JP2000086070A - ステープル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッド部とアンビル部を分離した状態で移動
可能とし、ヘッド部とアンビル部の位置を精度よく容易
に調整でき、針打ち不良を解消することのできるステー
プル装置を得る。 【解決手段】 用紙束に対してステープル針を打ち込む
ヘッド部５１と、ヘッド部５１から打ち出されたステー
プル針を受けて曲げるアンビル部５５を、それぞれ通紙
幅方向に移動可能に設けたステープル装置。ヘッド部５
１及びアンビル部５５はそれぞれ支持部材５３，５７に
スライド自在に支持され、駆動軸５２，５６の正／逆回
転によって所定のステープル位置へ移動する。支持部材
５３，５７はその断面形状が真円以外の例えば小判形状
を有し、ヘッド部５１及びアンビル部５５に形成した同
じ形状の係合孔５１ａ，５５ａと係合している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ステープル装置、
特に、複写機やプリンタから排出された用紙を処理する
フィニッシャに組み込まれるステープル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術と課題】一般に、複写機やプリンタから排
出された画像形成済み用紙を、所望の部数に仕分けた
り、ステープル処理を行うフィニッシャが種々提供され
ている。従来のステープル装置は、針を打ち出すヘッド
部と針を受けて曲げるアンビル部を定位置に固定し、用
紙束の１箇所のみを綴じるものが主流であった。一方、
近年では用紙処理の自動化、多様化が進むに伴ってステ
ープル処理内容も多様化し、用紙束の先端部、後端部あ
るいは中央部を選択的に、かつ、複数箇所で綴じること
が要求されている。

【０００３】そのためには、ステープルユニット（ヘッ
ド部とアンビル部）を用紙束の通紙幅方向に移動させて
任意の箇所で停止可能とすることが必要となる。ヘッド
部とアンビル部とは、通常、位置合わせを確実にするた
めにヒンジ機構を備えた連結部材で一体的に結合されて
いた。しかし、連結部材が存在すると用紙束の搬送性に
支障を生じ、特に用紙束の中央部にステープル針を打ち
込むとなると、長い連結部材が必要となり、却って位置
精度が低下し、ステープル装置自体も大型化するという
問題点を有していた。

【０００４】そこで、本出願人は、特開平９−２５５２
２０号として、ヘッド部とアンビル部をそれぞれ独立し
て通紙幅方向に移動可能とし、複数のステープル位置で
停止させて針打ちを行うようにしたステープル装置を提
案した。この装置ではヘッド部とアンビル部をそれぞれ
複数の支持部材（シャフト）でガイドしている。

【０００５】しかし、ヘッド部とアンビル部をそれぞれ
複数のシャフトで支持すると、両者の相対位置や角度を
正確に設定するには、シャフトの取付け位置自体を複数
箇所で調整する必要がある。このような調整は煩雑であ
り、精度的にも限界を有し、位置関係に狂いを生じやす
く、針打ち不良の発生を回避できなかった。

【０００６】そこで、本発明の目的は、ヘッド部とアン
ビル部を分離した状態で移動可能とするも、ヘッド部と
アンビル部の位置を精度よく容易に調整でき、針打ち不
良を解消できるステープル装置を提供することにある。

【０００７】

【発明の構成、作用及び効果】以上の目的を達成するた
め、本発明に係るステープル装置は、ヘッド部とアンビ
ル部を分離した状態で用紙束搬送方向と直交する方向に
移動させるヘッド部支持部材の一つ及びアンビル部支持
部材の一つの断面形状を多角形状又は楕円形状とした。

【０００８】本発明によれば、ヘッド部とアンビル部を
分離した状態で通紙幅方向に移動させるため、複数箇所
での針打ちが可能であり、かつ、用紙束の中央部にもス
テープル針を打ち込むこと（いわゆる週刊誌綴じ）が可
能である。さらに、ヘッド部支持部材の一つ及びアンビ
ル部支持部材の一つの断面形状が多角形状又は楕円形状
であるため、即ち、支持部材は断面形状が真円ではない
ため、これらの支持部材に対してヘッド部及びアンビル
部は回り止め手段を設けるまでもなく、スライド可能
（通紙幅方向の相対的な位置関係が可変）であっても、
支持部材を中心とする回転角度が固定される。従って、
それぞれ１本の支持部材の位置あるいは角度を調整する
のみで、ヘッド部とアンビル部の相対的な位置関係を容
易に微調整することができ、針打ち不良が解消される。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るステープル装
置の実施形態について添付図面を参照して説明する。

【００１０】図１は、電子写真複写機１と、本発明に係
るステープル装置５０を備えたフィニッシャ１０の概略
構成を示す。複写機１は周知のデジタル方式で原稿画像
を再現するものであり、ＡＤＦ（原稿自動搬送装置）２
で原稿を１枚ずつピックアップしてプラテンガラス３上
に送り込み、イメージリーダで原稿画像読み取る。読み
取られた画像データはプリントデータに変換、編集さ
れ、レーザビーム走査ユニットによって感光体上に静電
潜像として形成される。この静電潜像は現像後用紙上に
転写され、排出ローラ対４から機外に排出される。

【００１１】フィニッシャ１０は複写機１から排出され
た画像形成済み用紙を搬入部１１で受け取り、紙折り、
パンチ穴あけ、紙綴じ等の処理を行う。紙綴じを行うス
テープル装置５０は以下に説明し、紙折り、パンチ穴あ
けについてはその説明を省略する。

【００１２】フィニッシャ１０は三つのトレイ１５，１
６，１７を備えている。ノンソートトレイ１５は上段に
位置し、用紙は通路２１，２２を通じて収容される。大
容量トレイ１６は下段に位置し、用紙は通路２１，２５
を通じて収容される。この大容量トレイ１６は用紙の収
容量が増加するに伴って１ステップずつ下降し、大量の
用紙を収容可能となっている。

【００１３】ステープル処理トレイ１７は中段に位置
し、用紙は通路２１，２２，２３を通じて収容される。
所定枚数の用紙（ページが揃った１部の用紙）がトレイ
１７上に収容されると、この用紙束はローラ対３１によ
ってトレイ１７から所定量だけステープル装置５０へ送
り込まれ、ここでステープル処理が実行される。ステー
プル処理された用紙束は通路２４から通路２５を経て前
記大容量トレイ１６へ収容される。

【００１４】次に、ステープル装置５０について説明す
る。このステープル装置５０は、図２、図３に示すよう
に、ステープル針を打ち出すためのヘッド部５１と、打
ち出されて用紙束を貫通したステープル針の両端を受け
て曲げるためのアンビル部５５と、ヘッド部５１及びア
ンビル部５５をそれぞれ用紙束搬送方向Ａと直交する方
向（通紙幅方向Ｂ）に移動させる駆動軸５２，５６と、
ヘッド部５１及びアンビル部５５をそれぞれ支持して通
紙幅方向Ｂにガイドする支持部材５３，５７と、フレー
ム４１，４２とで構成されている。

【００１５】さらに、このステープル装置５０には、図
１に示すように、搬入側及び搬出側にローラ対３１，３
２が設置されている。ローラ対３１，３２はそれぞれ上
ローラが下ローラに対して接離可能であり、用紙束を挟
んで矢印Ａ方向に搬送し、かつ、所定のステープル位置
で一旦停止させる。

【００１６】ヘッド部５１及びアンビル部５５の基本的
な構成は周知であり、本発明と関連する部分について説
明する。即ち、支持部材５３，５７はフレーム４１，４
２に取り付けられ、フレーム４１，４２はステープル処
理される最大サイズの用紙が通過可能な間隔を有し、補
強板４３等で補強されている。

【００１７】駆動軸５２，５６はそれぞれの外周面に螺
旋溝を形成し、サーボモータ５８で正逆方向に回転駆動
可能としたものである。本実施形態では、一つのサーボ
モータ５８で駆動軸５２，５６を同期して回転させてい
るが、駆動軸５２，５６にそれぞれサーボモータを配置
してもよい。ヘッド部５１及びアンビル部５５は駆動軸
５２，５６の螺旋溝と係合する部材（図示せず）を内蔵
し、駆動軸５２，５６の正逆回転に伴って矢印Ｂ方向又
は逆方向に移動する。移動量はサーボモータ５８の駆動
パルス信号を制御することで決められる。

【００１８】ところで、前記支持部材５３，５７は、そ
の断面形状が真円の上下部を平坦に切り欠いた略小判形
状とされ、ヘッド部５１及びアンビル部５５の係合孔５
１ａ，５５ａもこの小判形状と同一とされている。従っ
て、ヘッド部５１及びアンビル部５５は支持部材５３，
５７に対して通紙幅方向Ｂにスライド可能であるが、支
持部材５３，５７を中心とする回転角度は固定されてい
る。それ故、支持部材５３，５７の位置あるいは角度を
調整することによって、ヘッド部５１及びアンビル部５
５の相対的な位置関係が微調整されることになる。

【００１９】前述の調整のため、調整手段６０がフレー
ム４１，４２に設けられている。フレーム４１に設けた
一対の調整手段６０は図３に示され、フレーム４２に設
けた一対の調整手段６０は図２に示されている。両者は
同じ構成からなり、調整動作も全く同じである。

【００２０】即ち、各支持部材５３，５７の両端はフレ
ーム４１，４２の円形孔４４に遊嵌され、かつ、調整レ
バー６１の一端が嵌合している。各調整レバー６１の他
端は前記駆動軸５２，５６の両端に回転自在に取り付け
られている。駆動軸５２，５６はフレーム４１，４２に
正確に位置決めされた状態で回転自在に装着されてい
る。調整レバー６１の一端（自由端）には長孔６２が形
成されており、この長孔６２を介してビス６３をフレー
ム４１，４２に螺着することで、調整レバー６１がフレ
ーム４１，４２に固定される。

【００２１】ビス６３を弛めると、調整レバー６１は駆
動軸５２，５６を支点として支持部材５３，５７と円形
孔４４のクリアランスの範囲で回動可能であり、この回
動角度を調整することで、ヘッド部５１とアンビル部５
５の位置関係が微調整される。微調整の後、ビス６３を
締め付けることで支持部材５３，５７がフレーム４１，
４２と一体化される。

【００２２】本実施形態では、以上説明した如く、支持
部材５３，５７の断面形状を、ヘッド部５１及びアンビ
ル部５５が一体的に取り付けられる略小判形状（真円で
なければ、多角形状や楕円形状等種々の形状を採用でき
る）としたため、支持部材５３，５７の位置を調整する
だけで、ヘッド部５１及びアンビル部５５の位置を微調
整することができ、針打ちミスが確実に防止されること
になる。しかも、用紙束の搬送に干渉する部材はなく、
用紙束の先端部、後端部あるいは中央部のいずれであっ
ても複数箇所にステープル針を打ち込むことが自在であ
る。

【００２３】なお、本発明に係るステープル装置は前記
実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で
種々に変更することができる。

【００２４】特に、ヘッド部及びアンビル部の支持部材
としては、前記支持部材５３，５７以外に、図２に二点
鎖線で示すいまひとつの支持部材５４，５９を設けても
よい。この支持部材５４，５９はヘッド部及びアンビル
部の一端を支持してそれらの重量を受け止め、ヘッド部
及びアンビル部の位置決めをより正確に行うためのもの
である。但し、追加された支持部材５４，５９は断面が
多角形状や楕円形状である必要はなく、真円であってよ
い。

【００２５】また、前記調整手段６０の構成や調整方法
は任意である。さらに、ヘッド部やアンビル部自体の構
成やその駆動機構あるいは用紙束搬送手段の構成も任意
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るステープル装置を備えたフィニッ
シャと複写機を示す概略構成図。

【図２】本発明の一実施形態であるステープル装置を示
す斜視図。

【図３】前記ステープル装置を示す側面図。

【符号の説明】 ３１，３２…ローラ対（用紙束搬送手段） ５０…ステープル装置 ５１…ヘッド部 ５２，５６…駆動軸 ５３，５７…支持部材 ５５…アンビル部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙束を一方向に搬送し、かつ、所定位
   置で停止させる用紙束搬送手段と、 所定位置で停止された用紙束に対してステープル針を打
   ち込むためのヘッド部と、 前記ヘッド部から打ち出されたステープル針を受けて曲
   げるためのアンビル部と、 前記ヘッド部及びアンビル部を用紙束搬送方向と直交す
   る方向に移動可能に支持するヘッド部支持部材及びアン
   ビル部支持部材と、を備え、 前記ヘッド部支持部材の一つ及び前記アンビル部支持部
   材の一つの断面形状が多角形状又は楕円形状とされてい
   ること、 を特徴とするステープル装置。