JP2000082326A - 酸化錫被覆無機粉末の製造方法 - Google Patents
酸化錫被覆無機粉末の製造方法Info
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- JP2000082326A JP2000082326A JP10251619A JP25161998A JP2000082326A JP 2000082326 A JP2000082326 A JP 2000082326A JP 10251619 A JP10251619 A JP 10251619A JP 25161998 A JP25161998 A JP 25161998A JP 2000082326 A JP2000082326 A JP 2000082326A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】乾燥焼成結工程における凝集を防いで高品質の
導電性の酸化錫被覆無機粉末の製造方法を提供する。 【解決手段】この製造方法は、無機粉末を懸濁した懸濁
液中で該無機粉末の表面にアンチモンと錫の加水分解生
成物を被覆して被覆粉末とする被覆工程と、該被覆粉末
を噴霧燃焼して酸化錫被覆無機粉末とする焼成工程と、
を有してなる。加水分解生成物を被覆して得られる被覆
粉末を噴霧燃焼することにより被覆粉末を互いに分離し
て焼成することができ、被覆粉末同士の焼結を阻止しつ
つ酸化錫被覆無機粉末とすることができる。
導電性の酸化錫被覆無機粉末の製造方法を提供する。 【解決手段】この製造方法は、無機粉末を懸濁した懸濁
液中で該無機粉末の表面にアンチモンと錫の加水分解生
成物を被覆して被覆粉末とする被覆工程と、該被覆粉末
を噴霧燃焼して酸化錫被覆無機粉末とする焼成工程と、
を有してなる。加水分解生成物を被覆して得られる被覆
粉末を噴霧燃焼することにより被覆粉末を互いに分離し
て焼成することができ、被覆粉末同士の焼結を阻止しつ
つ酸化錫被覆無機粉末とすることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性複合無機粉
末である酸化錫被覆無機粉末の製造方法に関する。
末である酸化錫被覆無機粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種無機粉末に半導性酸化錫を被
覆する方法は、特開昭58−209002号公報、特公
昭60−21553号公報に開示がある。これらの被覆
方法は無機粉末を水中に懸濁させ、塩化錫溶液および塩
化アンチモン溶液とアルカリ溶液を添加して、錫とアン
チモンの加水分解生成物を無機粉末表面に析出させて被
覆層を形成する方法である。通常、水溶液中で被覆処理
した粉末は濾過、水洗、乾燥した後、電気炉で約500
℃の温度で1時間以上焼成することによって導電性の酸
化錫が被覆された無機粉末が製造できる。
覆する方法は、特開昭58−209002号公報、特公
昭60−21553号公報に開示がある。これらの被覆
方法は無機粉末を水中に懸濁させ、塩化錫溶液および塩
化アンチモン溶液とアルカリ溶液を添加して、錫とアン
チモンの加水分解生成物を無機粉末表面に析出させて被
覆層を形成する方法である。通常、水溶液中で被覆処理
した粉末は濾過、水洗、乾燥した後、電気炉で約500
℃の温度で1時間以上焼成することによって導電性の酸
化錫が被覆された無機粉末が製造できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】導電性複合粉末に関し
ては多くの文献がある。これらは基材の種類や塩化錫と
塩化アンチモンの添加量や添加方法など、水溶液中での
被覆処理過程に関するものである。水溶液中での適正な
被覆処理は非常に重要なことではあるが、工業的には被
覆処理後の乾燥工程における特性の安定性と凝集のない
粉体とすることが大きな課題である。
ては多くの文献がある。これらは基材の種類や塩化錫と
塩化アンチモンの添加量や添加方法など、水溶液中での
被覆処理過程に関するものである。水溶液中での適正な
被覆処理は非常に重要なことではあるが、工業的には被
覆処理後の乾燥工程における特性の安定性と凝集のない
粉体とすることが大きな課題である。
【0004】従来の方法では懸濁液中で被覆処理を行
い、この生成物を電気炉で焼成することにより、無機粉
末の表面に付着した水酸化錫と水酸化アンチモンを徐々
に加熱して、半導性酸化錫とするものである。この加熱
焼成時に無機粉末同士が凝集することが問題であった。
すなわち、無機粉末表面に付着した前記水酸化物は微細
であるので、500℃前後の焼成において焼結が起こ
る。無機粉末粒子の接触点における焼結は凝集粒子を形
成する。凝集粒子を分離するには解砕操作を施す必要が
あるが、この解砕操作によって被覆層の剥離が生じた
り、無機粉末粒子が破砕したり、異物が混入したりする
ため、導電性複合粉末の工業的生産における品質改善の
要求がされてきた。
い、この生成物を電気炉で焼成することにより、無機粉
末の表面に付着した水酸化錫と水酸化アンチモンを徐々
に加熱して、半導性酸化錫とするものである。この加熱
焼成時に無機粉末同士が凝集することが問題であった。
すなわち、無機粉末表面に付着した前記水酸化物は微細
であるので、500℃前後の焼成において焼結が起こ
る。無機粉末粒子の接触点における焼結は凝集粒子を形
成する。凝集粒子を分離するには解砕操作を施す必要が
あるが、この解砕操作によって被覆層の剥離が生じた
り、無機粉末粒子が破砕したり、異物が混入したりする
ため、導電性複合粉末の工業的生産における品質改善の
要求がされてきた。
【0005】本願発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、乾燥焼成工程における凝集を防いで微細な半導
性、導電性の酸化錫被覆無機粉末の製造方法を提供する
ことを目的とする。
もので、乾燥焼成工程における凝集を防いで微細な半導
性、導電性の酸化錫被覆無機粉末の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の酸化錫被覆無機
粉末の製造方法は、無機粉末を懸濁した懸濁液中で該無
機粉末の表面にアンチモンと錫の加水分解生成物を被覆
して被覆粉末とする被覆工程と、該被覆粉末を噴霧燃焼
して酸化錫被覆無機粉末とする焼成工程と、を有するこ
とを特徴とする。本発明の製造方法では、アンチモンと
錫の加水分解生成物を被覆して得られる被覆粉末を噴霧
燃焼することに特色があり、噴霧燃焼により被覆粉末を
互いに分離して焼成することができ被覆粉末同士の焼結
を阻止しつつ酸化錫被覆無機粉末とすることができる。
粉末の製造方法は、無機粉末を懸濁した懸濁液中で該無
機粉末の表面にアンチモンと錫の加水分解生成物を被覆
して被覆粉末とする被覆工程と、該被覆粉末を噴霧燃焼
して酸化錫被覆無機粉末とする焼成工程と、を有するこ
とを特徴とする。本発明の製造方法では、アンチモンと
錫の加水分解生成物を被覆して得られる被覆粉末を噴霧
燃焼することに特色があり、噴霧燃焼により被覆粉末を
互いに分離して焼成することができ被覆粉末同士の焼結
を阻止しつつ酸化錫被覆無機粉末とすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の酸化錫被覆無機粉末の製
造方法は、アンチモンと錫の加水分解生成物を被覆して
被覆粉末とする被覆工程と、得られた被覆粉末を噴霧燃
焼して酸化錫被覆無機粉末とする焼成工程とを有してな
る。本発明の出発原料となる無機粉末としては耐火性の
酸化物、窒化物、炭化物等を用いることができる。特
に、耐熱性の耐火物が好ましい。具体的には、シリカ、
アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、ジルコニア、およびこ
れらを一つの成分とする複合酸化物等の粉末を用いるこ
とができる。無機粉末の形状は、球状でも粒状でも針状
であってもよい。また、無機粉末の大きさは0.5〜2
0μm程度のものが好ましい。
造方法は、アンチモンと錫の加水分解生成物を被覆して
被覆粉末とする被覆工程と、得られた被覆粉末を噴霧燃
焼して酸化錫被覆無機粉末とする焼成工程とを有してな
る。本発明の出発原料となる無機粉末としては耐火性の
酸化物、窒化物、炭化物等を用いることができる。特
に、耐熱性の耐火物が好ましい。具体的には、シリカ、
アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、ジルコニア、およびこ
れらを一つの成分とする複合酸化物等の粉末を用いるこ
とができる。無機粉末の形状は、球状でも粒状でも針状
であってもよい。また、無機粉末の大きさは0.5〜2
0μm程度のものが好ましい。
【0008】アンチモンと錫の加水分解生成物を形成す
るための原料としては塩化錫と塩化アンチモンを用いる
ことができる。より具体的には、塩化第1錫または塩化
第2錫及び三塩化アンチモンまたは五塩化アンチモンを
組み合わせたものを用いることができる。錫とアンチモ
ンの組成割合は原子比で99:1から80:20程度が
好ましい。アンチモンの割合が多いと導電性が低下す
る。
るための原料としては塩化錫と塩化アンチモンを用いる
ことができる。より具体的には、塩化第1錫または塩化
第2錫及び三塩化アンチモンまたは五塩化アンチモンを
組み合わせたものを用いることができる。錫とアンチモ
ンの組成割合は原子比で99:1から80:20程度が
好ましい。アンチモンの割合が多いと導電性が低下す
る。
【0009】本発明の被覆工程は、従来公知の被覆工程
をそのまま採用できる。具体的には、無機粉末を懸濁し
た懸濁液に塩化錫と塩化アンチモンの水溶液を添加して
混合懸濁液を形成する。そしてこの混合懸濁液のpHを
調整して水酸化錫および水酸化アンチモンとして基材表
面に沈着させるものである。pHを調整するためのアル
カリ溶液は予め懸濁液に添加するとか、塩化錫と塩化ア
ンチモンの水溶液に添加するとか、混合懸濁液を調製し
た後で添加することができる。
をそのまま採用できる。具体的には、無機粉末を懸濁し
た懸濁液に塩化錫と塩化アンチモンの水溶液を添加して
混合懸濁液を形成する。そしてこの混合懸濁液のpHを
調整して水酸化錫および水酸化アンチモンとして基材表
面に沈着させるものである。pHを調整するためのアル
カリ溶液は予め懸濁液に添加するとか、塩化錫と塩化ア
ンチモンの水溶液に添加するとか、混合懸濁液を調製し
た後で添加することができる。
【0010】本発明の焼成工程は被覆工程で得られた被
覆粉末を噴霧燃焼させる工程である。噴霧燃焼としては
火炎中に被覆粉末を噴霧して燃焼させる方法と、被覆粉
末を可燃流体中に分散させ、可燃流体及び被覆粉末共に
噴霧して微細粒子状とし可燃流体を燃焼させこれにより
被覆粉末を噴霧燃焼させる方法とがある。可燃流体とし
ては微粉炭等の固体状のものから可燃液体、あるいは分
散媒としての液体に可燃性の微粉固体を配合したもの等
を採用できる。また、水分を含む被覆粉末を乳化剤によ
り可燃液体に乳化しエマルジョンとしたものを噴霧燃焼
させることもできる。
覆粉末を噴霧燃焼させる工程である。噴霧燃焼としては
火炎中に被覆粉末を噴霧して燃焼させる方法と、被覆粉
末を可燃流体中に分散させ、可燃流体及び被覆粉末共に
噴霧して微細粒子状とし可燃流体を燃焼させこれにより
被覆粉末を噴霧燃焼させる方法とがある。可燃流体とし
ては微粉炭等の固体状のものから可燃液体、あるいは分
散媒としての液体に可燃性の微粉固体を配合したもの等
を採用できる。また、水分を含む被覆粉末を乳化剤によ
り可燃液体に乳化しエマルジョンとしたものを噴霧燃焼
させることもできる。
【0011】また、被覆粉末は分散媒を除去して乾燥し
た乾燥被覆粉末でも、さらには被覆工程の混合懸濁液中
に存在する副生物のナトリウムイオンや塩素イオン等を
脱イオン水等を用いたデカンデーションによる置換と洗
浄により除去精製した被覆粉末を用いることもできる。
また、被覆工程で得られる混合懸濁液をそのまま使用す
ることもできる。
た乾燥被覆粉末でも、さらには被覆工程の混合懸濁液中
に存在する副生物のナトリウムイオンや塩素イオン等を
脱イオン水等を用いたデカンデーションによる置換と洗
浄により除去精製した被覆粉末を用いることもできる。
また、被覆工程で得られる混合懸濁液をそのまま使用す
ることもできる。
【0012】具体的には、可燃液体として水溶性の有機
溶媒のアルコール、メチルピロリドン等、固体微粉末と
しては微粉炭、ショ糖などが利用できる。この水溶性可
燃物を採用する場合には、被覆粉末に付着している水分
が可燃液体に移行し、被覆粉末の焼成が容易となる。可
燃流体の配合量は被覆粉末及びそれに介在する水分を含
めた全体を100重量%とした場合、可燃流体が20重
量%以上とするのが安定した噴霧燃焼を実現でき実用的
である。可燃液体の配合量が20重量%未満であると安
定した噴霧燃焼ができないので好ましくない。
溶媒のアルコール、メチルピロリドン等、固体微粉末と
しては微粉炭、ショ糖などが利用できる。この水溶性可
燃物を採用する場合には、被覆粉末に付着している水分
が可燃液体に移行し、被覆粉末の焼成が容易となる。可
燃流体の配合量は被覆粉末及びそれに介在する水分を含
めた全体を100重量%とした場合、可燃流体が20重
量%以上とするのが安定した噴霧燃焼を実現でき実用的
である。可燃液体の配合量が20重量%未満であると安
定した噴霧燃焼ができないので好ましくない。
【0013】また、被覆工程の終了した状態の懸濁液を
そのまま使用し、これに非水溶性の可燃液体をエマルジ
ョン化して混合し、エマルジョンを噴霧燃焼すること
で、水溶性可燃物の場合と同様に安定した噴霧燃焼を行
うことができる。すなわち、適切な乳化剤とともに非水
溶性可燃性液体を前記混合懸濁液に加えて水中油滴型
(W/O型)エマルジョンを作製し、このエマルジョン
を噴霧して着火することにより粉末表面層の水酸化物を
速やかに加熱して導電性複合粉末を製造することができ
る。
そのまま使用し、これに非水溶性の可燃液体をエマルジ
ョン化して混合し、エマルジョンを噴霧燃焼すること
で、水溶性可燃物の場合と同様に安定した噴霧燃焼を行
うことができる。すなわち、適切な乳化剤とともに非水
溶性可燃性液体を前記混合懸濁液に加えて水中油滴型
(W/O型)エマルジョンを作製し、このエマルジョン
を噴霧して着火することにより粉末表面層の水酸化物を
速やかに加熱して導電性複合粉末を製造することができ
る。
【0014】前記の適切な乳化剤としては、各種界面活
性剤を用いることができるが、金属イオンを含まないノ
ニオン系界面活性剤を用いることが望ましい。例えば、
アルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェニ
ルポリオキシエチレンエーテル、アルキルカルボニルオ
キシポリエチレン、脂肪酸多価アルコールエステル、脂
肪酸多価アルコールポリオキシエチレンエーテル、脂肪
酸ショ糖エステルなどが挙げられる。
性剤を用いることができるが、金属イオンを含まないノ
ニオン系界面活性剤を用いることが望ましい。例えば、
アルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェニ
ルポリオキシエチレンエーテル、アルキルカルボニルオ
キシポリエチレン、脂肪酸多価アルコールエステル、脂
肪酸多価アルコールポリオキシエチレンエーテル、脂肪
酸ショ糖エステルなどが挙げられる。
【0015】噴霧燃焼の温度は、700℃以上1200
℃以下が適当である。燃焼温度が低すぎると部分的に不
完全燃焼が起こり、未燃焼物が生じ生成粉末中に混入す
るので好ましくない。逆に1200℃より高温で燃焼す
ると焼成した複合材料が火炎中で衝突して局部的に焼結
して、凝集粒子を形成するため好ましくない。なお、燃
焼火炎の温度は火炎中に熱電対を挿入することにより測
定できる。
℃以下が適当である。燃焼温度が低すぎると部分的に不
完全燃焼が起こり、未燃焼物が生じ生成粉末中に混入す
るので好ましくない。逆に1200℃より高温で燃焼す
ると焼成した複合材料が火炎中で衝突して局部的に焼結
して、凝集粒子を形成するため好ましくない。なお、燃
焼火炎の温度は火炎中に熱電対を挿入することにより測
定できる。
【0016】噴霧燃焼で焼成した粉末は、粒子の凝集が
少なく流動性が良い。また従来法に比べて濾過や粉砕の
工程が不要となり、さらに粉砕工程などで異物が混入す
ることがないので、高品質の導電性複合粒子が容易に製
造することができる。
少なく流動性が良い。また従来法に比べて濾過や粉砕の
工程が不要となり、さらに粉砕工程などで異物が混入す
ることがないので、高品質の導電性複合粒子が容易に製
造することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより具体的に
説明する。なお、本発明は実施例のものに限定されるも
のでないことは言うまでもない。 (実施例1)平均粒径が10μm、比表面積が1m2/
gの球状アルミナ粉末102gを1モル/リットルの炭
酸水素ナトリウム水溶液に懸濁した。次にこの懸濁液
に、塩化第1錫二水和物および三塩化アンチモンをそれ
ぞれ0.09モルおよび0.01モル含有する塩酸酸性
溶液を滴下し、アルミナ粉末の表面に錫とアンチモンが
均一に分散した水酸化物の表面層を有するアルミナ複合
粉末からなる被覆粉末を形成した。
説明する。なお、本発明は実施例のものに限定されるも
のでないことは言うまでもない。 (実施例1)平均粒径が10μm、比表面積が1m2/
gの球状アルミナ粉末102gを1モル/リットルの炭
酸水素ナトリウム水溶液に懸濁した。次にこの懸濁液
に、塩化第1錫二水和物および三塩化アンチモンをそれ
ぞれ0.09モルおよび0.01モル含有する塩酸酸性
溶液を滴下し、アルミナ粉末の表面に錫とアンチモンが
均一に分散した水酸化物の表面層を有するアルミナ複合
粉末からなる被覆粉末を形成した。
【0018】この被覆粉末が分散している懸濁液から上
澄み液を取り除いた後、懸濁物を脱イオン水で洗浄・置
換してナトリウムおよび塩素イオンを懸濁液中から除去
した。次にこの洗浄懸濁液にメチルピロリドンが60重
量%となるように配合し、十分に混合して混合懸濁液と
した。この混合懸濁液を噴霧して、噴霧粒の平均直径が
30μm程度の霧状に噴霧し、続いてパイロットバーナ
で着火することにより800℃の火炎温度で噴霧燃焼を
行った。そして焼成された酸化錫被覆無機粉末を排気ガ
ス中より回収し、目的とする酸化錫被覆無機粉末製造し
た。
澄み液を取り除いた後、懸濁物を脱イオン水で洗浄・置
換してナトリウムおよび塩素イオンを懸濁液中から除去
した。次にこの洗浄懸濁液にメチルピロリドンが60重
量%となるように配合し、十分に混合して混合懸濁液と
した。この混合懸濁液を噴霧して、噴霧粒の平均直径が
30μm程度の霧状に噴霧し、続いてパイロットバーナ
で着火することにより800℃の火炎温度で噴霧燃焼を
行った。そして焼成された酸化錫被覆無機粉末を排気ガ
ス中より回収し、目的とする酸化錫被覆無機粉末製造し
た。
【0019】(実施例2)平均粒径が0.7μm、比表
面積が7m2/gのアルミナ粉末を、塩化第1錫二水和
物および三塩化アンチモンをそれぞれ0.09モルおよ
び0.01モル含有する塩酸酸性溶液300mlに懸濁
して懸濁液を調製した。次にこの懸濁液に、0.1モル
/リットルの炭酸水素ナトリウム水溶液を滴下してpH
を4まで徐々に上昇させ、アルミナ粉末の表面に錫とア
ンチモンが均一に分散した水酸化物の表面層を有するア
ルミナ複合粉末からなる被覆粉末を形成した。
面積が7m2/gのアルミナ粉末を、塩化第1錫二水和
物および三塩化アンチモンをそれぞれ0.09モルおよ
び0.01モル含有する塩酸酸性溶液300mlに懸濁
して懸濁液を調製した。次にこの懸濁液に、0.1モル
/リットルの炭酸水素ナトリウム水溶液を滴下してpH
を4まで徐々に上昇させ、アルミナ粉末の表面に錫とア
ンチモンが均一に分散した水酸化物の表面層を有するア
ルミナ複合粉末からなる被覆粉末を形成した。
【0020】この被覆粉末が分散している懸濁液から上
澄み液を取り除いた後、懸濁物を脱イオン水で洗浄・置
換してナトリウムおよび塩素イオンを懸濁液中から除去
した。この懸濁液に乳化剤としてソルビタンモノラウレ
ート3重量%を含む灯油を40体積%加えて攪拌し、液
滴が1〜2μmの油中水滴型エマルジョンを作製した。
これを霧滴の平均直径が30μmの霧に噴霧してパイロ
ットバーナで着火することにより900℃の火炎温度で
噴霧燃焼を行った。そして焼成された酸化錫被覆無機粉
末を排気ガス中より回収し、目的とする酸化錫被覆無機
粉末製造した。得られた粉末は水色で、X線回折の結果
αアルミナと酸化錫が同定された。
澄み液を取り除いた後、懸濁物を脱イオン水で洗浄・置
換してナトリウムおよび塩素イオンを懸濁液中から除去
した。この懸濁液に乳化剤としてソルビタンモノラウレ
ート3重量%を含む灯油を40体積%加えて攪拌し、液
滴が1〜2μmの油中水滴型エマルジョンを作製した。
これを霧滴の平均直径が30μmの霧に噴霧してパイロ
ットバーナで着火することにより900℃の火炎温度で
噴霧燃焼を行った。そして焼成された酸化錫被覆無機粉
末を排気ガス中より回収し、目的とする酸化錫被覆無機
粉末製造した。得られた粉末は水色で、X線回折の結果
αアルミナと酸化錫が同定された。
【0021】(比較例1)実施例1と同じ方法で得られ
た被覆粉末を脱イオン水で洗浄後、濾別した。この被覆
粉末を磁性るつぼに入れ、500℃で4時間焼成した。
焼成物は著しく凝集していたので、乳鉢で粉砕して表面
に酸化錫が被覆された無機粉末を作製した。この無機粉
末をX線回折した。そしてこの無機粉末からαアルミナ
と酸化錫が同定された。
た被覆粉末を脱イオン水で洗浄後、濾別した。この被覆
粉末を磁性るつぼに入れ、500℃で4時間焼成した。
焼成物は著しく凝集していたので、乳鉢で粉砕して表面
に酸化錫が被覆された無機粉末を作製した。この無機粉
末をX線回折した。そしてこの無機粉末からαアルミナ
と酸化錫が同定された。
【0022】(比較例2)実施例2と同じ方法で得られ
た被覆粉末を脱イオン水で洗浄後、濾別した。この被覆
粉末を磁性るつぼに入れ、500℃で4時間焼成した。
焼成物は著しく凝集していたので、乳鉢で粉砕して表面
に酸化錫が被覆された無機粉末を作製した。この無機粉
末をX線回折した。そしてこの無機粉末からαアルミナ
と酸化錫が同定された。
た被覆粉末を脱イオン水で洗浄後、濾別した。この被覆
粉末を磁性るつぼに入れ、500℃で4時間焼成した。
焼成物は著しく凝集していたので、乳鉢で粉砕して表面
に酸化錫が被覆された無機粉末を作製した。この無機粉
末をX線回折した。そしてこの無機粉末からαアルミナ
と酸化錫が同定された。
【0023】(評価)実施例1、2および比較例1、,
2で得た粉末を、内径18mmのキャビティを有するア
ルミナ製の型に入れ、40MPaの面圧で厚さ3〜4m
mの円板状に加圧成形して厚さ方向の電気抵抗を測定し
た。結果を表1に示す。実施例1の酸化錫被覆無機粉末
の加圧成形体の電気抵抗は855Ωcmであるのに対し
て、実施例1と同じ被覆粉末を用いた比較例1の酸化錫
被覆無機粉末の加圧成形体の電気抵抗は6.4KΩcm
と一桁電気抵抗が高いこと分かる。また、実施例2の酸
化錫被覆無機粉末の加圧成形体の電気抵抗は15MΩc
mであるのに対して、実施例2と同じ被覆粉末を用いた
比較例2の酸化錫被覆無機粉末の加圧成形体の電気抵抗
は148MΩcmと一桁電気抵抗が高いこと分かる。
2で得た粉末を、内径18mmのキャビティを有するア
ルミナ製の型に入れ、40MPaの面圧で厚さ3〜4m
mの円板状に加圧成形して厚さ方向の電気抵抗を測定し
た。結果を表1に示す。実施例1の酸化錫被覆無機粉末
の加圧成形体の電気抵抗は855Ωcmであるのに対し
て、実施例1と同じ被覆粉末を用いた比較例1の酸化錫
被覆無機粉末の加圧成形体の電気抵抗は6.4KΩcm
と一桁電気抵抗が高いこと分かる。また、実施例2の酸
化錫被覆無機粉末の加圧成形体の電気抵抗は15MΩc
mであるのに対して、実施例2と同じ被覆粉末を用いた
比較例2の酸化錫被覆無機粉末の加圧成形体の電気抵抗
は148MΩcmと一桁電気抵抗が高いこと分かる。
【0024】
【表1】 電気抵抗測定結果
【0025】
【発明の効果】本発明の酸化錫被覆無機粉末の製造方法
では、無機粉末の表面に沈着した水酸化物皮膜を、噴霧
燃焼で焼成乾燥して錫酸化物皮膜を形成している。無機
粉末が互いに分離した状態で焼成されるため、粉末同士
の凝集が起こらない。このため本発明の方法は、粉砕工
程を要せず、電気抵抗の低い無機粉末が容易に得られ
る。
では、無機粉末の表面に沈着した水酸化物皮膜を、噴霧
燃焼で焼成乾燥して錫酸化物皮膜を形成している。無機
粉末が互いに分離した状態で焼成されるため、粉末同士
の凝集が起こらない。このため本発明の方法は、粉砕工
程を要せず、電気抵抗の低い無機粉末が容易に得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 直義 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】無機粉末を懸濁した懸濁液中で該無機粉末
の表面にアンチモンと錫の加水分解生成物を被覆して被
覆粉末とする被覆工程と、 該被覆粉末を噴霧燃焼して酸化錫被覆無機粉末とする焼
成工程と、 を有することを特徴とする酸化錫被覆無機粉末の製造方
法。 - 【請求項2】前記噴霧燃焼は前記被覆粉末と該被覆粉末
を分散保持する可燃液体との可燃懸濁液を噴霧して燃焼
させるものであることを特徴とする請求項1に記載の酸
化錫被覆無機粉末の製造方法。 - 【請求項3】前記可燃懸濁液は前記被覆粉末を乳化剤に
より乳化したエマルジョン液体であることを特徴とする
請求項2に記載の酸化錫被覆無機粉末の製造方法。 - 【請求項4】前記可燃懸濁液を構成する前記被覆粉末は
水洗処理されたものであることを特徴とする請求項2に
記載の酸化錫被覆無機粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10251619A JP2000082326A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 酸化錫被覆無機粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10251619A JP2000082326A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 酸化錫被覆無機粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000082326A true JP2000082326A (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=17225531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10251619A Pending JP2000082326A (ja) | 1998-09-04 | 1998-09-04 | 酸化錫被覆無機粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000082326A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011171292A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-09-01 | Fujifilm Corp | 導電性要素、導電性要素形成用感光材料および電極 |
WO2023136283A1 (ja) * | 2022-01-13 | 2023-07-20 | 石原産業株式会社 | 被覆酸化アルミニウム粒子及びその製造方法、並びにその用途 |
-
1998
- 1998-09-04 JP JP10251619A patent/JP2000082326A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011171292A (ja) * | 2010-01-20 | 2011-09-01 | Fujifilm Corp | 導電性要素、導電性要素形成用感光材料および電極 |
WO2023136283A1 (ja) * | 2022-01-13 | 2023-07-20 | 石原産業株式会社 | 被覆酸化アルミニウム粒子及びその製造方法、並びにその用途 |
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