JP2526222Y2 - 粗糸替機の旧粗糸切断装置 - Google Patents

粗糸替機の旧粗糸切断装置

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JP2526222Y2
JP2526222Y2 JP3257692U JP3257692U JP2526222Y2 JP 2526222 Y2 JP2526222 Y2 JP 2526222Y2 JP 3257692 U JP3257692 U JP 3257692U JP 3257692 U JP3257692 U JP 3257692U JP 2526222 Y2 JP2526222 Y2 JP 2526222Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は精紡機のクリールに吊下
された紡出中の粗糸ボビン(粗糸巻)と予備粗糸巻レー
ルに吊下された満ボビン(予備粗糸巻)との交換作業を
行う粗糸替機によるその交換作業に先立って、粗糸継
(篠継)作業を行う粗糸継装置に装備される旧粗糸切断
装置に係り、詳しくは紡出中の旧粗糸を切断するととも
に、新粗糸をトランペットに挿入する粗糸継(いわゆる
追い継)方法を実施する粗糸替機の旧粗糸切断装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】精紡機、特にリング精紡機ではクリール
に吊下された粗糸巻より粗糸を引出し、下方のドラフト
パートへ供給するようにしている。粗糸のドラフトパー
トへの供給が進み、粗糸巻が空ないしは空に近づくと新
しい粗糸巻と交換する必要があり、その際に紡出中の粗
糸に新たに交換する粗糸巻の粗糸端を粗糸継する必要が
生じる。従来、この粗糸継作業は一般に人手により行わ
れていたが、近年、粗糸継作業の自動化が提案されてい
る。
【0003】粗糸継機による粗糸継方法として、粗糸
(篠)継ヘッドの粗糸(篠)案内溝内で粗糸継すべき新
粗糸を紡出中の旧粗糸に重合させるとともに、旧粗糸の
送りに連れて重合部をドラフトパートのバックローラに
導き、新粗糸及び旧粗糸の重合部がバックローラに把持
された後、旧粗糸を粗糸把持部材で把持して切断する方
法が、特開昭62ー57957号公報等に提案されてい
る。ところが、この方法では新粗糸は旧粗糸に誘導され
てバックローラの周速で移動し、重合部がトランペット
を経てバックローラによる把持位置に達するまでの待ち
時間が長く、粗糸継完了まで時間が掛かるという問題が
ある。特に高級糸の細番手を紡出する場合には、紡出速
度が遅くバックローラの周速も遅いため粗糸継時間が長
くなる。
【0004】この問題を解消する粗糸継方法として、次
の方法が特開平2−112426号公報等に開示されて
いる。この方法では、紡出中の粗糸巻からドラフトパー
トのトランペットに連なる粗糸(旧粗糸)と、前記粗糸
巻と交換すべき予備粗糸巻から引き出された粗糸(新粗
糸)とを把持可能な粗糸継ヘッドを設け、新粗糸を把持
した状態で粗糸継ヘッドをドラフトパート上方近傍の作
業位置に移動配置する。そして、その位置で紡出中の旧
粗糸を粗糸継ヘッドで把持、切断し、その後、新粗糸を
把持した状態で旧粗糸を解放し、粗糸継ヘッドを回動し
て新粗糸をトランペットに挿入する。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】特開平2−11242
6号公報等に開示された粗糸継方法では、粗糸継ヘッド
に把持されている新粗糸の端部が粗糸継ヘッドの回動に
よりトランペット内に積極的に挿入されるため、粗糸継
に要する時間が短縮される。しかし、この粗糸継方法に
おける旧粗糸の切断は、紡出中の旧粗糸を把持した粗糸
継ヘッドを精紡機のバックローラから離間する方向に回
動させることにより行われるため、旧粗糸はもう一方の
把持点であるバックローラと粗糸継ヘッドの旧粗糸把持
点までの間のどこか弱い部分で切断されることになる。
そのため、バックローラから切断部までの距離が精紡機
に供給されている粗糸の繊維長に相当する極めて短い部
分で旧粗糸が切断される可能性がある。
【0006】バックローラから切断部までの距離が短い
と、新粗糸をトランペットを経てバックローラまで供給
する前に旧粗糸の端部がバックローラを通過してしま
い、新粗糸を旧粗糸に重ね合わせることができなくなっ
て粗糸継が不成功に終わる。そして、太番手紡出の際は
粗糸の供給速度が早いため、旧粗糸の切断後、新粗糸の
挿入を高速で行う必要があるが、かなりの困難さを伴い
成功率が低くなる。又、旧粗糸の切断端が短いと旧粗糸
が自重によってトランペットの内壁の下側を走行すると
いう新粗糸を挿入するのに都合が良い条件が得られず、
新粗糸のトランペットへのスムーズな挿入に支障を来
す。さらに、旧粗糸の切断端が短いと図13に示すよう
に、新粗糸R2をトランペット50に挿入する際、旧粗
糸R1の端部がトランペット50内まで進行した状態と
なる。そして、この状態では旧粗糸R1の端部の位置が
定まらず、旧粗糸R1の端が新粗糸R2の端と干渉する
状態となり、新粗糸R2のトランペット50へのスムー
ズな挿入に支障を来す。
【0007】旧粗糸をその端がトランペットの入口から
所定長さ外に垂れ下がった状態となる所定位置で確実に
切断するには、カッターを粗糸継ヘッドに装備すること
が考えられる。しかし、カッターで粗糸の切断を行う
と、粗糸端にドラフトパートのローラの把持間距離より
短い繊維が多数存在する状態となる。その結果、当該部
分の粗糸はドラフトされずにスラブ状で紡出され、当該
部分が巻取り時に大きな遠心力を受けてバルーニングが
急激に変化して糸切れするという問題がある。又、摩耗
による切断不良を防止するための、カッターの保全、交
換に手間が掛かるという問題がある。
【0008】本考案は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は追い継を自動的に行う際に、旧
粗糸の切断後、新粗糸のトランペットへの挿入までに十
分余裕がある所定長の位置で旧粗糸を単繊維を素抜く状
態で、新粗糸に悪影響を与えることなく確実に切断で
き、しかも保全、交換の手間が掛からない粗糸替機の旧
粗糸切断装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本考案においては、粗糸継ヘッドの先端に粗糸案内部
を形成し、前記粗糸案内部に導入された旧粗糸に向かっ
て圧縮気体を噴射する噴射ノズルを設け、前記粗糸案内
部に導入された新粗糸が、前記噴射ノズルから噴射され
る圧縮空気の作用により噴射ノズル側へ移動するのを規
制する作用位置と、新粗糸と係合不能な退避位置とに移
動配置される規制部材を設けた。
【0010】
【作用】粗糸継ヘッドの先端に形成された粗糸案内部に
新粗糸が導入された状態で、ドラフトパートに連なる紡
出中の旧粗糸が粗糸案内溝に導入される。その状態で噴
射ノズルから粗糸案内部に導入された旧粗糸に向かって
圧縮気体が噴射される。旧粗糸は一方がバックローラに
把持されているため、バックローラ側の移動が規制され
た状態で噴射気流の作用を受け、噴射気流が当たる所定
位置で単繊維が素抜ける状態で切断される。圧縮気体の
圧力が高い場合には、噴射気流の随伴気流の作用により
新粗糸が噴射ノズル側へ移動しようとする。そして、規
制部材がない場合は新粗糸が噴射気流に当たる位置へと
移動し、噴射気流が新粗糸に当たって新粗糸が毛羽立っ
たり、切断に至る虞もある。しかし、作用位置に配置さ
れた規制部材により新粗糸の移動が規制され、新粗糸に
噴射気流が当たるのが確実に防止される。
【0011】
【実施例】(実施例1) 以下、本考案を具体化した第1実施例を図1〜図7に従
って説明する。粗糸継装置1は精紡機機台に沿って移動
して粗糸替え作業を行う粗糸替機(図示せず)に装備さ
れている。図1(a)に示すように粗糸継ヘッド2は粗
糸継装置1の支持アーム3の先端に回動可能に支持され
ている。支持アーム3はその基端において、図示しない
駆動装置により駆動される駆動軸4に対して、一体回動
可能に固定されている。粗糸継ヘッド2は支持アーム3
の回動によりドラフトパート上方の粗糸継位置と、粗糸
替機の移動に支障とならない退避位置とに配置されるよ
うになっている。支持アーム3の先端にはほぼU字状の
取付部(図示せず)が形成され、取付部の側方に突出す
る状態で回動軸5が支持されている。回動軸5の取付部
と対応する位置には歯付きプーリ6aが一体回転可能に
嵌着固定され、該歯付きプーリ6aと支持アーム3の基
端に固定されたモータ7の駆動軸に嵌着された歯付きプ
ーリ6bとの間に歯付きベルト8が巻掛けられている。
そして、取付部の側方に突出した部分の回動軸5に粗糸
継ヘッド2が一体回転可能に固着され、モータ7の駆動
により粗糸継ヘッド2が回動されるようになっている。
【0012】粗糸継ヘッド2のヘッド本体10の先端に
は後側へ向かって下降傾斜する斜面を持つ膨出部10a
が形成され、膨出部10aの先端はトランペット9(図
2,4等に図示)内に侵入可能な形状に形成されてい
る。ヘッド本体10の先端には粗糸案内部としての粗糸
案内溝11がヘッド本体10の長手方向及び上下方向に
延びるように形成されている。前記膨出部10aには粗
糸案内溝11を境にして片側に、粗糸案内溝11に連通
して粗糸案内溝11を膨出部10aの後方及び側方に開
放する切欠部12が形成されている。
【0013】ヘッド本体10は図1(b)及び図3等に
示すように前記切欠部12を有するブロック13が別体
に形成され、図示しないねじ等で一体に固着されてい
る。ブロック13には圧縮空気流を噴射する噴射ノズル
14を構成する偏平な凹部15が前記切欠部12より上
側で切欠部12の前方位置において、上方及び粗糸案内
溝11側が開放された状態で形成され、粗糸案内溝11
側がプレート16により覆われている。プレート16は
粗糸案内溝11の壁面と面一となる状態で固定されてい
る。ブロック13には前記凹部15に対して粗糸案内溝
11と反対側から連通する嵌合孔17が形成され、該嵌
合孔17に一端がコンプレッサ等の圧縮空気源(図示せ
ず)に接続されたパイプ18の他端が嵌入されている。
パイプ18には噴射ノズル14からの圧縮空気の噴射時
期を制御する制御部としての流量調整可能な制御弁19
が装備されている。
【0014】ヘッド本体10には前記膨出部10aの後
方でパイプ18側に、支持ピン20がヘッド本体10の
上下両側に突出する状態で回転自在に取付けられてい
る。支持ピン20の下端には新粗糸R2を把持する把持
部材21が、その先端部が前記切欠部12内に挿入され
た状態で、その基端において一体回転可能に取付けられ
ている。支持ピン20の上端にはレバー22がヘッド本
体10の長手方向に沿って延びる状態で、その一端にお
いて一体回転可能に固定されている。把持部材21は支
持ピン20の回動により、把持部21aが粗糸案内溝1
1内に侵入して粗糸案内溝11の一方の壁面11aと協
動して新粗糸R2を把持する粗糸把持位置と、把持部2
1aが粗糸案内溝11内から退避して粗糸案内溝11内
での粗糸の移動を許容する待機位置とに移動可能に配置
されている。把持部材21には粗糸案内溝11に沿って
延びる貫通孔21bが形成され、貫通孔21bの後端に
は一端が圧縮空気源に接続されたパイプ21cの他端が
接続されている。パイプ21cの途中には開閉弁(図示
せず)が設けられている。
【0015】又、ヘッド本体10には前記支持ピン20
の側方に、支持ピン23が支持ピン20より上方まで突
出するように回転自在に取付けられている。支持ピン2
3の上端には規制部材としての規制ロッド24の基端
が、中間部にはレバー25の一端がそれぞれ一体回転可
能に固定されている。前記ブロック13の上面には粗糸
案内溝11の基端と対応する位置に、挟持板26が粗糸
案内溝11と平行に突設されている。規制ロッド24は
支持ピン23の回動により、その先端部が前記粗糸案内
溝11を挟んで挟持板26から離間する待機位置と、粗
糸案内溝11を跨いで挟持板26と協働して新粗糸R2
を挟持する作用位置とに移動可能に配置されている。
【0016】前記回動軸5の支持アーム3近傍には支持
ブロック27(図3,5に図示)が一体回転可能に固定
され、該支持ブロック27と前記ヘッド本体10の基端
上面との間に支持プレート28が固着されている。支持
プレート28の一端、支持アーム3寄りには支柱29が
立設され、支柱29の先端にプレート30が固定されて
いる。プレート30にはエアシリンダ31,32がヘッ
ド本体10と直交する方向に延びるように、その基端に
おいて支軸(図示せず)を介して支持されている。エア
シリンダ31はそのピストンロッド31aが、前記レバ
ー22の端部にピン33を介して回動可能に連結されて
いる。エアシリンダ32はそのピストンロッド32a
が、前記レバー25の端部にピン33を介して回動可能
に連結されている。そして、エアシリンダ31の作動に
よりレバー22を介して把持部材21が、エアシリンダ
32の作動によりレバー25を介して規制ロッド24
が、それぞれ回動されるようになっている。
【0017】なお、粗糸継ヘッド2にはレバー22,2
5及びエアシリンダ31,32を覆うカバー34が、支
持プレート28に固定された取り付け部材(図示せず)
を介して取り付けられている。又、トランペット9の出
口9aは紡出中の旧粗糸R1が存在する状態で新粗糸R
2が十分通過可能な縦長に形成されている。
【0018】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。把持部材21はピストンロッド31aが没入
位置に配置された状態では、その把持部21aが粗糸案
内溝11内から退避した待機位置に配置される。又、ピ
ストンロッド31aが突出位置に配置された状態では、
図3及び図6(d)等に示すようにその把持部21aが
粗糸案内溝11の一方の壁面11aと協働して粗糸を把
持可能な粗糸把持位置に配置される。規制ロッド24は
ピストンロッド32aが没入位置に配置された状態では
挟持板26と協働して新粗糸R2を挟持する作用位置に
配置され、ピストンロッド32aが突出位置に配置され
た状態では挟持板26から離間する待機位置に配置され
る。
【0019】満ボビンから引き出された新粗糸R2を把
持する場合には、把持部材21が待機位置に配置され、
粗糸案内溝11の奥まで粗糸が自由に侵入可能な状態
で、新粗糸R2が粗糸案内溝11の奥まで導入される。
新粗糸R2が粗糸案内溝11の奥まで導入された状態で
エアシリンダ31が作動され、ピストンロッド31aの
突出作動により把持部材21が粗糸把持位置に配置さ
れ、把持部21aが壁面11aと協働して新粗糸R2を
把持する。新粗糸R2は粗糸案内溝11の奥に導入され
た状態で、他方の壁面11aに把持部材21の把持部2
1aによって押圧されて把持されるため、把持部材21
による把持作用を受ける際にほとんど移動せず、新粗糸
R2の先端位置が安定する。
【0020】新粗糸R2の把持は精紡機機台の手前側の
ドラフトパートから離れた位置で行われる。そして、新
粗糸R2の把持終了後、支持アーム3が駆動軸4の回動
により精紡機機台側へ傾動され、粗糸継ヘッド2がドラ
フトパートの上方近傍の粗糸継作業位置へ移動配置され
る。ヘッド本体10の上方にカバー34が存在するた
め、粗糸継ヘッド2の移動時に満管ボビンに連なる新粗
糸R2が折れ曲がったり、レバー22等に引っ掛かった
りするのが確実に防止される。
【0021】粗糸継ヘッド2が粗糸継作業位置へ移動配
置されると、図2,3に示すように旧粗糸R1が粗糸案
内溝11に導入される。把持部材21が粗糸把持位置に
配置された状態では、把持部材21の先端より奥側へ旧
粗糸R1が移動するのが阻止され、旧粗糸R1は噴射ノ
ズル14と対応する位置に保持される。次にエアシリン
ダ32が作動してピストンロッド32aが没入位置に移
動され、規制ロッド24がレバー25とともに回動され
て作用位置に配置される。その結果、新粗糸R2は把持
部材21による把持位置より上方において規制ロッド2
4と挟持板26とに挟まれて移動が規制された状態に保
持される(図6(b)の状態)。
【0022】次に制御弁19が開かれ、紡出糸の種類に
対応した所定圧力(3〜5気圧)でパイプ18を経て圧
縮空気が噴射ノズル14から噴射される。噴射ノズル1
4の噴射口は上側を向いているため、噴射気流は旧粗糸
R1を上方へ引っ張るように作用する。そして、旧粗糸
R1は一方がバックローラ35に把持されているため、
バックローラ35側の移動が規制された状態で噴射気流
の作用を受ける。そして、噴射気流が旧粗糸R1の特定
位置に強く当たり、噴射気流が当たる所定位置すなわち
噴射ノズル14の噴射口から一定距離離れた位置で単繊
維が素抜ける状態で筆先状に切断されて図4及び図6
(c)の状態となる。
【0023】旧粗糸R1の切断後、パイプ21cの開閉
弁が開かれて貫通孔21bから圧縮空気が噴射される。
その結果、ドラフトパートに連なる切断後の旧粗糸R1
は圧縮空気の作用により粗糸案内溝11から前方に押し
出され、図4に鎖線で示すように自重でトランペット9
の後方へ垂れ下がった状態となる。そして、噴射ノズル
14及びパイプ21cからの圧縮空気の噴射が停止され
た後、エアシリンダ32が作動されて規制ロッド24が
待機位置に配置され、規制ロッド24による新粗糸R2
の挟持が解除される(図6(d)の状態)。
【0024】次にモータ7が駆動されて粗糸継ヘッド2
が図4の位置から時計方向に回動される。粗糸継ヘッド
2は新粗糸R2の先端がトランペット9に近付くまでは
高速で回動され、その後は低速で回動されて粗糸継ヘッ
ド2に把持されている新粗糸R2の端部がトランペット
9に挿入される。粗糸継ヘッド2がトランペット9への
新粗糸端導入位置に配置された状態では、新粗糸R2の
端がトランペット9の出口9aを通ってバックローラ3
5に把持される位置まで達する。新粗糸R2の端部がバ
ックローラ35に供給された時点でエアシリンダ31が
作動されて把持部材21による新粗糸R2の把持が解除
される。そして、新粗糸R2は旧粗糸R1に重ねられた
状態でバックローラ35を通過して粗糸継ぎが行われ、
その後は新粗糸R2により紡出が継続される。旧粗糸R
1の端部は単繊維が切断されずに筆先状に切断されるた
め、ローラパート内を前後のローラ間でドラフトされな
がら通過し、旧粗糸R1の切断部でのスラブ糸の発生も
なく、バルーンが急激に大きくなることによる糸切れ発
生もなくなる。
【0025】新粗糸R2に張力を与えると新粗糸R2が
引き伸ばされて細糸の原因あるいは粗糸の途中切れを起
こす原因となることから、満ボビンと粗糸継ヘッド2と
の間の新粗糸R2には弛みを持たせておく必要がある。
太い粗糸等のように切断し難い粗糸の場合は、切断を確
実にするために噴射ノズル14からの噴射圧力を高くす
る必要がある。把持部材21による把持部から満ボビン
に連なる新粗糸R2が規制ロッド24の規制を受けない
状態で、噴射ノズル14から高圧の噴射気流が噴射され
ると、その随伴気流の作用により新粗糸R2が図7に鎖
線で示す位置から実線で示すように噴射ノズル14側に
引き寄せられる。そして、新粗糸R2に噴射気流が当た
り、新粗糸R2の毛羽立ちが生じたり、最悪の場合は新
粗糸R2が切断される虞がある。しかし、噴射ノズル1
4から噴射気流が噴射される時には、新粗糸R2が規制
ロッド24と挟持板26に挟持された状態に保持される
ため、新粗糸R2が噴射気流の悪影響を受けない。
【0026】又、旧粗糸R1は噴射ノズル14の噴射口
から一定距離離れた位置で常に切断されるため、旧粗糸
切断後の新粗糸R2のトランペット9への挿入をさほど
短時間で行わなくとも、新粗糸R2の挿入時に旧粗糸R
1がトランペット9の後方へ垂れ下がった状態にある。
その結果、粗糸の供給速度が早い太番手紡出の際におい
ても、トランペット9の出口9aへの新粗糸端の挿入が
円滑に行われる。
【0027】又、切断後の旧粗糸R1の端部からバック
ローラ35までの長さは、旧粗糸R1が粗糸案内溝11
に導入された状態で噴射ノズル14から圧縮空気を噴射
する際の粗糸継ヘッド2の位置すなわち、粗糸継ヘッド
2の傾きを変えることにより調整できる。又、この実施
例では噴射ノズル14が粗糸の太さよりずっと幅広に形
成されているため、旧粗糸R1が粗糸案内溝11内で多
少移動しても確実に所定位置で粗糸切断が行われる。
【0028】(実施例2) 次に第2実施例を図8〜図10に従って説明する。この
実施例では新粗糸R2の移動を規制する規制部材の構成
が前記実施例と異なっている。すなわち、挟持板26を
設けずに、規制ロッド24に代えて遮蔽壁36が支持ピ
ン23に対して一体回転可能に固定されている。遮蔽壁
36は平面ほぼL字状に屈曲形成されるとともに、その
下端がヘッド本体10の上面近傍まで延出されている。
【0029】そして、図9に示すようにピストンロッド
32aが突出状態の時は、遮蔽壁36は新粗糸R2が粗
糸案内溝11内を自由に移動可能な待機位置に配置され
る。又、噴射ノズル14からの圧縮空気噴射時には、ピ
ストンロッド32aが没入状態に保持され、図10に示
すように遮蔽壁36は粗糸案内溝11の基端より前側上
方で粗糸案内溝11を跨ぐ作用位置に配置される。従っ
て、噴射ノズル14からの圧縮空気噴射時には、噴射気
流と新粗糸R2との間に遮蔽壁36が存在するため新粗
糸R2は噴射気流の随伴気流の影響をほとんど受けな
い。又、仮に新粗糸R2が随伴気流の作用により噴射ノ
ズル14側へ移動しようとしても、遮蔽壁36によりそ
の移動が規制され、噴射気流の当たらない位置に確実に
保持される。その結果、新粗糸R2の毛羽立ちや切断が
確実に防止される。
【0030】(実施例3) 次に第3実施例を図11,12に従って説明する。この
実施例では旧粗糸R1の切断時に、旧粗糸R1の切断位
置より上流側において旧粗糸R1を把持するようにした
点が前記第1実施例と異なっている。すなわち、第1実
施例における規制ロッド24の先端及び挟持板26が噴
射ノズル14の前側上方まで延出された状態に形成され
ている。
【0031】圧縮空気は旧粗糸R1が切断された後も僅
かの間、噴射が継続される。従って、粗糸巻(図示せ
ず)に連なる切断後の旧粗糸R1の端部がフリーの状態
では、旧粗糸R1が圧縮空気によって吹き上げられ、隣
接錘の紡出中の粗糸に巻き付いたり、ロービングガイド
(図示せず)に巻き付いて粗糸替作業に支障を来す虞が
ある。しかし、この実施例の装置では旧粗糸R1が規制
ロッド24と挟持板26とにより把持された状態で、噴
射ノズル14から圧縮空気が噴射される。従って、粗糸
巻に連なる切断後の旧粗糸R1の端部は、規制ロッド2
4と挟持板26とで把持された状態に保持され、噴射ノ
ズル14からの圧縮空気によって吹き上げられるのが確
実に防止される。その結果、切断後の旧粗糸R1が隣接
錘の紡出や粗糸替作業に支障を来す虞がない。
【0032】なお、本考案は前記各実施例に限定される
ものではなく、例えば、第1及び第2実施例において
は、規制ロッド24あるいは遮蔽板36を作用位置に配
置する時期は、粗糸案内溝11に旧粗糸R1が導入され
た後に限らず、新粗糸R2が粗糸案内溝11に導入され
てから噴射ノズル14から圧縮空気の噴射が開始される
前の任意の時期でよい。又、作用位置に配置された規制
ロッド24あるいは遮蔽板36を待機位置に復帰させる
時期も、旧粗糸R1切断直後に限らず、把持部材21の
解放と同時あるいはその前等、新粗糸R2をバックロー
ラ35側へ送り出す前であればよい。又、前記各実施例
では切断後の旧粗糸R1を粗糸案内溝11内から確実に
離脱させるため、把持部材21に形成された貫通孔21
bから圧縮空気を噴射するようにしたが、そのための噴
射ノズルを他の位置に設けたり、把持部材21より前側
の粗糸案内溝11の幅を広くして、圧縮空気の噴射をな
くしてもよい。又、粗糸継装置1に粗糸継ヘッド2を2
個一組あるいは3個以上装備して同時に複数錘の粗糸継
作業を行うようにしてもよい。
【0033】
【考案の効果】以上詳述したように本考案によれば、追
い継を自動的に行う際に、旧粗糸の切断後、新粗糸のト
ランペットへの挿入までに十分余裕がある所定長の位置
で旧粗糸を確実に切断できるので、太番手紡出の際にも
粗糸継成功率が向上する。又、粗糸を構成する単繊維を
切断せずに単繊維を素抜く状態で旧粗糸の切断が行われ
るので切断後の旧粗糸端は筆先状となり、綿カード糸の
ように平均繊維長の短い繊維の場合でも旧粗糸端がスラ
ブ状になって紡出されることよる糸切れがなくなる。さ
らに、圧縮気体の噴射により粗糸の切断を行うため切断
時間が短時間となり、しかも保全、交換の手間が掛から
ない。又、新粗糸が圧縮気体に当たらない位置に確実に
保持されて、新粗糸に悪影響を与えることなく旧粗糸を
切断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本考案を具体化した第1実施例の粗糸
継装置の側面図、(b)は(a)のB−B線拡大断面図
である。
【図2】旧粗糸が粗糸案内溝内に導入された状態を示す
側面図である。
【図3】規制ロッドが作用位置に配置され、かつ旧粗糸
が粗糸案内溝内に導入された状態を示す平面図である。
【図4】旧粗糸が切断された状態を示す側面図である。
【図5】旧粗糸切断後、規制ロッドが待機位置に配置さ
れた状態を示す平面図である。
【図6】旧粗糸の切断時における新粗糸、規制ロッド及
び旧粗糸の関係を示す正面図である。
【図7】規制ロッドと挟持板がない場合の新粗糸に対す
る噴射気流の影響を示す側面図である。
【図8】第2実施例の粗糸継装置に旧粗糸が導入された
状態を示す側面図である。
【図9】同じく平面図である。
【図10】同じく遮蔽壁が作用位置に配置された状態を
示す平面図である。
【図11】第3実施例の粗糸継装置に旧粗糸が導入され
た状態を示す側面図である。
【図12】同じく規制ロッドが作用位置に配置された状
態を示す平面図である。
【図13】新粗糸端挿入時のトランペット内の新粗糸と
旧粗糸の関係を示す断面図である。
【符号の説明】
2…粗糸継ヘッド、9…トランペット、9a…出口、1
0…ヘッド本体、11…粗糸案内部としての粗糸案内
溝、14…噴射ノズル、21…把持部材、24…規制部
材としての規制ロッド、26…挟持板、36…規制部材
としての遮蔽壁、R1…旧粗糸、R2…新粗糸。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗糸継ヘッドの先端に粗糸案内部を形成
    し、前記粗糸案内部に導入された旧粗糸に向かって圧縮
    気体を噴射する噴射ノズルを設け、前記粗糸案内部に旧
    粗糸に先立って導入された新粗糸が、前記噴射ノズルか
    ら噴射される圧縮空気の作用により噴射ノズル側へ移動
    するのを規制する作用位置と、新粗糸と係合不能な退避
    位置とに移動配置される規制部材を設けた粗糸替機の旧
    粗糸切断装置。
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