JP2000086946A - 艶消し電着塗料およびその電着塗装方法 - Google Patents
艶消し電着塗料およびその電着塗装方法Info
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- JP2000086946A JP2000086946A JP28198698A JP28198698A JP2000086946A JP 2000086946 A JP2000086946 A JP 2000086946A JP 28198698 A JP28198698 A JP 28198698A JP 28198698 A JP28198698 A JP 28198698A JP 2000086946 A JP2000086946 A JP 2000086946A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塗料の製法が煩雑でなく、優れた艶消し外観
を有し、塗装作業性にも優れる、艶消し電着塗料およ
び、その塗装方法を提供する。 【解決手段】 (A)α,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸単量体およびその他のα,β−エチレン性不飽和単
量体を共重合したアクリル樹脂、(B)アミノ樹脂、お
よび(C)1分子中に2個以上のアジリジン基を有する
化合物から得られる水分散液を用いた、艶消し電着塗料
およびその電着塗装方法。
を有し、塗装作業性にも優れる、艶消し電着塗料およ
び、その塗装方法を提供する。 【解決手段】 (A)α,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸単量体およびその他のα,β−エチレン性不飽和単
量体を共重合したアクリル樹脂、(B)アミノ樹脂、お
よび(C)1分子中に2個以上のアジリジン基を有する
化合物から得られる水分散液を用いた、艶消し電着塗料
およびその電着塗装方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、艶消し電着塗料お
よび、艶消し電着塗装方法に関する。詳しくは、カルボ
キシル基を含有するアクリル樹脂および、下記一般式
[I]で表される1分子中に2個以上のアジリジン基を
有する化合物を含有する艶消し電着塗料および、該電着
塗料を使用して、被塗装物を陽極として電着塗装法によ
り塗膜を得ることを特徴とする艶消し電着塗装方法に関
する。
よび、艶消し電着塗装方法に関する。詳しくは、カルボ
キシル基を含有するアクリル樹脂および、下記一般式
[I]で表される1分子中に2個以上のアジリジン基を
有する化合物を含有する艶消し電着塗料および、該電着
塗料を使用して、被塗装物を陽極として電着塗装法によ
り塗膜を得ることを特徴とする艶消し電着塗装方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、被塗装物自体が有する色相、微細
な模様を隠蔽することのない艶消し塗料としては塗料中
にマイクロシリカを分散させたものが一般的であった。
しかしながらマイクロシリカは耐薬品性、特に耐アルカ
リ性の点で劣り、また良好な透明性を有する塗膜が得ら
れず、更には塗装作業上複雑な被塗装物ではマイクロシ
リカの被塗装物への沈積があり、被塗装物部位により特
に上下面などに艶の差が生じる等の欠点があった。
な模様を隠蔽することのない艶消し塗料としては塗料中
にマイクロシリカを分散させたものが一般的であった。
しかしながらマイクロシリカは耐薬品性、特に耐アルカ
リ性の点で劣り、また良好な透明性を有する塗膜が得ら
れず、更には塗装作業上複雑な被塗装物ではマイクロシ
リカの被塗装物への沈積があり、被塗装物部位により特
に上下面などに艶の差が生じる等の欠点があった。
【0003】他方、塗料中に比重の小さい有機微粒体を
分散させる方法が知られている。しかしながらこの方
法、例えば特公昭51−8975号公報に記載されてい
るような有機微粒体を塗料に分散させたものは、一般溶
剤型の吹き付け塗料や浸漬型塗装用塗料としては実用性
があるが、電着用塗料としては不適当であった。その理
由としては、該有機微粒体の電気泳動性が全く考慮され
ていないため、通電により定率で泳動するという特性に
欠け、水洗によって脱落することもあった。
分散させる方法が知られている。しかしながらこの方
法、例えば特公昭51−8975号公報に記載されてい
るような有機微粒体を塗料に分散させたものは、一般溶
剤型の吹き付け塗料や浸漬型塗装用塗料としては実用性
があるが、電着用塗料としては不適当であった。その理
由としては、該有機微粒体の電気泳動性が全く考慮され
ていないため、通電により定率で泳動するという特性に
欠け、水洗によって脱落することもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、電着塗料用樹脂
中に不溶性の粒子内ミクロゲルを形成させ、低光沢を達
成する方法が知られている。ミクロゲルの形成方法につ
いても種々提案されているが、その一つとしては主剤樹
脂にアルコキシシリル基を導入し、アルコキシシリル基
による縮合反応により、共重合体樹脂中に不溶性の粒子
内ミクロゲルを形成させる方法がある。例えば特開昭5
9−67396号公報、特開昭64−14281号公
報、特開平05−263296号公報がこの技術に相当
するが、塗装条件による光沢値が変動すること、電着後
の洗浄工程の影響を受け易いなど、特に電着塗装作業性
において制約条件がある。
中に不溶性の粒子内ミクロゲルを形成させ、低光沢を達
成する方法が知られている。ミクロゲルの形成方法につ
いても種々提案されているが、その一つとしては主剤樹
脂にアルコキシシリル基を導入し、アルコキシシリル基
による縮合反応により、共重合体樹脂中に不溶性の粒子
内ミクロゲルを形成させる方法がある。例えば特開昭5
9−67396号公報、特開昭64−14281号公
報、特開平05−263296号公報がこの技術に相当
するが、塗装条件による光沢値が変動すること、電着後
の洗浄工程の影響を受け易いなど、特に電着塗装作業性
において制約条件がある。
【0005】他の方法としては、樹脂中に存在するカル
ボキシル基を利用して、このカルボキシル基と反応する
官能基を組み合わせてミクロゲルを形成させる方法があ
る。官能基としては例えばエポキシ基(特開昭59−1
38278号公報、特公平2−12511号公報)、オ
キサゾリン基(特開平6−25568号公報)が公知で
あるが、いずれも安定した低光沢を得るためには、加温
反応して粒子内ミクロゲルを形成させる必要があり、製
造上煩雑である。
ボキシル基を利用して、このカルボキシル基と反応する
官能基を組み合わせてミクロゲルを形成させる方法があ
る。官能基としては例えばエポキシ基(特開昭59−1
38278号公報、特公平2−12511号公報)、オ
キサゾリン基(特開平6−25568号公報)が公知で
あるが、いずれも安定した低光沢を得るためには、加温
反応して粒子内ミクロゲルを形成させる必要があり、製
造上煩雑である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、粒
子内ミクロゲルを利用した艶消し電着塗料の問題点を解
決すべく鋭意検討した結果、カルボキシル基含有のアク
リル樹脂と、下記の一般式[I]で表される1分子中に
2個以上のアジリジン基を有する化合物を組み合わせる
ことで、製法が煩雑でなく、優れた艶消し外観を有し、
塗装作業性にも優れる電着塗料およびその電着塗装方法
を見出した。
子内ミクロゲルを利用した艶消し電着塗料の問題点を解
決すべく鋭意検討した結果、カルボキシル基含有のアク
リル樹脂と、下記の一般式[I]で表される1分子中に
2個以上のアジリジン基を有する化合物を組み合わせる
ことで、製法が煩雑でなく、優れた艶消し外観を有し、
塗装作業性にも優れる電着塗料およびその電着塗装方法
を見出した。
【0007】すなわち、本発明は、(A)α,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸単量体およびその他のα,β−
エチレン性不飽和単量体を共重合したアクリル樹脂、
(B)アミノ樹脂、および(C)下記一般式[I]で表
される1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合
物を含有する、艶消し電着塗料およびその電着塗装方法
である。
レン性不飽和カルボン酸単量体およびその他のα,β−
エチレン性不飽和単量体を共重合したアクリル樹脂、
(B)アミノ樹脂、および(C)下記一般式[I]で表
される1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合
物を含有する、艶消し電着塗料およびその電着塗装方法
である。
【0008】
【化1】
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において使用する(A)アクリル樹脂は、(a)
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体、および
(b)その他のα,β−エチレン性不飽和単量体を共重
合することにより得ることができる。
本発明において使用する(A)アクリル樹脂は、(a)
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体、および
(b)その他のα,β−エチレン性不飽和単量体を共重
合することにより得ることができる。
【0010】成分(a)は、アクリル樹脂に水分散性、
電気泳動性を付与し、また上記一般式[I]で表され
る、1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合物
(C)成分と反応して、艶消し塗膜を得るために使用す
るものであり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、シトラコン酸等が挙げられる。こ
れらの1種あるいは2種以上を混合して用いることがで
きる。
電気泳動性を付与し、また上記一般式[I]で表され
る、1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合物
(C)成分と反応して、艶消し塗膜を得るために使用す
るものであり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、シトラコン酸等が挙げられる。こ
れらの1種あるいは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0011】成分(a)の使用量は、好ましくはアクリ
ル樹脂 の酸価が30〜150、より好しくは40〜1
00となるような範囲で使用される。アクリル樹脂の酸
価が30未満では、十分な水分散安定性が得られず、ま
た150を超えると、電気泳動性が劣り、耐水性及び耐
薬品性が低下するので好ましくない。
ル樹脂 の酸価が30〜150、より好しくは40〜1
00となるような範囲で使用される。アクリル樹脂の酸
価が30未満では、十分な水分散安定性が得られず、ま
た150を超えると、電気泳動性が劣り、耐水性及び耐
薬品性が低下するので好ましくない。
【0012】成分(b)については、その一部として、
塗膜の焼き付けに際して、(B)アミノ樹脂と反応し
て、硬化性を付与する水酸基を有するα,β−エチレン
性不飽和単量体を使用するのが好ましい。例示すると2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒド
ロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタ
クリレート等および、これらのラクトン変性物が挙げら
れ、1種あるいは2種以上を混合して用いることができ
る。
塗膜の焼き付けに際して、(B)アミノ樹脂と反応し
て、硬化性を付与する水酸基を有するα,β−エチレン
性不飽和単量体を使用するのが好ましい。例示すると2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒド
ロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタ
クリレート等および、これらのラクトン変性物が挙げら
れ、1種あるいは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0013】このような成分(b)は共重合樹脂中の水
酸基価が好ましくは40〜160、特に好ましくは50
〜140となるような範囲で使用される。水酸基価が4
0未満では、硬化性が不十分であり、また160を超え
ると塗膜が脆化し、耐水性が低下して十分な性能が得ら
れにくくなるので好ましくない。
酸基価が好ましくは40〜160、特に好ましくは50
〜140となるような範囲で使用される。水酸基価が4
0未満では、硬化性が不十分であり、また160を超え
ると塗膜が脆化し、耐水性が低下して十分な性能が得ら
れにくくなるので好ましくない。
【0014】さらにその他の成分(b)としては、アク
リル酸、メタクリル酸のアルキルエステル、あるいはそ
の他のビニル単量体を用いることができる。具体的な化
合物を例示すると、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタ
クリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタ
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリル
メタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリル
メタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチルアクリレー
ト、ヘプチルメタクリレート、ジエチレングリコールモ
ノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレ
ート等のアクリル酸、メタクリル酸のエステル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル
単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロー
ルアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、メト
キシメチルアクリルアミド、n−ブトキシメチルアクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタ
クリルアミド等のアミド系単量体が挙げられる。これら
は1種あるいは2種以上を混合して用いることができ
る。
リル酸、メタクリル酸のアルキルエステル、あるいはそ
の他のビニル単量体を用いることができる。具体的な化
合物を例示すると、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタ
クリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタ
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリル
メタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリル
メタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチルアクリレー
ト、ヘプチルメタクリレート、ジエチレングリコールモ
ノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレ
ート等のアクリル酸、メタクリル酸のエステル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル
単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロー
ルアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、メト
キシメチルアクリルアミド、n−ブトキシメチルアクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタ
クリルアミド等のアミド系単量体が挙げられる。これら
は1種あるいは2種以上を混合して用いることができ
る。
【0015】このようにして共重合される(A)アクリ
ル樹脂の好ましい重量平均分子量は10000〜100
000である。重量平均分子量が10000未満の場合
は、塗膜耐久性が十分に得られず、また100000越
える場合は、水分散性が低下し、塗料の取り扱い性が不
良になり好ましくない。特に艶消し性と塗料安定性の点
で、重量平均分子量が20000〜70000であるの
が好ましい。分子量はGPC測定装置を使用し、ポリス
チレン標準サンプルを用いて測定する。またアクリル樹
脂の好ましいガラス転移温度は−10〜60℃であり、
特に10〜40℃が艶消し性と柔軟性の点で好ましい。
ル樹脂の好ましい重量平均分子量は10000〜100
000である。重量平均分子量が10000未満の場合
は、塗膜耐久性が十分に得られず、また100000越
える場合は、水分散性が低下し、塗料の取り扱い性が不
良になり好ましくない。特に艶消し性と塗料安定性の点
で、重量平均分子量が20000〜70000であるの
が好ましい。分子量はGPC測定装置を使用し、ポリス
チレン標準サンプルを用いて測定する。またアクリル樹
脂の好ましいガラス転移温度は−10〜60℃であり、
特に10〜40℃が艶消し性と柔軟性の点で好ましい。
【0016】上述したような(A)アクリル樹脂は、前
記各単量体(a)および(b)を溶液重合、非水性分散
重合、塊状重合、エマルジョン重合、懸濁重合等の公知
の方法で重合することによって得られるが、特に溶液重
合が好ましく、反応温度としては通常40〜170℃が
選ばれる。
記各単量体(a)および(b)を溶液重合、非水性分散
重合、塊状重合、エマルジョン重合、懸濁重合等の公知
の方法で重合することによって得られるが、特に溶液重
合が好ましく、反応温度としては通常40〜170℃が
選ばれる。
【0017】反応溶剤としては、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t
−ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル等の親水性溶剤を用るのが好ましい。ま
た、重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合
物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、公知のも
のを用いることができる。
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t
−ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル等の親水性溶剤を用るのが好ましい。ま
た、重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合
物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、公知のも
のを用いることができる。
【0018】得られた(A)アクリル樹脂を水分散化す
るために、樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一部を
塩基性物質、例えば有機アミンあるいは無機塩基で中和
する。かかる塩基性物質としては、モノメチルアミン、
ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロ
ピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピル
アミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチ
ルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジ
イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメ
チルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の
アルカノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン等のアルキレンポリアミン、アンモニア、エチレンイ
ミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ
る。このような塩基性物質による中和率は30〜100
%が適当であるが、特に50〜90%であると水分散性
が良好で、光沢ムラを生じないので好ましい。
るために、樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一部を
塩基性物質、例えば有機アミンあるいは無機塩基で中和
する。かかる塩基性物質としては、モノメチルアミン、
ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロ
ピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピル
アミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチ
ルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジ
イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメ
チルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の
アルカノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン等のアルキレンポリアミン、アンモニア、エチレンイ
ミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ
る。このような塩基性物質による中和率は30〜100
%が適当であるが、特に50〜90%であると水分散性
が良好で、光沢ムラを生じないので好ましい。
【0019】本発明に使用される(B)アミノ樹脂とし
ては、従来から公知のメラミン樹脂、ベンゾグアナミン
樹脂、尿素樹脂等が例示されるが、中でも好適なもの
は、メチロール基の少なくとも一部を低級アルコールで
アルコキシ化したアルキルエーテル化メチロールメラミ
ン樹脂であって、低級アルコールとしては、メチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチ
ルアルコール等の1種または2種以上が使用できる。ま
た1種のメラミン樹脂であっても、また2種以上のメラ
ミン樹脂が組み合わされても問題はない。
ては、従来から公知のメラミン樹脂、ベンゾグアナミン
樹脂、尿素樹脂等が例示されるが、中でも好適なもの
は、メチロール基の少なくとも一部を低級アルコールで
アルコキシ化したアルキルエーテル化メチロールメラミ
ン樹脂であって、低級アルコールとしては、メチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチ
ルアルコール等の1種または2種以上が使用できる。ま
た1種のメラミン樹脂であっても、また2種以上のメラ
ミン樹脂が組み合わされても問題はない。
【0020】アルキルエーテル化メチロールメラミン樹
脂を例示すると、三井サイテック社製のサイメル26
6、232、235、238、236、マイコート50
6、508、住友化学社製のスミマールM−66B、三
和ケミカル社製のニカラックMX−40、MX−45等
があるが、これらに限定されない。
脂を例示すると、三井サイテック社製のサイメル26
6、232、235、238、236、マイコート50
6、508、住友化学社製のスミマールM−66B、三
和ケミカル社製のニカラックMX−40、MX−45等
があるが、これらに限定されない。
【0021】本発明の(B)アミノ樹脂の使用量の好ま
しい範囲は、重量比で(A)アクリル樹脂100に対し
30〜120、より好ましくは50〜110、さらに好
ましくは65〜100であり、塗膜の荒れ肌が抑制さ
れ、平滑性、肉持ち感、ダイスマーク隠蔽性、前処理ム
ラ隠蔽性に優れた塗膜が得られる。この範囲より少ない
場合は、光沢低減が不十分であり、塗膜の架橋が不十分
なため機械特性、耐溶剤性、耐薬品性等が低下し、逆に
多い場合はアクリル樹脂との親和性が不十分になり、水
分散液の安定性不良、分散粒径の不均一性、電着後の水
洗性不良、撥水現象、塗膜の光沢ムラ、乳白性等の問題
点が生じるので好ましくない。
しい範囲は、重量比で(A)アクリル樹脂100に対し
30〜120、より好ましくは50〜110、さらに好
ましくは65〜100であり、塗膜の荒れ肌が抑制さ
れ、平滑性、肉持ち感、ダイスマーク隠蔽性、前処理ム
ラ隠蔽性に優れた塗膜が得られる。この範囲より少ない
場合は、光沢低減が不十分であり、塗膜の架橋が不十分
なため機械特性、耐溶剤性、耐薬品性等が低下し、逆に
多い場合はアクリル樹脂との親和性が不十分になり、水
分散液の安定性不良、分散粒径の不均一性、電着後の水
洗性不良、撥水現象、塗膜の光沢ムラ、乳白性等の問題
点が生じるので好ましくない。
【0022】本発明に使用される(C)1分子中に2個
以上のアジリジン基を有する化合物は、上記一般式
[I]中の−R−が芳香族残基、脂肪族残基、脂環族残
基のいずれでもよく、例示するとジフェニルメタン−ビ
ス−4,4’−N,N’−ジエチレンウレア、ヘキサメ
チレン−ビス−N,N’−ジエチレンウレア、および次
の化学式で示される
以上のアジリジン基を有する化合物は、上記一般式
[I]中の−R−が芳香族残基、脂肪族残基、脂環族残
基のいずれでもよく、例示するとジフェニルメタン−ビ
ス−4,4’−N,N’−ジエチレンウレア、ヘキサメ
チレン−ビス−N,N’−ジエチレンウレア、および次
の化学式で示される
【0023】
【化2】
【0024】等があり、低光沢を達成するための好まし
い使用量は、重量比でアクリル樹脂100に対して0.
5〜15である。
い使用量は、重量比でアクリル樹脂100に対して0.
5〜15である。
【0025】また本発明においては、(A)アクリル樹
脂と(B)アミノ樹脂を混合し、塩基で中和して得られ
る水性樹脂分散液に、上記一般式[I]で表される
(C)1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合
物を混合するだけで、艶消し塗料が得られる。従って特
別に加温して反応させる必要はなく、公知のミクロゲル
生成方法と比較して簡易である。ただ加温しても全く問
題はない。
脂と(B)アミノ樹脂を混合し、塩基で中和して得られ
る水性樹脂分散液に、上記一般式[I]で表される
(C)1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合
物を混合するだけで、艶消し塗料が得られる。従って特
別に加温して反応させる必要はなく、公知のミクロゲル
生成方法と比較して簡易である。ただ加温しても全く問
題はない。
【0026】また要求される性能、作業性、コスト等に
より、必要ならば、例えば、キシレン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を併用すること
が可能である。
より、必要ならば、例えば、キシレン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を併用すること
が可能である。
【0027】本発明により得られた電着塗料は、必要に
応じて脱イオン水、あるいは親水性溶剤を一部含有する
脱イオン水で希釈し、電着塗装に供せられる。本発明に
おける艶消し電着塗料を実施する場合の、塗料浴の固形
分濃度は4〜20重量%が適当である。4重量%より低
い場合には、必要な塗膜厚を得るのに長時間を要し、2
0重量%を越えると浴液の状態が不安定となり、塗装系
外に持ち出される塗料量も多く好ましくない。
応じて脱イオン水、あるいは親水性溶剤を一部含有する
脱イオン水で希釈し、電着塗装に供せられる。本発明に
おける艶消し電着塗料を実施する場合の、塗料浴の固形
分濃度は4〜20重量%が適当である。4重量%より低
い場合には、必要な塗膜厚を得るのに長時間を要し、2
0重量%を越えると浴液の状態が不安定となり、塗装系
外に持ち出される塗料量も多く好ましくない。
【0028】塗装方法については、被塗装物をを陽極と
して電着塗装を行うが、塗装電圧は30〜350V、、
好ましくは50〜300Vであり、通電時間は0.5〜
7分、好ましくは1〜5分である。電圧が高いほど通電
時間は短く、逆に電圧が低いほど通電時間は長くなる。
塗装電圧は通電と同時に設定電圧をかける方法、あるい
は徐々に設定電圧まで上げていく方法のどちらでもかま
わない。塗装された被塗装物は必要により水洗し、次い
で150〜200℃で15〜60分間加熱し最終塗膜を
得る。塗膜厚は5〜30μmが好ましい。
して電着塗装を行うが、塗装電圧は30〜350V、、
好ましくは50〜300Vであり、通電時間は0.5〜
7分、好ましくは1〜5分である。電圧が高いほど通電
時間は短く、逆に電圧が低いほど通電時間は長くなる。
塗装電圧は通電と同時に設定電圧をかける方法、あるい
は徐々に設定電圧まで上げていく方法のどちらでもかま
わない。塗装された被塗装物は必要により水洗し、次い
で150〜200℃で15〜60分間加熱し最終塗膜を
得る。塗膜厚は5〜30μmが好ましい。
【0029】本発明の電着塗装方法が適用される被塗装
物は、導電性を有するものであれば特に限定されない
が、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を用いた場
合は、平滑性等の性能にも優れた、均一な艶消し塗膜が
得られ、また機械特性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性、
作業性等に優れた塗膜を得ることができる。
物は、導電性を有するものであれば特に限定されない
が、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を用いた場
合は、平滑性等の性能にも優れた、均一な艶消し塗膜が
得られ、また機械特性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性、
作業性等に優れた塗膜を得ることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。部は
特別な表示のない場合は重量部を表している。
特別な表示のない場合は重量部を表している。
【0031】(A)アクリル樹脂の製造(樹脂液Aの合
成) 撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を
有する反応装置を準備する。 (1) ブチルセロソルブ 10.2部 (2) イソプロピルアルコール 40.8部 (3) 2−エチルヘキシルメタクリレート 8.7部 (4) n−ブチルアクリレート 21.6部 (5) メチルメタクリレート 33.8部 (6) スチレン 5.9部 (7) 2−ヒドロキシエチルアクリレート 21.7部 (8) アクリル酸 8.3部 (9) アゾビスイソブチロニトリル 1.0部 (10) アゾビスイソブチロニトリル 1.0部 (1)、(2)を反応装置に仕込み、撹拌下に還流温度
まで上昇させ、(3)〜(9)を予め均一に混合した
後、3時間かけて滴下した。温度は90℃を維持した。
滴下終了後、1.5時間後に(10)を加えて、更に9
0℃で1.5時間反応を継続した後冷却した。樹脂固形
分=65%、酸価=65mgKOH/g樹脂固形分の透
明で粘調な樹脂液Aを得た。
成) 撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を
有する反応装置を準備する。 (1) ブチルセロソルブ 10.2部 (2) イソプロピルアルコール 40.8部 (3) 2−エチルヘキシルメタクリレート 8.7部 (4) n−ブチルアクリレート 21.6部 (5) メチルメタクリレート 33.8部 (6) スチレン 5.9部 (7) 2−ヒドロキシエチルアクリレート 21.7部 (8) アクリル酸 8.3部 (9) アゾビスイソブチロニトリル 1.0部 (10) アゾビスイソブチロニトリル 1.0部 (1)、(2)を反応装置に仕込み、撹拌下に還流温度
まで上昇させ、(3)〜(9)を予め均一に混合した
後、3時間かけて滴下した。温度は90℃を維持した。
滴下終了後、1.5時間後に(10)を加えて、更に9
0℃で1.5時間反応を継続した後冷却した。樹脂固形
分=65%、酸価=65mgKOH/g樹脂固形分の透
明で粘調な樹脂液Aを得た。
【0032】
【表1】
【0033】撹拌装置、温度計を有する反応装置に、表
1に示す製造例1〜4の配合量に従って(5)〜(7)
(製造例3、4は(5)、(7))を仕込み、次いで
(1)および(2)(製造例3、4の場合は(3)、
(4)を含めて)の混合液を滴下して水分散化した後、
(8)を加えて固形分10%の電着浴液を得た。
1に示す製造例1〜4の配合量に従って(5)〜(7)
(製造例3、4は(5)、(7))を仕込み、次いで
(1)および(2)(製造例3、4の場合は(3)、
(4)を含めて)の混合液を滴下して水分散化した後、
(8)を加えて固形分10%の電着浴液を得た。
【0034】実施例1、2 比較例1、2 製造例1〜4で得られた電着浴液を塩ビ性の槽に入れ、
陰極をSUS304鋼板とし、6063Sアルミ合金板
にアルマイト処理(アルマイト膜厚=9μm)を施し、
更に黒色に電解着色した後、定法により湯洗されたアル
ミ材を陽極(被塗物)として電着塗装を行った。
陰極をSUS304鋼板とし、6063Sアルミ合金板
にアルマイト処理(アルマイト膜厚=9μm)を施し、
更に黒色に電解着色した後、定法により湯洗されたアル
ミ材を陽極(被塗物)として電着塗装を行った。
【0035】塗膜性能評価 電着塗装の具体的条件は浴温22℃、極間距離12c
m、極比(+/−)2/1として、常法により、130
Vで10μmとなる様に通電し、電着終了後洗浄し、引
き続いて185℃で30分間焼き付けを行った後、塗膜
性能の評価を行った。結果を表2に示す。
m、極比(+/−)2/1として、常法により、130
Vで10μmとなる様に通電し、電着終了後洗浄し、引
き続いて185℃で30分間焼き付けを行った後、塗膜
性能の評価を行った。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】(A)α,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸単量体およびその他のα,β−エチレン性不飽和単
量体を共重合したアクリル樹脂、(B)アミノ樹脂、お
よび(C)1分子中に2個以上のアジリジン基を有する
化合物から得られる水分散液を用いて、製造方法が煩雑
でなく、かつ優れた艶消し特性を有する電着塗料が得ら
れる。
ン酸単量体およびその他のα,β−エチレン性不飽和単
量体を共重合したアクリル樹脂、(B)アミノ樹脂、お
よび(C)1分子中に2個以上のアジリジン基を有する
化合物から得られる水分散液を用いて、製造方法が煩雑
でなく、かつ優れた艶消し特性を有する電着塗料が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 13/06 C25D 13/06 B
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)α,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸単量体およびその他のα,β−エチレン性不飽和単
量体を共重合したアクリル樹脂、(B)アミノ樹脂、お
よび(C)下記一般式[I]で表される1分子中に2個
以上のアジリジン基を有する化合物を含有する、艶消し
電着塗料およびその電着塗装方法。 - 【請求項2】 (A)成分が酸価が30〜150のアク
リル樹脂である請求項1に記載の艶消し電着塗料および
その電着塗装方法。 - 【請求項3】 (A)成分100に対して(C)成分が
重量比で0.5〜15である請求項1に記載の艶消し電
着塗料およびその電着塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28198698A JP2000086946A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 艶消し電着塗料およびその電着塗装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28198698A JP2000086946A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 艶消し電着塗料およびその電着塗装方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000086946A true JP2000086946A (ja) | 2000-03-28 |
Family
ID=17646653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28198698A Pending JP2000086946A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 艶消し電着塗料およびその電着塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000086946A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112175468A (zh) * | 2020-10-26 | 2021-01-05 | 厦门市金宝源实业有限公司 | 一种电泳漆及其制备方法及涂装工艺 |
-
1998
- 1998-09-17 JP JP28198698A patent/JP2000086946A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112175468A (zh) * | 2020-10-26 | 2021-01-05 | 厦门市金宝源实业有限公司 | 一种电泳漆及其制备方法及涂装工艺 |
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