JP2000083192A - 番組制作・送出システム - Google Patents

番組制作・送出システム

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JP2000083192A
JP2000083192A JP11089572A JP8957299A JP2000083192A JP 2000083192 A JP2000083192 A JP 2000083192A JP 11089572 A JP11089572 A JP 11089572A JP 8957299 A JP8957299 A JP 8957299A JP 2000083192 A JP2000083192 A JP 2000083192A
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JP
Japan
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video
server
editing
reading
transmission system
Prior art date
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Pending
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JP11089572A
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English (en)
Inventor
Shinzo Doi
晋三 土居
Tsutomu Tanaka
田中  勉
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素材サーバから映像を読み出す際の読出遅
延、および通信網を通じてデータを転送する際の転送遅
延が、どちらも常に一定の値以下に収まり、その結果、
画面フリーズ等が生じないような番組制作・送出システ
ムを提供する。 【解決手段】 通信網18は、転送遅延が常に一定の値
以下に収まるような通信網であり、素材サーバ12は、
読出遅延が常に一定の値以下に収まるような素材サーバ
である。素材入力装置11、ノンリニア編集機13、オ
ンエアサーバ15、ブラウズサーバ14およびアーカイ
ブ系16はそれぞれ、素材サーバ12への書き込みまた
は素材サーバ12からの読み出しを行う際、予め、必要
な帯域をアセット・マネージャ17に申告する。アセッ
ト・マネージャ17は、必要帯域の申告を受けると、そ
の必要帯域を割り当て可能か否かを判断して、判断結果
に基づいて帯域の割り当てを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、番組制作・送出シ
ステムに関し、より特定的には、放送局等において用い
られ、ディジタル素材映像を放送用映像に編集加工する
ことによって番組を制作し、送出する番組制作・送出シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放送局では、番組を作成するため
に、様々な素材映像を記録した複数のビデオテープから
必要な部分を抜き出し、それらに適当な編集処理を施し
て1つの放送用の番組テープを作成するような編集作業
を行っていた。このような編集作業を行うためのシステ
ムの一例としては、1台の編集機に対して、2台の素材
映像再生用のVTR装置と、1台の編集結果記録用のV
TR装置とを接続したシステムがある。この従来のシス
テムでは、編集を担当するオペレータは、編集対象の素
材映像が記録されている2本のビデオテープを各素材映
像再生用のVTR装置にセットし、これらのVTR装置
を編集機を介して操作して再生、停止などを行う。する
と、素材映像の中の必要な部分の映像が編集機に送ら
れ、編集機では、各VTR装置からの映像を繋ぎあわ
せ、必要に応じてカットインなどの画像効果を加える編
集処理が行われる。その編集結果の映像は、編集結果記
録用のVTR装置によって、ビデオテープに記録され
る。
【0003】しかし、こうしたビデオテープベースの従
来のシステムでは、ビデオテープに記憶されされた状態
で素材映像が管理されているので、オペレータは、編集
を行う際、必要な素材映像が記録されたビデオテープを
ビデオテープ管理庫の中の大量のビデオテープの中から
探し出し、そのビデオテープを必要に応じてコピーした
うえ、編集機まで運搬する必要がある。また、放送時に
は、編集結果の放送用映像をビデオテープに記録して、
放送用機器の設置された場所まで運搬する必要がある。
これらの作業が、オペレータにとって、大きな負担とな
っていた。
【0004】そこで、従来、大量の素材映像をディジタ
ル化して素材サーバに記録し、それら素材映像をノンリ
ニア編集機等で取り出して編集するようなノンリニア編
集システム(以下、新たな従来のシステム)が提案され
た。図16は、新たな従来のシステムの構成を示すブロ
ック図である。図16において、新たな従来のシステム
は、素材入力装置1011と、素材サーバ1012と、
ノンリニア編集機1013と、通信網1014とを備え
ている。なお、このタイプのシステムは、例えば、特開
平8−289246号公報に記載されている。素材入力
装置1011は、素材映像を入力するためのものであ
り、通信回線やビデオテープ等からの入力映像をディジ
タル化して、素材サーバ1012に書き込む。素材サー
バ1012は、編集しようとする素材映像を蓄積する。
ノンリニア編集機1013は、素材映像を放送用映像に
編集加工する編集処理を行うためのものであり、素材サ
ーバ1012から素材映像を読み出して、番組制作のた
めの編集処理を行う。なお、編集結果の放送用映像は、
図示しない放送用機器を通じて、システムの外部へと送
出される。これら素材入力装置1011、素材サーバ1
012およびノンリニア編集機1013は、通信網10
14を介して相互に接続されており、書き込み,読み出
し等に伴う映像の転送は、この通信網1014を通じて
行われる。
【0005】上記のように構成された新たな従来のシス
テムでは、テープベースの従来のシステムの場合と比
べ、ビデオテープの管理,運搬等の工数が大幅に削減さ
れるので、その分、オペレータの作業負担が軽減されて
いる。また、ノンリニア編集機1013による編集は、
テープの巻き戻し,早送り等の機械的動作を伴わないの
で、編集作業を高速に行える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】さて、上記の新たな従
来のシステムでは、通信網1014として、例えばSD
Iネットワーク,ATMネットワーク,イーサネット等
が採用されている。ATMネットワークの場合、再送機
能としてFTP(File TransferProt
ocol)が採用されている。
【0007】(第1の問題点)しかしながら、どの通信
網1014を採用した場合も、それを通じてデータを転
送する際に、転送遅延が生じることがある。また、素材
サーバ1012から映像を読み出す際に、読出遅延が生
じることがある。その結果として、画面フリーズ等が起
こる問題があった。
【0008】また、上記の新たな従来のシステムでは、
一般に、ノンリニア編集機1013が素材サーバ101
2から素材映像を読み出していったん記憶し、それを用
いて編集処理を行っている。
【0009】(第2の問題点)しかしながら、その場
合、ノンリニア編集機1013に素材映像が記憶された
後、初めて編集処理が開始されるので、オペレータは、
必要な素材映像を選択した後、ノンリニア編集機101
3がその素材映像を読み出して記憶するまでの間、無駄
に待たされる問題があった。例えば10分の素材映像を
2つ使用して編集を行うとすると、オペレータは、素材
映像の選択を行ってから20分間待ってようやく作業を
開始することができる。
【0010】また、上記の新たな従来のシステムでは、
ノンリニア編集機1013が素材サーバ1012から素
材映像を読み出していったん記憶しそれを用いて編集処
理を行う代わりに、素材サーバ1012に蓄積されてい
る素材映像を直接用いて編集処理を行うことも考えられ
る。
【0011】(第3の問題点)しかしながら、その場
合、オペレータは、ノンリニア編集機1013が素材映
像を読み出して記憶するまで待つ必要はないものの、ノ
ンリニア編集機1013が素材サーバ1012から素材
映像を読み出す際に生じる遅延(読出遅延)のために、
オペレータの指示入力に対するノンリニア編集機101
3の応答が遅く、オペレータが快適な作業を行えない問
題が生じることが予想される。
【0012】また、上記の新たな従来のシステムでは、
編集結果の放送用映像をノンリニア編集機1013から
素材サーバ1012へと転送し、そこに蓄積する処理が
行われることがある。つまり、ノンリニア編集機101
3が編集結果の放送用映像を素材サーバ1012に書き
込む。こうして放送用映像をも素材サーバ1012に蓄
積しておけば、放送用映像の再利用が容易になるからで
ある。例えば、ある局で製作され素材サーバ1012に
蓄積された放送用映像を、後日別の局が読み出して再放
送すること等が簡単にできる。
【0013】(第4の問題点)しかしながら、その場
合、オペレータは、編集作業を終えた後、ノンリニア編
集機1013が上記の書き込み処理を行っている間、無
駄に待たされる問題があった。例えば15分の放送用映
像の書き込みを行うとすれば、オペレータは、作業を終
えてから15分間待たされる。
【0014】(第5の問題点)また、放送用映像を別の
局が再放送する際には、素材サーバ1012に蓄積され
ている放送用映像をそのまま放送するのでなく、それを
一部手直しして(例えばあるカットを別のカットに差し
替えたり、あるカットに加えた画像効果を別の画像効果
に変更するなどして)放送したいときがある。そのよう
なとき、オペレータは、最初から編集作業をやり直さね
ばならない問題があった。
【0015】また、上記の新たな従来のシステムでは、
例えば、編集作業を開始する前に、オペレータが、編集
の対象となる素材映像のおおよその内容を確認すること
がある。その場合、ノンリニア編集機1013は、素材
サーバ1012から素材映像を読み出していた。
【0016】(第6の問題点)しかしながら、素材映像
のおおよその内容を確認するだけのために放送局品質の
映像を素材サーバ1012からノンリニア編集機101
3へと転送するので、通信網1014の通信帯域や素材
サーバ1012の読出帯域が無駄に使用される問題があ
った。これら帯域は有限なので、帯域を無駄に使用する
と、結果として読出遅延や転送遅延を助長することにな
る。また、転送するデータ量が多いので、読み出しに時
間がかかり、ノンリニア編集機1013を操作するオペ
レータの待ち時間も長くなる。
【0017】また、上記の新たな従来のシステムでは、
素材サーバ1012において、あるファイルに対して映
像の書き込みが実行されているとき、書き込みの終了を
待たずに、そのファイルから書き込み済みの部分の映像
を読み出してきて、編集を開始したいことがある。
【0018】(第7の問題点)しかしながら、ノンリニ
ア編集機1013は、そのファイルへの書き込みが終了
した後でなければ、そのファイルから読み出しを行え
ず、素早く編集を開始できない問題があった。例えばス
ポーツニュース番組を制作するときは、スポーツの試合
映像をライブで(試合と同時進行で)素材サーバ101
2に書き込んでいき、試合終了後、素材サーバ1012
に書き込まれた映像を用いて編集を行うことになるの
で、試合が長引くと、編集が終わるのが放送時刻に間に
合わないことがある。
【0019】また、上記の新たな従来のシステムでは、
一つの番組を制作するための編集作業が複数のオペレー
タによって共同で行われることがある。
【0020】(第8の問題点)しかしながら、その場
合、編集作業を進めている期間は、単一の映像に関し
て、編集作業に参加するオペレータの人数と等しい数だ
け、別々の映像ファイルが存在することになる。その結
果、素材サーバ1012の容量が無駄に消費され、ま
た、それら映像ファイルの転送に伴い、通信網1014
の通信帯域や素材サーバ1012の読出帯域が無駄に使
用される問題があった。
【0021】また、上記の新たな従来のシステムでは、
1つの素材サーバ1012に対して、同時に複数のアク
セスが行われることがある。一方、1つの素材サーバ1
012に対する同時アクセス数には、装置仕様による上
限がある。よって、システムの規模が拡大されてノンリ
ニア編集機1013等の数が多くなった場合、それに応
じて別の素材サーバ1012を増設したうえ、上記1つ
の素材サーバ1012に蓄積されている映像ファイルを
複製して、増設された別の素材サーバ1012にも同一
の映像ファイルを蓄積するようにし、それによって、同
時アクセス数の上限を引き上げるようにしていた。
【0022】(第9の問題点)しかしながら、同一の映
像ファイルが複数蓄積されることになるので、素材サー
バ1012の数が多くなっているにも関わらず、それら
素材サーバ1012の実効的な総容量は、何ら増えない
問題があった。
【0023】また、上記の新たな従来のシステムでは、
利用済みの素材映像や送出済みの放送用映像を保存した
いことがある。
【0024】(第10の問題点)しかしながら、その場
合、映像を磁気テープに記録して、それらを専用の保管
庫まで運搬しなければならず、それらの作業がオペレー
タの負担となる問題があった。
【0025】また、上記の新たな従来のシステムでは、
取材活動や記事の執筆を行うジャーナリストらが、取材
先(つまりノンリニア編集機1013等のある放送局の
外部)から番組制作に参加したいことがある。
【0026】(第11の問題点)しかしながら、局外か
らは、素材サーバ1012に蓄積されている素材映像等
を参照することができないので、ジャーナリストらが迅
速な原稿作成を行えない問題があった。
【0027】それゆえに、本発明の第1の目的は、素材
サーバから映像を読み出す際の読出遅延、および通信網
を通じてデータを転送する際の転送遅延が、どちらも常
に一定の値以下に収まり、その結果、画面フリーズ等が
生じないような番組制作・送出システムを提供すること
である。
【0028】また、本発明の第2の目的は、ノンリニア
編集機が素材サーバから必要な素材映像を読み出して記
憶し、記憶している素材映像を用いて編集処理を行うに
も関わらず、オペレータが、素材映像の選択を行った
後、作業を開始できるまで長時間待たされることのない
ような番組制作・送出システムを提供することである。
【0029】また、本発明の第3の目的は、ノンリニア
編集機が素材サーバに蓄積されている素材映像を直接用
いて編集処理を行うにも関わらず、ノンリニア編集機が
素材サーバから素材映像を読み出す際に生じる読出遅延
を感じさせることがなく、オペレータが快適に作業を行
えるような番組制作・送出システムを提供することであ
る。
【0030】また、本発明の第4の目的は、編集結果の
放送用映像をノンリニア編集機が素材サーバに書き込む
際、この書き込み処理のために、作業を終えた後、オペ
レータが長時間待たされることのないような番組制作・
送出システムを提供することである。
【0031】また、本発明の第5の目的は、編集結果の
放送用映像を一部手直ししたい場合に、オペレータが編
集作業を最初からやり直さなくても、それを行えるよう
な番組制作・送出システムを提供することである。
【0032】また、本発明の第6の目的は、例えば編集
作業を開始する前にオペレータが編集対象の素材映像の
おおよその内容を確認するような場合に、帯域を無駄に
使用することなく、素材サーバからノンリニア編集機へ
素材映像等の転送を行えるような番組制作・送出システ
ムを提供することである。
【0033】また、本発明の第7の目的は、素材サーバ
において、あるファイルに対して映像の書き込みが実行
されているとき、書き込みの終了を待たずに、ノンリニ
ア編集機がそのファイルから書き込み済みの部分の映像
を読み出すことができ、その結果、編集を素早く開始で
きるような番組制作・送出システムを提供することであ
る。
【0034】また、本発明の第8の目的は、1つの番組
を制作するための編集作業を複数のオペレータが共同で
行っても、編集途中の映像ファイルが多数存在して素材
サーバの容量が無駄に消費されたり、通信網の通信帯域
や素材サーバの読出帯域が無駄に使用されることがない
ような番組制作・送出システムを提供することである。
【0035】また、本発明の第9の目的は、素材サーバ
を増設して同時アクセス数の上限を引き上げる際に、素
材サーバの数が多くなるのに応じて、それら素材サーバ
の実効的な総容量も増えるような番組制作・送出システ
ムを提供することである。
【0036】また、本発明の第10の目的は、利用済み
の素材映像や送出済みの放送用映像を、オペレータに作
業負担をかけることなく、磁気テープ等に記録して保存
できるような番組制作・送出システムを提供することで
ある。
【0037】さらに、本発明の第11の目的は、素材サ
ーバに蓄積されている素材映像等をシステムの外部から
も参照でき、その結果、ジャーナリストらが局外から容
易に番組制作に参加できるような番組制作・送出システ
ムを提供することである。
【0038】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明は、素材映像を放送用映像に編集加工する編集処理
を行って番組を制作し、送出するための番組制作・送出
システムであって、素材映像と放送用映像とを蓄積する
ための素材サーバと、入力される素材映像を素材サーバ
に書き込む素材入力装置と、素材サーバから素材映像を
読み出して編集処理を行い、得られた放送用映像を当該
素材サーバに再び書き込むノンリニア編集機と、素材サ
ーバから放送用映像を読み出して蓄積し、当該放送用映
像を番組として送出するためのオンエアサーバと、素材
サーバ、素材入力装置、ノンリニア編集機およびオンエ
アサーバを相互に接続する通信網と、素材サーバへの書
き込みまたは素材サーバからの読み出しに伴って行われ
る通信網を通じた転送処理に際して帯域の割り当てを行
うアセット・マネージャとを備え、通信網は、転送遅延
が常に一定の値以下に収まるような通信網であり、素材
サーバは、読出遅延が常に一定の値以下に収まるような
素材サーバであることを特徴としている。
【0039】上記第1の発明では、素材サーバとして、
データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材サー
バ(例えばPanaViSS)を、通信網としてデータ
転送のリアルタイム性が保証された通信網(例えばSS
COPを用いたATM網)を採用しているので、素材サ
ーバから映像を読み出す際の読出遅延や、通信網を通じ
てデータを転送する際の転送遅延が常に一定の値以下に
収まり、その結果、画面フリーズ等が生じないようにな
る。
【0040】第2の発明は、第1の発明において、素材
入力装置、ノンリニア編集機およびオンエアサーバはそ
れぞれ、素材サーバへの書き込みまたは素材サーバから
の読み出しを行う際、予め、必要な帯域をアセット・マ
ネージャに申告し、アセット・マネージャは、素材入力
装置、ノンリニア編集機およびオンエアサーバからそれ
ぞれ必要帯域の申告を受けると、当該必要帯域を割り当
て可能か否かを判断して、その判断結果に基づいて帯域
の割り当てを行うことを特徴としている。
【0041】上記第2の発明では、さらに、アセット・
マネージャが素材入力装置やノンリニア編集機等からの
申告に応じて帯域割り当て処理を行うので、素材サーバ
や通信網のQoS(Quality of Servi
ce;サービス品質)が十分でなくても(つまり素材サ
ーバの読出遅延や通信網の転送遅延の最大値が十分には
小さくない場合でも)、画面フリーズ等が生じないよう
になる。
【0042】第3の発明は、第1の発明において、通信
網は、再送機能としてSSCOP(Service S
pecificConnection Oriente
d Protocol;選択再送手順)を採用したAT
M(Asynchronous Transfer M
ode;非同期転送モード)網であり、素材サーバは、
PanaViSS(Panasonic Video
Storage Server)であることを特徴とし
ている。
【0043】第4の発明は、第1の発明において、ノン
リニア編集機は、素材サーバに蓄積されている素材映像
のうち、これから行おうとする複数の編集処理で用いら
れる全ての素材映像を予め選択するための入力手段と、
素材サーバから入力手段を介して選択された各素材映像
を続けて読み出す先行読出処理を行う先行読出手段と、
先行読出手段が読み出した素材映像を記憶するための記
憶手段と、各編集処理を、記憶手段から素材映像を読み
出しながら行う編集処理手段とを含み、編集処理手段
は、各編集処理を行うとき、先行読出手段が先行読出処
理を実行中でありかつ当該編集処理に必要な素材映像が
まだ記憶手段に記憶されていない場合には、当該先行読
出手段に先行読出処理の実行を中断させた後、当該素材
映像を素材サーバから読み出しながら当該編集処理を行
うことを特徴としている。
【0044】上記第4の発明では、これから行おうとす
る複数の編集処理で用いられる全ての映像素材を素材サ
ーバから続けて読み出す先行読出処理を行う。そして、
各編集処理を行うとき、先行読出処理の実行中であっ
て、その編集処理に必要な映像素材がまだ記憶手段に記
憶されていない場合には、先行読出処理の実行をいった
ん停止させた後、その映像素材を素材サーバから読み出
しながらその編集処理を行うので、先行読出処理の終了
前であっても各編集処理を開始することができる。従っ
て、ノンリニア編集機が素材サーバから映像素材を読み
出していったん記憶しそれを用いて編集処理を行うにも
関わらず、ノンリニア編集機を操作するオペレータは、
作業を開始できるまで長時間待たされることがなくな
る。
【0045】第5の発明は、第4の発明において、編集
処理手段は、素材映像を素材サーバから読み出しながら
編集処理を行う際、読み出した素材映像を記憶手段に記
憶させる処理を併せて行うことを特徴としている。
【0046】上記第5の発明では、オペレータの待ち時
間が短縮される。
【0047】第6の発明は、第4の発明において、先行
読出手段は、素材映像の選択が行われた時点で、先行読
出処理の実行を開始することを特徴としている。
【0048】第7の発明は、第4の発明において、編集
処理手段は、各編集処理を行うとき、先行読出手段が先
行読出処理を中断しておりかつ当該編集処理に必要な素
材映像がすでに記憶手段に記憶されている場合には、当
該先行読出手段に先行読出処理の実行を再開させた後、
当該素材映像を当該記憶手段から読み出しながら当該編
集処理を行い、先行読出手段は、中断していた先行読出
処理の実行を再開するときには、入力手段を介して選択
された各素材映像の、記憶手段に記憶されている以外の
部分を読み出すことを特徴としている。
【0049】第8の発明は、第4の発明において、先行
読出手段は、編集処理手段の処理速度よりも速い速度で
素材映像を読み出すことを特徴としている。
【0050】上記第8の発明では、オペレータの待ち時
間が短縮される。
【0051】第9の発明は、第4の発明において、先行
読出手段は、通信網の混雑状況に応じて、素材映像を読
み出す速度を変化させることを特徴としている。
【0052】上記第9の発明では、多数のノンリニア編
集機が同時に読み出しを行った場合でも通信網が破綻し
ないようにでき、しかもオペレータの平均の待ち時間を
短縮できる。
【0053】第10の発明は、第1の発明において、ノ
ンリニア編集機は、編集処理を、素材サーバから素材映
像を読み出しながら行う編集処理手段と、編集処理の実
行が中断されたとき、それが再開されるまでの間、素材
映像の、編集処理手段が読み出しを停止した位置の直前
部分および直後部分の画像データを記憶しておくための
記憶手段とを含んでいる。
【0054】上記第10の発明では、ノンリニア編集機
は、編集処理の実行を中断したとき、それを再開するま
での間、映像素材の、読出停止位置の直前部分および直
後部分の画像データを記憶しておくので、中断していた
編集処理を再開する際、記憶している画像データを用い
て速やかに編集処理を再開でき、従って、中断していた
編集処理を再開する際に生じる読出遅延(ノンリニア編
集機が素材サーバから映像素材を読み出す際に生じる遅
延)を、見かけ上なくすことができる。その結果、オペ
レータは、ノンリニア編集機が素材サーバから映像素材
を読み出す際に生じる読出遅延を感じることがなく、快
適に作業を行える。
【0055】第11の発明は、第10の発明において、
記憶手段は、記憶している時間が長いものから順番に画
像データを削除しつつ、与えられる画像データを記憶し
ていくことによって、素材映像の、編集処理手段が現在
読み出している位置の直前部分の画像データを記憶する
機能を実現し、編集処理手段は、編集処理の実行を中断
した後も所定の時間だけ、素材サーバから素材映像を読
み出して記憶手段に与える動作を継続することを特徴と
している。
【0056】上記第11の発明では、編集処理の実行が
中断されたとき、それが再開されるまでの間、映像素材
の、読出停止位置の直前部分および直後部分の画像デー
タを記憶しておくことを、容易に行える。
【0057】第12の発明は、第11の発明において、
記憶手段は、画像データを、編集処理手段の処理速度と
当該編集処理手段が素材サーバから素材映像を読み出す
際に生じる遅延との積の2倍に相当する量だけ記憶し、
編集処理手段は、編集処理の実行を中断した後も遅延に
相当する時間だけ、素材サーバから素材映像を読み出し
て記憶手段に与える動作を継続することを特徴としてい
る。
【0058】上記第12の発明では、読出停止位置の直
前部分および直後部分の画像データを、それぞれ編集処
理手段の処理速度と編集処理手段が素材サーバから映像
素材を読み出す際に生じる遅延との積に相当する量だけ
記憶するので、読出遅延を見かけ上なくすことができ、
しかもノンリニア編集機側が記憶するデータの量を最小
にできる。
【0059】第13の発明は、第1の発明において、ノ
ンリニア編集機は、素材サーバに蓄積されている素材映
像を用いて編集処理を行う編集処理手段と、編集処理手
段が処理して得られた放送用映像を再生する再生手段
と、編集処理手段が処理して得られた放送用映像を素材
サーバへと転送する転送手段とを含み、転送手段は、再
生手段が放送用映像を再生している間に、当該放送用映
像と同じ映像を素材サーバへと転送することを特徴とし
ている。
【0060】ノンリニア編集機では一般に、処理結果の
放送用映像を素材サーバへと転送する前に、編集処理が
正しく行われたかどうかを確認するなどの目的で、それ
を再生することが行われる。上記第13の発明では、こ
うして放送用映像を再生している間に、その放送用映像
と同じ映像を素材サーバへと転送するので、オペレータ
の待ち時間が短縮される。
【0061】第14の発明は、第1の発明において、ノ
ンリニア編集機は、素材サーバに蓄積されている素材映
像を用いて編集処理を行う編集処理手段と、編集処理手
段によって行われた編集処理の手順を記述した編集スク
リプトを、素材サーバへと書き込む編集スクリプト書込
手段とを含んでいる。
【0062】上記第14の発明では、編集処理して得ら
れた放送用映像を一部手直ししたい場合、その編集処理
の編集スクリプトを素材サーバから読み出し、読み出し
た編集スクリプトを一部変更するだけでよいので、オペ
レータは、編集作業を最初からやり直す手間が省ける。
【0063】第15の発明は、第1の発明において、素
材入力装置は、入力される素材映像のフォーマットをD
Vフォーマットに変換し、変換して得られるDIFデー
タから、DC成分を抽出し、DIFデータを素材映像と
して、DC成分を当該素材映像のアイコン映像として、
別々に素材サーバに書き込むことを特徴としている。
【0064】上記第15の発明では、例えば素材映像の
おおよその内容を確認するだけのために、素材映像を転
送して帯域を無駄に使用することがなくなる。換言すれ
ば、同じ帯域を用いて映像を転送する場合、転送にかか
る時間が短くてすむ。
【0065】第16の発明は、第15の発明において、
ノンリニア編集機は、1画面内に複数のウインドウを表
示するマルチウインドウ機能を有し、複数の素材映像の
アイコン映像を読み出して1画面内に同時に表示するこ
とを特徴としている。
【0066】上記第16の発明では、上記の確認作業を
効率的に行えるようになる。
【0067】第17の発明は、第1の発明において、素
材サーバは、1つのファイルを書き込みモードおよび読
み出しモードの両方でオープンする機能を有し、素材サ
ーバが、素材入力装置からの書き込み要求とノンリニア
編集機からの読み出し要求とに応じて、1つのファイル
を書き込みモードおよび読み出しモードの両方でオープ
ンしているとき、当該素材入力装置は、当該ノンリニア
編集機に対して、当該1つのファイルへの書き込みを実
行中であることを通知するメッセージを、定期的に送信
することを特徴としている。
【0068】上記第17の発明では、ノンリニア編集機
は、ファイルからの読み出しを、素材入力装置によるそ
のファイルへの書き込みと同期を取りつつ行えるように
なる。
【0069】第18の発明は、第17の発明において、
1つのファイルにおいて、ノンリニア編集機による読み
出しのポイントが素材入力装置による書き込みのポイン
トを追い越したか、または追い越しつつある場合には、
当該素材入力装置は、当該ノンリニア編集機に対して、
読み出しポイントが書き込みポイントを追い越したかま
たは追い越しつつあることを通知するメッセージを送信
することを特徴としている。
【0070】上記第18の発明では、ノンリニア編集機
は、読み出しポイントが書き込みポイントを追い越すこ
とがないように読み出しを行えるようになる。
【0071】第19の発明は、第1の発明において、ノ
ンリニア編集機は、素材サーバから素材映像を読み出し
て、当該素材映像の一部分を切り出すことによって、編
集加工の単位となるオブジェクトを生成し、複数のオブ
ジェクトに対して施すべき編集加工の手順を記述した記
述ファイルを作成し、複数のオブジェクトおよび記述フ
ァイルをアセット・マネージャに登録することを特徴と
している。
【0072】上記第19の発明では、1つの番組を共同
で編集する場合に、1つの番組について編集途中の映像
(映像ファイル)が複数存在しても、実体データはオブ
ジェクトだけなので、素材サーバの容量を無駄に消費す
ることがなくなる。また、通信網を通じて転送される実
体データの量を減らすことができる。それらの結果とし
て、共同編集が行いやすくなる。
【0073】第20の発明は、第19の発明において、
素材サーバは、複数であり、素材入力装置は、書き込も
うとする素材映像を一定データ量の複数のクリップ映像
に分割して、それらクリップ映像を順番に複数の素材サ
ーバに書き込んでいき、ノンリニア編集機は、素材入力
装置が書き込んだのとは逆の順序で、複数の素材サーバ
からクリップ映像を読み出して繋ぎ合わせることを特徴
としている。
【0074】上記第20の発明では、素材サーバを増設
して同時アクセス数の上限を引き上げる際に、素材サー
バの数が多くなるのに応じて、それら素材サーバの実効
的な総容量も増えるようになる(例えば素材サーバを1
台から8台に増設して同時アクセス数を8倍に増やす際
には、それら8台の素材サーバの実効的な総容量も8倍
になる)。
【0075】第21の発明は、素材映像を放送用映像に
編集加工する編集処理を行って番組を制作し、送出する
ための番組制作・送出システムであって、素材映像と放
送用映像とを蓄積するための素材サーバと、入力される
素材映像を素材サーバに書き込む素材入力装置と、素材
サーバから素材映像を読み出して編集処理を行い、得ら
れた放送用映像を当該素材サーバに再び書き込むノンリ
ニア編集機と、素材サーバから放送用映像を読み出して
蓄積し、当該放送用映像を番組として送出するためのオ
ンエアサーバと、素材サーバおよび/またはオンエアサ
ーバから素材映像および/または放送用映像を読み出し
て記録・保存するためのアーカイブ系と、素材サーバ、
素材入力装置、ノンリニア編集機、オンエアサーバおよ
びアーカイブ系を相互に接続する通信網と、素材サーバ
への書き込みまたは素材サーバからの読み出しに伴って
行われる通信網を通じた転送処理に際して帯域の割り当
てを行うアセット・マネージャとを備え、通信網は、転
送遅延が常に一定の値以下に収まるような通信網であ
り、素材サーバは、読出遅延が常に一定の値以下に収ま
るような素材サーバであり、素材入力装置、ノンリニア
編集機、オンエアサーバおよびアーカイブ系はそれぞ
れ、素材サーバへの書き込みまたは素材サーバからの読
み出しを行う際、予め、必要な帯域をアセット・マネー
ジャに申告し、アセット・マネージャは、素材入力装
置、ノンリニア編集機、オンエアサーバおよびアーカイ
ブ系からそれぞれ必要帯域の申告を受けると、当該必要
帯域を割り当て可能か否かを判断して、その判断結果に
基づいて帯域の割り当てを行うことを特徴としている。
【0076】上記第21の発明では、素材サーバとし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網としてデ
ータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例えば
SSCOPを用いたATM網)を採用し、その上で、ア
セット・マネージャが素材入力装置やノンリニア編集機
等からの申告に応じて帯域割り当て処理を行うので、素
材サーバから映像を読み出す際の読出遅延や、通信網を
通じてデータを転送する際の転送遅延が常に一定の値以
下に収まり、その結果、画面フリーズ等が生じないよう
になる。
【0077】第22の発明は、第21の発明において、
アーカイブ系は、映像を一定の記録速度で磁気テープに
記録するVTRと、ノンリニア編集機の依頼を受けて、
素材サーバおよび/またはオンエアサーバから、通信網
を通じて一定の記録速度と等しい読出速度で素材映像お
よび/または放送用映像を読み出し、当該映像をVTR
へと引き渡すゲートウェイとを含んでいる。
【0078】上記第22の発明では、利用済みの素材映
像や送出済みの放送用映像を、オペレータに作業負担を
かけることなく記録・保存できるようになる。また、転
送速度と記録速度との速度差を吸収するバッファ等を設
ける必要がくなる。
【0079】第23の発明は、第22の発明において、
ゲートウェイには、ローカル記憶部が設けられており、
ゲートウェイは、読み出した素材映像および/または放
送用映像をVTRへと引き渡す際に、当該映像をローカ
ル記憶部に一時記憶しておき、VTRが素材映像および
/または放送用映像を磁気テープに記録し終えると、当
該磁気テープに記録された映像を、ローカル記憶部に一
時記憶している映像と照合し、照合の結果、磁気テープ
に記録された映像とローカル記憶部に一時記憶している
映像とが一致した場合、後者の映像を消去し、一致しな
い場合、依頼元のノンリニア編集機に対して記録ミスの
発生を通知することを特徴としている。
【0080】上記第23の発明では、アーカイブ系への
記録を確実に行えるようになる。
【0081】第24の発明は、素材映像を放送用映像に
編集加工する編集処理を行って番組を制作し、送出する
ための番組制作・送出システムであって、素材映像と放
送用映像とを蓄積するための素材サーバと、入力される
素材映像を素材サーバに書き込む素材入力装置と、素材
サーバから素材映像を読み出して編集処理を行い、得ら
れた放送用映像を当該素材サーバに再び書き込むノンリ
ニア編集機と、素材サーバから放送用映像を読み出して
蓄積し、当該放送用映像を番組として送出するためのオ
ンエアサーバと、素材サーバおよび/またはオンエアサ
ーバから素材映像および/または放送用映像を読み出し
て蓄積し、当該素材映像および/または放送用映像をシ
ステムの外部へと送信するブラウズサーバと、素材サー
バ、素材入力装置、ノンリニア編集機、オンエアサーバ
およびブラウズサーバを相互に接続する通信網と、素材
サーバへの書き込みまたは素材サーバからの読み出しに
伴って行われる通信網を通じた転送処理に際して帯域の
割り当てを行うアセット・マネージャとを備え、通信網
は、転送遅延が常に一定の値以下に収まるような通信網
であり、素材サーバは、読出遅延が常に一定の値以下に
収まるような素材サーバであり、素材入力装置、ノンリ
ニア編集機、オンエアサーバおよびブラウズサーバはそ
れぞれ、素材サーバへの書き込みまたは素材サーバから
の読み出しを行う際、予め、必要な帯域をアセット・マ
ネージャに申告し、アセット・マネージャは、素材入力
装置、ノンリニア編集機、オンエアサーバおよびブラウ
ズサーバからそれぞれ必要帯域の申告を受けると、当該
必要帯域を割り当て可能か否かを判断して、その判断結
果に基づいて帯域の割り当てを行うことを特徴としてい
る。
【0082】上記第24の発明では、素材サーバとし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網としてデ
ータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例えば
SSCOPを用いたATM網)を採用し、その上で、ア
セット・マネージャが素材入力装置やノンリニア編集機
等からの申告に応じて帯域割り当て処理を行うので、素
材サーバから映像を読み出す際の読出遅延や、通信網を
通じてデータを転送する際の転送遅延が常に一定の値以
下に収まり、その結果、画面フリーズ等が生じないよう
になる。
【0083】第25の発明は、第24の発明において、
素材映像および/または放送用映像は、そのフォーマッ
トがDVフォーマットであり、ブラウズサーバは、素材
サーバおよび/またはオンエアサーバから素材映像およ
び/または放送用映像を読み出して蓄積する際に、当該
映像のフォーマットをDVフォーマットからMPEGフ
ォーマットへと変換して蓄積し、システムの外部へは、
このフォーマット変換後の素材映像および/または放送
用映像を送信することを特徴としている。
【0084】上記第25の発明では、ブラウズサーバを
設けたことによって、システムの外部から素材映像等を
参照できるようになる。加えて、ブラウズサーバが映像
のフォーマットをDVからMPEGに変換して(圧縮率
を高めて)データ量を減らしたうえで蓄積するので、ブ
ラウズサーバの容量が小さくて済む。また、外部への映
像の転送処理(インターネット,LAN等を通じて行わ
れる)を高速化することができる。転送処理を高速化す
れば、読み出し時間が短縮されてジャーナリストらが能
率よく作業を行えるようになり、また通信コストも低く
抑えることができるようになる。
【0085】第26の発明は、素材映像を放送用映像に
編集加工する編集処理を行って番組を制作し、送出する
ための番組制作・送出システムであって、ビデオサーバ
と、ビデオサーバから素材映像を読み出して編集処理を
行い、得られた放送用映像を当該ビデオサーバに再び書
き込むノンリニア編集機と、ビデオサーバおよびノンリ
ニア編集機を相互に接続する通信回線とを備え、ビデオ
サーバは、交換ファブリックを含み、交換ファブリック
上には、素材映像と放送用映像とを蓄積するための素材
サーバ手段と、入力される素材映像を素材サーバ手段に
書き込む素材入力手段と、素材サーバ手段から放送用映
像を読み出して蓄積し、当該放送用映像を番組として送
出するためのオンエアサーバ手段と、素材サーバ手段へ
の書き込みまたは素材サーバ手段からの読み出しに伴っ
て交換ファブリックを通じて行われる転送処理に際して
帯域の割り当てを行うアセット・マネージャ手段とが一
体構成され、素材サーバ手段は、読出遅延が常に一定の
値以下に収まるような素材サーバ手段であり、交換ファ
ブリックは、転送遅延が常に一定の値以下に収まるよう
な交換ファブリックであり、素材入力手段およびオンエ
アサーバ手段はそれぞれ、素材サーバ手段への書き込み
または素材サーバからの読み出しを行う際、予め、必要
な帯域をアセット・マネージャ手段に申告し、アセット
・マネージャ手段は、素材入力手段およびオンエアサー
バ手段からそれぞれ必要帯域の申告を受けると、当該必
要帯域を割り当て可能か否かを判断して、その判断結果
に基づいて帯域の割り当てを行うことを特徴としてい
る。
【0086】上記第26の発明では、ビデオサーバは、
交換ファブリック上において、素材サーバ手段、素材入
力手段、オンエアサーバ手段およびアセット・マネージ
ャ手段が一体構成されたものなので、システムのサイズ
がコンパクトであり、地方局において用いるのに適した
番組制作・送出システムとなる。また、素材サーバ手段
として、データ読み出しのリアルタイム性が保証された
素材サーバ手段(例えばPanaViSS)を、交換フ
ァブリックとしてデータ転送のリアルタイム性が保証さ
れた交換ファブリック(例えばSSCOPを用いたAT
M交換ファブリック)を採用し、その上で、アセット・
マネージャ手段が素材入力手段やオンエアサーバ手段か
らの申告に応じて帯域割り当て処理を行うので、素材サ
ーバ手段から映像を読み出す際の読出遅延や、交換ファ
ブリックを通じてデータを転送する際の転送遅延が常に
一定の値以下に収まり、その結果、画面フリーズ等が生
じないようになる。
【0087】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係る番組制作・送出システムの構成を示すブロック図で
ある。図1において、本発明の第1の実施形態に係る番
組制作・送出システム(以下、番組制作・送出システ
ム)は、素材入力装置11と、素材サーバ12と、ノン
リニア編集機13と、ブラウズサーバ14と、オンエア
サーバ15と、アーカイブ系16と、アセット・マネー
ジャ17と、通信網18とを備えている。
【0088】素材入力装置11は、素材映像を入力する
ためのものであり、通信回線やビデオテープ等からの入
力映像のフォーマットを、DVフォーマットに変換し、
得られた映像データ(DIFデータ)を素材サーバ12
に書き込む。
【0089】素材サーバ12は、編集しようとする素材
映像や、編集して得られる放送用映像を蓄積するための
ものである。素材サーバ12は、個々の映像(DIFデ
ータ)をファイルとして管理する。そして、書き込み要
求または読み出し要求に応じて、書き込みモードまたは
読み出しモードで各映像ファイルをオープンして、指定
された帯域を用いて、要求された書き込み処理または読
み出し処理を実行する。
【0090】ノンリニア編集機13は、素材映像を放送
用映像に編集加工する編集処理を行うためのものであ
り、素材サーバ12から映像ファイルを読み出して、番
組制作のための各種編集処理を行う。そして、得られた
放送用映像を、素材サーバ12に再び書き込む。
【0091】ブラウズサーバ14は、素材サーバ12や
オンエアサーバ15から映像ファイルを読み出して蓄積
する。ブラウズサーバ14には、図示しない端末(パソ
コン,ワークステーション等)がインターネット,LA
N等を介して接続されており、蓄積している映像ファイ
ルを端末へと送信する(これにより、ジャーナリストら
は、取材先で放送用映像等を参照しながら原稿作成を行
うことができるようになる)。
【0092】オンエアサーバ15は、放送しようとする
映像を蓄積するためのものであり、素材サーバ12から
映像ファイルを読み出して蓄積し、放送する。
【0093】アーカイブ系16は、素材映像や送出済み
の放送用映像を磁気テープ等に記録して保存するための
ものであり、ノンリニア編集機13等からの依頼に応
じ、素材サーバ12やオンエアサーバ15から映像ファ
イルを読み出し、それを磁気テープ等に記録して保存す
る。
【0094】上記の各構成要素は、通信網18を介して
相互に接続されており、映像ファイルの読み出しや書き
込みは、この通信網18を通じて実行される。アセット
・マネージャ17は、DBMS(Database M
anagement System)19と、SRM
(Session ResourceManager)
20とを含み、アーカイブ系16に記録した映像の管理
と、通信網18の帯域の管理とを行う。
【0095】以上のように構成された番組制作・送出シ
ステムの動作について、以下に説明する。ここで予め、
本発明の理解を容易にする目的で、番組制作・送出シス
テムの動作の概要を説明する。番組制作・送出システム
は、例えば、1つのキー局と複数の系列地方局とからな
る放送局に対して適用される。その場合、アセット・マ
ネージャ17,素材サーバ12,ブラウズサーバ14お
よびアーカイブ系16は、キー局だけに設置され、素材
入力装置11,ノンリニア編集機13およびオンエアサ
ーバ15は、キー局および各地方局に設置される。な
お、素材入力装置11およびノンリニア編集機13につ
いては、放送局とは独立した番組製作会社等に設置する
ことも考えられる。
【0096】番組制作・送出システムを用いて行おうと
している番組制作・送出の手順は、概ね以下のようなも
のである。最初、番組の元となる素材映像を各局で収録
し、各局で収録された素材映像を、キー局へと集める。
次に、キー局の素材映像を用いて、各局で番組制作を行
う。こうして制作された番組(すなわち放送用映像)
は、再びキー局へと集められる。その後、各地方局で
は、キー局から放送用映像を取得し、必要に応じてその
一部を手直してから放送する。局外で活動するジャーナ
リストも、インターネット等を通じてシステムにアクセ
スし、番組制作に参加する。番組制作・送出システム
は、こうして素材映像や放送用映像を各局で共有するこ
とによって、放送局において、番組制作・送出をより効
率的に行えるようにする。
【0097】このような番組制作・送出システムが成立
するには、データ読み出しのリアルタイム性が保証され
た(つまり、読出遅延が常に一定値以下に収まるよう
な)素材サーバ12、およびデータ転送のリアルタイム
性が保証された(つまり、転送遅延が常に一定値以下に
収まるような)通信網18を採用することが前提とな
る。
【0098】上記のような素材サーバ12としては、P
anaViSS(Panasonic Video S
torage Server)がある。なお、Pana
ViSSについては、「電子情報通信学会 信学技報
CS96−115,IE96−86(1996−1
2)」に詳しく記載されている。
【0099】一方、上記のような通信網18としては、
再送機能としてSSCOP(Service Spec
ific Connection Oriented
Protocol;選択再送手順)を採用したATM
(AsynchronousTransfer Mod
e;非同期転送モード)網がある。SSCOPは、FT
P(TCP/IP)と比較すると、セル廃棄によるスル
ープットの低下が少なく、再送遅延も小さいという特長
を持っている。
【0100】図2は、図1の通信網18、すなわちSS
COPを採用したATM網の構造を示す図である。図2
において、ATM網のアダプテーション層には、AAL
5が使用されている。ATMはコネクション型通信なの
で、データ転送を行うには、データ系用(映像ファイル
の転送用)の帯域と、コマンド系用の帯域とを確保する
必要がある。データ系の転送には、ABRまたはCBR
が使用され、再送機能としてSSCOPが採用されてい
る。コマンド系の転送には、TCP/IPが使用されて
いる(ベストエフォート型の通信(例えばUBR)でも
構わない)。コマンドは、ディレクトリサーバのクライ
アントメッセージとファイル操作メッセージとからな
り、両者を用いれば、ノンリニア編集機13から、例え
ばWin32・APIを通じて、素材サーバ12のファ
イルへとアクセスできる。なお、SSCOPを採用した
ATM網の詳細については、”ATM網におけるリアル
タイム画像データ転送に関する検討”(井坂、生駒、電
子情報通信学会ソサイアティ大会960921)に詳し
く記載されている。
【0101】このように、番組制作・送出システムで
は、素材サーバ12としてPanaViSSを、通信網
18としてSSCOPを用いたATM網を採用すること
によって、画像データに求められるリアルタイム性を保
証可能なQoS(Quality of Servic
e;サービス品質)が実現されている。
【0102】さて、番組制作・送出システムの動作は、
(1)素材映像を取り込んで素材サーバ12に蓄積する
工程と、(2)素材サーバ12に蓄積されている素材映
像を放送用映像に編集加工し、さらに、できあがった放
送用映像を再び素材サーバ12に蓄積する工程と、
(3)素材サーバ12に蓄積されている放送用映像を読
み出し、それを番組として送出する工程と、(4)素材
サーバ12に蓄積されている利用済みの素材映像および
送出済みの放送用映像を、磁気テープ等に記録して保存
する工程とからなる。
【0103】また、必要に応じて、(5)局外にある端
末へ、インターネット等を通じて素材映像等を送る工程
がさらに加わる。その目的は、ジャーナリストらが取材
先で素材映像等を見ながら原稿作成を行うなど、局外か
ら容易に番組制作に参加できるようにするためである。
【0104】最初、上記(1)の工程、すなわち素材映
像を素材サーバ12に蓄積する工程について説明する。
図1において、素材入力装置11は、素材映像の入力を
行う。すなわち、オペレータの操作に応じて、素材入力
装置11は、通信回線やビデオテープ等から素材映像を
取り込み(もし取り込んだ素材映像がアナログであれ
ば、それをディジタル化した後)、そのフォーマットを
DVフォーマットに変換する。そして、変換して得られ
る映像データ(DIFデータ)を、素材サーバ12に書
き込む(素材サーバ12に対して書き込み要求を行
う)。
【0105】この書き込み処理を実行するには、素材入
力装置11から素材サーバ12へ通信網18を通じてデ
ータ転送を行うための帯域を確保する必要がある。そこ
で、素材入力装置11は、上記の書き込み処理を実行す
る前に、データ転送に必要な帯域をアセット・マネージ
ャ17に申告する。応じて、アセット・マネージャ17
は、他の素材入力装置11やノンリニア編集機13等か
らの申告状況を勘案して、帯域を割り当てる。なお、こ
の帯域割り当て処理については、後述する。
【0106】一方、素材サーバ12は、映像ファイルを
管理しており、素材入力装置11からの書き込み要求に
応じ、書き込みモードで映像ファイルをオープンする。
そして、アセット・マネージャ17によって指定された
帯域を用いて、素材映像の書き込み処理を実行する。こ
うして、素材サーバ12には、素材映像が蓄積されてい
く。
【0107】次に、上記(2)の工程、すなわち、素材
サーバ12に蓄積されている素材映像を放送用映像に編
集加工し、さらに、それを再び素材サーバ12に蓄積す
る工程について説明する。図1において、ノンリニア編
集機13は、素材サーバ12から、編集対象となる複数
の映像ファイルを読み出す(素材サーバ12に対して読
み出し要求を行う)。
【0108】この読み出し処理を実行するには、素材サ
ーバ12からノンリニア編集機13へ通信網18を通じ
てデータ転送を行うための帯域を確保する必要がある。
そこで、ノンリニア編集機13は、読み出し処理を実行
する前に、データ転送に必要な帯域をアセット・マネー
ジャ17に申告する。応じて、アセット・マネージャ1
7は、素材入力装置11や他のノンリニア編集機13等
からの申告状況を勘案し、帯域を割り当てる。なお、こ
の帯域割り当て処理については、後述する。
【0109】一方、素材サーバ12は、映像ファイルを
管理している。素材サーバ12は、ノンリニア編集機1
3からの読み出し要求に応じ、読み出しモードで映像フ
ァイルをオープンする。そして、アセット・マネージャ
17によって指定された帯域を用いて、素材映像の読み
出し処理を実行する。
【0110】次に、ノンリニア編集機13は、読み出し
た複数の映像ファイルを編集加工して放送用番組を作成
する処理を行う。例えば、複数の映像ファイルからそれ
ぞれ一部の映像を切り出してそれらを互いに繋ぎ合わ
せ、1本の放送用映像に仕上げる。次に、ノンリニア編
集機13は、できあがった放送用映像を、素材サーバ1
2に書き込む(素材サーバ12に対して書き込み要求を
行う)。
【0111】この書き込み処理を実行するには、ノンリ
ニア編集機13から素材サーバ12へ通信網18を通じ
てデータ転送を行うための帯域を確保する必要がある。
そこで、ノンリニア編集機13は、書き込み処理を実行
する前に、データ転送に必要な帯域をアセット・マネー
ジャ17に申告する。応じて、アセット・マネージャ1
7は、素材入力装置11や他のノンリニア編集機13等
からの申告状況を勘案し、帯域を割り当てる。なお、こ
の帯域割り当て処理については、後述する。
【0112】一方、素材サーバ12は、映像ファイルを
管理しており、ノンリニア編集機13からの書き込み要
求に応じ、書き込みモードで映像ファイルをオープンす
る。そして、アセット・マネージャ17によって指定さ
れた帯域を用いて、放送用映像の書き込み処理を実行す
る。こうして、素材サーバ12には、放送用映像が蓄積
されていく。
【0113】次に、上記(3)の工程、すなわち、素材
サーバ12に蓄積されている放送用映像を読み出して、
番組として送出する工程について説明する。図1におい
て、オンエアサーバ15は、素材サーバ12から、放送
しようとする放送用映像のファイルを読み出す(素材サ
ーバ12に対して読み出し要求を行う)。
【0114】この読み出し処理を実行するには、素材サ
ーバ12からオンエアサーバ15へ通信網18を通じて
データ転送を行うための帯域を確保する必要がある。そ
こで、オンエアサーバ15は、読み出し処理を実行する
前に、データ転送に必要な帯域をアセット・マネージャ
17に申告する。応じて、アセット・マネージャ17
は、素材入力装置11やノンリニア編集機13等からの
申告状況を勘案し、帯域を割り当てる。なお、この帯域
割り当て処理については、後述する。
【0115】一方、素材サーバ12は、映像ファイルを
管理している。素材サーバ12は、オンエアサーバ15
からの読み出し要求に応じ、読み出しモードで映像ファ
イルをオープンする。そして、アセット・マネージャ1
7によって指定された帯域を用いて、放送用映像の読み
出し処理を実行する。オンエアサーバ15は、こうして
読み出した放送用映像を蓄積し、その後、蓄積した放送
用映像を番組として送出する。
【0116】次に、上記(4)の工程、すなわち、素材
サーバ12から利用済み素材映像や送出済み放送用映像
を読み出し、それを磁気テープ等に記録して保存する工
程について説明する。図1において、アーカイブ系16
は、素材サーバ12から、利用済み素材映像や送出済み
放送用映像のファイルを読み出す(素材サーバ12に対
して読み出し要求を行う)。
【0117】この読み出し処理を実行するには、素材サ
ーバ12からアーカイブ系16へ通信網18を通じてデ
ータ転送を行うための帯域を確保する必要がある。そこ
で、アーカイブ系16は、読み出し処理を実行する前
に、データ転送に必要な帯域をアセット・マネージャ1
7に申告する。応じて、アセット・マネージャ17は、
素材入力装置11やノンリニア編集機13等からの申告
状況を勘案し、帯域を割り当てる。なお、この帯域割り
当て処理については、後述する。
【0118】一方、素材サーバ12は、映像ファイルを
管理している。素材サーバ12は、アーカイブ系16か
らの読み出し要求に応じ、読み出しモードで映像ファイ
ルをオープンする。そして、アセット・マネージャ17
によって指定された帯域を用いて、利用済み素材映像や
送出済み放送用映像の読み出し処理を実行する。アーカ
イブ系16は、読み出した利用済み素材映像や送出済み
放送用映像を磁気テープ等に記録し、保存する。
【0119】次に、上記(5)の工程、すなわち、イン
ターネット等を通じて局外にある端末へ映像を送る工程
について説明する。図1において、ブラウズサーバ14
は、素材サーバ12から、素材映像や放送用映像のファ
イルを読み出す(素材サーバ12に対して読み出し要求
を行う)。
【0120】この読み出し処理を実行するには、素材サ
ーバ12からブラウズサーバ14へ通信網18を通じて
データ転送を行うための帯域を確保する必要がある。そ
こで、ブラウズサーバ14は、読み出し処理を実行する
前に、データ転送に必要な帯域をアセット・マネージャ
17に申告する。応じて、アセット・マネージャ17
は、素材入力装置11やノンリニア編集機13等からの
申告状況を勘案し、帯域を割り当てる。なお、この帯域
割り当て処理については、後述する。
【0121】一方、素材サーバ12は、映像ファイルを
管理している。素材サーバ12は、ブラウズサーバ14
からの読み出し要求に応じ、読み出しモードで映像ファ
イルをオープンする。そして、アセット・マネージャ1
7によって指定された帯域を用いて、素材映像や放送用
映像の読み出し処理を実行する。
【0122】読み出された素材映像や放送用映像は、通
信網18を通じてブラウズサーバ14へと転送される。
ブラウズサーバ14は、こうして読み出した素材映像や
放送用映像を蓄積する。
【0123】ブラウズサーバ14には、端末がインター
ネット,LAN等を介して接続されており、蓄積してい
る素材映像や放送用映像を、インターネット,LAN等
を通じて端末へと送信する。局外で活動するジャーナリ
ストは、端末の画面上に表示される映像を見ながら、原
稿作成等を行う。
【0124】次に、アセット・マネージャ17が行う帯
域割り当て処理について、図3を用いて説明する。図3
は、図1のアセット・マネージャ17が行う帯域割り当
て処理を示すフローチャートである。なお、これら一連
の処理は、アセット・マネージャ17内のSRM20が
実行する。図3において、アセット・マネージャ17
は、通信網18の全通信帯域と素材サーバ12の全読出
帯域とを認識しており、最初、これら全通信帯域および
全読出帯域とに基づいて、現在割り当てることができる
帯域の最大値、すなわち割当可能帯域を算出する(ステ
ップS1)。
【0125】次に、アセット・マネージャ17は、素材
入力装置11やノンリニア編集機13等から帯域割り当
ての申告があったか否かを判断する(ステップS2)。
そして、判断結果が否定であれば、肯定となるまで待機
する。ステップS2の判断結果が肯定となる、すなわち
素材入力装置11やノンリニア編集機13等から帯域割
り当ての申告があると、アセット・マネージャ17は、
申告された帯域が、ステップS1で算出した割当可能帯
域以下であるか否かを判断する(ステップS3)。
【0126】ステップS3の判断結果が否定の場合、ア
セット・マネージャ17は、セッションを確立するのが
不可能である旨を、申告元(帯域割り当ての申告を行っ
た素材入力装置11やノンリニア編集機13)に通知し
(ステップS4)、その後、ステップS8に進む。
【0127】ステップS3の判断結果が肯定の場合、ア
セット・マネージャ17は、申告された帯域(通信帯域
および読出帯域)をその申告元に割り当て(ステップS
5)、その後、セッションを確立した旨をその申告元に
対して通知する(ステップS6)。
【0128】次に、アセット・マネージャ17は、割当
可能帯域を更新する(ステップS7)。すなわち、ステ
ップS1で算出した割当可能帯域から、ステップS5で
割り当てた帯域の分を減算し、それにより得られた値
を、新たな割当可能帯域とする。
【0129】次に、アセット・マネージャ17は、帯域
割り当て処理を終了するか否かを判断し(ステップS
8)、判断結果が肯定であれば、動作を終了する。ステ
ップS8の判断結果が否定であれば、アセット・マネー
ジャ17は、ステップS2に戻り、上記と同様の処理を
繰り返す。
【0130】以上のように、番組制作・送出システムで
は、素材サーバ12として、データ読み出しのリアルタ
イム性が保証された素材サーバ(例えばPanaViS
S)を、通信網18としてデータ転送のリアルタイム性
が保証された通信網(例えばSSCOPを用いたATM
網)を採用し、その上で、アセット・マネージャ17が
素材入力装置11やノンリニア編集機13等からの申告
に応じて上記のような帯域割り当て処理を行うことによ
り、素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延
や、通信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延
が常に一定の値以下に収まり、その結果、画面フリーズ
等が生じないような番組制作・送出を行えるようにな
る。
【0131】なお、素材サーバ12や通信網18のQo
Sが十分であれば(つまり素材サーバ12の読出遅延や
通信網18の転送遅延の最大値が十分に小さければ)、
必ずしもアセット・マネージャ17が素材入力装置11
やノンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り
当て処理を行わなくても、画面フリーズ等が生じないよ
うになる。
【0132】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の実施
形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様なの
で、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図1
に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施形
態で説明したものと同様である。すなわち、第2の実施
形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12とし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18とし
てデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例
えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その上
で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11やノ
ンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当て
処理を行う。その結果、番組制作・送出システムでは、
素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延や、通
信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延が常に
一定の値以下に収まっている。
【0133】第2の実施形態では、さらに、ノンリニア
編集機13が素材サーバ12から素材映像を読み出す際
の読み出し処理を工夫することによって、オペレータ
が、素材映像の選択を行った後、作業を開始できるまで
長時間待たされることのないようにする。以下、第1の
実施形態と同様の点については説明を省略し、ノンリニ
ア編集機13が素材サーバ12から素材映像を読み出す
際の読み出し処理について、詳細に説明する。
【0134】図4は、図1のノンリニア編集機13の機
能的な構成を示すブロック図である。図4において、ノ
ンリニア編集機13は、先行読出部111、ローカル記
憶部112、記憶管理部113、読出制御部114、入
力部115、表示部116および編集処理部117を含
む。先行読出部111は、編集作業に用いられる全ての
素材映像を、編集処理の開始に先行して素材サーバ12
から読み出す。ローカル記憶部112は、ハードディス
クなどの記録用ディスクを含み、素材サーバ12から読
み出された素材映像を記憶する。記憶管理部113は、
ローカル記憶部112の記憶内容を管理するためのもの
であり、現在どの素材映像のどの部分がローカル記憶部
112に記憶されているかを示す情報が登録される。
【0135】読出制御部114は、記憶管理部113に
登録されている情報を参照して、これから実行しようと
する編集処理に必要な素材映像がローカル記憶部112
に記憶されているか否かを判断し、判断結果が肯定であ
ればローカル記憶部112からその素材映像を読み出し
て編集処理部117に与え、判断結果が否定であれば先
行読出部111の動作をいったん停止させると共に、そ
の素材映像を素材サーバ12から読み出して編集処理部
117とローカル記憶部112とに与える。
【0136】入力部115は、キーボードやマウスなど
を含み、オペレータの指示を入力する。編集処理部11
7は、オペレータの指示に応じて各種編集処理、例えば
各素材映像を再生する処理や、各素材映像から必要な部
分を切り出し、それらに適宜画像効果を加えて繋ぎ合わ
せる処理などを行う。表示部116は、ディスプレイを
含み、各素材映像や編集結果の放送用映像を表示する。
なお、先行読出部111、記憶管理部113、読出制御
部114および編集処理部117は、コンピュータ装置
を用いてソフト的に実現される。
【0137】以下には、図1のシステムが放送局におい
て採用された場合について、その処理動作を説明する。
素材サーバ12はキー局に設置され、ノンリニア編集機
13は各地方局に設けられている。これから地方局にお
いて、ある事件の報道番組を製作するための編集作業が
行われる。事件現場の映像や関係者へのインタビューの
映像、スタジオでの討論会の映像などは予め収録され、
素材映像として素材サーバ12に格納されている。素材
サーバ12では、1つの素材映像(例えば一本の取材テ
ープに相当するもの)が1つの画像データファイルとし
て管理されており、各素材映像には、ファイル識別子
(a,b,c,…)が付されている。さらに、素材映像
の各フレームには、タイムコードが付されている。な
お、ここでいう映像は、DVCPRO用の再生レート3
0Mbpsのものとする。
【0138】編集作業を担当するオペレータは最初、素
材サーバ12に蓄積されている素材映像のうちどの素材
映像を使用するかを、入力部115を操作してその素材
映像のファイルIDを入力することによって指定する。
ここでは、事件現場の映像(素材映像a)、インタビュ
ーの映像(素材映像b)および討論会の映像(素材映像
c)の3つがこの順番で指定されたものとする。このと
き、ノンリニア編集機13のローカル記憶部112に
は、まだどの素材映像も記憶されておらず、記憶管理部
113は、ローカル記憶部112にどの素材映像も存在
しないことを示す初期情報を保有している。
【0139】その後、オペレータが入力部115を操作
して編集作業の開始を告げると、先行読出部111は、
記憶管理部113の情報を参照して、指定された各素材
映像がローカル記憶部112に存在しないことを確認し
た後、素材映像a〜cを素材サーバ12から読み出す処
理を開始する(この処理を先行読出処理と呼ぶ)。素材
映像a〜cを読み出す順序は、例えばファイル識別子の
入力順序と同じであり(すなわちファイルa、ファイル
b、ファイルcの順)、読み出す速度は、例えば再生レ
ートの2倍、すなわち60Mbpsである。
【0140】なお、先行読出部111の読出速度は、上
記の値に限らず、再生レート以上であってかつ素材サー
バ12とノンリニア編集機13との間の通信網18の能
力の範囲内であれば、任意に決めることができる。読出
速度を再生レート以上とした理由については、後述す
る。
【0141】ただし、予め読出速度を決めておく場合、
速度を速く設定すると、多数のノンリニア編集機13が
同時に読出処理を行った場合に通信網18が破綻するこ
とがある。それを防ぐために速度を低く設定すれば、読
み出しに時間がかかってノンリニア編集機13の操作性
が悪化する。そこで、先行読出部111の読出速度を予
め決めておく代わりに、その時々の通信網18の混雑状
況に応じて、読出速度を変えてもよい。すなわち、読出
制御部114が通信網18の混雑状況を判断し、混雑状
況に応じて読出速度を変化させる。より具体的には、多
数のノンリニア編集機13によって読出処理が行われて
おり通信網18が混雑している場合、先行読出部111
の読出速度を相対的に低くし、少数のノンリニア編集機
13によって読出処理が行われており通信網18が空い
ている場合には、読出速度を相対的に高くする。これに
より、多数のノンリニア編集機13の読出処理が一時に
集中して通信網18が破綻することを防ぎつつ、平均の
読出時間を短縮してノンリニア編集機13の操作性を向
上させることができる。
【0142】先行読出部111によって読み出された各
素材映像は、ローカル記憶部112によって記憶され
る。記憶管理部113には、現在ローカル記憶部112
にどの素材映像のどの部分が記憶されているかを示す記
憶管理情報が逐次登録される。記憶管理情報としては、
素材映像の識別子と素材映像の各フレームに付されたタ
イムコードとを用いることが考えられる。記憶管理情報
を登録する理由は、先行読出処理が一時中断され、後に
それを再開するとき、先行読出部111がどの映像のど
の部分を読み出せばよいかを知るためである。
【0143】例えば、素材映像aの先頭からタイムコー
ド3:20:15のフレーム(3分20秒の第15フレ
ーム)までの映像がローカル記憶部112に記憶された
時点で先行読出処理が一時中断されたとする。その後、
読み出しを再開する際、先行読出部111は、記憶管理
部113に登録されている記憶管理情報を参照すること
により、素材映像aのタイムコード3:20:16のフ
レームから読み出しを開始すればよいことがわかる。な
お、どのような場合に先行読出処理が一時中断されるか
については、後述する。
【0144】上記のような先行読出処理は、編集処理に
必要な素材映像として指定された全ての素材映像が素材
サーバ12から読み出され、ノンリニア編集機13のロ
ーカル記憶部112に記憶された時点で終了となる。先
行読出処理が終了すると、ノンリニア編集機13では、
編集処理部117がローカル記憶部112に記憶された
各素材映像を用いて編集処理を行うことができる。この
ように、ノンリニア編集機13が編集処理に必要な素材
映像を処理の開始前に素材サーバ12から読み出して記
憶し、記憶している素材映像を用いて編集処理を行うこ
とによって読出遅延の問題が解消され、また通信コスト
も低く抑えることができる。
【0145】その一方、素材サーバ12から必要な素材
映像を読み出して記憶し、それを用いて編集処理を行う
場合、ノンリニア編集機13において編集処理が開始さ
れるまでの待ち時間が長くなる問題がある。図1のシス
テムは、この待ち時間の問題を次のようにして解決す
る。編集作業では、最初、各素材映像について、それぞ
れのどの部分(カット)を使用するか、またどのような
画像効果を加えつつ各カットを繋ぎ合わせるかなどを決
めるための検討作業が行われ、次に、検討結果に基づい
て素材映像から必要なカットを切り出し、画像効果を加
えつつそれらを繋ぎ合わせるなどの実作業が行われる。
図1のシステムでは、ノンリニア編集機13に読出制御
部114が設けられており、この読出制御部114が先
行読出部111、記憶管理部113およびローカル記憶
部112と協働することにより、先行読出処理が終了す
る前にこの検討作業を開始することができる。
【0146】図5は、図4の読出制御部114の動作を
示すフローチャートである。以下には、読出制御部11
4の動作を、図5を参照しながら説明する。いま、ノン
リニア編集機13では、先行読出部111が先行読出処
理を実行中であるとする。その読出速度は、前述のよう
に、再生レート以上の値である。読出制御部114は、
再生命令が入力されるまで待機する(ステップS10
1)。このとき、ある素材映像を再生するための再生命
令が入力されると、読出制御部114は、再生しようと
する素材映像の先頭フレームの画像データがローカル記
憶部112に存在しているか否かを、記憶管理部113
に登録されている記憶管理情報を参照することによって
判定する(ステップS102)。なお、素材映像の先頭
でない位置から再生を開始するための再生命令が入力さ
れたときには、その位置のフレームの画像データがロー
カル記憶部112に存在しているか否かを判定する。
【0147】ステップS102の判定結果が肯定である
場合、読出制御部114は、再生しようとする素材映像
をローカル記憶部112から読み出す(ステップS10
3)。その読出速度は、再生レートと同じ値である。そ
して、読出制御部114は、読み出した素材映像を編集
処理部117に与え(ステップS104)、その後ステ
ップS101に戻って、次の再生命令を待つ。なお、編
集処理部117に与えられた素材映像は、そこで再生さ
れ、表示部116のディスプレイ上に表示される。
【0148】ステップS102の判定結果が否定である
場合には、読出制御部114は、先行読出部111に命
じて現在実行中の先行読出処理を一時中断させて(ステ
ップS105)、再生しようとする素材映像を素材サー
バ12から読み出す(ステップS106)。その読出速
度は、再生レートと同じ値である。そして、読出制御部
114は、読み出した素材映像を編集処理部117とロ
ーカル記憶部112とに与える(ステップS107)。
なお、編集処理部117に与えられた素材映像は、そこ
で再生され、表示部116のディスプレイ上に表示され
る。一方、ローカル記憶部112に与えられた素材映像
は、そこに記憶される。
【0149】次に、読出制御部114は、再生しようと
する素材映像の最終フレームの画像データがローカル記
憶部112に存在しているか否かを、記憶管理部113
に登録されている記憶管理情報を参照することによって
判定する(ステップS108)。ステップS108の判
定結果が肯定である場合、読出制御部114は、先行読
出部111に命じて一時中断されていた先行読出処理を
再開させ(ステップS109)、その後ステップS10
1に戻って、次の再生命令を待つ。ステップS108の
判断結果が否定である場合には、ステップS106に戻
り、素材サーバ12から素材映像を読み出して編集処理
部117とローカル記憶部112とに与える処理を継続
する。
【0150】このように、読出制御部114は、先行読
出処理の実行中に再生命令が入力された場合、再生しよ
うとする素材映像がすでにローカル記憶部112に存在
すれば、ローカル記憶部112からその素材映像を読み
出して編集処理部117に与える。再生しようとする素
材映像がまだローカル記憶部112に存在しなければ、
先行読出処理を一時中断させる一方、素材サーバ12か
らその素材映像を読み出す。そして、読み出した映像を
編集処理部117とローカル記憶部112とに与える。
読出制御部114がこのような処理を行うことによっ
て、オペレータは、先行読出処理の終了を待つことな
く、検討作業を開始することができる。
【0151】ここで、先行読出処理の終了前に、素材映
像を再生しながら検討作業を行う場合の、図1のシステ
ムの動作を具体的に説明する。現在、先行読出部111
によって素材映像a〜cを読み出す先行読出処理が行わ
れており、ローカル記憶部112には、素材映像aの先
頭からタイムコード3:20:15のフレームまでの画
像データが記憶されている。記憶管理部113には、素
材映像aの先頭からタイムコード3:20:15のフレ
ームまでの画像データが記憶されていることを示す記憶
管理情報が登録されている。この時、オペレータが素材
映像aを再生させるための命令を入力部115を介して
入力したとする。読出制御部114は、記憶管理部11
3に登録されている記憶管理情報を参照することによ
り、素材映像aの先頭フレームがすでにローカル記憶部
112に存在していることを知る(図5のステップS1
01およびS102に相当)。
【0152】そこで、読出制御部114は、ローカル記
憶部112から素材映像aを読み出して編集処理部11
7に与える(ステップS103およびS104に相
当)。なお、先行読出部111の読出速度が読出制御部
114の読出速度以上の値なので(例えば、読出制御部
114の読出速度が再生レートに等しい30Mbpsで
あるのに対し、先行読出部111の読出速度はその2倍
の60Mbps)、素材映像aの先頭フレームがローカ
ル記憶部112に存在していれば、読出制御部114
は、素材映像aの読み出しを行える。
【0153】そして、編集処理部117が与えられた素
材映像aを再生し、表示部116のディスプレイ上に素
材映像aの再生画像が表示されると、オペレータは、デ
ィスプレイを見ながら素材映像aに関してどのカットを
使用するかなどを決めるための検討作業を行う。なお、
編集作業の開始が告げられて以降、素材映像aに関する
検討作業が済んで次の再生命令が入力されるまでの期
間、先行読出部111による先行読出処理は、継続して
実行されている。つまり、素材映像aの再生と、素材映
像a以外の素材映像を素材サーバ12から読み出してロ
ーカル記憶部112へと転送する処理とが同時に行われ
ている。これにより、オペレータの待ち時間が短縮され
る。
【0154】素材映像aに関する検討作業を終えると、
オペレータは、別の素材映像、例えば素材映像cを再生
させるための再生命令を入力部115を介して入力す
る。このとき、ローカル記憶部112には、素材映像a
の全ての画像データが記憶され、さらに、素材映像bの
先頭からタイムコード5:10:20のフレームまでの
画像データが記憶されているとする。記憶管理部113
には、素材映像aの全部の画像データと、素材映像bの
先頭からタイムコード5:10:20のフレームまでの
画像データが記憶されていることを示す記憶管理情報が
登録されている。読出制御部114は、記憶管理部11
3に登録されている記憶管理情報を参照することによ
り、素材映像cの先頭フレームがまだローカル記憶部1
12に存在していないことを知る(図5のステップS1
01およびS102に相当)。
【0155】そこで、読出制御部114は、先行読出部
111に命じて先行読出処理を一時停止させ、素材サー
バ12から素材映像cを読み出して編集処理部117お
よびローカル記憶部112へと与える(ステップS10
5〜S107に相当)。
【0156】そして、編集処理部117が与えられた素
材映像cを再生し、表示部116のディスプレイ上に素
材映像cの再生画像が表示されると、オペレータは、デ
ィスプレイを見ながら素材映像cに関してどのカットを
使用するかなどを決めるための検討作業を行う。一方、
ローカル記憶部112は、与えられた素材映像cを記憶
する。つまり、素材映像cの再生と、素材映像cを素材
サーバ12から読み出してローカル記憶部112へと転
送する処理とが同時に行われている。これにより、オペ
レータの待ち時間が短縮される。
【0157】そして、素材映像cに関する検討作業の終
了前に、素材映像cの読み出しが完了したとする。素材
映像cの最終フレームがローカル記憶部112に記憶さ
れると、記憶管理部113には、素材映像aおよびcの
全部の画像データと、素材映像bの先頭からタイムコー
ド5:10:20のフレームまでの画像データがローカ
ル記憶部112に記憶されていることを示す記憶管理情
報が登録される。読出制御部114は、この記憶管理情
報を参照することにより、素材映像cのローカル記憶部
112への書き込みが完了したことを知り、先行読出部
111に命じて、一時中断されている先行読出処理を再
開させる(ステップS108およびS109に相当)。
【0158】先行読出部111は、先行読出処理を再開
する際、記憶管理部113に登録されている記憶管理情
報を参照することにより、ローカル記憶部112には、
素材映像aおよびcの全部の画像データと、素材映像b
の先頭からタイムコード5:10:20のフレームまで
の画像データが記憶されていることを知る。そこで、先
行読出部111は、当初の先行読出処理のうち素材映像
cの読み出しを省略し、素材映像bのタイムコード5:
10:21のフレームから最終フレームまでの画像デー
タの読み出しを実行する。
【0159】そして、素材映像cに関する検討作業の終
了前に素材映像bの読み出しが完了したとする。その
後、オペレータが素材映像bを再生させるための再生命
令を入力部115を介して入力すると、読出制御部11
4は、ローカル記憶部112から素材映像bを読み出し
て編集処理部117へと与える(ステップS103およ
びS104に相当)。そして、編集処理部117が与え
られた素材映像bを再生し、表示部116のディスプレ
イ上に素材映像bの再生画像が表示されると、オペレー
タは、ディスプレイを見ながら素材映像bに関してどの
カットを使用するかなどを決めるための検討作業を行
う。
【0160】こうして素材映像a〜cについての検討作
業が終了すると、オペレータは、検討結果(選んだカッ
トの位置や、各カットをどのように繋ぐか、その際どの
ような画像効果を加えるかなど)を、入力部115を介
してノンリニア編集機13に入力する。この時点では、
すでに編集処理に必要な全ての素材映像a〜cがローカ
ル記憶部112に存在している。そこで、ノンリニア編
集機13では、編集処理部117が、ローカル記憶部1
12の素材映像a〜cを用いて、入力された検討結果に
基づいて各素材映像から必要なカットを切り出し、それ
らに適宜画像効果を加えて繋ぎ合わせる一連の編集処理
を行う。編集結果の放送用映像は、いったんローカル記
憶部112に記憶された後、素材サーバ12へと転送さ
れ、そこに蓄積される。この時点で、編集作業の完了と
なる。
【0161】以上のように、番組制作・送出システムで
は、ノンリニア編集機13は、これから行おうとする複
数の編集処理で用いられる全ての素材映像を素材サーバ
12から続けて読み出す先行読出処理を行う。そして、
各編集処理を行うとき、先行読出処理の実行中であっ
て、その編集処理に必要な素材映像がまだローカル記憶
部112に記憶されていない場合には、先行読出処理の
実行をいったん停止させた後、その素材映像を素材サー
バ12から読み出しながらその編集処理を行うので、先
行読出処理の終了前であっても各編集処理を開始するこ
とができる。従って、ノンリニア編集機13が素材サー
バ12から素材映像を読み出していったん記憶しそれを
用いて編集処理を行うにも関わらず、ノンリニア編集機
13を操作するオペレータは、作業を開始できるまで長
時間待たされることがなくなる。
【0162】なお、編集結果の放送用映像をローカル記
憶部112から素材サーバ12へと転送する際、次のよ
うな転送処理を行うことによって、オペレータの待ち時
間を短縮できる。すなわち、オペレータは、完成した放
送用映像を素材サーバ12へと転送する前に、ノンリニ
ア編集機13において正しく編集処理が実行されたかど
うかを確認するなどの目的で、その映像の全体を通しで
再生するのが一般的である。そこで、この再生処理と素
材サーバ12への転送処理とを同時に実行する。つま
り、読出制御部114がローカル記憶部112に記憶さ
れている放送用映像を読み出して編集処理部117に与
え、編集処理部117が放送用映像を再生する際に、例
えば読出制御部114がさらに、読み出した放送用映像
を素材サーバ12へと転送する処理を実行する。
【0163】また、素材サーバ12に蓄積されている放
送用映像を放送する際に、その放送用映像を、ある部分
で用いた画像効果を他の画像効果に変更するなど、一部
手直しして放送したい場合がある。そのような場合、わ
ずかな変更のためにオペレータは編集作業を最初からや
り直さねばならない。そこで、ノンリニア編集機13
は、放送用映像を作成する際にどのような編集処理を実
行したかを示す情報(ここでは編集スクリプトと呼ぶ)
を、編集結果の放送用映像と共に素材サーバ12へと転
送する。そして、素材サーバ12に蓄積されている放送
用映像を一部手直しする際には、ノンリニア編集機13
は、放送用映像の代わりに編集スクリプトを素材サーバ
12から読み出し、読み出した編集スクリプトを一部変
更した後それに基づいて編集処理を実行する。これによ
って、オペレータは、編集作業を最初からやり直すこと
なく、放送用映像を一部手直しできる。
【0164】(第3の実施形態)本発明の第3の実施形
態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の実施
形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様なの
で、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図1
に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施形
態で説明したものと同様である。すなわち、第3の実施
形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12とし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18とし
てデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例
えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その上
で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11やノ
ンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当て
処理を行う。その結果、番組制作・送出システムでは、
素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延や、通
信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延が常に
一定の値以下に収まっている。
【0165】第3の実施形態では、さらに、ノンリニア
編集機13が素材サーバ12から素材映像を読み出す際
の読み出し処理を工夫することによって、素材サーバ1
2に蓄積されている素材映像を直接用いて編集処理を行
うにも関わらず、ノンリニア編集機13が素材サーバ1
2から素材映像を読み出す際に生じる読出遅延を感じさ
せることがなく、オペレータが快適に作業を行えるよう
にする。以下、第1の実施形態と同様の点については説
明を省略し、ノンリニア編集機13が素材サーバ12か
ら素材映像を読み出す際の読み出し処理について、詳細
に説明する。
【0166】図6は、図1のノンリニア編集機13の機
能的な構成を示すブロック図である。図6において、ノ
ンリニア編集機13は、前後記憶部211、記憶管理部
212、読出制御部213、入力部214、表示部21
5および編集処理部216を含む。前後記憶部211
は、ハードディスクなどの記録用ディスクを含み、素材
サーバ12から読み出されてくる素材映像を記憶する
が、その際、記憶している古いデータを削除しつつ、与
えられるデータを記憶していくことによって、常に最新
の画像データを所定量だけ(ここでは、上記の読出遅延
時間と再生レートとの積の2倍に等しい量だけ)記憶す
る。記憶管理部212は、前後記憶部211の記憶内容
を管理するためのものであり、現在どの素材映像のどの
部分が前後記憶部211に記憶されているかを示す情報
が登録される。
【0167】読出制御部213は、編集処理の開始が指
示されると、記憶管理部212に登録されている情報を
参照して、これから読み出そうとする素材映像の先頭部
分が前後記憶部211に記憶されているか否かを判断
し、判断結果が肯定である場合、前後記憶部211から
その先頭部分を読み出すと共に素材サーバ12から先頭
部分以外の部分を読み出して編集処理部216および前
後記憶部211に与える。判断結果が否定である場合に
は、その素材映像の全部を素材サーバ12から読み出し
て編集処理部216および前後記憶部211に与える。
読出制御部213はまた、編集処理の停止が指示される
と、その時点では読み出しを止めずに所定時間だけ読出
処理を継続し、編集処理の停止が指示されて以降に読み
出した部分の画像データを前後記憶部211に与える。
【0168】入力部214は、キーボードやマウスなど
を含み、オペレータの指示を入力する。編集処理部21
6は、オペレータの指示に応じて各種編集処理、例えば
各素材映像を再生する処理や、各素材映像から必要な部
分を切り出し、それらに適宜画像効果を加えて繋ぎ合わ
せる処理などを行う。表示部215は、ディスプレイを
含み、各素材映像や編集結果の放送用映像を表示する。
なお、記憶管理部212、読出制御部213および編集
処理部216は、コンピュータ装置を用いてソフト的に
実現される。
【0169】以下には、図1のシステムが放送局におい
て採用された場合について、その処理動作を説明する。
素材サーバ12はキー局に設置され、ノンリニア編集機
13は各地方局に設けられている。いま、地方局におい
て、ある事件の報道番組を製作するための編集作業が行
われている。事件現場の映像や関係者へのインタビュー
の映像、スタジオでの討論会の映像などは予め収録さ
れ、素材映像として素材サーバ12に格納されている。
素材サーバ12では、1つの素材映像(例えば一本の取
材テープに相当するもの)が1つの画像データファイル
として管理されており、各素材映像には、ファイル識別
子(a,b,c,…)が付されている。さらに、素材映
像の各フレームには、タイムコードが付されている。な
お、ここでいう映像は、DVCPRO用の再生レート3
0Mbpsのものとする。また、ノンリニア編集機13
が通信網18を介して素材サーバ12から情報を読み出
す場合、500msの読出遅延が生じるものとする。
【0170】現在、オペレータは、ノンリニア編集機1
3を操作して事件現場の映像(素材映像a)を再生しつ
つ、素材映像aのどの部分(カット)を使用するかを検
討している。この検討作業では、素材映像aをある位置
まで再生していったん再生動作を停止した後、その位置
から再び再生動作を開始したり、その位置から逆方向へ
の再生動作を開始したりすることが頻繁に行われる。こ
のようなとき、通信網18を介して素材サーバ12から
素材映像を読み出すタイプの従来のノンリニア編集機1
3では、読出遅延のために再生開始が遅れるので、オペ
レータは快適な編集作業を行うことができなかった。
【0171】これに対し、ノンリニア編集機13では、
通信網18を介して素材サーバ12から素材映像を読み
出すにもかかわらず、それを操作するオペレータが読出
遅延を意識することなく快適に編集作業を行えることを
特徴としている。つまり、読出制御部213が記憶管理
部212および前後記憶部211と協働して、読出遅延
が見かけ上なくなるような読出動作を行う。
【0172】図7は、図6の読出制御部213の動作を
示すフローチャートである。最初、読出制御部213の
動作を、図7を用いて説明する。編集作業が開始される
と、読出制御部213は、読出命令が入力されるまで待
機する(ステップS201)。読出命令が入力される
と、読出制御部213は、読み出そうとする素材映像の
先頭部分が前後記憶部211に存在するか否かを、記憶
管理部212に登録されている記憶管理情報を参照する
ことによって判定する(ステップS202)。
【0173】ステップS202の判定結果が肯定である
場合、読出制御部213は、読み出そうとする素材映像
の先頭部分の画像データを前後記憶部211から読み出
して編集処理部216へと出力する(ステップS20
3)。次いで、読み出そうとする素材映像の、前後記憶
部211から読み出した以外の部分の画像データを素材
サーバ12から読み出して、編集処理部216および前
後記憶部211に与える(ステップS204)。ステッ
プS202の判定結果が否定である場合には、読出制御
部213は、読み出そうとする素材映像の先頭部分の画
像データを素材サーバ12から読み出して編集処理部2
16へと出力し(ステップS203a)、その後、ステ
ップS204へと進む。
【0174】読出制御部213は、次に、読出停止命令
が入力されたか否かを判断する(ステップS205)。
そして、その判断結果が否定であれば、ステップS20
4の処理を継続し、肯定であれば、最初、ステップS2
04の処理のうち編集処理部216へ画像データを出力
する処理のみ停止する(ステップS206)。そして、
読出停止命令が入力されてから予め決められた時間(こ
こでは、上記の読出遅延に等しい時間)が経過した後、
素材サーバ12からの読出処理を停止する(ステップS
207およびS208)。
【0175】このように、読出制御部213は、読出停
止命令が入力されたとき、それが入力されてから読出遅
延時間に等しい時間が経過するまで、実行している素材
サーバ12からの読み出し処理を継続し前後記憶部21
1へと出力する。その結果、前後記憶部211には、読
み出し停止時、素材映像の、読出停止位置の直前部分の
画像データ(そのデータ量は、上記の読出遅延時間と再
生レートとの積に等しい)に加えて、読出停止位置の直
後部分の画像データ(そのデータ量は、上記の読出遅延
時間と再生レートとの積に等しい)が記憶されているこ
とになる。読出制御部213はまた、読出開始命令が入
力されたとき、再生開始位置の直後部分の画像データを
前後記憶部211から読み出し、前後記憶部211から
読み出す以外の部分の画像データを素材サーバ12から
読み出す。これにより、読出停止位置で読み出しをいっ
たん停止した後その位置から再び読み出しを再開する
際、見かけ上、読出遅延がなくなり、速やかな編集処理
の開始が可能となる。
【0176】次に、素材映像を再生しつつ検討作業を行
う場合について、図1のシステムの動作を具体的に説明
する。現在、読出制御部213によって、素材サーバ1
2から素材映像aを読み出して編集処理部216と前後
記憶部211とに与える処理が行われている。編集処理
部216は、素材映像aのタイムコード3:20:15
のフレームを再生する処理を行っており、前後記憶部2
11には、素材映像aのタイムコード3:19:15の
フレームからタイムコード3:20:15のフレームま
での画像データが記憶されている。また、記憶管理部2
12には、素材映像aのタイムコード3:19:15の
フレームからタイムコード3:20:15のフレームま
での画像データが記憶されていることを示す記憶管理情
報が登録されている。
【0177】この時、オペレータが素材映像aの再生動
作を停止させるための命令を入力部214を介して入力
したとする。応じて、読出制御部213は、編集処理部
216へ画像データを出力する動作を停止する(図7の
ステップS205およびS206に相当)。その結果、
素材映像aのタイムコード3:20:15のフレームま
で再生された時点で、再生処理が停止される。
【0178】そして、再生処理が停止されてから読出遅
延に等しい時間(ここでは500ms)が経過した後、
読出制御部213は、素材サーバ12から画像データを
読み出す動作を停止する(ステップS207およびS2
08に相当)。この時点で前後記憶部211には、素材
映像aのタイムコード3:19:30のフレームからタ
イムコード3:20:30のフレームまでの画像データ
が記憶されており、記憶管理部212には、素材映像a
のタイムコード3:19:30のフレームからタイムコ
ード3:20:30のフレームまでの画像データが記憶
されていることを示す記憶管理情報が登録される。
【0179】つまり、素材映像aのタイムコード3:2
0:15のフレームまで再生された時点で再生処理が停
止されると、次に再生が開始されるまでの期間は、前後
記憶部211には、素材映像aのタイムコード3:1
9:30のフレームからタイムコード3:20:30の
フレームまでの画像データが存在していることになる。
【0180】その後、オペレータが、素材映像aの再生
動作を上記の再生停止位置から再開させるための命令
を、入力部214を介して入力したとする。応じて、ノ
ンリニア編集機13は、素材映像aのタイムコード3:
20:16のフレームから再生を再開するが、その際、
読出制御部213は、次のような読出処理を行う。すな
わち、最初、記憶管理部212に登録されている記憶管
理情報を参照する。それによって、再生しようとする素
材映像の先頭部分、すなわち素材映像aのタイムコード
3:20:16のフレームからタイムコード3:20:
30のフレームまでの画像データが前後記憶部211に
存在することを知り、読出制御部213は、素材映像a
のタイムコード3:20:16のフレームからタイムコ
ード3:20:30のフレームまでの画像データを前後
記憶部211から読み出し、それに続くフレーム、すな
わちタイムコード3:21:01のフレーム以降のフレ
ームを素材サーバ12から読み出す(ステップS20
2、S203およびS204に相当)。
【0181】なお、オペレータが、素材映像aを逆方向
に再生する逆再生動作を、上記の再生停止位置から開始
するよう命じた場合には、読出制御部213は、次のよ
うな読出処理を行う。すなわち、最初、記憶管理部21
2に登録されている記憶管理情報を参照する。それによ
って、再生しようとする素材映像の先頭部分、すなわち
素材映像aのタイムコード3:20:14のフレームか
らタイムコード3:19:30のフレームまでの画像デ
ータが前後記憶部211に存在することを知り、読出制
御部213は、素材映像aのタイムコード3:20:1
4のフレームからタイムコード3:19:30のフレー
ムまでの画像データを前後記憶部211から読み出し、
それに続くフレーム、すなわちタイムコード3:19:
29のフレーム以前のフレームを素材サーバ12から読
み出す(ステップS202、S203およびS204に
相当)。
【0182】また、オペレータが、ジャンプ再生など、
上記の再生停止位置以外の位置(例えばタイムコード
5:10:01のフレーム)からの再生開始を命じた場
合には、読出制御部213の読出処理は、次のようにな
る。すなわち、最初、記憶管理部212に登録されてい
る記憶管理情報を参照する。それによって、再生しよう
とする素材映像の先頭部分、すなわち素材映像aのタイ
ムコード5:10:01のフレームからタイムコード
5:10:15のフレームまでの画像データが前後記憶
部211に存在しないことを知り、読出制御部213
は、素材映像aのタイムコード5:10:01のフレー
ム以降のフレームの画像データを、全て素材サーバ12
から読み出す(ステップS202、S203aおよびS
204に相当)。
【0183】以上のように、ノンリニア編集機13を操
作して素材映像を再生しつつ、素材映像のどのカットを
使用するかを検討する作業では、素材映像をある位置ま
で再生していったん再生動作を停止した後、その位置か
ら再び再生動作を開始したり、その位置から逆方向への
再生動作を開始したりすることが頻繁に行われる。ノン
リニア編集機13は、通信網18を介して素材サーバ1
2から素材映像を読み出すにもかかわらず、読出遅延が
見かけ上なくなるような読出動作を行うので、それを操
作するオペレータは、読出遅延を意識することなく快適
に検討作業を行える。
【0184】こうして素材映像a〜cについての検討作
業が終了すると、オペレータは、検討結果(選んだカッ
トの位置や、各カットをどのように繋ぐか、その際どの
ような画像効果を加えるかなど)を、入力部214を介
してノンリニア編集機13に入力する。そこで、ノンリ
ニア編集機13では、編集処理部216が、素材サーバ
12の素材映像a〜cを用いて、入力された検討結果に
基づいて各素材映像から必要なカットを切り出し、それ
らに適宜画像効果を加えて繋ぎ合わせる一連の編集処理
を行う。編集結果の放送用映像は、素材サーバ12へと
転送され、そこに蓄積される。この時点で、編集作業の
完了となる。
【0185】以上のように、番組制作・送出システムで
は、ノンリニア編集機13は、編集処理の実行を中断し
たとき、それを再開するまでの間、素材映像の、読出停
止位置の直前部分および直後部分の画像データを記憶し
ておくので、中断していた編集処理を再開する際、記憶
している画像データを用いて速やかに編集処理を再開で
きる。従って、中断していた編集処理を再開する際に生
じる読出遅延(ノンリニア編集機13が素材サーバ12
から素材映像を読み出す際に生じる遅延)を、見かけ上
なくすことができる。その結果、オペレータは、ノンリ
ニア編集機13が素材サーバ12から素材映像を読み出
す際に生じる読出遅延を感じることがなく、快適に作業
を行える。
【0186】なお、編集結果の放送用映像を素材サーバ
12へと転送する際、次のような転送処理を行うことに
よって、オペレータの待ち時間を短縮できる。すなわ
ち、オペレータは、完成した放送用映像を素材サーバ1
2へと転送する前に、ノンリニア編集機13において正
しく編集処理が実行されたかどうかを確認するなどの目
的で、その映像の全体を通しで再生するのが一般的であ
る。そこで、この再生処理と素材サーバ12への転送処
理とを同時に実行する。つまり、編集処理部216が放
送用映像を再生する際にさらに、その放送用映像を素材
サーバ12へと転送する処理を実行する。
【0187】また、素材サーバ12に蓄積されている放
送用映像を放送する際に、その放送用映像を、ある部分
で用いた画像効果を他の画像効果に変更するなど、一部
手直しして放送したい場合がある。そのような場合、わ
ずかな変更のためにオペレータは編集作業を最初からや
り直さねばならない。そこで、ノンリニア編集機13
は、放送用映像を作成する際にどのような編集処理を実
行したかを示す情報(ここでは編集スクリプトと呼ぶ)
を、編集結果の放送用映像と共に素材サーバ12へと転
送する。そして、素材サーバ12に蓄積されている放送
用映像を一部手直しする際には、ノンリニア編集機13
は、放送用映像の代わりに編集スクリプトを素材サーバ
12から読み出し、読み出した編集スクリプトを一部変
更した後それに基づいて編集処理を実行する。これによ
って、オペレータは、編集作業を最初からやり直すこと
なく、放送用映像を一部手直しできる。
【0188】(第4の実施形態)本発明の第4の実施形
態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の実施
形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様なの
で、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図1
に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施形
態で説明したものと同様である。すなわち、第4の実施
形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12とし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18とし
てデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例
えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その上
で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11やノ
ンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当て
処理を行う。その結果、番組制作・送出システムでは、
素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延や、通
信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延が常に
一定の値以下に収まっている。
【0189】第4の実施形態では、さらに、ノンリニア
編集機13が編集結果の放送用映像を素材サーバ12に
書き込む際の書き込み処理を工夫することによって、こ
の書き込み処理のために、オペレータが、作業を終えた
後、長時間待たされることのないようにする。以下、第
1の実施形態と同様の点については説明を省略し、ノン
リニア編集機13が編集結果の放送用映像を素材サーバ
12に書き込む際の書き込み処理について、詳細に説明
する。
【0190】図8は、図1のノンリニア編集機13の機
能的な構成を示すブロック図である。図8において、ノ
ンリニア編集機13は、放送用映像記憶部311、転送
部312、入力部313、表示部314および編集処理
部315を含む。放送用映像記憶部311は、ハードデ
ィスクなどの記録用ディスクを含み、編集結果の放送用
映像を記憶する。転送部312は、編集結果の放送用映
像を素材サーバ12へと転送する。
【0191】入力部313は、キーボードやマウスなど
を含み、オペレータの指示を入力する。編集処理部31
5は、オペレータの指示に応じて各種編集処理、例えば
各素材映像を素材サーバ12から読み出して再生した
り、読み出した素材映像を用いて編集処理を行ったり、
編集結果の放送用映像を再生する処理を行う。表示部3
14は、ディスプレイを含み、各素材映像や編集結果の
放送用映像を表示する。なお、転送部312および編集
処理部315は、コンピュータ装置を用いてソフト的に
実現される。
【0192】以下には、図1のシステムが放送局におい
て採用された場合について、ノンリニア編集機13の処
理動作を説明する。素材サーバ12はキー局に設置さ
れ、ノンリニア編集機13は各地方局に設けられてい
る。これから地方局において、ある事件の報道番組を製
作するための編集作業が行われる。事件現場の映像や関
係者へのインタビューの映像、スタジオでの討論会の映
像などは予め収録され、素材映像として素材サーバ12
に格納されている。素材サーバ12では、1つの素材映
像(例えば一本の取材テープに相当するもの)が1つの
画像データファイルとして管理されており、各素材映像
には、ファイル識別子が付されている。さらに、素材映
像の各フレームには、タイムコードが付されている。な
お、ここでいう映像は、DVCPRO用のものとする。
【0193】編集作業を担当するオペレータは、素材サ
ーバ12に蓄積されている素材映像のうちどの素材映像
を使用するか、各素材映像のどの部分(カット)を使用
するか、各カットをどのような順番でどのような画像効
果を加えつつ繋ぎ合わせるかなどを、入力部313を操
作して指定する。その後、オペレータが入力部313を
操作して編集処理の開始を命じると、編集処理部315
は、素材映像a〜cを素材サーバ12から読み出して、
指定された編集処理を実行する。
【0194】編集処理部315が処理して得られた放送
用映像は、いったん放送用映像記憶部311に記憶され
る。その後、オペレータは、正しい編集処理が行われた
かどうかを確認するなどの目的で、入力部313を操作
して放送用映像記憶部311の放送用映像を再生するた
めの命令を入力する。応じて編集処理部315は、放送
用映像記憶部311から放送用映像を読み出して再生
し、再生された放送用映像が表示部314のディスプレ
イ上に表示される。このとき、編集処理部315は、再
生しようとする放送用映像と同一の映像を転送部312
へと出力する。転送部312は、与えられた放送用映像
を通信網18を介して素材サーバ12へと転送する。つ
まり、ノンリニア編集機13では、正しい編集処理が行
われたかどうかを確認するために行われる再生処理と、
素材サーバ12への転送処理とが同時に実行される。
【0195】以上のように、番組制作・送出システムで
は、ノンリニア編集機13は、編集処理が正しく行われ
たかどうかを確認するなどの目的で放送用映像を再生し
ている間に、その放送用映像と同じ映像を素材サーバ1
2へと転送するので、オペレータの待ち時間が短縮され
る。
【0196】なお、素材サーバ12に蓄積されている放
送用映像を放送する際に、その放送用映像を、ある部分
で用いた画像効果を他の画像効果に変更するなど、一部
手直しして放送したい場合がある。そのような場合、わ
ずかな変更のためにオペレータは編集作業を最初からや
り直さねばならない。そこで、ノンリニア編集機13
は、放送用映像を作成する際にどのような編集処理を実
行したかを示す情報(ここでは編集スクリプトと呼ぶ)
を、編集結果の放送用映像と共に素材サーバ12へと転
送する。そして、素材サーバ12に蓄積されている放送
用映像を一部手直しする際には、ノンリニア編集機13
は、放送用映像の代わりに編集スクリプトを素材サーバ
12から読み出し、読み出した編集スクリプトを一部変
更した後それに基づいて編集処理を実行する。これによ
って、オペレータは、編集作業を最初からやり直すこと
なく、放送用映像を一部手直しできる。
【0197】(第5の実施形態)本発明の第5の実施形
態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の実施
形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様なの
で、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図1
に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施形
態で説明したものと同様である。すなわち、第5の実施
形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12とし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18とし
てデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例
えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その上
で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11やノ
ンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当て
処理を行う。その結果、番組制作・送出システムでは、
素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延や、通
信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延が常に
一定の値以下に収まっている。
【0198】第5の実施形態では、さらに、ノンリニア
編集機13が編集結果の放送用映像を素材サーバ12に
書き込む際の書き込み処理を工夫することによって、編
集結果の放送用映像を一部手直ししたい場合に、オペレ
ータが編集作業を最初からやり直さなくてもそれを行え
るようにする。以下、第1の実施形態と同様の点につい
ては説明を省略し、ノンリニア編集機13が編集結果の
放送用映像を素材サーバ12に書き込む際の書き込み処
理について、詳細に説明する。
【0199】図9は、図1のノンリニア編集機13の機
能的な構成を示すブロック図である。図9において、ノ
ンリニア編集機13は、編集スクリプト書込部411、
入力部412、表示部413および編集処理部414を
含む。編集スクリプト書込部411は、放送用映像を作
成する際、素材サーバ12に蓄積されている素材映像の
うちどの素材映像を使用したか、各素材映像のどの部分
(カット)を使用したか、各カットをどのような順番で
どのような画像効果を加えつつ繋ぎ合わせたかなどを示
す情報(ここでは編集スクリプトと呼ぶ)を、素材サー
バ12に書き込む。
【0200】入力部412は、キーボードやマウスなど
を含み、オペレータの指示を入力する。編集処理部41
4は、オペレータの指示に応じて各種編集処理、例えば
各素材映像を素材サーバ12から読み出して再生した
り、読み出した素材映像を用いて編集処理を行ったり、
編集結果の放送用映像をサーバ側へと転送する処理を行
う。表示部413は、ディスプレイを含み、各素材映像
や編集結果の放送用映像を表示する。なお、編集スクリ
プト書込部411および編集処理部414は、コンピュ
ータ装置を用いてソフト的に実現される。
【0201】以下には、図1のシステムが上記放送局に
おいて採用された場合について、ノンリニア編集機13
の処理動作を説明する。素材サーバ12はキー局に設置
され、ノンリニア編集機13は各地方局に設けられてい
る。これから地方局において、ある事件の報道番組を製
作するための編集作業が行われる。事件現場の映像や関
係者へのインタビューの映像、スタジオでの討論会の映
像などは予め収録され、素材映像として素材サーバ12
に格納されている。素材サーバ12では、1つの素材映
像(例えば一本の取材テープに相当するもの)が1つの
画像データファイルとして管理されており、各素材映像
には、ファイル識別子が付されている。さらに、素材映
像の各フレームには、タイムコードが付されている。な
お、ここでいう映像は、DVCPRO用のものとする。
【0202】編集作業を担当するオペレータは、素材サ
ーバ12に蓄積されている素材映像のうちどの素材映像
を使用するか、各素材映像のどの部分(カット)を使用
するか、各カットをどのような順番でどのような画像効
果を加えつつ繋ぎ合わせるかなどを、入力部412を操
作して指定する。その後、オペレータが入力部412を
操作して編集処理の開始を命じると、編集処理部414
は、素材映像a〜cを素材サーバ12から読み出して、
指定された編集処理を実行する。
【0203】編集処理部414は、編集処理して得られ
た放送用映像を、通信網18を介して素材サーバ12へ
と転送する。なお、転送された放送用映像は、素材サー
バ12に蓄積され、その後、必要に応じて読み出され、
放送されることになる。
【0204】編集スクリプト書込部411は、編集処理
部414が放送用映像を素材サーバ12へと転送する際
に、その放送用映像の編集スクリプト、すなわち、その
放送用映像を作成する際、素材サーバ12に蓄積されて
いる素材映像のうちどの素材映像を使用したか、各素材
映像のどの部分(カット)を使用したか、各カットをど
のような順番でどのような画像効果を加えつつ繋ぎ合わ
せたかなどを示す情報を、素材サーバ12に書き込む。
【0205】つまり、編集スクリプトには、使用された
素材映像の識別子と、切り出された各カットの位置情報
(例えば各カットの先頭および最終フレームに付された
タイムコードなど)と、各カットの配列情報と、各カッ
トを繋ぎ合わせる際に使用された画像効果を区別するた
めの情報などが含まれる。
【0206】このような編集スクリプトを素材サーバ1
2に蓄積しておけば、素材サーバ12に蓄積されている
放送用映像を放送する際に、その放送用映像をそのまま
放送するのでなく、ある部分で用いた画像効果を他の画
像効果に変更するなど、一部手直しして放送したい場合
に、従来であれば、わずかな変更のために、オペレータ
は編集作業を最初からやり直す必要があったが、その必
要がなくなる。つまり、図1のシステムでは、素材サー
バ12に蓄積されている放送用映像を一部手直ししたい
場合、ノンリニア編集機13の編集処理部414が、素
材サーバ12から放送用映像の代わりに編集スクリプト
を読み出し、読み出した編集スクリプトを一部変更した
後それに基づいて編集処理を実行する。これによって、
オペレータは、編集作業を最初からやり直すことなく、
放送用映像の一部手直しを行える。
【0207】以上のように、番組制作・送出システムで
は、編集処理して得られた放送用映像を一部手直しした
い場合、その編集処理の編集スクリプトを素材サーバ1
2から読み出して、編集スクリプトを一部変更すればよ
いので、オペレータは、編集作業を最初からやり直す手
間が省ける。
【0208】なお、編集結果の放送用映像とその編集ス
クリプトとを素材サーバ12へと転送する際、次のよう
な転送処理を行うことによって、オペレータの待ち時間
を短縮できる。すなわち、オペレータは、完成した放送
用映像を素材サーバ12へと転送する前に、ノンリニア
編集機13において正しく編集処理が実行されたかどう
かを確認するなどの目的で、その映像の全体を通しで再
生するのが一般的である。そこで、この再生処理と素材
サーバ12への転送処理とを同時に実行する。つまり、
編集処理部414が放送用映像を再生する際にさらに、
読み出した放送用映像を素材サーバ12へと転送する処
理を実行する。その処理と相前後して、編集スクリプト
書込部411が編集スクリプトを素材サーバ12に書き
込む処理を実行する。
【0209】(第6の実施形態)本発明の第6の実施形
態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の実施
形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様なの
で、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図1
に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施形
態で説明したものと同様である。すなわち、第6の実施
形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12とし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18とし
てデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例
えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その上
で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11やノ
ンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当て
処理を行う。その結果、番組制作・送出システムでは、
素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延や、通
信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延が常に
一定の値以下に収まっている。
【0210】第6の実施形態では、さらに、素材入力装
置11が素材映像を素材サーバ12に書き込む際の書き
込み処理を工夫することによって、例えば編集作業を開
始する前にオペレータが編集対象の素材映像のおおよそ
の内容を確認するような場合に、帯域を無駄に使用する
ことなく、素材サーバ12からノンリニア編集機13へ
素材映像等の転送を行えるようにする。以下、第1の実
施形態と同様の点については説明を省略し、素材入力装
置11が素材映像を素材サーバ12に書き込む際の書き
込み処理について、詳細に説明する。
【0211】図1において、素材入力装置11は、第1
の実施形態同様、オペレータの操作に応じて、通信回線
やビデオテープ等から素材映像を取り込み、そのフォー
マットをDVフォーマットに変換する。さらに、変換し
て得られる映像データ(DIFデータ)からDC成分を
抽出する。そして、DIFデータ(DC成分を含む)と
そのDC成分とを、別々に素材サーバ12に書き込む
(素材サーバ12に対して書き込み要求を行う)。な
お、DIFデータからDC成分を抽出する技術は、従来
知られているので、説明を省略する。
【0212】DC成分のみで構成される映像はアイコン
映像と呼ばれ、そのデータ量は、元の映像(DIFデー
タで構成される映像)のおよそ10分の1である。つま
り、素材入力装置11は、同一の素材に関し、放送局品
質の映像と、おおよその内容を確認するに十分な程度の
荒いアイコン映像との2種類の素材映像を、素材サーバ
12に書き込むことになる。
【0213】一方、素材サーバ12は、映像ファイルを
管理しており、素材入力装置11からの書き込み要求に
応じ、書き込みモードで2つの映像ファイルをオープン
する。そして、アセット・マネージャ17によって指定
された帯域を用いて、素材映像およびそのアイコン映像
の書き込み処理を実行する。こうして、素材サーバ12
には、素材映像に加え、そのアイコン映像も蓄積されて
いく。
【0214】ノンリニア編集機13を操作するオペレー
タは、例えば編集作業を開始する前に編集対象の素材映
像のおおよその内容を確認するような場合には、編集対
象の素材映像そのものでなく、そのアイコン映像を素材
サーバ12から読み出す。これによって、番組制作・送
出システムでは、素材映像のおおよその内容を確認する
だけのために素材映像を転送して帯域を無駄に使用する
ことがなくなる。換言すれば、同じ帯域を用いて映像を
転送する場合、転送にかかる時間が短くてすむ。
【0215】さらに、ノンリニア編集機13に、一画面
内に複数のウインドウを表示するためのマルチウインド
ウ機能を持たせてもよい。これによって、番組制作・送
出システムでは、上記の確認作業を効率的に行えるよう
になる。すなわち、オペレータが、編集対象の複数の素
材映像のおおよその内容を確認するような場合、ノンリ
ニア編集機13は、マルチウインドウ機能を起動して、
一画面内にそれら複数の素材映像のアイコン映像を同時
に表示する。なお、マルチウインドウ機能それ自体は、
従来より知られているので、詳細な説明は省略する。
【0216】(第7の実施形態)本発明の第7の実施形
態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の実施
形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様なの
で、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図1
に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施形
態で説明したものと同様である。すなわち、第7の実施
形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12とし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18とし
てデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例
えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その上
で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11やノ
ンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当て
処理を行う。その結果、番組制作・送出システムでは、
素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延や、通
信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延が常に
一定の値以下に収まっている。
【0217】第7の実施形態では、さらに、素材サーバ
12において、あるファイルに対して映像の書き込みが
実行されているとき、書き込みの終了を待たずにそのフ
ァイルから記録済みの部分の映像を読み出して編集を開
始できるようにする。以下、第1の実施形態と同様の点
については説明を省略し、素材サーバ12において、あ
るファイルに対して映像の書き込みが実行されていると
き、書き込みの終了を待たずにそのファイルから記録済
みの部分の映像を読み出す際の読み出し処理について、
詳細に説明する。
【0218】図1において、素材サーバ12は、1つの
ファイルを、書き込みモードおよび読み出しモードの両
方のモードで同時にオープンする機能を持つ。1つのフ
ァイルを、書き込みモードおよび読み出しモードの両方
のモードで同時にオープンすることは従来から行われて
おり、同様の技術を素材サーバ12に対して適用するこ
とにより、上記の機能が実現される。
【0219】ところが、1つのファイルを、書き込みモ
ードおよび読み出しモードの両方のモードで同時にオー
プンする場合、次の点が問題となる。例えば、いま、素
材入力装置11によってあるファイルへ映像の書き込み
が実行されているとし、このとき、ノンリニア編集機1
3がそのファイルから映像の読み出しを実行すると、読
み出しポイントが書き込みポイントを追い越す可能性が
ある。
【0220】そこで、素材入力装置11は、自身がある
ファイルへ映像の書き込みを実行している最中に、ノン
リニア編集機13がそのファイルから映像の読み出しを
開始した場合、それ以降、そのノンリニア編集機13に
対して定期的に(例えば一定時間おきに、または一定量
の映像を書き込む毎に)、そのファイルに対して書き込
みを実行中であることを通知するメッセージを送信す
る。これによって、ノンリニア編集機は、ファイルから
の読み出しを、素材入力装置によるそのファイルへの書
き込みと同期を取りつつ行えるようになる。
【0221】さらに、読み出しポイントが書き込みポイ
ントを追い越したとき(正確には、追い越しつつあるこ
とを検知したとき)には、その旨を通知するメッセージ
を、そのノンリニア編集機13に対して送信する。これ
によって、ノンリニア編集機13は、読み出しポイント
が書き込みポイントを追い越すことがないように書き込
みを行えるようになる。
【0222】(第8の実施形態)本発明の第8の実施形
態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の実施
形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様なの
で、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図1
に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施形
態で説明したものと同様である。すなわち、第8の実施
形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12とし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18とし
てデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例
えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その上
で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11やノ
ンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当て
処理を行う。その結果、番組制作・送出システムでは、
素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延や、通
信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延が常に
一定の値以下に収まっている。
【0223】第8の実施形態では、さらに、ノンリニア
編集機13が編集途中の素材映像を素材サーバ12に書
き込む際の書き込み処理を工夫することによって、1つ
の番組を制作するための編集作業を複数のオペレータが
共同で行うような場合に、編集途中の映像ファイルを複
数のオペレータが共有できるようにし、その結果とし
て、素材サーバ12の容量と、通信網18の通信帯域や
素材サーバ12の読出帯域とを節約できるようにする。
以下、第1の実施形態と同様の点については説明を省略
し、ノンリニア編集機13が編集途中の素材映像を素材
サーバ12に書き込む際の書き込み処理について、詳細
に説明する。
【0224】第1の実施形態では、素材映像は、全てフ
ァイルとして扱われていた。一方、本実施形態では、オ
ブジェクトという概念を導入する。オブジェクトは、素
材映像ファイルの一部分であって、そのデータサイズ
は、1フレームの整数倍である。なお、オブジェクト
は、第5の実施形態で説明した”カット”(映像の一部
分)と同等のものである。
【0225】図10は、図1のノンリニア編集機13の
ソフト構造を示す図である。図10において、RT−R
FS(Real−time Remote File
Access)511は、素材サーバ12のファイル
(分散ファイル)へとアクセスするためのクライアント
ソフトである。RT−LFS(Real−time L
ocal File Access)512は、ノンリ
ニア編集機13自身のファイル(ローカルファイル)へ
とアクセスするためのクライアントソフトであり、リア
ルタイムアクセスが行える。
【0226】DVコーデックカード513は、DIFデ
ータをNTSC信号に変換して、画面に映像を表示す
る。オペレーティングシステム(OS)514として
は、例えば”Windows NT”が用いられる。ア
プリケーション515は、編集ソフトであり、DBMS
ライブラリ,ストリーム制御ライブラリ,仮想VTR制
御ライブラリ等のライブラリ類と、オブジェクトマネー
ジャとからなる。オブジェクトマネージャが、編集処理
の中核をつかさどるソフトであり、RT−RFS511
またはRT−LFS512の素材映像ファイルをオープ
ンして必要な部分を特定し、その部分を切り出してオブ
ジェクトを生成する。
【0227】例えばカット編集を行う場合、アプリケー
ション515は、オブジェクトマネージャが生成した複
数のオブジェクトの表示順番(繋ぎ合わせる順番)を表
すシナリオデータ(記述ファイル)を生成する。また、
オブジェクトにモザイク等の特殊効果を加える場合、そ
の旨のシナリオデータを作成する。上記のシナリオデー
タ(複数のオブジェクトをどのような順番で繋ぎ合わせ
るか、あるいは各オブジェクトにどのような特殊効果を
加えるか等を示すデータ)を、ここでは拡張EDLと呼
ぶ。なお、拡張EDLは、第5の実施形態で説明した”
編集スクリプト”と同等のものである。
【0228】アプリケーション515は、オブジェクト
マネージャが生成したオブジェクトを、DBMSライブ
ラリを用いてアセット・マネージャ17内のDBMS1
9に登録する。また、自らが作成した拡張EDLを、D
BMSライブラリを通じて、アセット・マネージャ17
内のDBMS19に登録する。なお、拡張EDLを蓄積
する場合には、アプリケーション515は、拡張EDL
の実体データを素材サーバ12に書き込む。なお、DB
MS19に登録されたオブジェクトの実体データは、既
に素材サーバ内に存在する。
【0229】DMBSに登録されたオブジェクトおよび
拡張EDLへは、通信網18に接続されたどの端末から
でもアクセスすることが可能である。例えば、ノンリニ
ア編集機13からアクセスして、拡張EDLを用いてオ
ブジェクトを再生し、表示する。この場合、再生とは、
拡張EDLのシナリオに従って、例えばオブジェクトに
特殊効果を加えたり、複数のオブジェクトを繋ぎ合わせ
たりして放送用映像を構成することである。
【0230】このように、拡張EDLは仮想的な映像で
あって、拡張EDLを幾つ生成しても、現実の映像デー
タが増えるわけではない。従って、番組制作・送出シス
テムでは、ノンリニア編集機13が通信網18に複数台
接続されているとして、1つの番組を共同で編集する場
合に、1つの番組について編集途中の映像ファイルが複
数存在しても、実体データはオブジェクトだけなので、
素材サーバ12の容量を無駄に消費することがなくな
る。
【0231】また、ノンリニア編集機13からオンエア
サーバ15へは、放送用映像そのものの代わりに、拡張
EDLを転送すればよいので、放送用映像の転送を高速
に行えるようになる。つまり、オンエアサーバ15は、
ノンリニア編集機13から転送されてきた拡張EDLを
用いて、素材サーバ12から転送されてきたオブジェク
トをもとに放送用映像を再生し、それを蓄積する。こう
すれば、オブジェクトの実体データが素材サーバ12か
らオンエアサーバ15へと転送されるだけなので(拡張
EDLの実体データの量は、オブジェクトのそれと比べ
て無視できるほど少ない)、通信網18上を転送される
実体データの量を減らすことができる。これらの結果と
して、番組制作・送出システムでは、共同編集が行いや
すくなる。
【0232】なお、本実施形態は、素材サーバ12に1
080IなどのHD映像を蓄積し、ノンリニア編集機1
3において480Iで編集を行なう場合にも応用きる。
【0233】(第9の実施形態)本発明の第9の実施形
態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の実施
形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様なの
で、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図1
に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施形
態で説明したものと同様である。すなわち、第9の実施
形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12とし
て、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素材
サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18とし
てデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網(例
えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その上
で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11やノ
ンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当て
処理を行う。その結果、番組制作・送出システムでは、
素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延や、通
信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延が常に
一定の値以下に収まっている。
【0234】第9の実施形態では、さらに、素材サーバ
12を増設したうえで、素材入力装置11が素材映像を
それら素材サーバ12に書き込む(あるいはノンリニア
編集機13が放送用映像をそれら素材サーバ12に書き
込む)際の書き込み処理を工夫することによって、素材
サーバ12を増設して同時アクセス数の上限を引き上げ
る際、素材サーバ12の数が多くなるのに応じて、それ
らの実効的な総容量も増えるようにする。以下、第1の
実施形態と同様の点については説明を省略し、素材入力
装置11が素材映像を複数の素材サーバ12に書き込む
際の書き込み処理について、詳細に説明する。
【0235】図11は、図1のシステムにおいて素材サ
ーバ12を増設した場合に、素材入力装置11が、素材
映像を、複数の素材サーバ12にどのように書き込むか
を説明するための図である。図11において、番組制作
・送出システムには、8台の素材サーバ12が設けられ
ており、いま、素材入力装置11が1つの素材映像の書
き込み処理を実行しようとしている。このとき、素材入
力装置11は、書き込もうとする素材映像を、一定のデ
ータ量(例えば16kB)を持つ複数のクリップ映像
(図中、A,B,C,…)に分割していき、これらクリ
ップ映像を順番に、8台の素材サーバ12へと書き込ん
でいく(8台の素材サーバ12に対して書き込み要求を
行う)。応じて、8台の素材サーバ12はそれぞれ、同
一のファイル名を持つ1つのファイルをオープンし、割
り当てられたクリップ映像をそのファイルに書き込む。
こうして、1つの素材映像が複数のクリップ映像に分割
され、8台の素材サーバ12に分散して記録されてい
く。
【0236】一方、ノンリニア編集機13(図11には
示されていない)は、8台の素材サーバ12に上記のよ
うにして分散記録された1つの素材映像を、素材入力装
置11が書き込んだのとは逆の順序で読み出す。なお、
クリップ映像を書き込む順番は、予め決めておく。また
は、素材入力装置11からノンリニア編集機13へその
都度、書き込んだ順番を通知してもよい。
【0237】上記のような書き込み処理を行えば、例え
ば素材サーバ12を1台から8台に増設して同時アクセ
ス数を8倍に増やす際には、それら8台の素材サーバ1
2の実効的な総容量も8倍になる。なぜなら、同一ファ
イル名の映像ファイルが1つずつ各素材サーバ12に存
在するので、同時アクセス数は8倍となり、一方、1つ
1つの映像ファイルに書き込まれるデータ量は、それぞ
れ上記1つの素材映像のデータ量の8分の1となるから
である。
【0238】以上のように、番組制作・送出システムで
は、素材サーバを増設して同時アクセス数の上限を引き
上げる際に、素材サーバの数が多くなるのに応じて、そ
れら素材サーバの実効的な総容量も増えるようになる。
【0239】(第10の実施形態)本発明の第10の実
施形態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の
実施形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様な
ので、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図
1に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施
形態で説明したものと同様である。すなわち、第10の
実施形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12と
して、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素
材サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18と
してデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網
(例えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その
上で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11や
ノンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当
て処理を行う。その結果、番組制作・送出システムで
は、素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延
や、通信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延
が常に一定の値以下に収まっている。
【0240】利用済みの素材映像や送出済みの放送用映
像を、オペレータに負担をかけることなく磁気テープ等
に記録して保存できるよう、アーカイブ系16を設け
て、素材サーバ12からこのアーカイブ系16へ通信網
18を通じて素材映像や送出済み映像を転送することに
ついては、第1の実施形態で既に説明した。本実施形態
では、このアーカイブ系16の構成および動作につい
て、さらに詳しく説明する。
【0241】図1において、アーカイブ系16は、ノン
リニア編集機13からの依頼を受け、素材サーバ12か
ら通信網18を通じて素材映像や送出済み映像を読み出
す。そして、読み出した映像を磁気テープに記録し、保
存する。ここで、仮に、通信網18が(従来のように)
FTPを採用したATM網であるとすれば、通信網18
を通じて転送されてくる映像を磁気テープに書き込む場
合、転送の速度と、テープへの書き込みの速度とが一致
しないことが問題となる。つまり、アーカイブ系16の
記録速度が一定である一方、通信網18の転送速度は変
動するので、転送されてくる映像をリアルタイムには磁
気テープに書き込めない。よって、アーカイブ系16に
は、両者の速度差を吸収するバッファ等を設ける必要が
ある。
【0242】ところが、図1のシステムでは、通信網1
8がSSCOPを採用したATM網なので、一定速度の
データ転送が可能なことが保証されており、よって、ア
ーカイブ系16には、転送速度とテープへの書き込み速
度との差を吸収するバッファ等を設ける必要がない。
【0243】図12は、図1のアーカイブ系16の構成
の一例を示す図である。図12において、アーカイブ系
16では、主要な記録媒体として、磁気テープが用いら
れている。磁気テープは、ストレージ・サブシステム6
11のコントローラ612によって管理されている。映
像入出力用のVTR613は、映像信号用のインターフ
ェースとしてSDIを、制御コマンド用のインタフェー
スとしてRS422を持ち、ルータスイッチ614に接
続されている。
【0244】非同期・同期変換ゲートウェイ(以下、G
W)615は、ノンリニア編集機13等からの依頼を受
け、素材サーバ12等から通信網18を通じて一定速度
で映像を読み出して、VTR613へと引き渡す(この
サービスを、ストリーム制御サービスと呼んでいる)。
ここでは、ストリーム制御サービスは、CORBA(C
ommon Object Request Brok
er Architecture)のオブジェクトとし
て提供されている。なお、GW615は、アーカイブ系
16のコントローラ616にイーサネット617を使っ
て制御コマンドを送ることができ、また、アセット・マ
ネージャ17内のDBMS19や、アーカイブ系16内
のDBMS618にアクセスすることもできる。
【0245】図13は、図12のGW615のソフト構
造を示す図である。図13において、アプリケーション
711は、素材サーバ12等から通信網18を通じて一
定速度で映像を読み出すためのGWソフトである。すな
わち、アプリケーション711は、最初、ノンリニア編
集機13等からの依頼を受け付け、それに応じて、素材
サーバ12から放送用映像等を読み出す(素材サーバ1
2に対して読み出し要求を行う)。
【0246】この読み出し処理を実行するには、素材サ
ーバ12からアーカイブ系16内のGW615へ通信網
18を通じてデータ転送を行うための帯域を確保する必
要がある。よって、アプリケーション711は、読み出
し処理を実行する前に、データ転送に必要な帯域をアセ
ット・マネージャ17に申告する。申告に応じて、アセ
ット・マネージャ17は、帯域割り当て処理を行う。こ
れらの処理については、第1の実施形態で既に説明し
た。次に、アプリケーション711は、読み出した映像
を、VTR613へと引き渡す。アプリケーション71
1は、以上の処理を繰り返し実行する。
【0247】これによって、番組制作・送出システムで
は、利用済みの素材映像や送出済みの放送用映像を、オ
ペレータに作業負担をかけることなく磁気テープに記録
して保存できるようになる。
【0248】なお、本実施形態において、アーカイブ系
16への記録を確実に行う目的で、さらに、次のような
処理を行ってもよい。すなわち、GW615に、読み出
したファイルを一時的に記憶するためのローカル記憶部
619を設ける(図12参照)。GW615は、通信網
18を通じて読み出した映像(映像ファイル)を、VT
R613に引き渡すと共に、このローカル記憶部619
に書き込む。そして、VTR613が、引き渡された映
像を磁気テープに記録し終えると、GW615は、VT
R613を通じて、磁気テープに記録された映像を読み
出して、ローカル記憶部619に記憶している映像と照
合する。照合の結果、両者に一致しない箇所があった場
合、GW615は、記録ミスが生じたと判断し、その旨
を依頼元のノンリニア編集機13等に通知する。一方、
照合の結果、両者が一致した場合、GW615は、映像
がVTR613に正しく記録されたと判断し、ローカル
記憶部619内の映像を消去する。
【0249】(第11の実施形態)本発明の第11の実
施形態に係る番組制作・送出システムの構成は、第1の
実施形態に係る番組制作・送出システムの構成と同様な
ので、以下の説明にも図1のブロック図を援用する。図
1に示される各構成要素の基本的な動作は、第1の実施
形態で説明したものと同様である。すなわち、第11の
実施形態でも、第1の実施形態同様、素材サーバ12と
して、データ読み出しのリアルタイム性が保証された素
材サーバ(例えばPanaViSS)を、通信網18と
してデータ転送のリアルタイム性が保証された通信網
(例えばSSCOPを用いたATM網)を採用し、その
上で、アセット・マネージャ17が素材入力装置11や
ノンリニア編集機13等からの申告に応じて帯域割り当
て処理を行う。その結果、番組制作・送出システムで
は、素材サーバ12から映像を読み出す際の読出遅延
や、通信網18を通じてデータを転送する際の転送遅延
が常に一定の値以下に収まっている。
【0250】また、ブラウズサーバ14を設けて、イン
ターネット等を通じて局外からシステムにアクセスでき
るようにしたので、取材活動や原稿作成を行うジャーナ
リストらが、例えば取材先で素材サーバ12に蓄積され
ている素材映像等を参照しながら原稿を作成するなど、
局外から容易に番組制作に参加できるようになってい
る。
【0251】第11の実施形態では、さらに、ブラウズ
サーバ14が素材サーバ12から素材映像等を読み出し
て蓄積する際の蓄積著理を工夫することによって、イン
ターネット等を通じて局外からシステムにアクセスして
素材映像等を読み出す際に、読み出しにかかる時間を短
縮し、通信ストを低く抑えることができるようにする。
以下、第1の実施形態と同様の点については説明を省略
し、ブラウズサーバ14が素材映像等を蓄積する処理に
ついて、詳細に説明する。
【0252】図1において、ブラウズサーバ14は、素
材サーバ12から転送されてきた素材映像や放送用映像
のフォーマットをDVからMPEGへと変換し、変換後
の映像を蓄積する。映像のフォーマットをDVからMP
EGに変換する技術は、従来知られているので、説明を
省略する。こうして、ブラウズサーバ14には、MPE
Gフォーマットを有する素材映像や放送用映像が蓄積さ
れていく。
【0253】ブラウズサーバ14には、パソコン等の端
末がインターネット,LAN等を介して接続されてお
り、蓄積しているMPEGフォーマットの素材映像や放
送用映像を端末へと送信する。ブラウズサーバ14が映
像のフォーマットをDVからMPEGに変換するのは、
圧縮率を高めてデータ量を減らすことによって、インタ
ーネット等を通じた映像の転送処理を高速化するためで
ある。転送処理を高速化すれば、読み出し時間が短縮さ
れてジャーナリストらが能率よく作業を行えるようにな
り、また通信コストも低く抑えることができる。局外で
活動するジャーナリストは、端末に表示される映像を見
ながら、迅速に原稿作成を行う。
【0254】以上のように、番組制作・送出システムで
は、ブラウズサーバ14が映像のフォーマットをDVか
らMPEGに変換してデータ量を減らしたうえで蓄積す
るので、ブラウズサーバ14の容量が小さくて済む。ま
た、外部への映像の転送処理を高速化することができ
る。転送処理を高速化すれば、読み出し時間が短縮され
てジャーナリストらが能率よく作業を行えるようにな
り、また通信コストも低く抑えることができるようにな
る。
【0255】(第12の実施形態)図14は、本発明の
第12の実施形態に係る番組制作・送出システムの構成
を示すブロック図である。第1〜第11の実施形態に係
る番組制作・送出システムは、主として、キー局と複数
の地方局とからなる放送局への適用を想定していたが、
第12の実施形態に係る番組制作・送出システム(以
下、番組制作・送出システム)は、単一の地方局に適用
することを想定しており、小型・低価格という特徴を持
つ。
【0256】図14において、番組制作・送出システム
は、コンパクト・ビデオサーバ810と、ノンリニア編
集機13と、それらを接続するATM通信回線等とを備
えている。コンパクト・ビデオサーバ810は、ATM
交換ファブリック(図15において参照番号911で示
されている)上において、素材入力部811、素材サー
バ部812、オンエアサーバ部813およびアセット・
マネージャ部814が一体構成されたものである。これ
ら各部は、それぞれ図1の対応する構成要素と同様の動
作を行う(第1の実施形態を参照)。
【0257】すなわち、素材サーバ部811としてPa
naViSSを採用し、SSCOPを用いたATM交換
ファブリック911上で、アセット・マネージャ部81
4が素材入力部811やオンエアサーバ部813からの
申告に応じて帯域割り当て処理を行う。その結果、番組
制作・送出システムでは、素材サーバ部812から映像
を読み出す際の読出遅延や、ATM交換ファブリックを
通じてデータを転送する際の転送遅延が一定の値以下に
収まっている(その結果、画面フリーズ等が生じな
い)。
【0258】図15は、図14のコンパクト・ビデオサ
ーバ810に用いられるATM交換ファブリック911
の動作を説明するためのブロック図である。図15にお
いて、ATM交換ファブリック911は、4つのPCI
バス912〜915の間のデータ転送を行う。これらP
CIバス912〜915は、互いに独立しているため、
それぞれCPUカードを挿入して、”VxWorks”
や”WindowsNT”のような別々のオペレーティ
ング・システムを動作させることができる。
【0259】以上のように、コンパクト・ビデオサーバ
810は、交換ファブリック上において、素材サーバ部
812、素材入力部811、オンエアサーバ部813お
よびアセット・マネージャ部814が一体構成されたも
のである。よって、番組制作・送出システムは、サイズ
がコンパクトであり、地方局において用いるのに適す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る番組制作・送出
システムの構成を示すブロック図である(第2〜第11
の実施形態にも援用している)。
【図2】図1の通信網18(SSCOPを採用したAT
M網)の構造を示す図である。
【図3】図1のアセット・マネージャ17(内のSRM
20)が行う帯域割り当て処理を示すフローチャートで
ある。
【図4】図1のノンリニア編集機13(第2の実施形
態)の機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】図4の読出制御部114の動作を示すフローチ
ャートである。
【図6】図1のノンリニア編集機13(第3の実施形
態)の機能的な構成を示すブロック図である。
【図7】図6の読出制御部213の動作を示すフローチ
ャートである。
【図8】図1のノンリニア編集機13(第4の実施形
態)の機能的な構成を示すブロック図である。
【図9】図1のノンリニア編集機13(第5の実施形
態)の機能的な構成を示すブロック図である。
【図10】図1のノンリニア編集機13(第8の実施形
態)のソフト構造を示す図である。
【図11】図1のシステム(第9の実施形態)において
素材サーバ12を増設した場合に、素材入力装置11
が、素材映像を、複数の素材サーバ12にどのように書
き込むかを説明するための図である。
【図12】図1のアーカイブ系16(第10の実施形
態)の構成の一例を示す図である。
【図13】図12のGW615のソフト構造を示す図で
ある。
【図14】本発明の第12の実施形態に係る番組制作・
送出システム(地方局用システム)の構成を示すブロッ
ク図である。
【図15】図14のコンパクト・ビデオサーバ810に
用いられるATM交換ファブリック911の動作を説明
するためのブロック図である。
【図16】新たな従来のシステム(ノンリニア編集シス
テム)の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11…素材入力装置 12…素材サーバ 13…ノンリニア編集機 14…ブラウズサーバ 15…オンエアサーバ 16…アーカイブ系 17…アセット・マネージャ 18…通信網 19…DBMS 20…SRM 615…非同期・同期変換ゲートウェイ(GW) 619…ローカル記憶部 810…コンパクト・ビデオサーバ 811…素材入力部 812…素材サーバ部 813…オンエアサーバ部 814…アセット・マネージャ部 911…ATM交換ファブリック
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/91

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材映像を放送用映像に編集加工する編
    集処理を行って番組を制作し、送出するための番組制作
    ・送出システムであって、 素材映像と放送用映像とを蓄積するための素材サーバ
    と、 入力される素材映像を前記素材サーバに書き込む素材入
    力装置と、 前記素材サーバから素材映像を読み出して前記編集処理
    を行い、得られた放送用映像を当該素材サーバに再び書
    き込むノンリニア編集機と、 前記素材サーバから放送用映像を読み出して蓄積し、当
    該放送用映像を番組として送出するためのオンエアサー
    バと、 前記素材サーバ、前記素材入力装置、前記ノンリニア編
    集機および前記オンエアサーバを相互に接続する通信網
    と、 前記素材サーバへの書き込みまたは前記素材サーバから
    の読み出しに伴って行われる前記通信網を通じた転送処
    理に際して帯域の割り当てを行うアセット・マネージャ
    とを備え、 前記通信網は、転送遅延が常に一定の値以下に収まるよ
    うな通信網であり、 前記素材サーバは、読出遅延が常に一定の値以下に収ま
    るような素材サーバであることを特徴とする、番組制作
    ・送出システム。
  2. 【請求項2】 前記素材入力装置、前記ノンリニア編集
    機および前記オンエアサーバはそれぞれ、前記素材サー
    バへの書き込みまたは前記素材サーバからの読み出しを
    行う際、予め、必要な帯域を前記アセット・マネージャ
    に申告し、 前記アセット・マネージャは、前記素材入力装置、前記
    ノンリニア編集機および前記オンエアサーバからそれぞ
    れ必要帯域の申告を受けると、当該必要帯域を割り当て
    可能か否かを判断して、その判断結果に基づいて帯域の
    割り当てを行うことを特徴とする、請求項1に記載の番
    組制作・送出システム。
  3. 【請求項3】 前記通信網は、再送機能としてSSCO
    Pを採用したATM網であり、 前記素材サーバは、PanaViSSであることを特徴
    とする、請求項1に記載の番組制作・送出システム。
  4. 【請求項4】 前記ノンリニア編集機は、 前記素材サーバに蓄積されている素材映像のうち、これ
    から行おうとする複数の編集処理で用いられる全ての素
    材映像を予め選択するための入力手段と、 前記素材サーバから前記入力手段を介して選択された各
    素材映像を続けて読み出す先行読出処理を行う先行読出
    手段と、 前記先行読出手段が読み出した素材映像を記憶するため
    の記憶手段と、 各前記編集処理を、前記記憶手段から素材映像を読み出
    しながら行う編集処理手段とを含み、 前記編集処理手段は、各前記編集処理を行うとき、前記
    先行読出手段が先行読出処理を実行中でありかつ当該編
    集処理に必要な素材映像がまだ前記記憶手段に記憶され
    ていない場合には、当該先行読出手段に先行読出処理の
    実行を中断させた後、当該素材映像を前記素材サーバか
    ら読み出しながら当該編集処理を行うことを特徴とす
    る、請求項1に記載の番組制作・送出システム。
  5. 【請求項5】 前記編集処理手段は、素材映像を前記素
    材サーバから読み出しながら編集処理を行う際、読み出
    した素材映像を前記記憶手段に記憶させる処理を併せて
    行うことを特徴とする、請求項4に記載の番組制作・送
    出システム。
  6. 【請求項6】 前記先行読出手段は、素材映像の選択が
    行われた時点で、前記先行読出処理の実行を開始するこ
    とを特徴とする、請求項4に記載の番組制作・送出シス
    テム。
  7. 【請求項7】 前記編集処理手段は、各前記編集処理を
    行うとき、前記先行読出手段が先行読出処理を中断して
    おりかつ当該編集処理に必要な素材映像がすでに前記記
    憶手段に記憶されている場合には、当該先行読出手段に
    先行読出処理の実行を再開させた後、当該素材映像を当
    該記憶手段から読み出しながら当該編集処理を行い、 前記先行読出手段は、中断していた先行読出処理の実行
    を再開するときには、前記入力手段を介して選択された
    各素材映像の、前記記憶手段に記憶されている以外の部
    分を読み出すことを特徴とする、請求項4に記載の番組
    制作・送出システム。
  8. 【請求項8】 前記先行読出手段は、前記編集処理手段
    の処理速度よりも速い速度で素材映像を読み出すことを
    特徴とする、請求項4に記載の番組制作・送出システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記先行読出手段は、前記通信網の混雑
    状況に応じて、素材映像を読み出す速度を変化させるこ
    とを特徴とする、請求項4に記載の番組制作・送出シス
    テム。
  10. 【請求項10】 前記ノンリニア編集機は、前記編集処
    理を、前記素材サーバから素材映像を読み出しながら行
    う編集処理手段と、 前記編集処理の実行が中断されたとき、それが再開され
    るまでの間、前記素材映像の、前記編集処理手段が読み
    出しを停止した位置の直前部分および直後部分の画像デ
    ータを記憶しておくための記憶手段とを含む、請求項1
    に記載の番組制作・送出システム。
  11. 【請求項11】 前記記憶手段は、記憶している時間が
    長いものから順番に画像データを削除しつつ、与えられ
    る画像データを記憶していくことによって、前記素材映
    像の、前記編集処理手段が現在読み出している位置の直
    前部分の画像データを記憶する機能を実現し、 前記編集処理手段は、前記編集処理の実行を中断した後
    も所定の時間だけ、前記素材サーバから素材映像を読み
    出して前記記憶手段に与える動作を継続することを特徴
    とする、請求項10に記載の番組制作・送出システム。
  12. 【請求項12】 前記記憶手段は、画像データを、前記
    編集処理手段の処理速度と当該編集処理手段が前記素材
    サーバから素材映像を読み出す際に生じる遅延との積の
    2倍に相当する量だけ記憶し、 前記編集処理手段は、前記編集処理の実行を中断した後
    も前記遅延に相当する時間だけ、前記素材サーバから素
    材映像を読み出して前記記憶手段に与える動作を継続す
    ることを特徴とする、請求項11に記載の番組制作・送
    出システム。
  13. 【請求項13】 前記ノンリニア編集機は、 前記素材サーバに蓄積されている素材映像を用いて編集
    処理を行う編集処理手段と、 前記編集処理手段が処理して得られた放送用映像を再生
    する再生手段と、 前記編集処理手段が処理して得られた放送用映像を前記
    素材サーバへと転送する転送手段とを含み、 前記転送手段は、前記再生手段が前記放送用映像を再生
    している間に、当該放送用映像と同じ映像を前記素材サ
    ーバへと転送することを特徴とする、請求項1に記載の
    番組制作・送出システム。
  14. 【請求項14】 前記ノンリニア編集機は、 前記素材サーバに蓄積されている素材映像を用いて編集
    処理を行う編集処理手段と、 前記編集処理手段によって行われた編集処理の手順を記
    述した編集スクリプトを、前記素材サーバへと書き込む
    編集スクリプト書込手段とを含む、請求項1に記載の番
    組制作・送出システム。
  15. 【請求項15】 前記素材入力装置は、 入力される素材映像のフォーマットをDVフォーマット
    に変換し、 変換して得られるDIFデータから、DC成分を抽出
    し、 前記DIFデータを素材映像として、前記DC成分を当
    該素材映像のアイコン映像として、別々に前記素材サー
    バに書き込むことを特徴とする、請求項1に記載の番組
    制作・送出システム。
  16. 【請求項16】 前記ノンリニア編集機は、1画面内に
    複数のウインドウを表示するマルチウインドウ機能を有
    し、複数の素材映像のアイコン映像を読み出して1画面
    内に同時に表示することを特徴とする、請求項15に記
    載の番組制作・送出システム。
  17. 【請求項17】 前記素材サーバは、1つのファイルを
    書き込みモードおよび読み出しモードの両方でオープン
    する機能を有し、 前記素材サーバが、前記素材入力装置からの書き込み要
    求と前記ノンリニア編集機からの読み出し要求とに応じ
    て、1つのファイルを書き込みモードおよび読み出しモ
    ードの両方でオープンしているとき、当該素材入力装置
    は、当該ノンリニア編集機に対して、当該1つのファイ
    ルへの書き込みを実行中であることを通知するメッセー
    ジを、定期的に送信することを特徴とする、請求項1に
    記載の番組制作・送出システム。
  18. 【請求項18】 前記1つのファイルにおいて、前記ノ
    ンリニア編集機による読み出しのポイントが前記素材入
    力装置による書き込みのポイントを追い越したか、また
    は追い越しつつある場合には、当該素材入力装置は、当
    該ノンリニア編集機に対して、読み出しポイントが書き
    込みポイントを追い越したかまたは追い越しつつあるこ
    とを通知するメッセージを送信することを特徴とする、
    請求項17に記載の番組制作・送出システム。
  19. 【請求項19】 前記ノンリニア編集機は、 前記素材サーバから素材映像を読み出して、当該素材映
    像の一部分を切り出すことによって、編集加工の単位と
    なるオブジェクトを生成し、 複数の前記オブジェクトに対して施すべき編集加工の手
    順を記述した記述ファイルを作成し、 複数の前記オブジェクトおよび前記記述ファイルを前記
    アセット・マネージャに登録することを特徴とする、請
    求項1に記載の番組制作・送出システム。
  20. 【請求項20】 前記素材サーバは、複数であり、 前記素材入力装置は、書き込もうとする素材映像を一定
    データ量の複数のクリップ映像に分割して、それらクリ
    ップ映像を順番に複数の前記素材サーバに書き込んでい
    き、 前記ノンリニア編集機は、前記素材入力装置が書き込ん
    だのとは逆の順序で、複数の前記素材サーバからクリッ
    プ映像を読み出して繋ぎ合わせることを特徴とする、請
    求項19に記載の番組制作・送出システム。
  21. 【請求項21】 素材映像を放送用映像に編集加工する
    編集処理を行って番組を制作し、送出するための番組制
    作・送出システムであって、 素材映像と放送用映像とを蓄積するための素材サーバ
    と、 入力される素材映像を前記素材サーバに書き込む素材入
    力装置と、 前記素材サーバから素材映像を読み出して前記編集処理
    を行い、得られた放送用映像を当該素材サーバに再び書
    き込むノンリニア編集機と、 前記素材サーバから放送用映像を読み出して蓄積し、当
    該放送用映像を番組として送出するためのオンエアサー
    バと、 前記素材サーバおよび/または前記オンエアサーバから
    素材映像および/または放送用映像を読み出して記録・
    保存するためのアーカイブ系と、 前記素材サーバ、前記素材入力装置、前記ノンリニア編
    集機、前記オンエアサーバおよび前記アーカイブ系を相
    互に接続する通信網と、 前記素材サーバへの書き込みまたは前記素材サーバから
    の読み出しに伴って行われる前記通信網を通じた転送処
    理に際して帯域の割り当てを行うアセット・マネージャ
    とを備え、 前記通信網は、転送遅延が常に一定の値以下に収まるよ
    うな通信網であり、 前記素材サーバは、読出遅延が常に一定の値以下に収ま
    るような素材サーバであり、 前記素材入力装置、前記ノンリニア編集機、前記オンエ
    アサーバおよび前記アーカイブ系はそれぞれ、前記素材
    サーバへの書き込みまたは前記素材サーバからの読み出
    しを行う際、予め、必要な帯域を前記アセット・マネー
    ジャに申告し、 前記アセット・マネージャは、前記素材入力装置、前記
    ノンリニア編集機、前記オンエアサーバおよび前記アー
    カイブ系からそれぞれ必要帯域の申告を受けると、当該
    必要帯域を割り当て可能か否かを判断して、その判断結
    果に基づいて帯域の割り当てを行うことを特徴とする、
    番組制作・送出システム。
  22. 【請求項22】 前記アーカイブ系は、 映像を一定の記録速度で磁気テープに記録するVTR
    と、 前記ノンリニア編集機の依頼を受けて、前記素材サーバ
    および/または前記オンエアサーバから、前記通信網を
    通じて前記一定の記録速度と等しい読出速度で素材映像
    および/または放送用映像を読み出し、当該映像を前記
    VTRへと引き渡すゲートウェイとを含む、請求項21
    に記載の番組制作・送出システム。
  23. 【請求項23】 前記ゲートウェイには、ローカル記憶
    部が設けられており、 前記ゲートウェイは、 読み出した素材映像および/または放送用映像を前記V
    TRへと引き渡す際に、当該映像を前記ローカル記憶部
    に一時記憶しておき、 前記VTRが素材映像および/または放送用映像を磁気
    テープに記録し終えると、当該磁気テープに記録された
    映像を、前記ローカル記憶部に一時記憶している映像と
    照合し、 照合の結果、前記磁気テープに記録された映像と前記ロ
    ーカル記憶部に一時記憶している映像とが一致した場
    合、後者の映像を消去し、一致しない場合、依頼元の前
    記ノンリニア編集機に対して記録ミスの発生を通知する
    ことを特徴とする、請求項22に記載の番組制作・送出
    システム。
  24. 【請求項24】 素材映像を放送用映像に編集加工する
    編集処理を行って番組を制作し、送出するための番組制
    作・送出システムであって、 素材映像と放送用映像とを蓄積するための素材サーバ
    と、 入力される素材映像を前記素材サーバに書き込む素材入
    力装置と、 前記素材サーバから素材映像を読み出して前記編集処理
    を行い、得られた放送用映像を当該素材サーバに再び書
    き込むノンリニア編集機と、 前記素材サーバから放送用映像を読み出して蓄積し、当
    該放送用映像を番組として送出するためのオンエアサー
    バと、 前記素材サーバおよび/または前記オンエアサーバから
    素材映像および/または放送用映像を読み出して蓄積
    し、当該素材映像および/または放送用映像をシステム
    の外部へと送信するブラウズサーバと、 前記素材サーバ、前記素材入力装置、前記ノンリニア編
    集機、前記オンエアサーバおよび前記ブラウズサーバを
    相互に接続する通信網と、 前記素材サーバへの書き込みまたは前記素材サーバから
    の読み出しに伴って行われる前記通信網を通じた転送処
    理に際して帯域の割り当てを行うアセット・マネージャ
    とを備え、 前記通信網は、転送遅延が常に一定の値以下に収まるよ
    うな通信網であり、 前記素材サーバは、読出遅延が常に一定の値以下に収ま
    るような素材サーバであり、 前記素材入力装置、前記ノンリニア編集機、前記オンエ
    アサーバおよび前記ブラウズサーバはそれぞれ、前記素
    材サーバへの書き込みまたは前記素材サーバからの読み
    出しを行う際、予め、必要な帯域を前記アセット・マネ
    ージャに申告し、 前記アセット・マネージャは、前記素材入力装置、前記
    ノンリニア編集機、前記オンエアサーバおよび前記ブラ
    ウズサーバからそれぞれ必要帯域の申告を受けると、当
    該必要帯域を割り当て可能か否かを判断して、その判断
    結果に基づいて帯域の割り当てを行うことを特徴とす
    る、番組制作・送出システム。
  25. 【請求項25】 前記素材映像および/または放送用映
    像は、そのフォーマットがDVフォーマットであり、 前記ブラウズサーバは、前記素材サーバおよび/または
    前記オンエアサーバから素材映像および/または放送用
    映像を読み出して蓄積する際に、当該映像のフォーマッ
    トをDVフォーマットからMPEGフォーマットへと変
    換して蓄積し、システムの外部へは、このフォーマット
    変換後の素材映像および/または放送用映像を送信する
    ことを特徴とする、請求項24に記載の番組制作・送出
    システム。
  26. 【請求項26】 素材映像を放送用映像に編集加工する
    編集処理を行って番組を制作し、送出するための番組制
    作・送出システムであって、 ビデオサーバと、 前記ビデオサーバから素材映像を読み出して前記編集処
    理を行い、得られた放送用映像を当該ビデオサーバに再
    び書き込むノンリニア編集機と、 前記ビデオサーバおよび前記ノンリニア編集機を相互に
    接続する通信回線とを備え、 前記ビデオサーバは、交換ファブリックを含み、 前記交換ファブリック上には、 素材映像と放送用映像とを蓄積するための素材サーバ手
    段と、 入力される素材映像を前記素材サーバ手段に書き込む素
    材入力手段と、 前記素材サーバ手段から放送用映像を読み出して蓄積
    し、当該放送用映像を番組として送出するためのオンエ
    アサーバ手段と、 前記素材サーバ手段への書き込みまたは前記素材サーバ
    手段からの読み出しに伴って前記交換ファブリックを通
    じて行われる転送処理に際して帯域の割り当てを行うア
    セット・マネージャ手段とが一体構成され、 前記素材サーバ手段は、読出遅延が常に一定の値以下に
    収まるような素材サーバ手段であり、 前記交換ファブリックは、転送遅延が常に一定の値以下
    に収まるような交換ファブリックであり、 前記素材入力手段および前記オンエアサーバ手段はそれ
    ぞれ、前記素材サーバ手段への書き込みまたは前記素材
    サーバからの読み出しを行う際、予め、必要な帯域を前
    記アセット・マネージャ手段に申告し、 前記アセット・マネージャ手段は、前記素材入力手段お
    よび前記オンエアサーバ手段からそれぞれ必要帯域の申
    告を受けると、当該必要帯域を割り当て可能か否かを判
    断して、その判断結果に基づいて帯域の割り当てを行う
    ことを特徴とする、番組制作・送出システム。
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