JP2000087859A - 圧縮機ライナー接合構造及び圧縮機ライナー接合構造の形成方法 - Google Patents

圧縮機ライナー接合構造及び圧縮機ライナー接合構造の形成方法

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JP2000087859A
JP2000087859A JP10255885A JP25588598A JP2000087859A JP 2000087859 A JP2000087859 A JP 2000087859A JP 10255885 A JP10255885 A JP 10255885A JP 25588598 A JP25588598 A JP 25588598A JP 2000087859 A JP2000087859 A JP 2000087859A
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cylindrical
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Shigeo Nakanishi
重雄 中西
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Funai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機の胴シェルに、アキュームレータの熱
媒出口を接続するためのライナーを接合する場合の加工
コストを安く抑え、また、加工工数を減少させる。 【解決手段】 正円形の孔部7を有する矩形の平板1を
円筒状に胴巻きすることによって円筒状の胴シェル2を
形成し、その胴シェル2に備わっていて胴巻きにより楕
円形に変形した孔部7に、環状の段付面54を有する正
円筒状のライナー5の基端部51を内嵌合してその段付
面54が孔部7の孔縁71の全周を覆う状態に配備す
る。ライナー5と孔部7とを胴シェル1の外周側でろう
付けして接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調設備などに用
いられる圧縮機の胴シェルに設けられるライナー接合構
造及びそのようなライナー接合構造の形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】実開昭61−97596号公報には、密
閉容器としての胴シェルの内部に圧縮要素を収容した密
閉型圧縮機についての記載がある。また、特開昭63−
314388号公報、特公平7−117042号公報、
特公平7−117043号公報には、ケーシングとして
の胴シェルに形成した孔部に接続管としてのライナーを
溶接で接合し、そのライナーに、アキュームレータの熱
媒出口を接続することについての記載がある。
【0003】平板を用いて圧縮機の胴シェルを形成する
場合の従来の方法を図9に示してあり、この方法は次の
通りである。すなわち、同図(a)に示した矩形の平板
1が外形プレス工程を経て製作され、次に同図(b)の
胴巻き工程が行われて円筒状の胴シェル2が製作され、
次に同図(c)のバーリング加工が行われて、上記胴シ
ェル2に外側に突き出る短い膨出状の筒部3を有する孔
部4が形成され、次に同図(d)のように、上記孔部4
に内嵌合された正円筒状のライナー5と上記筒部3とが
胴シェル2の外周側でろう付け6によって接合される。
【0004】図9で説明した方法によると、同図(c)
のバーリング加工が円筒状の胴シェル2に対して行われ
るので、そのバーリング加工によって形成される孔部4
を正円形に形成することは可能である。そのため、その
孔部4の直径と同一の外径を有する正円筒状のライナー
5をその孔部4に嵌合してろう付け6を行うと、銀ろう
が胴シェル2の内側へ入り込みにくいという利点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9で
説明した従来の方法は、胴シェル2に対するバーリング
加工をその胴シェル2の内側から外側に向けて行う必要
があるので、バーリング加工のための金型コストなどの
加工コストが高くつくという問題があった。
【0006】また、矩形の平板1を円筒状に胴巻きして
胴シェル2を形成する工程の他に、その胴シェル2にバ
ーリング加工を施す工程が必要になり、加工工数が比較
的多くなるという問題も指摘されていた。
【0007】本発明は以上の問題に鑑みてなされたもの
であり、加工コストを安く抑えることのできる圧縮機ラ
イナー接合構造及び圧縮機ライナー接合構造の形成方法
を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、加工工数を減少させるこ
とのできる圧縮機ライナー接合構造及び圧縮機ライナー
接合構造の形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る圧縮機ライ
ナー接合構造は、円筒状の胴シェルに開設された正円形
の孔部に、正円筒状のライナーの基端部が内嵌合されて
いると共に、そのライナーと上記孔部とが上記胴シェル
の外周側でろう付けによって接合されている、というも
のである。この発明においては、上記孔部の孔縁とその
孔部に内嵌合されている上記ライナーの基端部の外周面
とが接触していることが望ましい。このような圧縮機ラ
イナーの接合構造は、円筒状の胴シェルに、その胴シェ
ルの外側から正円形の孔部を打ち抜き、その孔部に正円
筒状のライナーの基端部を内嵌合した後、そのライナー
と上記孔部とを上記胴シェルの外周側でろう付けして接
合する、という方法を行うことによって形成される。
【0010】このような圧縮機ライナー接合構造やその
形成方法によれば、胴シェルにバーリング加工を施す必
要がないので、それだけ加工コストを安く抑えられる。
また、上記孔部の孔縁とその孔部に内嵌合されている上
記ライナーの基端部の外周面とが接触しているもので
は、胴シェルの外周側でライナーと孔部とをろう付けす
るときに、銀ろうが胴シェルの内側に入り込みにくくな
り、そのために、胴シェルの内側に銀ろうが入り込んで
不良品になるという事態が生じにくくなる。さらに、ラ
イナーの基端部が内嵌合される正円形の孔部を、胴シェ
ルの外側から打ち抜くようにしているので、正円形の孔
部を打ち抜くための金型コストなどの加工コストを安く
抑えることが可能である。
【0011】本発明に係る別の圧縮機ライナー接合構造
は、円筒状の胴シェルに開設されてその胴シェルの周方
向に長い楕円形の孔部に、正円筒状のライナーの基端部
が内嵌合されていると共に、そのライナーの外周に設け
られた環状の段付面が上記胴シェルの外周側で上記孔部
の孔縁の全周を覆って配備されており、上記ライナーと
上記孔部とが上記胴シェルの外周側でろう付けによって
接合されている、というものである。このような圧縮機
ライナーの接合構造は、正円形の孔部を有する矩形の平
板を円筒状に胴巻きすることによって円筒状の胴シェル
を形成し、その胴シェルに備わっていて上記胴巻きによ
り楕円形に変形された上記孔部に、環状の段付面を有す
る正円筒状のライナーの基端部を内嵌合してその段付面
を上記胴シェルの外周側で楕円形の上記孔部の孔縁の全
周を覆う状態に配備した後、上記ライナーと上記孔部と
を上記胴シェルの外周側でろう付けして接合する、とい
う方法を行うことによって形成される。
【0012】このような圧縮機ライナー接合構造やその
形成方法によれば、胴シェルの孔部が楕円形であり、そ
の孔部に挿入したライナーの基端部が正円筒状であって
も、ライナーと孔部とをろう付けして接合するときに、
胴シェルの内部への銀ろうの侵入が、孔部を覆っている
ライナーの段付面によって防止される。また、胴巻きす
る前の矩形の平板が既に孔部を有しているので、円筒状
の胴シェルに孔部を打抜き形成する場合に比べて、その
孔部を安価に形成することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は請求項4に記載した圧縮機
ライナー接合構造の形成方法を行う手順を例示した説明
図である。この方法は、同図(a)のように矩形の平板
1を用意する。次にその平板1に対して同図(b)の胴
巻き工程が行われて円筒状の胴シェル2が製作され、次
に同図(c)のように胴シェル2に正円形の孔部7が打
ち抜かれる。この打抜き工程は、胴シェル2の外側から
内側に正円形の孔部7を打ち抜く工程であり、そのよう
に胴シェル2の外側から孔部7を打ち抜くようにする
と、胴シェル2の内側からバーリング加工を施す従来の
方法(図9参照)に比べ、その孔部7を打ち抜くための
金型コストなどの加工コストが格段に安く抑えられる。
次に同図(d)のように、上記孔部7に正円筒状のライ
ナー5の基端部51を内嵌合し、そのように内嵌合され
た正円筒状のライナー5と孔部7とが胴シェル2の外周
側でろう付け6によって接合される。ライナー5を銅製
にしておけば、図示していないアキュームレータの熱媒
出口を接続したりするときのろう付け工程を容易に行う
ことができるようになる。
【0014】図2〜図4は請求項1及び請求項2に記載
した圧縮機ライナー接合構造を示している。この接合構
造は図1で説明した方法によって形成することができ
る。図2は部分正面図、図3(a)は図2のIIIa−
IIIa線に沿う部分断面図、図3(b)は図2のII
Ib−IIIb線に沿う部分断面図である。
【0015】図3(a)(b)に示した事例では、ライ
ナー5の基端面52を平面視円弧状に形成することによ
って、その基端面52を胴シェル1の内周面11と面一
にしてある。また、孔部7の孔縁71とその孔部7に内
嵌合されているライナー5の基端部51の外周面51a
とが接触している。そのため、ろう付け6を施すときに
は、銀ろうが胴シェル1の内側に入り込みにくくなり、
そのことが、胴シェル1の内側に銀ろうが入り込んで不
良品になるという事態を生じにくくすることに役立って
いる。
【0016】図4(a)は図2のIVa−IVa線に沿
う部分断面図、図4(b)は図2のIVb−IVb線に
沿う部分断面図である。
【0017】図4(a)(b)に示した事例では、ライ
ナー5の基端面52を軸線と直角に形成してある。その
ため、同図(a)のようにライナー5の基端面52が横
方向で胴シェル1の内周面11に面一に連続するように
した場合でも、縦方向では同図(b)のようにライナー
5の基端面52が胴シェル1の内周面11からその内側
に少し突き出た形になる。このようになっていても、胴
シェル11の内部に配備される圧縮要素(不図示)に欠
除箇所を設けることによって、ライナー5の基端面52
と圧縮要素との干渉を防ぐことができる。その他の事
項、すなわち、孔部7の孔縁71とその孔部7に内嵌合
されているライナー5の基端部51の外周面51aとが
接触しているために、ろう付け6を施すときに銀ろうが
胴シェル1の内側に入り込みにくくなるといった点など
は、図3で説明したところと同様である。
【0018】図5は請求項5に記載した圧縮機ライナー
接合構造の形成方法を行う手順を例示した説明図であ
る。この方法は、同図(a)のように、正円形の孔部7
を打抜き形成した矩形の平板1を用意する。次にその平
板1に対して同図(b)の胴巻き工程が行われて円筒状
の胴シェル2が製作される。このように平板1を円筒状
に胴巻きすると、その平板1に備わっていた正円形の孔
部7は、胴シェル1の周方向に長い楕円形に変形され
る。次に同図(c)のように、楕円形の孔部7に環状の
段付面54を有する正円筒状のライナー5の基端部51
を内嵌合することによって、その段付面54を胴シェル
1の外周側で楕円形の孔部7の孔縁71の全周を覆う状
態に配備する。そして、ライナー5と孔部7とが胴シェ
ル2の外周側でろう付け6によって接合される。この方
法に従えば、孔部7を矩形の平板1に既に形成されてい
るので、胴巻き後に孔部7を形成する工程を設ける必要
がなくなり、加工工数がそれだけ削減される。
【0019】図6〜図8は請求項3に記載した圧縮機ラ
イナー接合構造を示している。この接合構造は図5で説
明した方法によって形成することができる。図6は部分
正面図、図7(a)は図6のVIIa−VIIa線に沿
う部分断面図、図7(b)は図6のVIIb−VIIb
線に沿う部分断面図である。
【0020】図7(a)(b)に示した事例では、ライ
ナー5の基端面52を平面視円弧状に形成することによ
って、その基端面52を胴シェル1の内周面11と面一
にしてある。また、胴シェル1の孔部7が楕円形であ
り、その孔部7に挿入したライナー5の基端部51が正
円筒状であっても、ライナー5と孔部7とをろう付けし
て接合するときに、胴シェル1の内部への銀ろうの侵入
が、孔部7の孔縁71を覆っているライナー5の段付面
54によって防止される。また、胴巻きする前の矩形の
平板1が既に孔部7を有しているので、円筒状の胴シェ
ル1に孔部を打抜き形成する場合に比べて、その孔部7
を安価に形成することができる。
【0021】図7(a)(b)に示した圧縮機ライナー
接合構造においては、孔部7が楕円形であるため、孔部
7の孔縁71とその孔部7に内嵌合されているライナー
5の基端部51の外周面51aとが全周に亘って接触す
ることはない。しかし、ライナー5の段付面54が孔部
7の孔縁71を覆っているため、孔部7の孔縁71とラ
イナー5の基端部51の外周面51aとが全周に亘って
接触していなくても、ろう付け時に銀ろうが胴シェル1
の内部へ侵入するといった事態は起こりにくい。
【0022】図8(a)は図6のVIIIa−VIII
a線に沿う部分断面図、図8(b)は図6のVIIIb
−VIIIb線に沿う部分断面図である。
【0023】図8(a)(b)に示した事例では、ライ
ナー5の基端面52を軸線と直角に形成してある。その
ため、同図(a)のようにライナー5の基端面52が横
方向で胴シェル1の内周面11に面一に連続するように
した場合でも、縦方向では同図(b)のようにライナー
5の基端面52が胴シェル1の内周面11からその内側
に少し突き出た形になる。このようになっていても、胴
シェル11の内部に配備される圧縮要素(不図示)に欠
除箇所を設けることによって、ライナー5の基端面52
と圧縮要素との干渉を防ぐことができる。その他の事項
は図7で説明したところと同様である。
【0024】上記した各実施形態のライナー5は、アキ
ュームレータの熱媒出口と胴シェル1に収容される圧縮
要素の熱媒入口とを接続することに役立つ。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る圧縮機ライ
ナーの接合構造及び圧縮機ライナー接合構造の形成方法
によれば、加工コストが安く抑えられ、また、加工工数
を削減してコストダウンを図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項4に記載した圧縮機ライナー接合構造の
形成方法を行う手順(a)〜(d)を例示した説明図で
ある。
【図2】圧縮機ライナー接合構造の部分正面図である。
【図3】(a)は図2のIIIa−IIIa線に沿う部
分断面図、(b)は図2のIIIb−IIIb線に沿う
部分断面図である。
【図4】(a)は図2のIVa−IVa線に沿う部分断
面図、(b)は図2のIVb−IVb線に沿う部分断面
図である。
【図5】請求項5に記載した圧縮機ライナー接合構造の
形成方法を行う手順(a)〜(c)を例示した説明図で
ある。
【図6】圧縮機ライナー接合構造の部分正面図である。
【図7】(a)は図6のVIIa−VIIa線に沿う部
分断面図、(b)は図6のVIIb−VIIb線に沿う
部分断面図である。
【図8】(a)は図6のVIIIa−VIIIa線に沿
う部分断面図、(b)は図6のVIIIb−VIIIb
線に沿う部分断面図である。
【図9】従来の圧縮機ライナー接合構造の形成方法を行
う手順(a)〜(d)を例示した説明図である。
【符号の説明】
1 胴シェル 5 ライナー 6 ろう付け 7 孔部 51 ライナーの基端部 51a ライナーの基端部の外周面 54 段付面 71 孔部の孔縁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の胴シェルに開設された正円形の
    孔部に、正円筒状のライナーの基端部が内嵌合されてい
    ると共に、そのライナーと上記孔部とが上記胴シェルの
    外周側でろう付けによって接合されていることを特徴と
    する圧縮機ライナー接合構造。
  2. 【請求項2】 上記孔部の孔縁とその孔部に内嵌合され
    ている上記ライナーの基端部の外周面とが接触している
    請求項1に記載した圧縮機ライナー接合構造。
  3. 【請求項3】 円筒状の胴シェルに開設されてその胴シ
    ェルの周方向に長い楕円形の孔部に、正円筒状のライナ
    ーの基端部が内嵌合されていると共に、そのライナーの
    外周に設けられた環状の段付面が上記胴シェルの外周側
    で上記孔部の孔縁の全周を覆って配備されており、上記
    ライナーと上記孔部とが上記胴シェルの外周側でろう付
    けによって接合されていることを特徴とする圧縮機ライ
    ナー接合構造。
  4. 【請求項4】 円筒状の胴シェルに、その胴シェルの外
    側から正円形の孔部を打ち抜き、その孔部に正円筒状の
    ライナーの基端部を内嵌合した後、そのライナーと上記
    孔部とを上記胴シェルの外周側でろう付けして接合する
    ことを特徴とする圧縮機ライナー接合構造の形成方法。
  5. 【請求項5】 正円形の孔部を有する矩形の平板を円筒
    状に胴巻きすることによって円筒状の胴シェルを形成
    し、その胴シェルに備わっていて上記胴巻きにより楕円
    形に変形された上記孔部に、環状の段付面を有する正円
    筒状のライナーの基端部を内嵌合してその段付面を上記
    胴シェルの外周側で楕円形の上記孔部の孔縁の全周を覆
    う状態に配備した後、上記ライナーと上記孔部とを上記
    胴シェルの外周側でろう付けして接合することを特徴と
    する圧縮機ライナー接合構造の形成方法。
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