JP2000084051A - 化学プラントの殺菌方法及び装置 - Google Patents

化学プラントの殺菌方法及び装置

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JP2000084051A
JP2000084051A JP10254195A JP25419598A JP2000084051A JP 2000084051 A JP2000084051 A JP 2000084051A JP 10254195 A JP10254195 A JP 10254195A JP 25419598 A JP25419598 A JP 25419598A JP 2000084051 A JP2000084051 A JP 2000084051A
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chemical plant
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sterilization
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Shunjiro Sarutani
俊二郎 猿谷
Haruo Kobayashi
晴男 小林
Kazuhiro Otsubo
一洋 大坪
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 洗浄剤、香料、化粧品等の液体物質を製造す
る化学プラントにおいて、充填機や配管等の機器類を殺
菌できる化学プラントの殺菌方法及び装置の提供。 【解決手段】 液体物質を取り扱う化学プラントの配
管、計量器、ポンプ、熱交換器、貯蔵槽、充填機等の機
器類10に、温度40℃以下で、かつ、濃度1〜5pp
mのオゾン含有水を導入することにより化学プラントの
機器類を殺菌する。化学プラントの殺菌装置Aは、液体
物質を取り扱う化学プラントの機器類と、オゾン含有水
生成装置20と、該オゾン含有水生成装置により生成し
たオゾン含有水21を化学プラントの機器類に充填又は
流す充填機構30と、使用後のオゾン含有水22を化学
プラントの機器類から回収する回収機構40とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャンプー、リン
スなどの洗浄剤及びその関連製品、香料、化粧品関係の
製品などの液体物質を製造する化学プラントにおいて、
充填機や配管等の機器類を殺菌することができる化学プ
ラントの殺菌方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、シャンプー、リンスなどの洗
浄剤及びその関連製品、香料、化粧品関係の製品などの
液体物質を製造する化学プラントにおいては、菌等の微
生物を化学プラントの系内に入れないこと、増殖させな
いことを基本思想に、徹底的な品質管理を行っている。
【0003】一般に、液体物質を取り扱う化学プラント
の配管、計量器、ポンプ、熱交換器、貯蔵タンクなどの
貯槽、充填機等の機器類を殺菌する方法としては、蒸気
殺菌や熱湯殺菌が挙げられるが、これらの殺菌では耐熱
性菌類に対しては不充分なものとなり、末端の配管など
を殺菌することは困難なものである。また、シャンプ
ー、リンスなどの洗浄剤の製造工程で使用する精製水
は、紫外線(UV)にて減菌しているものであるが、末
端の配管には、菌の繁殖が懸念されることもある。
【0004】これらの液体物質を取り扱う化学プラント
に対しては、菌等の微生物による品質低下等を防止する
観点から化学プラントの殺菌方法の探索と、適応できる
条件を検討する必要がある。上記化学プラントを殺菌す
る方法としては、例えば、下記表1に示すように、 蒸気殺菌、熱水(90℃)殺菌、塩素化合物殺
菌、オゾン水殺菌などを挙げることができるが、夫々
下記表1に記載のデメリットを有している。また、薬剤
使用による殺菌方法では、殺菌後、薬剤がプラント内に
残留し、液体物質が劣化するという課題があり、また、
耐性菌の出現が生じ、好ましくないものである。
【0005】
【表1】
【0006】上記表1に記載の蒸気殺菌方法、熱水
(90℃)殺菌方法、塩素化合物殺菌方法、オゾン
水殺菌方法、並びに、上述の薬剤殺菌方法について検討
すると共に、耐性菌の出現が生じないこと、薬剤が残留
しないこと、液体物質を取り扱う化学プラントに対して
使用方法が簡便・容易で設置費用及びランニングコスト
などを勘案して総合的に検討したところ、種・属の異な
る微生物等に対して殺菌効果があるオゾン水殺菌方法が
一番有用であることが判明したが、上記表1に記載のデ
メリットがあるのも現状である。
【0007】一方、オゾンによる殺菌方法は、これまで
各種産業分野において数多くの技術が知られている。例
えば、特開平7−8237号公報には、食品の挿入口お
よび取出し口を有する半解放型の処理容器内に、連続的
または半連続的に食品を移動させる手段、該食品に向け
てオゾン水を吹き付けるオゾン水吹き付け手段、オゾン
水を吹き付けられた食品に無菌空気を吹き付ける手段、
容器内に滞留するオゾン水を系外に排出する排水手段、
処理容器内のガスを吸引するための吸引手段とを備え
た、かまぼこ、ちくわ等の魚肉加工製品およびハム、ソ
ーセージ等の食品製品工程に適用する食品の殺菌・冷却
装置が知られている。
【0008】また、特開平9−165016号公報に
は、多数の倒立させた容器を直列配置で連続的に移動さ
せ下方から容器内に挿入されたノズルと容器外部のノズ
ルを介して容器内外壁面を洗浄する洗浄装置を用いて行
う容器の洗浄殺菌方法において、容器の内壁面及び外壁
面を、濃度10〜20ppm、温度10〜25℃のオゾ
ン水で14〜15秒間の洗浄殺菌処理をなし、引き続き
濃度0.5〜2.0ppm、温度10〜25℃のオゾン
水で3〜3.5秒間のススギ処理をした後に、容器の内
壁面を無菌エアーの噴射によって水切り処理をすること
を特徴とする容器の洗浄殺菌方法が知られている。更
に、特開平10−174570号公報には、食品を洗
浄、加工する食品加工システムにおいて、使用される器
具、機器および食品をオゾン含有ガスを用いて殺菌する
殺菌工程と、食品を洗浄、加工する工程を含み前記各工
程より排出される排水をオゾン含有ガスを用いて酸化す
る排水酸化処理工程を有し、前記器具、機器および食品
の殺菌工程で使用したオゾン含有ガスを排水酸化処理工
程に供給することを特徴とする米の炊飯、青果物類のカ
ット、魚肉の加工食品、その他の食品の調理と云った食
品の加工システムが開示されており、特に、食品の雑菌
汚染の防止と、一連の食品加工工程で使用される器具、
機器および食品の洗浄殺菌と共に、使用排水を処理する
ことが開示されている。
【0009】これらの公報に開示されるオゾンによる殺
菌方法は、シャンプー、リンス、香粧品関係等の液体物
質を取り扱う化学プラントの殺菌方法に適用できるもの
ではないものである。すなわち、これらの殺菌処理は、
液体物質を取り扱う化学プラントの配管、熱交換器、貯
槽、充填機等の機器類の殺菌処理を行うものではなく、
しかも、上記公報に開示される技術ではオゾンの温度、
濃度等による化学プラントの機器類への影響及び液体物
質の品質への影響について何等解明されるものではない
ものといえる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであ
り、シャンプー、リンス、香粧品関係等の液体物質を取
り扱う化学プラントの殺菌方法及び装置において、化学
プラントの機器類及び液体物質の品質等を劣化させず
に、かつ、使用方法が簡便・容易で設置費用及びランニ
ングコストが低く、しかも、効率的に確実な殺菌ができ
る化学プラントの殺菌方法及び装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題等を解消しようとするものであり、シャンプー、
リンス、香粧品関係等の液体物質を取り扱う化学プラン
トの殺菌方法及び装置において、末端配管部分の菌の繁
殖防止及び配管・充填機系内の殺菌(温水・アルコール
殺菌等の代替等)について鋭意検討した結果、特定温度
及び濃度のオゾン含有水を利用することにより、上記目
的の化学プラントの殺菌方法及び装置を得ることに成功
し、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本
発明は下記(1)及び(2)に存する。 (1) 液体物質を取り扱う化学プラントの配管、計量器、
ポンプ、熱交換器、貯槽、充填機等の機器類に、温度4
0℃以下で、かつ、濃度1〜5ppmのオゾン含有水を
充填又は流すことにより上記化学プラントの機器類を殺
菌することを特徴とする化学プラントの殺菌方法。 (2) 液体物質を取り扱う化学プラントの配管、計量器、
ポンプ、熱交換器、貯槽、充填機等の機器類と、オゾン
含有水生成装置と、該オゾン含有水生成装置により生成
した温度40℃以下で、かつ、濃度1〜5ppmのオゾ
ン含有水を上記化学プラントの機器類に充填又は流す充
填機構と、殺菌後のオゾン含有水を上記化学プラントの
機器類から回収する回収機構とを備えたことを特徴とす
る化学プラントの殺菌装置。
【0012】なお、本発明で規定する「液体物質」と
は、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性
剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界
面活性剤などの各種界面活性剤、シリコンエマルジョ
ン、カチオン化セルロースなどの水溶性高分子、その他
有機物や無機物などを含有する水性の液体物質をいい、
特に、シャンプー、リンスなどの洗浄剤及びその関連製
品、香料、化粧品関係に使用される液体物質をいう。ま
た、本発明で殺菌できる対象物としては、例えば、枯草
菌(胞子)などの細菌胞子類、黄色ブドウ球菌などの球
菌類、大腸菌、緑膿菌等の桿菌類、酵母類、リゾープス
などのカビ類等の微生物が挙げられるが、上記オゾン含
有水で死滅できるものであれば、上記微生物に限定され
るものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面などを参照して詳しく説明する。図1は、本発明の化
学プラントの殺菌装置の実施形態を示す概略図である。
本実施形態の化学プラントの殺菌装置Aは、少なくと
も、シャンプー、リンスなどの洗浄剤及びその関連製
品、香料、化粧品関係に使用される液体物質を製造する
化学プラントの配管、計量器、ポンプ、熱交換器、貯蔵
タンクなどの貯槽、充填機等の機器類10と、オゾン含
有水生成装置20と、該オゾン含有水生成装置20によ
り生成した温度40℃以下で、かつ、濃度1〜5ppm
のオゾン含有水を上記化学プラントの機器類10に充填
又は流す充填機構30と、殺菌後(使用後)のオゾン含
有水を上記化学プラントの機器類10から回収する回収
機構40とを備えたものである。なお、11は化学プラ
ントの機器類10に原料を供給する供給ラインである。
【0014】上記化学プラントの機器類10は、シャン
プー、リンスなどの洗浄剤及びその関連製品、香料、化
粧品関係に使用される液体物質を製造する設備類であ
り、上記各種の液体物質を製造できるものであれば、そ
の機器類の構造、機種等は特に限定されるものでない。
オゾン含有水生成装置20は、該生成装置20よりオゾ
ンを発生せしめ、このオゾンを気液混入方式等により精
製水又はイオン交換水に溶解せしめることによりオゾン
含有水を生成せしめるものである。本発明に用いるオゾ
ン含有水生成装置20の仕様としては、例えば、下記の
ものが挙げられる。 オゾン原料:酸素発生装置による酸素。 オゾン発生量:約15g/hr オゾン水量:〜1.5KL/hr オゾン水濃度:1〜5ppm オゾン注入方式:高性能気液混入ポンプ方式 オゾン水生成タンク:100Lタンク
【0015】使用するオゾンの性質とその構造は、下記
表2及び図2に示す特性などを備えたものである。
【表2】
【0016】また、オゾンは、図3に示すように、バク
テリア、ウィルス、水中微生物に接触させると電荷を発
してその生命体をあっという間に殺してしまう作用を有
する。これはオゾンにより、細胞壁を爆発させ、その内
部まで破壊してしまうからである。全てを破壊するまで
その活動を止めようとせず、そして後に残るのは水と二
酸化炭素だけとなる。下記表3にオゾン含有水、次亜塩
素酸、次亜塩素酸イオン、モノクロラミンによる各微生
物群〔ウィルス(Human rota)、腸内細菌(Proteu
s)、細菌芽胞(B.subtilis)、アメーバシスト〕に対
する殺菌効果の比較を示す。
【0017】
【表3】
【0018】上記表3は、数値が小さいほど、少量の殺
菌剤でかつ短時間で菌を死滅させる効果があることを示
すものである。従って、オゾン含有水は、他の次亜塩素
酸、次亜塩素酸イオン、モノクロラミンに較べて、殺菌
効果が一番優れていることが判る。
【0019】本発明では、上記菌、ウィルスなどの微生
物に対して、優れた殺菌効果を有するオゾンにより化学
プラントの配管、計量器、ポンプ、熱交換器、貯槽、充
填機等の機器類を確実に殺菌するために、オゾン含有水
を使用し、かつ、化学プラントの機器類及び液体物質の
品質等を劣化させずに、高品質のシャンプー、リンスな
どの洗浄剤及びその関連製品、香料、化粧品などを製造
するために、上記オゾン含有水生成装置20により生成
せしめるオゾン含有水としては、温度40℃以下で、か
つ、濃度1〜5ppmであることが必要である。好まし
いオゾン含有水は、温度5〜30℃で、濃度2〜4pp
m、更に好ましくは、温度20℃で、濃度3ppmであ
る。オゾン含有水の温度が40℃を越えると、オゾン水
の半減期が早くなり、また、濃度が1ppm未満である
と、目的の化学プラントの殺菌が達成できず、濃度が5
ppmを越えると、化学プラントの機器類及び液体物質
の品質などを劣化させる懸念があり、しかも、オゾン臭
が強くなり、好ましくない。
【0020】上記オゾン含有水生成装置20により生成
した温度40℃以下で、かつ、濃度1〜5ppmのオゾ
ン含有水21は、充填ポンプ等の充填機構30により、
上流部となる上記化学プラントの機器類10の充填機に
充填等される。なお、上記オゾン含有水21を化学プラ
ントの機器類10に原料を供給する供給ラインから充填
等してもよいものである。上記化学プラントの機器類1
0に導入されたオゾン含有水21は、化学プラントの機
器類10を確実に殺菌するために、好ましくは、当該機
器類10内に10〜60分間、更に好ましくは、30〜
60分間滞留させることが望ましい。殺菌後(使用後)
のオゾン含有水22は、下流部となる上記化学プラント
の機器類10の充填機から回収ポンプなどからなる回収
機構40により回収される。回収されたオゾン含有水2
2は、排水基準値を満たした上で排水されるものである
が、再処理を施すことにより再利用水23としてオゾン
含有水生成装置20へ再利用してもよいものである。
【0021】本発明の殺菌方法は、上記各種の液体物質
を取り扱う化学プラントの配管、計量器、ポンプ、熱交
換器、貯蔵槽、充填機等の機器類10に、例えば、上記
オゾン含有水生成装置20により生成せしめた温度40
℃以下で、かつ、濃度1〜5ppmのオゾン含有水を上
記化学プラントの機器類10に充填又は流すことによ
り、好ましくは、当該機器類10内にオゾン含有水を1
0〜60分間、更に好ましくは、30〜60分間滞留さ
せることにより、上記オゾン含有水の殺菌作用によって
上記化学プラントの機器類10を殺菌するものである。
【0022】本発明によれば、シャンプー、リンス、香
粧品関係等の液体物質を取り扱う化学プラントの機器類
を、温度40℃以下で、かつ、濃度1〜5ppmのオゾ
ン含有水により殺菌することにより、化学プラントの機
器類及び液体物質の品質等を劣化させずに、かつ、使用
方法が簡便・容易であり、しかも、化学プラントの機器
類10にオゾン含有水生成装置20、充填機構30、回
収機構40を連結するだけで化学プラントの殺菌装置を
得ることができるので、設置費用及びランニングコスト
が低く、かつ、効率的に確実な殺菌ができる化学プラン
トの殺菌方法及び装置となるものである。特に、本発明
では、オゾン含有水で化学プラントの機器類を殺菌でき
ると共に、オゾン濃度が1〜5ppmと低濃度であるの
で、当該オゾン含有水で従来における精製水等による化
学プラントの機器類の濯ぎ洗浄の兼用もできるものとな
り、洗浄と殺菌を同時に行なうことができることとなる
ので、作業の効率化簡便化を図ることができるものとな
る。
【0023】本発明の化学プラントの殺菌方法及び装置
は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の形
態に変更できることはいうまでもない。例えば、本発明
のオゾン含有水で化学プラントの機器類を殺菌した後、
更に精製水などにより濯ぎ洗浄してもよいものである。
また、図4に示されるように、オゾン含有水で殺菌処理
する際に、オゾンの臭いを完全に抑制するために、化学
プラントの機器類10の充填機15のフィラーボール
(ホッパー)16等のようにオゾン含有水が外気と触れ
る部分には、活性炭等のオゾン吸着手段17を設けるこ
とが好ましい。なお、図示符号12はストレナー、13
はバルブであり、30及び40は上記実施形態と同様で
ある。
【0024】
【実施例】次に、本発明を試験実施例により更に詳しく
説明するが、本発明は下記試験実施例に限定されるもの
ではない。
【0025】〔試験実施例1、ビーカースケールによる
殺菌力テスト〕蒸気・熱湯消毒の代替として、特に、化
学プラントの充填機、熱交換機、配管等で蒸気殺菌がし
にくい所にオゾン含有水殺菌を活用し、洗浄・殺菌の簡
便化の検討を行った。また、UV殺菌以降の精製水の末
端配管部分の殺菌及び菌の繁殖防止の確認も行なった。
【0026】まず、ビーカースケールで各種微生物とオ
ゾン水濃度、残留オゾン濃度、殺菌後の生菌数の確認を
行った。具体的には、腸内細菌〔ライオン(株)分析セ
ンターより菌株分与〕に対する殺菌効果テストとして、
強い菌の代表菌種として、下記の腸内細菌3種を使用し
て殺菌効果の確認を行なった。グラム陰性桿菌(Proteu
s vulgaris)、グラム陰性桿菌(Proteus rettgeri)、
グラム陰性桿菌(Enterrobactar cloacae)及びこれら
の3菌等量混合菌液に対するオゾン含有水の殺菌効果を
下記表4に示す。また、評価法は、平板混釈法により、
下記培地で1週間培養し、菌数を測定し評価した。な
お、培地及び中和剤として、SCD培地6g、0.25
Mリン酸緩衝剤20ml/100ml、0.1Nチオ硫
酸ナトリウム5mlを使用した。
【0027】
【表4】
【0028】上記表4に示すとおり、0.9ppm、
2.0ppm、4.0ppmの各濃度のオゾン含有水
は、共に上記各種の菌種に対しても、優れた殺菌効果が
認められた。
【0029】〔試験実施例2、配管モデルテスト〕ま
た、図5に示す模擬配管を作製し、この模擬配管を使用
して下記条件下等でオゾン含有水により殺菌テストを行
なった。 (1) オゾン濃度:3.1〜3.7ppm (2) サンプル液:ライオン(株)分析センターより分与
された上記三菌種を等量混合した混液及びPsudomonas
(水棲菌)からなる混合菌液を使用した。 (3) 配管内殺菌を想定し、下記の3条件でサンプルを作
製した。
【0030】a) 条件1:オゾン含有水添加殺菌 菌を繁殖させたサンプル液にオゾン含有水を直接添加
し、混合殺菌した。 サンプル液100mLを残しオゾン含有水350mL
を添加。 サンプル液100mLを全液抜き取りオゾン含有水1
00mL添加。 サンプル液100mLを全液抜き取りオゾン含有水2
00mL添加。 b) 条件2:オゾン含有水にて液押し出し置換殺菌 菌を繁殖させたサンプル液をオゾン含有水液にて押し出
し置換殺菌した。 サンプル液450mLをオゾン含有水450mLで押
し出し置換。 サンプル液450mLをオゾン含有水675mLで押
し出し置換。 サンプル液450mLをオゾン含有水900mLで押
し出し置換。 c) 条件3:ブランク液 菌繁殖サンプルに直接オゾンガスを添加殺菌した。 ブランク液にオゾンガスを1.5分間添加。(オゾン
含有水濃度 約3ppm) 未処理液上記条件下等による配管モデルの殺菌テスト
を下記表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】上記表5の全ての条件〜で、オゾン含
有水による殺菌効果があることが判明した。また、殺菌
剤がない場合のは経時により増殖するものとなり、更
に、殺菌効果が消失すると精製水の菌は再増殖すること
が判明した。また、図6は、水温25℃におけるオゾン
消失時間(半減期)を示すものである。図6に示すよう
に、水温25℃におけるオゾン消失時間(半減期)は、
オゾン濃度3ppmで約40分、オゾン濃度2ppmで
約50分であることが判明した。この図6に示すオゾン
消失時間(半減期)、並びに、オゾン濃度の臭いの問
題、オゾンによる液体物質及び配管等の機器類への影
響、オゾンによる経時的な殺菌効果などを総合的に勘案
すると、温度40℃以下で、かつ、濃度1〜5ppm、
好ましくは、温度5〜30℃で、濃度2〜4ppm、更
に好ましくは、温度20℃で、濃度3ppmであること
が判った。特に、経時的に2〜3時間効果のあるオゾン
濃度は3ppmである。
【0033】〔試験実施例3〕オゾン含有水、アセト
ン、過塩素酸を使用して、化学プラントの配管等の機器
類に使用されているステンレス鋼の材質腐蝕テスト結果
を行った。評価法は、目視及び重量測定により行った。
この結果を下記表6に示す。
【表6】 上記表6に示すように、オゾン含有水を使用してもステ
ンレス鋼で特に腐食の問題はないことが判った。
【0034】〔試験実施例4〕残留オゾンの製品への影
響について、下記方法によりテストを行った。本発明に
よる殺菌方法から実際に製品に混入することはあり得な
いものであるが、誤ってオゾン含有水が混入した場合の
残留オゾンの製品への影響を下記表7に示す。下記サン
プルNo.1〜No.3に、オゾンを添加してオゾン濃度が
0.05、0.25、0.5ppmとなるサンプルNo.
1〜No.3の外観、におい、pH変化について評価し
た。サンプルNo.1〜No.3の配合組成は、下記のとおり
である。 〔サンプルNo.1:シャンプー〕 ポリオキシエチレンアルキル(C12)エーテル硫酸ナトリウム 15(重量%) ラウロイルジメチルアミンオキシド 1 ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 2 カチオン化セルロース 0.1 安息香酸ナトリウム 1 グリセリン 0.2 色素 微量 香料 微量 精製水 バランス (合計) (100) 〔サンプルNo.2:シャンプー(フケ用)〕 ポリオキシエチレンアルキル(C12)エーテル硫酸ナトリウム 15(重量%) ラウリン酸アミドプロピルベタイン 1 ポリオキシエチレン(20モル)硬化ヒマシ油 2 カチオン化セルロース 0.1 安息香酸ナトリウム 1 グリセリン 0.2 色素 微量 香料 微量 精製水 バランス (合計) (100) 〔サンプルNo.3:ボディーソープ〕 ヤシ油脂肪酸カリウム 15(重量%) ラウロイルジメチルアミンオキシド 1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3 プロピレングリコール 5 香料 微量 精製水 バランス (合計) (100)
【0035】
【表7】
【0036】上記表7に示すとおり、オゾン濃度が0.
05ppm、0.25ppm、0.5ppmとなるサン
プルNo.1〜No.3の製品において外観、におい、pHに
ついて問題がないことが判明した。
【0037】〔試験実施例5〕図7に示す製造ラインを
モデルとし、ライン設計し、実装置に本発明の殺菌方法
及び装置の導入を行った。図7において、カプラーA
は、オゾン含有水、温水、水蒸気、純水(イオン交換
水)を導入する接続部、並びに、充填工程と製造工程と
の配管を切り替えて接続する接続部(〜)である。
なお、オゾン含有水は図示されないがオゾン含有水生成
装置20、充填機構30を通じてカプラーAに接続され
るものである。また、〜は洗浄用配管であり、水
等注入部、はスチーム又は温水注入部、は図示され
ないがオゾン含有水生成装置20、充填機構30を通じ
て接続されるオゾン含有水注入部である。50は、シャ
ンプー製造等の製造工程からの配管である。また、40
は回収機構であり、洗浄液等を排水するための排水ポン
プを有するものである。殺菌箇所は、図7に示すカプラ
ーA→ストレナー12→充填機15までの配管を含む機
器類10であり、殺菌方法は、下記(1)〜(3)の3種の方
法により行った。殺菌処理後、シャンプー(組成は上述
のサンプルNo.2)の充填を開始し(1日8時間稼
働)、充填開始3日後、6日後の充填機16の充填ノズ
ル18からシャンプーを採取し、前記試験実施例1の培
養方法で一般生菌数を測定した。この結果を下記表8に
示す。
【0038】(1)温純水殺菌(比較例) カプラーA以降の配管、機器類を洗浄後、水蒸気(12
0℃)をカプラーAから導入し、ストレナー12→充填
機15直前〔バルブ13(B)から排出〕まで流した。
次いで、80℃の温度のイオン交換水をカプラーAから
導入し、ストレナー12→充填機15のノズル18まで
流した。 (2)オゾン水殺菌(I) カプラーA以降の配管、機器類を洗浄後、オゾン水(オ
ゾン濃度3ppm、温度10℃)をカプラーAから導入
し、ストレナー12→充填機15のノズル18まで流し
た。 (3)オゾン水殺菌(II) カプラーA以降の配管、機器類を洗浄後、オゾン水(オ
ゾン濃度3ppm、温度10℃)をカプラーAから導入
し、ストレナー12→充填機15のノズル18まで満た
して(滞留させて)、30分間静置した。
【0039】
【表8】
【0040】上記表8の結果から明らかなように、殺菌
方法(1)の温純水殺菌では、充填機の稼働3日後に菌の
発生が認められたが、本発明となる殺菌方法(2)及び(3)
では、充填機の稼働6日後においても菌の発生が認めら
れないことが判った。また、蒸気殺菌や熱湯殺菌等で殺
菌できない、耐熱性菌類に対しても本発明の殺菌方法が
有効であることが確認できた。また、充填機15周囲の
充填工程の殺菌は、パッキンなどのゴム部品等があるた
め蒸気殺菌等ができず、従来アルコールにより、浸漬殺
菌を行なっており、回収・取扱等の作業が煩雑であっ
た。これに対して、本発明の殺菌方法により、濯ぎ洗浄
と殺菌を同時に行なうことにより、作業の効率化・簡便
化を図ることができた。また、蒸気殺菌及本発明のオゾ
ン殺菌の使い分けをすれば、殺菌作業性の向上・殺菌効
果の向上が達成できた。更に、最終仕上げ洗浄(従来
は、精製水による濯ぎ洗浄)にオゾン含有水(精製水に
オゾンを溶解:殺菌濯ぎ洗浄)を使用することにより、
作業の効率化を図ることができた。
【0041】更にまた、上記試験ではカプラーA以降の
配管、機器類(カプラーA→充填機15のノズル18の
充填工程)を殺菌するものであるが、図7に示すよう
に、オゾン含有水注入部より、配管50を通じて下流
側からシャンプー製造等の製造工程の機器類(図示せ
ず)、例えば、計量器、ポンプ、熱交換器、貯蔵タンク
などの貯槽、配管、充填機等にオゾン含有水を流水処理
又は滞留処理することにより殺菌できることはいうまで
もなく、また、シャンプー製造等の製造工程の上流側か
らオゾン含有水を上記計量器、ポンプ、熱交換器、貯蔵
タンクなどの貯槽、配管、充填機等の機器類に流水処理
又は滞留処理して殺菌できることはいうまでもない。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、シャンプー、リンス、
香粧品関係等の液体物質を取り扱う化学プラントの殺菌
方法及び装置において、化学プラントの機器類の材質及
び液体物質の品質を劣化させずに、かつ、使用方法が簡
便・容易で設置費用及びランニングコストが低く、しか
も、効率的に確実な殺菌ができる化学プラントの殺菌方
法及び装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の殺菌方法を示す説明図である。
【図2】オゾンの化学構造を示す説明図である。
【図3】オゾンの殺菌作用を示す説明図である。
【図4】本発明の殺菌装置の一部を示す説明図である。
【図5】配管モデルを示す概略図である。
【図6】オゾン消失時間(半減期)を示す特性図であ
る。
【図7】本発明となる試験実施例に用いる殺菌装置の配
管フロー概略図である。
【符号の説明】
10 化学プラントの機器類 20 オゾン含有水生成装置 30 充填機構 40 回収機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大坪 一洋 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C058 AA24 BB07 JJ07 JJ28 JJ29

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体物質を取り扱う化学プラントの配
    管、計量器、ポンプ、熱交換器、貯槽、充填機等の機器
    類に、温度40℃以下で、かつ、濃度1〜5ppmのオ
    ゾン含有水を充填又は流すことにより上記化学プラント
    の機器類を殺菌することを特徴とする化学プラントの殺
    菌方法。
  2. 【請求項2】 液体物質を取り扱う化学プラントの配
    管、計量器、ポンプ、熱交換器、貯槽、充填機等の機器
    類と、オゾン含有水生成装置と、該オゾン含有水生成装
    置により生成した温度40℃以下で、かつ、濃度1〜5
    ppmのオゾン含有水を上記化学プラントの機器類に充
    填又は流す充填機構と、殺菌後のオゾン含有水を上記化
    学プラントの機器類から回収する回収機構とを備えたこ
    とを特徴とする化学プラントの殺菌装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014083525A (ja) * 2012-10-26 2014-05-12 Iwai Kikai Kogyo Co Ltd 液体混合装置、および液体混合方法

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JP2014083525A (ja) * 2012-10-26 2014-05-12 Iwai Kikai Kogyo Co Ltd 液体混合装置、および液体混合方法

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