JP2000080528A - 粗糸継ヘッド - Google Patents

粗糸継ヘッド

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JP2000080528A
JP2000080528A JP10254062A JP25406298A JP2000080528A JP 2000080528 A JP2000080528 A JP 2000080528A JP 10254062 A JP10254062 A JP 10254062A JP 25406298 A JP25406298 A JP 25406298A JP 2000080528 A JP2000080528 A JP 2000080528A
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gripping
lever
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JP10254062A
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Isao Asai
功 浅井
Toshiki Hasegawa
敏紀 長谷川
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旧粗糸及び新粗糸を所定の位置で確実に把持
し、簡単な構成で把持レバーによる把持位置とバックロ
ーラとの間で旧粗糸を切断する。 【解決手段】 新粗糸はヘッド本体9に設けられた固定
の把持部15と、第1の把持レバー22とによって把持され
る。旧粗糸は第1の把持レバー22と、第2の把持レバー
32とによって把持される。第1の把持レバー22はエアシ
リンダ28により、新粗糸を把持する第1の把持位置と、
粗糸案内溝12を挟んで第1の把持位置と反対側に位置す
る第2の把持位置とに移動される。第2の把持レバー32
はエアシリンダ37により、第2の把持位置に配置された
第1の把持レバー22と共同して紡出中の旧粗糸を粗糸案
内溝12の基端12aより前側で把持する把持位置と、旧粗
糸を把持不能な待機位置とに移動される。旧粗糸は両把
持レバー22,32に把持された状態でバックローラの回転
にともない、把持位置とバックローラとの間で切断され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は精紡機のクリールに
吊下された紡出中の粗糸ボビン(粗糸巻)からドラフト
装置に供給されている粗糸に、交換すべき満ボビン(予
備粗糸巻)の粗糸の粗糸継(篠継)作業を行う粗糸継装
置に装備される粗糸継ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】精紡機、特にリング精紡機ではクリール
に吊下された粗糸巻より粗糸を引出し、下方のドラフト
パートへ供給するようにしている。粗糸のドラフトパー
トへの供給が進み、粗糸巻が空に近づくと新しい粗糸巻
と交換する必要があり、その際に紡出中の粗糸に新に交
換する粗糸巻の粗糸端を粗糸継する必要が生じる。従
来、この粗糸継作業は一般に人手により行われていた
が、近年、粗糸継作業の自動化が提案されている。
【0003】粗糸継機による粗糸継方法として、粗糸
(篠)継ヘッドの粗糸(篠)案内溝内で粗糸継すべき新
粗糸を紡出中の旧粗糸に重合させるとともに、旧粗糸の
送りに連れて重合部をドラフトパートのバックローラに
導き、新粗糸及び旧粗糸の重合部がバックローラに把持
された後、旧粗糸を粗糸把持部材で把持して切断する方
法が、特開昭62ー56272号公報に提案されてい
る。この粗糸継ヘッド100は図14(a)〜(c)に示
すように、本体101 の先端部に形成された粗糸案内溝10
2 の両側に位置するように、本体101 の上面に固定され
た粗糸把持部材103,104 と、粗糸案内溝102 を横切って
往復動する粗糸把持レバー105 とを備えている。そし
て、粗糸把持レバー105 は、粗糸把持部材104 と共同し
て新粗糸(満篠)を把持する新粗糸把持位置(図14
(c)の位置)と、粗糸把持部材103 と共同して紡出中
の旧粗糸(旧篠)を把持する旧粗糸把持位置(図14
(a)の位置)と、その中間の所定位置(図14(b)
の位置)とに作動バー106 及び作動部材107 を介して移
動される。
【0004】また、特開平1−97223号公報には図
15〜図17に示すように、本体101 の先端部に形成さ
れた粗糸案内溝102 を横切って揺動する新粗糸把持レバ
ー108 と、粗糸案内溝102 の前後方向(図15の左右方
向)に沿って移動する旧粗糸把持レバー109 を備えた粗
糸継ヘッド100 が開示されている。新粗糸把持レバー10
8 は、粗糸案内溝102 の片側に位置する粗糸把持部材10
4 と共同して新粗糸を把持する把持位置(図15の位
置)と、新粗糸と係合不能な待機位置(図16の位置)
とに作動バー106 及び作動部材107 を介して移動され
る。旧粗糸把持レバー109 は、本体101 に設けられた支
持板110 及び案内板111 間に設けられ、側面に形成され
たラック112 が支持板110 に支持された歯車113 と噛合
している。
【0005】作動バー114 に固定された作動部材115 が
本体101 と直交する方向に移動することにより、作動部
材115 に形成されたラック116 と噛合する歯車113 が回
転され、旧粗糸把持レバー109 が前後方向に移動され
る。旧粗糸把持レバー109 の先端にはほぼ45°の傾斜
面に形成した粗糸案内面117aを備えた粗糸案内部材117
が設けられている。また、支持板110 の先端に粗糸把持
面118aを備えた旧粗糸把持部材118 が固定されている。
そして、旧粗糸把持レバー109 の前進中に粗糸案内面11
7aで紡出中の旧粗糸を旧粗糸把持レバー109 の先端の粗
糸把持面109aに導き、前進端の粗糸把持位置に達したと
きに、粗糸把持面109aと旧粗糸把持部材118 の粗糸把持
面118aとの間で旧粗糸が把持される。
【0006】また、特開平6−248524号公報には
特開平1−97223号公報に開示された粗糸継ヘッド
の改良品が開示されている。図18及び図19に示すよ
うに、この粗糸継ヘッド100 は粗糸さばき部材119 を旧
粗糸把持レバー109 の粗糸上流側に位置するように新粗
糸把持レバー108 と一体的に設けた点が異なっている。
図19に示すように、粗糸さばき部材119 はL字状に形
成され、水平板部119aの位置が旧粗糸把持レバー109 の
上面より上方に位置するように新粗糸把持レバー108 に
ボルトにより固定されている。水平板部119aは平面形状
が新粗糸把持レバー108 と同様に形成され、旧粗糸把持
レバー109 側の側面に新粗糸把持レバー108 の待機位置
への移動により、旧粗糸を旧粗糸把持レバー109 の移動
軌跡内に押し込む旧粗糸案内面120 が形成されている。
水平板部119aには旧粗糸把持レバー109 と反対側の側面
に新粗糸が旧粗糸把持レバー109 の移動軌跡内に入り込
むのを防止する新粗糸案内面121 が形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62ー5627
2号公報に開示された粗糸継ヘッドは、1個の粗糸把持
レバー105 が新粗糸把持位置、旧粗糸把持位置及びその
中間の所定位置の3つの位置に移動される。そして、粗
糸把持レバー105 はこの3つの位置に正確に移動されな
いと、新粗糸及び旧粗糸の把持が良好に行われず、また
旧粗糸が粗糸案内溝102 に円滑に導入されなくなる。し
かし、粗糸把持レバー105 を3つの位置に正確に停止さ
せる機構が複雑になる。特開昭62ー56272号公報
では作動バー106 を3つの位置に停止させるのに4個の
ソレノイドの作動を組み合わせている。
【0008】また、この粗糸継ヘッドでは、粗糸継ヘッ
ドが粗糸把持部材103 と粗糸把持レバー105 とで旧粗糸
を把持し、ドラフト装置のバックローラの送出回転によ
って旧粗糸が切断される際、切れる前の旧粗糸は粗糸案
内溝102 の壁に強く押しつけられる。壁に強く圧接され
た部分の粗糸は単繊維が強く密着して、単繊維が滑らな
いために素抜けることができず、あたかも溝壁で粗糸を
把持したようになってバックローラとの間で切断され
る。バックローラと溝壁との間隔が短いので切断された
粗糸端の形状は急激に細くなり、長い筆先状とはならな
い。そして、粗糸端にドラフトパートのローラの把持間
距離より短い繊維が多数存在する状態となり、当該部分
の粗糸はドラフトされずにスラブ状で紡出され、当該部
分が巻取り時に大きな遠心力を受けてバルーニングが急
激に変化して糸切れするという問題がある。
【0009】一方、特開平1−97223号公報に開示
された粗糸継ヘッドは、旧粗糸が粗糸案内溝102 の壁に
強く押しつけられて単繊維が強く密着した状態でバック
ローラと溝壁との間で切断されることによる不都合を解
消することを目的として発明されている。そして、新粗
糸の把持及び旧粗糸の把持がそれぞれ別の把持レバー10
8,109 により行われ、旧粗糸の把持は粗糸案内溝102 に
沿って前後方向に移動する旧粗糸把持レバー109 と、本
体101 の先端に設けられた旧粗糸把持部材118とにより
行われる。そのため、旧粗糸を旧粗糸把持レバー109 の
粗糸把持面109aに案内する粗糸案内面117aを備えた粗糸
案内部材117 が必須となる。しかし、旧粗糸把持レバー
109 と一体に移動する粗糸案内部材117 を設けた構成で
は、旧粗糸把持レバー109 の前進途中で旧粗糸が確実に
粗糸案内面117aを介して粗糸把持面109aに案内される保
証がなく、旧粗糸の切断ミスが発生すると言う問題があ
る。また、旧粗糸把持レバー109 を粗糸案内溝102 に沿
って前後方向に移動する構成が、旧粗糸把持レバーを回
動可能とする場合比較して複雑になるという問題もあ
る。
【0010】また、特開平6−248524号公報に開
示された粗糸継ヘッドは、特開平1−97223号公報
に開示された粗糸継ヘッドにおいて、旧粗糸把持レバー
109の前進途中で旧粗糸を確実に粗糸案内面117aを介し
て粗糸把持面109aに案内するため、粗糸さばき部材119
を設けている。従って、旧粗糸が粗糸案内面117aを介し
て粗糸把持面109aに案内されずに、旧粗糸の切断ミスが
発生すると言う問題は解消できる。しかし、この粗糸継
ヘッドは粗糸さばき部材119 を設けた分だけ構造がより
複雑になるという問題がある。
【0011】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は旧粗糸及び新粗糸を所定の位置
で確実に把持するとともに、簡単な構成で旧粗糸把持用
の把持レバーによる把持位置とバックローラとの間で旧
粗糸を切断できる粗糸継ヘッドを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明では、先端に粗糸案内溝が形成
されたヘッド本体と、前記ヘッド本体の前記粗糸案内溝
を挟んだ一方に設けられた固定の把持部と、前記ヘッド
本体にその回動中心が前記固定の把持部より後方に位置
するように設けられ、前記固定の把持部と共同して新粗
糸を把持する第1の把持位置と、前記粗糸案内溝を挟ん
で第1の把持位置と反対側に位置する第2の把持位置と
に揺動可能に設けられた第1の把持レバーと、前記第1
の把持レバーを第1の把持位置と第2の把持位置とに移
動させる第1のアクチュエータと、前記粗糸案内溝を挟
んだ他方に設けられ、前記第2の把持位置に配置された
前記第1の把持レバーと共同して紡出中の旧粗糸を把持
する把持位置と、旧粗糸を把持不能な待機位置とに揺動
可能に設けられた第2の把持レバーと、前記第2の把持
レバーを前記把持位置と待機位置とに移動させる第2の
アクチュエータとを備えた。
【0013】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記両把持レバーの把持部に抵抗付
与部が設けられている。請求項3に記載の発明では、請
求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1の
把持レバーは板ばね製の把持片を備えている。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記第1
の把持レバーは先端が第2の把持レバーから離間する側
へ屈曲形成されている。
【0015】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記第1
の把持レバーを第2の把持位置側へ付勢する前記第1の
アクチュエータによる付勢力は、前記第2の把持レバー
を把持位置側へ付勢する前記第2のアクチュエータによ
る付勢力より小さく設定されている。
【0016】請求項1に記載の発明では、新粗糸はヘッ
ド本体の粗糸案内溝を挟んだ一方に設けられた固定の把
持部と、第1の把持位置に配置された第1の把持レバー
とによって把持される。旧粗糸は第2の把持位置に配置
された第1の把持レバーと、把持位置に配置された第2
の把持レバーとによって把持される。第1の把持レバー
は第1のアクチュエータにより、固定の把持部と共同し
て新粗糸を把持する第1の把持位置と、前記粗糸案内溝
を挟んで第1の把持位置と反対側に位置する第2の把持
位置とに移動される。第2の把持レバーは第2のアクチ
ュエータにより、第2の把持位置に配置された第1の把
持レバーと共同して紡出中の旧粗糸を把持する把持位置
と、旧粗糸を把持不能な待機位置とに移動される。旧粗
糸は両把持レバーに把持された状態でバックローラの回
転にともない、把持位置とバックローラとの間で切断さ
れる。
【0017】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記両把持レバーの把持部に抵抗付
与部が設けられているため、旧粗糸の把持が確実にな
り、旧粗糸の切断端が必要以上に長くなることが回避さ
れる。
【0018】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記第1の把持レバー
は板ばね製の把持片を備えているため、第1の把持位置
及び第2の把持位置が多少ずれても、第1の把持位置に
おける新粗糸の把持及び、第2の把持位置における旧粗
糸の把持が確実になる。
【0019】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか一項に記載の発明において、第1の把
持レバーは先端が第2の把持レバーから離間する側へ屈
曲形成されている。従って、第2の把持レバーが待機位
置に配置された状態において、第1の把持レバーの先端
と、第2の把持レバーの先端との間隔を確保するのに必
要なヘッド本体の幅を狭くすることができる。
【0020】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の発明において、第1の把
持レバーが第2の把持位置に配置された状態で、第2の
把持レバーが把持位置に移動されると、両把持レバーの
把持部間に旧粗糸が把持される。第1の把持レバーを第
2の把持位置側へ付勢する第1のアクチュエータによる
付勢力は、第2の把持レバーを把持位置側へ付勢する前
記第2のアクチュエータによる付勢力より小さく設定さ
れているため、第2の把持レバーが第1の把持レバーを
第1のアクチュエータの付勢力に抗して押圧する。従っ
て、第1のアクチュエータにより第2の把持位置に配置
された第1の把持レバーの位置が多少ずれていても、両
把持レバーの把持部に旧粗糸が確実に把持される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図11に従って説明する。粗糸継装置1
は精紡機機台に沿って移動して粗糸替え作業を行う粗糸
替機(図示せず)に装備されている。図2に示すように
粗糸継ヘッド2は粗糸継装置1の支持アーム3の先端に
回動可能に支持されている。支持アーム3は粗糸継ヘッ
ド2をドラフトパート上方の粗糸継位置と粗糸替機の移
動に支障とならない退避位置とに配置するため、図示し
ない駆動装置により駆動される駆動軸4に対して、支持
アーム3の基端において一体回動可能に固定されてい
る。
【0022】支持アーム3の先端には図1(a)に示す
ようにほぼU字状の取付部3aが形成され、図1(a)
及び図4に示すように、取付部3aの側方に突出する状
態で回転軸5が支持されている。回転軸5の取付部3a
内と対応する位置には歯付きプーリ6aが一体回転可能
に嵌着固定され、該歯付きプーリ6aと支持アーム3の
基端側に固定されたモータ7の駆動軸に嵌着された歯付
きプーリ6bとの間に歯付きベルト8が巻掛けられてい
る。そして、取付部3aの側方に突出した部分の回動軸
5に粗糸継ヘッド2が一体回転可能に固着され、モータ
7の駆動により粗糸継ヘッド2が回動されるようになっ
ている。モータ7には正逆回転可能な可変速モータが使
用されている。この実施の形態ではモータ7にステッピ
ングモータが使用されている。
【0023】粗糸継ヘッド2は2錘一組として構成さ
れ、図1(a)及び図4に示すように2個のヘッド本体
9が回転軸5に一体回転可能に嵌着されるとともに、支
持ブラケット10により互いに平行状態を保持するよう
に連結されている。
【0024】ヘッド本体9の先端には後側へ向かって下
降傾斜する斜面を持つ膨出部9aが形成され、膨出部9
aの先端はトランペット11(図11に図示)に侵入可
能な形状に形成されている。ヘッド本体9の先端には粗
糸案内溝12がヘッド本体9の長手方向及び上下方向に
延びるように形成されている。なお、トランペット11
の出口は紡出中の旧粗糸R1が存在する状態で新粗糸R
2が十分通過可能な縦長に形成されている。
【0025】図1(b)に示すように、ヘッド本体9の
先端側は、粗糸案内溝12の一方の側面及び基端12a
を構成するブロック13と、粗糸案内溝12の他方の側
面を構成するブロック14とが別体に形成され、図示し
ないねじ等でそれぞれヘッド本体9に一体に固着されて
いる。ブロック13の上面には固定の把持部15が上方
へ突設され、把持部15は粗糸案内溝12に沿って延び
るとともに、前側にヘッド本体9の外側に向かって斜め
に延びる斜面が形成されている。なお、図1(b)はヘ
ッド本体9の先端の部分平面図である。
【0026】ブロック14は粗糸案内溝12の下端から
圧縮気体を噴射する噴射ノズル16を備えている。噴射
ノズル16は粗糸案内溝12の奥と対応する位置に下方
及び粗糸案内溝12側が開放された状態で形成された溝
17と、溝17に連通する孔18とから構成され、孔1
8の一端には圧縮空気源に(図示せず)接続されたパイ
プ19の端部がホースジョイント20を介して接続され
ている。なお、パイプ19には噴射ノズル16からの圧
縮空気の噴射時期及び噴射圧を制御するため、流量調整
可能な制御弁(図示せず)が装備されている。
【0027】両ヘッド本体9には膨出部9aの後方で把
持部15側に、支持ピン21がヘッド本体9の上面から
突出する状態で回転自在に支持され、支持ピン21に対
して第1の把持レバー22が一体回転可能に支持されて
いる。第1の把持レバー22は支持ピン21に一体回転
可能に嵌着されたレバー23a,23b及び支持部23
cと、支持部23cにねじ24により固定された第1の
把持片25とを備えている。取付部3a寄りのヘッド本
体9に設けられた一方のレバー23aは、他方のレバー
23bより短く形成されている。両レバー23a,23
bには支持ピン21から等距離の位置にスタッド26が
立設され、両レバー23a,23bはスタッド26に回
動可能に支持された連結リンク27を介して互いに連結
されている。連結リンク27はヘッド本体9の長手方向
と直交する状態に設けられている。
【0028】支持ブラケット10にはその左右両側に支
持部10a,10bが形成され、第1の支持部10aに
は第1のアクチュエータとしての複動形のエアシリンダ
28のシリンダヘッド側が上下方向に延びるピン29を
介して回動可能に支持されている。エアシリンダ28の
ピストンロッド28aの先端にはレバー23bがピン3
0を介して回動可能に連結されている。そして、エアシ
リンダ28の駆動により両第1の把持レバー22が、把
持部15と共同して新粗糸を把持する第1の把持位置
と、粗糸案内溝12を挟んで第1の把持位置と反対側に
位置する第2の把持位置とに揺動可能となっている。第
1の把持片25は第1の把持レバー22の回動により、
その先端部が粗糸案内溝12の上方を横切るように移動
して、第1の把持位置と第2の把持位置とに移動され
る。
【0029】両ヘッド本体9には膨出部9aの後方で支
持ピン21より前側に、支持ピン31がヘッド本体9の
上面から突出する状態で回転自在に支持され、支持ピン
31に対して第2の把持レバー32が一体回転可能に支
持されている。第2の把持レバー32は支持ピン31に
一体回転可能に嵌着されたレバー33a,33bと、レ
バー33a,33bの上方で支持ピン31に一体回転可
能に嵌着された第2の把持片34とを備えている。
【0030】取付部3a寄りのヘッド本体9に設けられ
たレバー33aは、他方のレバー33bより長く、かつ
基端が屈曲されて平面ほぼL字状に形成されている。両
レバー33a,33bには支持ピン31から等距離の位
置にスタッド35が立設され、両レバー33a,33b
はスタッド35に回動可能に支持された連結リンク36
を介して互いに連結されている。連結リンク36はヘッ
ド本体9の長手方向と直交する状態に設けられている。
【0031】第2の支持部10bには第2のアクチュエ
ータとしての単動形のエアシリンダ37のシリンダヘッ
ド側が上下方向に延びるピン38を介して回動可能に支
持されている。エアシリンダ37のピストンロッド37
aの先端にはレバー33aがピン39を介して回動可能
に連結されている。そして、エアシリンダ37の駆動に
より、両第2の把持レバー32が、第2の把持位置に配
置された第1の把持レバー22と共同して紡出中の旧粗
糸を粗糸案内溝12の基端より前側で把持する把持位置
と、旧粗糸を把持不能な待機位置とに揺動可能となって
いる。
【0032】第1の把持レバー22の第1の把持片25
は板ばね製で、先端が第2の把持レバー32から離間す
る側へ屈曲形成されている。第2の把持レバー32は第
1の把持片25と対向する面が第1の把持片25の屈曲
状態と対応する形状に形成されている。
【0033】両把持レバー22,32の把持部には抵抗
付与部40,41が設けられている。図2、図3及び図
6に示すように、第1の把持片25の抵抗付与部40は
フォーク状に形成され、第2の把持片34の抵抗付与部
41は第1の把持片25と対向する側に形成された凸条
により構成されている。そして、両把持部は旧粗糸R1
が凸条とほぼ直交して屈曲する状態で旧粗糸R1を把持
するようになっている。
【0034】第2の把持片34の上面には、旧粗糸が第
1の把持レバー22と第2の把持レバー32との間に進
入する際、その進入位置が粗糸案内溝12の基端12a
と対応する位置より奥側となるのを規制する規制部材4
2が固定されている。また、第2の把持片34の先端に
は、新粗糸又は旧粗糸を粗糸案内溝12に導入するのを
補助する粗糸ガイド43が固定されている。粗糸ガイド
43は可撓性の材質で形成され、この実施の形態ではゴ
ム板で形成されている。
【0035】第2の把持レバー32を駆動するエアシリ
ンダ37は、圧縮空気が供給されない状態では図示しな
いばねの付勢力によりピストンロッド37aを突出位置
に保持するように構成されている。また、第1の把持レ
バー22を第2の把持位置側へ付勢するエアシリンダ2
8による付勢力は、第2の把持レバー32を把持位置側
へ付勢するエアシリンダ37による付勢力より小さく設
定されている。この実施の形態では両エアシリンダ2
8,37へ供給する圧縮空気の圧力は同じで、支持ピン
21,31即ち回動中心からピン30,39までの距離
を、第2の把持レバー32の方を大きく設定することに
より、第2の把持レバー32の付勢力が大きくなってい
る。
【0036】粗糸継ヘッド2には両把持レバー22,3
2及び両エアシリンダ28,37等を覆うカバー44
が、ヘッド本体9及び支持ブラケット10に固定された
スタッド45を介して取り付けられている。図7に示す
ように、カバー44にはヘッド本体9の粗糸案内溝12
と対応する位置に、粗糸案内溝12に導入された粗糸が
外れることがないように開放端側が狭く、かつ途中に屈
曲部が形成されたガイド溝44aが形成されている。
【0037】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。第1の把持レバー22は連結リンク27を介
して一体的に同方向に回動される。第1の把持レバー2
2は図1,図9,図10に示すように、エアシリンダ2
8のピストンロッド28aが没入位置に配置された状態
では、その第1の把持片25の先端が粗糸案内溝12を
挟んで固定の把持部15と反対側に位置する第2の把持
位置に配置される。図8に示すようにピストンロッド2
8aが突出位置に配置された状態では、その第1の把持
片25が把持部15と共同して新粗糸R2を把持可能な
第1の把持位置に配置される。
【0038】また、第2の把持レバー32は連結リンク
36を介して一体的に同方向に回動される。第2の把持
レバー32は図10に示すように、エアシリンダ37の
ピストンロッド37aが没入位置に配置された状態で
は、その第2の把持片34が第2の把持位置に配置され
た第1の把持レバー22と共同して旧粗糸R1を把持す
る把持位置に配置される。図1,図8,図9に示すよう
に、ピストンロッド37aが突出位置に配置された状態
では、第2の把持レバー32は旧粗糸R1を把持不能な
待機位置に配置される。
【0039】新粗糸R2の把持は精紡機機台の手前側の
ドラフトパートから離れた位置で行われ、粗糸替機に装
備された図示しない吸引ノズルにより満ボビンから引き
出された新粗糸R2を把持する。新粗糸R2を把持する
場合には、図1に示すように第1の把持レバー22が第
2の把持位置に、第2の把持レバー32が待機位置に配
置され、粗糸案内溝12の奥まで粗糸が侵入可能な状態
で、粗糸継ヘッド9が下向きの状態からほぼ水平となる
位置まで回動される。即ち、粗糸継ヘッド2の各ヘッド
本体9と対応する位置で新粗糸R2が上下方向に延びる
状態において、粗糸継ヘッド2が新粗糸R2に向かって
回動することにより、新粗糸R2が粗糸案内溝12の奥
まで導入される。このとき、新粗糸R2の位置がヘッド
本体9の案内部9bと多少ずれていても、粗糸ガイド4
3が存在するため、新粗糸R2が案内部9bへ円滑に導
入される。
【0040】新粗糸R2が粗糸案内溝12の奥まで導入
された状態でエアシリンダ28のピストンロッド28a
が突出作動され、第1の把持レバー22が図1の反時計
方向に回動される。そして、図8に示すように、その第
1の把持片25が固定の把持部15に当接する第1の把
持位置に配置され、把持部15と共同して新粗糸R2を
把持する。新粗糸R2は粗糸案内溝12に導入された部
分より上流側の部分が第1の把持片25と係合した状態
で把持部15と挟持される第1の把持位置まで移動され
る。このとき、第1の把持片25の先端が粗糸案内溝1
2の基端12aより前側において把持部15に近づく側
に屈曲されているため、粗糸案内溝12内に導入されて
いる新粗糸R2を粗糸案内溝12内に保持したまま、第
1の把持片25が第1の把持位置まで移動される。
【0041】新粗糸R2の把持終了後、支持アーム3が
駆動軸4の回動により精紡機機台側へ傾動され、図11
に示すように、粗糸継ヘッド2がドラフトパートの上方
近傍の粗糸継作業位置へ移動配置される。粗糸継ヘッド
2は粗糸案内溝12の下端がトランペット11の出口部
を指向するように配置される。また、噴射ノズル16に
エアが供給され、粗糸案内溝12の下端からヘッド本体
の長手方向と直交する方向に圧縮空気が噴射される。ヘ
ッド本体9の上方にカバー44が存在するため、粗糸継
ヘッド2の移動時に新粗糸R2が折れ曲がったり、新粗
糸R2が把持レバー22,32等に引っ掛かったりする
のが防止される。
【0042】粗糸継ヘッド2が粗糸継作業位置に配置さ
れると、ドラフト装置のウエイティングアーム(図示せ
ず)が一対のヘッド本体9の間に位置する状態となり、
粗糸ガイド43がウエイティングアームと干渉する。し
かし、粗糸ガイド43が可撓性の材質で形成されている
ため、粗糸ガイド43は撓んだ状態となって損傷しな
い。
【0043】粗糸継ヘッド2が粗糸継作業位置へ移動配
置されると、図8の状態で粗糸案内溝12に紡出中の旧
粗糸R1が導入される。この状態では図11に示すよう
に、新粗糸R2の先端が旧粗糸R1と接触し、旧粗糸R
1の移動に伴って新粗糸R2の先端が旧粗糸R1によっ
て伸ばされる。また、ヘッド本体9は粗糸案内溝12の
基端のほぼ延長線上にバックローラ46の把持部が位置
するように配置されるため、噴射ノズル16から噴射さ
れた圧縮空気により、粗糸案内溝12の下端からトラン
ペット11に向かう気流が生じ、新粗糸R2の先端がそ
の気流に案内されてトランペット11に向かう状態とな
る。噴射ノズル16から噴射される圧縮空気の圧力は、
紡出中の旧粗糸R1の繊維相互の絡みを解除するほど強
くない値に設定されている。
【0044】次にエアシリンダ28のピストンロッド2
8aが没入作動され、第1の把持レバー22が図8の時
計方向に回動される。そして、図9に示すように、その
第1の把持片25の先端が粗糸案内溝12を挟んで固定
の把持部15と反対側に位置する第2の把持位置に配置
され、新粗糸R2の把持が解放される。旧粗糸R1は粗
糸案内溝12より上側の部分が第2の把持位置に配置さ
れた第1の把持片25と係合して、走行経路が若干屈曲
した状態でトランペット11へ案内される状態となる。
そして、ドラフト装置のバックローラ46の回転に伴っ
て新粗糸R2が旧粗糸R1と重合した状態でトランペッ
ト11を経てバックローラ46へ送り込まれ、粗糸継が
行われる。
【0045】新粗糸R2の先端がバックローラ46に把
持されるのに十分な所定時間経過後、図10に示すよう
に、エアシリンダ37のピストンロッド37aが没入作
動され、第2の把持レバー32が把持位置に配置され
る。そして、旧粗糸R1が両把持レバー22,32の把
持部、即ち第1の把持片25及び第2の把持片34によ
って把持される。図6に示すように、両把持片25,3
4は、第1の把持片25のフォーク状の抵抗付与部40
の間に、第2の把持片34の抵抗付与部41である凸条
が侵入した状態で旧粗糸R1を把持する。従って、両把
持片25,34に把持された旧粗糸R1を両把持片2
5,34と直交する方向に引っ張った場合の抵抗が非常
に大きくなり、旧粗糸R1は確実に把持される。その結
果、バックローラ46によって送り出される旧粗糸R1
は、バックローラ46による把持部と両把持片25,3
4による把持部との間で引っ張られて切断される。その
後、エアシリンダ37への圧縮空気の供給が停止され
て、ピストンロッド37aが突出位置に配置され、第2
の把持レバー32が待機位置に配置される。なお、噴射
ノズル16へのエアの供給は第2の把持レバー32が把
持位置に配置された時点で停止される。
【0046】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) 新粗糸R2把持用の第1の把持レバー22と、
旧粗糸R1把持用の第2の把持レバー32とがそれぞれ
エアシリンダ28,37により2位置に移動されて旧粗
糸R1が把持される。従って、旧粗糸R1及び新粗糸R
2を所定の位置で確実に把持するとともに、簡単な構成
で旧粗糸把持用の第2の把持レバー32による把持位置
とバックローラ46との間で旧粗糸R1を切断できる。
【0047】(2) 旧粗糸R1が粗糸案内溝12の基
端12aより前側で両把持レバー22,32により把持
されるため、旧粗糸R1がバックローラ46の回動に伴
う引っ張り力を受けるときに粗糸案内溝12に強く圧接
されるのが抑制される。
【0048】(3) 第2の把持レバー32に設けられ
た規制部材42により、旧粗糸R1が両把持レバー2
2,32の間において粗糸案内溝12の基端12aと対
応する位置より奥側へ侵入するのが阻止される。従っ
て、旧粗糸R1が確実に粗糸案内溝12の基端12aよ
り前側で把持される。
【0049】(4) 両把持レバー22,32の把持部
に抵抗付与部40,41が設けられているため、旧粗糸
R1の把持が確実になり、旧粗糸R1の切断端が必要以
上に長くなるのが回避される。
【0050】(5) 抵抗付与部40,41がフォーク
状の部材と、その間に侵入する凸条との組み合わせで構
成されているため、平坦な把持面にローレット加工を施
した場合より抵抗が大きくなって把持機能が高まる。
【0051】(6) 第1の把持レバー22が板ばね製
の第1の把持片25を備えている。従って、第1の把持
位置及び第2の把持位置をそれぞれ粗糸案内溝12から
離れる側に設定しておくことにより、第1の把持レバー
22の停止位置が多少ずれても、第1の把持位置におけ
る新粗糸R2の把持、及び第2の把持位置における旧粗
糸R1の把持が確実になる。
【0052】(7) 第1の把持レバー22は先端が第
2の把持レバー32から離間する側へ屈曲形成されてい
る。従って、第2の把持レバー22が待機位置に配置さ
れた状態において、第1の把持レバー22の先端と、第
2の把持レバー32の先端との間隔を確保するのに必要
なヘッド本体9の幅を狭くすることができる。また、第
2の把持レバー32が待機位置に配置された状態で、第
2の把持片34の先端がヘッド本体9の外側にはみ出す
量が少なくなる。
【0053】(8) 粗糸案内溝12の長さが紡出糸の
平均繊維長より長く形成されているため、旧粗糸R1が
バックローラ46の回転による引っ張り力を受けた際、
仮に粗糸案内溝12の上側端部とバックローラ46との
間で旧粗糸R1が切断されても、繊維が素抜けた状態で
切断される。即ち、旧粗糸R1の端部は単繊維が切断さ
れずに筆先状に切断されるため、ローラパート内を前後
のローラ間でドラフトされながら通過し、旧粗糸R1の
切断部でのスラブ糸の発生によりバルーンが急激に大き
くなることによる糸切れ発生が大幅に低減する。
【0054】(9) 第1の把持レバー22は先端(第
1の把持片25の先端)が粗糸案内溝12の基端12a
より前側において把持部15に近づく側に屈曲されてい
る。従って、第1の把持レバー22が第2の把持位置か
ら第1の把持位置へ移動される際、粗糸案内溝12内に
導入されている新粗糸R2を粗糸案内溝12内に保持し
たまま、第1の把持位置まで移動される。
【0055】(10) 第1の把持レバー22を第2の
把持位置側へ付勢するエアシリンダ28による付勢力
が、第2の把持レバー32を把持位置側へ付勢するエア
シリンダ32による付勢力より小さく設定されている。
従って、エアシリンダ28により第2の把持位置に配置
された第1の把持レバー22の位置が多少ずれていて
も、両把持レバー22,32の把持部に旧粗糸R1が確
実に把持される。
【0056】(11) 第1の把持レバー22を第2の
把持位置側へ付勢する付勢力を、第2の把持レバー32
を把持位置側へ付勢する付勢力より小さくする方法とし
て、レバー23b及びレバー33aの長さを変えて圧縮
空気の圧力は一定としている。従って、両エアシリンダ
28,37へ供給する圧縮空気の圧力制御が簡単にな
る。
【0057】(12) カバー44に形成されたガイド
溝44aは開放端側が狭く、かつ途中に屈曲部が形成さ
れている。従って、ガイド溝44a内に新粗糸R2が導
入された状態で粗糸継ヘッド2が移動されても、新粗糸
R2がガイド溝44a内から脱出し難くなり、粗糸継作
業が円滑に行われる。
【0058】(13) 粗糸継ヘッド2が新粗糸端導入
位置に配置されてから新粗糸R2の先端がバックローラ
46に噛み込まれるまで、新粗糸R2をトランペット1
1の出口11aに向けて案内する噴射気流が存在する。
従って、トランペット11のトラバース運動により新粗
糸R2の先端がトランペット11の内壁に接触しても折
れ曲がらずにトランペット11内を通過し、真っ直ぐな
状態でバックローラ46に供給されて粗糸継の成功率が
向上する。
【0059】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 第2の把持レバー32の抵抗付与部41として第2
の把持片34の先端部に、図12(a),(b)に示す
ように、多数の櫛歯が一体に形成されたコーム47を設
ける。コーム47は櫛歯の先端が第1の把持片25の抵
抗付与部40に侵入するように形成され、第2の把持片
34に挟持されている。この場合、両把持片25,34
による把持力が大きくなり、粗糸強力の強い繊維に対し
て有効となる。
【0060】○ 第1の把持片25の先端をフォーク状
にせずに平板とし、第2の把持片34にコーム47を設
けた構成としてもよい。この場合、第2の把持レバー3
2が把持位置に配置されると、櫛歯の先端が第1の把持
片25に当接し、旧粗糸R1が把持される。
【0061】○ 第1の把持片25の旧粗糸R1と接触
する面にローレット加工やウレタンコーティングを施し
てもよい。この場合、旧粗糸R1との摩擦抵抗が増加
し、両把持片25,34による把持が確実になる。
【0062】○ 抵抗付与部40,41を設けずに、第
1の把持片25及び第2の把持片34の対向する面をそ
れぞれ平面としてもよい。 ○ 第1の把持レバー22の第1の把持片25をばね製
ではなく、可撓性に乏しい部材で形成してもよい。
【0063】○ 第1の把持レバー22を第2の把持位
置側へ付勢する付勢力を、第2の把持レバー32を把持
位置側へ付勢する付勢力より小さくする方法として、エ
アシリンダ28,37へ供給する圧縮空気の圧力をそれ
ぞれ所定の値に制御する構成としてもよい。この場合、
両把持レバー22,32の回動中心の位置の自由度が高
くなる。
【0064】○ バックローラ46に新粗糸R2が噛み
込まれた後の旧粗糸R1の切断方法として、バックロー
ラ46の回転に伴う引っ張り作用のみで旧粗糸R1を切
断する代わりに、ヘッド本体9をトランペット11から
離間する方向に回動させる。即ち、モータ7を駆動させ
てヘッド本体9を回転軸5を中心として図11の上方へ
回動させる。この場合、バックローラ46の送り作用だ
けで旧粗糸R1の切断に必要な引っ張り力を確保する場
合より短時間で旧粗糸R1の切断が完了し、粗糸継完了
までの時間を短縮できる。
【0065】○ 図11に示す位置において新粗糸R2
の先端がバックローラ46に噛み込まれた後、旧粗糸R
1の把持を解除した状態で図13に示すように、ヘッド
本体9を上方に所定量回動し、その後、再び両把持レバ
ー22,32で旧粗糸R1を把持する。そして、噴射ノ
ズル16から所定時間圧力を強くして圧縮空気を噴射す
る。噴射気流が旧粗糸R1の特定位置に当たり当該箇所
の繊維相互の絡みが解除されて旧粗糸R1の当該箇所の
強度が弱くなり、旧粗糸R1は噴射気流が当たった位置
で単繊維が素抜ける状態で確実に切断される。噴射気流
は新粗糸R2にも当たるが、新粗糸R2は粗糸継ヘッド
2で把持されていないため支障はない。圧力を高めた圧
縮空気の噴射後、粗糸継ヘッド2を更に上方へ回動させ
てもよい。
【0066】○ 旧粗糸R1の把持位置は粗糸案内溝1
2の基端12aより後側であってもよい。このとき、粗
糸案内溝12の長さが紡出糸の平均繊維長より長く形成
されている場合は、旧粗糸R1がバックローラ46の回
転による引っ張り力を受けた際に、粗糸案内溝12の上
側端部に強く圧接されて該上側端部とバックローラ46
との間で旧粗糸R1が切断されても、繊維が素抜けた状
態で切断される。従って、旧粗糸R1の切断部でのスラ
ブ糸の発生によってバルーンが急激に大きくなることに
よる糸切れ発生が大幅に低減する。 ○ 粗糸案内溝12の長さを紡出糸の平均繊維長より短
く形成する。そして、粗糸継ヘッド2が新粗糸R2をト
ランペット11に導入する位置に配置され、新粗糸R2
の先端がバックローラ46に噛み込まれた後、旧粗糸R
1の把持を解除した状態でヘッド本体9を上方に回動す
る。所定量回動後、再び両把持レバー22,32により
旧粗糸R1を把持する。回動量は粗糸案内溝12の長さ
と、紡出糸の平均繊維長とによって決まり、粗糸案内溝
12の上側端部からバックローラ46までの距離が、紡
出糸の平均繊維長より長くなる値に設定される。この場
合も、仮に旧粗糸R1が粗糸案内溝12の上側端部に強
く圧接されて該上側端部とバックローラ46との間で切
断されても、スラブ糸の発生によってバルーンが急激に
大きくなることによる糸切れ発生が大幅に低減する。な
お、旧粗糸R1の再把持後にヘッド本体9を再度上方へ
回動させてもよい。
【0067】○ 両把持レバー22,32をレバー23
a,23b,33a,33bと第1の把持片及び第2の
把持片34とを別体に形成する代わりに、レバー23
a,23bと第1の把持片25、レバー33a,33b
と第2の把持片34をそれぞれ一体に形成してもよい。
【0068】○ 噴射ノズル16や規制部材42を省略
してもよい。 ○ 第1の把持レバー22の第1の把持片25の先端を
屈曲させずに真っ直ぐに形成してもよい。
【0069】○ 粗糸継装置1に粗糸継ヘッド2を3個
以上装備して同時に3錘以上の粗糸継作業を行う場合に
適用したり、粗糸継ヘッド2を1個装備して1錘ずつ粗
糸継を行う場合に適用してもよい。
【0070】前記実施の形態から把握できる請求項記載
以外の発明(技術思想)について、以下にその効果とと
もに記載する。 (1) 請求項1に記載の発明において、前記第2の把
持レバーは旧粗糸を前記粗糸案内溝の基端より前側で把
持する。この場合、旧粗糸がバックローラの回動に伴う
引っ張り力を受けるときに粗糸案内溝に強く圧接される
のが抑制され、旧粗糸が両把持レバーの把持部とバック
ローラの把持部との間で切断される。
【0071】(2) 請求項1に記載の発明において、
前記第2の把持レバーには旧粗糸が第1及び第2の把持
レバーの間において前記粗糸案内溝の基端と対応する位
置より奥側へ侵入するのを規制する規制部材が設けられ
ている。この場合、旧粗糸が確実に粗糸案内溝の基端よ
り前側で把持される。
【0072】(3) 請求項1に記載の発明において、
前記粗糸案内溝はその長さが紡出糸の平均繊維長より長
く形成されている。この場合、旧粗糸がバックローラの
回転による引っ張り力を受けた際、仮に粗糸案内溝の上
側端部とバックローラとの間で旧粗糸が切断されても、
繊維が素抜けた状態で切断される。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
5に記載の発明によれば、旧粗糸及び新粗糸を所定の位
置で確実に把持するとともに、簡単な構成で旧粗糸把持
用の把持レバーによる把持位置とバックローラとの間で
旧粗糸を切断できる。
【0074】請求項2に記載の発明によれば、両把持レ
バーの把持部に抵抗付与部が設けられているため、旧粗
糸の把持が確実になり、旧粗糸の切断端が必要以上に長
くなるのを防止できる。
【0075】請求項3に記載の発明によれば、第1の把
持レバーが板ばね製の把持片を備えているため、第1の
把持位置及び第2の把持位置が多少ずれても、第1の把
持位置における新粗糸の把持及び、第2の把持位置にお
ける旧粗糸の把持が確実になる。
【0076】請求項4に記載の発明によれば、第2の把
持レバーが待機位置に配置された状態において、第1の
把持レバーの先端と第2の把持レバーの先端との間隔を
確保するのに必要なヘッド本体の幅を狭くすることがで
きる。
【0077】請求項5に記載の発明によれば、第1のア
クチュエータにより第2の把持位置に配置された第1の
把持レバーの位置が多少ずれていても、両把持レバーの
把持部により旧粗糸を確実に把持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は一実施の形態の粗糸継ヘッドの平面
図、(b)はヘッド本体の部分平面図。
【図2】 粗糸継装置の一部破断側面図。
【図3】 粗糸継ヘッドの一部破断側面図。
【図4】 エアシリンダの支持状態を示す粗糸継ヘッド
の一部省略背面図。
【図5】 (a)はヘッド本体の正面図、(b)は他方
のブロックの側面図。
【図6】 新粗糸把持部が新粗糸に抵抗を付与している
状態の断面図。
【図7】 カバーの部分平面図。
【図8】 (a)は新粗糸の把持状態を示す粗糸継ヘッ
ドの平面図、(b)は(a)の部分拡大図。
【図9】 (a)は旧粗糸及び新粗糸を開放した重合状
態を示す粗糸継ヘッドの平面図、(b)は(a)の部分
拡大図。
【図10】 (a)は旧粗糸の把持状態を示す粗糸継ヘ
ッドの平面図、(b)は(a)の部分拡大図。
【図11】 粗糸継ヘッドが粗糸継作業位置に配置され
た状態の側面図。
【図12】 (a)は別の実施の形態の第2の把持レバ
ーの把持片の一部破断部分平面図、(b)は両把持レバ
ーが把持位置に配置された状態の断面図。
【図13】 別の実施の形態の旧粗糸の切断作用を示す
側面図。
【図14】 従来の粗糸継ヘッドの平面図。
【図15】 別の従来の粗糸継ヘッドの平面図。
【図16】 同じく粗糸継ヘッドの平面図。
【図17】 同じく粗糸継ヘッドの側面図。
【図18】 別の従来の粗糸継ヘッドの平面図。
【図19】 同じく粗糸継ヘッドの側面図。
【符号の説明】
2…粗糸継ヘッド、9…ヘッド本体、12…粗糸案内
溝、12a…基端、15…固定の把持部、22…第1の
把持レバー、25…第1の把持片、28…第1のアクチ
ュエータとしてのエアシリンダ、32…第2の把持レバ
ー、34…第2の把持片、37…第2のアクチュエータ
としてのエアシリンダ、40,41…抵抗付与部、R1
…旧粗糸、R2…新粗糸。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に粗糸案内溝が形成されたヘッド本
    体と、 前記ヘッド本体の前記粗糸案内溝を挟んだ一方に設けら
    れた固定の把持部と、 前記ヘッド本体にその回動中心が前記固定の把持部より
    後方に位置するように設けられ、前記固定の把持部と共
    同して新粗糸を把持する第1の把持位置と、前記粗糸案
    内溝を挟んで第1の把持位置と反対側に位置する第2の
    把持位置とに揺動可能に設けられた第1の把持レバー
    と、 前記第1の把持レバーを第1の把持位置と第2の把持位
    置とに移動させる第1のアクチュエータと、 前記粗糸案内溝を挟んだ他方に設けられ、前記第2の把
    持位置に配置された前記第1の把持レバーと共同して紡
    出中の旧粗糸を把持する把持位置と、旧粗糸を把持不能
    な待機位置とに揺動可能に設けられた第2の把持レバー
    と、 前記第2の把持レバーを前記把持位置と待機位置とに移
    動させる第2のアクチュエータとを備えた粗糸継ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記両把持レバーの把持部に抵抗付与部
    が設けられている請求項1に記載の粗糸継ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第1の把持レバーは板ばね製の把持
    片を備えている請求項1又は請求項2に記載の粗糸継ヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 前記第1の把持レバーは先端が第2の把
    持レバーから離間する側へ屈曲形成されている請求項1
    〜請求項3のいずれか一項に記載の粗糸継ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記第1の把持レバーを第2の把持位置
    側へ付勢する前記第1のアクチュエータによる付勢力
    は、前記第2の把持レバーを把持位置側へ付勢する前記
    第2のアクチュエータによる付勢力より小さく設定され
    ている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の粗糸
    継ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113073406A (zh) * 2021-03-12 2021-07-06 杭州永信纺织有限公司 一种用于粗纱机的上料装置

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