JP2000078991A - ヒト・ナトリウム依存性リン酸輸送体(ipt―1) - Google Patents

ヒト・ナトリウム依存性リン酸輸送体(ipt―1)

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IPT−1ポリペプチドおよびポリヌクレオチド
並びに前記ポリペプチドの組換え法による生産方法を提
供する。 【解決手段】 配列番号2のIPT−1ポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列と全長において少なくとも80
%同一であり、かつIPT−1ポリペプチドの活性を有する
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、またはこ
のヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列
を含んでなるポリヌクレオチドを単離する。 【効果】 IPT−1ポリペプチドおよびポリヌクレオチド
は慢性腎不全、最終病期にある腎疾患、尿毒症性骨疾
患、および癌を含む機能障害または疾病の治療と、この
ような症状の診断アッセイに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新たに同定された
ポリヌクレオチド、このポリヌクレオチドによりコード
されるポリペプチド、前記のポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドの使用、並びにその生産方法に関する。より
詳細には、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドはナトリウム依存性リン酸輸送体ファミリーに関し、
以後これをIPT−1と記す。本発明はまた、このようなポ
リヌクレオチドおよびポリペプチドの作用を阻害または
活性化することに関する。
【0002】
【従来の技術】リン酸の体内貯留は尿毒症性骨疾患の進
行において重大な役割を担っていることがわかってき
た。リン酸の腸管吸収を阻害することは、最終病期にあ
る腎疾患(ESRD)の患者において尿毒症性骨疾患を予防
するための重要な標的となり、またおそらくは腎疾患自
体の進行を遅延させるための標的にもなるだろう。ESR
Dに罹患している患者はリン酸を排出できず、高リン酸
血症、続発性上皮小体機能亢進症および尿毒症性骨疾患
を引き起こす。これらの患者の現在の治療法には食事の
リン酸制限、およびリン酸結合剤が必要であるが、この
どちらも深刻な欠点を有する。腸管におけるリン酸輸送
体に特異的な阻害剤を用いてリン酸の吸収を阻害する
と、これらの患者の治療に大きな前進がみられる。こう
したことは、ナトリウム依存性リン酸輸送体ファミリー
に治療用ターゲットとしての確立され実証された歴史が
あることを示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】明らかに、慢性腎不
全、最終病期にある腎疾患、尿毒症性骨疾患、および癌
を含むがこれらに限らない、機能障害または疾病を予防
し、改善し、治療する上で何らかの役割を果たすナトリ
ウム依存性リン酸輸送体ファミリーの新たなメンバーを
同定して特性づける必要性が存在している。本発明はか
かるメンバーを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一つの態様に
おいて、IPT−1ポリペプチドおよび組換え物質、並びに
その生産方法に関する。本発明のもう一つの態様はIPT
−1ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの使用方法に
関する。こうした使用には、とりわけ、慢性腎不全、最
終病期にある腎疾患、尿毒症性骨疾患、および癌の治療
が含まれる。他の態様では、本発明は、本発明により提
供される物質を用いてアゴニストおよびアンタゴニスト
を同定する方法、並びに同定された化合物を用いてIPT
−1の不均衡と関連した状態を治療することに関する。
本発明のさらに他の態様は、不適当なIPT−1活性または
IPT−1レベルと関連した疾病を検出するための診断アッ
セイに関する。
【0005】定義 下記の定義は、本明細書中で頻繁に使用される用語を理
解しやすくするためのものである。「IPT−1」とは、特
に、一般的には配列番号2で表されるアミノ酸配列を有
するポリペプチドまたはそのアレリック変異体を意味す
る。「IPT−1活性またはIPT−1ポリペプチド活性」また
は「IPT−1またはIPT−1ポリペプチドの生物学的活性」
とは、類似の活性、向上した活性、または望ましくない
副作用が低下したこれらの活性を含めて、IPT−1の代謝
的または生理的機能を意味する。さらに、前記IPT−1の
抗原的および免疫原的活性も含まれる。「IPT−1遺伝
子」とは、配列番号1で表されるヌクレオチド配列を有
するポリヌクレオチドまたはそのアレリック変異体およ
び/またはそれらの相補体を意味する。
【0006】本明細書中で用いる「抗体」には、ポリク
ローナルおよびモノクローナル抗体、キメラ抗体、一本
鎖抗体、ヒト化抗体、さらにFabまたは他の免疫グロ
ブリン発現ライブラリーの産物を含むFabフラグメン
トが含まれる。「単離された」とは、天然の状態から
「人間の手によって」改変されたことを意味する。「単
離された」組成物または物質が天然に存在するのであれ
ば、それはそのもとの環境から変化しているか移動して
おり、またはその両方である。例えば、生存している動
物の体内に自然界で存在するポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドは「単離された」ものではないが、その天然
状態の共存物質から分離されたポリヌクレオチドまたは
ポリペプチドは、本明細書中で用いられるように、「単
離された」ものである。
【0007】「ポリヌクレオチド」とは、一般に任意の
ポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオ
チドをさし、これは修飾されていないRNAもしくはD
NA、または修飾されたRNAもしくはDNAであり得
る。「ポリヌクレオチド」には、制限するものではない
が、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖領域と二本鎖領
域が混じり合ったDNA、一本鎖および二本鎖RNA、
一本鎖領域と二本鎖領域が混じり合ったRNA、DNA
とRNAを含むハイブリッド分子(一本鎖でも、または
より典型的には二本鎖でもよく、一本鎖領域と二本鎖領
域が混じり合ったものでもよい)が含まれる。加えて、
「ポリヌクレオチド」はRNAまたはDNAまたはRN
AとDNAの両方からなる三重鎖領域を意味する。「ポ
リヌクレオチド」という用語はまた、1個以上の修飾塩
基を含有するDNAまたはRNA、および安定性または
他の理由のために修飾された骨格を有するDNAまたは
RNAも含む。「修飾」塩基としては、例えば、トリチ
ル化された塩基およびイノシンのような特殊な塩基があ
る。DNAおよびRNAに対してさまざまな修飾が行わ
れてきた。こうして、「ポリヌクレオチド」は、自然界
に一般的に存在するポリヌクレオチドの化学的、酵素的
または代謝的に修飾された形態、並びにウイルスおよび
細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態を包含
する。また、「ポリヌクレオチド」は、しばしばオリゴ
ヌクレオチドと称される比較的短いポリヌクレオチドも
包含する。
【0008】「ポリペプチド」とは、ペプチド結合また
は修飾されたペプチド結合(すなわち、ペプチドアイソ
スター)により連結された2個以上のアミノ酸を含む任
意のペプチドまたはタンパク質を意味する。「ポリペプ
チド」は短鎖(通常はペプチド、オリゴペプチドまたは
オリゴマーという)と長鎖(一般的にはタンパク質とい
う)の両方をさす。ポリペプチドは20種類の遺伝子コ
ード化アミノ酸以外のアミノ酸を含んでもよい。「ポリ
ペプチド」は、翻訳後プロセシングのような天然のプロ
セスで、または当技術分野で公知の化学的修飾法のいず
れかで修飾されたアミノ酸配列を含む。このような修飾
は基本的な教科書、より詳細な学術論文および研究文献
に詳述されている。修飾はペプチド骨格、アミノ酸側
鎖、アミノまたはカルボキシル末端を含めてポリペプチ
ドのどこでも行うことができる。同じタイプの修飾が所
定のポリペプチドのいくつかの部位に同程度でまたはさ
まざまに異なる程度で存在してもよい。また、所定のポ
リペプチドが多くのタイプの修飾を含んでいてもよい。
ポリペプチドはユビキチン化のために分枝していても、
分枝のある又はない環状であってもよい。環状の、分枝
した、または分枝した環状のポリペプチドは翻訳後の天
然プロセスから生じることがあり、また、合成法によっ
て製造することもできる。修飾としては、アセチル化、
アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの
共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌ
クレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の
共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架
橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有
架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタメートの形
成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、
GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチ
ル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解処理、リ
ン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸
化、アルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸の転
移RNA媒介付加、ユビキチン化などがある。例えば、
PROTEINS - STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES, 2nd
Ed., T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, Ne
w York, 1993; POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICAT
ION OF PROTEINS, B.C. Johnson 編, Academic Press,
New York,1983中のWold, F., Posttranslational Prote
in Modifications: Perspectivesand Prospects, pgs.
1-12; Seifter ら, “Analysis for protein modificat
ions and nonprotein cofactors", Meth Enzymol (199
0) 182:626-646;および Rattan ら, “Protein Synthes
is: Posttranslational Modifications and Aging",Ann
NY Acad Sci (1992) 663:48-62を参照のこと。
【0009】本明細書中で用いる「変異体」とは、基準
のポリヌクレオチドまたはポリペプチドと異なるが、不
可欠な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドのことである。典型的なポリヌクレオチドの変
異体は基準ポリヌクレオチドとヌクレオチド配列の点で
相違する。この変異体のヌクレオチド配列の変化は、基
準ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド
のアミノ酸配列を変更しても、しなくてもよい。ヌクレ
オチドの変化は、以下で述べるように、基準配列により
コードされるポリペプチドにおいてアミノ酸の置換、付
加、欠失、融合および末端切断(トランケーション)を
生じさせることができる。典型的なポリペプチドの変異
体は基準ポリペプチドとアミノ酸配列の点で相違する。
一般的には、基準ポリペプチドの配列と変異体の配列が
全般的によく類似しており、多くの領域で同一となるよ
うな相違に限られる。変異体と基準ポリペプチドは任意
に組み合わせた1以上の置換、付加、欠失によりアミノ
酸配列が相違していてよい。置換または挿入されるアミ
ノ酸残基は遺伝子コードによりコードされるものであっ
ても、なくてもよい。ポリヌクレオチドまたはポリペプ
チドの変異体はアレリック変異体のように天然に存在す
るものでも、天然に存在することが知られていない変異
体であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドの天然に存在しない変異体は、突然変異誘発法または
直接合成により調製することができる。
【0010】「同一性」はヌクレオチド配列またはアミ
ノ酸配列の同一性の尺度である。一般に、最大級の整合
(一致)が得られるように配列を並べる。「同一性」そ
れ自体は当技術分野で認識された意味をもち、発表され
た技法を使って計算することができる。例えば、COMPUT
ATIONAL MOLECULAR BIOLOGY, Lesk, A.M. 編, OxfordUn
iversity Press, New York, 1988; BIOCOMPUTING: INFO
RMATICS AND GENOMEPROJECTS, Smith, D.W. 編, Academ
ic Press, New York, 1993; COMPUTER ANALYSIS OF SEQ
UENCE DATA, PART I, Griffin, A.M. and Griffin, H.
G. 編, HumanaPress, New Jersey, 1994; SEQUENCE ANA
LYSIS IN MOLECULAR BIOLOGY, von Heinje, G., Academ
ic Press, 1987; および SEQUENCE ANALYSIS PRIMER, G
ribskov, M. and Devereux, J.編, M Stockton Press,
New York, 1991を参照のこと。2つのポリヌクレオチド
またはポリペプチド配列間の同一性を決定する方法は多
数存在していると同時に、「同一性」なる用語は当業者
には公知である (Carillo, H. and Lipton, D., SIAM J
Applied Math (1988) 48:1073) 。2つの配列間の同一
性または類似性を決定するために汎用される方法として
は、Guide to Huge Computers, Martin J. Bishop 編,
Academic Press, San Diego, 1994 およびCarillo, H.
and Lipton, D., SIAM J Applied Math (1988) 48:1073
に記載される方法があるが、これらに限らない。同一
性および類似性の決定方法はコンピュータプログラムに
集成されている。2つの配列間の同一性および類似性を
決定するための好適なコンピュータプログラム法として
は、GCS プログラムパッケージ (Devereux, J.ら, Nucl
eic Acids Research (1984) 12(1):387)、BLASTP、BLAS
TN、FASTA (Atschul, S.F.ら, J Molec Biol (1990) 21
5:403)があるが、これらに限らない。
【0011】一例として、配列番号1の基準ヌクレオチ
ド配列に対して、例えば、少なくとも95%の「同一
性」を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチ
ドとは、このポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が配
列番号1の基準ヌクレオチド配列のそれぞれ100ヌク
レオチドにつき最高で5つの点突然変異を含みうること
を除けば、基準配列と同一であることを意図している。
言い換えると、基準ヌクレオチド配列と少なくとも95
%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチ
ドを得るには、基準配列中の5%までのヌクレオチドを
欠失させるか、他のヌクレオチドで置換するか、または
基準配列中の全ヌクレオチドの5%までのヌクレオチド
数を基準配列に挿入すればよい。基準配列のこれらの突
然変異は、基準ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末端位
置、またはこれらの末端位置の間のどこかで起こり、基
準配列中のヌクレオチドの間に個々に、または基準配列
内に1以上の連続するグループとして配置することがで
きる。
【0012】同様に、配列番号2の基準アミノ酸配列に
対して、例えば、少なくとも95%の「同一性」を有す
るアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、このポリペ
プチド配列が配列番号2の基準アミノ酸配列のそれぞれ
100アミノ酸につき最高で5つのアミノ酸変更を含み
うることを除けば、基準配列と同一であることを意図し
ている。言い換えると、基準アミノ酸配列と少なくとも
95%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを
得るには、基準配列中の5%までのアミノ酸残基を欠失
させるか、他のアミノ酸で置換するか、または基準配列
中の全アミノ酸残基の5%までのアミノ酸数を基準配列
に挿入すればよい。基準配列のこれらの変更は、基準ア
ミノ酸配列のアミノもしくはカルボキシ末端位置、また
はこれらの末端位置の間のどこかで起こり、基準配列中
のアミノ酸残基の間に個々に、または基準配列内に1以
上の連続するグループとして配置することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のポリペプチド 一つの態様において、本発明はIPT−1ポリペプチド(ま
たはIPT−1タンパク質)に関する。このIPT−1ポリペプ
チドには、配列番号2および4のポリペプチドだけでな
く、配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド、そ
の全長において配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも
80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは
少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含むポリペ
プチドも含まれる。さらに、少なくとも97〜99%同
一であるものが特に好適である。また、その全長におい
て配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドと少
なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好
ましくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有
するポリペプチドもIPT−1ポリペプチドに含まれる。さ
らに、少なくとも97〜99%同一であるものが特に好
適である。IPT−1ポリペプチドはIPT−1の少なくとも1
つの生物学的活性を示すことが好ましい。
【0014】IPT−1ポリペプチドは「成熟」タンパク質
の形であっても、融合タンパク質のような、より大きい
タンパク質の一部であってもよい。しばしば、追加のア
ミノ酸配列を含めることが有利であり、このようなアミ
ノ酸配列としては、分泌すなわちリーダー配列、プロ配
列、多重ヒスチジン残基のような精製に役立つ配列、ま
たは組換え生産の際の安定性を確保する付加的配列など
がある。
【0015】また、IPT−1ポリペプチドの断片も本発明
に含まれる。こうした断片は全体的に前記IPT−1ポリペ
プチドのアミノ酸配列の一部と同一であるが、全部とは
同一でないアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
IPT−1ポリペプチドと同様に、断片は「フリースタンデ
ィング」(それ自体で独立)していても、より大きいポ
リペプチド内に含まれていてもよく、つまりその大きい
ポリペプチドの一部または一領域、最も好ましくは一つ
の連続領域、を断片が構成していてもよい。本発明のポ
リペプチド断片の代表的な例として、およその見当でア
ミノ酸番号1−20、21−40、41−60、61−
80、81−100、および101からIPT−1ポリペプ
チドの末端までの断片が挙げられる。ここで、「およ
そ」とは、上記の範囲の一端または両端で数個、5個、
4個、3個、2個または1個のアミノ酸が増えたり減っ
たりした範囲を含むものである。
【0016】好適な断片としては、例えば、アミノ末端
を含む一連の残基もしくはカルボキシル末端を含む一連
の残基の欠失、またはアミノ末端を含むものとカルボキ
シル末端を含むものとの二連の残基の欠失を除いた、IP
T−1ポリペプチドのアミノ酸配列を有するトランケーシ
ョン(truncation)ポリペプチドが含まれる。また、αヘ
リックスとαヘリックス形成領域、βシートとβシート
形成領域、ターンとターン形成領域、コイルとコイル形
成領域、親水性領域、疎水性領域、α両親媒性領域、β
両親媒性領域、可変性領域、表面形成領域、基質結合領
域、および高抗原指数領域を含む断片のような、構造的
または機能的特性により特徴づけられる断片も好適であ
る。その他の好適な断片は生物学的に活性な断片であ
る。生物学的に活性な断片は、同様の活性をもつ断片、
その活性が向上した断片、または望ましくない活性が減
少した断片を含めて、IPT−1活性を媒介するものであ
る。さらに、動物、特にヒトにおいて抗原性または免疫
原性がある断片も含まれる。
【0017】これらのポリペプチド断片はどれも、抗原
活性を含めたIPT−1の生物学的活性を保持することが好
ましい。中でも、最も好ましい断片は配列番号4のアミ
ノ酸配列を有するものである。特定された配列および断
片の変異型も本発明の一部を構成する。好適な変異型は
同類アミノ酸置換により対象物と異なるもの、すなわ
ち、ある残基が同様の性質の他の残基で置換されている
ものである。典型的なこうした置換は、Ala, Val, Leu
と Ileの間;Ser とThr の間;酸性残基 AspとGlu の
間;Asn とGln の間;塩基性残基 LysとArg の間;また
は芳香族残基 PheとTyr の間で起こる。特に、数個、5
〜10個、1〜5個または1〜2個のアミノ酸が任意の
組合せで置換、欠失または付加されている変異型が好適
である。
【0018】本発明のIPT−1ポリペプチドは任意の適当
な方法で製造することができる。このようなポリペプチ
ドには、単離された天然に存在するポリペプチド、組換
え的に生産されたポリペプチド、合成的に製造されたポ
リペプチド、またはこれらの方法の組合せにより製造さ
れたポリペプチドが含まれる。このようなポリペプチド
の製造のための手段は当業界でよく理解されている。
【0019】本発明のポリヌクレオチド 本発明のもう一つの態様はIPT−1ポリヌクレオチドに関
する。IPT−1ポリヌクレオチドには、IPT−1ポリペプチ
ドおよび断片をコードする単離されたポリヌクレオチ
ド、並びにこれらと密接に関連したポリヌクレオチドが
含まれる。さらに特定すると、本発明のIPT−1ポリヌク
レオチドとしては、配列番号2のIPT−1ポリペプチドを
コードする配列番号1中に含まれるヌクレオチド配列を
含むポリヌクレオチド、および配列番号1および3の特
定配列を有するポリヌクレオチドがある。さらに、IPT
−1ポリヌクレオチドには、配列番号2のIPT−1ポリペ
プチドをコードするヌクレオチド配列と全長において少
なくとも80%同一であるヌクレオチド配列を含むポリ
ヌクレオチド、および配列番号1のヌクレオチド配列と
全長において少なくとも80%同一であるヌクレオチド
配列を含むポリヌクレオチドが含まれる。これに関連し
て、少なくとも90%同一であるポリヌクレオチドが好
適であり、特に少なくとも95%同一であるものが好適
である。さらに、少なくとも97%同一であるものがよ
り好ましく、少なくとも98〜99%同一であるものが
より一層好ましく、少なくとも99%同一であるものが
最も好ましい。また、増幅反応に使用できる条件下、ま
たはプローブやマーカーとして使用できる条件下でハイ
ブリダイズするのに十分な、配列番号1中に含まれるヌ
クレオチド配列との同一性を有するヌクレオチド配列も
IPT−1ポリヌクレオチドに含まれる。本発明はまた、こ
のようなIPT−1ポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレ
オチドを提供する。
【0020】本発明のIPT−1は、ヒトIPT−1をコードす
るcDNAの配列決定の結果により示されるように、ナ
トリウム依存性リン酸輸送体ファミリーの他のタンパク
質と構造的に関連している。配列番号1のcDNA配列
は配列番号2の691個のアミノ酸からなるポリペプチド
をコードするオープンリーディングフレーム(ヌクレオ
チド番号64−2136)を含んでいる。表2のアミノ酸配列
(配列番号2)は691個のアミノ酸残基においてウシ・
ナトリウム依存性リン酸輸送体X8169 9 ( Helpsら、Eu
r.J.Biochem. 228:927-930,1995 )と約76%同一であ
る(FASTA使用)。さらに、IPT−1はヒトNaPi−3と625
個のアミノ酸に関して55%同一である(Magagninら、PNA
S 905979−5983、1993)。表1のヌクレオチド配列(配
列番号1)は2242個のヌクレオチド残基においてウシ・
ナトリウム依存性リン酸輸送体X81699 ( Helpsら、Eur.
J.Biochem. 228:927-930,1995 )と約78%同一である
(FASTA使用)。さらに、IPT−1はヒトNaPi−3と2270個
のヌクレオチドに関して58%同一である(Magagninら、
PNAS905979−5983、1993)。したがって、本発明のIPT
−1ポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、とりわ
け、それらの相同ポリペプチドおよびポリヌクレオチド
と同様の生物学的機能/特性をもつことが予測され、そ
れらの有用性は当業者には自明である。
【0021】ヒトIPT−1のヌクレオチド配列(配列番号
1)
【表1】 CGGGCCAGGTTTCCAGGCTCGGCCGCCGCCTCCATCCCAGCACCTGCGGA
GGGAGCGCTGACCATGGCTCCCTGGCCTGAATTGGGAGATGCCCAGCCCA
ACCCCGATAAGTACCTCGAAGGGGCCGCAGGTCAGCAGCCCACTGCCCCT
GATAAAAGCAAAGAGACCAACAAAACAGATAACACTGAGGCACCTGTAAC
CAAGATTGAACTTCTGCCGTCCTACTCCACGGCTACACTGATAGATGAGC
CCACTGAGGTGGATGACCCCTGGAACCTACCCACTCTTCAGGACTCGGGG
ATCAAGTGGTCAGAGAGAGACACCAAAGGGAAGATTCTCTGTTTCTTCCA
AGGGATTGGGAGATTGATTTTACTTCTCGGATTTCTCTACTTTTTCGTGT
GCTCCCTGGATATTCTTAGTAGCGCCTTCCAGCTGGTTGGAGGAAAAATG
GCAGGACAGTTCTTCAGCAACAGCTCTATTATGTCCAACCCTTTGTTGGG
GCTGGTGATCGGGGTGCTGGTGACCGTCTTGGTGCAGAGCTCCAGCACCT
CAACGTCCATCGTTGTCAGCATGGTGTCCTCTTCATTGCTCACTGTTCGG
GCTGCCATCCCCATTATCATGGGGGCCAACATTGGAACGTCAATCACCAA
CACTATTGTTGCGCTCATGCAGGTGGGAGATCGGAGTGAGTTCAGAAGAG
CTTTTGCAGGAGCCACTGTCCATGACTTCTTCAACTGGCTGTCCGTGTTG
GTGCTCTTGCCCGTGGAGGTGGCCACCCATTACCTCGAGATCATAACCCA
GCTTATAGTGGAGAGCTTCCACTTCAAGAATGGAGAAGATGCCCCAGATC
TTCTGAAAGTCATCACTAAGCCCTTCACAAAGCTCATTGTCCAGCTGGAT
AAAAAAGTTATCAGCCAAATTGCAATGAACGATGAAAAAGCGAAAAACAA
GAGTCTTGTCAAGATTTGGTGCAAAACTTTTACCAACAAGACCCAGATTA
ACGTCACTGTTCCCTCGACTGCTAACTGCACCTCCCCTTCCCTCTGTTGG
ACGGATGGCATCCAAAACTGGACCATGAAGAATGTGACCTACAAGGAGAA
CATCGCCAAATGCCAGCATATCTTTGTGAATTTCCACCTCCCGGATCTTG
CTGTGGGCACCATCTTGCTCATACTCTCCCTGCTGGTCCTCTGTGGTTGC
CTGATCATGATTGTCAAGATCCTGGGCTCTGTGCTCAAGGGGCAGGTCGC
CACTGTCATCAAGAAGACCATCAACACTGATTTCCCCTTTCCCTTTGCAT
GGTTGACTGGCTACCTGGCCATCCTCGTCGGGGCAGGCATGACCTTCATC
GTACAGAGCAGCTCTGTGTTCACGTCGGCCTTGACCCCCCTGATTGGAAT
CGGCGTGATAACCATTGAGAGGGCTTATCCACTCACGCTGGGCTCCAACA
TCGGCACCACCACCACCGCCATCCTGGCCGCCTTAGCCAGCCCTGGCAAT
GCATTGAGGAGTTCACTCCAGATCGCCCTGTGCCACTTTTTCTTCAACAT
CTCCGGCATCTTGCTGTGGTACCCGATCCCGTTCACTCGCCTGCCCATCC
GCATGGCCAAGGGGCTGGGCAACATCTCTGCCAAGTATCGCTGGTTCGCC
GTCTTCTACCTGATCATCTTCTTCTTCCTGATCCCGCTGACGGTGTTTGG
CCTCTCGCTGGCCGGCTGGCGGGTGCTGGTTGGTGTCGGGGTTCCCGTCG
TCTTCATCATCATCCTGGTACTGTGCCTCCGACTCCTGCAGTCTCGCTGC
CCACGCGTCCTGCCGAAGAAACTCCAGAACTGGAACTTCCTGCCGCTGTG
GATGCGCTCGCTGAAGCCCTGGGATGCCGTCGTCTCCAAGTTCACCGGCT
GCTTCCAGATGCGCTGCTGCTACTGCTGCCGCGTGTGCTGCCGCGCGTGC
TGCTTGCTGTGTGGCTGCCCCAAGTGCTGCCGCTGCAGCAAGTGCTGCGA
GGACTTGGAGGAGGCGCAGGAGGGGCAGGATGTCCCTGTCAAGGCTCCTG
AGACCTTTGATAACATAACCATTAGCAGAGAGGCTCAGGGTGAGGTCCCT
GCCTCGGACTCAAAGACCGAATGCACGGCCTTGTAGGGGACGCCCCAGAT
TGTCAGGGATGGGGGGATGGTCCTTGAGTTTTGCATGCTCTCCTCCCTCC
CACTTCTGCACCCTTTCACCACCTCGAGGAGATTTGCTCCCCATTAGCGA
ATGAAATTGATGCAGTCCTAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
【0022】ヒトIPT−1のアミノ酸配列(配列番号2)
【表2】 MAPWPELGDAQPNPDKYLEGAAGQQPTAPDKSKETNKTDNTEAPVTKIEL
LPSYSTATLIDEPTEVDDPWNLPTLQDSGIKWSERDTKGKILCFFQGIGR
LILLLGFLYFFVCSLDILSSAFQLVGGKMAGQFFSNSSIMSNPLLGLVIG
VLVTVLVQSSSTSTSIVVSMVSSSLLTVRAAIPIIMGANIGTSITNTIVA
LMQVGDRSEFRRAFAGATVHDFFNWLSVLVLLPVEVATHYLEIITQLIVE
SFHFKNGEDAPDLLKVITKPFTKLIVQLDKKVISQIAMNDEKAKNKSLVK
IWCKTFTNKTQINVTVPSTANCTSPSLCWTDGIQNWTMKNVTYKENIAKC
QHIFVNFHLPDLAVGTILLILSLLVLCGCLIMIVKILGSVLKGQVATVIK
KTINTDFPFPFAWLTGYLAILVGAGMTFIVQSSSVFTSALTPLIGIGVIT
IERAYPLTLGSNIGTTTTAILAALASPGNALRSSLQIALCHFFFNISGIL
LWYPIPFTRLPIRMAKGLGNISAKYRWFAVFYLIIFFFLIPLTVFGLSLA
GWRVLVGVGVPVVFIIILVLCLRLLQSRCPRVLPKKLQNWNFLPLWMRSL
KPWDAVVSKFTGCFQMRCCYCCRVCCRACCLLCGCPKCCRCSKCCEDLEE
AQEGQDVPVKAPETFDNITISREAQGEVPASDSKTECTAL
【0023】IPT−1をコードする本発明の一つのポリヌ
クレオチドは、標準的なクローニングおよびスクリーニ
ングにより、ヒト小腸および肺の細胞中のmRNAから
誘導されたcDNAライブラリーから、エクスプレスド
・シークエンスタグ(expressed sequence tag: EST)分
析 (Adams, M.D. ら, Science (1991) 252:1651-1656;
Adams, M.D. ら, Nature (1992) 355:632-634; Adams,
M.D.ら, Nature (1995) 377 Supp:3-174) を用いて得る
ことができる。また、本発明のポリヌクレオチドはゲノ
ムDNAライブラリーのような天然源から得ることがで
き、商業的に入手可能な公知の技法を用いて合成するこ
ともできる。
【0024】配列番号2のIPT−1ポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列は、表1中に含まれるポリペプチ
ドコード配列(配列番号1のヌクレオチド番号64−213
6)と同一であっても、遺伝子コードの重複性(縮重)
のため、やはり配列番号2のポリペプチドをコードする
配列であってもよい。
【0025】本発明のポリヌクレオチドをIPT−1ポリペ
プチドの組換え生産のために用いる場合、そのポリヌク
レオチドには、成熟ポリペプチドのコード配列またはそ
の断片単独、他のコード配列(例えば、リーダーもしく
は分泌配列、プレ−、プロ−もしくはプレプロ−タンパ
ク質配列、または他の融合ペプチド部分をコードするも
の)と同じリーディングフレーム内にある成熟ポリペプ
チドのコード配列またはその断片が含まれる。例えば、
融合ポリペプチドの精製を容易にするマーカー配列がコ
ードされ得る。本発明のこの態様の好ましい具体例とし
て、マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen, Inc.)に
より提供されかつGentz ら, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA (1989) 86:821-824に記載されるようなヘキサ−ヒス
チジンペプチド、またはHAタグである。また、このポ
リヌクレオチドは5'および3'非コード配列、例えば、転
写されるが翻訳されない配列、スプライシングおよびポ
リアデニル化シグナル、リボソーム結合部位、およびm
RNA安定化配列を含んでいてもよい。
【0026】さらに好適な具体例は、数個、5〜10
個、1〜5個、1〜3個、1〜2個、または1個のアミ
ノ酸残基が任意の組合せで置換、欠失または付加されて
いる、表2のIPT−1ポリペプチドのアミノ酸配列(配列
番号2)を含むIPT−1変異型をコードするポリヌクレオ
チドである。中でも、本発明の好ましいポリヌクレオチ
ドは表4のアミノ酸配列(配列番号4)をコードする表
3(配列番号3)中に含まれるポリヌクレオチドであ
る。
【0027】ヒトIPT−1の部分ヌクレオチド配列(配列
番号3)
【表3】 GAATTCGGCTTGCCACCAACGAGTTCATCCTGAGCCTGCTGGTCCTCTGT
GGTTGCCTGATCATGATTGTCAAGATCCTGGGCTCTGTGCTAAGGGGCAG
GTCGCCACTGTCATCAAGAAGACCATCAACACTGATTTCCCCTTTCCCTT
TGCATGGTTGACTGGCTACCTGGCCATCCTCGTCGGGGCAGGCATGACCT
TCATCGTACAGAGCAGCTCTGTGTTCACGTCGGCCTTGACCCCCCTGATT
GGAATCGGCGTGATAACCATTGAGAGGGCTTATCCACTCACGCTGGGCTC
CAACATCGGCACCACCACCACCGCCATCCTGGCCGCCTTAGCCAGCCCTG
GCAATGCATTGAGGAGTTCACTCCAGATCGCCCTGTGCCACTTTTTCTTC
AACATCTCCGGCATCTTGCTGTGGTACCCGATCCCGTTCACTCGCCTGCC
CATCCGCATGGCCAAGGGGCTGGGCAACATCTCTGCCAAGTATCGCTGGT
TCGCCGTCTTCTACCTGATCATCTTCTTCTTCCTGATCCCGCTGACGGTG
TTTGCCCTCTGCTGGTTGCCTCTCTACAAGCCGAATTCTGCAGATATCCA
TCACACTGGCGGCCGCTCGAG
【0028】ヒトIPT−1の部分アミノ酸配列(配列番号
4)
【表4】 KKTINTDFPFPFAWLTGYXAIXVGAGMTFIVQSSSVFTSALTPLIGIGVI
TIERAYPLTLGSNIGTTTTAILAALASPGNALRSSLQIALCHFFFNISGI
LLWYPIPFTRLPIRMAKGLGNISAKYRWFAVFYLIIFFFLIPLTVFALCW
LPLYK
【0029】本発明はさらに、前記の配列とハイブリダ
イズするポリヌクレオチドに関する。これに関して、本
発明は特にストリンジェントな条件下で前記のポリヌク
レオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドに関す
る。本明細書中で用いる「ストリンジェントな条件」と
は、配列間に少なくとも80%、好ましくは少なくとも
90%、より好ましくは少なくとも95%、より一層好
ましくは少なくとも97〜99%の同一性があるときだ
けハイブリダイゼーションが起こる条件を指す。
【0030】配列番号1中に含まれるヌクレオチド配列
またはその断片と同一であるか実質的に同一である本発
明のポリヌクレオチドは、IPT−1ポリペプチドをコード
する全長cDNAおよびゲノムクローンを単離するため
に、また、IPT−1遺伝子との配列類似性が高い他の遺伝
子(ヒト以外の種に由来する相同体およびオーソログ体
(ortholog)をコードする遺伝子を含む)のcDNAおよ
びゲノムクローンを単離するために、cDNAおよびゲ
ノムDNAのハイブリダイゼーションプローブとして用
いることができる。このようなハイブリダイゼーション
技法は当業者には公知である。一般的に、これらのヌク
レオチド配列は対象物のヌクレオチド配列と80%、好
ましくは90%、より好ましくは95%同一である。プ
ローブはたいてい15個以上のヌクレオチドを含み、好
ましくは30個以上を含み、50個以上のヌクレオチド
を有していてもよい。特に好ましいプローブは30〜5
0個の範囲のヌクレオチドを有するものである。
【0031】一実施態様において、IPT−1ポリペプチド
(ヒト以外の種に由来する相同体およびオーソログ体を
含む)をコードするポリヌクレオチドを得ることは、配
列番号1のヌクレオチド配列またはその断片を有する標
識プローブを用いて、ストリンジェントなハイブリダイ
ゼーション条件下で適当なライブラリーをスクリーニン
グし、前記のポリヌクレオチド配列を含む全長cDNA
およびゲノムクローンを単離する各工程を含んでなる。
このようなハイブリダイゼーション技法は当業者に公知
である。かくして、もう一つの態様では、本発明のIPT
−1ポリヌクレオチドはさらに、配列番号1のヌクレオ
チド配列またはその断片(配列番号3の断片を含む)と
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレ
オチド配列を含んでなるヌクレオチド配列を含むもので
ある。IPT−1ポリペプチドも、前記のハイブリダイゼー
ション条件により得られたヌクレオチド配列によりコー
ドされるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを含
む。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は
上で定義したとおりであるか、または、50% ホルムアミ
ド、5×SSC (150mM NaCl, 15mM クエン酸三ナトリウ
ム) 、50mMリン酸ナトリウム (pH7.6)、5×Denhardt溶
液、10% デキストラン硫酸および20μg/mlの変性し剪断
したサケ精子DNAを含有する溶液中で42℃で一夜イ
ンキュベートし、次いでフィルターを 0.1×SSC 中約6
5℃で洗浄する条件である。
【0032】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、動物およびヒトの疾病に対する治療薬および診
断薬を探索するための研究用の試薬および材料として利
用することができる。
【0033】ベクター、宿主細胞、発現 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含有するベ
クター、このベクターにより遺伝子操作された宿主細
胞、および組換え法による本発明のポリペプチドの生産
に関する。本発明のDNA構築物から誘導されたRNA
を用いてこの種のタンパク質を生産するための無細胞翻
訳系も使用することができる。
【0034】組換え体生産に関しては、本発明のポリヌ
クレオチドの発現系またはその一部を組み入れるため
に、宿主細胞が遺伝子操作される。宿主細胞へのポリヌ
クレオチドの導入は、Davis ら, BASIC METHODS IN MOL
ECULAR BIOLOGY (1986) およびSambrook ら, MOLECULAR
CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2nd Ed., Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.
Y. (1989) などの多くの標準的な実験室マニュアルに記
載される方法、例えば、リン酸カルシウムトランスフェ
クション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェク
ション、トランスベクション(transvection)、マイクロ
インジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェク
ション、エレクトロポレーション、形質導入、スクレー
プローディング(scrape loading)、射出導入(ballistic
introduction)または感染により行うことができる。
【0035】適当な宿主の代表的な例として、細菌細胞
(例:ストレプトコッカス、スタフィロコッカス、大腸
菌、ストレプトミセス、枯草菌)、真菌細胞(例:酵
母、アスペルギルス)、昆虫細胞(例:ドロソフィラS
2、スポドプテラSf9)、動物細胞(例:CHO、C
OS、HeLa、C 127、3T3、BHK、HEK 29
3、Bowes メラノーマ細胞)および植物細胞が挙げられ
る。
【0036】多種多様な発現系を使用することができ
る。こうした発現系として、特に、染色体、エピソーム
およびウイルス由来の系、例えば、細菌プラスミド由
来、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来、酵
母エピソーム由来、挿入エレメント由来、酵母染色体エ
レメント由来、ウイルス(例:バキュロウイルス、SV
40のようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、ア
デノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レ
トロウイルス)由来のベクター、およびこれらの組合せ
に由来するベクター、例えば、コスミドやファージミド
のようなプラスミドとバクテリオファージの遺伝的要素
に由来するものがある。この発現系は発現を起こさせる
だけでなく発現を調節する制御配列を含んでいてもよ
い。一般的に、宿主内でのポリペプチドの産生のために
ポリヌクレオチドを維持し、増やし、発現するのに適し
た系またはベクターはどれも使用することができる。Sa
mbrookら, MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL
(前掲) に記載されるような、日常的に用いられる公知
の技法のいずれかにより、適当なヌクレオチド配列を発
現系に挿入することができる。
【0037】翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔に、
細胞周辺腔に、または細胞外の環境に分泌させるため
に、適当な分泌シグナルを目的のポリペプチドに組み込
むことができる。これらのシグナルは目的のポリペプチ
ドに対して内因性であっても、異種シグナルであっても
よい。
【0038】スクリーニングアッセイで使用するためIP
T−1ポリペプチドを発現させようとする場合、そのポリ
ペプチドを細胞の表面に産生させることが好適である。
この場合は、スクリーニングアッセイでの使用に先立っ
て細胞を回収する。IPT−1ポリペプチドが培地に分泌さ
れる場合は、そのポリペプチドを回収し精製するために
培地を回収する。細胞内に産生される場合は、その細胞
をまず溶解し、その後にポリペプチドを回収する必要が
ある。
【0039】組換え細胞培養物からIPT−1ポリペプチド
を回収し精製するには、硫酸アンモニウムまたはエタノ
ール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマ
トグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、
疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティーク
ロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグ
ラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含めた公
知の方法を用いることができる。最も好ましくは、高速
液体クロマトグラフィーが精製に用いられる。ポリペプ
チドが単離および/または精製中に変性されるときは、
タンパク質を再生させるための公知の技法を用いて、活
性のあるコンフォメーションを復元することが可能であ
る。
【0040】診断アッセイ 本発明はまた、診断薬としてのIPT−1ポリヌクレオチド
の使用に関する。機能障害と関連したIPT−1遺伝子の変
異型の検出は、IPT−1の過少発現、過剰発現または変化
した発現により生ずる疾病またはその罹病性の診断に追
加しうる、またはその診断を下しうる診断用ツールを提
供するだろう。IPT−1遺伝子に変異がある個体を、さま
ざまな技法によりDNAレベルで見つけ出すことができ
る。
【0041】診断用の核酸は、被験者の細胞、例えば血
液、尿、唾液、組織の生検または剖検材料から得ること
ができる。検出のためにゲノムDNAを直接使用して
も、分析前にPCRまたは他の増幅法を使って酵素的に
増幅してもよい。同様の方法でRNAまたはcDNAを
使用することもできる。欠失および挿入変異は、正常な
遺伝子型と比較したときの増幅産物のサイズの変化によ
り検出できる。点突然変異は増幅DNAを標識IPT−1ヌ
クレオチド配列とハイブリダイズさせることで同定でき
る。完全にマッチした配列とミスマッチの二重鎖とはR
Nアーゼ消化により、または融解温度の差異により区別
できる。また、DNA配列の差異は、変性剤を用いるま
たは用いないゲルでのDNA断片の電気泳動の移動度の
変化により、または直接DNA配列決定によっても検出
できる(例えば、Myers ら, Science (1985) 230:1242
を参照のこと)。特定位置での配列変化はヌクレアーゼ
プロテクションアッセイ(例えば、RNアーゼおよびS
1プロテクション)または化学的開裂法によっても確認
できる(Cottonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (198
5) 85:4397-4401を参照のこと)。別の実施態様では、
例えば、遺伝子変異の効率のよいスクリーニングを行う
ため、IPT−1ヌクレオチド配列またはその断片を含むオ
リゴヌクレオチドプローブのアレイを構築することがで
きる。アレイ技法は公知で、一般的な適用可能性を有
し、遺伝子発現、遺伝的連鎖および遺伝的変異性を含め
た分子遺伝学のさまざまな問題を解きあかすために用い
られている(例えば、M. Chee ら, Science, Vol.274,
pp.610-613 (1996) を参照のこと)。
【0042】診断アッセイは、前記の方法によりIPT−1
遺伝子の変異を検出することで、慢性腎不全、最終病期
にある腎疾患、尿毒症性骨疾患、および癌への罹りやす
さを診断または判定する方法を提供する。
【0043】さらに、被験者から得られたサンプルから
IPT−1ポリペプチドまたはIPT−1mRNAのレベルの異
常な低下または増加を測定する方法により、慢性腎不
全、最終病期にある腎疾患、尿毒症性骨疾患、および癌
の診断を下すことができる。発現の低下または増加は、
当技術分野で公知のポリヌクレオチド定量法のいずれ
か、例えばPCR、RT−PCR、RNアーゼプロテク
ション、ノーザンブロット、その他のハイブリダイゼー
ション法によりRNAレベルで測定することができる。
宿主から得られたサンプル中のIPT−1ポリペプチドのよ
うなタンパク質のレベルを測定するためのアッセイ法は
当業者によく知られている。こうしたアッセイ法とし
て、ラジオイムノアッセイ、競合結合アッセイ、ウエス
タンブロット分析、ELISAアッセイなどがある。
【0044】かくして、もう一つの態様において、本発
明は、疾病、特に慢性腎不全、最終病期にある腎疾患、
尿毒症性骨疾患、および癌または該疾病への罹りやすさ
を診断するためのキットに関し、このキットは、(a) IP
T−1ポリヌクレオチド(好ましくは、配列番号1のヌク
レオチド配列)もしくはその断片、(b) (a) のヌクレオ
チド配列に相補的なヌクレオチド配列、(c) IPT−1ポリ
ペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)も
しくはその断片、または(d) IPT−1ポリペプチド(好ま
しくは、配列番号2のポリペプチド)に対する抗体、を
含んでなる。このようなキットにおいて、(a) 、(b) 、
(c) または (d)が実質的な構成成分であることが理解さ
れよう。
【0045】染色体アッセイ 本発明のヌクレオチド配列はまた、染色体の同定にも有
用である。この配列は個々のヒト染色体上の特定の位置
を標的指向し、その特定位置とハイブリダイズすること
ができる。本発明に従って関連配列の染色体地図を作成
することは、これらの配列と遺伝子関連疾患とを相関さ
せる上で重要な第一段階である。ひとたび配列が正確な
染色体位置にマッピングされたら、その染色体上のその
配列の物理的位置を遺伝地図データと相関させることが
できる。この種のデータは、例えば、V. McKusick, Men
delian Inheritance in Man (Johns Hopkins Universit
yWelch Medical Library からオンラインで入手可能)
中に見いだせる。その後、同一の染色体領域にマッピン
グされた遺伝子と疾患との関係を連鎖分析(物理的に隣
接した遺伝子の共遺伝)により同定する。患者と正常個
体とのcDNAまたはゲノム配列の差異も調べることが
できる。患者の一部または全部に変異が観察されて、ど
の正常個体にも観察されない場合は、その変異が疾病の
原因である可能性がある。
【0046】抗体 本発明のポリペプチドまたはその断片もしくは類似体、
またはそれらを発現する細胞は、IPT−1ポリペプチドに
免疫特異的な抗体を産生するための免疫原としても使用
することができる。「免疫特異的」とは、その抗体が従
来技術における他の関連ポリペプチドに対するその親和
性よりも本発明のポリペプチドに対して実質的に高い親
和性を有することを意味する。
【0047】IPT−1ポリペプチドに対する抗体は、慣用
のプロトコールを用いて、動物(好ましくはヒト以外)
に該ポリペプチドまたはエピトープを含む断片、類似体
もしくは細胞を投与することにより得られる。モノクロ
ーナル抗体の調製には、連続細胞系の培養物により産生
される抗体をもたらす任意の技法を用いることができ
る。例を挙げると、ハイブリドーマ技法 (Kohler, G.お
よびMilstein, C., Nature (1975) 256:495-497)、トリ
オーマ技法、ヒトB細胞ハイブリドーマ技法 (Kozbor
ら, Immunology Today (1983) 4:72) およびEBV−ハ
イブリドーマ技法 (Coleら, MONOCLONAL ANTIBODIES AN
D CANCER THERAPY, pp.77-96, Alan R. Liss, Inc., 19
85) などがある。
【0048】本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体
をつくるために、一本鎖抗体の調製法(米国特許第4,94
6,778 号)を適応させることができる。また、ヒト化抗
体を発現させるために、トランスジェニックマウスまた
は他の哺乳動物を含む他の生物を利用することができ
る。前記の抗体を用いて、そのポリペプチドを発現する
クローンを単離・同定したり、アフィニティークロマト
グラフィーでそのポリペプチドを精製することもでき
る。IPT−1ポリペプチドに対する抗体は、とりわけ、慢
性腎不全、最終病期にある腎疾患、尿毒症性骨疾患、お
よび癌の治療に使用できる可能性がある。
【0049】ワクチン 本発明の別の態様は、哺乳動物において免疫学的応答を
引き出す方法に関し、この方法は、特に慢性腎不全、最
終病期にある腎疾患、尿毒症性骨疾患、および癌から前
記動物を防御するための抗体および/またはT細胞免疫
応答を生ずるのに十分なIPT−1ポリペプチドまたはその
断片を哺乳動物に接種することを含んでなる。本発明の
さらに別の態様は、哺乳動物を疾病から防御する抗体を
産生させるような免疫学的応答を引き出すために、in v
ivo でIPT−1ポリヌクレオチドの発現を指令するベクタ
ーを介してIPT−1ポリペプチドを供給することを含んで
なる、哺乳動物において免疫学的応答を引き出す方法に
関する。
【0050】本発明の更なる態様は、哺乳動物宿主に導
入したとき、その哺乳動物においてIPT−1ポリペプチド
に対する免疫学的応答を引き出す免疫学的/ワクチン製
剤(組成物)に関し、この組成物はIPT−1ポリペプチド
またはIPT−1遺伝子を含有する。ワクチン製剤は適当な
担体をさらに含んでいてもよい。IPT−1ポリペプチドは
胃の中で分解されうるので、非経口的(皮下、筋肉内、
静脈内、皮内等への注射を含む)に投与することが好ま
しい。非経口投与に適した製剤としては、酸化防止剤、
緩衝液、静菌剤およびこの製剤を受容者の血液と等張に
する溶質を含みうる水性および非水性の無菌注射液、並
びに懸濁化剤または増粘剤を含みうる水性および非水性
の無菌懸濁液がある。こうした製剤は1回量容器または
数回量容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)で
提供することができ、また、使用直前に無菌の液状担体
を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保管することもで
きる。ワクチン製剤はこの製剤の免疫原性を増強するた
めのアジュバント系、例えば水中油型のアジュバント系
や当技術分野で公知の他のアジュバント系を含んでいて
もよい。投与量はワクチンの比活性で変化し、ルーチン
な実験操作により簡単に決定できる。
【0051】スクリーニングアッセイ 本発明のIPT−1ポリペプチドは、このポリペプチドを活
性化する化合物(アゴニスト)またはその活性を阻害す
る化合物(アンタゴニスト、または阻害剤ともいう)の
スクリーニング法において使用することができる。こう
して、本発明のポリペプチドは、例えば、細胞、無細胞
調製物、化学物質ライブラリーおよび天然産物の混合物
からアゴニストまたはアンタゴニストを評価し同定する
ためにも用いられる。これらのアゴニストまたはアンタ
ゴニストは、本発明のポリペプチドの、場合によって、
天然のまたは修飾された基質、リガンド、受容体、酵素
などであってよく、また、本発明のポリペプチドの構造
的または機能的な模擬物であってもよい(Coligan ら,
Current Protocols in Immunology 1(2): Chapter5 (19
91)を参照のこと)。
【0052】IPT−1ポリペプチドは多くの病理を含めて
多数の生物学的機能に関与している。したがって、一方
ではIPT−1ポリペプチドを刺激し、他方ではIPT−1ポリ
ペプチドの機能を阻害し得る化合物および薬物を見つけ
出すことが望まれる。一般的に、アゴニストは慢性腎不
全、最終病期にある腎疾患、尿毒症性骨疾患、および癌
のような症状の治療および予防目的で用いられる。アン
タゴニストは慢性腎不全、最終病期にある腎疾患、尿毒
症性骨疾患、および癌のような症状のさまざまな治療お
よび予防目的で使用しうる。
【0053】一般に、こうしたスクリーニング法はIPT
−1ポリペプチドを発現する適当な細胞、またはIPT−1
ポリペプチドに応答する適当な細胞を用いるものであ
る。この種の細胞には哺乳動物、酵母、ショウジョウバ
エ由来の細胞または大腸菌細胞が含まれる。次いで、IP
T−1ポリペプチドを発現する細胞(もしくは発現された
ポリペプチドを含む細胞膜)またはIPT−1ポリペプチド
に応答する細胞を試験化合物と接触させて、その結合ま
たは機能的応答の刺激もしくは阻害を観察する。候補化
合物と接触させた細胞の能力を、接触させなかった同一
細胞とIPT−1活性に関して比較する。
【0054】組換えタンパク質を(一過性に、または安
定して)発現している細胞系は、スクリーニングアッセ
イを確立しまた該タンパク質を特性付けるために有用で
ある。これらの細胞を用いたリン酸取り込みアッセイは
リン酸輸送阻害剤の同定に有用であろう。これらのアッ
セイは全細胞ベースでも膜ベースでもよい。
【0055】これらのアッセイでは候補化合物の結合を
簡単に試験することができ、そこでは候補化合物と直接
または間接に結合された標識により、または標識した競
合物質との競合を用いるアッセイにより、IPT−1ポリペ
プチドを担持する細胞への付着が検出される。さらに、
これらのアッセイでは、IPT−1ポリペプチドを担持する
細胞に適した検出系を用いて、候補化合物がIPT−1ポリ
ペプチドの活性化により生ずるシグナルを結果的にもた
らすか否かを試験することができる。一般的に、活性化
の阻害剤は既知のアゴニストの存在下でアッセイされ、
そして候補化合物の存在がアゴニストによる活性化に与
える影響が調べられる。
【0056】さらに、これらのアッセイは、候補化合物
とIPT−1ポリペプチドを含む溶液とを混ぜ合わせて混合
物をつくり、この混合物中のIPT−1活性を測定し、そし
てこの混合物のIPT−1活性を標準と比較する各ステップ
を単に含むだけでよい。
【0057】また、IPT−1のcDNA、タンパク質また
はこのタンパク質に対する抗体を用いて、細胞内でのIP
T−1mRNAまたはタンパク質の生産に及ぼす添加化合
物の作用を検出するためのアッセイを組み立てることが
できる。例えば、当技術分野で公知の標準方法によりモ
ノクローナルまたはポリクローナル抗体を用いて、IPT
−1タンパク質の分泌レベルまたは細胞結合レベルを測
定するためのELISAを構築することができ、これは
適切に操作された細胞または組織からのIPT−1の生産を
抑制または増強する物質(それぞれアンタゴニストまた
はアゴニストともいう)の探索に用いることができる。
【0058】膜結合受容体または可溶性受容体が存在す
るのであれば、当技術分野で公知の標準的な受容体結合
法によりこの種の受容体を同定するためにIPT−1タンパ
ク質を用いることができる。こうした受容体結合法に
は、限定するものではないが、リガンド結合および架橋
アッセイがあり、このアッセイでは、IPT−1を放射性ア
イソトープ(例:125I)で標識するか、化学的に修飾
(例:ビオチン化)するか、または検出や精製に適した
ペプチド配列に融合させ、そして推定上の受容体源(細
胞、細胞膜、細胞上清、組織抽出物、体液など)とイン
キュベートする。その他の方法としては、表面プラズモ
ン共鳴および分光学のような生物物理的方法がある。受
容体の精製およびクローニングに用いることに加えて、
これらの結合アッセイは、もし存在するのであれば、IP
T−1のその受容体への結合と競合するIPT−1のアゴニス
トまたはアンタゴニストを同定するために用いることも
できる。スクリーニングアッセイを行うための標準的な
方法は当技術分野でよく理解されている。
【0059】IPT−1ポリペプチドの潜在的なアンタゴニ
ストの例としては、抗体、ある場合には、IPT−1ポリペ
プチドの、場合により、リガンド、基質、受容体、酵素
などと密接な関係があるオリゴヌクレオチドもしくはタ
ンパク質(例えば、リガンド、基質、受容体、酵素など
の断片)、または本発明のポリペプチドと結合するが応
答を誘導しない(それゆえポリペプチドの活性を妨げ
る)小分子などがある。
【0060】かくして、他の態様において、本発明は、
IPT−1ポリペプチドのアゴニスト、アンタゴニスト、リ
ガンド、受容体、基質、酵素など、またはIPT−1ポリペ
プチドの生産を低下または増加させる化合物を同定する
ためのスクリーニングキットに関し、このキットは、
(a) IPT−1ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポ
リペプチド)(b) IPT−1ポリペプチド(好ましくは、配
列番号2のポリペプチド)を発現する組換え細胞、(c)
IPT−1ポリペプチド(好ましくは、配列番号2のポリペ
プチド)を発現する細胞膜、または(d) IPT−1ポリペプ
チド(好ましくは、配列番号2のポリペプチド)に対す
る抗体、を含んでなる。このようなキットにおいて、
(a) 、(b) 、(c) または (d)が実質的な構成成分である
ことが理解されよう。
【0061】予防および治療法 本発明は、IPT−1ポリペプチド活性の過剰量と不足量の
どちらにも関係した慢性腎不全、最終病期にある腎疾
患、尿毒症性骨疾患、および癌などの異常な状態の治療
法を提供する。IPT−1ポリペプチドの活性が過剰である
場合は、いくつかのアプローチが利用可能である。一つ
のアプローチは、例えば、リガンド、基質、受容体、酵
素などの結合をブロックすることにより、または第2の
シグナルを抑制することで異常な状態を軽減することに
より、IPT−1ポリペプチドの機能を阻害するのに有効な
量で、前記の阻害剤化合物(アンタゴニスト)を製剤学
上許容される担体とともに患者に投与することを含んで
なる。もう一つのアプローチでは、内因性のIPT−1ポリ
ペプチドとの競合状態でリガンド、基質、酵素、受容体
などと結合する能力がまだある可溶性形態のIPT−1ポリ
ペプチドを投与することができる。このような競合剤の
典型的な例はIPT−1ポリペプチドの断片である。
【0062】別のアプローチでは、内因性のIPT−1ポリ
ペプチドとの競合状態でリガンドと結合する能力がまだ
ある可溶性形態のIPT−1ポリペプチドを投与することが
できる。このような競合剤の典型的な例はIPT−1ポリペ
プチドの断片である。
【0063】さらに別のアプローチでは、発現阻止法を
使って内因性IPT−1ポリペプチドをコードする遺伝子の
発現を抑制することができる。こうした公知技術は、体
内で生成されるか別個に投与されるアンチセンス配列の
使用を必要とする。例えば、Oligodeoxynucleotides as
Antisense Inhibitors of Gene Expression, CRC Pres
s, Boca Raton, FL (1988)中のO'Connor, J Neurochem
(1991) 56:560 を参照のこと。あるいはまた、この遺伝
子と共に三重らせんを形成するオリゴヌクレオチドを供
給することもできる。例えば、Lee ら, Nucleic Acids
Res (1979) 6:3073; Coo neyら, Science (1988) 241:4
56; Dervanら, Science (1991) 251:1360 を参照のこ
と。これらのオリゴマーはそれ自体を投与することもで
きるし、関連オリゴマーをin vivo で発現させることも
できる。
【0064】IPT−1およびその活性の過少発現に関係し
た異常な状態を治療する場合も、いくつかのアプローチ
を取ることができる。一つのアプローチは、治療上有効
な量のIPT−1ポリペプチドを活性化する化合物(すなわ
ち、前記のアゴニスト)を製剤学上許容される担体とと
もに患者に投与して、異常な状態を緩和することを含ん
でなる。別法として、患者の関連細胞においてIPT−1を
内因的に産生させるために遺伝子治療を用いることがで
きる。例えば、上で述べたような複製欠損レトロウイル
スベクターによる発現のために本発明のポリヌクレオチ
ドを遺伝子操作する。次にレトロウイルス発現構築物を
単離し、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含
有するレトロウイルスプラスミドベクターで形質導入さ
れたパッケージング細胞に導入する。その結果、パッケ
ージング細胞は対象の遺伝子を含有する感染性のウイル
ス粒子を産生するようになる。in vivo での細胞処理お
よびin vivo でのポリペプチド発現のために、これらの
産生細胞を患者に投与する。遺伝子治療の概論に関して
は、Human Molecular Genetics, T Strachanand A P Re
ad, BIOS Scientific Publishers Ltd (1996)中のChapt
er 20, GeneTherapy and other Molecular Genetic-bas
ed Therapeutic Approaches(およびその中の引用文献)
を参照のこと。もう一つのアプローチは治療量のIPT−1
ポリペプチドを適当な製剤学上の担体とともに投与する
ことである。
【0065】製剤および投与 可溶性形態のIPT−1ポリペプチドのようなペプチド、ア
ゴニストおよびアンタゴニストペプチド、または小分子
は適当な製剤学上の担体と組み合わせて製剤化すること
ができる。このような製剤は治療上有効な量のポリペプ
チドまたは化合物と、製剤学上許容される担体または賦
形剤を含有する。この種の担体としては、食塩水、生理
食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノー
ル、およびこれらの組合せがあるが、これらに限らな
い。製剤は投与様式に適合させるべきであり、これは当
技術分野の技量の範囲内である。本発明はさらに、前記
の本発明組成物の1以上の成分を充填した1以上の容器
を含んでなる医薬用パックおよびキットに関する。本発
明のポリペプチドおよび他の化合物は単独で使用して
も、他の化合物、例えば治療用化合物と一緒に使用して
もよい。
【0066】医薬組成物を全身投与するときの好ましい
形態は、注入(注射)、典型的には静注である。皮下、
筋肉内または腹腔内のような他の注入経路も使用でき
る。全身投与の別の手段は、胆汁酸塩、フシジン酸、そ
の他の界面活性剤などの浸透剤を用いた経粘膜および経
皮投与である。さらに、腸溶剤またはカプセル剤として
適切に製剤化されているのであれば、経口投与も可能で
ある。これらの化合物は軟膏、ペースト、ゲルなどの剤
形で局所に投与しても、かつ/または局在化させてもよ
い。
【0067】必要な投与量範囲はペプチドの選択、投与
経路、製剤の性質、患者の状態、そして医師の判断に左
右される。しかし、適当な投与量は患者の体重1kgあた
り0.1 〜100 μg の範囲である。利用可能な化合物が多
種多様であり、それぞれの投与経路の効率も異なるた
め、必要とされる投与量は広範に変動することを予想す
べきである。例えば、経口投与は静注による投与よりも
高い投与量を必要とすることが予想される。こうした投
与量レベルの変動は、当技術分野でよく理解されている
ような、標準的経験的な最適化手順を用いて調整するこ
とができる。
【0068】治療に用いるポリペプチドは、上述したよ
うな「遺伝子治療」と称する治療法において、患者の体
内で産生させることもできる。例えば、患者由来の細胞
を、ex vivo でポリペプチドをコードするDNAまたは
RNAのようなポリヌクレオチドにより、例えばレトロ
ウイルスプラスミドベクターを用いて、遺伝子工学的に
操作する。その後、この細胞を患者に導入する。
【0069】このcDNA配列は異種系(原核細胞系か
真核細胞系)で発現させることができ、高レベルのタン
パク質の発現と産生が可能である。これらの系で産生さ
れ精製された組換えタンパク質は、スクリーニングアッ
セイにおいて触媒活性の阻害剤ならびに構造研究および
抗体産生のための材料源を同定するのに有用である。組
換えタンパク質を(一過性に、または安定して)発現して
いる細胞系はスクリーニングアッセイを確立しまた該タ
ンパク質を特性付けるために有用である。
【0070】本明細書中に引用された、特許および特許
出願明細書を含めた全ての刊行物は、あたかも各刊行物
が明確にかつ個々に示されているかのように、その全体
を参考としてここに組み入れるものとする。
【0071】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:2288 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 CGGGCCAGGT TTCCAGGCTC GGCCGCCGCC TCCATCCCAG CACCTGCGGA GGGAGCGCTG 60 ACCATGGCTC CCTGGCCTGA ATTGGGAGAT GCCCAGCCCA ACCCCGATAA GTACCTCGAA 120 GGGGCCGCAG GTCAGCAGCC CACTGCCCCT GATAAAAGCA AAGAGACCAA CAAAACAGAT 180 AACACTGAGG CACCTGTAAC CAAGATTGAA CTTCTGCCGT CCTACTCCAC GGCTACACTG 240 ATAGATGAGC CCACTGAGGT GGATGACCCC TGGAACCTAC CCACTCTTCA GGACTCGGGG 300 ATCAAGTGGT CAGAGAGAGA CACCAAAGGG AAGATTCTCT GTTTCTTCCA AGGGATTGGG 360 AGATTGATTT TACTTCTCGG ATTTCTCTAC TTTTTCGTGT GCTCCCTGGA TATTCTTAGT 420 AGCGCCTTCC AGCTGGTTGG AGGAAAAATG GCAGGACAGT TCTTCAGCAA CAGCTCTATT 480 ATGTCCAACC CTTTGTTGGG GCTGGTGATC GGGGTGCTGG TGACCGTCTT GGTGCAGAGC 540 TCCAGCACCT CAACGTCCAT CGTTGTCAGC ATGGTGTCCT CTTCATTGCT CACTGTTCGG 600 GCTGCCATCC CCATTATCAT GGGGGCCAAC ATTGGAACGT CAATCACCAA CACTATTGTT 660 GCGCTCATGC AGGTGGGAGA TCGGAGTGAG TTCAGAAGAG CTTTTGCAGG AGCCACTGTC 720 CATGACTTCT TCAACTGGCT GTCCGTGTTG GTGCTCTTGC CCGTGGAGGT GGCCACCCAT 780 TACCTCGAGA TCATAACCCA GCTTATAGTG GAGAGCTTCC ACTTCAAGAA TGGAGAAGAT 840 GCCCCAGATC TTCTGAAAGT CATCACTAAG CCCTTCACAA AGCTCATTGT CCAGCTGGAT 900 AAAAAAGTTA TCAGCCAAAT TGCAATGAAC GATGAAAAAG CGAAAAACAA GAGTCTTGTC 960 AAGATTTGGT GCAAAACTTT TACCAACAAG ACCCAGATTA ACGTCACTGT TCCCTCGACT 1020 GCTAACTGCA CCTCCCCTTC CCTCTGTTGG ACGGATGGCA TCCAAAACTG GACCATGAAG 1080 AATGTGACCT ACAAGGAGAA CATCGCCAAA TGCCAGCATA TCTTTGTGAA TTTCCACCTC 1140 CCGGATCTTG CTGTGGGCAC CATCTTGCTC ATACTCTCCC TGCTGGTCCT CTGTGGTTGC 1200 CTGATCATGA TTGTCAAGAT CCTGGGCTCT GTGCTCAAGG GGCAGGTCGC CACTGTCATC 1260 AAGAAGACCA TCAACACTGA TTTCCCCTTT CCCTTTGCAT GGTTGACTGG CTACCTGGCC 1320 ATCCTCGTCG GGGCAGGCAT GACCTTCATC GTACAGAGCA GCTCTGTGTT CACGTCGGCC 1380 TTGACCCCCC TGATTGGAAT CGGCGTGATA ACCATTGAGA GGGCTTATCC ACTCACGCTG 1440 GGCTCCAACA TCGGCACCAC CACCACCGCC ATCCTGGCCG CCTTAGCCAG CCCTGGCAAT 1500 GCATTGAGGA GTTCACTCCA GATCGCCCTG TGCCACTTTT TCTTCAACAT CTCCGGCATC 1560 TTGCTGTGGT ACCCGATCCC GTTCACTCGC CTGCCCATCC GCATGGCCAA GGGGCTGGGC 1620 AACATCTCTG CCAAGTATCG CTGGTTCGCC GTCTTCTACC TGATCATCTT CTTCTTCCTG 1680 ATCCCGCTGA CGGTGTTTGG CCTCTCGCTG GCCGGCTGGC GGGTGCTGGT TGGTGTCGGG 1740 GTTCCCGTCG TCTTCATCAT CATCCTGGTA CTGTGCCTCC GACTCCTGCA GTCTCGCTGC 1800 CCACGCGTCC TGCCGAAGAA ACTCCAGAAC TGGAACTTCC TGCCGCTGTG GATGCGCTCG 1860 CTGAAGCCCT GGGATGCCGT CGTCTCCAAG TTCACCGGCT GCTTCCAGAT GCGCTGCTGC 1920 TACTGCTGCC GCGTGTGCTG CCGCGCGTGC TGCTTGCTGT GTGGCTGCCC CAAGTGCTGC 1980 CGCTGCAGCA AGTGCTGCGA GGACTTGGAG GAGGCGCAGG AGGGGCAGGA TGTCCCTGTC 2040 AAGGCTCCTG AGACCTTTGA TAACATAACC ATTAGCAGAG AGGCTCAGGG TGAGGTCCCT 2100 GCCTCGGACT CAAAGACCGA ATGCACGGCC TTGTAGGGGA CGCCCCAGAT TGTCAGGGAT 2160 GGGGGGATGG TCCTTGAGTT TTGCATGCTC TCCTCCCTCC CACTTCTGCA CCCTTTCACC 2220 ACCTCGAGGA GATTTGCTCC CCATTAGCGA ATGAAATTGA TGCAGTCCTA AAAAAAAAAA 2280 AAAAAAAA 2288
【0072】 配列番号:2 配列の長さ:690 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Ala Pro Trp Pro Glu Leu Gly Asp Ala Gln Pro Asn Pro Asp Lys 1 5 10 15 Tyr Leu Glu Gly Ala Ala Gly Gln Gln Pro Thr Ala Pro Asp Lys Ser 20 25 30 Lys Glu Thr Asn Lys Thr Asp Asn Thr Glu Ala Pro Val Thr Lys Ile 35 40 45 Glu Leu Leu Pro Ser Tyr Ser Thr Ala Thr Leu Ile Asp Glu Pro Thr 50 55 60 Glu Val Asp Asp Pro Trp Asn Leu Pro Thr Leu Gln Asp Ser Gly Ile 65 70 75 80 Lys Trp Ser Glu Arg Asp Thr Lys Gly Lys Ile Leu Cys Phe Phe Gln 85 90 95 Gly Ile Gly Arg Leu Ile Leu Leu Leu Gly Phe Leu Tyr Phe Phe Val 100 105 110 Cys Ser Leu Asp Ile Leu Ser Ser Ala Phe Gln Leu Val Gly Gly Lys 115 120 125 Met Ala Gly Gln Phe Phe Ser Asn Ser Ser Ile Met Ser Asn Pro Leu 130 135 140 Leu Gly Leu Val Ile Gly Val Leu Val Thr Val Leu Val Gln Ser Ser 145 150 155 160 Ser Thr Ser Thr Ser Ile Val Val Ser Met Val Ser Ser Ser Leu Leu 165 170 175 Thr Val Arg Ala Ala Ile Pro Ile Ile Met Gly Ala Asn Ile Gly Thr 180 185 190 Ser Ile Thr Asn Thr Ile Val Ala Leu Met Gln Val Gly Asp Arg Ser 195 200 205 Glu Phe Arg Arg Ala Phe Ala Gly Ala Thr Val His Asp Phe Phe Asn 210 215 220 Trp Leu Ser Val Leu Val Leu Leu Pro Val Glu Val Ala Thr His Tyr 225 230 235 240 Leu Glu Ile Ile Thr Gln Leu Ile Val Glu Ser Phe His Phe Lys Asn 245 250 255 Gly Glu Asp Ala Pro Asp Leu Leu Lys Val Ile Thr Lys Pro Phe Thr 260 265 270 Lys Leu Ile Val Gln Leu Asp Lys Lys Val Ile Ser Gln Ile Ala Met 275 280 285 Asn Asp Glu Lys Ala Lys Asn Lys Ser Leu Val Lys Ile Trp Cys Lys 290 295 300 Thr Phe Thr Asn Lys Thr Gln Ile Asn Val Thr Val Pro Ser Thr Ala 305 310 315 320 Asn Cys Thr Ser Pro Ser Leu Cys Trp Thr Asp Gly Ile Gln Asn Trp 325 330 335 Thr Met Lys Asn Val Thr Tyr Lys Glu Asn Ile Ala Lys Cys Gln His 340 345 350 Ile Phe Val Asn Phe His Leu Pro Asp Leu Ala Val Gly Thr Ile Leu 355 360 365 Leu Ile Leu Ser Leu Leu Val Leu Cys Gly Cys Leu Ile Met Ile Val 370 375 380 Lys Ile Leu Gly Ser Val Leu Lys Gly Gln Val Ala Thr Val Ile Lys 385 390 395 400 Lys Thr Ile Asn Thr Asp Phe Pro Phe Pro Phe Ala Trp Leu Thr Gly 405 410 415 Tyr Leu Ala Ile Leu Val Gly Ala Gly Met Thr Phe Ile Val Gln Ser 420 425 430 Ser Ser Val Phe Thr Ser Ala Leu Thr Pro Leu Ile Gly Ile Gly Val 435 440 445 Ile Thr Ile Glu Arg Ala Tyr Pro Leu Thr Leu Gly Ser Asn Ile Gly 450 455 460 Thr Thr Thr Thr Ala Ile Leu Ala Ala Leu Ala Ser Pro Gly Asn Ala 465 470 475 480 Leu Arg Ser Ser Leu Gln Ile Ala Leu Cys His Phe Phe Phe Asn Ile 485 490 495 Ser Gly Ile Leu Leu Trp Tyr Pro Ile Pro Phe Thr Arg Leu Pro Ile 500 505 510 Arg Met Ala Lys Gly Leu Gly Asn Ile Ser Ala Lys Tyr Arg Trp Phe 515 520 525 Ala Val Phe Tyr Leu Ile Ile Phe Phe Phe Leu Ile Pro Leu Thr Val 530 535 540 Phe Gly Leu Ser Leu Ala Gly Trp Arg Val Leu Val Gly Val Gly Val 545 550 555 560 Pro Val Val Phe Ile Ile Ile Leu Val Leu Cys Leu Arg Leu Leu Gln 565 570 575 Ser Arg Cys Pro Arg Val Leu Pro Lys Lys Leu Gln Asn Trp Asn Phe 580 585 590 Leu Pro Leu Trp Met Arg Ser Leu Lys Pro Trp Asp Ala Val Val Ser 595 600 605 Lys Phe Thr Gly Cys Phe Gln Met Arg Cys Cys Tyr Cys Cys Arg Val 610 615 620 Cys Cys Arg Ala Cys Cys Leu Leu Cys Gly Cys Pro Lys Cys Cys Arg 625 630 635 640 Cys Ser Lys Cys Cys Glu Asp Leu Glu Glu Ala Gln Glu Gly Gln Asp 645 650 655 Val Pro Val Lys Ala Pro Glu Thr Phe Asp Asn Ile Thr Ile Ser Arg 660 665 670 Glu Ala Gln Gly Glu Val Pro Ala Ser Asp Ser Lys Thr Glu Cys Thr 675 680 685 Ala Leu 690
【0073】 配列番号:3 配列の長さ:621 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GAATTCGGCT TGCCACCAAC GAGTTCATCC TGAGCCTGCT GGTCCTCTGT GGTTGCCTGA 60 TCATGATTGT CAAGATCCTG GGCTCTGTGC TAAGGGGCAG GTCGCCACTG TCATCAAGAA 120 GACCATCAAC ACTGATTTCC CCTTTCCCTT TGCATGGTTG ACTGGCTACC TGGCCATCCT 180 CGTCGGGGCA GGCATGACCT TCATCGTACA GAGCAGCTCT GTGTTCACGT CGGCCTTGAC 240 CCCCCTGATT GGAATCGGCG TGATAACCAT TGAGAGGGCT TATCCACTCA CGCTGGGCTC 300 CAACATCGGC ACCACCACCA CCGCCATCCT GGCCGCCTTA GCCAGCCCTG GCAATGCATT 360 GAGGAGTTCA CTCCAGATCG CCCTGTGCCA CTTTTTCTTC AACATCTCCG GCATCTTGCT 420 GTGGTACCCG ATCCCGTTCA CTCGCCTGCC CATCCGCATG GCCAAGGGGC TGGGCAACAT 480 CTCTGCCAAG TATCGCTGGT TCGCCGTCTT CTACCTGATC ATCTTCTTCT TCCTGATCCC 540 GCTGACGGTG TTTGCCCTCT GCTGGTTGCC TCTCTACAAG CCGAATTCTG CAGATATCCA 600 TCACACTGGC GGCCGCTCGA G 621
【0074】 配列番号:4 配列の長さ:155 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Lys Lys Thr Ile Asn Thr Asp Phe Pro Phe Pro Phe Ala Trp Leu Thr 1 5 10 15 Gly Tyr Xaa Ala Ile Xaa Val Gly Ala Gly Met Thr Phe Ile Val Gln 20 25 30 Ser Ser Ser Val Phe Thr Ser Ala Leu Thr Pro Leu Ile Gly Ile Gly 35 40 45 Val Ile Thr Ile Glu Arg Ala Tyr Pro Leu Thr Leu Gly Ser Asn Ile 50 55 60 Gly Thr Thr Thr Thr Ala Ile Leu Ala Ala Leu Ala Ser Pro Gly Asn 65 70 75 80 Ala Leu Arg Ser Ser Leu Gln Ile Ala Leu Cys His Phe Phe Phe Asn 85 90 95 Ile Ser Gly Ile Leu Leu Trp Tyr Pro Ile Pro Phe Thr Arg Leu Pro 100 105 110 Ile Arg Met Ala Lys Gly Leu Gly Asn Ile Ser Ala Lys Tyr Arg Trp 115 120 125 Phe Ala Val Phe Tyr Leu Ile Ile Phe Phe Phe Leu Ile Pro Leu Thr 130 135 140 Val Phe Ala Leu Cys Trp Leu Pro Leu Tyr Lys 145 150 155
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 48/00 48/00 A61P 13/12 A61P 13/12 19/08 19/08 35/00 35/00 C07K 14/47 C07K 14/47 16/18 16/18 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 T G01N 33/15 33/566 33/50 C12P 21/08 33/566 A61K 37/02 // C12P 21/08 C12N 5/00 A

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2のIPT−1ポリペプチドをコー
    ドするヌクレオチド配列と全長において少なくとも80
    %同一であり、かつIPT−1ポリペプチドの活性を有する
    ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、またはこ
    のヌクレオチド配列に対して相補的なヌクレオチド配列
    を含んでなる単離されたポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 前記のポリヌクレオチドが、配列番号2
    のIPT−1ポリペプチドをコードする配列番号1中に含ま
    れるヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1に記載の
    ポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 前記のポリヌクレオチドが、その全長に
    おいて配列番号1のヌクレオチド配列と少なくとも80
    %同一であるヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1
    に記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列番号1のポリヌクレオチドである、
    請求項3に記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 DNAまたはRNAである、請求項1に
    記載のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 配列番号2のIPT−1ポリペプチドのアミ
    ノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が付加、欠
    失または置換されており、かつIPT−1ポリペプチドの活
    性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列
    を含んでなるポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 下記発現系が適合性の宿主細胞内に存在
    するとき配列番号2のポリペプチドと少なくとも80%
    同一であるアミノ酸配列を含むIPT−1ポリペプチドを産
    生することができる発現系を含んでなるDNAまたはR
    NA分子。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の発現系を含有する宿主
    細胞。
  9. 【請求項9】 IPT−1ポリペプチドを産生させるのに十
    分な条件下で請求項8に記載の宿主細胞を培養し、この
    培養物から前記ポリペプチドを回収することを含んでな
    る、IPT−1ポリペプチドの産生方法。
  10. 【請求項10】 宿主細胞が適当な培養条件下でIPT−1
    ポリペプチドを産生するように、請求項7に記載の発現
    系を用いて宿主細胞を形質転換またはトランスフェクシ
    ョンすることを含んでなる、IPT−1ポリペプチドを産生
    する細胞の作製方法。
  11. 【請求項11】 全長において配列番号2のアミノ酸配
    列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んで
    なるIPT−1ポリペプチド。
  12. 【請求項12】 配列番号2のアミノ酸配列を含む、請
    求項11に記載のポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載のIPT−1ポリペプチ
    ドに免疫特異的な抗体。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載のIPT−1ポリペプチ
    ドの活性増加または発現増加を必要としている患者を治
    療するための医薬組成物であって、治療上有効な量の、 (a) 前記ポリペプチドに対するアゴニスト、および/ま
    たは(b) 前記ポリペプチド活性のin vivo 生産をもたら
    す形の、配列番号2のIPT−1ポリペプチドをコードする
    ヌクレオチド配列と全長において少なくとも80%同一
    であるヌクレオチド配列、または前記ヌクレオチド配列
    に対して相補的なヌクレオチド配列を含んでなる単離さ
    れたポリヌクレオチド、を含んでなる医薬組成物。
  15. 【請求項15】 請求項11に記載のIPT−1ポリペプチ
    ドの活性または発現を抑制する必要がある患者を治療す
    るための医薬組成物であって、治療上有効な量の、 (a) 前記ポリペプチドに対するアンタゴニスト、および
    /または(b) 前記ポリペプチドをコードするヌクレオチ
    ド配列の発現を抑制する核酸分子、および/または(c)
    前記ポリペプチドのリガンド、基質または受容体に関し
    て前記ポリペプチドと競合するポリペプチド、を含んで
    なる医薬組成物。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載のIPT−1ポリペプチ
    ドの発現または活性と関連した被験者の疾病またはその
    罹病性の検出方法であって、 (a) 前記被験者由来のゲノム中にIPT−1ポリペプチドを
    コードするヌクレオチド配列の突然変異があるかどうか
    を調べる、および/または(b) 前記被験者から得られた
    サンプル中のIPT−1ポリペプチド発現の存在または量を
    分析する、ことを含んでなる方法。
  17. 【請求項17】 請求項11に記載のIPT−1ポリペプチ
    ドを阻害(拮抗)または活性化する化合物の同定方法で
    あって、 (a) IPT−1ポリペプチドを発現している細胞(もしくは
    IPT−1ポリペプチドを発現している細胞膜)またはIPT
    −1ポリペプチドに応答する細胞と候補化合物とを接触
    させ、そして(b) その結合、または機能的応答の刺激も
    しくは抑制を観察するか、または候補化合物と接触させ
    た細胞(または細胞膜)の能力を、接触させなかった同
    一の細胞と、IPT−1ポリペプチド活性に関して比較す
    る、ことを含んでなる方法。
  18. 【請求項18】 全長において配列番号2のアミノ酸配
    列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含んで
    なるIPT−1ポリペプチドを阻害(拮抗)または活性化す
    る化合物の同定方法であって、 (a) IPT−1ポリペプチドを発現している細胞(もしくは
    IPT−1ポリペプチドを発現している細胞膜)またはIPT
    −1ポリペプチドに応答する細胞と候補化合物とを接触
    させ、そして(b) その結合、または機能的応答の刺激も
    しくは抑制を観察するか、または候補化合物と接触させ
    た細胞(または細胞膜)の能力を、接触させなかった同
    一の細胞と、IPT−1ポリペプチド活性に関して比較す
    る、ことを含んでなる方法により同定されたアンタゴニ
    スト。
  19. 【請求項19】 請求項10に記載の方法により作製さ
    れた組換え宿主細胞、またはIPT−1ポリペプチドを発現
    しているその膜。
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