JP2000084344A - 気体分離装置 - Google Patents

気体分離装置

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JP2000084344A
JP2000084344A JP10256751A JP25675198A JP2000084344A JP 2000084344 A JP2000084344 A JP 2000084344A JP 10256751 A JP10256751 A JP 10256751A JP 25675198 A JP25675198 A JP 25675198A JP 2000084344 A JP2000084344 A JP 2000084344A
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gas
concentration
membrane
gas separation
air
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JP10256751A
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Tomoichirou Nakamura
知一郎 中村
Toru Okuda
亨 奥田
Shintarou Tsujimi
信太郎 辻見
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はガス分離膜の性能低下を正確に検出
することを課題とする。 【解決手段】 窒素ガス発生装置11は、ガス分離膜か
らなる膜モジュール12,13を用いて窒素ガスを分離
生成するよう構成されている。制御回路42は、酸素濃
度計41により検出した酸素濃度N、吐出窒素ガス流
量、温度センサ28により測定された温度Tに基づいて
演算処理及び酸素濃度計41により検出した現在の酸素
濃度Naと初期状態の酸素濃度Nbとを比較して膜モジ
ュール12,13の交換時期の判定処理を行う。酸素濃
度NaとNbとの濃度差が所定以上であれば、膜モジュ
ール12,13の状態を異常と判定し、膜モジュール1
2,13が交換時期に達したことを液晶ディスプレイ
(LCD)等に表示して報知する。このように、交換時
期に達したことを確認できるので、直ちに膜モジュール
12,13を交換することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気体分離装置に係
り、例えば空気から窒素ガスを分離するガス分離膜に空
気圧縮機より圧縮空気を供給して窒素ガスを取り出すよ
う構成された気体分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に窒素ガス発生装置における窒素ガ
ス分離方法には、深冷分離式、PSA式や膜分離
式等がある。 深冷分離式の窒素ガス分離方法では、空気を冷却して
液化し、液化温度の違いにより窒素と酸素及びその他の
ガスを分離する方法である。
【0003】PSA式は、窒素と酸素の吸着剤に対す
る吸脱着速度差を利用して分離する方法である。このP
SA式の場合、小型化も可能であり、窒素ボンベの代替
えとして酸素を嫌う食品の充填剤として利用されている
が、機器構成や制御が複雑になる。 膜分離式は、多数の中空糸が充填された膜モジュール
に空気を通気すると、中空糸を透過し易い酸素と透過し
にくい窒素とに分離することができる。この膜分離式
は、上記PSA式のものよりもさらに小型化が可能であ
るが、同容量のPSA式のものに比べて取り出される窒
素ガスの純度は若干低くなる。
【0004】上記従来の深冷分離式の窒素ガス分離方法
では、大量に処理できる利点はあるが、冷却等に多くの
エネルギを要するため、ガスを取り扱うガスメーカの大
規模プラントなどでしか採用できない。また、上記従来
の空気圧縮機を利用したPSA式のものは、吸着槽へ圧
縮空気を供給して窒素と酸素に分離させる構成であり、
窒素ガス取り出し後には吸着槽内のガスを排気して吸着
剤を再生させる必要がある。そのため、各吸着槽の給気
側及び排気側に電磁弁を設け、複数の電磁弁を各工程毎
に開閉制御しなればならない。
【0005】これに対し、膜分離式のものは、空気圧縮
機と膜モジュールのみという簡単な構成となるため、装
置の小型化や低価格化が図れると共に、高純度を必要と
しない使用方法に好適である。そのため、膜分離式の気
体分離装置の開発が促進されている。しかしながら、上
記膜分離式の気体分離装置では、窒素の分離性能を膜モ
ジュールの性状に依存しており、膜モジュールへ供給さ
れる原料空気の性状(例えば、流量、圧力、含水量、温
度など)により製品ガスとしての窒素ガス濃度が変化す
る。また、膜モジュールは、使用頻度に応じて気体分離
性能が低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の膜分離式の気体
分離装置においては、膜モジュールにより生成された製
品ガスの酸素濃度を濃度センサで検出するように構成さ
れているので、検出された酸素濃度から製品ガスの窒素
濃度を求めることができるが、膜モジュールへの空気供
給量や取り出し量や、供給圧力等の条件によって窒素濃
度が変化するため直接的に膜モジュールの気体分離性能
の低下を検知することができなかった。
【0007】ところが、膜モジュールは吸着剤等に比べ
て気体分離性能が低下した場合、膜モジュールの交換作
業等を行う必要がある。その場合、膜モジュールの使用
条件によらず膜モジュールの性能低下を判断してメンテ
ナンスを行うようにしなければならないが、窒素濃度が
膜モジュールへの空気供給量や取り出し量や、供給圧力
等の条件に応じて変化するため、単に膜モジュールから
取り出された窒素濃度を検出しても膜モジュールの性能
低下を正確に測ることができない。従って、濃度センサ
による濃度検出結果だけでは、膜モジュールの性能低下
を正確に判断することが難しかった。
【0008】そこで、本発明は上記問題を解決した気体
分離装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような特徴を有する。上記請求項1
記載の発明は、空気を製品ガスと当該製品ガス以外のガ
スとに分離するガス分離膜に空気圧縮機の空気タンクか
らの圧縮空気を供給し、該ガス分離膜から製品ガスを取
り出す気体分離装置において、前記ガス分離膜より取り
出された前記製品ガスの濃度を検出するガス濃度検出手
段と、前記ガス分離膜が初期状態での前記製品ガスの生
成量とガス濃度との関係から当該製品ガスの初期濃度値
を算出する初期濃度算出手段と、該初期濃度算出手段に
より算出された初期濃度値と前記ガス濃度検出手段によ
り測定された濃度値とを比較して濃度差を算出する比較
手段と、該比較手段により算出された濃度差が所定値以
上となったとき前記ガス分離膜が交換時期であることを
報知する報知手段と、を備えてなることを特徴とするも
のである。
【0010】従って、上記請求項1記載の発明によれ
ば、初期濃度算出手段により算出された当該製品ガスの
初期濃度値とガス濃度検出手段により測定された濃度値
とを比較して濃度差を算出し、この濃度差が所定値以上
となったときガス分離膜が交換時期であることを報知す
るため、ガス分離膜の気体分離性能が所定以上に低下し
たことを正確に判断でき、これによりガス分離膜の交換
作業等のメンテナンスを効率良く行うことができる。
【0011】また、上記請求項2記載の発明は、空気を
製品ガスと当該製品ガス以外のガスとに分離するガス分
離膜に空気圧縮機の空気タンクからの圧縮空気を供給
し、該ガス分離膜から製品ガスを取り出す気体分離装置
において、前記ガス分離膜が初期状態での前記製品ガス
の生成量とガス濃度との関係から初期濃度を算出する初
期濃度算出手段と、前記ガス分離膜に供給される空気量
と前記ガス分離膜から取り出される前記製品ガスの生成
量との割合から収率を演算する収率演算手段と、該初期
濃度算出手段により算出された初期濃度値と前記収率か
ら算出された濃度値とを比較して濃度差を算出する比較
手段と、該比較手段により算出された濃度差が所定値以
上となったとき前記ガス分離膜が交換時期であることを
報知する報知手段と、を備えてなることを特徴とするも
のである。
【0012】従って、上記請求項2記載の発明によれ
ば、ガス分離膜が初期状態での製品ガスの生成量とガス
濃度との関係から算出された初期濃度と、ガス分離膜に
供給される空気量と記ガス分離膜から取り出される製品
ガスの生成量との割合から演算された収率とを比較して
濃度差を算出し、濃度差が所定値以上となったときガス
分離膜が交換時期であることを報知するため、ガス濃度
検出手段を不要にして構成の簡略化を図ることができる
と共に、ガス分離膜の気体分離性能が所定以上に低下し
たことを正確に判断でき、これによりガス分離膜の交換
作業等のメンテナンスを効率良く行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の実施の
形態について説明する。図1は本発明になる気体分離装
置の一実施例としての窒素ガス発生装置の概略構成図で
ある。図1に示されるように、気体分離装置としての窒
素ガス発生装置11は、空気圧縮機10により生成され
た圧縮空気を窒素と酸素に分離するガス分離膜からなる
中空糸膜が充填された膜モジュール12,13を用いて
空気を酸素と窒素に分離させ、分離された窒素ガスを製
品ガスとして抽出するよう構成されている。尚、本実施
の形態では、空気から窒素ガスを分離生成する窒素ガス
発生装置11について説明するが、酸素ガス発生装置に
も適用できるのは勿論である。
【0014】また、窒素ガス発生装置11は、膜モジュ
ール12,13に圧縮空気を供給する空気供給管路14
と、膜モジュール12,13で分離された製品ガスとし
ての窒素ガスを取り出す窒素ガス供給管路16とからな
る系路を有する。空気供給管路14に配設された空気圧
縮機10は、空気を圧縮する空気圧縮部18と、膜モジ
ュール12,13を保護するため空気圧縮部18から吐
出された圧縮空気を冷却するアフタークーラ19と、ア
フタークーラ19から吐出された空気が加圧された状態
で溜められる加圧タンク(空気タンク)20とから構成
されている。さらに、空気供給管路14には、加圧タン
ク20の余分が空気を排気させるための三方電磁弁23
と、三方電磁弁23からの空気を所定圧に減圧する減圧
弁24と、減圧弁24からの空気に含まれる不純物を除
去するエアフィルタ25と、エアフィルタ25を通過し
た空気を加熱するヒータ26と、空気の逆流を防止する
逆止弁27と、膜モジュール12,13に供給される空
気温度を測定する温度センサ28とが配設されている。
【0015】また、窒素ガス供給管路16には、膜モジ
ュール12,13から吐出された製品ガスとしての窒素
ガスの流量を測定する流量計29と、流量計29を通過
した窒素ガスの圧力を減圧する減圧弁30と、窒素ガス
の濃度を測定させるための三方電磁弁31と、窒素ガス
の流量を所定値に調整する流量調整器32と、窒素ガス
の取り出し弁として機能する電磁弁33が配設されてい
る。
【0016】空気圧縮部18において圧縮された空気
は、アフタークーラ19を通過して約200°Cから約
60°Cまで冷却された後、加圧タンク20へ導かれ
る。加圧タンク20内の圧力は、圧力計21により監視
されている。アフタークーラ19により空気圧縮機18
から吐出された空気が冷却されるのは、加圧タンク20
内に圧縮された空気を貯溜させる際の効率を高めるため
である。
【0017】加圧タンク20内にて凝縮された水分は、
ドレン弁22より系外に排出される。また、加圧タンク
20にて40°Cまで冷却された空気は、三方電磁弁2
3、減圧弁24、エアフィルタ25を介してヒータ26
により約50°Cまで再度加熱され、逆止弁27を介し
て膜モジュール12,13へ導かれる。また、膜モジュ
ール12,13へ供給されない余分な空気は、加圧タン
ク20に供給される。そして、加圧タンク20に供給さ
れた圧縮空気は、三方電磁弁23の切り替え動作により
流量調整バルブ37を介して系外に放出される。これ
は、空気圧縮部18の容量が膜モジュール12,13の
容量よりも大きく設定されており、膜モジュール12,
13の分離可能な流量よりも空気圧縮部18の空気吐出
流量の方が充分な余裕が持たせてあるからである。ま
た、何らかの原因で吐出が停止した場合、減圧弁24に
設けられた消音器38より系外へ排出される。
【0018】窒索ガスの純度は、三方電磁弁31より分
岐された分岐管路39に配設された流量調整弁40を介
して分岐管路39に導かれる酸素濃度計41にて酸素濃
度を計測することで求まる。制御回路42は、後述する
ように酸素濃度計41により検出した酸素濃度N、吐出
窒素ガス流量(以下「吐出流量Qo」という)、温度セ
ンサ28により測定された温度Tに基づいて演算処理及
び酸素濃度計41により検出した現在の酸素濃度Naと
初期状態の酸素濃度Nbとを比較して膜モジュール1
2,13の交換時期の判定処理を行う。
【0019】また、制御回路42は、後述するように交
換時期の判定結果に基づいて液晶ディスプレイ(LC
D)43に膜モジュール12,13の交換時期であるこ
とを表示して報知する。図2は膜モジュール12,13
の構成を示す縦断面図である。図2に示されるように、
膜モジュール12,13は、筒状のハウジング35の内
部35aに窒素富化膜として機能する中空糸膜36が多
数収納されている。多数の中空糸膜36は、一本に結束
されており、上流側端部が空気供給管路14に連通さ
れ、下流側端部が窒素ガス供給管路16に連通されてい
る。
【0020】各中空糸膜36は、微細な通路36aを有
する管であり、加圧された空気が流入されると、窒素分
子より小さい酸素分子が中空糸膜36の内壁を通過して
ハウジング35の内部35aに抽出されると共に、窒素
分子が中空糸膜36の通路36aを通過して窒素ガス供
給管路16に吐出される。また、ハウジング35の内部
35aに抽出された酸素ガスは、排気口35bから外部
に排気される。
【0021】このように、膜モジュール12,13にお
いて、圧縮された空気が窒素富化ガスと酸素富化ガスに
分離される。そして、窒素冨化ガスは、窒素ガス供給管
路16に吐出され、流量計29、減圧弁30、三方電磁
弁31を介して流量調整弁32に供給される。そして、
流量調整弁32では、流量計29で計測された吐出量を
所望の流量となるように調整しており、膜モジュール1
2,13により生成された窒素冨化ガスは、吐出弁33
を介して系外へ吐出される。
【0022】ここで、ある圧力p、ある温度tにおいて
吐出流量Qoに対する酸素濃度Nは図3のグラフIで示
すような特性になり、以下の式(1)が成り立つ。 N=f(Qo) …(1) また、温度t、圧力pをパラメータとして考慮した場
合、式(2)が成り立つ。
【0023】N=f(Qo,t,p) …(2) しかし、膜モジュール12,13の劣化、あるいは膜モ
ジュール12,13の目詰まり等により図3のグラフII
で示すように膜モジュール12,13の初期状態( グラ
フI参照) に対し吐出流量に対する酸素濃度が変わるた
め、膜を長期間使用していると、上記式(1)、(2)
は成り立たなくなってくる特性をもっている。
【0024】そこで、式(2)を用いてある吐出流量Q
aの酸素濃度Naを求める。そして、酸素濃度計41よ
り、現在の酸素渡度Nbを検出する。酸素濃度Nbが酸
素濃度Naより大きければ膜モジュール12,13の性
能が低下したことを判定することができる。また、酸素
濃度Nは、温度tや流量Q等の条件によって変動する。
【0025】図4は温度Tを10°C,25°C,40
°Cに変化させた場合の酸素濃度Nと吐出流量Qとの関
係を示すグラフである。図4のグラフIIIa,IIIb,IIIcに
示されるように、温度tが高温になるほど酸素濃度Nが
下がって高純度の窒素ガスの流量が増大することがわか
る。図5は流量を変化させた場合の酸素濃度Nと温度T
との関係を示すグラフである。
【0026】図5のグラフVIa,VIb,VIc に示されるよう
に、酸素濃度Nは流量が少ないほど酸素濃度Nが下がっ
て高純度の窒素ガスが得られ、且つ温度の上昇と共に高
純度の窒素ガスが得られことが分かる。上記のように構
成された窒素ガス発生装置11の各機器は、制御回路4
2により制御される。
【0027】ここで、制御回路42が実行する制御処理
について説明する。図6は制御回路42が実行する制御
処理のフローチャートである。図6に示されるように、
制御回路42は、先ずステップS11(以下「ステッ
プ」を省略する)で窒素ガス発生装置11を起動した
後、S12にて三方電磁弁31を酸素濃度計41側と連
通されるように切り替え動作させると共に、空気供給管
路14に設けられた三方電磁弁23を加圧タンク20と
減圧弁24とが連通されるように切り替え動作させる。
【0028】これにより、加圧タンク20の圧縮空気が
三方電磁弁23、減圧弁24、エアフィルタ25、ヒー
タ26、逆止弁27を介して膜モジュール12,13に
供給される。このように空気供給管路14を介して膜モ
ジュール12,13に圧縮空気を供給することにより、
中空糸膜36により分離生成された窒素ガスが膜モジュ
ール12,13から得られる。そのため、膜モジュール
12,13で生成された窒素ガスは、窒素ガス供給管路
16に配設された流量計29、減圧弁30、三方電磁弁
31、流量調整弁40、酸素濃度計41を介して系外へ
吐出される。
【0029】次のS13では、流量計29により測定さ
れた窒素ガスの吐出流量Qaを読み込むと共に、酸素濃
度計41により測定された酸素濃度Nb及び温度センサ
28により測定された温度Tを読み込む。続いて、S1
4では、上記式(2)に基づいてNa=f(Qa,t,
p)の演算処理を行って初期状態の酸素濃度Naを算出
する(初期濃度算出手段)。尚、この演算式において、
圧力Pは一定とする。
【0030】次に、S15では、酸素濃度計41により
測定された酸素濃度NbとS14で算出された初期状態
の酸素濃度Naと比較し、酸素濃度NaとNbとの濃度
差が例えば3%以下かどうかをチェックする(比較手
段)。尚、本実施の形態では、酸素濃度NaとNbとの
濃度差が3%以下であれば許容範囲内とするが、濃度差
が3%を超える場合には膜モジュール12,13が劣化
により交換時期に達しているものと判断する。また、S
15においては、濃度差の許容範囲を3%とするが、こ
の値は任意に設定できるものであり、例えばユーザ側の
使用環境等に応じて任意に設定される。
【0031】従って、上記S15において、酸素濃度N
aとNbとの濃度差が3%以下であれば、S16に進
み、膜モジュール12,13の状態が正常であると判定
する。そして、S17では、三方電磁弁31を流量調整
弁32側に切り替え動作させる。続いて、S18で吐出
弁33を開弁させて膜モジュール12,13により生成
された窒素ガスを吐出弁33より下流へ供給する。次の
S19では、装置停止が指示されたかどうかをチェック
しており、装置停止が指示されるまで窒素ガスの供給が
継続される。
【0032】また、上記S15において、酸素濃度Na
とNbとの濃度差が3%以上であれば、S20に進み、
膜モジュール12,13の状態を異常と判定する。そし
て、S21では膜モジュール12,13が交換時期に達
したことを液晶ディスプレイ(LCD)43等に表示し
て報知する(報知手段)。続いて、S22では、窒素ガ
ス発生装置11を停止させる。
【0033】このように、酸素濃度NaとNbとの濃度
差から膜モジュール12,13が交換時期に達したこと
を正確に報知することができ、その分膜モジュール1
2,13の点検作業等のメンテナンス作業を簡略化する
ことができると共に、交換時期に達したことを確認でき
るので、直ちに膜モジュール12,13を交換すること
ができる。
【0034】次に本発明の変形例について説明する。図
7は変形例の概略構成図である。尚、図7において、前
述した実施の形態と同一部分には同一符号を付してその
説明を省略する。図7に示されるように、変形例の窒素
ガス発生装置51は、膜モジュール12,13の入口側
に圧縮空気の供給量を測定する供給側流量計52が配設
されている。窒素ガス発生装置51の制御回路42で
は、供給側流量計52により計測された供給側流量Qi
と吐出側流量計29により計測された膜モジュール1
2,13からの吐出側流量Qoとの比により収率Sを求
め、この収率Sから膜モジュール12,13により生成
される製品ガスの酸素濃度Nを算出する。
【0035】そのため、窒素ガス発生装置51では、前
述した三方電磁弁31,分岐管路39,流量調整弁4
0,酸素濃度計41が不要であり、構成が簡略化されて
いる。また、どの吐出流量でも濃度判定処理が行えるの
で、常に濃度変化を監視することが可能になり、しかも
酸素濃度計による測定誤差の影響を受けるがないので、
濃度判定精度をより高めることができる。
【0036】図8は酸素濃度と吐出流量との関係を示す
グラフである。ここで、ある圧力p、ある温度tにおい
て吐出流量Qoに対する酸素濃度Nは図8のグラフVa
で示すような特性になり、前述した式(1)(2)が成
り立つ。しかし、膜モジュール12,13の劣化、ある
いは膜モジュール12,13の目詰まり等により図8の
グラフVbで示すように膜モジュール12,13の初期
状態( グラフVa参照) に対し吐出流量に対する酸素濃
度が変わるため、膜を長期間使用していると、上記式
(1)、(2)は成り立たなくなる。
【0037】図9は、酸素濃度Nと収率Sとの関係を示
すグラフである。尚、収率Sは、吐出流量Qoと供給流
量Qiとの比であり、S=(Qo/Qi)×100%で
表せる。酸素濃度Nに対する収率Sの特性は、図9のグ
ラフVIのように変化する。ここで、収率Sは、吐出流量
Qoと供給流量Qiとの比であるので、前述した温度や
圧力や流量等の諸条件によって変動するものではない。
従って、収率Sと酸素濃度Nとの関係は、吐出流量Qo
に対する酸素濃度特性のように大きさの異なった膜モジ
ュール12,13、膜モジュール12,13の劣化、膜
モジュール12,13の目詰まり等の影響により変動す
ることはない。
【0038】収率Sに対する酸素濃度Nは、次式(3)
のように表せる。 N=f(S) … (3) 尚、式(3)において、温度、圧力条件は一定とする。
ここで、温度t、圧力pをパラメータとして考慮した場
合、次式(4)が成り立つ。
【0039】N=f(S,t,p) … (4) そこで、現在の供給流量Qiと吐出流量Qaとより収率
Sを算出し、上記式(4)により酸素濃度Naを求め
る。次に吐出流量Qa時の初期状態の酸素濃度Na’を
式(2)により求める。そして、酸素濃度Na’が酸素
濃度Naより大きければ膜モジュール12,13の性能
が低下したことを判定することができる。
【0040】図10は制御回路42が実行する制御処理
の変形例のフローチャートである。図10に示されるよ
うに、制御回路42は、S31で窒素ガス発生装置11
を起動した後、S32にて空気供給管路14に設けられ
た三方電磁弁23を加圧タンク20と減圧弁24とが連
通されるように切り替え動作させる。これにより、加圧
タンク20の圧縮空気が膜モジュール12,13に供給
され、膜モジュール12,13で生成された窒素ガスが
窒素ガス供給管路16に吐出される。
【0041】次のS33では、供給側流量計52により
計測された供給流量Qiと、吐出側流量計29により計
測された吐出流量Qoと、温度センサ28により計測さ
れた温度Tを読み込む。続いて、S34では、吐出流量
Qoに対しての収率Saを次式(5)から算出する(収
率演算手段)。
【0042】 Sa=(Qo/Qi)×100% … (5) 次のS35では、収率Sa、温度T、圧力pから吐出流
量Qoに対しての膜モジュール12,13が現在の酸素
濃度Naを上記(4)式Na=f(Sa,t,p)によ
り算出する。次のS36では、供給流量Qi、温度T、
圧力pから吐出流量Qoに対しての膜モジュール12,
13が初期状態であるときの酸素濃度Na’を上記
(4)式Na’=f(Qa,t,p)により算出する
(初期濃度算出手段)。
【0043】続いて、S37では、収率Saから算出さ
れた酸素濃度Naと供給流量Qiから算出された酸素濃
度Na’とを比較し、酸素濃度NaとNa’との濃度差
が例えば3%以下かどうかをチェックする(比較手
段)。尚、本実施の形態では、酸素濃度NaとNa’と
の濃度差が3%以下であれば許容範囲内とするが、濃度
差が3%を超える場合には膜モジュール12,13が劣
化により交換時期に達しているものと判断する。また、
S37においては、濃度差の許容範囲を3%とするが、
この値は任意に設定できるものであり、例えばユーザ側
の使用環境等に応じて任意に設定される。
【0044】従って、上記S37において、酸素濃度N
aとNa’との濃度差が3%以下であれば、S38に進
み、膜モジュール12,13の状態が正常であると判定
する。そして、S39では、吐出弁33を開弁させて膜
モジュール12,13により生成された窒素ガスを吐出
弁33より下流へ供給する。次のS40では、装置停止
が指示されたかどうかをチェックしており、装置停止が
指示されるまで窒素ガスの供給が継続される。
【0045】また、上記S37において、酸素濃度Na
とNa’との濃度差が3%以上であれば、S41に進
み、膜モジュール12,13の状態を異常と判定する。
そして、S42では膜モジュール12,13が交換時期
に達したことを液晶ディスプレイ(LCD)43等に表
示して報知する(報知手段)。続いて、S43では、窒
素ガス発生装置11を停止させる。これにより、作業者
は、膜モジュール12,13が交換時期に達したことを
確認できるので、直ちに膜モジュール12,13を交換
することができる。
【0046】このように、本変形例では、供給側流量Q
iと吐出側流量Qoとの比により収率Sを求め、この収
率Sから膜モジュール12,13により生成される製品
ガスの酸素濃度Nを算出するため、酸素濃度計を削減す
ることができる。また、収率Sから算出された初期状態
での酸素濃度Na’と吐出側流量Qoから算出された現
在の酸素濃度Naとを比較することにより膜モジュール
12,13の劣化具合を求めることができるので、膜モ
ジュール12,13の交換時期を正確に報知することが
できる。
【0047】尚、上記実施の形態では、一対の膜モジュ
ール12,13が並列に設けられた構成を一例として挙
げたが、これに限らず、1個の膜モジュールあるいは3
個以上の膜モジュールを設ける構成としても良いのは勿
論である。また、上記実施の形態では、膜モジュール1
2,13から窒素ガスを製品ガスとして取り出す構成を
一例として説明したが、これに限らず、窒素ガス以外の
ガスを製品ガスとして取り出す場合にも本発明を適用で
きるのは勿論である。
【0048】
【発明の効果】上述の如く、請求項1の発明によれば、
初期濃度算出手段により算出された初期濃度値とガス濃
度検出手段により測定された濃度値とを比較して濃度差
を算出し、この濃度差が所定値以上となったときガス分
離膜が交換時期であることを報知するため、ガス分離膜
の気体分離性能が所定以上に低下したことを正確に判断
でき、これによりガス分離膜の交換作業等のメンテナン
スを効率良く行うことができる。
【0049】また、上記請求項2記載の発明によれば、
ガス分離膜が初期状態での製品ガスの生成量とガス濃度
との関係から算出された初期濃度と、ガス分離膜に供給
される空気量と記ガス分離膜から取り出される製品ガス
の生成量との割合から演算された収率とを比較して濃度
差を算出し、濃度差が所定値以上となったときガス分離
膜が交換時期であることを報知するため、ガス濃度検出
手段を不要にして構成の簡略化を図ることができると共
に、ガス分離膜の気体分離性能が所定以上に低下したこ
とを正確に判断でき、これによりガス分離膜の交換作業
等のメンテナンスを効率良く行うことができる。また、
どの吐出流量でも濃度判定処理が行えるので、常に濃度
変化を監視することが可能になり、しかも濃度計による
測定誤差の影響を受けるがないので、濃度判定精度をよ
り高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる気体分離装置の一実施例としての
窒素ガス発生装置の概略構成図である。
【図2】膜モジュール12,13の構成を示す縦断面図
である。
【図3】窒素ガス吐出流量に対する酸素濃度の特性を示
すグラフである。
【図4】温度Tを10°C,25°C,40°Cに変化
させた場合の酸素濃度Nと吐出流量Qとの関係を示すグ
ラフである。
【図5】流量を変化させた場合の酸素濃度Nと温度Tと
の関係を示すグラフである。
【図6】制御回路42が実行する制御処理のフローチャ
ートである。
【図7】変形例の概略構成図である。
【図8】酸素濃度と吐出流量との関係を示すグラフであ
る。
【図9】酸素濃度Nと収率Sとの関係を示すグラフであ
る。
【図10】制御回路42が実行する制御処理の変形例の
フローチャートである。
【符号の説明】
11,51 窒素ガス発生装置 10 空気圧縮機 12,13 膜モジュール 14 空気供給管路 16 窒素ガス供給管路 18 空気圧縮部 19 アフタークーラ 20 加圧タンク 28 温度センサ 29,52 流量計 32 流量調整器 35 ハウジング 36 中空糸膜 41 酸素濃度計 42 制御回路 43 液晶ディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻見 信太郎 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA41 HA02 HA18 JA70Z KA67 KB14 KE02P KE04P KE04Q KE14P KE14Q KE16P KE16Q MA01 PA04 PB17 PB62 PB63

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気を製品ガスと当該製品ガス以外のガ
    スとに分離するガス分離膜に空気圧縮機の空気タンクか
    らの圧縮空気を供給し、該ガス分離膜から製品ガスを取
    り出す気体分離装置において、 前記ガス分離膜より取り出された前記製品ガスの濃度を
    検出するガス濃度検出手段と、 前記ガス分離膜が初期状態での前記製品ガスの生成量と
    ガス濃度との関係から当該製品ガスの初期濃度値を算出
    する初期濃度算出手段と、 該初期濃度算出手段により算出された初期濃度値と前記
    ガス濃度検出手段により測定された濃度値とを比較して
    濃度差を算出する比較手段と、 該比較手段により算出された濃度差が所定値以上となっ
    たとき前記ガス分離膜が交換時期であることを報知する
    報知手段と、 を備えてなることを特徴とする気体分離装置。
  2. 【請求項2】 空気を製品ガスと当該製品ガス以外のガ
    スとに分離するガス分離膜に空気圧縮機の空気タンクか
    らの圧縮空気を供給し、該ガス分離膜から製品ガスを取
    り出す気体分離装置において、 前記ガス分離膜が初期状態での前記製品ガスの生成量と
    酸素濃度との関係から初期濃度を算出する初期濃度算出
    手段と、 前記ガス分離膜に供給される空気量と前記ガス分離膜か
    ら取り出される前記製品ガスの生成量との割合から収率
    を演算する収率演算手段と、 該初期濃度算出手段により算出された初期濃度値と前記
    収率から算出された濃度値とを比較して濃度差を算出す
    る比較手段と、 該比較手段により算出された濃度差が所定値以上となっ
    たとき前記ガス分離膜が交換時期であることを報知する
    報知手段と、 を備えてなることを特徴とする気体分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114082279A (zh) * 2021-11-18 2022-02-25 国网河北省电力有限公司电力科学研究院 六氟化硫的回收控制方法、控制装置、终端及存储介质
CN114295527A (zh) * 2021-12-27 2022-04-08 杭州哲达科技股份有限公司 一种实时监测膜组件运行的监控系统以及分析方法

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