140μm以上225μm以下 B;13μm以上18μm以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の写真構成層を
有する経時安定性、処理安定性、圧力耐性が改良され、
かつ塗布性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多数の写真構成層から形成される
ハロゲン化銀カラー写真感光材料は写真構成層を多層同
時塗布方法で形成し製造することが行われている。多層
同時塗布方法には、スライドホッパー型やカーテンコー
ター型のような複数のスリット(塗布液吐出口)とスラ
イド面を有する塗布装置が使用されている。10数層に
もおよぶ写真構成層を2〜3回に分けて塗布していたの
に対して、1回の塗布で形成できれば、製造時間とエネ
ルギーが大幅に節約できる。
【0003】これらの塗布装置において、写真構成層の
数と同じ数のスリットを設けておけば1回の塗布で形成
でき、生産効率を向上することができるが、従来は塗布
品質が不十分であった。
【0004】塗布上の欠点を改善する技術としては、特
開平3−219237号等に、写真構成層の各層の塗布
液の粘度バランスを調整することが開示されている。ま
た、特開昭52−115214号、同61−17497
0号、同63−11934号、同63−89847号、
特開平3−241338号、同5−281675号、同
6−67339号、同5−307229号、同6−35
110号、同7−20595号、同10−10673
号、同10−78631号、特公昭33−8977号、
米国特許第2,761,791号、同3,508,94
7号等には多層同時重層塗布に係わる様々な技術が提案
されている。
【0005】しかしながら、多層同時塗布方法では、塗
布品質が向上しても写真特性が不十分であることが判明
した。特に、経時保存安定性、現像処理安定性、圧力耐
性に影響が見られる。
【0006】ハロゲン化銀カラー写真感光材料に対する
要求は益々高まっており、高感度で優れた画質への要求
は当然のこと、さらにかかる諸特性についても、変動が
最小限に抑えられていることが求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、経時保存安定性、現像処理安定性、圧力耐性が改良
されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供すること
であり、さらには多層同時塗布方法においても塗布性が
優れているハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下によ
り達成された。即ち、 1)支持体上の一方の側に、それぞれ少なくとも2層の
赤感光性層、緑感光性層、青感光性層および非感光性層
からなる写真構成層を有するハロゲン化銀カラー写真感
光材料において、写真構成層を塗布するときの湿潤膜厚
の合計をAμm、塗布乾燥後の巻き取り時の乾燥膜厚を
Bμmとしたとき、以下の関係が成立することを特徴と
するハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0009】8.3≦A/B≦13 A;140μm以上225μm以下 B;13μm以上18μm以下 2)連続して走行する支持体上に、10層以上の写真構
成層を同時重層塗布して、1回の塗布で形成されること
を特徴とする前記1)に記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料。
【0010】3)写真構成層の少なくとも1層がヒドロ
キシ基を有するビニルスルホン型硬膜剤を含有すること
を特徴とする前記1)又は2)に記載のハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料。
【0011】4)写真構成層の全塗布銀量が4.0g/
2以下であることを特徴とする前記1)〜3)のいず
れか1つに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0012】5)写真構成層の少なくとも一層が、ポリ
アクリル酸化合物を含有することを特徴とする前記1)
〜4)のいずれか1つに記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料。
【0013】6)写真構成層における最表面層以外の非
感光性層の親油性写真素材重量/親水性コロイドバイン
ダー重量比が0.15以上1.0以下の範囲内であるこ
とを特徴とする前記1)〜5)のいずれか1つに記載の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0014】7)写真構成層の少なくとも一層が数平均
分子量500以上20000以下のビニルピロリドン重
合体を含有することを特徴とする前記1)〜6)のいず
れか1つに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0015】8)写真構成層の少なくとも1層が親水性
コロイドバインダーとして脱イオン化ゼラチンを含有
し、かつ写真構成層中のカルシウム含有量が50ppm
以下であることを特徴とする前記1)〜7)のいずれか
1つに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0016】9)写真構成層の塗膜銀電位が150mV
以下であることを特徴とする前記1)〜8)のいずれか
1つに記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明において、赤感光性ハロゲン化銀乳
剤層、緑感光性ハロゲン化銀乳剤層、および青感光性ハ
ロゲン化銀乳剤層は、それぞれ高感度層、低感度層の2
層構造からなっていてもよく、あるいは高感度層、中感
度層、低感度層の3層構造からなっていてもよい。ま
た、非感光性層としてはハレーション防止層、フィルタ
ー層、中間層、紫外線吸収層、保護層等が挙げられる。
本発明において写真構成層とは、支持体上の一方の側に
存在するこれらの感光性層と非感光性層とを合わせたも
のを言う。
【0019】本発明においては、写真構成層を塗布する
ときの湿潤膜厚の合計をAμm、塗布乾燥後の巻き取り
時の乾燥膜厚をBμmとしたとき、以下の関係が成立す
る。 8.3≦B/A≦13 本発明における塗布時の湿潤膜厚(μm)とは、直接測
定することが困難であるため、それぞれの写真構成層を
形成するために調製された塗布液の体積と均一に塗布さ
れた塗膜上での塗布量から計算される値を言う。例え
ば、ある層の塗布液の体積が1000mlで、この塗布
液を100m2の面積に均一に塗布した場合、塗布時の
湿潤膜厚は10μmとなる。
【0020】本発明においては、塗布時の膜厚をA、乾
燥後の膜厚をBとした時、8.3≦A/B≦13である
が、さらに好ましくは9.0≦A/B≦12である。
【0021】本発明においては、全写真構成層の塗布時
の湿潤膜厚を合計したものをAμmと定義するが、この
湿潤膜厚の合計Aは、140μm以上225μm以下で
あり、好ましくは、150μm以上200μm以下であ
る。
【0022】本発明において、塗布乾燥工程を経て作製
された感光材料の、巻き取り時の乾燥膜厚をBμmと定
義するが、この乾燥膜厚は支持体も含めたハロゲン化銀
カラー写真感光材料全体の厚さから支持体のみの厚さを
差し引いて求めてもよいし、あるいは走査型電子顕微鏡
を使用して、上記感光材料の断面写真を撮影して、間接
的に測定する方法によって乾燥膜厚を求めてもよい。こ
の塗布乾燥後の巻き取り時の乾燥膜厚Bは13μm以上
18μm以下である。
【0023】本発明の感光材料は連続して走行する支持
体上に、10層以上の写真構成層を同時重層塗布して得
られることが好ましく、全ての写真構成層を1回の同時
重層塗布にて形成することがさらに好ましい。10層以
上の写真構成層を同時重層塗布するには、層数に相当す
る数の塗布ブロックを持つコーターヘッドを用いること
によって達成することができる。
【0024】本発明のカラー感光材料は10層以上が同
時に塗布された写真構成層を有すればよく、10層以上
の全ての写真構成層が1回の塗布によって形成されてい
ても、又、2回以上の塗布により写真構成層が形成され
るのであれば、その内の1回は10層以上が同時に塗布
されてなる写真構成層を有していてもよい。
【0025】本発明において、生産上の向上の上から、
1回の多層同時重層塗布によって必要なハロゲン化銀乳
剤層を含むすべての層を塗設することにより製品を完成
するのが好ましい。このような場合、あるいは最初の1
0層以上を多層同時重層塗布する等において、支持体に
隣接する最下層を形成する塗布液の粘度は15〜100
cpであることが好ましい。15cp未満では塗布ムラ
が発生し易く、100cpを越えると塗り付きが不良で
両端の液切れが発生し易い。更に好ましい粘度は20〜
70cpであり、20〜60cpであることが特に好ま
しい。
【0026】本発明において、1回の多層同時重層塗布
によって製品を完成する場合、あるいは最初の10層以
上を多層同時重層塗布する場合、前記最下層の上に順次
隣接して施される9層以上の塗布液の粘度をいずれも2
0cp以上とし、且つ9層以上の塗布液の粘度の算術平
均が20〜300cpになるように調整することが好ま
しい。
【0027】各塗布液の粘度は所定の値になるように、
周知の増粘剤の水溶液を添加することにより調整するこ
とができる。増粘剤としてはポリ(p−スチレンスルホ
ン酸ナトリウム)等が典型的であり、その他、特開昭6
3−11934号に記載の側鎖にスルホン酸基、硫酸エ
ステル又はカルボキシル基又はこれらの塩を有するビニ
ルポリマーも使用することができる。
【0028】粘度の測定はB型粘度計(東京計器(株)
製:形式BL)を用いて、ずり速度29.8mm/se
c(ロータNo.1、30rpm、温度40℃)で測定
する。
【0029】本発明のカラー感光材料の各層の塗布量は
3cc/m2以上であることが好ましい。それ以下の塗
布量では塗布ムラが発生し、支持体上に均一な多層塗布
ができなくなるためである。更に好ましくは、各層の塗
布量は4〜30cc/m2である。いずれかの塗布量を
30cc/m2以上にして、10層以上を同時塗布する
と、塗布された写真構成層が塗布ズレを生じやすくなる
傾向がある。
【0030】1回の多層同時重層塗布によって製品を完
成する場合、あるいは最初の10層以上を多層同時重層
塗布する場合、最下層およびこれに隣接して施される9
層以上の全層の塗布量の合計は250cc/m2以下で
あり、最下層の、例えばハレーション防止層と中間層と
の2層を分離塗布する場合、この最下層を含め10層以
上の全層の塗布量の合計は250cc/m2以下である
ことが好ましい。この上限を越えると、塗布される写真
構成層が塗布ズレを生じやすくなるためである。更に乾
燥条件を低減することを勘案すると、より好ましい塗布
量の合計は200cc/m2である。
【0031】多層同時塗布は特公昭33−8977号等
に記載されている多層同時塗布装置を用いて行う事がで
きる。例えば、特公昭33−8977号等に記載の図1
に示すようなn層同時塗布のスライドホッパー型と同様
な型で、11層以上同時塗布できるようにしたスライド
ホッパー型塗布装置を用い、10以上のスリットに所定
の塗布液を送液し、スライド面を流下する時に互いに重
なり合う用にして塗布する。
【0032】図1によって、スライドホッパー型塗布装
置について説明する。バックアップローラ1に支えられ
て走行する支持体3の上にスライドホッパー型塗布機7
の先端9を支持体3より間隔をとって近接させ、その部
分に塗布液架橋(ビード部という)11を形成させて、
支持体3上に塗布を行う。この支持体3と先端9との間
隔を「ビード間隔」という。そしてこの際、ビード部1
1の安定のためにビードの背部を減圧するための減圧室
5を設け、減圧ポンプ13で減圧するが、その時の減圧
度を「ビード背圧」という。
【0033】多層同時塗布装置におけるスライドホッパ
ー型塗布機について説明すると、n層(多層をn層とす
る)の各塗布液S1〜Snは計量ポンプP1〜Pnによって
塗布機に送り込まれ、それぞれの吐出スリットN1〜Nn
で支持体3の幅一杯にわたって薄い塗布液膜をそれぞれ
のスライド面に流出する。流出した薄い各塗布液膜は上
部から順に重畳してビード部においてn層の重畳した塗
布液膜となって支持体上に塗布されることになる。スラ
イドホッパー型とは前記スライド面で重畳されることに
よって名付けられた。
【0034】このスライドホッパー型塗布装置によると
10〜20層を同時塗布することができるが、11〜1
8層の多層同時塗布が好ましい。一般には、塗布速度は
30〜500m/minであるが、好ましくは60〜3
00m/min、更に好ましくは80〜250m/mi
nである。
【0035】塗布された写真構成層は、通常の方法によ
り乾燥される。即ち、塗布された写真構成層は塗布後直
ちに冷却して凝固し、乾燥される。凝固は通常乾球温度
が−10〜20℃の低温空気と接触されておこなわれ
る。塗布を冷却し凝固した後、従来から慣用されている
気体の吹き付けによる乾燥が行われる。この風による乾
燥は通常乾球温度15〜45℃、相対湿度10〜50%
RHの空気を10〜40m2・minの風量で吹き付け
ることによってなされる。この方法は乾燥によるカブリ
の増加を防止することができて好ましい。
【0036】必要な乾燥時間は含水量、塗布量および乾
燥条件により異なるが、0.5〜5分の乾燥時間が通常
である。こうして乾燥された塗布膜は更に乾球温度20
〜40℃、相対湿度50〜70%の空気により湿潤する
のが好ましい。
【0037】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は写真
構成層の少なくとも1層がヒドロキシ基を有するビニル
スルホン型硬膜剤を含有することが好ましい。本発明に
おいては、ヒドロキシ基を有するビニルスルホン型の硬
膜剤としては、一般式(1)で示されるものが特に好ま
しい。
【0038】 一般式(1) (CH2=CHSO2)nA 式中、Aは少なくとも1個のヒドロキシ基を有するn価
の基を表し、nは2、3又は4を表す。一般式(1)に
おけるAとしては、n価の炭素数1〜10の非環状炭化
水素基(好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基)、窒
素、酸素、又は硫黄原子を有する5又は6員の複素環、
5又は6員の脂環式基又は炭素数7〜10のアラルキレ
ン基が挙げられる。これらはアルコキシ基(メトキシ
基、エトキシ基等)、炭素数1〜4のアルキル基、ハロ
ゲン原子、アセトキシ基で置換されていてもよく、ヘテ
ロ原子やカルボニル基又はカルバミド基を介して互いに
結合してもよい。
【0039】以下に一般式(1)で表される硬膜剤の具
体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0040】VS−1 CH2=CHSO2CH2CH(OH)CH2SO2CH=
CH2 VS−2 CH2=CHSO2CH2C(OH)HC(OH)HCH2
SO2CH=CH2 VS−3 CH2=CHSO2CH2C(OH)HCH2C(OH)H
CH2SO2CH=CH2 VS−4 (CH2=CHSO2CH2C(OH)HCH22CO VS−5 (CH2=CHSO2CH2C(OH)HCH23CCH3 VS−6 (CH2=CHSO2CH2C(OH)HCH22O VS−7 (CH2=CHSO2CH2C(OH)HCH22NH
【0041】
【化1】
【0042】これらの硬膜剤は、米国特許第4,17
3,481号等の記載の方法を参照して得ることができ
る。また、ゼラチン1gあたり1〜50mg程度、好ま
しくは2〜40mgで用いる。
【0043】硬膜剤の添加層としては感光性層、非感光
性層のいずれでも良いが、非感光性層に添加する方が、
写真特性への影響が小さいのでより好ましい。さらに好
ましくは、少なくとも写真構成層の最表面層を形成する
非感光性層である保護層に添加することである。その保
護層の塗布液の粘度は硬膜剤を添加する前が30cp以
上150cp以下であり、硬膜剤を添加した後が5cp
以上30cp未満であることが好ましい。
【0044】本発明において、写真構成層の全塗布銀量
が4.0g/m2以下であることによって本発明の効果
を発揮する。好ましくは2.0g/m2以上4.0g/
2以下であり、さらに好ましくは2.5g/m2以上
3.8g/m2以下である。全塗布銀量とは感光性のハ
ロゲン化銀のみならず、非感光性のハロゲン化銀やコロ
イド銀を含んだ全ての銀化合物を、金属銀に換算した塗
布銀の総量を表す。貴重な銀資源の有効的利用の観点か
ら、ハロゲン化銀カラー写真感光材料においても塗布銀
量をできるだけ低減する研究が進められているが、本発
明においては銀量を低減することが、かえって性能向上
に寄与することを見いだしたものである。なお、現在の
技術では2.0g/m2未満の塗布量では撮影用高感度
感材に必要な感度や階調性の維持が困難となる。
【0045】本発明において、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料中に含有されるハロゲン化銀およびコロイド銀
の金属銀に換算した銀塗布量が少ない領域で効果を発揮
する。
【0046】すなわち、ハロゲン化銀およびコロイド銀
が有する赤外光吸収効果を支持体中に含有される赤外光
吸収色素が補助するので、極論として銀塗布量が0であ
っても、支持体中の赤外光吸収色素の添加量を多くする
ことによって赤外センサー検知は可能である。しかしな
がら、ハロゲン化銀カラー銀写真感光材料の写真性能を
考慮すると、4.0g/m2以下、好ましくは1.0〜
3.5g/m2の範囲で本発明の効果を発揮する。
【0047】本発明において、写真構成層の少なくとも
一層がポリアクリル酸化合物を含有することが好まし
い。ポリアクリル酸化合物は塩を形成していてもよく、
ポリアクリル酸の塩を形成するためのカウンターカチオ
ンとしてはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、
有機アミンが挙げられるが、アルカリ金属原子、有機ア
ミンが好ましく、特にリチウム、カリウム、ナトリウム
が好ましい。
【0048】親水性コロイド性写真構成層中のポリアク
リル酸および/又はその塩の含有量はバインダーに対
し、1以上50重量%が好ましく、3以上40重量%が
より好ましい。ポリアクリル酸は他のモノマーとの共重
合体でも使用可能であるが、アクリル酸およびその塩と
して上記の含有量が好ましい。本発明のポリアクリル酸
化合物の重量平均分子量は5000以上20万以下であ
ることが好ましい。
【0049】本発明においては、写真構成層における最
表面層以外の非感光性層の親油性写真素材重量/親水性
コロイドバインダー重量比が0.15以上1.0以下の
範囲内であることが好ましい。
【0050】本発明における親油性写真素材とはラテッ
クスポリマーや微粒子油滴を言っており、特に微粒子油
滴とは水不溶の油状の化合物を乳化分散された油滴を言
い、詳しくは実質的に親水性コロイド物質からなるバイ
ンダー中に油状に独立した系で微細に分散された実質的
に水に不溶な液滴粒子を意味する。
【0051】具体的には、いわゆる高沸点溶媒をはじ
め、写真感光剤料に添加されるために前記高沸点溶媒と
同様に、或いはそれと同時に溶解乳化分散されたものを
指す。例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、色濁り防止
剤、酸化防止剤、ステイン防止剤、更には油溶性のカプ
ラー、DIRカプラーなど、親水性コロイドバインダー
中に添加するための乳化分散物も含む。
【0052】本発明に用いられる微粒子油滴の大きさと
してはその平均粒径の直径が0.01〜1μmのものが
有効であり、好ましくは0.1〜1μmである。また、
本発明で言う油滴密度とは写真構成層で用られるバイン
ダー総容積に対する微粒子油滴総容積の比で定義され
る。尚、微粒子油滴平均粒径の測定には、例えば、レー
ザードップラーによる粒径測定方式のコールターモデル
N4サブミクロンパーティクルアナライザを使用する。
【0053】油滴を形成する物質としては通常は写真用
カプラーの分散に用いられる有機高沸点化合物、高級ア
ルキル硫酸ソーダ、高級脂肪酸と高級アルコールとのエ
ステル(いわゆるロウ)、高分子量のポリエチレングリ
コール、高級アルキルリン酸エステル、シリコン系化合
物等のいわゆる潤滑剤等が有用である。
【0054】また、常温では固体であるが、親水性コロ
イド層中に添加含有せしめたとき、或いは種々の写真用
添加剤を含有せしめたときに液状となるものは油滴とし
て用いられ、この種の油滴に用いられる化合物としては
融点50℃以下のものが一般的である。
【0055】前記の微粒子油滴を形成する有機高沸点化
合物としては、常圧での沸点が180℃以上のものが好
ましく、これらの具体例としてはジエチルアジペート、
ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−n
−ヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、ジシク
ロヘキシルアゼレート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレ
ート、ジオクチルセバケート、ジイソオクチルセバケー
ト、ジブチルサクシネート、オクチルステアレート、ジ
ベンジルフタレート、トリ−o−クレジルホスフェー
ト、ジフェニル−モノ−p−tert−ブチルフェニル
ホスフェート、モノフェニル−ジ−o−クロロフェニル
ホスフェート、モノブチル−ジオクチルホスフェート、
2,4−ジ−n−アミルフェノール、2,4−ジ−te
rt−アミルフェノール、4−n−ノニルフェノール、
2−メチル−4−n−オクチルフェノール、N,N−ジ
エチルカプリルアミド、N,N−ジエチルラウリルアミ
ド、グリセロールトリプロピオネート、グリセロールト
リブチレート、グリセロールモノラクテートジアセテー
ト、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレ
ート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピ
レングリコールジベンゾエート、トリエチルシトレー
ト、トリ(2−エチルヘキシル)シトレート、アセチル
トリ−n−ブチルシトレート、ジ(イソデシル)4,5
−エポキシテトラヒドロフタレート、オリゴビニルエチ
ルエーテル、ジブチルフマレートポリエチレンオキサイ
ド(n>16)、エチレングリコールジプロピオネー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ブチル
ラウレート、トリ−(2−エチルヘキシル)フォスフェ
ート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォ
スフェート、シリコン油、ジメチルフタレート、ジエチ
ルフタレート、ジプロピルフタレート、ジブチルフタレ
ート、ジイソオクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジアミルフタレート、ジ−n−オクチ
ルフタレート、ジアミルナフタリン、トリアミルナフタ
レン、モノカプリン、モノラウリン、モノミリスチン、
モノパルミチン、モノステアリン、モノオレイン、ジカ
プリン、ジラウリン、ジミノスチン、ジパルミチン、ジ
ステアリン、ジオレイン、1−ステアロ−2−パルミチ
ン、1−パルミト−3−ステアリン、1−パルミト−2
−ステアリン、トリアセチン、トリカプリン、トリラウ
リン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリ
ン、トリオレイン、トリペトロセリン、トリエルジン、
トリリシノレイン、リノレオジステアリン、リノレオジ
リノレニン、オレオジエルシン、リノレオジエルシン、
パルミトオレオリノレニン、パラフィン、フッ素化パラ
フィン、アマニ油、大豆油、エノ油、キリ油、アサミ
油、カヤ油、クルミ油、ショウユ油、ケシ油、ヒマワリ
油、梓油、クワイ油、サフラワー油等の乾性油類:綿実
油、トウモロコシ油、ゴマ油、ナタネ油、米ヌカ油、ハ
ス油、カボク油、脱水ヒマシ油等の半乾性油類:落花生
油、オリーブ油、ツバキ油、サザンカ油、茶油、ヒマシ
油、水素化ヒマシ油、アルモント油、束柏油、ベン油、
大風子油などを挙げることができる。
【0056】これらの中でもグルタール酸、アジピン
酸、フタル酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン酸、フ
マール酸、マゼライン酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、燐酸などのエステル、グリセリンのエステル、パラ
フィン、フッ素化パラフィンなどが感光材料への悪影響
がなく、入手しやすいこと、化学的に安定で取り扱い易
いことなどの点から好都合に利用できるが、更にトリク
レジルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、
ジブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート、グリセロールトリブ
チレート、グリセロールトリプロピオネート、ジオクチ
ルセバケート、パラフィン、フッ素化パラフィン、シリ
コン油は本発明において特に好ましい有機高沸点化合物
である。
【0057】本発明において、微粒子油滴を形成させる
には公知の任意の方法を用いることができるが、代表的
な方法としては、例えば前述した1種または2種以上の
有機高沸点化合物等の油滴を形成せしめる化合物を必要
に応じて後述する如き写真用添加剤と溶解せしめ、さら
に必要に応じて酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、シクロヘキサノ
ール、ジメチレングリコールモノアセテート、ニトロメ
タン、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサンテト
ラヒドロフラン、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、フッ素化アルコール、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
低沸点溶媒に溶解し(低沸点溶媒は単独で用いても混合
して用いてもよい)アルキルベンゼンスルホン酸及びア
ルキルナフタレンスルホン酸の如きアニオン系界面活性
剤及び/又はソルビタンセスキオレイン酸エステル及び
ソルビタンモノラウリン酸エステルの如きノニオン系界
面活性剤を含むゼラチン等の親水性コロイド物質を含む
水溶液と混合し、高速回転ミキサー、コロイドミルまた
は超音波分散装置等で乳化分散し、得られた分散液を親
水性コロイド物質を含有する塗布液に添加し、支持体上
にあるいは支持体上に塗設されたハロゲン化銀乳剤層等
の上に塗設すればよい。またある種の油滴を形成せしめ
る化合物は、例えば前述の低沸点有機溶媒に溶解し、そ
の溶液を親水性コロイド物質を含有する塗布液に直接添
加してもよい。この時用いた低沸点有機溶媒は塗布乾燥
後は蒸発して殆どバインダー中には存在しなくなる。
【0058】本発明において、本発明に係る微粒子油滴
には種々の写真添加剤を含有せしめてもよい。含有せし
められる写真用添加剤としては、親水性のもの、親油性
のもの等の任意の添加剤を用いることができるが、好ま
しくは親油性の添加剤であり、その例としては、油溶性
カプラー、紫外線吸収剤、現像抑制剤放出型化合物(い
わゆるDIR化合物)、ハイドロキノン誘導体の如きス
テイン防止剤、色素褪色防止剤、酸化防止剤等が代表的
なものとして挙げられる。
【0059】更に本発明において油滴に含有せしめられ
るカプラーとしては、油溶性であり、現像主薬の酸化体
と反応して有色の色素の形成しないいわゆるヴアイスカ
プラーも好ましい例として挙げられる。
【0060】非感光性層の油滴を形成する化合物とし
て、色濁り防止剤を含有することも好ましい。色濁り防
止剤としては、特願平4−19048号に記載された、
発色現像主薬の酸化体と反応し且つ画像濃度を付与しな
い化合物が挙げられ、具体的には、ハイドロキノン系化
合物(特願平4−19048号H−1〜H−18)、ピ
ロガロール系、カテコール系化合物(特願平4−190
48号P1〜P16)、スルホニルアミノ系化合物(特
願平4−19048号S−1〜S−19)、カップリン
グ型化合物(CP−1〜CP23)及びヒドラジン系化
合物(HZ−1〜HZ−14)等が挙げられる。
【0061】本発明では、支持体から最も遠い側にある
非感光性層以外の非感光性層の親油性写真素材重量/ゼ
ラチン重量比が0.15以上1.0以下であり、より好
ましくは0.15以上0.75以下である。1.0より
大きいと、感光材料中の親油性写真素材が感光材料表面
に滲み出てあたかも発汗したような状態になりやすくな
り、また0.15より小さいと本発明の耐圧特性向上効
果が小さい。
【0062】本発明においては、写真構成層の少なくと
も一層が数平均分子量500以上20000以下のビニ
ルピロリドン重合体を含有することが好ましい。本発明
で用いられるポリビニルピロリドン重合体または共重合
体とは、分子構造中にピロリドン核を有する重合体もし
くは共重合体を言う。本発明の発色現像液に添加される
分子構造中にピロリドン核を有する重合体(以下、ビニ
ルピロリドン重合体ともいう)は、ビニルピロリドン単
独のホモポリマーであっても、他の単量体とのコポリマ
ーであっても良い。
【0063】ビニルピロリドンと共重合しうる他の単量
体としては、ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、酪酸ビニル等)、アクリル酸エステル(アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸−2−エチルヘキシル等)、メタクリル酸エ
ステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル
等)、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン等が挙げら
れ、共重合比としてはビニルピロリドンに対して5〜1
00モル%の範囲で用いられる事が好ましい。
【0064】ビニルピロリドン重合体又は共重合体の好
ましい具体例として以下のものが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0065】 P−1 ポリ(N−ビニルピロリドン) P−2 N−ビニルピロリドン−ビニルアルコール共重
合体(80:20) P−3 N−ビニルピロリドン−ビニルアルコール共重
合体(70:30) P−4 N−ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重
合体(70:30) P−5 N−ビニルピロリドン−アクリル酸共重合体
(90:10) P−6 N−ビニルピロリドン−2−ヒドロキシエチル
アクリレート共重合体(70:30) P−7 N−ビニルピロリドン−アクリルアミド共重合
体(80:20) P−8 N−ビニルピロリドン−アクリルアミド共重合
体(60:40) P−9 N−ビニルピロリドン−ジメチルアクリルアミ
ド共重合体(70:30) P−10 N−ビニルピロリドン−ビニルアセトアミド
共重合体(70:30) P−11 N−ビニルピロリドン−ビニルアセテート−
ビニルアルコール共重合体(60:30:10) P−12 N−ビニルピロリドン−2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート−ビニルアセテート共重合体(70:2
0:10) P−13 ポリ(N−ビニルオキサゾリン) P−14 ポリ(N−ビニルピペリドン) P−15 ポリ(N−ビニルサクシンイミド) P−16 ポリ(N−ビニルグルタルイミド) P−17 N−ビニルピロリドン−2−メトキシエチル
アクリレート共重合体(70:30) P−18 N−ビニルピロリドン−メチルビニルエーテ
ル共重合体(80:20) P−19 N−ビニルピロリドン−N−ビニルピペリド
ン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体(5
0:30:20) P−20 N−ビニル−ε−カプロラクタム−アクリル
アミド共重合体(60:40) 本発明において、ビニルピロリドン重合体の添加層は、
写真構成層のうちの少なくとも1層あればよいが、複数
層に添加することが好ましい。感光性ハロゲン化銀乳剤
を含有する感光性層に添加することが好ましく、感色性
が同じで感度が異なる全ての層中に添加することが特に
好ましい。また、感光性ハロゲン化銀乳剤を含有しない
非感光性層に添加してもよく、この場合、下塗り層、ハ
レーション防止層、中間層、コロイド銀含有層、フィル
ター層、紫外線吸収層、保護層などに添加される。
【0066】本発明において、ビニルピロリドン重合体
の数平均分子量は500〜20,000のものが利用で
きるが、1,000〜9,000であることが好まし
い。ビニルピロリドン重合体の好ましい添加量はハロゲ
ン化銀1モルに対して0.1g以上であり、より好まし
くは0.3g以上であり、更に好ましくは0.5g以上
である。また10g以上の使用は感度や膜物性を損なう
ため好ましくない。また、非感光性層に添加する場合
は、ゼラチン1g当たり0.5mg以上100mg以下
の範囲が好ましく、1mg以上10mg以下が特に好ま
しい。
【0067】本発明において、写真構成層の少なくとも
1層が、親水性コロイドバインダーとして脱イオン化ゼ
ラチンを含有し、かつ写真構成層中のカルシウム含有量
が100ppm以下であることが好ましい。
【0068】本発明の感光材料に用いる親水性コロイド
としては、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポロビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、デキストランサル
フェート等の水溶性ポリマー等を挙げることが出来る
が、ゼラチンが特に好ましい。ゼラチンはアルカリ処理
ゼラチンおよび酸処理ゼラチンのいずれも好ましく用い
る事が出来る。更に、カルシウム等の塩を取り除いたも
のが好ましく、カルシウム濃度が100ppm以下、更
には50ppm以下のものが好ましい。ゼラチンは感光
材料1m2あたり2〜25g程度、好ましくは3〜20
gで用いる。
【0069】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真
構成層はカルシウム含量が50ppm以下であることが
好ましく、特に40ppm以下、さらに30ppm以下
であることが好ましい。カルシウム含量が多いと迅速現
像処理での膜はがれや失透を起こしてしまい実用に供し
えない。
【0070】写真構成層を形成するゼラチン中のカルシ
ウムは原料に由来するものであるが、本発明のカルシウ
ム含量を有するゼラチンを得るには、原料の選定、製造
条件の選択、イオン交換処理等を適宜組み合わせればよ
い。イオン交換処理としては、原料である牛骨、豚皮等
からゼラチンを抽出した後イオン交換樹脂(例えばロー
ム アンド ハース社のIRAタイプ)を用いてイオン
交換すればよい。イオン交換処理後のカルシウムイオン
含量の定量はゼラチン試験法合同審議会制定の写真用ゼ
ラチン試験法(略称バギイ法)、第6版に記載の方法に
従って行えばよい。
【0071】本発明において、写真構成層の塗膜銀電位
が150mV以下であることが好ましい。本発明におけ
る塗膜銀電位(以下、塗膜EAgとも記す)とは、支持
体上に塗布したハロゲン化銀カラー感光材料500cm
2を短冊状に切り、暗室にて100ccの純水に6時間
浸した後に市販の飽和銀−塩化銀電極を比較電極とした
銀イオン電極を用いて測定される。この時に乳剤面の反
対側にバッキング層等の非感光性層を持つ場合は、予め
取り除いてから行う必要がある。
【0072】塗膜EAgの調整方法は塗布液にAgNO
3、KBr、NaBr、KCl等の水溶液を目的の塗膜
EAgになるように加えれば良い。塗膜EAgを調整す
るために、EAgを制御する塗布液は、一般式(1)の
化合物を含む層を構成する塗布液で行っても、他の層を
構成する塗布液で行い塗布及び乾燥中の拡散により調整
してもよく、すべての塗布液のpHを制御する事によっ
て調整してもよい。
【0073】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、発色現像主薬が0.025〜0.1モル/L、沃化
物イオンが6.0×10-7〜7.0×10-5モル/L、
臭化物イオンが8.0×10-3〜3.0×10-2モル/
Lである発色現像液を用いて、発色現像時間が30〜1
20秒の範囲で現像処理を行なって画像を得ることが好
ましい。
【0074】本発明の発色現像液では、発色現像主薬が
0.025〜0.1モル/Lの範囲で使用されることが
好ましく、さらに0.03〜0.05モル/Lの範囲で
あることが、処理液の低温析出耐性と保存性の観点から
より好ましい。
【0075】本発明の発色現像液中にはヨウ化物イオン
が6.0×10-7〜7.0×10-5モル/Lの範囲で含
有されるが、さらに5.0×10-6〜2.0×10-5
ル/Lの範囲であることが、良好な階調性を得るために
より好ましい。ヨウ化物イオンは補充液中に添加されて
も良いし、処理される感光材料から溶出するものであっ
ても良い。発色現像処理液に直接添加される場合、ヨウ
化物イオン供給物としてナトリウム、カリウム、アンモ
ニウム、ニッケル、マグネシウム、マンガンまたはカル
シウムのヨウ化物などが挙げられるが、そのうち好まし
いものとしてはヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムであ
る。
【0076】本発明の発色現像液中には臭化物イオンが
0.80×10-2〜3.0×10-2モル/Lの範囲で含
有されることが好ましいが、さらに0.85×10-2
1.7×10-2モル/Lの範囲であることが良好な階調
性を得るためにより好ましい。臭化物イオンは補充液中
に添加されても良いし、処理される感光材料から溶出す
るものであっても良い。発色現像液に直接添加される場
合、臭化物イオン供給物としてナトリウム、カリウム、
アンモニウム、ニッケル、マグネシウム、マンガンまた
はカルシウムの臭化物などが挙げられるが、そのうち好
ましいものとしては臭化ナトリウム、臭化カリウムであ
る。
【0077】本発明の発色現像処理工程の処理時間は3
0〜120秒の範囲であり、60〜105秒であること
がより好ましい。
【0078】本発明の発色現像処理工程の処理温度は4
0〜55℃の範囲であることが好ましいが、さらに40
〜45℃であることがより好ましい。
【0079】本発明で用いられる発色現像主薬は、水溶
性基を有するp−フェニレンジアミン系化合物であるこ
とが好ましい。前記水溶性基が、p−フェニレンジアミ
ン系化合物のアミノ基またはベンゼン核上に少なくとも
一つはあるものが好ましく、具体的な水溶性基としては
−(CH2n−CH2OH、−(CH2m−NHSO2
(CH2n−CH3、−(CH2m−O−(CH2n
CH3、−(CH2CH2O)n−Cm2m+1(m及びnは
それぞれ0以上の整数を表す。)、−COOH,−SO
3H等が好ましいものとして挙げられる。
【0080】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
に用いるハロゲン化銀乳剤は、リサーチ・ディスクロー
ジャ(RDと標記する)308119に記載されている
ものを用いることができる。
【0081】
【表1】
【0082】本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、物
理熟成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用す
る。このような工程で使用される添加剤はRD1764
3、18716及び308119に記載されている。以
下に記載箇所を示す。
【0083】
【表2】
【0084】本発明に係わるハロゲン化銀乳剤層に用い
られる公知の写真用添加剤も上記RDに記載されてい
る。以下に関連のある記載箇所を示す。
【0085】
【表3】
【0086】ハロゲン化銀乳剤層には種々のカプラーを
使用することができ、その具体例は、上記RDに記載さ
れている。以下に関連ある記載箇所を示す。
【0087】
【表4】
【0088】本発明に係る写真フィルムへの添加剤とし
ては、RD308119XIVに記載されている分散法な
どにより、添加することができる。
【0089】本発明に係る写真フィルムには、前述RD
308119VII−K項に記載されているフィルタ層や
中間層等の補助層を設けることができる。
【0090】本発明に係る写真フィルムは、前述RD3
08119VII−K項に記載されている順層、逆層、ユ
ニット構成等の様々な層・構成をとることができる。
【0091】本発明に係る写真フィルムは前述RD17
643の28〜29頁、RD18716の647頁及び
RD308119のXIXに記載された通常の方法によっ
て、現像処理することができる。
【0092】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0093】実施例1 下引層を設けたセルローストリアセテートフィルム支持
体上に以下の組成物を塗布して多層カラー感光材料であ
る試料101を作製した。
【0094】以下の全ての実施例において、ハロゲン化
銀カラー写真感光材料中の各添加剤の添加量は、特に記
載のない限り1m2あたりのグラム数で示した。また、
ハロゲン化銀およびコロイド銀は金属銀に換算して示
し、増感色素はハロゲン化銀1モル当たりのモル数で示
した。
【0095】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤(UV−1) 0.3 カラードカプラー(CM−1) 0.08 カラードカプラー(CC−1) 0.05 高沸点有機溶剤(OIL−1) 0.60 高沸点有機溶剤(OIL−2) 0.5 ゼラチン 1.8 第2層:中間層 カラードカプラー(CC−1) 0.035 高沸点有機溶剤(OIL−2) 0.06 ゼラチン 0.8 第3層:低感度赤感色性層 沃臭化銀乳剤a 0.3 沃臭化銀乳剤b 0.09 増感色素(SD−1) 1.10×10-5 増感色素(SD−2) 5.40×10-5 増感色素(SD−3) 1.25×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.3 カラードカプラー(CC−1) 0.054 DIR化合物(DI−1) 0.02 高沸点有機溶剤(OIL−2) 0.4 化合物(AS−2) 0.001 ゼラチン 1.1 第4層:中感度赤感色性層 沃臭化銀乳剤b 0.37 増感色素(SD−1) 1.50×10-5 増感色素(SD−2) 7.00×10-5 増感色素(SD−3) 1.65×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.23 カラードカプラー(CC−1) 0.038 DIR化合物(DI−1) 0.01 高沸点有機溶剤(OIL−2) 0.35 化合物(AS−2) 0.001 ゼラチン 1.1 第5層:高感度赤感色性層 沃臭化銀乳剤a 0.039 沃臭化銀乳剤b 0.18 沃臭化銀乳剤c 0.49 増感色素(SD−1) 1.30×10-5 増感色素(SD−2) 6.00×10-5 増感色素(SD−3) 1.40×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.12 シアンカプラー(C−2) 0.03 カラードカプラー(CC−1) 0.03 DIR化合物(DI−1) 0.004 高沸点有機溶剤(OIL−2) 0.24 化合物(AS−2) 0.002 ゼラチン 1.1 第6層:中間層 高沸点有機溶剤(OIL−1) 0.05 化合物(AS−1) 0.08 ゼラチン 1.2 第7層:低感度緑感色性層 沃臭化銀乳剤a 0.22 沃臭化銀乳剤d 0.09 増感色素(SD−4) 1.50×10-4 増感色素(SD−5) 3.75×10-5 マゼンタカプラー(M−1) 0.35 カラードカプラー(CM−1) 0.12 高沸点有機溶剤(OIL−1) 0.62 DIR化合物(DI−2) 0.017 化合物(AS−2) 0.0015 ゼラチン 1.65 第8層:中感度緑感色性層 沃臭化銀乳剤d 0.46 増感色素(SD−5) 2.10×10-5 増感色素(SD−6) 1.61×10-4 増感色素(SD−7) 2.40×10-5 マゼンタカプラー(M−1) 0.1 カラードカプラー(CM−1) 0.05 高沸点有機溶剤(OIL−1) 0.25 化合物(AS−2) 0.001 ゼラチン 1.4 第9層:高感度緑感色性層 沃臭化銀乳剤a 0.03 沃臭化銀乳剤e 0.47 増感色素(SD−5) 1.90×10-5 増感色素(SD−6) 1.43×10-4 増感色素(SD−7) 2.10×10-5 マゼンタカプラー(M−1) 0.033 マゼンタカプラー(M−2) 0.023 カラードカプラー(CM−1) 0.023 DIR化合物(DI−1) 0.009 DIR化合物(DI−2) 0.0009 高沸点有機溶剤(OIL−1) 0.11 化合物(AS−2) 0.002 ゼラチン 1.0 第10層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.08 高沸点有機溶剤(OIL−1) 0.18 化合物(AS−1) 0.8 ゼラチン 1.3 第11層:低感度青感色性層 沃臭化銀乳剤a 0.18 沃臭化銀乳剤f 0.14 沃臭化銀乳剤g 0.08 増感色素(SD−8) 1.15×10-4 増感色素(SD−9) 5.60×10-5 増感色素(SD−10) 2.56×10-5 イエローカプラー(Y−1) 1.0 高沸点有機溶剤(OIL−1) 0.5 化合物(AS−2) 0.002 化合物(FS−1) 0.08 ゼラチン 2.1 第12層:高感度青感色性層 沃臭化銀乳剤g 0.29 沃臭化銀乳剤h 0.29 増感色素(SD−8) 7.12×10-5 増感色素(SD−10) 2.39×10-5 イエローカプラー(Y−1) 0.1 高沸点有機溶剤(OIL−1) 0.06 化合物(AS−2) 0.002 FS−1 0.01 ゼラチン 0.85 第13層:第1保護層 沃臭化銀乳剤i 0.2 紫外線吸収剤(UV−1) 0.11 紫外線吸収剤(UV−2) 0.53 ゼラチン 1.1 第14層:第2保護層 アルカリ可溶性マット剤(PM−1) 0.15 アルカリ可溶性マット剤(PM−2) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.02 ゼラチン 0.06 尚、上記組成物の他に化合物SU−1、SU−2、粘度
調整剤V−1、硬膜剤H−1、H−2、安定剤ST−
1、ST−2、カブリ防止剤AF−1、AF−2、AF
−3、染料AI−1、AI−2、AI−3、及び防腐剤
D−1を各層に適宜添加した。
【0096】
【化2】
【0097】
【化3】
【0098】
【化4】
【0099】
【化5】
【0100】
【化6】
【0101】
【化7】
【0102】
【化8】
【0103】
【化9】
【0104】
【化10】
【0105】
【化11】
【0106】
【化12】
【0107】
【化13】
【0108】上記試料に用いた乳剤は下記の通りであ
る。尚、平均粒径は立方体に換算した粒径で示した。
【0109】 乳剤名 平均AgI含有率 平均粒径 晶癖 直径/厚み比 (モル%) (μm) 沃臭化銀乳剤a 2.0 0.27 正常晶 1.0 沃臭化銀乳剤b 2.6 0.48 双晶 3.7 沃臭化銀乳剤c 7.6 0.68 双晶 6.5 沃臭化銀乳剤d 2.7 0.45 双晶 3.7 沃臭化銀乳剤e 2.6 0.70 双晶 7.0 沃臭化銀乳剤f 8.0 0.38 正常晶 1.0 沃臭化銀乳剤g 8.0 0.65 双晶 1.5 沃臭化銀乳剤h 8.0 0.80 双晶 2.0 沃臭化銀乳剤i 2.0 0.03 正常晶 1.0 沃臭化銀乳剤b、e、g、hはイリジウムを1×10-7
〜1×10-6mol/molAg含有している。上記沃
臭化銀乳剤i以外の各乳剤は、前記増感色素を添加した
後、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸、チオシアン酸カリ
ウム等を添加し、カブリ−感度の関係が最適になるよう
に化学増感を施した。
【0110】試料101の総銀塗布量(金属銀に換算し
た銀塗布量)は、4.159g/m2であった。
【0111】試料101は、第1層から第6層までと、
第7層から第14層までの2回に分けて、多層同時塗布
方式にて塗布した。従って、1回目の湿潤膜厚と2回目
の湿潤膜厚との合計であるAの値は267μmであっ
た。
【0112】次に、試料101からゼラチン塗布量とハ
ロゲン化銀塗布量を以下のように変更して試料102を
作製した。試料102の総銀塗布量は、3.28g/m
2であった。
【0113】 (変更内容) 第1層 ゼラチン 1.8 →1.5 第2層 ゼラチン 0.8 →0.7 第3層 沃臭化銀乳剤a 0.30 →0.23 沃臭化銀乳剤b 0.09 →0.06 高沸点有機溶剤 0.4 →0.3 ゼラチン 1.1 →0.8 第4層 沃臭化銀乳剤b 0.37 →0.28 高沸点有機溶剤 0.35 →0.27 ゼラチン 1.1 →0.8 第5層 沃臭化銀乳剤a 0.039 →0.03 沃臭化銀乳剤b 0.18 →0.14 沃臭化銀乳剤c 0.49 →0.38 高沸点有機溶剤 0.24 →0.19 ゼラチン 1.1 →0.7 第6層 ゼラチン 1.2 →0.9 第7層 沃臭化銀乳剤a 0.22 →0.17 沃臭化銀乳剤d 0.09 →0.07 高沸点有機溶剤 0.62 →0.49 ゼラチン 1.65 →1.2 第8層 沃臭化銀乳剤d 0.46 →0.35 高沸点有機溶剤 0.25 →0.15 ゼラチン 1.4 →0.9 第9層 沃臭化銀乳剤a 0.03 →0.02 沃臭化銀乳剤e 0.47 →0.36 高沸点有機溶剤 0.11 →0.08 ゼラチン 1.0 →0.7 第10層 黄色コロイド銀 0.08 →0.06 ゼラチン 1.3 →0.9 第11層 沃臭化銀乳剤a 0.18 →0.14 沃臭化銀乳剤f 0.14 →0.11 沃臭化銀乳剤g 0.08 →0.06 高沸点有機溶剤 0.5 →0.4 ゼラチン 2.1 →1.7 第12層 沃臭化銀乳剤g 0.29 →0.23 沃臭化銀乳剤h 0.29 →0.23 高沸点有機溶剤 0.06 →0.04 ゼラチン 0.85 →0.63 第13層 ゼラチン 1.1 →0.9 第14層 ゼラチン 0.6 →0.55 試料102も同様に2回に分けて多層同時塗布方式によ
って作製した。Aの値は試料101とほぼ同等の268
μmであった。
【0114】試料101と102の塗布時の各層の湿潤
膜厚と各層の乾燥膜厚を以下に示す。
【0115】 試料101 試料102 湿潤膜厚 乾燥膜厚 湿潤膜厚 乾燥膜厚 第1層 36.1 2.32 37.1 1.90 第2層 13.4 1.08 13.4 0.880 第3層 16.1 1.64 16.1 1.34 第4層 15.7 1.47 15.7 1.21 第5層 14.0 1.28 14.0 1.05 第6層 20.2 1.04 20.2 0.850 小計 116μm 117μm 第7層 25.8 2.37 25.8 1.94 第8層 17.2 1.49 17.2 1.22 第9層 16.7 1.27 16.7 1.04 第10層 18.0 1.01 18.0 0.830 第11層 32.0 3.60 32.0 2.95 第12層 8.34 0.856 8.34 0.570 第13層 18.0 1.08 18.0 0.880 第14層 15.2 0.530 15.2 0.430 小計 151μm 151μm 合計 267μm 21.0μm 268μm 17.1μm さらに、試料102において、多層同時塗布での湿潤膜
厚を薄くし、第1層から第14層までを1回で塗布した
試料103を作製した。以降、湿潤膜厚をさらに薄くし
ていき、以下のように試料104〜111を作製した。
各試料の塗布液調製において、水量による濃縮度調整、
増粘剤量による粘度調整、界面活性剤量による表面張力
調整、およびpH調整を適宜行なった。各試料の湿潤膜
厚Aと、乾燥膜厚Bと、その比A/Bの値を以下に示し
た。
【0116】 Aμm Bμm A/B 塗布方式 (備考) 試料101 267 20.9 12.8 2回 比較例 試料102 268 17.1 15.7 2回 比較例 試料103 226 17.1 13.2 1回 比較例 試料104 221 17.1 12.9 1回 本発明 試料105 205 17.1 12.0 1回 本発明 試料106 198 17.1 11.6 1回 本発明 試料107 174 17.1 10.2 1回 本発明 試料108 162 17.1 9.47 1回 本発明 試料109 153 17.1 8.95 1回 本発明 試料110 142 17.1 8.30 1回 本発明 試料111 138 17.1 8.07 1回 比較例 以下に試料107の各層の湿潤膜厚を示す。
【0117】 試料107 Aμm 第1層 25.3 第2層 10.7 第3層 13.5 第4層 11.1 第5層 10.0 第6層 9.10 第7層 13.2 第8層 9.50 第9層 10.8 第10層 9.00 第11層 21.5 第12層 6.00 第13層 9.00 第14層 15.2 小計 174μm 作製された試料101〜111の各試料についてセンシ
トメトリー評価用のステップ露光を与え、以下の現像処
理にて現像して写真特性を評価した結果、各試料の写真
感度はおよそISO200であった。
【0118】 処理工程 処理時間 処理温度 補充量 発色現像 3分15秒 38±0.3℃ 700ml 漂 白 45秒 38±2.0℃ 150ml 定 着 1分30秒 38±2.0℃ 830ml 安 定 60秒 38±5.0℃ 830ml 乾 燥 1分 58±5.0℃ − 補充量は感光材料1m2当たりの値である。
【0119】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は以下のものを使用した。
【0120】 発色現像液及び発色現像補充液 現像液 補充液 水 800ml 800ml 炭酸カリウム 30g 35g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 3.0g 亜硫酸カリウム 3.0g 5.0g 臭化ナトリウム 1.3g 0.4g ヨウ化カリウム 1.2mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 3.1g 塩化ナトリウム 0.6g − 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アニリン硫酸塩 4.5g 6.3g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 2.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%
硫酸を用いて発色現像液はpH10.06に、補充液は
pH10.18に調整する。
【0121】 漂白液及び漂白補充液 漂白液 補充液 水 700ml 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸(III)アンモニウム 125g 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 2g 硝酸ナトリウム 40g 50g 臭化アンモニウム 150g 200g 氷酢酸 40g 56g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水又は氷酢酸を
用いて漂白液はpH4.4に、補充液はpH4.0に調
整する。
【0122】 定着液及び定着補充液 定着液 補充液 水 800ml 800ml チオシアン酸アンモニウム 120g 150g チオ硫酸アンモニウム 150g 180g 亜硫酸ナトリウム 15g 20g エチレンジアミン四酢酸 2g 2g アンモニア水又は氷酢酸を用いて定着液はpH6.2
に、補充液はpH6.5に調整後、水を加えて1リット
ルとする。
【0123】安定液及び安定補充液 水 900ml p−オクチルフェノールのエチレンオキシド10モル付加物 2.0g ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1g シロキサン(UCC製L−77) 0.1g アンモニア水 0.5ml 水を加えて1リットルとした後、アンモニア水又は50
%硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0124】さらに、以下の方法によってそれぞれの評
価を行った。
【0125】〈経時保存安定性の評価〉試料を135サ
イズ24枚撮り規格に裁断してパーフオレーションを設
け、スプールに巻き、パトローネに収納して舌端部を5
cm出た状態にした。これを防湿性ラミネートフィルム
製の袋に入れて、23℃、55%RH雰囲気下で密封
し、内容量が40cm3となるようにした。この状態に
した各試料を、50℃のインキュベーター内に3日間放
置した後、未処理の比較対照試料に対する緑感光性層の
感度の低下率△S1(%)を求めた。
【0126】〈現像処理安定性の評価〉前記現像処理工
程において、現像処理液の新液状態での緑感光性層感度
0と、1/2ラウンドのランニング処理後の状態での
感度S1/2を求め、その変動率S1/2-0(%)を求めた。
【0127】S1/2-0=(S1/2)×100/(S0) 但し、上記ランニングでは、コニカカラーネガフィルム
LV100およびLV400によるランダムスナップ撮
影したものを多く用意して用いた。1/2ランニングと
は、発色現像液の補充液の積算量が該発色現像液の処理
槽の容量の1/2に達した時点を言う。また緑感光性層
の感度は最小濃度+1.0の濃度点での感度値で評価し
た。
【0128】〈圧力耐性の評価〉各試料を23℃、55
%RHの暗室雰囲気下に24時間保持した後、同条件下
で引掻強度試験器(新東科学社製)を用いて、先端の曲
率半径が0.025mmのサファイヤ針に5gの過重を
かけて定速度で試料の写真構成層表面を走査し、センシ
トメトリー露光を施した後、前記現像処理を行った。
【0129】現像処理して得られた試料について、コニ
カマイクロデンシトメーターにて、未被圧部での透過緑
光濃度値1.0に対する被圧部の濃度から、濃度変動値
ΔDpを求めた。
【0130】以下に結果を示す。
【0131】 保存安定性 処理安定性 圧力耐性 (ΔS1:%) (S1/2-0:%) (ΔDp) 試料101比較例 3 97 0.10 試料102比較例 4 96 0.20 試料103比較例 8 96 0.18 試料104本発明 5 97 0.14 試料105本発明 3 98 0.12 試料106本発明 3 99 0.10 試料107本発明 3 98 0.10 試料108本発明 3 97 0.10 試料109本発明 4 97 0.12 試料110本発明 5 96 0.14 試料111比較例 6 96 0.20 上記結果より、本発明の構成を満足するものは、保存安
定性、処理安定性、圧力耐性のいずれも優れており、か
かる湿潤膜厚と乾燥膜厚との関係が写真性能に影響を与
えていることがわかる。
【0132】実施例2 試料104において、該ハロゲン化銀カラー写真感光材
料の硬膜剤を以下のように変更する以外は同様にして、
試料201〜204を作製した。
【0133】 硬膜剤種類 添加量(mg/gゼラチン) 試料104 H−1/H−2 10/2 試料201 H−2 10 試料202 H−3 12 試料203 VS−1 12 試料204 VS−1/H−2 6.6/5.7 H−3: CH2=CHSO2CH2CONHC24NHCOCH2SO2CH=CH2 実施例1と同様に評価した結果を以下に示す。
【0134】 保存安定性 処理安定性 圧力耐性 (ΔS1:%) (S1/2-0:%) (ΔDp) 試料104 5 97 0.14 試料201 6 97 0.12 試料202 4 98 0.12 試料203 3 98 0.10 試料204 3 99 0.10 上記結果より、写真構成層に添加する硬膜剤としてヒド
ロキシ基を有するビニルスルホン型硬膜剤を用いること
が好ましいことがわかる。
【0135】実施例3 試料104において、該ハロゲン化銀カラー写真感光材
料の写真構成層中に、ポリアクリル酸を以下のように添
加する以外は同様にして、試料301〜303を作製し
た。
【0136】 ポリアクリル酸添加層 添加量(g/gゼラチン) 試料104 なし なし 試料301 第14層 0.05 試料302 第10、14層 各0.05 試料303 第6、10、14層 各0.05 実施例1と同様に評価した結果を以下に示す。
【0137】 保存安定性 処理安定性 圧力耐性 (ΔS1:%) (S1/2-0:%) (ΔDp) 試料104 5 97 0.14 試料301 4 98 0.14 試料302 4 98 0.12 試料303 3 98 0.12 上記結果より、写真構成層中にポリアクリル酸化合物を
添加することによって、保存安定性、処理安定性、圧力
耐性が向上することがわかる。
【0138】実施例4 試料104において、該ハロゲン化銀カラー写真感光材
料の写真構成層中の高沸点有機溶剤を以下の様に変更す
る以外は、試料104と同様にして試料401を作製し
た。
【0139】 高沸点有機溶剤 試料104 試料401 g/m2 O/G g/m2 O/G 第1層 1.1 1.02 →0.66 0.73 第2層 0.06 0.14 →0.35 0.55 第6層 0.05 0.14 →0.18 0.29 第10層 0.18 1.09 →0.06 0.96 実施例1と同様に評価した結果を以下に示す。
【0140】 保存安定性 処理安定性 圧力耐性 (ΔS1:%) (S1/2-0:%) (ΔDp) 試料104 5 97 0.14 試料401 4 99 0.10 上記結果より、写真構成層中の最表面層以外の非感光性
層の、親油性写真素材重量/親水性コロイドバインダー
重量比が0.15以上1.0以下の範囲内とすることに
よって、処理安定性、圧力耐性が向上することがわか
る。
【0141】実施例5 実施例1の試料104に対し、以下のように第2、6、
10、13層にビニルピロリドン重合体を添加する以外
は同様にして試料501〜504を作製した。
【0142】 ビニルピロリドン 数平均分子量 添加量 重合体 (mg/gゼラチン) 試料104 − − なし 試料501 P−1 300 各々に2.2 試料502 P−1 600 各々に2.2 試料503 P−1 2,000 各々に2.2 試料504 P−1 50,000 各々に2.2 実施例1と同様に評価した結果を以下に示す。
【0143】 保存安定性 処理安定性 圧力耐性 (ΔS1:%) (S1/2-0:%) (ΔDp) 試料104 5 97 0.14 試料501 5 97 0.14 試料502 4 98 0.12 試料503 4 98 0.10 試料504 4 96 0.14 上記結果より、写真構成層の少なくとも一層が、数平均
分子量500以上20000以下のビニルピロリドン重
合体を含有することによって、保存安定性、処理安定
性、圧力耐性が向上することがわかる。
【0144】実施例6 実施例1の試料104の全層のゼラチン(脱イオン化処
理をしていない石灰処理ゼラチンであって、Ca含有量
が2600ppmのゼラチン)を、イオン交換樹脂によ
って脱イオン化処理したCa含有量が10〜250pp
mのゼラチンに置き換えた以外は同様にして、試料60
1〜605を作製した。
【0145】 Ca含有量(ppm) 試料104 2600 試料601 250 試料602 120 試料603 65 試料604 35 試料605 10 実施例1と同様に評価した結果を以下に示す。
【0146】 保存安定性 処理安定性 圧力耐性 (ΔS1:%) (S1/2-0:%) (ΔDp) 試料104 5 97 0.14 試料601 5 97 0.14 試料602 4 97 0.12 試料603 4 98 0.12 試料604 3 98 0.10 試料605 2 98 0.10 上記結果より、写真構成層が脱イオン化ゼラチンを含有
し、かつ写真構成層中のカルシウム含有量が50ppm
以下であることによって、保存安定性、処理安定性、圧
力耐性が向上することがわかる。
【0147】実施例7 実施例1の試料104において、該ハロゲン化銀カラー
写真感光材料の各感光性層すべてのの塗膜銀電位を臭化
カリウムと硝酸銀の各水溶液を用いて、以下のように調
整する以外は同様にして試料701〜704を作製し
た。
【0148】 塗膜銀電位(mV) 試料104 185 試料701 150 試料702 135 試料703 105 試料704 90 実施例1と同様に評価した結果を以下に示す。
【0149】 保存安定性 処理安定性 圧力耐性 (ΔS1:%) (S1/2-0:%) (ΔDp) 試料104 5 97 0.14 試料701 4 98 0.12 試料702 3 99 0.10 試料703 4 99 0.10 試料704 4 97 0.10 上記結果より、写真構成層の塗膜銀電位が150mV以
下であることによって、保存安定性、処理安定性、圧力
耐性が向上することがわかる。
【0150】
【発明の効果】本発明により、経時保存安定性、現像処
理安定性、圧力耐性が改良されたハロゲン化銀写真感光
材料および多層同時塗布方法においても塗布性が優れた
ハロゲン化銀写真感光材料を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライドホッパー型塗布装置(n層同時塗布
用)を示す断面図である。
【符号の説明】
1 バックアップローラ 2,4,6,20,22 空洞 3 支持体 5 減圧室 S1〜Sn 塗布液 P1〜Pn 計量ポンプ N1〜Nn 吐出スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/76 G03C 1/76

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の側に、それぞれ少なく
    とも2層の赤感光性層、緑感光性層、青感光性層および
    非感光性層からなる写真構成層を有するハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料において、写真構成層を塗布するとき
    の湿潤膜厚の合計をAμm、塗布乾燥後の巻き取り時の
    乾燥膜厚をBμmとしたとき、以下の関係が成立するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 8.3≦A/B≦13 A;140μm以上225μm以下 B;13μm以上18μm以下
  2. 【請求項2】 連続して走行する支持体上に、10層以
    上の写真構成層を同時重層塗布して、1回の塗布で形成
    されることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀
    カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 写真構成層の少なくとも1層がヒドロキ
    シ基を有するビニルスルホン型硬膜剤を含有することを
    特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化銀カラー
    写真感光材料。
  4. 【請求項4】 写真構成層の全塗布銀量が4.0g/m
    2以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】 写真構成層の少なくとも一層が、ポリア
    クリル酸化合物を含有することを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。
  6. 【請求項6】 写真構成層における最表面層以外の非感
    光性層の親油性写真素材重量/親水性コロイドバインダ
    ー重量比が0.15以上1.0以下の範囲内であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。
  7. 【請求項7】 写真構成層の少なくとも一層が数平均分
    子量500以上20000以下のビニルピロリドン重合
    体を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  8. 【請求項8】 写真構成層の少なくとも1層が親水性コ
    ロイドバインダーとして脱イオン化ゼラチンを含有し、
    かつ写真構成層中のカルシウム含有量が50ppm以下
    であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に
    記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  9. 【請求項9】 写真構成層の塗膜銀電位が150mV以
    下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項
    に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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WO2004046811A1 (ja) * 2002-11-20 2004-06-03 Konica Minolta Photo Imaging, Inc. ハロゲン化銀写真感光材料及びその製造方法
WO2005024515A1 (ja) * 2003-08-28 2005-03-17 Konica Minolta Photo Imaging, Inc. 撮影用ハロゲン化銀カラー写真感光材料
WO2005024513A1 (ja) * 2003-08-28 2005-03-17 Konica Minolta Photo Imaging, Inc. ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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