JP2000080600A - 嵩高紙の製造方法 - Google Patents

嵩高紙の製造方法

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JP2000080600A JP10361573A JP36157398A JP2000080600A JP 2000080600 A JP2000080600 A JP 2000080600A JP 10361573 A JP10361573 A JP 10361573A JP 36157398 A JP36157398 A JP 36157398A JP 2000080600 A JP2000080600 A JP 2000080600A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚みが大きく、吸収性が高く、柔らかさに優
れ、かつ適度な丈夫さを有する嵩高紙の製造方法を提供
すること。 【解決手段】 乾燥工程の前に設置され、且つ吸引部お
よび該吸引部に沿って周回する開孔パターンネットを備
えたパターン付与工程に、所定の水分率の繊維シートを
移送させ、該繊維シートを上記開孔パターンネット上に
保持した状態で吸引して、該繊維シートに該開孔パター
ンネットに対応するパターン付けをし、次いで上記乾燥
工程において乾燥させることによりパターン付けされた
嵩高紙を得る嵩高紙の製造方法であって、上記開孔パタ
ーンネットが、所定の搬送用補強ベルトと、所定の開孔
パターン構造体とから構成されていることを特徴とする
嵩高紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クッキングペーパ
ー、ペーパータオル、ティッシュ、掃除用紙製品及び衛
生材料等の吸収性基材等に用いられる嵩高紙の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、製造プロセスの点から、厚みや吸水容量、柔らかさ
を向上させた嵩高紙を製造する試みがなされている。例
えば、乾燥前の濡れた繊維シートに吸引によりパターン
付けを行い、その後、圧縮させずに熱風中を通過させて
中間乾燥し、ヤンキードライヤーにて最終乾燥する嵩高
紙の製造方法において、1つの開孔部面積が0.007
2mm2 〜2.1mm2 であり、6.45cm2 あたり
100〜3600個の開孔部を有する開孔パターン搬送
ベルトを用いる方法(特開昭52−21405号公報)
や、感光性樹脂を用いた所定の開孔形状部を有する開孔
パターン樹脂と、その補強として従来より用いられてい
る抄紙搬送ベルトとを複合化した開孔パターン搬送ベル
トを用いる方法(特表平5−506277号公報および
特表平5−506893号公報等)が知られている。
【0003】しかしながら、特開昭52−21405号
公報記載の方法は、相対的に長い繊維よりなる針葉樹パ
ルプを開孔部中へ偏向させて低密度突起を形成させるこ
とが不可能であった。
【0004】また、特表平5−506277号公報及び
特表平5−506893号公報記載の方法では、開孔部
の面積が3mm2 未満だと、吸引により形成される低密
度突起の容積が小さいため、十分な厚みや吸水容量、柔
らかさを発現させることができない。また、開孔パター
ン搬送ベルトの樹脂部分が多くの反転ロールやヤンキー
ドライヤー表面と強力な圧力のもとでこすれ合うため、
ベルトの寿命の面で問題がある。また、取り外しや交換
に多大の時間を要し、通常の紙と、嵩高紙とを交互に製
造したり、該嵩高紙のパターン形状を簡単に変更して製
造するのは不可能であった。
【0005】従って、本発明の目的は、厚みが大きく、
吸収性が高く、柔らかさに優れ、かつ適度な丈夫さを有
する嵩高紙の製造方法を提供することにある。また、本
発明の目的は、長期連続操業に対応でき、通常抄紙生産
との切り替えや、パターン形状の変更が容易にできる嵩
高紙の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の開
孔パターンネットを備えたパターン付与工程によるパタ
ーン付けを、嵩高紙製造プロセスにおける特定の段階に
おいて行うことにより、上記目的が達成され得ることを
知見した。
【0007】本発明は、乾燥工程の前に設置され、且つ
吸引部および該吸引部に沿って周回する開孔パターンネ
ットを備えたパターン付与工程に、水分率が50〜99
重量%の繊維シートを移送させ、該繊維シートを上記開
孔パターンネット上に保持した状態で吸引して、該繊維
シートに該開孔パターンネットに対応するパターン付け
をし、次いで上記乾燥工程において乾燥させることによ
りパターン付けされた嵩高紙を得る嵩高紙の製造方法で
あって、上記開孔パターンネットが、搬送用補強ベルト
と、該搬送用補強ベルト上に配され且つ上記繊維シート
が堆積される開孔パターン構造体とから構成されてお
り、上記搬送用補強ベルトは、1つの開孔部面積が0.
01〜10mm2 、開孔部面積率が10〜70%、長手
方向の引張強度が20kg/cm以上であり、上記開孔
パターン構造体は、1つの開孔部面積が3〜25m
2 、開孔部面積率が18〜96%、パターンを形成す
る構成材の平面方向の最小幅が0.1〜5mm、厚みが
0.3〜1.5mmであることを特徴とする嵩高紙の製
造方法を提供することにより上記目的を達成したもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の嵩高紙の製造方法
の好ましい実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1に示す装置(抄紙機)1は、吸引ドラム34及び該
吸引ドラム34の周面の一部に沿って周回する開孔パタ
ーンネット31を備えたパターン付与工程を、紙層形成
工程と乾燥工程との間に設置した嵩高紙製造装置であ
り、該装置1は、原料供給部10、紙層形成部20、パ
ターン付与部30、乾燥部40及び巻取部50から構成
されている。
【0009】上記原料供給部10は、抄紙原料供給ヘッ
ド11を備えており、所定濃度に調製された繊維懸濁液
が該抄紙原料供給ヘッド11から上記紙層形成部20へ
供給される。上記紙層形成部20は、紙層形成ベルト2
1及び該紙層形成ベルト21に隣接して設けられている
脱水用の吸引ボックス22を備えている。該紙層形成ベ
ルト21は通常の抄紙機に用いられているワイヤーメッ
シュベルトから成っている。上記紙層形成部20から次
に述べるパターン付与部30及び乾燥部40にかけて、
搬送ピックアップベルト23が走行しており、上記繊維
シート2の安定搬送を可能となしている。吸引ボックス
24は、上記紙層形成ベルト21から上記搬送ピックア
ップベルト23への上記繊維シート2の転送を担ってい
る。上記パターン付与部30は、吸引ドラム34及び該
吸引ドラム34の周面の一部に沿って周回する開孔パタ
ーンネット31を備えている。図2(a)及び(b)に
示すように、該開孔パターンネット31は、樹脂製のワ
イヤーメッシュからなる搬送用補強ベルト33と、その
外周上に配され且つ上記繊維シート2が保持される開孔
パターン構造体32とから構成されている。上記吸引ド
ラム34内には吸引ボックス37が備えられている。図
1に示すように該吸引ボックス37は、上記開孔パター
ンネット31が吸引ドラム34の周面に沿って走行する
部分の内部に配置されており、これにより該開孔パター
ンネット31を介して、その外側から内側に向けてエア
の吸引が可能になされている。また、上記パターン付与
部30には、エアーノズル38および弱吸引ボックス3
9が備えられており、これらによって上記開孔パターン
ネット31に貼り付いた上記繊維シート2が上記搬送ピ
ックアップベルト23へ再転送されることを容易にして
いる。上記乾燥部40は、ドラム状スルー・エアー・ド
ライヤー(以下、ドライヤーと称す)41を備えてお
り、ドラム周面の外側から内側に向けて熱風が通過する
ようになされている。このドライヤー41の周面には、
網目状ネット42が配設されており、該ネット42とし
ては熱風の通過に支障のない程度の目開きを有するもの
が用いられる。また、このドライヤー41内部の下端部
付近に、吸引ボックス43が配設されることによって、
上記パターン付与部30から移送されてきた繊維シート
2の上記網目状ネット42上への転送を容易にしてい
る。また、上記巻取部50は、製造された嵩高紙3を巻
き取るためのワインダー51を具備している。
【0010】上記開孔パターンネット31の開孔パター
ン構造体32は、熱可塑性樹脂の溶融押し出し成形法に
よって作製されたプラスチックネットであり、その全面
に亘って円形状の開孔部35が多数形成されており、網
目状パターンを形成している。また、この開孔パターン
構造体32は、搬送用補強ベルト33と縫製加工により
一体化されている。
【0011】上記パターン付与工程は、上記装置1にお
ける紙層形成工程と乾燥工程との間であればどの位置に
設置されてもよい。
【0012】図2(a)及び(b)に示す開孔パターン
構造体32における開孔部35は1つの面積が3〜25
mm2 である。該面積が3mm2 に満たないと上記開孔
部35中への繊維の偏向が十分でなく、得られる嵩高紙
内に良好な低密度突起(後述する低繊維密度領域に相当
する)を形成させるに至らない。また、25mm2 を超
えると吸引による繊維の脱落が生じ、嵩高紙に穴が開き
やすくなり、さらに該嵩高紙内に形成される網目状の高
密度領域(後述する高繊維密度領域に相当する)の面積
が小さくなり十分な強度を有する嵩高紙が得られなくな
る。上記開孔部35の面積は4〜10mm2 であること
が好ましく、5〜8mm2 であることが更に好ましい。
【0013】上記開孔部35の面積は、上記開孔パター
ン構造体32における開孔部面積率と関係しており、本
発明では上記開孔部35の個々の面積を上述の範囲とし
ていると共に該開孔部35の開孔部面積率を18〜96
%、好ましくは40〜87%、更に好ましくは50〜7
5%としている。該開孔部面積率が18%に満たない
と、低密度突起を形成する領域全体の面積が小さくな
り、吸収容量が高く、風合いに優れた嵩高紙を得ること
ができない。該開孔部面積率が96%を超えると、網目
状の高密度領域を形成する領域全体の面積が小さくな
り、十分な強度を有する嵩高紙が得られなくなる。尚、
本明細書にいう開孔部面積率とは、上記開孔パターン構
造体32において上記開孔部35が形成されている領域
に対して測定された値をいい、例えば上記開孔部35が
形成されていない上記開孔パターン構造体32の左右両
側部は上記開孔部面積率の測定対象領域から除外され
る。
【0014】また、上記開孔部35の面積は、上記開孔
パターン構造体32において該開孔部35を形成する
(取り囲む)ネット構成材36〔図2(a)及び(b)
参照〕の幅とも関係しており、本発明では上記開孔部3
5の個々の面積を上述の範囲としていると共に上記構成
材36の平面方向(即ち、上記開孔パターン構造体32
を平面視した場合)の最小幅を0.1〜5mm、好まし
くは0.2〜2mm、更に好ましくは0.3〜1mmと
している。該幅が0.1mmに満たないと、網目状の高
密度領域の線幅が細くなりすぎて、十分な強度を有する
嵩高紙が得られない。5mmを超えると、網目状の高密
度領域の線幅が太くなり過ぎて硬い風合いの紙となって
しまう。尚、本明細書にいう上記構成材の最小幅とは、
該構成材の幅が一定でない場合〔例えば図2(a)及び
(b)に示すように、上記開孔パターン構造体32が円
形の開孔部を有するような場合〕には、該構成材を平面
視したときの最狭部の幅をいい、平面視して該構成材の
幅が一定の場合には当該幅をいう。
【0015】上記開孔パターン構造体32の厚みT〔図
2(b)参照〕、換言すれば上記開孔部35の深さは
0.3〜1.5mmであり、0.4〜1.0mmである
ことが好ましく、0.5〜0.8mmであることが更に
好ましい。上記厚みが0.3mmに満たないと上記開孔
部35中への繊維の偏向が十分でなく、良好な低密度突
起を形成させるには至らない。1.5mmを超えると上
記開孔部35中への繊維の偏向状態が一定となってしま
い、さらに高吸引時には嵩高紙に穴が開きやすくなる。
【0016】上記開孔パターン構造体32は抄紙安定性
の面から撥水性であることが好ましい。更に好ましく
は、上記開孔パターン構造体32は、水に対する接触角
が60°以上、特に75°以上の撥水性を有している。
このような開孔パターン構造体を具備する開孔パターン
ネットを用いることにより、一旦吸引によるパターン付
けによって該開孔パターンネットに貼り付いた繊維シー
トを他の搬送ベルトに転送させる際に該開孔パターンネ
ットからの剥離性が一層向上し、高速抄紙に一層適した
ものとなる。上記の撥水性を発現させるために、開孔パ
ターン構造体32の材質が親水性である場合には、撥水
コーティング処理することが好ましく、具体的にはテフ
ロン樹脂やウレタン樹脂等で表面処理することが挙げら
れる。また、上記開孔パターン構造体に、ポリオレフィ
ン系剥離剤、高級脂肪酸系剥離剤または鉱物油系剥離剤
等の剥離剤をスプレー添加することによっても剥離性を
改善することができる。尚、上記接触角は、協和界面科
学社製のCONTACT ANGLEMETERCA-D を用い、温度25℃
において、開孔パターン構造体の小片サンプル板(76
mm×26mm)に水10マイクロリットルをシリンジ
にて滴下後、すばやく測定して得られたものである。
【0017】上記開孔パターン構造体32と一体化され
て用いられる搬送用補強ベルト33は、多数の開孔部3
3’が形成されたものであり、開孔パターンネット31
の強度を高めるために用いられるものである。この目的
のために、搬送用補強ベルト33の長手方向(周回方
向)の引張強度は、20kg/cm以上とされており、
好ましくは40kg/cm以上、更に好ましくは60k
g/cm以上とされている。該引張強度が20kg/c
mに満たないと抄紙機や加工機における開孔パターンネ
ットの安定走行が不能となる。上記引張強度は、引張強
度試験機を用いた破断強度の測定から求められ、その条
件は試料片の幅10mm、チャック間距離100mm、
引張速度60mm/分である。また、搬送用補強ベルト
33は、その1つの開孔部33’の面積が0.01〜1
0mm2 とされている。該面積が、0.01mm2 に満
たないと吸引により上記開孔パターン構造体32の開孔
部35中への繊維の偏向のための十分な通過風量を得る
ことができず、10mm2 を超えると搬送用ベルトとし
ての十分な強度が得られない。得られる嵩高紙内の低密
度突起部分に穴が開くのを効果的に防止するためには、
該面積を0.02〜1mm2 、特に0.03〜0.3m
2 とすることが好ましい。また、上記搬送用補強ベル
ト33の開孔部面積率は、10〜70%とされている。
該開孔部面積率が10%に満たないと、開孔部35中へ
の繊維の偏向を発現させるのに十分な通過風量が繊維シ
ート全体にわたって均一に得られなくなってしまい、7
0%を超えると搬送用ベルトとしての十分な強度が得ら
れなくなってしまう。得られる嵩高紙内の低繊維密度領
域に穴が開くのを効果的に防止するためには、開孔部3
3’の面積率を15〜50%、特に18〜25%とする
ことが好ましい。更に、上記搬送用補強ベルト33は、
その構成材33”の平面方向の最小幅が0.05〜1m
m、特に0.1〜0.3mmとされていることが好まし
い。上記搬送用補強ベルト33としては、通常の抄紙・
加工用の搬送ベルトとして用いられている、線状体の織
物からなるメッシュベルトものと同様のものが使用され
得る。
【0018】本実施形態の上記開孔パターン構造体32
と上記搬送用補強ベルト33とを一体化するための縫製
加工は、上記搬送用補強ベルト33と上記開孔パターン
構造体32との間に隙間ができないようにすることが好
ましい。尚、一体化の方法は、縫製加工に限られず、例
えば熱融着加工や、搬送用補強ベルト33上に感光性樹
脂を用いて開孔パターン構造体32を形成してもよい。
【0019】図1に示す装置1を用いた嵩高紙の製造方
法について更に説明すると、まず、繊維懸濁液を上記抄
紙原料供給ヘッド11から上記紙層形成ベルト21上に
供給し、該紙層形成ベルト21上に繊維を堆積させて、
ウエット状態の繊維シート(紙層)2を形成する。
【0020】次いで、上記繊維シート2中に含まれてい
る水分を吸引ボックス22により脱水して、下流の工程
である上記パターン付与工程に移送される前の該繊維シ
ート2の水分率を所定の値とする。該水分率は、該パタ
ーン付与工程において該繊維シート2に十分なパターン
付けを可能とするために、該繊維シート2の重量(即
ち、湿潤状態での重量)に対して50〜99重量%と
し、好ましくは65〜90重量%、更に好ましくは70
〜85重量%とする。該水分率が50重量%に満たない
と濡れた繊維シート2中の繊維1本1本の自由度が低い
ため、吸引による繊維構造の再構築が困難となり、99
重量%を超えると濡れた繊維シート2の構造維持ができ
ず、搬送することが困難となる。
【0021】所定の水分率に調整された上記繊維シート
2は、上記紙層形成ベルト21から分離すると共に上記
開孔パターンネット31における開孔パターン構造体3
2上へと移送される。周回する上記開孔パターンネット
31の内周に設置された吸引ドラム34においては、該
開孔パターンネット31を介して、その外部から内部に
向けて上記吸引ボックス37によりエアが吸引されてい
る。従って、上記繊維シート2のうち、上記開孔パター
ン構造体32中の開孔部35上に位置している領域(こ
の領域を「領域A」という)は、図3に示すように、上
記吸引によって、上記開孔部35内に食い込み、上記吸
引ボックス37の内部に向けて厚みを増した凸状の形状
となる。また、領域Aは、吸引前に比して、構成繊維の
繊維密度が低くなった低繊維密度領域となる。この場
合、上記開孔パターン構造体32の下部には、該開孔パ
ターン構造体32よりも目の細かい搬送用補強ベルト3
3が配設されているので、領域Aにおける厚みの急激な
増加(急激な低密度化)は該搬送用補強ベルト33によ
って規制され、領域Aに大きな穴が開いたり、或いは上
記繊維シート2が破れるようなことはない。
【0022】一方、上記繊維シート2のうち、上記開孔
パターン構造体32の構成材36上に位置している部分
及びその近傍(この領域を「領域B」という)は、上記
吸引によって上記構成材36に押し付けられて圧縮され
るので、吸引前に比して、その厚みが若干小さくなると
共にその繊維密度が若干大きくなる。即ち、領域Bは、
領域Aに対して相対的に高繊維密度領域となる。斯かる
高繊維密度領域は、得られる嵩高紙における上記低繊維
密度領域に起因する引張強度の低下傾向を抑制する作用
を有する。特に、上述の通り、上記開孔パターン構造体
32は連続した網目状パターンから形成されているの
で、上記高繊維密度領域も連続した網目状パターンとな
り、得られる嵩高紙の引張強度が一層向上する。
【0023】このようにして、上記開孔パターンネット
31が上記吸引ドラム34の周面の一部に沿って走行す
る間に、上記繊維シート2には、上記開孔パターン構造
体32の網目状パターンに対応するパターン付けが行わ
れる。
【0024】上記パターン付与工程における上記吸引ボ
ックス37の吸引力は、上記繊維シート2の坪量や水分
率等にもよるが、一般的な範囲としては、−10〜−1
00kPaが好ましく、−25〜−70kPaが一層好
ましい。
【0025】上記パターン付与工程において所定のパタ
ーン付けがされた上記繊維シート2は、次いで乾燥工程
としての上記ドライヤー41内に導入され、熱風中を通
過することにより乾燥される。この際、通常の抄紙プロ
セスで一般に行われている圧密化工程は、嵩高紙の嵩高
性が損なわれないようにするため行われない。
【0026】上記ドライヤー41がほぼ一回転する間に
上記繊維シートは乾燥されて最終製品である嵩高紙3が
得られる。得られた嵩高紙3は、上記巻取部50におけ
る上記ワインダー51によって巻き取られる。
【0027】以上の工程により嵩高紙3が製造される
が、本発明においては、上記吸引ドラム34及び上記開
孔パターンネット31を備えたパターン付与工程を乾燥
工程の前に設置することにより、従来の嵩高紙の製造方
法では得られなかった以下の(1)〜(5)に述べるよ
うな利点がある。 (1)上記開孔パターンネット31を乾燥工程内に導く
こと無く上記繊維シートのパターン付けができるので、
250℃以下の軟化点を有する非耐熱性の材質から成る
開孔パターン構造体を使用できる。(2)上記開孔パタ
ーンネット31は、吸引ドラム34の周面の一部に沿っ
て周回するのみなのでそれ程長いネットを製造する必要
がない。(3)上記開孔パターンネット31を取り替え
るだけの簡単な操作で、上記繊維シート2に付与される
パターン形状の変更が容易にできる。(4)上記開孔パ
ターンネット31を乾燥工程内に導かないので、長時間
連続使用しても劣化しにくく、その耐用年数が長くな
る。(5)上記パターン付与部30全体を下方へ移動さ
せて上記開孔パターンネット31を繊維シート2の走行
パスから外すことで、通常抄紙の生産も容易にでき、通
常抄紙の生産との切り替えが簡単である。
【0028】このようにして得られた嵩高紙の断面の構
造を模式的に図4に示す。図4に示すように、上述の方
法で得られた嵩高紙3には、低繊維密度領域4と高繊維
密度領域5とが存在している。該低繊維密度領域4は、
上記開孔パターン構造体32における開孔部35に対応
して形成されたものであり、厚みが相対的に大きくなっ
ている。一方、該高繊維密度領域5は上記開孔パターン
構造体32における開孔部35を取り囲む構成材36に
対応して形成されたものであり、厚みが相対的に小さく
なっている。その結果、上記嵩高紙3は凹凸形状の構造
を有し極めて嵩高となり、厚みが大きくなる。従って、
吸収性が高く、柔らかさに優れたものとなる。また、強
度の高い上記高繊維密度領域5が連続した網目状パター
ンとなっているので、上記嵩高紙3は適度な強度も有す
る。
【0029】上記嵩高紙3を構成する繊維としては、繊
維長10mm以下、特に0.5〜5mmの短繊維が好ま
しく用いられる。斯かる短繊維としては、針葉樹や広葉
樹の化学パルプ、半化学パルプ及び機械パルプ等の木材
パルプ、これら木材パルプを化学処理したマーセル化パ
ルプ及び架橋パルプ、麻や綿等の非木材系繊維並びにレ
ーヨン繊維等の再生繊維のようなセルロース系繊維;並
びにポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエス
テル繊維及びポリアミド繊維のような合成繊維等が挙げ
られる。これらの繊維のうち、製品のコスト、強度、抄
紙適性等の観点から、木材パルプ、非木材パルプ、レー
ヨン繊維等のセルロース系繊維が好ましい。とりわけ、
製品コストの観点から、木材パルプが一層好ましい。こ
れらの短繊維は、上記嵩高紙3を構成する繊維全体に対
して50〜100重量%用いられることが好ましく、7
0〜100重量%用いられることが更に好ましい。
【0030】上記嵩高紙3をクッキングペーパー、ペー
パータオル、ティッシュ等の吸収性基材や洗浄剤等を含
浸させて用いる清掃用シートとして用いる場合には、繊
維全体に対して上記セルロース系繊維を50〜100重
量%含有させることが好ましい。また、これに加えて、
湿潤強度を発現させるためにポリアミドアミン・エピク
ロルヒドリン樹脂等の湿潤紙力増強剤を添加することも
好ましい。かかる湿潤紙力増強剤は、嵩高紙全量に対し
て一般に0.2〜2.0重量%添加されることが好まし
い。また、より高い湿潤強度を発現させるために、上述
のポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂にカルボ
キシメチルセルロース等のアニオン系ポリマーや両性ポ
リアクリルアミド等の両性ポリマーを適量混合した湿潤
紙力増強剤を用いることも好ましい。
【0031】上記実施形態では、抄紙機のライン内で形
成されたウエット状態の繊維シートにパターン付けする
場合(インラインでのパターン付け)を例にとり説明し
たが、これに代えて、一旦通常抄紙を行い該通常抄紙に
より得られた紙を、再湿潤させて上記水分率の繊維シー
トとなし、次いで上記開孔パターンネットが吸引部に沿
って周回するようになされている装置を用いて該繊維シ
ートにパターン付け(オフラインでのパターン付け)を
してもよい。尚、上記嵩高紙の製造方法に関して特に詳
述しなかった点については、従来公知の抄紙方法に関す
る説明が適宜適用される。
【0032】また、本発明によれば下記のものも併せて
提供される。水分率が50〜99重量%の繊維シートを
保持した状態で、吸引によって該繊維シートにパターン
付けを行うための、多数の開孔部を有する開孔パターン
ネットであって、上記開孔パターンネットが、搬送用補
強ベルトと、該搬送用補強ベルト上に配され且つ上記繊
維シートが保持される開孔パターン構造体とから構成さ
れており、上記搬送用補強ベルトは、1つの開孔部面積
が0.01〜10mm2 、開孔部面積率が10〜70
%、長手方向の引張強度が20kg/cm以上であり、
上記開孔パターン構造体は、1つの開孔部面積が3〜2
5mm2 、開孔部面積率が18〜96%、パターンを形
成する構成材の平面方向の最小幅が0.1〜5mm、厚
みが0.3〜1.5mmであることを特徴とする開孔パ
ターンネット。乾燥工程の前に設置され、且つ吸引部お
よび該吸引部に沿って周回する開孔パターンネットを備
えたパターン付与部を具備する嵩高紙製造装置であっ
て、上記開孔パターンネットが、搬送用補強ベルトと、
該搬送用補強ベルト上に配され且つ上記繊維シートが保
持される開孔パターン構造体とから構成されており、上
記搬送用補強ベルトは、1つの開孔部面積が0.01〜
10mm2 、開孔部面積率が10〜70%、長手方向の
引張強度が20kg/cm以上であり、上記開孔パター
ン構造体は、1つの開孔部面積が3〜25mm2 、開孔
部面積率が18〜96%、パターンを形成する構成材の
平面方向の最小幅が0.1〜5mm、厚みが0.3〜
1.5mmであることを特徴とする嵩高紙製造装置。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明の有効性を例証す
る。
【0034】〔実施例1〕針葉樹晒クラフトパルプ(N
BKP、重量平均繊維長:2.35mm)60重量%お
よび広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、重量平均繊維
長:0.74mm)40重量%からなる混合パルプ原料
をリファイナーにてカナディアン・スタンダード・フリ
ーネス(CSF)640mlにまで叩解した。このパル
プ原料を2重量%に分散したスラリーに、湿潤紙力増強
剤としてのポリアミドアミン・エピクロルヒドリン樹脂
WS−570(日本PMC社製)を0.6重量%(対パ
ルプ重量%)、乾燥紙力増強剤および上記ポリアミドア
ミン・エピクロルヒドリン樹脂の歩留まり向上剤として
のカルボキシメチルセルロース(WS−A、第一工業製
薬)をそれぞれ0.25重量%(対パルプ重量%)添加
して抄紙原料とした。調製された抄紙原料を用いて、図
1に示す抄紙機を用いて嵩高紙を製造した。尚、図1に
おける紙層形成ベルト21として、縦90メッシュ/イ
ンチ×横85メッシュ/インチのポリエステル製1,4
−サテン織りベルトを使用した。
【0035】図1に示す抄紙機の抄紙原料供給ヘッド1
1より上記抄紙原料を0.1重量%に希釈して紙層形成
ベルト21上へ供給し、吸引ボックス22で吸引脱水し
て水分率75重量%の繊維シート2を形成した。次いで
繊維シート2を、吸引ドラム34の周面の一部に沿って
周回する開孔パターンネット31へ移送し、該吸引ドラ
ム34に備えられた吸引ボックス37により−46.5
kPaで吸引して所定のパターンを付与した。上記開孔
パターンネット31としては、図2(a)及び(b)に
示される円形の開孔部形状を有し、1つの開孔部面積
7.1mm2 、開孔部面積率65.3%、開孔部を形成
する構成材の幅0.7mm、厚み0.71mmであり、
溶融押し出し成型法によって作製されたポリプロピレン
製樹脂ネット32と、1つの開孔部面積0.023mm
2 、開孔面積率18.8%、長手方向の引張強度67.
7kg/cmの搬送用補強ベルト(日本フィルコン社
製、OS−80)33とを縫製加工にて一体化したもの
を用いた。このポリプロピレン製樹脂の水に対する接触
角は92°であり、該樹脂ネット32からの繊維シート
2の剥離が良好なようになされている。尚、嵩高紙を製
造する際の抄紙速度は150m/minであった。
【0036】パターン付与された繊維シート2は、弱吸
引ボックス39の弱い吸引により搬送ピックアップベル
ト23へ転送されてドラム状スルー・エアー・ドライヤ
ー41へ導入される。該ドライヤー41内で繊維シート
2を250℃の熱風を通過させて乾燥し、坪量22g/
2 の嵩高紙3を得た。
【0037】〔実施例2〕開孔パターンネット31とし
て長方形の開孔部形状を有し、且つ溶融押し出し成型法
によって作製されたポリプロピレン製樹脂ネット32
と、搬送用補強ベルト(日本フィルコン社製、OS−8
0)33とを縫製加工にて一体化したものを用いる以外
は実施例1と同様の操作で坪量22g/m2 の嵩高紙を
製造した。
【0038】〔実施例3〕開孔パターンネット31とし
て正方形の開孔部形状を有し、且つウレタン樹脂コーテ
ィングされた感光性樹脂(PVA及びテトラゾニウム
塩)よりなる開孔パターン構造体32を、搬送用補強ベ
ルト(日本フィルコン社製、OS−80)33上に形成
したものを用いる以外は実施例1と同様の操作で坪量2
2g/m2 の嵩高紙を製造した。
【0039】〔実施例4〕開孔パターンネット31とし
て正方形の開孔部形状を有し、且つテフロン樹脂コーテ
ィングされた扁平ガラス繊維のからみ織りネットよりな
る開孔パターン構造体32と、搬送用補強ベルト(日本
フィルコン社製、OP−18K)33とを縫製加工にて
一体化したものを用いる以外は実施例1と同様の操作で
坪量22g/m2 の嵩高紙を製造した。
【0040】〔実施例5〕開孔パターンネット31とし
て実施例1で用いたポリプロピレン製樹脂ネット32
と、搬送用補強ベルト(日本フィルコン社製、OP−
8)33とを縫製加工にて一体化したものを用いる以外
は実施例1と同様の操作で坪量22g/m2 の嵩高紙を
製造した。
【0041】〔比較例1〕実施例1において、吸引ボッ
クス37による吸引を行なわない以外は、実施例1と同
様の操作で坪量22g/m2 の紙を製造した。
【0042】〔比較例2〕開孔パターンネット31とし
て正方形の開孔部形状を有し、且つ溶融押し出し成型法
によって作製されたポリプロピレン製樹脂ネット32
と、搬送用補強ベルト(日本フィルコン社製、OS−8
0)33とを縫製加工にて一体化したものを用いる以外
は実施例1と同様の操作で坪量22g/m2 の紙を製造
した。
【0043】上記実施例および比較例の製造条件を表1
にまとめて示す。また、上記実施例および比較例の嵩高
紙について、厚み、強度および吸収性を調べるために、
平均乾燥厚み(3g/cm2 荷重下、23g/cm2
重下)、平均湿潤厚み(3g/cm2 荷重下、23g/
cm2 荷重下)、乾燥引張強度(MD、CD)、湿潤引
張強度(MD、CD)、単位面積あたりの飽和吸水量を
以下の方法にて測定した。その結果を表2に示す。
【0044】<平均乾燥厚み>オザキ製作所社製の厚み
計(R5−C)を用いて、5cm×5cmの底面を有す
る75gのアクリル板を一枚の嵩高紙の上に置いて3g
/cm2 荷重下の乾燥平均厚みを測定した。また、上記
アクリル板の上に更に500gのおもりを載せて23g
/cm2 荷重下の平均乾燥厚みを測定した。
【0045】<平均湿潤厚み>嵩高紙を7cm×7cm
に裁断して大量の水に5秒間浸した後、10秒間水を切
ってから平均乾燥厚みの場合と同様にして平均湿潤厚み
を測定した。
【0046】<乾燥引張強度>嵩高紙を幅25mm、長
さ100mmの短冊状に裁断した後、速やかに万能圧縮
引張試験機(オリエンティック社製、RTM−25)を
用いて、引張速度300mm/min、試験片つかみ間
隔50mmの条件で破断時の強度を測定した。なお、表
2中、MDは抄紙機の流れ方向の強度を示し、CDはそ
れに直交する方向の強度を示す。
【0047】<湿潤引張強度>嵩高紙を幅25mm、長
さ100mmの短冊状に裁断し、大量の水に5秒間浸し
た後、10秒間水を切ってから、乾燥引張強度と同様の
方法で破断時の強度を測定した。
【0048】<飽和吸水量>嵩高紙を7cm×7cmに
裁断して大量の水に20秒間浸した後、30秒間水を切
ってから、嵩高紙に吸収された水の重量(g/49cm
2 )を天秤にて測定した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】表1及び表2に示す結果から明らかなよう
に、特定の開孔パターンネットを用いて特定の方法によ
り得られた嵩高紙(実施例1〜5)は、比較例の紙に比
べて厚みが大きく、吸収性が高く、かつ適度な強度を有
していることが分かる。
【0052】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の嵩高紙の
製造方法によれば、厚みが大きく、吸収性が高く、柔ら
かさに優れ、かつ適度な強度を有する嵩高紙が得られ
る。また、本発明の嵩高紙の製造方法においては、上記
開孔パターンネットを乾燥工程内に導くこと無く上記繊
維シートのパターン付けができるので、非耐熱性の材質
から成る開孔パターン構造体を使用できる。また、上記
開孔パターンネットが吸引部に沿って周回するのみなの
でそれ程長いネットを製造する必要がない。また、本発
明の嵩高紙の製造方法においては、上記開孔パターンネ
ットを取り替えるだけの簡単な操作で、パターン形状の
変更が容易にできる。また、上記開孔パターンネット3
1を乾燥工程内に導かないので、長時間連続使用しても
劣化しにくく、その耐用年数が長くなる。更に、パター
ン付与工程を移動させて繊維シートの走行パスから外す
だけで、通常抄紙の生産も容易にでき、通常抄紙の生産
との切り替えが簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の嵩高紙の製造方法に好ましく用いら
れる装置を示す模式図である。
【図2】 図2(a)は、開孔パターンネットの要部を
拡大して示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)
におけるI−I線断面図である。
【図3】 吸引ドラムにおける繊維シートの吸引の様子
を示す要部拡大図である。
【図4】 本発明の嵩高紙の製造方法によって得られた
嵩高紙の断面の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 嵩高紙製造装置 2 繊維シート 3 嵩高紙 4 低繊維密度領域 5 高繊維密度領域 10 原料供給部 20 紙層形成部 30 パターン付与部 31 開孔パターンネット 32 開孔パターン構造体 33 搬送用補強ベルト 34 吸引ドラム 35 開孔部 36 構成材 37 吸引ボックス 40 乾燥部 41 ドラム状スルー・エアー・ドライヤー 50 巻取部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳田 浩幸 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 早瀬 妙子 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥工程の前に設置され、且つ吸引部お
    よび該吸引部に沿って周回する開孔パターンネットを備
    えたパターン付与工程に、水分率が50〜99重量%の
    繊維シートを移送させ、該繊維シートを上記開孔パター
    ンネット上に保持した状態で吸引して、該繊維シートに
    該開孔パターンネットに対応するパターン付けをし、次
    いで上記乾燥工程において乾燥させることによりパター
    ン付けされた嵩高紙を得る嵩高紙の製造方法であって、 上記開孔パターンネットが、搬送用補強ベルトと、該搬
    送用補強ベルト上に配され且つ上記繊維シートが堆積さ
    れる開孔パターン構造体とから構成されており、 上記搬送用補強ベルトは、1つの開孔部面積が0.01
    〜10mm2 、開孔部面積率が10〜70%、長手方向
    の引張強度が20kg/cm以上であり、 上記開孔パターン構造体は、1つの開孔部面積が3〜2
    5mm2 、開孔部面積率が18〜96%、パターンを形
    成する構成材の平面方向の最小幅が0.1〜5mm、厚
    みが0.3〜1.5mmであることを特徴とする嵩高紙
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記パターン付与工程が、抄紙機の紙層
    形成工程と乾燥工程との間に設置されている、請求項1
    記載の嵩高紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 パターン付けされた上記繊維シートを、
    熱風中を通過させて圧密化することなく乾燥させる、請
    求項1又は2記載の嵩高紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記開孔パターン構造体は、水に対する
    接触角が60゜以上の撥水性を有している、請求項1〜
    3の何れかに記載の嵩高紙の製造方法。
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