JP2000089005A - 感光性黒色樹脂組成物、その製造方法及びブラックマトリクスの形成方法 - Google Patents
感光性黒色樹脂組成物、その製造方法及びブラックマトリクスの形成方法Info
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Abstract
し、アルカリ水溶液による現像が可能であり、しかも硬
化膜の耐薬品性、耐熱性、基板との密着性が優れ、更
に、膜強度が高く低反射率のブラックマトリクスを形成
できる感光性黒色樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 予めカーボンブラックに水酸基を有する
高分子化合物をグラフト化した後、酸無水物を用いてカ
ルボキシル基を導入したグラフト化カーボンブラック
と、水酸基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂に前
記酸無水物と同一の酸無水物を用いてカルボキシル基を
導入したバインダー樹脂とを含む感光性黒色樹脂組成物
により課題を解決できる。
Description
物、その製造方法及びブラックマトリクスの形成方法に
関するものであり、さらに詳しくはカラーフィルタ製造
に使用する材料、特にブラックマトリクスを形成する感
光性黒色樹脂組成物、その感光性黒色樹脂組成物を製造
する方法及びその感光性黒色樹脂組成物を用いてブラッ
クマトリクスを形成する方法に関するものである。
色画素のモザイクまたはストライプ状に配列したフィル
タである。さらにコントラストの良好な画像を得るため
にブラックマトリクスと称する黒色画素を前述色画素の
周囲に形成する。さらに、アクティブ型表示装置におい
ては、このブラックマトリクスを使用することで不要な
光を除去できるようになり、スイッチング素子の誤動作
を低減する効果を有している。上記のブラックマトリク
スは、通常、ガラス基板上に蒸着法、スパッタ法などで
設けた金属薄膜よりフォトリソグラフィ法で微細パター
ンを形成する。
トを塗布、乾燥、フォトマスクを介して紫外線を照射
し、現像することによりレジストパターンを形成し、更
にエッチング工程とレジスト剥離工程を経てブラックマ
トリクスを形成する。前述のブラックマトリクスの形成
は、その工程が煩雑であるために時間を要し、コスト高
となっている。また、遮光膜となるブラックマトリクス
にクロム膜を使用するために反射率が高い。近年、更に
環境安全性も考慮されるようになり、カーボンブラック
を含有した薄膜によるブラックマトリクスの形成する手
法に代わりつつある。
成されたブラックマトリクスには、光学濃度(Opti
cal Density:ODと称す)を得るためにカ
ーボンブラックを多量に添加する必要がある。しかしな
がら、カーボンブラックの添加量増加に伴い分散性及び
分散安定性を向上するために、添加されている顔料誘導
体や高分子化合物分散剤の添加量も増加する。この為、
カーボンブラックの含有量を多くすることが出来ずOD
値が得られず、更に感度が低下するという問題がある。
逆に、感度を重視するとOD値が得られないという問題
が発生する。一般的には、OD値を得るために遮光膜で
あるブラックマトリクスの膜厚を厚くする手段が考えら
れる。しかしながら、ブラックマトリクスの膜厚を厚く
した場合、カラーフィルタの赤、緑、青からなる複数色
画素とブラックマトリクスとの重なり部分に段差が発生
し、液晶パネル時に表示ムラが発生し易いという問題が
ある。
は、上記問題を解決し、紫外線露光に対して高感度で、
高遮光性を有し、アルカリ水溶液による現像が可能であ
り、しかも硬化膜の耐薬品性、耐熱性、基板との密着性
が優れ、更に、膜強度が高く低反射率のブラックマトリ
クスを形成することができる感光性黒色樹脂組成物を提
供することであり、本発明の第2の目的は、その感光性
黒色樹脂組成物を容易に製造する方法を提供することで
あり、本発明の第3の目的は、その感光性黒色樹脂組成
物を用いてブラックマトリクスを容易に形成する方法を
提供することである。
解決するため種々検討したところ、特定のグラフト化カ
ーボンブラックと特定のアルカリ可溶性バインダーを含
む感光性黒色樹脂組成物により上記課題を解決すること
ができることを見いだし、本発明を成すに至った。
項1の発明は、予めカーボンブラックに水酸基を有する
高分子化合物をグラフト化した後、酸無水物を用いてカ
ルボキシル基を導入したグラフト化カーボンブラック
と、水酸基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂に前
記酸無水物と同一の酸無水物を用いてカルボキシル基を
導入したバインダー樹脂とを含むことを特徴とする感光
性黒色樹脂組成物である。
の感光性黒色樹脂組成物において、前記水酸基を有する
高分子化合物が、アジリジン基、オキサゾリン基、N−
ヒドロキシアルキルアミド基、エポキシ基、チオエポキ
シ基、ビニル基、(メタ)アクリル基、ケイ素系加水分
解性基、および、アミノ基から選ばれる1種又は2種以
上の官能基を分子内に有することを特徴とする。
いは請求項2記載の感光性黒色樹脂組成物において、前
記酸無水物が無水トリメリット酸であることを特徴とす
る。
るアルカリ可溶性バインダー樹脂の存在下に水酸基を有
する高分子化合物とカーボンブラックを反応せしめた
後、酸無水物を用いて前記アルカリ可溶性バインダー樹
脂と前記高分子化合物をグラフト化したカーボンブラッ
クにカルボキシル基を導入することを特徴とする請求項
1記載の感光性黒色樹脂組成物の製造方法である。
(3)の工程を少なくとも含むことを特徴とするブラッ
クマトリクスの形成方法である。 (1)基板上に請求項1記載の感光性黒色樹脂組成物を
塗布、乾燥して感光性黒色樹脂層を形成する工程 (2)前記感光性黒色樹脂層をマスクパターンを介して
露光する工程 (3)前記露光済みの感光性黒色樹脂層を現像する工程
ブラックマトリクスの形成に使用する本発明の感光性黒
色樹脂組成物は、予めカーボンブラックに水酸基を有す
る高分子化合物をグラフト化した後、酸無水物を用いて
カルボキシル基を導入したグラフト化カーボンブラック
と、水酸基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂に前
記酸無水物と同一の酸無水物を用いてカルボキシル基を
導入したバインダー樹脂とを少なくとも含み、他に公知
の感光性黒色樹脂組成物に含まれるエチレン系不飽和二
重結合を有するモノマー、及び光重合開始剤などを必須
成分として含有する感光性黒色樹脂組成物である。
ト化に使用できる水酸基を有する高分子化合物は、分子
内にカーボンブラック表面上の官能基に反応可能な基を
有するものが好ましく使用でき、具体的には、例えばア
ジリジン基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキル
アミド基、エポキシ基、チオエポキシ基、ビニル基、ア
クリル基、メタクリル基、ケイ素系加水分解基、アミノ
基などの官能基を分子内に1種又は2種以上有する高分
子化合物を挙げることができる。これらの中でもアジリ
ジン基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキルアミ
ド基から選ばれる1種又は2種以上の基を有する高分子
化合物が好ましく使用できる。
分子化合物を反応させる場合には、反応を阻害しない範
囲内で、反応系に前記高分子化合物以外のポリマー、モ
ノマー成分、有機溶剤を添加してもよい。反応系中に前
記高分子化合物は、カーボンブラックに対して10〜1
00重量%、好ましくは、20〜60重量%含有する必
要がある。10重量%未満では、グラフト効果が低減し
て膜強度が得られなくなり、100重量%を超えると感
光性に障害を及ぼして光学濃度が不足する。
は、pH7以下のものが好ましく、特にpH5以下のも
のが好ましい。pH7を超えると、カーボン表面へのグ
ラフト重合が阻害されて膜強度の向上が認められない。
には、例えば無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロム無水
フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−
エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無
水フタル酸、トリメリット酸などの二塩基酸無水物、脂
肪族あるいは芳香族四カルボン酸二無水物などの四塩基
酸二無水物などが挙げられ、これらの1種または2種以
上を使用することができる。
ボンブラックにグラフト化させた前記高分子化合物中の
水酸基1化学当量あたり、0.1〜1.1化学当量が適
しており、反応条件は希釈剤の存在下あるいは非存在下
でハイドロキノンや酸素などの重合禁止剤の存在下ある
いは非存在下で50〜130℃で反応させることができ
る。
反応に際し、「有機化合物の合成と反応(II)」、丸
善株式会社発行、昭和52年12月20日発行、第10
14頁に記載されているような触媒を用いることができ
る。触媒としては酸触媒、塩基性触媒、金属無機塩など
が挙げられる。酸触媒としては、硫酸、p−トルエンス
ルホン酸などまたはこれらの併用系が挙げられる。
ばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−ペン
タメチルエチレントリアミン、N,N−ジメチルベンジ
ルアミン、N,N−ジメチルウラリルアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N−メ
チルモルホリン、N−N’−メチルビペラジン、ピリジ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピロ
ジン、1,8−ジアザビンクロ−[5,4,0]7−ウ
ンデセン(DBU)などまたはこれらの併用系が挙げら
れる。金属無機塩としては、例えば、リチウム、ジルコ
ニウム、カリウム、スズ、亜鉛、鉛などの金属の塩化物
や酢酸ナトリウムなどまたはこれらの併用系が挙げられ
る。
樹脂としては、公知の高分子化合物が挙げられ、具体的
には、例えば、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル
酸アルキルエステル(例えば、メチル基、エチル基、ブ
チル基など)の共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、ス
チレンと無水マレイン酸などの不飽和二塩基酸無水物と
の共重合物など、また、分子中にカルボン酸、ヒドロキ
シ基、アミノ基、カルボン酸アミド基、スルフォン酸ア
ミド基などを含む高分子化合物などを挙げることができ
る。
添加量は、固形分総量の10〜43重量%が好ましい。
10重量%未満では基板とのパターン強度が低下し、4
3重量%を超えると樹脂層の粘着性が強固になり、現像
性低下の原因となる。
を有するラジカル重合性モノマーは単独又は2種類以上
の組み合わせで使用することが可能で、具体的には、例
えば2−エチル、2−ブチルプロパンジオールジアクリ
レート、ペンタエリストールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリストールヘキサアクリレート、ジペンタエリス
トールペンタアクリレート、ポリオキシエチル化トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アク
リロイルオキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジ
イソプロペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼ
ンメタクリレート、デカメチレングリコールジアクリレ
ート、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、またはジアリルフマレートなどが挙げ
られる。これらの中でも2−ブチルプロパンジオールジ
アクリレート、ペンタエリストールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリストールヘキサアクリレート、ジペン
タエリストールペンタアクリレート、またはポリオキシ
エチル化トリメチロールプロパントリアクリレートなど
が特に好ましく使用できる。
る光重合開始剤は、既知のすべての化合物を使用するこ
とができる。光重合開始剤の具体例としては、例えば、
ベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類、ベンゾイ
ンなどのアシロイン類、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テルなどのアシロインエーテル類、チオキサントン、
2,4−ジエチルキサントン、チオキサントン−4−ス
ルフォン酸などのチオキサントン類、ベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなど
のベンゾフェノン類、アセトフェノン、p−ジメチルア
セトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシアセト
フェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−
1−プロパノンなどのアセトフェノン類及びアントラキ
ノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン類、トリブロ
モメチルフェニルスルフォン、フェナンシルクロライ
ド、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、p
−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)
−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾー
ル、9,10−ジメチルベンズフェナジン、9−フェニ
ルアクリジン、チオキサントン/アミン、ベンゾフェノ
ン/ミヒラーズケトン、ベンジルジメチルケタール、ヘ
キサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダ
ゾールなどが挙げられる。これらの中でもトリス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、p−メトキシフェニ
ル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、α,α’−ジメトキシアセトキシアセトフェノンが
特に好ましく使用できる。
カリ可溶性バインダー樹脂に対して0.5〜40重量%
を使用することが好ましい。0.5重量%未満では感度
を得られにくく、40重量%を超えると結晶の析出によ
る硬化不足などの原因となる。
体的には、例えば、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルなどのセルソルブ類、及びこれの酢酸エステル、酢酸
エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n
−ブチルなどの酢酸エステル類、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケト
ン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン類、及びエタノール、プロパノール、
ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチ
レグリコール、ジエチレングリコール、グルセリンなど
のアルコール類が挙げられる。
ーボ型攪拌機、二軸式攪拌機などの攪拌機を用いて混和
して本発明の感光性黒色樹脂組成物とするか、或いは2
本ロールミル、3本ロールミル、サンドミル、ペイント
シェイカーなどの分散機を用いて混練して本発明の感光
性黒色樹脂組成物とするが、その際に用いられる上記分
散用有機溶剤の好ましい量は、全固形分の50〜200
重量%である。
工程を図面を用いて説明する。図1(a)(感光性黒色
樹脂組成物層の形成)に示したように、基板1上に感光
性黒色樹脂組成物をバーコート法、ロールコート法、ス
ピンナー法、或いはカーテンコート法を用いて、均一に
塗布し感光性黒色樹脂層2を形成する。乾燥を必要とす
る場合は、70〜100℃程度の温度にて加熱してもよ
い。
に、マスクパターン3を用いてブラックマトリクスにす
る箇所にのみ紫外線を照射し露光を行い、ラジカル重合
させて硬化させる。露光に使用する光源としては、高圧
水銀灯、超高圧水銀灯などである。
に示したように、アルカリ水溶液を現像液として、未露
光部の黒色樹脂層を除去して、ブラックマトリクス4を
形成する。
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムなどの無機アルカリ溶液、トリエチルアミンなどのア
ルキルアミン類、トリエタノールアミンなどのアルコー
ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド
などの第四級アンモニウム塩などを用いることができ
る。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コールなどのアルコール系極性溶剤なども用いることが
できる。他のアルカリ水溶液としては、アルカリ性物質
の希薄水溶液や、水との混和性がよい有機溶剤を少量添
加したものを挙げることができる。アルカリ性物質とし
ては、例えば、アンモニア、アルカリ金属水酸化物類、
アルカリ金属炭酸塩類、アルカリ金属重炭酸塩類、アル
カリ金属ケイ酸塩類、アルカリ金属メタケイ酸塩類、ト
リエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノ
ールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモニウム
ヒドロキシド類又は燐酸三ナトリウムなどが挙げられ
る。アルカリ濃度は0.01〜20重量%であり、pH
は8〜14が好ましい。
剤、たとえば、界面活性剤、湿潤剤、有機溶剤などを添
加しても良い。
たグラフト化カーボンブラック、光重合開始剤、カルボ
キシル基を導入したバインダー樹脂及びエチレン系不飽
和二重結合を有するモノマーを用いることにより、高感
度の本発明の感光性黒色樹脂組成物が得られ、この本発
明の感光性黒色樹脂組成物を用いて膜強度が優れ、且
つ、高遮光性で平滑なブラックマトリクスが得られる。
具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限され
るものではない。 [比較例1][合成例1] (工程1)攪件装置、窒素ガス導入管、還流冷却管、温
度計、及び滴下ロートを備えたセパラブルフラスコに溶
剤として、トルエン80部とメチルエチルケトン20部
を仕込み、メチルメタアクリレート(MMA)85部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)15
部、チオグリコール酸4.3部、およびアゾビスイソブ
チロニトリル2部を上記混合溶媒に4時間かけて連続的
に滴下しながら重合を行った。その後、同温度で3時間
加熱攪拌を行い、95℃にて2時間熟成して重合反応を
終了した。この反応液200部に対してグリシジルメタ
クリレート8.5部(1.3倍当量/COOH)を、触
媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド1.3部
および重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエー
テル0.04部を加え、反応温度85〜90℃にて10
時間反応させた。このものをn−ヘキサン中に再沈し、
固形分を50℃にて2日間減圧乾燥させ片末端メタクリ
レート型のMMA−HEMA共重合体マクロモノマーを
得た。
ー50部、スチレン25部、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート20部、イソプロピルオキサゾリン5部、及
びアゾビスイソブチロニトリル3部をプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート100部に溶解し、
重合性単量体組成物を得た。攪拌装置、窒素ガス導入
管、還流冷却管、温度計、及び滴下ロートを備えたセパ
ラブルフラスコにプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート50部を仕込み、80℃まで昇温した。
反応系の温度を80℃に保ちながら、3時間かけて上記
重合性単量体組成物を滴下し、更に同温度にて2時間重
合反応を継続した。その後、110℃に昇温し2時間熟
成反応を行い、反応性基としてオキサゾリン基を含有す
る高分子化合物1の溶液(不揮発分40%)を得た。
度センサーを備えているセパラブルフラスコに、カーボ
ンブラックを30部、上記オキサゾリン基含有高分子化
合物1 22.5部、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート97.5部、及びジルコニアビーズ
800部を仕込んだ。回転数600rpmで攪件しなが
ら、100℃で3時問反応させた。冷却後、ビーズを取
り除き、カーボンブラック20%含有カーボンブラック
グラフトポリマー(GCB)分散体1を得た。
温度センサーを備えているセパラブルフラスコ内に、工
程3にて得られたGCB分散体150部、無水トリメリ
ット酸3.59部、及び1,8−ジアザビシクロ[5,
4,0]−ウンデセン0.09部を仕込み、80℃にて
1時問反応を行い、カルボキシル基含有GCB分散体を
得た。
られたGCB分散体300部、アルカリ可溶性バインダ
ー樹脂としてBMA/MMA/HEMA/MAA(55
/10/15/20モル)共重合体(MW30,00
0)(BMA=ブチルメタクリレート、MAA=メタク
リル酸)42部、ペンタエリストールアクリレート1
9.7部、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン19.7部、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート360部、
及びガラスビーズ500部をガラス瓶に入れ、ペイント
シェーカーにて2時間分散して感光性黒色樹脂分散液
(1)を作製した。この感光性黒色樹脂分散液をスピン
ナーにより850rpm、5秒で塗布し、乾燥し黒色樹
脂層1を形成した。
0mJ/cm2 の露光量で、マスクパターンを介して露
光を行った。
て、基板を回転させながらシャワーを噴霧する方式で6
0秒間現像し、非露光部の感光性黒色樹脂層を除去し
た。最後にオーブン中にて230℃で1時問加熱しブラ
ックマトリクス1を得た。
えているパラブルフラスコにカーボンブラック60部、
合成例1の工程2で得られたオキサゾリン基含有高分子
化合物溶液(不揮発分40%)を45部アルカリ可溶性
バインダー樹脂として前記BMA/MMA/HEMA/
MAA共重合体を42部、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート195部、ジルコニアビーズ1
600部を仕込み、回転数600rpmで攪拌しながら
100℃、3時間反応を行った。冷却後ビーズを取り除
きカーボンブラックグラフトポリマー(GCB)分散体
2を得た。
分散体2に対し、無水トリメリット酸7.18部、1,
8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン0.1
8部を仕込み80℃にて1時間反応を行い、水酸基を持
つ前記BMA/MMA/HEMA/MAA共重合体(ア
ルカリ可溶性バインダー樹脂)及び水酸基を持つ高分子
化合物をグラフトしたGCBに対してカルボキシル基を
導入した。このものにペンタエリストールアクリレート
19.7部、p−メトキシフェニル2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン19.7部、PGMA
C360部及びガラスビーズ500部をガラス瓶に入
れ、ペイントシェーカーにて2時間分散して比較例1の
感光性黒色樹脂層の形成と同様にして本発明の感光性黒
色樹脂分散液(2)を作製した。比較例1と同様にスピ
ンナーにより850rpm、5秒で塗布、乾燥し黒色樹
脂層2を形成した。
1で得られた黒色樹脂層2とを比較したところ、黒色樹
脂層1では表面がツヤ消し状態となるのに対し黒色樹脂
層2では鏡面光沢となった。得られた塗布膜をヘイズグ
ロスリフレクトメーター(ビックケミー・ジャパン株式
会社製)を用いて20°グロス値を測定したところ、比
較例1で得られた黒色樹脂層1では2.0でありツヤ消
し状態であるのに対し、実施例1で得られた黒色樹脂層
2では101あり鏡面状態であった。
線露光に対して高感度で、高遮光性を有し、アルカリ水
溶液による現像が可能であり、しかも硬化膜の耐薬品
性、耐熱性、基板との密着性が優れ、更に、膜強度が高
く低反射率のブラックマトリクスを形成することができ
る。本発明の感光性黒色樹脂組成物を用いることにより
塗膜の光沢(平面平滑性)にすぐれたものが得られ、ま
た、アルカリ現象性が向上する。本発明の感光性黒色樹
脂組成物の製造方法により本発明の感光性黒色樹脂組成
物を容易に製造できる。本発明のブラックマトリクスの
形成方法により、ブラックマトリクスを容易に製造でき
る。
明する説明図であり、(a)は黒色感光性黒色樹脂組成
物層の形成工程を示す説明図であり、(b)は露光工程
を示す説明図であり、(c)は現像、ポストベークして
ブラックマトリクッスを作る工程を示す説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 予めカーボンブラックに水酸基を有する
高分子化合物をグラフト化した後、酸無水物を用いてカ
ルボキシル基を導入したグラフト化カーボンブラック
と、水酸基を有するアルカリ可溶性バインダー樹脂に前
記酸無水物と同一の酸無水物を用いてカルボキシル基を
導入したバインダー樹脂とを含むことを特徴とする感光
性黒色樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記水酸基を有する高分子化合物が、ア
ジリジン基、オキサゾリン基、N−ヒドロキシアルキル
アミド基、エポキシ基、チオエポキシ基、ビニル基、
(メタ)アクリル基、ケイ素系加水分解性基、および、
アミノ基から選ばれる1種又は2種以上の官能基を分子
内に有することを特徴とする請求項1記載の感光性黒色
樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記酸無水物が無水トリメリット酸であ
ることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の感
光性黒色樹脂組成物。 - 【請求項4】 水酸基を有するアルカリ可溶性バインダ
ー樹脂の存在下に水酸基を有する高分子化合物とカーボ
ンブラックを反応せしめた後、酸無水物を用いて前記ア
ルカリ可溶性バインダー樹脂と前記高分子化合物をグラ
フト化したカーボンブラックにカルボキシル基を導入す
ることを特徴とする請求項1記載の感光性黒色樹脂組成
物の製造方法。 - 【請求項5】 下記(1)〜(3)の工程を少なくとも
含むことを特徴とするブラックマトリクスの形成方法。 (1)基板上に請求項1記載の感光性黒色樹脂組成物を
塗布、乾燥して感光性黒色樹脂層を形成する工程 (2)前記感光性黒色樹脂層をマスクパターンを介して
露光する工程 (3)前記露光済みの感光性黒色樹脂層を現像する工程
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JP25408798A JP4165780B2 (ja) | 1998-09-08 | 1998-09-08 | 感光性黒色樹脂組成物及びブラックマトリクスの形成方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012098379A (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-24 | Kao Corp | カラーフィルター用赤色顔料分散体の製造方法 |
JP2020060785A (ja) * | 2015-12-21 | 2020-04-16 | アーゼッド・エレクトロニック・マテリアルズ(ルクセンブルグ)ソシエテ・ア・レスポンサビリテ・リミテ | レーザーアブレーション用ネガティブワーキングフォトレジスト組成物及びその使用 |
-
1998
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