JP5474655B2 - 紙及び紙の製造方法 - Google Patents
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Description
紙は抄紙機によって連続的に形成された湿紙を脱水し、乾燥させて製造する。この際一般的に紙の製造ラインの主要部分は次のパートで構成される。すなわち抄紙機を構成し、紙料液を受けて湿紙と液状部分を分離しワイヤ上に湿紙を形成するワイヤパートと、得られた湿紙を圧搾し脱水するプレスパートと、及び湿紙を乾燥し水を蒸発させるドライパートとである。さらにワイヤパートの前には紙料液の準備工程があり、ドライパートの後には乾燥後の紙を巻き取り処理する後工程がある。この間各パートで湿紙はワイヤもしくはフェルト上に載せて搬送される。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、傾斜ワイヤ抄紙機によって製造されたT/Y比が1以下の紙、及びその紙を製造する方法を提供することにある。
請求項5に係る発明は、前記負のドローは、湿紙がワイヤパートからプレスパートへと移行する際又はプレスパートからドライパートへと移行する際のいずれか少なくとも一箇所において2.5〜5.0%の範囲で掛けられていることを特徴とする請求項2に記載の紙の製造方法を要旨とする。
スラリー比
本発明の目的を達成するためには、ワイヤパート10を構成する傾斜ワイヤ抄紙機のスラリー比を0.9以上1.2以下の範囲に設定することが必要である。ここでスラリー比とは、以下の式にて算出される。
紙料液流出線速度(m/min)=紙料液が原料供給装置15の開口部17を通過する量(m3/min)/同開口部17の開口幅(m)/開口部17の基端からポンドレギュレータ18の底面までの鉛直方向の高さL(m)
ワイヤパート10にて既に説明したように、原料供給装置15の開口部17はヘッドボックス16に形成された矩形の開口であるため、その開口幅(図示しない)は一定である。一方、ポンドレギュレータ18は上下動可能のため、開口部17基端(開口の最も上流側)からポンドレギュレータ18の底面19までの鉛直方向の高さは可変である。
本発明の目的を達成するためには、湿紙Sがワイヤ12から搬送フェルト22又は、搬送フェルト22からドライフェルトに移行する際、移行の少なくとも1箇所において湿紙に負のドロー値にてドローを掛ける必要がある。この場合ドローの適用の容易さから、ワイヤパートからプレスパートへの移行、もしくはプレスパートからドライパートへの移行する箇所の少なくとも一箇所であることが好ましい。
実施例1
繊維原料として平均繊維長2.4mmのNBKP100質量%の木材パルプを使用した。この繊維原料に叩解処理を施して紙料の濾水度(CSF)を680mlに調整して紙料液を製造した。同紙料液を上記紙の実施形態にて説明した紙の製造装置にて紙を抄造した。
湿紙に対して2.5%の負のドロー値にてドローを1回掛けた以外は実施例1と同じ条件で坪量30.5g/m2の紙を製造した。
湿紙に対して5.0%の負のドロー値にてドローを1回掛けた以外は実施例1と同じ条件で坪量30.1g/m2の紙を製造した。
紙料の濾水度(CSF)を600mlに調整し、湿紙がワイヤパートからプレスパートへと移行する際に4.0%の負のドロー値にてドローを掛け、また湿紙がプレスパートからドライパートへと移行する際にも2.5%の負のドロー値にてドローを掛け、合計2回のドローを掛けた以外は実施例1と同じ条件で坪量30.5g/m2の紙を製造した。
紙料の濾水度(CSF)を600mlに調整し、湿紙がワイヤパートからプレスパートへと移行する際に4.0%の負のドロー値にてドローを掛け、また湿紙がプレスパートからドライパートへと移行する際にも5.0%の負のドロー値にてドローを掛け、合計2回のドローを掛けた以外は実施例1と同じ条件で坪量30.6g/m2の紙を製造した。
紙料の濾水度(CSF)を600mlに調整し、湿紙がワイヤパートからプレスパートへと移行する際に4.0%の負のドロー値にてドローを掛け、また湿紙がプレスパートからドライパートへと移行する際にも3.0%の負のドロー値にてドローを掛け、合計2回のドローを掛けた以外は実施例1と同じ条件で坪量30.3g/m2の紙を製造した。
傾斜ワイヤ抄紙機でのスラリー比を0.95とし、紙料の濾水度(CSF)を500mlに調整し、湿紙に対して4.5%の負のドロー値にてドローを1回掛けた以外は実施例1と同じ条件で紙料の流量を調節して坪量10.0g/m2の紙を製造した。
傾斜ワイヤ抄紙機でのスラリー比を1.20とした以外は実施例1と同じ条件で紙料の流量を調節して坪量49.8g/m2の紙を製造した。
傾斜ワイヤ抄紙機でのスラリー比を1.00とし、湿紙に対して3.5%の負のドロー値にてドローを1回掛けた以外は実施例1と同じ条件で紙料の流量を調節して坪量19.9g/m2の紙を製造した。
傾斜ワイヤ抄紙機でのスラリー比を1.10とし、湿紙に対して3.5%の負のドロー値にてドローを1回掛けた以外は実施例1と同じ条件で紙料の流量を調節して坪量40.2g/m2の紙を製造した。
湿紙に対して5.0%の負のドロー値にてドローを1回掛けた以外は実施例10と同じ条件で坪量39.7g/m2の紙を製造した。
繊維原料としてNBKP60質量%とLBKP40質量%の2種類を混合した木材パルプを使用した。このうち、NBKPの平均繊維長は実施例1と同様の2.4mmであり、LBKPの平均繊維長は0.9mmであった。また、紙料の濾水度(CSF)を650mlに調整した。これ以外は実施例1と同じ条件で坪量29.5g/m2の紙を製造した。
繊維原料としてNBKP(平均繊維長2.4mm)20質量%とLBKP(平均繊維長0.9mm)80質量%の2種類を混合した木材パルプを使用した。また、紙料の濾水度(CSF)を600mlに調整した。これ以外は実施例1と同じ条件で坪量30.4g/m2の紙を製造した。
紙料の濾水度(CSF)を750mlに調整した以外は実施例1と同じ条件で坪量30.2g/m2の紙を製造した。
繊維原料として平均繊維長3.4mmのマニラ麻100質量%を使用した以外は実施例1と同じ条件で坪量29.6g/m2の紙を製造した。
繊維原料としてNBKP(平均繊維長2.4mm)70質量%の木材パルプと平均繊維長5.0mmのビニロン25質量%の合成繊維と平均繊維長3.0mmのポリビニルアルコール(PVA)5質量%のバインダ繊維を使用した。また、紙料の濾水度(CSF)を900mlに調整した。これ以外は実施例1と同じ条件で坪量30.3g/m2の紙を製造した。
実施例1に比して湿紙に対してドローを掛けなかった(ドロー値0%)以外は実施例1と同じ条件で坪量29.7g/m2の紙を製造した。
実施例1に比してスラリー比を0.85とし、湿紙に対して5.0%の負のドロー値にてドローを1回掛けた以外は実施例1と同じ条件で坪量29.8g/m2の紙を製造した。
実施例1に比してスラリー比を1.25とし、湿紙に対して5.0%の負のドロー値にてドローを1回掛けた以外は実施例1と同じ条件で坪量29.6g/m2の紙を製造した。
実施例1に比して紙料の濾水度(CSF)を470mlとした以外は実施例1と同じ条件で坪量30.5g/m2の紙を製造した。
実施例1に比して紙料の濾水度(CSF)を470mlとし、スラリー比を1.00とした以外は実施例1と同じ条件で紙料の流量を調節して坪量20.4g/m2の紙を製造した。
実施例1に比して紙料の濾水度(CSF)を470mlとし、スラリー比を1.10とした以外は実施例1と同じ条件で紙料の流量を調節して坪量40.5g/m2の紙を製造した。
実施例7に比して湿紙に対してドローを掛けなかった(ドロー値0%)以外は実施例7と同じ条件で坪量10.9g/m2の紙を製造した。
実施例7に比してスラリー比を0.85とした以外は実施例7と同じ条件で坪量10.1g/m2の紙を製造した。
実施例7に比してスラリー比を1.25とした以外は実施例7と同じ条件で坪量10.6g/m2の紙を製造した。
実施例8に比してドローを掛けなかった(ドロー値0%)以外は実施例8と同じ条件で坪量49.6g/m2の紙を製造した。
実施例8に比してスラリー比を0.85とした以外は実施例8と同じ条件で坪量49.2g/m2の紙を製造した。
実施例8に比してスラリー比を1.25とした以外は実施例8と同じ条件で坪量50.3g/m2の紙を製造した。
実施例13に比して湿紙に対してドローを掛けなかった(ドロー値0%)以外は実施例13と同じ条件で坪量30.6g/m2の紙を製造した。
実施例13に比してスラリー比を0.85とした以外は実施例13と同じ条件で坪量30.4g/m2の紙を製造した。
実施例13に比してスラリー比を1.25とした以外は実施例13と同じ条件で坪量30.1g/m2の紙を製造した。
実施例7に比して繊維原料としてLBKP100質量%の木材パルプを使用した。LBKPの平均繊維長は0.9mmであった。また、紙料の濾水度(CSF)を600mlとした以外は実施例7と同じ条件で坪量10.1g/m2の紙を製造した。
実施例1に比して紙料の濾水度(CSF)を450mlとした以外は実施例1と同じ条件で坪量30.3g/m2の紙を製造した。
各実施例及び比較例の紙から、それぞれ紙の縦方向を長辺とする250mm×15mmの大きさの試験片を5枚作成した。また、同じく紙の横方向を長辺とする250mm×15mmの大きさの試験片を5枚作成した。各実施例及び比較例の紙から作成したそれぞれの試験片に対してJISP8113に基づく引張強度の測定試験を行い、5枚の試験結果の平均値を算出した。その平均値を表1及び表2に示す。なお、表中「引張強度」の「T」とは、縦方向を長辺とする試験片についてした測定試験の試験結果の平均値であり、「Y」とは、横方向を長辺とする試験片の試験結果の平均値であり、「T/Y比」とは「Y」を1とした場合の「T」の値である(実施例、比較例とも共通)。
(a)請求項1乃至5記載の紙は、坪量が10〜50g/m2であることを特徴とする。この(a)に記載の発明によれば、汎用性の高い紙とすることができる。
Claims (5)
- 少なくとも一種類の繊維の平均繊維長が、2.0mm以上、かつ同繊維を20質量%以上含有する繊維原料を用いて、CSF濾水度が500ml以上900ml以下とした紙料から形成され、
同紙料を混合した紙料液から傾斜ワイヤ抄紙機にて抄紙される際にスラリー比を0.9以上1.2以下として湿紙を形成し、
同湿紙に対して負のドローが掛けられていることを特徴とする紙。 - 少なくとも一種類の繊維の平均繊維長が、2.0mm以上、かつ同繊維を20質量%以上含有する繊維原料を、CSF濾水度が500ml以上900ml以下の紙料とし、
同紙料を混合した紙料液を傾斜ワイヤ抄紙機にて抄紙する際にスラリー比を0.9以上1.2以下として湿紙を形成し、
同湿紙に対して負のドローを掛けることを特徴とする紙の製造方法。 - 前記負のドローは、湿紙がワイヤパートからプレスパートへと移行する際又はプレスパートからドライパートへと移行する際のいずれか少なくとも一箇所において2.5〜5.0%の範囲で掛けられていることを特徴とする請求項1に記載の紙。
- 縦引張強度/横引張強度の比が1以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙。
- 前記負のドローは、湿紙がワイヤパートからプレスパートへと移行する際又はプレスパートからドライパートへと移行する際のいずれか少なくとも一箇所において2.5〜5.0%の範囲で掛けられていることを特徴とする請求項2に記載の紙の製造方法。
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