JP4741120B2 - ノンリニア放送システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送システムに関し、特に素材データをランダムアクセス可能な記録媒体に取り込み編集し編集結果を放送する放送システムにおいて、編集、放送等の各処理に対してハードウェア資源を割り当てる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、番組の放送システムとしては、放送番組の内容となる映像等の素材データを、頭出しに時間がかかるビデオテープレコーダ(VTR)等のリニアアクセス装置の代わりにハードディスク等のランダムアクセス可能な記録媒体に格納しておき、いわゆるノンリニア編集機により番組を迅速に編集して放送するノンリニア放送システムが用いられるようなりつつある。ノンリニア放送システムは、速報性を要求されるニュース番組やスポーツ中継番組の編集及び放送に特に有用である。
【0003】
ノンリニア放送システムにおいては、放送のためにハードディスク等から素材データを一定の転送レートで転送しなければ、映像のコマ落ち等の放送事故を招く。
このハードディスク等へは、取材した番組の素材データを保管するためのアクセスや、一度保管した素材データを加工するためのアクセスや、放送の際に素材データを取り出すためのアクセス等が行われるので、放送事故を防ぐためにはそのハードディスク等へのアクセスに関する帯域管理が必要となる。
【0004】
ところで、いわゆるピクチャインピクチャ機能や、映像が滑らかに移り変わるように切り替える機能等を実現するために2つの映像データを混合して送出する能力を有するノンリニア放送システムでは、ハードディスク等に圧縮して格納しておいた2つの映像データを並行してハードディスク等から取り出しそれぞれCODEC(coder−decoder)に転送して伸長し、両方を混合して放送のために送出する。
【0005】
このようなノンリニア放送システムにおいては、放送事故を防ぐために、2つの映像データそれぞれのハードディスク等からCODECへの転送について十分な帯域を確保しておく必要がある。各映像データをリアルタイム再生するために例えば60Mbpsの帯域を必要とする場合においては、番組の送出の際のハードディスク等からのデータ転送が120Mbpsの帯域を確保してなされる必要がある。
【0006】
なお、ハードウェア資源管理を行う従来のノンリニア放送システムとして、日本国の特許公開公報(特開平11−261510号公報)に開示されているノンリニア放送システムがある。この従来のノンリニア放送システムは、使用者がある端末から放送用デバイスを予約すると、他の端末からその放送用デバイスを使用することが禁止される排他制御の仕組みを備えたものである。
【0007】
この従来のノンリニア放送システムの仕組みを変形して、ハードディスク等へのアクセスに関する帯域を一定量毎に放送用デバイスと扱って帯域管理を行うこととし、上述したような番組送出の際に使用者が2つの映像データ分の120Mbpsの帯域を確保するよう固定的に予約しておけば、放送事故を起こすことのないデータ転送が実現される。この場合、120Mbpsの帯域を確保してもなお余剰となった帯域を、素材データのハードディスク等への取込みや、素材データの加工編集のためのハードディスク等へのアクセスといった緊急度の低いデータ転送に割り当てることが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2つの映像データを混合して送出する能力を有するノンリニア放送システムにおいても、通常は番組の編集段階等において予め定められた映像再生スケジュールに従って同時に最大2つとなるように映像データが用いられるのであって、常時少なくとも1つの映像データは用いられるが常時2つの映像データが用いられているとは限らない。
【0009】
このため、放送事故防止を目的として、放送用にハードディスク等から映像データを転送するために十分な帯域、即ち2つの映像データのリアルタイム再生に必要なだけの帯域を予約して確保すると、確保したにもかかわらずその一部の帯域が用いられない時間が生じ得る。映像データの転送に必要な帯域は比較的大きいため、この確保されたにもかかわらず用いられない帯域の存在を許すことは、ハードウェア資源の利用効率の著しい低下に繋がる。
【0010】
そこで、本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、放送事故を防ぎかつハードウェア資源の利用効率を高めるノンリニア放送システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るノンリニア放送システムは、素材データを転送対象とし同一のハードウェア資源を用いる複数の放送用転送処理を少なくとも一期間は並行して実行することにより、素材データの放送を行うノンリニア放送システムであって、素材データを格納している素材格納手段と、前記各放送用転送処理についての実行が予定されている期間を示す期間情報を記憶している期間情報記憶手段と、前記期間情報に示された各期間中において、対応する放送用転送処理に、当該放送用転送処理が必要とする分量のハードウェア資源を割り当てる第1割当手段と、前記第1割当手段が前記各放送用転送処理に対して割り当てた結果として余る、前記ハードウェア資源の余剰分量を算定する余剰分量算定手段と、前記各放送用転送処理以外の処理である1又は複数のバックグラウンド転送処理に対して、前記余剰分量算定手段により算定された余剰分量の範囲内で最大限にハードウェア資源を割り当てる第2割当手段と、前記第1割当手段により割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記放送用転送処理を実行し、前記第2割当手段により割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記バックグラウンド転送処理を実行する処理実行手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記構成により、放送用転送処理に対して、即ち直接的に放送に連動するものとなるデータ転送に対して、予め定められたタイミングを示す期間情報に従ってハードウェア資源の確保を行うため放送事故を防ぐことができ、また放送用に使うハードウェア資源の余剰分を、放送以外の例えば放送準備等のための処理に最大限に割り当てることができる。従って、ハードウェア資源の利用効率が高まる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るノンリニア放送システム1000の概略構成図である。
【0014】
ノンリニア放送システム1000は、ノンリニア編集機1101〜1103、ローカルHDD(hard disc drive)1201〜1203、AVスイッチャ1501、素材サーバ1401、送出装置1601、ネットワーク1301等を備え、ノンリニア編集機で編集された映像データ及び音声データを送出装置によって即座に放送する機能を有するシステムである。
【0015】
ここで、素材サーバ1401は、現場で収録された映像や音声の素材データ、即ち映像データ及び音声データを蓄積している大容量のHDDである。
ローカルHDD1201〜1203は、SCSIインタフェースを介してそれぞれノンリニア編集機1101〜1103に接続されており、加工編集や放送の対象となる素材データを蓄積するために用いられる。
【0016】
ネットワーク1301は、Gigabit Ethernetである。
ノンリニア編集機1101〜1103は、ユーザ、即ち番組編集者の指示に応じて、素材サーバ1401に蓄積されている素材データをネットワーク1301を介して取得してそれぞれローカルHDD1201〜1203に格納し、またローカルHDD1201等に格納した素材データの加工編集処理を行い、また加工した素材データ或いは元の素材データをローカルHDD1201等から読み出して、その素材データに基づいて映像等を再生する機能を有する。この再生によりローカルHDD1201等に格納された素材データ、即ち映像データや音声データは、AVスイッチャ1501を介して送出装置1601に放送用のデータとして送出される。
【0017】
なお、1台のノンリニア編集機は、1人の番組編集者による操作を受け付ける。
AVスイッチャ1501は、ノンリニア編集機1101〜1103から送られた放送用のデータを択一的に選択し、それを送出装置1601に送出するものである。
【0018】
また、送出装置1601は、入力された映像データ及び音声データを、多重化し変調して放送波として各家庭に向けて送信する機能を有する。つまり、送出装置1601は、映像等のデータを放送用の特定の形式、例えばISO/IEC 13818−1(MPEG2システム規格)に規定されたトランスポートストリームの形式に、変換して送出する装置である。
【0019】
以下、上述したノンリニア編集機1101について詳しく説明する。
図2は、ノンリニア編集機1101のハードウェア構成図である。なお、同図は、ノンリニア編集機1101に接続された機器をも示している。
ノンリニア編集機1101は、PCIバス2001、SCSIカード2012、ネットワークカード2021、CODECカード2031及び2032、RS−422制御カード2041、VGAカード2101、CPU2111、メモリ2112、ヒューマンI/F(インタフェース)2121から構成され、ローカルHDD1201、ネットワーク1301、送出装置1601、キーボード2122、マウス2123、専用ジョグパッド2124、PCモニタ2102と接続され、またSW(スイッチャ)2051を介してビデオカメラ2071、VTR2061、VTRモニタ2081と接続されている。
【0020】
ここで、メモリ2112は、ノンリニア編集機における編集、再生等の機能を実現するためのオペレーティングシステム(OS)及びアプリケーションプログラム(以下、「制御プログラム」という。)を記憶しており、また制御プログラムの実行に際してデータを格納するために用いられる。
PCIバス2001は、CPU2111、メモリ2112、SCSIカード2012等の各種カードの間でデータの転送を行うための同期バスである。
【0021】
ヒューマンI/F2121は、番組編集者によりキーボード2122、マウス2123又は専用ジョグパッド2124を介してなされる操作を受け付けてCPU2111に伝えるインタフェース機構である。
CPU2111は、ヒューマンI/F2121から伝えられる番組編集者による指示を受けて、この指示に応じてメモリ2112に格納されている制御プログラムを実行して、編集、再生等の機能を実現するようノンリニア編集機の各部を制御するものである。
【0022】
SCSIカード2012は、ローカルHDD1201とPCIバスとをSCSI規格に基づき接続するインタフェースであり、ネットワークカード2021は、ネットワーク1301とPCIバスとを接続するためのインタフェースカードである。
CODECカード2031及び2032は、外部映像音声機器であるVTR2061やビデオカメラ2071、又は送出装置1601と映像及び音声データを入出力するためのものであり、入力されたデータをローカルHDD1201に蓄積するためのフォーマットにエンコードし、またローカルHDD1201に蓄積されている映像や音声のデータを外部映像音声機器等に送出するためデコードを行う機能を有し、更にデータに対してエフェクト(特殊効果)を付加する機能や複数の映像データを重ね合わせる機能を有する。なお、図2ではAVスイッチャ1501(図1参照)を省略しているが、CODECカード2032はAVスイッチャ1501を介して送出装置1601と接続されている。
【0023】
RS−422制御カード2041は、外部映像音声機器であるVTR2061やビデオカメラ2071に対し再生、記録、巻戻し、早送り等の制御信号を送出するために用いられるものである。
SW2051は、複数台のVTR2061やビデオカメラ2071からの映像音声入出力端子及び制御信号入力端子の組を択一的に選択し、CODECカードの映像音声入出力端子及びRS−422カードの制御出力端子と接続するものである。
【0024】
VTRモニタ2081は、VTR2061で現在再生又は記録されている映像や音声を表示するものである。
また、VGAカード2101は、CPU2111に実行されている制御プログラムに指定されたいわゆるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を構成する画像をPCモニタ2102に表示するものである。
【0025】
なお、ノンリニア編集機1102及び1103もノンリニア編集機1101と同様の構成を有する。
以下、上述したCODECカード2032について詳しく説明する。
図3は、CODECカード2032の機能ブロック図である。
CODECカード2032は、CODEC4001及び4002と、TitleDecoder(タイトルデコーダ)4011と、SW(スイッチャ)4021と、DVE(Digital Video Effect)4031及び4032と、Compositor4041とから構成される。CODECカード2032から送出装置1601へのインタフェースとしては、例えばアナログコンポーネント、アナログコンポジット、SDI(Serial Digital Interface)等が考えられる。
【0026】
ここで、CODEC4001及び4002は、ローカルHDD1201に圧縮されて蓄積されている映像や音声のデータを伸長(デコード)し、又はVTR2061やビデオカメラ2071から出力された映像や音声のデータをローカルHDD1201に蓄積できるデータフォーマットに圧縮(エンコード)する機能を有する。ローカルHDD1201に蓄積されるデータのフォーマットは例えばMPEG2、民生DV、DVCPRO25、DVCPRO50等であり、VTR等に入出力されるフォーマットは例えばNTSC、PAL等である。
【0027】
TitleDecoder4011は、ローカルHDD1201上に圧縮して蓄積されているテロップ、ロール等のタイトル映像素材を送出装置1601用のフォーマットにすべく伸長するものである。
SW4021は、VTR2061とビデオカメラ2071とCODEC4001とCODEC4002とTitleDecoder4011とからの入力データのうちいずれをDVE4031又はDVE4032に通すかを選択するものである。
【0028】
DVE4031及び4032は、SW4021から出力された映像データに対し、ピクチャインピクチャ、マスク、ストロボ、クロップ、モザイク、色補正等のエフェクトを施しCompositor4041に送出するものである。
また、Compositor4041は、SW4021やDVE4031及び4032から入力された映像データについては1つの映像として重ね合わせ、入力された映像及び音声のデータを送出装置1601に送出するものである。
【0029】
以下、ノンリニア編集機1101における、番組の編集、再生等の各処理を行う際のハードウェア資源割り当て制御の機能に焦点を当てて説明する。
ここで、ハードウェア資源割り当て制御において割り当て対象となるハードウェア資源には、CODECカード、RS−422制御カード等があり、また、SCSIカードを通じてアクセスされ映像データ等を格納するためのハードディスクがある。なお、SCSIカードを通じてなされるハードディスクへのデータの書き込みやハードディスクからのデータの読み出しにおける単位時間あたりのデータ転送量の最大値はHDDの性能等によって定まるものであり、この単位時間あたりの転送量を示す帯域をここではハードウェア資源の一種とみなす。
【0030】
図4は、ノンリニア編集機1101のハードウェア資源割り当て制御に関する機能構成図である。なお、図4には、各機能部間でのメッセージやデータの流れをも示しており、S1、S2、S3、・・・、S11の順でメッセージ等が伝えられる。
同図に示すように、ノンリニア編集機1101は、機能面において、編集リストDB(データベース)3011と、編集リスト管理部3021と、ハードウェア資源管理部3031と、ハードウェア資源管理DB3041と、時刻計測部3051と、ハードウェア資源割り当て部3061と、モニタ表示制御部3081と、OS3101と、ヒューマンI/F制御部3111とを有する。これら各機能構成要素の機能は、基本的にはメモリ2112により或いはCPU2111に制御プログラムが実行されることにより実現される。
【0031】
ここで、編集リストDB3011は、ノンリニア編集機1101により再生する番組の映像データ等の再生スケジュールを表した編集リストを番組毎に記憶しているメモリ領域である。この編集リストは番組編集者が予め編集リスト管理部3021を利用することにより作成し、また更新できるものである。なお、編集リストについては後に詳しく説明する。
【0032】
編集リスト管理部3021は、番組編集のために編集リストを更新する機能を有し、キーボード、マウス、又は専用ジョグパッドを通じて番組編集者から操作がなされたことをヒューマンI/F2121を介してCPU2111が検知した場合に、その操作によって指定された編集リストの各項目について設定すべき値をヒューマンI/F制御部3111及びOS3101を介して受け取り、その指定内容に応じて編集リストDB3011の編集リストを更新する。また、放送するために、つまり送出装置1601に番組の映像データ等を送るために、番組の再生指示を番組編集者から受けた場合、その番組についての編集リストをハードウェア資源管理部3031に伝える機能をも有する。
【0033】
ハードウェア資源管理DB3041は、ハードウェア資源使用スケジュールを記憶するためのメモリ領域である。なお、ハードウェア資源使用スケジュールについては後に詳しく説明する。
ハードウェア資源管理部3031は、編集リスト管理部3021から伝えられた編集リストを受け取り、番組の映像データ等を再生するために、必要なハードウェア資源をスケジューリングしてハードウェア資源管理DB3041にハードウェア資源使用スケジュールを格納し、そのスケジュールに従ってタイマ起動を行うよう時刻計測部3051に指示を出す機能を有し、また、時刻計測部3051からタイマ起動通知メッセージを受けるとハードウェア資源割り当て部3061にハードウェア割り当て指示を出す機能をも有する。なお、タイマ起動とは、ある時刻を対象として、その対象とされた時刻の到来を検知し、その旨を通知するタイマ起動通知メッセージを送出することをいう。
【0034】
更に、ハードウェア資源管理部3031は、番組編集者の指示等に基づいて実行される制御プログラムが、番組の再生以外の処理、例えば素材データのローカルHDDへの取込み、番組編集のためのローカルHDDへのアクセス等の処理を実行するためにハードウェア資源を要求した場合に、ハードウェア資源管理DB3041を参照してハードウェア資源の余剰分、即ちハードウェア資源の全分量から現在占有されている量を除いた分量までを限度として、その範囲内で最大限にハードウェア資源を割り当てるようハードウェア資源割り当て部3061を制御する。
【0035】
即ち、制御プログラムは、再生以外の処理を実行する場合に必要に応じてハードウェア資源をハードウェア資源管理部3031に要求するものであり、また、ハードウェア資源管理部3031は、映像データ等の再生の処理に対しては編集リストに基づいて優先的にハードウェア資源の割り当てを行い、制御プログラムが再生以外の処理を実行するためにハードウェア資源を要求した時点におけるハードウェア資源の、優先的割り当て後の余剰分の範囲内で、その要求に応じて可能な限り多くのハードウェア資源を割り当てるようハードウェア資源割り当て部3061を制御する。
【0036】
なお、制御プログラムが行う再生以外の処理は、基本的には放送の準備のための処理であり放送中にバックグラウンドで行われる。また、ハードウェア資源管理部3031は余剰分の計算をタイマ起動がなされる都度行い、余剰分が変動した場合には、これにあわせて再生以外の処理に既に割り当てている分量を変更するようハードウェア資源割り当て部3061を制御する。
【0037】
時刻計測部3051は、時刻を計時する機能を有し、ハードウェア資源管理部3031からハードウェア資源割当スケジュールを与えられてなされるタイマ起動の指示を受け、ハードウェア資源割当スケジュールにより指定された時刻になると、ハードウェア資源管理部3031に対しハードウェア資源割当スケジュールに基づいて割当対象のハードウェア資源を特定する情報やハードウェア資源の占有量を示す情報を含むタイマ起動通知メッセージを発行するものである。
【0038】
また、ハードウェア資源割り当て部3061は、ハードウェア資源管理部3031からのハードウェア割り当て指示を受けて、例えばハードウェア資源に対して利用に必要な値の設定等を行うことにより、指定された分量のハードウェア資源を利用可能にする。
なお、ローカルHDD1201等のハードディスクへのアクセスを制御するドライバはOSに含まれており、ハードディスクへのデータ転送、或いはハードディスクからのデータ転送の帯域について制御するものであり、ハードウェア資源割り当て部3061から帯域量を指定して割り当て指示がなされると、それ以後は指定された量の帯域を用いて帯域制御を行いつつデータ転送を行う機能を有する。
【0039】
このドライバは、例えば時間経過を予め定めた微小な時間単位に区分し、ハードディスクへのアクセス要求に対して、即ち一定量データの書き込み要求、一定量データの読み出し要求等のデータ転送要求に対して、その時間単位を何個おきに用いるか等、その時間単位の使用周期を決定することにより、指定に応じた分量の帯域を用いて要求されたデータ転送を行う。
【0040】
<データ構造>
以下、編集リストDB3011に格納されている編集リストについて説明する。なお、以下、便宜上、番組を構成する映像データに着目して説明するが、音声データについても映像データに準じた取り扱いがなされる。
図5は、編集リストDB3011に格納されている編集リストのデータ構造及び内容例を示す図である。
【0041】
編集リストは、編集リスト番号(No.)6001、トラック6002、素材ID6003、In点6004、Out点6005及びDuration6006からなるデータの集合である。同図中の素材IDが異なる各行がそれぞれ別個のデータ処理単位を示している。
ここで、編集リスト番号6001は、編集リストDB内の各編集リストを識別するための番号であり、トラック6002は、素材ID6003からDuration6006までの内容がどのトラックについての情報であるかを示すものである。
【0042】
ここではトラックには、A/Bロールと名付けられたものとKEYと名付けられたものとの2つがあることとし、各トラックにおいては2つの映像データを一部重ねて滑らかにつなげて再生することが可能であるが、2トラック全体を用いて最大2つの映像データまでの混合再生しかできないものとする。なお、A/Bロールトラックは基本的に映像用に用いられるトラックであり、KEYトラックは基本的にはピクチャインピクチャ機能やテロップを流すため等の特殊用途に用いられるトラックである。
【0043】
素材ID6003は、再生対象となるローカルHDD1201上の映像データを識別するIDであり、例えば映像データのファイル名である。
また、In点6004、Out点6005及びDuration6006はそれぞれ、各データ処理単位についての映像データの再生開始時、再生終了時、再生時間を表す。
【0044】
図5には、ある番組に対応する編集リストであって編集リスト番号が5001の編集リスト(以下、「編集リスト5001」という。)の例を示している。この編集リスト5001は、A/BロールトラックにおいてCUT1、CUT2、CUT3なる映像データが一部期間において重ねられつつ順次再生され、またKEYトラックにおいてCUT4なる映像データが再生されることを示している。
【0045】
図5の例において、In点、Out点、Durationは、時:分:秒:フレームからなるタイムコードで表している。なお、この例はNTSCノンドロップでの再生を前提としており30フレームが1秒に相当する。
この例に示した編集リスト5001、即ち映像データの再生スケジュールの概念を示した図が図6である。
【0046】
図6では、横軸は時間軸で、A/Bロールトラックについての再生スケジュール5002とKEYトラックについての再生スケジュール5003とを示している。
再生スケジュール5002は、CUT1の映像データが18時0分0秒0フレームから18時4分29秒29フレームまで再生され、CUT2の映像データが18時4分0秒0フレームから18時8分59秒29フレームまで再生され、CUT3の映像データが18時8分30秒0フレームから18時13分59秒29フレームまで再生されることを示している。なお、CUT1からCUT2に切り替える際やCUT2からCUT3に切り替える際には30秒の重複があるが、この間はワイプやディゾルブ等、時間とともに少しずつ切り替わる混合再生、いわゆるトランジション再生が行われることを表している。
【0047】
再生スケジュール5003は、CUT4の映像データが18時10分30秒0フレームから18時11分59秒29フレームまで再生されることを示している。
以下、ハードウェア資源管理DB3041に格納されているハードウェア資源使用スケジュールについて説明する。
【0048】
図7は、ハードウェア資源管理DB3041に格納されているハードウェア資源使用スケジュール7000のデータ構造及び内容例を示す図である。
ハードウェア資源使用スケジュール7000は、編集リストに基づいてハードウェア資源管理部3031により生成されハードウェア資源管理DB3041に格納されるものであり、資源ID7001、最大値7002、編集リスト番号(No.)7003、素材ID7004、占有量7005、In点7006、Out点7007、Duration7008からなるデータの集合である。
【0049】
資源ID7001は、ノンリニア編集機1101が用いるローカルHDD1201やCODECカード2032等のハードウェア資源を識別する情報である。ローカルHDD1201については、SCSIカードを通じてのアクセスに用いる帯域がハードウェア資源の一種となる。
最大値7002は、資源ID7001で示されるハードウェア資源の量についての最大値を表すものであり、ハードウェア資源毎に予め定められた値を用いる。ここでは、ローカルHDD帯域というハードウェア資源については、使用可能帯域の最大値が200Mbpsであることとしている。
【0050】
編集リスト番号7003は、ハードウェア資源を映像データの再生に際して使用することになるところの編集リストの編集リスト番号を表す。つまり、ハードウェア資源管理部3031がハードウェア資源使用スケジュールを作成する基礎とした編集リストの識別番号である。
素材ID7004は、対応する編集リストの素材IDをコピーしたものである。
【0051】
占有量7005は、映像データの転送のために占有される帯域の量である。ここでは映像データはDVCPRO50フォーマットのものであり、これについて転送に要する帯域は60Mbpsであると予め定められているものとする。
なお、帯域ではなく個数等で表せるハードウェア資源については個数を単位として最大値及び占有量が表されるものとする。
【0052】
In点7006、Out点7007、Duration7008は、それぞれ対応する編集リストのIn点、Out点、Durationをコピーしたものである。
図7に示した例は、図5に示した編集リストに基づいて、ローカルHDD1201の帯域に関してハードウェア資源管理部3031が生成したハードウェア資源使用スケジュールの内容例であり、使用可能な帯域の最大値が200Mbpsであり、CUT1〜4の映像データが、60Mbpsの帯域をそれぞれに対応するIn点からOut点で示された時間だけ使用するようになっている。この例に示したハードウェア資源使用スケジュールの概念を示した図が図8である。
【0053】
図8では横軸に時間軸をとり、縦軸に占有帯域をとって時間とともに変化する占有帯域量を表している。なお、同図下部に、対応する編集リスト5001の概念図を付記している。図8には、編集リスト5001に従って映像データを再生するためには、60Mbpsの帯域の確保が必要な期間と120Mbpsの帯域の確保が必要な期間とがあることが現れている。
【0054】
以下、ハードウェア資源管理部3031が、時刻計測部3051に対してスケジュールに従ったタイマ起動を指示するために伝える情報であるハードウェア資源割当スケジュールについて説明する。
図9は、ハードウェア資源管理部3031から時刻計測部3051に対して伝えられるハードウェア資源割当スケジュール8000のデータ構造及び内容例を示す図である。
【0055】
ハードウェア資源割当スケジュール8000は、ハードウェア資源管理部3031により既に作成したハードウェア資源使用スケジュールを参照して作成されるものであり、起動時刻8001、資源ID8002、タイマID8003、割り当て種類8004及び合計占有量8005からなるデータの集合である。
ここで、起動時刻8001は、タイマ起動の対象となる時刻であり、編集リストのIn点又はOut点に基づいて設定される。なお、Out点に基づく場合には1フレーム後を起動時刻とする。つまり、編集リストに基づく番組の再生の処理に使用される帯域量の変化する時刻が、起動時刻の内容として設定されることになる。
【0056】
資源ID8002は、ハードウェア資源使用スケジュール中の資源IDをコピーしたものである。つまり割り当て対象のハードウェア資源を特定するための情報である。
タイマID8003は、ハードウェア資源使用スケジュールにおける特定のデータ処理単位と対応付けるための情報であり、ハードウェア資源使用スケジュール中の素材IDをコピーしたものである。
【0057】
割り当て種類8004は、タイマ起動を行う時刻が、対応する映像データの再生を開始するIn点であるか、再生を終了するOut点であるかを識別するための情報であり、In又はOutを意味する値をとる。
また、合計占有量8005は、ハードウェア資源使用スケジュールに基づき、そのタイマ起動を行う時刻において、対応する編集リストに基づく映像データの再生のために占有される全ての帯域の合計量を示し、ハードウェア資源管理部3031が計算して設定する。この合計占有量は、後に時刻計測部3051からタイマ起動通知メッセージに含まれて通知され、ハードウェア資源割り当て部3061に対して割り当てるべきハードウェア資源の分量を指定するために用いられることになる。
【0058】
なお、同図の内容例は、上述した編集リスト5001及びローカルHDDの帯域についてのハードウェア資源使用スケジュールに対応したものである。
<動作>
以下、上述の構成を備え、上述したデータを取り扱うノンリニア放送システム1000の動作について説明する。
【0059】
番組編集者がノンリニア編集機1101に対して番組の再生を指示すると、これに対応してノンリニア編集機1101は必要なハードウェア資源の割り当てを行って再生の処理を実行し、ノンリニア放送システム1000においては、その番組の再生結果として番組が放送される。
図10は、映像データの再生を行う際にハードウェア資源管理部3031が編集リストに基づいてハードウェア資源使用スケジュールを生成しタイマ起動を時刻計測部3051に指示するまでの各機能部間でのメッセージ或いはデータの送受シーケンスを示す図である。なお、同図中、メッセージ等の各送受シーケンスに付した符号は、図4中に付した符号に対応する。
【0060】
ノンリニア編集機1101の編集リスト管理部3021は、番組編集者の操作に応じて編集リストを作成、更新等した後に、番組編集者から編集リスト番号を指定しての番組の再生指示がなされたならば、編集リストDB3011に編集リスト番号を指定して編集リスト取得申請メッセージを送り(S1)、編集リストDB3011から編集リストを取得する(S2:編集リスト通知)。ここでは図5に内容例を示した編集リスト5001を取得したものとして説明を続ける。
【0061】
編集リストを取得すると編集リスト管理部3021は、その編集リストをハードウェア資源管理部3031に渡して、ハードウェア資源を使用するためのスケジューリングを依頼するハードウェア資源使用申請メッセージを伝える(S3)。
ハードウェア資源のスケジューリングを依頼されたハードウェア資源管理部3031は、編集リストに基づいてハードウェア資源使用スケジュールを生成してハードウェア資源管理DB3041に送って格納する(S4:ハードウェア資源使用登録)。これにより、図7に内容例を示したハードウェア資源使用スケジュール7000が作成される。
【0062】
なお、ハードウェア資源管理部3031は、編集リストに基づいてハードウェア資源使用スケジュールを作成する際に、ハードウェア資源の最大値を超える帯域を占有しなければならない時間があることを検出したならばハードウェア資源使用スケジュールの作成を中止し、編集リスト管理部3021にエラーの旨を含ませたハードウェア資源使用成否通知メッセージを伝える(S7)。この場合には、時刻通知要請(S5)、時刻通知要請成否通知(S6)は省かれる。
【0063】
ハードウェア資源管理DB3041にハードウェア資源使用スケジュールを登録した後に(S4)、ハードウェア資源管理部3031は、ハードウェア資源割当スケジュールを作成して時刻計測部3051に伝えることによりタイマ起動を指示する(S5:時刻通知要請)。ここでは図9に内容例を示したハードウェア資源割当スケジュール8000が時刻計測部3051に伝えられることになる。
【0064】
タイマ起動の指示を受けると時刻計測部3051は、伝えられたハードウェア資源割当スケジュールに定められた各起動時刻の到来を検知するためのタイマ設定を行った後、ハードウェア資源管理部3031に正常の旨を含めた時刻通知要請成否通知メッセージを返す(S6)。なお、時刻計測部3051は何らかのエラーが発生したならばエラーの旨を含めた時刻通知要請成否通知メッセージを返す(S6)。
【0065】
ハードウェア資源管理部3031は、時刻計測部3051から正常の旨を示すメッセージを得たら正常の旨を含めたハードウェア資源使用申請成否通知メッセージを編集リスト管理部3021に伝える(S7)。なお、何らかの異常が発生した場合にはエラーの旨を含めたハードウェア資源使用申請成否通知メッセージを伝える(S7)。
【0066】
ハードウェア資源使用申請成否通知メッセージ(S7)を受けた編集リスト管理部3021では、その通知がエラーの旨を含むものであった場合には、モニタ表示制御部3081等を介して番組編集者にエラーの発生を報知する。
以下、ハードウェア資源管理部3031によるハードウェア資源割当スケジュールの作成について詳細に説明する。
【0067】
図11は、ハードウェア資源管理部3031によるハードウェア資源割当スケジュールの作成手順を示すフローチャートである。
ハードウェア資源管理部3031は、ハードウェア資源使用スケジュール(図7参照)中の1つの素材IDについての情報、即ち1つのデータ処理単位についての情報に着目し(ステップS51)、着目した素材IDについてのIn点の時刻をハードウェア資源割当スケジュールにおける起動時刻とし、素材IDをハードウェア資源割当スケジュールにおけるタイマIDとし、「In」を示す値をハードウェア資源割当スケジュールにおける割り当て種類として、この起動時刻、タイマID及び割り当て種類の組をハードウェア資源割当スケジュールに起動時刻順となるように挿入する(ステップS52)。
【0068】
また、ハードウェア資源管理部3031はステップS52に続いて、着目した素材IDについてのOut点の時刻をハードウェア資源割当スケジュールにおける起動時刻とし、素材IDをハードウェア資源割当スケジュールにおけるタイマIDとし、「Out」を示す値をハードウェア資源割当スケジュールにおける割り当て種類として、この起動時刻、タイマID及び割り当て種類の組をハードウェア資源割当スケジュールに起動時刻順となるように挿入する(ステップS53)。
【0069】
ステップS53の後に、ハードウェア資源管理部3031は未着目の素材IDはあるか否かを判定し(ステップS54)、未着目の素材IDがある間は、ハードウェア資源使用スケジュール中の次の素材IDに着目して(ステップS55)、ステップS52〜S54の処理を繰り返す。
ステップS54において未着目の素材IDがない場合には、ハードウェア資源管理部3031は、ステップS52及びS53により形成されたハードウェア資源割当スケジュールの各起動時刻に対応する合計占有量を順次設定する。
【0070】
即ち、ハードウェア資源管理部3031は、各起動時刻に順次着目して、その起動時刻についての割り当て種類が「In」を示す値であれば、その前の起動時刻における合計占有量に、着目した起動時刻に対応するタイマIDで示される素材について予め定められている占有量を加えた値をその着目した起動時刻に対応する合計占有量として設定し、その起動時刻についての割り当て種類が「Out」を示す値であれば、その前の起動時刻における合計占有量から、着目した起動時刻に対応するタイマIDで示される素材について予め定められている占有量を減じた値をその着目した起動時刻に対応する合計占有量として設定する(ステップS56)。
【0071】
以上の手順により、図9に示すようなハードウェア資源割当スケジュールが生成される。
図12は、時刻計測部3051によるタイマ起動通知メッセージの送出からハードウェア資源の割り当てが行われるまでの各機能部間でのメッセージ或いはデータの送受シーケンスを示す図である。なお、同図中、メッセージ等の各送受シーケンスに付した符号は、図4中に付した符号に対応する。
【0072】
時刻計測部3051は、S5によりハードウェア資源管理部3031から伝えられたハードウェア資源割当スケジュールに従って設定したタイマにより、ハードウェア資源割当スケジュール内のいずれかの起動時刻が到来したときに、その起動時刻に対応して定まる資源ID、タイマID、割り当て種類及び合計占有量を含むタイマ起動通知メッセージをハードウェア資源管理部3031に伝える(S8)。
【0073】
従って、現在時刻が18時0分0秒になった時にタイマ起動通知メッセージがハードウェア資源管理部3031に伝えられ、次には18時4分0秒になった時、その次には18時4分30秒になった時というように順次、タイマ起動通知メッセージは伝えられる(図9参照)。
タイマ起動通知メッセージを受けるとハードウェア資源管理部3031は、伝えられた資源ID、タイマID、割り当て種類及び合計占有量と、ハードウェア資源使用スケジュールとに基づいて、ハードウェア資源の確保状態の変更が必要なデータ処理単位について必要な占有量を求めて、資源IDとともに伝えることによりハードウェア資源割り当て部3061に対して、そのデータ処理単位に対してハードウェア資源を割り当てるよう要請する(S9:ハードウェア資源割り当て要請)。このタイマ起動通知メッセージを受けた場合にハードウェア資源管理部3031が行う処理(以下、「タイマ対応処理」という。)については後に詳しく説明する。
【0074】
なお、ハードウェア資源管理部3031は、制御プログラムから再生以外の処理のためにハードウェア資源が要求されている場合には、その要求されたハードウェア資源の割り当てをハードウェア資源割り当て部3061に要求する。但し、その割り当てるハードウェア資源の分量については、タイマ起動通知メッセージを受けた時毎に、タイマ対応処理を実行することによって動的に変更する。即ち、ハードウェア資源について、タイマ起動通知メッセージを受けた時毎に、優先的に再生処理に対してのハードウェア資源の割り当て制御を行うのでその後に残った分量を求め、つまり余剰量の計算を行い、余剰量の範囲内でハードウェア資源を再生以外の処理のために割り当てなおす。
【0075】
ハードウェア資源を割り当てるよう要請を受けたハードウェア資源割り当て部3061は、受け取った資源IDにより割り当てるハードウェア資源を特定し、特定したハードウェア資源に対して占有量等を設定して応答値を得る等により、データ処理単位に対して一定分量のハードウェア資源の割り当てを行い(S10:ハードウェア資源割り当て処理)、割り当てが正常に行われたかエラー等が発生したかに応じた内容を含むハードウェア資源割り当て要請成否通知メッセージをハードウェア資源管理部3031に伝える(S11)。なお、ハードウェア資源割り当て部3061は、受け取った割り当て種類が「Out」であれば、既に「In」によって割り当てたハードウェア資源について、その割り当てを解除する。
【0076】
タイマ起動メッセージを受け取った場合に、ハードウェア資源管理部3031は後に詳しく説明するタイマ対応処理を行い、受け取ったタイマ起動メッセージにおける割り当て種類が「In」である場合に、このS11により割り当てが正常に行われた旨を示すハードウェア資源割り当て要請成否通知メッセージを受けたハードウェア資源管理部3031は、タイマ起動通知メッセージにおけるタイマIDで特定される映像等の素材データを対象とする制御プログラムによるデータ処理単位を実行させる。これにより、制御プログラムにより映像データの再生が行われる。なお、ハードウェア資源管理部3031は、実行させたデータ処理単位に対応するタイマIDと同一のタイマIDを含み、割り当て種類が「Out」であるタイマ起動メッセージを受けた時点で、そのデータ処理単位の実行を停止させる。
【0077】
ローカルHDD1201のデータ転送帯域の割り当てについては、データ処理単位を特定させるために素材IDと、割り当てる帯域を示す占有量とをOS内に含まれるSCSIカード2012のドライバに対して設定することにより行われる。この設定を受けてドライバは、ハードウェア資源管理部3031の制御下において制御プログラムによりその素材IDで特定される映像データのハードディスクからの読み出しというデータ処理単位が実行されると、設定された占有量だけの帯域をそのデータ処理単位に割り当てる。これにより、その占有量だけの帯域を用いて映像データがハードディスクから読み出されて送出装置1601に送られるようになる。
【0078】
編集リスト5001に基づくローカルHDD1201のデータ転送帯域の割り当てについて具体的には、ハードウェア資源割り当て部3061は、18時0分0秒に素材IDがCUT1である映像データのファイルの読出アクセス即ちデータ転送について、60Mbpsの帯域を用いて転送を行うように設定することになる。また、18時4分0秒には更に素材IDがCUT2である映像データのデータ転送について60Mbpsの帯域を用いて転送を行うように設定する。また、18時4分30秒には、素材IDがCUT1である映像データのデータ転送についての設定を解除する。
【0079】
なお、編集リスト5001に基づく再生を行うために必要となる他のハードウェア資源についても、上述したローカルHDD1201のデータ転送帯域についてと同様にハードウェア資源管理部3031はハードウェア資源使用スケジュールやハードウェア資源割当スケジュールを作成し、タイマ起動通知メッセージを受けてハードウェア資源の割り当てをハードウェア資源割り当て部3061に要請する。
【0080】
こうして、ノンリニア編集機は、番組の再生を行うために、編集リスト5001に基づき必要最小限のハードウェア資源を動的に割り当て、再生のためのデータ転送を行い、この結果として、番組の映像データ等はCODECカード2032、AVスイッチャ1501を介して送出装置1601に送出され最終的には放送されるようになる。
【0081】
なお、ローカルHDD1201から複数の映像データを並行して読み出して放送する場合には、各映像データを、画面を構成する各オブジェクトとしてMPEG4のビジュアル符号化を施した後に放送を行うこととしてもよい。
図13は、タイマ対応処理を示すフローチャートである。
資源ID、タイマID、割り当て種類及び合計占有量を含むタイマ起動通知メッセージを受けると、ハードウェア資源管理部3031は、その割り当て種類が「In」を示す値であるか否かを判断し(ステップS21)、「In」を示す値である場合には、ハードウェア資源管理DB3041内のハードウェア資源使用スケジュールを参照してそのタイマIDに対応する素材データへのアクセスに用いるハードウェア資源の占有量を得て、その占有量だけハードウェア資源をそのタイマIDで識別される素材データへのアクセスに対して割り当てるように、ハードウェア資源割り当て部3061に対して要請する(ステップS22)。
【0082】
例えば、18時0分0秒のタイマ起動通知メッセージを受けると、ハードウェア資源管理部3031は、タイマIDつまり素材IDがCUT1である映像データのデータ転送というデータ処理単位に対して、ハードウェア資源使用スケジュール中の占有量に示される60Mbpsの帯域を割り当てるようハードウェア資源割り当て部3061に要請する。
【0083】
また、ステップS21において割り当て種類がOutを意味するものである場合には、タイマIDに対応する映像データのデータ転送というデータ処理単位に対して既に割り当てている資源を解除するよう要請する(ステップS23)。
ステップS22又はS23の後に、ハードウェア資源管理部3031は、合計占有量をハードウェア資源使用スケジュールにおける最大値から減じることにより余剰量を求める(ステップS24)。この余剰量は、編集リストに基づく映像データの再生に優先的にハードウェア資源の割り当てを行った後に残る資源の量を意味する。
【0084】
余剰量を求めた後、ハードウェア資源管理部3031は、制御プログラムから編集リストによらずハードウェア資源が直接要求されている場合において、即ち制御プログラムから再生以外の処理のためにハードウェア資源が要求されている場合には、余剰量の範囲内において最大限にその要求に対応した割り当てを行うようハードウェア資源割り当て部3061に要請し(ステップS25)、タイマ対応処理を終える。
【0085】
なお、番組編集者の指示に応じて、編集用の制御プログラムによって素材IDが例えばCUT10である映像データの編集がなされる場合は、その制御プログラムはハードウェア資源管理部3031に直接ハードウェア資源割り当てを要求する。これに対しハードウェア資源管理部3031は、ハードウェア資源使用スケジュールを参照して現在のハードウェア資源の余剰量を算出して、その余剰量の範囲内においてハードウェア資源を割り当てるようハードウェア資源割り当て部3061に要請する。
【0086】
こうして、一旦、直接ハードウェア資源割り当てが要求された場合に対応して割り当てられたハードウェア資源の量は、ステップS25における要請に基づき、変動することになる。従って、再生以外の処理、即ち緊急度の低い処理の実行を行うために、放送のための映像データの送出処理に必要となるハードウェア資源を除く範囲で最大限のハードウェア資源を利用することが可能となるため、緊急度の低い処理であっても可能な限り迅速に実行でき、ハードウェア資源の利用効率を高めることが可能となる。
【0087】
<考察>
以下、図14及び図15を用いて、ローカルHDD1201へのアクセスに関する本実施の形態による効果を説明する。
図14は、編集リスト5001に基づく、放送のための再生処理における映像データの転送と、ネットワーク素材転送とを並行する場合のローカルHDD1201へのアクセスについての使用帯域の時間的変化を示す図である。
【0088】
ネットワーク素材転送は、素材サーバ1401からローカルHDD1201に対して素材である映像データや音声データを転送する処理であり、ここではDVCPRO50による20分の映像データの転送を例として用いている。
同図に示すように、ネットワーク素材転送は18時0分0秒から開始され18時4分0秒までは140Mbpsの帯域を用いて行われ、また、18時4分0秒から18時4分30秒までは80Mbpsの帯域を用いて、18時4分30秒から18時8分30秒までは140Mbpsの帯域を用いて、18時8分30秒から18時9分0秒までは80Mbpsの帯域を用いて行われ、18時9分0秒に完了する。
【0089】
従って、18時9分0秒以後は、そのネットワーク素材転送した素材の編集作業や、別の素材についてのネットワーク素材転送等を行うことが可能になる。
図15は、従来技術によって、放送のための映像データの転送と、ネットワーク素材転送とを並行して転送したことを想定した場合のローカルHDD1201へのアクセスについての使用帯域の時間的変化を示す図である。
【0090】
ネットワーク素材転送は図14と同様にDVCPRO50の20分の映像の転送を例として用いている。
従来は放送事故を防ぐために2つの映像データの転送用に十分な帯域つまり120Mbpsを予め確保していたため、同図に示すようにネットワーク素材転送は18時0分0秒から開始され80Mbpsの帯域を用いて18時15分0秒まで行われ18時15分0秒に完了することになる。従って、本実施の形態による場合と比べて6分も余分にハードウェア資源を占有することとなる。
【0091】
つまり、本実施の形態によれば、ハードウェア資源の有効活用が可能となり、放送のためのデータ転送中であってもネットワーク素材転送を迅速に行わせることができるため、番組編集者は例えばネットワーク素材転送をした素材の編集作業等を迅速に開始することが可能になる。
<補足>
以上、本発明に係るノンリニア放送システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限られないことは勿論である。即ち、
(1)本実施の形態では、ネットワーク1301はGigabit Ethernetであることとしたが、SDTI(Serial Digital Transport Interface)、Fibre Channel、ATM(Asynchronous Transmission Mode)等のネットワークであってもよい。また、本実施の形態では、VTRやビデオカメラ用のCODECカードと、送出装置用のCODECカードを別々に備える構成としたが、1つのCODECカードがこれらの両方の用途に用いられることとしてもよい。
【0092】
また、本実施の形態ではトラックはA/BロールトラックとKEYトラックとの2つであることとしたが、これらのトラックはそれぞれ複数あってもよく、またAudioのトラックがあることとしてもよい。また、編集リストには映像データのみならず音声データの再生開始時刻及び再生終了時刻等の情報を含ませてもよい。
(2)本実施の形態では、放送する映像データはローカルHDDに格納されるものとしたが、放送する映像データの記録媒体はハードディスクに限定されることはなく、光磁気ディスク等であってもよく、ランダムアクセス可能な記録媒体であればよい。
(3)本実施の形態では、ハードウェア資源管理部3031は、制御プログラムから再生以外の処理のためにハードウェア資源を要求された場合に、これに応じて放送のための再生処理におけるデータ転送に要する分量を除く余剰分を限度として最大限、即ち要求に応じて可能な限り多く、ハードウェア資源を割り当てることとしたが、この再生以外の処理のためにハードウェア資源を要求する制御プログラムが複数ある場合には、その余剰分の範囲内で、一定の優先順位に従ってハードウェア資源を割り当てることとしてもよく、或いは余剰分を等分して割り当て分量が均等となるようにハードウェア資源を割り当てることとしてもよく、その他のルールに従って余剰分のハードウェア資源を割り当てることとしてもよい。
【0093】
なお、ハードウェア資源管理部3031による余剰分の最大限の割り当ては、ハードウェア資源を編集リストによらずに直接要求する制御プログラム、即ち再生以外の処理を行うためにハードウェア資源を要求する制御プログラムが、ハードウェア資源の最小限必要量を指定している場合であれば、余剰分がその最小限必要量を超えた期間においてのみその制御プログラムに対してハードウェア資源の割り当てを行うこととしてもよい。この例として、ハードウェア資源管理部3031が、最小限120Mbpsの帯域を必要とするSDTI転送(DVCPRO50の2倍速転送)をバックグラウンドジョブとして行う制御プログラムからハードウェア資源を直接要求された場合のハードウェア資源の割り当てについて説明する。
【0094】
図16は、編集リスト5001に基づく放送のための映像データの転送と、SDTI転送(DVCPRO50の2倍速転送)とを並行する場合のローカルHDD1201へのアクセスについての使用帯域の時間的変化を示す図である。
SDTI転送では、一定の帯域を確保して転送を行う必要があり、DVCPRO50の2倍速転送のためには120Mbpsの帯域を必要とする。従って、図16に示すように最大帯域が200Mbpsなら、編集リストに基づくデータ転送に60Mbpsを使用している期間においては余剰分の範囲内である120MbpsをSDTI転送のために割り当て、編集リストに基づく再生処理のためのデータ転送に120Mbpsを使用している期間においては余剰分が不足するのでSDTI転送には帯域を割り当てないようにするよう制御することにより、編集リスト5001に基づき放送を行っている際にもバックグラウンドジョブとしてSDTI転送を断続的に行わせることができる。
(4)本実施の形態では、編集リスト中の一項目である素材IDは、例えば映像データのファイル名であることとしたが、素材IDは、ある映像データファイル中の一定範囲を特定する情報に対して付した識別子であってもよい。即ち、CUT1、CUT2等の素材IDは、単に再生処理等のあるデータ処理単位の処理対象としてのデータを識別するものであり、この素材IDそれぞれと、どの映像データファイル中のどこからどこまでのデータであるかを示す処理対象特定情報とが別途対応付けられているものとしてもよい。この処理対象特定情報は、制御プログラムがそのデータ処理単位を実行する際に参照される。
【0095】
なお、編集リスト中においてCUT1、CUT2等の複数の素材IDによって示される処理対象が、同一の映像データファイルの同一範囲のものであった場合には、SCSIカード2012のドライバはハードディスクから読み出したデータをキャッシュメモリにも保持することとして、同じデータを2回目以後に読み出す場合については、ハードディスクからではなくキャッシュメモリ内のデータを読み出すこととしてもよい。即ち一般的なディスクキャッシュの技術を適用してもよい。この場合、ハードウェア資源管理部3031は、ハードウェア資源使用スケジュール中のローカルHDD帯域についてのスケジュールには既に再生された一定範囲の映像データと同一範囲を示す素材IDに関する情報は含ませないようにし、こうして生成されたハードウェア資源使用スケジュールに基づいてタイマ起動や余剰量の計算等がなされるようにすればよい。
(5)本実施の形態で示したSCSIカード2012のドライバは、データ処理単位の識別子を得ることによりデータ処理単位毎に、定められた帯域を割り当ててデータ転送を実行するものであってもよいし、転送対象のファイル単位の識別子を得ることにより、その識別子に基づき特定される対象に対するアクセス毎に、定められた帯域を割り当ててデータ転送を実行するものであってもよい。なお、制御プログラム側は、このドライバに対応して、ハードディスクへのアクセス要求の際にそのデータ処理単位の識別子又はアクセス対象のデータの識別子を伝えることとすればよい。
(6)本実施の形態では、時刻計測部3051はハードウェア資源使用スケジュールに基づくタイミングでタイマ起動通知メッセージをハードウェア資源管理部3031に送ることとし、ハードウェア資源管理部3031は、タイマ起動通知メッセージを受けた時毎に、余剰量の計算を行い再生以外の処理に対してハードウェア資源を余剰量の範囲内で割り当てなおすこととしたが、時刻計測部3051はIn点に対応したタイマ起動に関しては、ハードディスク中の映像データへのアクセスのための準備にかかる時間に多少の余裕を含めた期間、例えば0.2秒の期間だけ、前もってタイマ起動を行う、つまりタイマ起動通知メッセージを伝えることとしてもよい。これにより、余剰量の計算がIn点の時刻より先行して行われることになり、再生以外の処理に割り当てられるハードウェア資源の分量がIn点の少し前に見直され、例えば映像データのアドレス情報を得る等、映像データへのアクセスのための準備のために短時間だけハードディスクの一部へのアクセスを行うような場合であってもその期間でのアクセスが再生以外の処理によって遮られることがなくなり、その結果、In点の時刻以後は編集リストに基づく映像データへのアクセスが確実に行えるようになる。
(7)本実施の形態で示した再生以外の処理については、ハードウェア資源管理部3031が、再生に対してハードウェア資源が割り当てた後の余剰量の範囲内でハードウェア資源を割り当て、その割り当てた分量に基づき、いつその再生以外の処理が完了するかを示す情報をモニタに表示するように制御することとしてもよい。即ち、再生以外の処理はどれだけの量のデータ転送を行うかを指定してハードディスクへのアクセスをハードウェア資源管理部3031に要求すれば、ハードウェア資源管理部3031はその再生以外の処理に割り当てた分量に基づいて、指定された量のデータ転送が完了する時刻を算定し、その時刻をモニタに表示するよう制御することができる。
【0096】
なお、この場合には、ハードウェア資源管理部3031は、余剰量が変動する度にそのモニタに表示する情報を更新するようにする必要がある。
(8)本実施の形態において図3に示したCODECカード2032を、更にCODECを追加して図17に示す構成とすることもできる。
この構成により、例えばビデオカメラ2071からのライブ映像を、送出装置1601に送出中にCODEC4003を通じてローカルHDD1201に記録することが可能となる。これによれば、ライブ映像を放送しつつ、ローカルHDDに記録されたシーンを編集することが可能になるため、例えば野球番組放送では現場からリアルタイムで送られてきたライブ映像をそのまま放送するとともに、ホームランシーン等の視聴者が見たいシーンをすばやく編集して適宜放送することが可能になる。
【0097】
また図3に示したCODECカード2032内のDVE4031及び4032については、再生される映像データの各時刻におけるエフェクトを再生前に予め設定できる他、再生中においても施すエフェクトをリアルタイムに設定すること(以下、「オンザフライ編集」という。)が可能であり、ノンリニア編集機1101等にオンザフライ編集用の制御プログラムを搭載することとしてもよい。
【0098】
図18は、オンザフライ編集用の制御プログラムが表示するオンザフライ編集用GUI画面9001を示す図である。ここでは、映像データに施すエフェクトの種類としてモザイクが選ばれた場合のGUI画面を例にしている。
オンザフライ編集用GUI画面9001は、オンザフライ編集を行うエフェクトの種類を決定する設定ボックス9002、エフェクトの各属性値を設定するスライダーバー9003、設定値を入力するための入力ボックス9004、エフェクト属性9005〜9010、オンザフライ編集によるエフェクト付加の実行を表すApplyボタン9011、及びオンザフライ編集の終了を表すCancelボタン9012から構成される。
【0099】
また、X pixel size9005及びY pixecl size9006は、それぞれモザイクの一点の水平サイズ及び垂直サイズを設定するものである。H position9007及びV position9008は、それぞれモザイクを施すときの水平及び垂直中心点を設定するものであり設定値は0が左端及び上端を表し、1が右端及び下端を表す。H size9009及びV size9010は、それぞれモザイク全体の水平サイズ及び垂直サイズを設定するものであり、1がもとの映像と同じ大きさを表す。Applyボタン9011が番組編集者に押された時点でエフェクト付加が実行され、以後Cancelボタン9012が押されるまでエフェクトは持続する。また、一旦Applyボタン9011が押された後は、スライダーバー9003及び入力ボックス9004による属性値の変更が直ちに付するエフェクトに反映される。
【0100】
従って、このようなオンザフライ編集用アプリケーションを用いれば、ニュース番組でライブ映像を直接放送する際、番組編集者の意図するエフェクトをリアルタイムに付加することができるようになる。つまり、エフェクト付加後の番組素材を一旦ローカルHDD等に格納しておいてから放送するという手順をとる必要がなく、エフェクトを付加しつつ番組の放送を行うことができるようになる。
(9)本実施の形態では、直接的に放送に要する転送処理、即ち素材データの記録媒体からの読み出し等の処理に対して、編集目的等のために記録媒体に素材データを書き込んだり記録媒体中の素材データにアクセスしたりといった処理よりも、優先的にハードウェア資源を割り当てることとした。
【0101】
このような割り当て方式は、ストリーミング型配信の処理に対して、ダウンロード型配信の処理よりも優先的にハードウェア資源を割り当てるためにも適用できる。即ち、ストリーミング型配信の処理に、記録媒体へのアクセスに用いる帯域、伝送用帯域等を割り当てて、その余剰分の範囲で最大限の帯域をダウンロード型配信の処理に対して割り当てることとしてもよい。ここで、ストリーミング型配信とは、複数の音声や動画等の素材データを編成してMPEG2トランスポートストリーム形式等として、放送受信装置側が受信時にリアルタイムに再生できるように放送する放送形態をいい、放送の遅延や中断が許されないものである。また、ダウンロード型配信とは、ダウンロードしたデータをハードディスク等の記録媒体に一旦蓄積しておき後の任意の時にそのデータを再生する機能を備えた放送受信装置に対し、複数の音声や動画等の素材データを、ダウンロードに適した形式に編成して配信用サーバに格納することを通じて、配信する放送形態をいう。
(10)本実施の形態に示したノンリニア編集機1101における編集リスト管理部3021、ハードウェア資源管理部3031、時刻計測部3051及びハードウェア資源割り当て部3061による処理手順(図10〜図13に示した手順等)を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM等がある。流通、頒布されたコンピュータプログラムはコンピュータにインストール等されることにより利用に供され、コンピュータは前記コンピュータプログラムを実行して本実施の形態で示したようなハードウェア資源管理に関する割り当て制御を実現する。
【0102】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明に係るノンリニア放送システムは、素材データを転送対象とし同一のハードウェア資源を用いる複数の放送用転送処理を少なくとも一期間は並行して実行することにより、素材データの放送を行うノンリニア放送システムであって、素材データを格納している素材格納手段と、前記各放送用転送処理についての実行が予定されている期間を示す期間情報を記憶している期間情報記憶手段と、前記期間情報に示された各期間中において、対応する放送用転送処理に、当該放送用転送処理が必要とする分量のハードウェア資源を割り当てる第1割当手段と、前記第1割当手段が前記各放送用転送処理に対して割り当てた結果として余る、前記ハードウェア資源の余剰分量を算定する余剰分量算定手段と、前記各放送用転送処理以外の処理である1又は複数のバックグラウンド転送処理に対して、前記余剰分量算定手段により算定された余剰分量の範囲内で最大限にハードウェア資源を割り当てる第2割当手段と、前記第1割当手段により割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記放送用転送処理を実行し、前記第2割当手段により割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記バックグラウンド転送処理を実行する処理実行手段とを備えることを特徴とする。
【0103】
これにより、放送用転送処理に対して、即ち直接的に放送に連動するものとなるデータ転送に対して、予め定められたタイミングを示す期間情報に従ってハードウェア資源の確保を行うため放送事故を防ぐことができ、また放送用に使うハードウェア資源の余剰分を、放送以外の例えば放送準備等のための処理に最大限に割り当てることができる。従って、ハードウェア資源の利用効率が高まる。つまり、放送事故を防ぐべく放送用のデータ転送を優先した上で余剰の資源を放送準備のための素材データの取込み等に割り当てるので、例えば素材取込みから編集して放送するまでの処理を円滑に行うことができるようになる。
【0104】
ここで、前記余剰分量算定手段は、前記期間情報に示された各期間の始期及び終期が到来した毎に、前記余剰分量の算定を行うこととしてもよい。
これにより、放送用の処理に割り当てるハードウェア資源の分量が変動するタイミングで、放送用に割り当てて残るハードウェア資源の分量、即ち余剰分量を動的に計算して、放送以外の例えば放送準備等のための処理にその余剰分を十分に割り当てることができるようになるため、ハードウェア資源の利用効率が高まる。
【0105】
また、前記素材格納手段は、読み書き可能な記録媒体であり、前記ハードウェア資源は前記記録媒体へのアクセス用の帯域であり、前記第1割当手段は、前記各放送用転送処理に当該放送用転送処理が必要とする分量の帯域を割り当て、前記余剰分量算定手段は、前記記録媒体へのアクセス用の帯域の全体量から、前記第1割当手段が前記各放送用転送処理に対して割り当てた分量の全てを減算して前記帯域の余剰分量を算出し、前記第2割当手段は、前記1又は複数のバックグラウンド転送処理に対して前記余剰分量の範囲内で最大限の帯域を割り当て、前記処理実行手段は、前記第1割当手段により割り当てられた分量の帯域を用いて前記放送用転送処理を実行し、前記第2割当手段により割り当てられた分量の帯域を用いて前記バックグラウンド転送処理を実行することとしてもよい。
【0106】
これにより、放送用の素材を格納する記録媒体にアクセスして行うデータ転送に用いる帯域について、放送用に必要最小限量を割り当てて、残った分量をその記録媒体にアクセスする他の処理用に割り当てることができるため、その記録媒体の利用効率が高まる。
また、前記バックグラウンド転送処理は、前記記録媒体に素材データを書き込む処理であり、前記放送用転送処理は、素材データを前記記録媒体から読み出す処理であることとしてもよい。
【0107】
これにより、取材して得た素材データを放送の準備のためにハードディスク等の記録媒体に格納する処理について、放送のためのデータ転送に割り当てた余剰の資源を最大限割り当てることができるため、迅速に放送の準備を行うことが可能になる。
また、前記素材データは映像データであり、前記記録媒体はハードディスクであり、前記ノンリニア放送システムは、映像データを放送用形式に変換して放送する送出装置と、複数のノンリニア編集機であって、各ノンリニア編集機は、1つのハードディスクに対応して存在し、CODECと前記第1割当手段と前記第2割当手段と前記余剰分量算定手段と、放送のために当該ノンリニア編集機に対応するハードディスクから映像データを読み出して前記CODECを通して出力する前記放送用転送処理を行う前記処理実行手段とを含むものである複数のノンリニア編集機と、前記複数のノンリニア編集機から出力される映像データのうち1つを選択して前記送出装置に伝えるスイッチャとを備えることとしてもよい。
【0108】
これにより、放送する各映像データのデータ転送に対して、タイミング情報に示された時点において必要最小限の帯域を確保し、その残りの帯域を、放送準備用に素材を素材サーバからノンリニア編集機の作業用となるハードディスクに転送する処理に割り当てることができるため、素材サーバからハードディスクに取り込んだ素材を加工する等の放送準備を迅速、円滑に行うことができるようになる。
【0109】
また、前記ノンリニア編集機は更に、映像データをCODECを通して出力する際にその映像データにエフェクト付加を行うエフェクト付加手段を含むこととしてもよい。
これにより、映像データにリアルタイムにエフェクトを付加しつつ放送することが可能になる。
【0110】
また、前記ノンリニア放送システムは更に、前記バックグラウンド転送処理により転送されるデータの量を取得し、前記第2割当手段により割り当てられた帯域の分量に基づき、前記バックグラウンド転送処理の完了するであろう時刻を算定して表示する転送完了時刻表示手段を含むこととしてもよい。
これにより、放送用に素材データのデータ転送を優先的に行った残りの帯域を用いてデータ転送を行う放送用でない処理についての完了時刻を番組編集者等は知ることができるようになる。
【0111】
また、前記放送用転送処理は、素材データを前記記録媒体から読み出して、素材データをストリーミング型配信用の形式に編成してストリーミング型配信を行う処理であり、前記バックグラウンド転送処理は、素材データを前記記録媒体から読み出して、素材データをダウンロード型配信用の形式に編成してダウンロード型配信を行う処理であることとしてもよい。
【0112】
これにより、放送受信装置側でリアルタイムに再生されるため放送の遅延や中断が許されないものであるストリーミング型配信を、迅速確実に行うことができる。また、そのストリーミング型配信のために帯域を割り当てた後に残る帯域を最大限用いて、放送受信装置側で一旦記録媒体に蓄積されてから後の任意の時点で再生が行われるため断続的な配信が許されるダウンロード型配信を、実行することができるため配信用の帯域資源の効率的活用が図れる。
【0113】
また、前記余剰分量算定手段は、前記期間情報に示された各期間の始期より一定期間前の時期及び終期が到来した毎に、前記余剰分量の算定を行うこととしてもよい。
これにより、放送用の処理にハードウェア資源を割り当てるべき期間の少し前のタイミングで、放送用に割り当てて残るハードウェア資源の分量、即ち余剰分量を動的に計算して、放送以外の例えば放送準備等のための処理にその余剰分を割り当てるので、放送用の処理の少し前に前処理としてハードウェア資源を多少使う場合においても、放送事故を防ぐことができるようになる。
【0114】
このように本発明は、素材データをハードディスク等の記録媒体から読み出して放送するシステムにおける、放送のための処理と放送準備のための処理とに対してのハードウェア資源の割り当てを調整するための有用な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るノンリニア放送システム1000の概略構成図である。
【図2】ノンリニア編集機1101のハードウェア構成図である。
【図3】CODECカード2032の機能ブロック図である。
【図4】ノンリニア編集機1101のソフトウェアによる機能構成図である。
【図5】編集リストDB3011に格納されている編集リストのデータ構造及び内容例を示す図である。
【図6】編集リストの概念を示す図である。
【図7】ハードウェア資源管理DB3041に格納されているハードウェア資源使用スケジュール7000のデータ構造及び内容例を示す図である。
【図8】ハードウェア資源使用スケジュールの概念を示す図である。
【図9】ハードウェア資源管理部3031から時刻計測部3051に対して伝えられるハードウェア資源割当スケジュール8000のデータ構造及び内容例を示す図である。
【図10】映像データの再生を行う際にハードウェア資源管理部3031が編集リストに基づいてハードウェア資源使用スケジュールを生成しタイマ起動を時刻計測部3051に指示するまでの各機能部間でのメッセージ等のシーケンスを示す図である。
【図11】ハードウェア資源管理部3031によるハードウェア資源割当スケジュールの作成手順を示すフローチャートである。
【図12】時刻計測部3051によるタイマ起動通知メッセージの送出からハードウェア資源の割り当てが行われるまでの各機能部間でのメッセージ等のシーケンスを示す図である。
【図13】タイマ対応処理を示すフローチャートである。
【図14】編集リスト5001に基づく放送のための映像データの転送と、ネットワーク素材転送とを並行する場合のローカルHDD1201へのアクセスについての使用帯域の時間的変化を示す図である。
【図15】従来技術によって、放送のための映像データの転送と、ネットワーク素材転送とを並行して転送したことを想定した場合のローカルHDD1201へのアクセスについての使用帯域の時間的変化を示す図である。
【図16】編集リスト5001に基づく放送のための映像データの転送と、SDTI転送(DVCPRO50の2倍速転送)とを並行する場合のローカルHDD1201へのアクセスについての使用帯域の時間的変化を示す図である。
【図17】図3に示したCODECカード2032の変形例を示す図である。
【図18】オンザフライ編集用のアプリケーションプログラムが表示するオンザフライ編集用GUI画面9001を示す図である。
【符号の説明】
1000 ノンリニア放送システム
1101〜1103 ノンリニア編集機
1201〜1203 ローカルHDD
1301 ネットワーク
1401 素材サーバ
1501 AVスイッチャ
1601 送出装置
2001 PCIバス
2012 SCSIカード
2021 ネットワークカード
2031、2032 CODECカード
2041 RS−422制御カード
2051 スイッチャ(SW)
2061 VTR
2071 ビデオカメラ
2081 VTRモニタ
2101 VGAカード
2102 PCモニタ
2111 CPU
2112 メモリ
2121 ヒューマンI/F
2122 キーボード
2123 マウス
2124 専用ジョグパッド
3011 編集リストDB
3021 編集リスト管理部
3031 ハードウェア資源管理部
3041 ハードウェア資源管理DB
3051 時刻計測部
3061 ハードウェア資源割り当て部
3081 モニタ表示制御部
3101 オペレーティングシステム(OS)
3111 ヒューマンI/F制御部

Claims (18)

  1. 素材データを転送対象とし同一のハードウェア資源を用いる複数の放送用転送処理を少なくとも一期間は並行して実行することにより、素材データの放送を行うノンリニア放送システムであって、
    素材データを含む映像データファイルを格納している記録媒体である素材格納手段と、
    前記記録媒体から読み出された素材データを一時的に保持するメモリであるキャッシュ手段と、
    前記各放送用転送処理の処理対象である素材データがどの映像データファイルのどの範囲であるかを特定する処理対象特定情報を記憶する処理対象特定情報記憶手段と、
    前記各放送用転送処理についての実行が予定されている期間を示す期間情報を記憶している期間情報記憶手段と、
    前記期間情報に示された各期間中において、対応する放送用転送処理に、前記処理対象特定情報に基づいて当該放送用転送処理が必要とする分量のハードウェア資源を割り当てる第1割当手段と、
    前記第1割当手段が前記各放送用転送処理に対して割り当てた結果として余る、前記ハードウェア資源の余剰分量を算定する余剰分量算定手段と、
    前記各放送用転送処理以外の処理である1又は複数のバックグラウンド転送処理に対して、前記余剰分量算定手段により算定された余剰分量の範囲内で最大限にハードウェア資源を割り当てる第2割当手段と、
    前記第1割当手段により割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記放送用転送処理を実行し、前記第2割当手段により割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記バックグラウンド転送処理を実行する処理実行手段とを備え
    前記ハードウェア資源は前記記録媒体へのアクセス用の帯域であり、
    前記第1割当手段は、複数の放送用転送処理が同一の映像データファイルの同一範囲を処理対象としている場合に、当該複数の放送用転送処理それぞれのうち後の期間に転送を行う方については、例外的にハードウェア資源の前記割り当てを行わず、
    前記処理実行手段は、例外的にハードウェア資源の割り当てが行われなかった放送用転送処理については、前記記録媒体にアクセスを行う代わりに前記キャッシュ手段にアクセスして素材データを読み出すことにより、当該放送用転送処理を実行する
    ことを特徴とするノンリニア放送システム。
  2. 前記余剰分量算定手段は、前記期間情報に示された各期間の始期及び終期が到来した毎に、前記余剰分量の算定を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のノンリニア放送システム。
  3. 前記素材格納手段は、読み書き可能な記録媒体であり、
    前記ハードウェア資源は前記記録媒体へのアクセス用の帯域であり、
    前記第1割当手段は、前記各放送用転送処理に当該放送用転送処理が必要とする分量の帯域を割り当て、
    前記余剰分量算定手段は、前記記録媒体へのアクセス用の帯域の全体量から、前記第1割当手段が前記各放送用転送処理に対して割り当てた分量の全てを減算して前記帯域の余剰分量を算出し、
    前記第2割当手段は、前記1又は複数のバックグラウンド転送処理に対して前記余剰分量の範囲内で最大限の帯域を割り当て、
    前記処理実行手段は、前記第1割当手段により割り当てられた分量の帯域を用いて前記放送用転送処理を実行し、前記第2割当手段により割り当てられた分量の帯域を用いて前記バックグラウンド転送処理を実行する
    ことを特徴とする請求項2記載のノンリニア放送システム。
  4. 前記バックグラウンド転送処理は、前記記録媒体に素材データを書き込む処理であり、
    前記放送用転送処理は、素材データを前記記録媒体から読み出す処理である
    ことを特徴とする請求項3記載のノンリニア放送システム。
  5. 前記素材データは映像データであり、前記記録媒体はハードディスクであり、
    前記ノンリニア放送システムは、
    映像データを放送用形式に変換して放送する送出装置と、
    複数のノンリニア編集機であって、各ノンリニア編集機は、1つのハードディスクに対応して存在し、CODECと前記第1割当手段と前記第2割当手段と前記余剰分量算定手段と、放送のために当該ノンリニア編集機に対応するハードディスクから映像データを読み出して前記CODECを通して出力する前記放送用転送処理を行う前記処理実行手段とを含むものである複数のノンリニア編集機と、
    前記複数のノンリニア編集機から出力される映像データのうち1つを選択して前記送出装置に伝えるスイッチャとを備える
    ことを特徴とする請求項4記載のノンリニア放送システム。
  6. 前記ノンリニア編集機は更に、映像データをCODECを通して出力する際にその映像データにエフェクト付加を行うエフェクト付加手段を含む
    ことを特徴とする請求項5記載のノンリニア放送システム。
  7. 前記ノンリニア放送システムは更に、前記バックグラウンド転送処理により転送されるデータの量を取得し、前記第2割当手段により割り当てられた帯域の分量に基づき、前記バックグラウンド転送処理の完了するであろう時刻を算定して表示する転送完了時刻表示手段を含む
    ことを特徴とする請求項4記載のノンリニア放送システム。
  8. 前記放送用転送処理は、素材データを前記記録媒体から読み出して、素材データをストリーミング型配信用の形式に編成してストリーミング型配信を行う処理であり、
    前記バックグラウンド転送処理は、素材データを前記記録媒体から読み出して、素材データをダウンロード型配信用の形式に編成してダウンロード型配信を行う処理である
    ことを特徴とする請求項3記載のノンリニア放送システム。
  9. 前記余剰分量算定手段は、前記期間情報に示された各期間の始期より一定期間前の時期及び終期が到来した毎に、前記余剰分量の算定を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のノンリニア放送システム。
  10. 素材データを転送対象とし同一のハードウェア資源を用いる複数の放送用転送処理を少なくとも一期間は並行して実行することにより、素材データの放送を行うノンリニア放送システムにおいて各処理にハードウェア資源を割り当てるハードウェア資源割り当て方法であって、
    前記ノンリニア放送システムは、素材データを含む映像データファイルを格納している記録媒体である素材格納手段と、前記記録媒体から読み出された素材データを一時的に保持するメモリであるキャッシュ手段と、前記各放送用転送処理の処理対象である素材データがどの映像データファイルのどの範囲であるかを特定する処理対象特定情報を記憶する処理対象特定情報記憶手段と、前記各放送用転送処理についての実行が予定されている期間を示す期間情報を記憶している期間情報記憶手段とを備えており、
    前記ハードウェア資源割り当て方法は、
    前記期間情報に示された各期間中において、対応する放送用転送処理に、前記処理対象特定情報に基づいて当該放送用転送処理が必要とする分量のハードウェア資源を割り当てる第1割当ステップと、
    前記第1割当ステップにより前記各放送用転送処理に対して割り当てた結果として余る、前記ハードウェア資源の余剰分量を算定する余剰分量算定ステップと、
    前記各放送用転送処理以外の処理である1又は複数のバックグラウンド転送処理に対して、前記余剰分量算定ステップにより算定された余剰分量の範囲内で最大限にハードウェア資源を割り当てる第2割当ステップとを含み、
    前記ノンリニア放送システムは、前記第1割当ステップにより割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記放送用転送処理を実行し、前記第2割当ステップにより割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記バックグラウンド転送処理を実行する処理実行手段を備え、
    前記ハードウェア資源は前記記録媒体へのアクセス用の帯域であり、
    前記第1割当ステップは、複数の放送用転送処理が同一の映像データファイルの同一範囲を処理対象としている場合に、当該複数の放送用転送処理それぞれのうち後の期間に転送を行う方については、例外的にハードウェア資源の前記割り当てを行わず、
    前記処理実行手段は、例外的にハードウェア資源の割り当てが行われなかった放送用転送処理については、前記記録媒体にアクセスを行う代わりに前記キャッシュ手段にアクセスして素材データを読み出すことにより、当該放送用転送処理を実行する
    ことを特徴とするハードウェア資源割り当て方法。
  11. 前記余剰分量算定ステップは、前記期間情報に示された各期間の始期及び終期が到来した毎に、前記余剰分量の算定を行う
    ことを特徴とする請求項10記載のハードウェア資源割り当て方法。
  12. 前記ノンリニア放送システムの素材格納手段は、読み書き可能な記録媒体であり、前記ハードウェア資源は前記記録媒体へのアクセス用の帯域であり、
    前記第1割当ステップは、前記各放送用転送処理に当該放送用転送処理が必要とする分量の帯域を割り当て、
    前記余剰分量算定ステップは、前記記録媒体へのアクセス用の帯域の全体量から、前記第1割当ステップが前記各放送用転送処理に対して割り当てた分量の全てを減算して前記帯域の余剰分量を算出し、
    前記第2割当ステップは、前記1又は複数のバックグラウンド転送処理に対して前記余剰分量の範囲内で最大限の帯域を割り当てる
    ことを特徴とする請求項11記載のハードウェア資源割り当て方法。
  13. 前記バックグラウンド転送処理は、前記記録媒体に素材データを書き込む処理であり、
    前記放送用転送処理は、素材データを前記記録媒体から読み出す処理である
    ことを特徴とする請求項12記載のハードウェア資源割り当て方法。
  14. 前記放送用転送処理は、素材データを前記記録媒体から読み出して、素材データをストリーミング型配信用の形式に編成してストリーミング型配信を行う処理であり、
    前記バックグラウンド転送処理は、素材データを前記記録媒体から読み出して、素材データをダウンロード型配信用の形式に編成してダウンロード型配信を行う処理である
    ことを特徴とする請求項12記載のハードウェア資源割り当て方法。
  15. 前記余剰分量算定ステップは、前記期間情報に示された各期間の始期より一定期間前の時期及び終期が到来した毎に、前記余剰分量の算定を行う
    ことを特徴とする請求項10記載のハードウェア資源割り当て方法。
  16. プログラム実行機能を有し、素材データを転送対象とし同一のハードウェア資源を用いる複数の放送用転送処理を少なくとも一期間は並行して実行することにより、素材データの放送を行うノンリニア放送システムに対して、ハードウェア資源割り当て制御手順を行わせるためのプログラムであって、
    前記ノンリニア放送システムは、素材データを含む映像データファイルを格納している記録媒体である素材格納手段と、前記記録媒体から読み出された素材データを一時的に保持するメモリであるキャッシュ手段と、前記各放送用転送処理の処理対象である素材データがどの映像データファイルのどの範囲であるかを特定する処理対象特定情報を記憶する処理対象特定情報記憶手段と、前記各放送用転送処理についての実行が予定されている期間を示す期間情報を記憶している期間情報記憶手段とを備えており、
    前記ハードウェア資源割り当て制御手順は、
    前記期間情報に示された各期間中において、対応する放送用転送処理に、前記処理対象特定情報に基づいて当該放送用転送処理が必要とする分量のハードウェア資源を割り当てる第1割当ステップと、
    前記第1割当ステップにより前記各放送用転送処理に対して割り当てた結果として余る、前記ハードウェア資源の余剰分量を算定する余剰分量算定ステップと、
    前記各放送用転送処理以外の処理である1又は複数のバックグラウンド転送処理に対して、前記余剰分量算定ステップにより算定された余剰分量の範囲内で最大限にハードウェア資源を割り当てる第2割当ステップとを含み、
    前記ノンリニア放送システムは、前記第1割当ステップにより割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記放送用転送処理を実行し、前記第2割当ステップにより割り当てられた分量のハードウェア資源を用いて前記バックグラウンド転送処理を実行する処理実行手段を備え、
    前記ハードウェア資源は前記記録媒体へのアクセス用の帯域であり、
    前記第1割当ステップは、複数の放送用転送処理が同一の映像データファイルの同一範囲を処理対象としている場合に、当該複数の放送用転送処理それぞれのうち後の期間に転送を行う方については、例外的にハードウェア資源の前記割り当てを行わず、
    前記処理実行手段は、例外的にハードウェア資源の割り当てが行われなかった放送用転送処理については、前記記録媒体にアクセスを行う代わりに前記キャッシュ手段にアクセスして素材データを読み出すことにより、当該放送用転送処理を実行する
    ことを特徴とするプログラム。
  17. 前記余剰分量算定ステップは、前記期間情報に示された各期間の始期及び終期が到来した毎に、前記余剰分量の算定を行う
    ことを特徴とする請求項16記載のプログラム。
  18. 前記余剰分量算定ステップは、前記期間情報に示された各期間の始期より一定期間前の時期及び終期が到来した毎に、前記余剰分量の算定を行う
    ことを特徴とする請求項16記載のプログラム。
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