JP2000078015A - マルチビット型d/a変換器及びデルタシグマ型a/d変換器 - Google Patents

マルチビット型d/a変換器及びデルタシグマ型a/d変換器

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JP2000078015A
JP2000078015A JP10248608A JP24860898A JP2000078015A JP 2000078015 A JP2000078015 A JP 2000078015A JP 10248608 A JP10248608 A JP 10248608A JP 24860898 A JP24860898 A JP 24860898A JP 2000078015 A JP2000078015 A JP 2000078015A
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Ichiro Fujimori
一郎 藤森
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Asahi Kasei Microdevices Corp
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Asahi Kasei Microsystems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストの面で有利に、しかもマルチビット型
D/A変換器の分解能を増加させても高いS/N比を実
現するのに好適なダイナミック・エレメント・マッチン
グ回路を提供する。 【解決手段】 分解能5ビットのディジタル信号D2
出力するデルタシグマ変調器300と、ディジタル信号
2 の値をサーモメータコードで表した31レベルのデ
ィジタル信号D3 に変換する変換部410と、ディジタ
ル信号D3 の下位26レベルに対してローテーション方
式によるDEM処理を行うDEM処理部420と、DE
M処理されたディジタル信号D3 をその各ビットの
“1”の総数に応じた量のアナログ信号AOUT に変換す
るポストD/A変換器500と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、D/A変換器およ
びA/D変換器に係り、特に、マルチビット型のデルタ
シグマ変調器を用いたデルタシグマ型D/A変換器およ
びデルタシグマ型A/D変換器に関する。さらに詳しく
は、このようなD/A変換器およびA/D変換器におい
て、D/AまたはA/D変換の際におけるアナログ素子
のマッチングを行うダイナミック・エレメント・マッチ
ング回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆるデルタシグマ変調器を用いたオ
ーバーサンプリング方式のデルタシグマ型D/A変換器
やA/D変換器は、一般に、オーディオや通信機器等に
用いられている。例えば、従来のデルタシグマ型D/A
変換器としては、図10に示すように、高いS/N比を
実現するために、必要帯域内における量子化ノイズの低
減を目的として、デルタシグマ変調器の出力分解能を多
ビット化(マルチビット化)したマルチビット型のもの
がある。
【0003】これは、所定サンプリング周波数fS のデ
ィジタル信号DINを補間してそのサンプリング周波数よ
りも高い周波数128fS のディジタル信号に変換する
インターポレーションフィルタ900と、補間されたデ
ィジタル信号をデルタシグマ変調してノイズシェーピン
グされた分解能3ビットのディジタル信号に変換する3
次のデルタシグマ変調器910と、デルタシグマ変調さ
れたディジタル信号に対してダイナミック・エレメント
・マッチング(以下、単にDEMという。)処理を行う
DEM回路920と、DEM処理されたディジタル信号
をアナログ信号に変換するポストD/A変換器930
と、そのアナログ信号の高周波成分を除去する1次のポ
ストLPF940と、で構成されている。
【0004】変換対象となるディジタル信号DINは、2
4ビットの分解能を有し、サンプリング周波数が48k
Hzのディジタル信号である。まず、インターポレーシ
ョンフィルタ900では、必要帯域内における折り返し
雑音の発生を防止するために、ディジタル信号DINが、
その128倍のサンプリング周波数のディジタル信号に
インターポレーション(オーバーサンプリング)され、
デルタシグマ変調器910に入力される。
【0005】デルタシグマ変調器910では、インター
ポレーションされたディジタル信号が分解能3ビットの
ディジタル信号にデルタシグマ変調される。このとき、
インターポレーションされたディジタル信号に含まれる
量子化ノイズが、3次のハイパス特性で必要帯域外の高
周波数域にノイズシェイピングされるが、出力分解能3
ビットのデルタシグマ変調器を用いているため、デルタ
シグマ変調されたディジタル信号に含まれる量子化ノイ
ズが、出力分解能1ビットのものを用いた場合に比べて
1/4程度に低減される。このため、デルタシグマ変調
器を3次で構成しても、4次のものと同程度の効果が得
られる。
【0006】DEM回路920では、デルタシグマ変調
されたディジタル信号が、例えばその値をサーモメータ
コードで表した8レベルのディジタル信号に変換され、
そのディジタル信号に対してDEM処理が行われる。な
お、サーモメータコードとは、ビットの“1”の個数で
値を表したコードをいう。例えば、デルタシグマ変調さ
れたディジタル信号の値が“3”である場合は、2進数
で“11100000”(左詰めで“1”を3個)のデ
ィジタル信号に変換される。
【0007】ポストD/A変換器930では、DEM処
理されたディジタル信号がアナログ信号に変換される。
ポストLPF940では、そのアナログ信号に含まれる
高周波数域の量子化ノイズが除去される。ここで、デル
タシグマ変調器910により必要帯域外における量子化
ノイズが低減されているので、ポストLPF940は、
1次で構成することができる。
【0008】このように、上記デルタシグマ型D/A変
換器は、デルタシグマ変調器910の出力分解能を多ビ
ット化することにより、量子化ノイズを好適に低減でき
る。このため、デルタシグマ変調器910やポストLP
F940を少ない次数で構成することができるというメ
リットがある。しかしその反面、ポストD/A変換器9
30の非線形性の処理を行わなければならないというデ
メリットを伴う。すなわち、ポストD/A変換器930
が1ビットである場合は理想の線形性が保証されている
が、ポストD/A変換器930が多ビットである場合
は、上記デルタシグマ型D/A変換器が最終的に必要と
する精度の線形性を保証する必要がある。具体的に、図
10の例では、ポストD/A変換器930を構成する8
つのアナログ素子(抵抗、キャパシタ等)のマッチング
精度が16ビット以上必要であることを意味する。アナ
ログ素子のミスマッチはノイズを発生させ、結果として
S/N比を劣化させる。LSIの製造プロセスでは、こ
のような16ビット以上のマッチング精度を実現するこ
とは実質的に不可能である。
【0009】そこで、上記デルタシグマ型D/A変換器
では、ポストD/A変換器930におけるアナログ素子
のミスマッチの影響を低減させるために、ポストD/A
変換器930に与えられるディジタル信号に対して所定
の処理を行っている。このような処理を一般にダイナミ
ック・エレメント・マッチング処理といい、DEM回路
920は、図10に示すように、デルタシグマ変調器9
10とポストD/A変換器930との間に設けられる。
【0010】DEM処理には、さまざまなアルゴリズム
がある。基本的には、いずれもアナログ素子のミスマッ
チを平均化もしくはランダム化、またはその組み合わせ
の処理を行っている。従来、最も一般的なDEM処理の
アルゴリズムとしては、ローテーション方式がある。以
下、この方式によるDEM処理について説明する。
【0011】まず、図10において、ポストD/A変換
器930は、それぞれ等しい重み(アナログ量:電流、
電荷等)を持つ8つのアナログ素子を有して構成されて
いる。この場合、D/A変換は、与えられるディジタル
信号の値、すなわちその各ビットの“1”の総数と同数
のアナログ素子をオンすることにより行われる。通常の
D/A変換では、オンするアナログ素子の位置は固定さ
れている。例えば、与えられるディジタル信号の値が2
進数で“11100000”である場合は、それら各ビ
ットに対応した3つのアナログ素子がオンされる。
【0012】DEM回路920は、デルタシグマ変調器
910からの分解能3ビットのディジタル信号を、その
値をサーモメータコードで表した8レベルのディジタル
信号に変換し、そのディジタル信号に対してローテーシ
ョン方式によるDEM処理を行うようになっている。ロ
ーテーション方式によるDEM処理は、図11に示すよ
うに、ディジタル信号の各ビットの値を、所定ローテー
ション量で右周りにローテーションするものである。こ
こで、所定ローテーション量は、前回までのディジタル
信号のビットの“1”の総数を、ローテーション範囲の
ビット数(8ビット)で割った余りである。
【0013】したがって、図11の例では、デルタシグ
マ変調器910からそれぞれ値が“2”、“5”、
“4”となるディジタル信号が順次与えられた場合、ま
ず、1番目のディジタル信号は、その値“2”をサーモ
メータコードで表した8レベルのディジタル信号、すな
わち2進数で“11000000”の値となるディジタ
ル信号に変換される。ここで、前回までのディジタル信
号のビットの“1”の総数が0であるとすると、ディジ
タル信号は、ローテーションされずにそのままの値“1
1000000”として出力される。次に、2番目のデ
ィジタル信号は、2進数で“11111000”の値と
なるディジタル信号に変換され、前回(1番目)までの
ディジタル信号のビットの“1”の総数が2であるの
で、ディジタル信号は、2ビット分だけ右周りにローテ
ーションされ、“00111110”として出力され
る。そして、3番目のディジタル信号も同様に、2進数
で“11110000”の値となるディジタル信号に変
換され、前回(1,2番目)までのディジタル信号のビ
ットの“1”の総数が7であるので、ディジタル信号
は、7ビット分だけ右周りにローテーションされ、“1
1100001”として出力される。
【0014】このようにローテーション方式では、ポス
トD/A変換器940における各アナログ素子をいずれ
も等しい頻度でオンさせるように、ディジタル信号を処
理しているので、ポストD/A変換器930では、各ア
ナログ素子のミスマッチが平均化される。ミスマッチに
より発生するノイズの周波数成分を見ると、低い周波数
は小さく、高い周波数では大きくなる。したがって、ロ
ーテーション方式によるDEM処理によれば、1次のノ
イズシェイピング特性が得られることになる。上記デル
タシグマ型D/A変換器では、必要帯域内に含まれるノ
イズが最終的なS/N比を決定するので、このような特
性を持つローテーション方式はマルチビット型のD/A
変換器においては有利である。
【0015】なお、上記デルタシグマ型D/A変換器等
の、マルチビット型のD/AおよびA/D変換器に関す
る従来の技術は、以下の文献(1)〜(7)に記載され
ている。 (1)「M.J.Story,“Digital to analougue converter
adapted to select input sources based on preselec
ted algorithm once per cycle of a samplingsignal,
”USP 5,138,317.38,317」 (2)「H.S.Jackson,“Circuit and method for cance
ling nolinearity asso-ciated with componet value m
ismatches in a data converter,”USP 5,221,926.」 (3)「谷 泰範,“1ビットD/A変換器アレイを用
いたD/A変換方式、”信学技報,CAS94-9,pp.63 」 (4)「R.T.Baird et al.“Linearity enhancement of
multibit delta-sigmaA/D and D/A converters using
data weighted averaging, ”IEEE Tran.On Ci-rcuits
and systems-II: Analog and Digital signal processi
ng,vol.42,No.12,pp.753-762,Dec.1995. 」 (5)「R.W.Adams et.AL., “Data-directed scramble
r for multi-bit noiseshaping D/A converters, ”USP
5,404,142.」 (6)「B.Leung,“Multibit oversampled DAC with dy
namic element matching, ”USP 5,406,283.」 (7)「I.A.Galton, “Spectral shaping of circuit
errors in digital to analog converters, ”USP 5,68
4.482.」
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のデルタシグマ型D/A変換器にあっては、さらに高
いS/N比を実現するために、デルタシグマ変調器91
0の出力分解能をより多ビット化する場合には、ローテ
ーション方式によるDEM処理の効果であるノイズシェ
イピング効果が、デルタシグマ変調器910の出力分解
能(ビット数)に応じて低減してしまうという問題があ
った。すなわち、デルタシグマ変調器910の出力分解
能を増加させると、ポストD/A変換器930の各アナ
ログ素子がオンされる頻度が少なくなり、各アナログ素
子のミスマッチが平均化されにくくなるのである。した
がって、多ビット化により量子化ノイズが低下しても、
各アナログ素子のミスマッチにより発生するノイズが増
大してしまい、結果として高いS/Nが得られなくな
る。
【0017】また、上記従来のDEM回路920にあっ
ても、ポストD/A変換器930のアナログ素子数が増
加すると、DEM処理に必要なディジタル回路の規模が
大きくなり、LSIを製造する上でコストが増大すると
いう問題があった。一般に、DEM処理に必要なディジ
タル回路はデコーダ回路により構成されるので、回路規
模は出力するディジタル信号のビット数、すなわちポス
トD/A変換器930のアナログ素子数の2乗に比例す
る。例えば、出力分解能4ビットのDEM回路は、3ビ
ットのものに比べて4倍の回路規模となる。
【0018】なお、上記においては、デルタシグマ型D
/A変換器に生ずる問題について論じたが、デルタシグ
マ型A/D変換器についても同様のことがいえる。そこ
で、本発明は、このような従来の問題を解決することを
課題としており、コストの面で有利に、しかもD/A変
換器の分解能を増加させても高いS/N比を実現するの
に好適なマルチビット型D/A変換器およびデルタシグ
マ型A/D変換器を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
重ねた結果、デルタシグマ変調器の出力分解能を増加さ
せた場合は、DEM回路によりその出力ディジタル信号
のすべてのビットに対してではなく、一部のビットに対
してローテーション処理を行えば、DEM処理の効果で
あるノイズシェイピング効果をある程度確保することが
できるということを解明した。
【0020】すなわち、デルタシグマ型D/A変換器や
A/D変換器がオーディオや通信機器等に用いられてい
る性質上、これらにより取り扱われる信号の主成分は、
主に正弦波形であることがいえる。そこで、こうした性
質に着目し、デルタシグマ変調器からの出力ディジタル
信号の値について統計をとってみると、その分布が正規
分布となって、そのディジタル信号の値が取り得る範囲
において、中央値から上限値に向かうにつれて出現頻度
が低くなり、また中央値から下限値に向かうにつれて出
現頻度が低くなることが判った。このことから、ビット
の値として“1”が多く含まれるディジタル信号や、逆
に“0”が多く含まれるディジタル信号がDEM回路か
ら出力される頻度が、きわめて稀であるということがい
える。
【0021】したがって、出現頻度の高い範囲にあるビ
ットに限ってローテーション処理を行えば、その範囲に
ついては、これに対応するD/A変換器のアナログ素子
がオンされる頻度が高くなって、アナログ素子のミスマ
ッチが平均化されやすくなるため、DEM処理の効果で
あるノイズシェイピング効果を確保することができ、逆
にその範囲外については、ノイズシェイピング効果は得
られないが、出現したときにこれに対応するD/A変換
器のアナログ素子をオンするようにしても、もともと出
現頻度が低いため、そのアナログ素子によるミスマッチ
の影響はさほど大きくない。
【0022】また一方、アナログ素子のミスマッチによ
る誤差は、上記出力ディジタル信号の値に対応して発生
するアナログ量と、理想のアナログ量と、の誤差に等し
い。発生するアナログ量は、出力ディジタル信号の各ビ
ットの例えば“1”の総数、すなわちオンするアナログ
素子数の合計で決まる。個々のアナログ素子は、ランダ
ム(それぞれに対して無相関)の誤差を有する。この誤
差の標準偏差は、一般的なLSIプロセスのキャパシタ
や抵抗で0.1%から1%程度である。統計的に、ラン
ダムな誤差は、それぞれを加算した合計の平方根でしか
増加しない。例えば、同じ標準偏差のランダム誤差を有
するアナログ素子を4つ加算すると、重みは4倍される
が、誤差は4の平方根の2倍しかされない。すなわち、
ビットの値として“1”の総数が4であるディジタル信
号を変換した場合のアナログ量は、“1”の総数が1で
あるディジタル信号を変換した場合のそれに比べて倍の
精度を有する。
【0023】したがって、上位レベルのディジタル信号
を変換した場合のアナログ量は、下位レベルのディジタ
ル信号を変換した場合のそれに比べて誤差がもともと小
さく、上位レベルのディジタル信号に対しては特にDE
M処理を行わなくても、S/N比にさほど影響を与えな
いということがいえる。
【0024】かかる結論に基づき、上記目的を達成する
ために、本発明に係る請求項1記載のマルチビット型D
/A変換器は、多ビットのディジタル信号に対してダイ
ナミック・エレメント・マッチング処理を行うDEM処
理部と、前記ダイナミック・エレメント・マッチング処
理されたディジタル信号の各ビットに対応した複数の素
子を作動させてアナログ信号を出力するD/A変換器
と、を備えたマルチビット型D/A変換器において、前
記DEM処理部は、前記ディジタル信号の値が所定値以
下のときは、前記複数の素子のうち、前記素子の総数よ
りも少ない個数の素子からなる素子群を対象として前記
ダイナミック・エレメント・マッチング処理を行うよう
になっている。
【0025】このような構成であれば、多ビットのディ
ジタル信号が与えられると、DEM処理部により、その
ディジタル信号に対してDEM処理が行われ、その処理
結果がD/A変換器に出力されるが、DEM処理の際
は、ディジタル信号の値が所定値以下のときは、複数の
素子のうち、素子の総数よりも少ない個数の素子からな
る素子群を対象としてDEM処理が行われる。D/A変
換器では、DEM処理されたディジタル信号の各ビット
に対応した複数の素子が作動させられてアナログ信号が
出力される。
【0026】ここで、素子群は、DEM処理されたディ
ジタル信号の各ビットのうち連続した複数のビットに対
応した素子であってもよいし、離散した複数のビットに
対応した素子であってもよい。また、DEM処理として
は、例えばローテーション方式が挙げられる。
【0027】さらに、本発明に係る請求項2記載のマル
チビット型D/A変換器は、請求項1記載のマルチビッ
ト型D/A変換器において、前記DEM処理部は、前記
ディジタル信号をその値をサーモメータコードで表した
第2のディジタル信号に変換する変換手段と、前記第2
のディジタル信号の値が所定値以下のときは前記第2の
ディジタル信号の各ビットのうち前記所定値と等しい個
数のビットからなるビット列に対して前記ダイナミック
・エレメント・マッチング処理を行う処理手段と、を有
する。
【0028】このような構成であれば、多ビットのディ
ジタル信号が与えられると、変換手段により、そのディ
ジタル信号が第2のディジタル信号に変換され、処理手
段により、第2のディジタル信号の値が所定値以下のと
きは、第2のディジタル信号の各ビットのうち所定値と
等しい個数のビットからなるビット列に対してDEM処
理が行われ、その処理結果がD/A変換器に出力され
る。
【0029】ここで、ビット列は、第2のディジタル信
号の各ビットのうち連続した複数のビットであってもよ
いし、離散した複数のビットであってもよい。この請求
項2記載の発明において、「サーモメータコード」と
は、ビットの“1”または“0”の個数で値を表したコ
ードをいい、ビットの“1”の個数として表す場合、例
えば、“3”のサーモメータコードは、2進数で“11
100000”となる。
【0030】さらに具体的な構成としては、請求項2記
載のマルチビット型D/A変換器において、前記ディジ
タル信号は、Mビット(Mは2以上の整数)で構成さ
れ、前記第2のディジタル信号は、2M ビットで構成さ
れている。
【0031】このような構成であれば、変換手段によ
り、Mビットのディジタル信号が、その値をサーモメー
タコードで表した2M ビットの第2のディジタル信号に
変換される。例えば、ディジタル信号が3ビットで構成
されている場合において、値が“3”であるディジタル
信号が入力されたときは、このディジタル信号は、その
値“3”をビットの“1”の個数で表すと、2進数で
“11100000”(2 3 =8ビット)の値となる第
2のディジタル信号に変換される。
【0032】さらに、本発明に係る請求項3記載のマル
チビット型D/A変換器は、請求項2記載のマルチビッ
ト型D/A変換器において、前記処理手段は、前記ビッ
ト列を所定規則でローテーションするようになってい
る。
【0033】このような構成であれば、処理手段によ
り、第2のディジタル信号の値が所定値以下のときは、
第2のディジタル信号の各ビットのうち所定値と等しい
個数のビットからなるビット列が所定規則でローテーシ
ョンされる。
【0034】ここで、ローテーション処理には、ビット
列において、所定規則で(例えば、右周りまたは左周り
に)それらビットの値をローテーションすることだけで
なく、所定規則でそれらビットの値を交換することも含
まれる。
【0035】さらに、本発明に係る請求項4記載のマル
チビット型D/A変換器は、請求項1ないし3記載のマ
ルチビット型D/A変換器において、前記所定値を可変
とした。
【0036】このような構成であれば、例えば、与えら
れるディジタル信号の状態に応じて、所定値が変更され
る。例えば、全体的にレベルの小さなディジタル信号が
与えられるような場合は、所定値が小さくなるように変
更され、逆に、全体的にレベルの大きなディジタル信号
が与えられるような場合は、所定値が大きくなるように
変更される。
【0037】さらに、本発明に係る請求項5記載のマル
チビット型D/A変換器は、請求項2および3のいずれ
かに記載のマルチビット型D/A変換器において、所定
の範囲を複数設定しておき、前記処理手段は、前記第2
のディジタル信号の値が前記所定の範囲内であるとき
は、当該所定の範囲に対応して設定した前記ビット列を
対象として前記ダイナミック・エレメント・マッチング
処理を行うようになっている。
【0038】このような構成であれば、処理手段によ
り、第2のディジタル信号の値が所定の範囲内であると
きは、その所定の範囲に対応して設定したビット列を対
象としてDEM処理が行われる。
【0039】さらに、本発明に係る請求項6記載のマル
チビット型D/A変換器は、請求項1ないし5記載のマ
ルチビット型D/A変換器において、前記ダイナミック
・エレメント・マッチング処理の対象となる前記ディジ
タル信号を前記DEM処理部に出力するデルタシグマ変
調器を備え、前記ディジタルシグマ変調器は、そのフィ
ードバックゲインが1以上に設定されている。
【0040】このような構成であれば、デルタシグマ変
調器では、積分器から出力されたディジタル信号が、1
以上のフィードバックゲインでフィードバックされる。
デルタシグマ変調器が少なくとも3段の積分器を有して
構成される場合は、大振幅入力時に予測信号が入力信号
の変化に追従できずに発振してしまう場合があるが、こ
のような構成であれば、大振幅入力時に予測信号を追従
させることができ、発振を好適に防止することができ
る。
【0041】一方、本発明に係る請求項7記載のデルタ
シグマ型A/D変換器は、アナログ信号を積分する積分
回路と、前記積分されたアナログ信号を多ビットのディ
ジタル信号に変換するA/D変換器と、前記ディジタル
信号に対してダイナミック・エレメント・マッチング処
理を行うDEM処理部と、前記ダイナミック・エレメン
ト・マッチング処理されたディジタル信号の各ビットに
対応した複数の素子を作動させてアナログ信号を出力す
るD/A変換器と、を備え、前記D/A変換器からのア
ナログ信号を、所定のフィードバックゲインで前記積分
回路にフィードバックするようになっているデルタシグ
マ型A/D変換器において、前記DEM処理部は、前記
A/D変調器からのディジタル信号の値が所定値以下の
ときは、前記複数の素子のうち、前記素子の総数よりも
少ない個数の素子からなる素子群を対象として前記ダイ
ナミック・エレメント・マッチング処理を行うようにな
っている。
【0042】このような構成であれば、アナログ信号が
積分回路に与えられると、積分回路により、アナログ信
号が積分され、A/D変換器により、積分されたアナロ
グ信号がディジタル信号に変換される。次いで、DEM
処理部により、A/D変換器からのディジタル信号に対
してDEM処理が行われ、その処理結果がD/A変換器
に出力されるが、DEM処理の際は、A/D変換器から
のディジタル信号の値が所定値以下のときは、複数の素
子のうち、素子の総数よりも少ない個数の素子からなる
素子群を対象としてDEM処理が行われる。そして、D
/A変換器により、DEM処理されたディジタル信号の
各ビットに対応した複数の素子が作動させられてアナロ
グ信号が出力され、フィードバックループにより、D/
A変換器からのアナログ信号が所定のフィードバックゲ
インで積分回路にフィードバックされる。
【0043】なお、フィードバックされた後は、積分回
路により、フィードバックされたアナログ信号と、新た
に入力されたアナログ信号と、に対して所定の演算(例
えば、減算等)が行われ、演算結果としてのアナログ信
号が積分される。以下は、上記同様の動作が繰り返され
る。
【0044】ここで、素子群は、DEM処理されたディ
ジタル信号の各ビットのうち連続した複数のビットに対
応した素子であってもよいし、離散した複数のビットに
対応した素子であってもよい。また、DEM処理として
は、例えばローテーション方式が挙げられる。
【0045】また、本発明に係る請求項8記載のデルタ
シグマ型A/D変換器は、請求項7記載のデルタシグマ
型A/D変換器において、前記DEM処理部は、前記A
/D変調器からのディジタル信号をその値をサーモメー
タコードで表した第2のディジタル信号に変換する変換
手段と、前記第2のディジタル信号の値が所定値以下の
ときは前記第2のディジタル信号の各ビットのうち前記
所定値と等しい個数のビットからなるビット列に対して
前記ダイナミック・エレメント・マッチング処理を行う
処理手段と、を有する。
【0046】このような構成であれば、多ビットのディ
ジタル信号がA/D変換器から与えられると、変換手段
により、そのディジタル信号が第2のディジタル信号に
変換され、処理手段により、第2のディジタル信号の値
が所定値以下のときは、第2のディジタル信号の各ビッ
トのうち所定値と等しい個数のビットからなるビット列
に対してDEM処理が行われ、その処理結果がD/A変
換器に出力される。
【0047】ここで、ビット列は、第2のディジタル信
号の各ビットのうち連続した複数のビットであってもよ
いし、離散した複数のビットであってもよい。この請求
項8記載の発明において、上記請求項2記載のものと同
義である。
【0048】さらに具体的な構成としては、請求項8記
載のデルタシグマ型A/D変換器において、前記A/D
変調器からのディジタル信号は、Mビット(Mは2以上
の整数)で構成され、前記第2のディジタル信号は、2
M ビットで構成されている。このような構成であれば、
変換手段により、A/D変調器からのMビットのディジ
タル信号が、その値をサーモメータコードで表した2M
ビットの第2のディジタル信号に変換される。
【0049】さらに、本発明に係る請求項9記載のデル
タシグマ型A/D変換器は、請求項8記載のデルタシグ
マ型A/D変換器において、前記処理手段は、前記ビッ
ト列を所定規則でローテーションするようになってい
る。
【0050】このような構成であれば、処理手段によ
り、第2のディジタル信号の値が所定値以下のときは、
第2のディジタル信号の各ビットのうち所定値と等しい
個数のビットからなるビット列が所定規則でローテーシ
ョンされる。
【0051】ここで、ローテーション処理には、ビット
列間において、所定規則で(例えば、右周りまたは左周
りに)それらビットの値をローテーションすることだけ
でなく、所定規則でそれらビットの値を交換することも
含まれる。
【0052】さらに、本発明に係る請求項10記載のデ
ルタシグマ型A/D変換器は、請求項7ないし9記載の
デルタシグマ型A/D変換器において、前記所定値を可
変とした。
【0053】このような構成であれば、例えば、与えら
れるディジタル信号の状態に応じて、所定値が変更され
る。例えば、全体的にレベルの小さなディジタル信号が
与えられるような場合は、所定値が小さくなるように変
更され、逆に、全体的にレベルの大きなディジタル信号
が与えられるような場合は、所定値が大きくなるように
変更される。
【0054】さらに、本発明に係る請求項11記載のデ
ルタシグマ型A/D変換器は、請求項8および9のいず
れかに記載のデルタシグマ型A/D変換器において、所
定の範囲を複数設定しておき、前記処理手段は、前記第
2のディジタル信号の値が前記所定の範囲内であるとき
は、当該所定の範囲に対応して設定した前記ビット列を
対象として前記ダイナミック・エレメント・マッチング
処理を行うようになっている。
【0055】このような構成であれば、処理手段によ
り、第2のディジタル信号の値が所定の範囲内であると
きは、その所定の範囲に対応して設定したビット列を対
象としてDEM処理が行われる。
【0056】さらに、本発明に係る請求項12記載のデ
ルタシグマ型A/D変換器は、請求項7ないし11記載
のデルタシグマ型A/D変換器において、前記フィード
バックゲインは、1以上に設定されている。
【0057】このような構成であれば、D/A変換器か
らのアナログ信号は、1以上のフィードバックゲインで
積分回路にフィードバックされる。積分器が少なくとも
3段で構成される場合は、大振幅入力時に予測信号(第
2のアナログ信号)が入力信号(第1のアナログ信号)
の変化に追従できずに発振してしまう場合があるが、こ
のような構成であれば、大振幅入力時に予測信号を追従
させることができ、発振を好適に防止することができ
る。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る
マルチビット型D/A変換器の実施の形態を説明するた
めのブロック図である。
【0059】この第1の実施の形態は、本発明に係るマ
ルチビット型D/A変換器を、図1に示すように、マル
チビット型のデルタシグマ変調器を用いたオーバーサン
プリング方式のデルタシグマ型D/A変換器に適用した
ものである。
【0060】まず、構成の概略を説明すると、図1中、
デルタシグマ型D/A変換器100は、所定サンプリン
グ周波数fS のディジタル信号DINを補間してそのサン
プリング周波数よりも高い周波数128fS のディジタ
ル信号に変換するインターポレーションフィルタ200
と、補間されたディジタル信号をデルタシグマ変調して
ノイズシェーピングされた分解能5ビットのディジタル
信号に変換する3次のデルタシグマ変調器300と、デ
ルタシグマ変調されたディジタル信号に対してDEM処
理を行うDEM回路400と、DEM処理されたディジ
タル信号をアナログ信号AOUT に変換するポストD/A
変換器500と、アナログ信号AOUT の高周波成分を除
去する1次のポストLPF600と、で構成されてい
る。
【0061】インターポレーションフィルタ200は、
所定分解能(例えば、24ビット)で所定サンプリング
周波数(例えば、48kHz)fS のディジタル信号D
INを入力し、入力したディジタル信号DINを所定演算式
により補間することにより、分解能は同一でサンプリン
グ周波数が例えば128倍のディジタル信号D1 にイン
ターポレーションするようになっている。なお、所定演
算式は、公知の補間演算式でよい。
【0062】デルタシグマ変調器300は、3段の積分
回路と多ビットの量子化器とを有するマルチビット型の
デルタシグマ変調器であって、ディジタル信号D1 をイ
ンターポレーションフィルタ200から入力し、入力し
たディジタル信号D1 を、サンプリング周波数は同一で
分解能がより低ビット(例えば、5ビット)のディジタ
ル信号D2 にデルタシグマ変調する。ディジタル信号D
2 に含まれる量子化ノイズは、必要帯域外の高周波数域
にノイズシェイピングされる。このデルタシグマ変調で
は、ディジタル信号D1 を31レベルのディジタル信号
2 に変調するようになっている。すなわち、ディジタ
ル信号D2 の値が取り得る範囲は、5ビットで表せる値
(0〜31)のうち“1”から“31”までとなる。な
お、デルタシグマ変調器300の詳細な構成について
は、後段で説明する。
【0063】次に、DEM回路400の詳細な構成を図
面を参照しながら説明する。図2は、本発明に係るダイ
ナミック・エレメント・マッチング回路の実施の形態を
示すブロック図である。
【0064】DEM回路400は、図2に示すように、
ディジタル信号D2 をデルタシグマ変調器300から入
力し、入力したディジタル信号D2 を、その値をサーモ
メータコードで表した31レベルのディジタル信号に変
換し、そのディジタル信号に対してローテーション方式
によるDEM処理を行うようになっており、分解能5ビ
ットのディジタル信号D2 を31レベルのサーモメータ
コードに変換する変換部410と、サーモメータコード
の下位の所定数レベル(例えば、下位26レベル)に対
してローテーション方式によるDEM処理を行うDEM
処理部420と、で構成されている。
【0065】変換部410は、分解能5ビットのディジ
タル信号D2 の値(1〜31)を、“1”の個数(1〜
31)で表した31レベルのサーモメータコードに変換
し、下位26レベルからなるサーモメータコードをDE
M処理部420に出力するようになっている。例えば、
入力されるディジタル信号D2 の値が“5”である場合
は、2進数で“111110…00”(左詰めで“1”を5個)
のサーモメータコードに変換され、上位5レベル“0000
0 ”(右側から5個)のサーモメータコードはそのまま
出力され、下位26レベル“111110…00”(左側から2
6個)のサーモメータコードがDEM処理部420に出
力される。
【0066】DEM処理部420は、下位26レベルの
サーモメータコードを、所定ローテーション量で右周り
にローテーションするようになっている。ここで、所定
ローテーション量は、前回までのサーモメータコードの
“1”の総数を、ローテーション範囲のレベル数(31
レベル)で割った余りである。このようにローテーショ
ン処理を行うと、出力ディジタル信号の各ビットは、時
系列上でみたときに、下位レベルから順番に“0”と
“1”とが切り換えられるので、いずれも等しい頻度で
“1”となる。
【0067】次に、ポストD/A変換器500の詳細な
構成を図面を参照しながら説明する。図3は、ポストD
/A変換器500の回路構成を示す回路図であり、図4
は、ポストD/A変換器500に供給するクロックのタ
イミングチャートである。
【0068】ポストD/A変換器500は、図3に示す
ように、非反転入力端子を接地した演算増幅器510
と、演算増幅器510の出力端子と反転入力端子との間
に接続した容量素子Cfbと、同一容量を有して構成され
る容量素子C1 〜C31と、容量素子C1 〜C31と演算増
幅器510の反転入力端子との間に接続したスイッチS
Bと、各容量素子C1 〜C31の一方の端子に接続したス
イッチSU1 〜SU31と、接地電圧VGND および基準電
圧VDDのいずれかに接続するスイッチSUG1 〜SUG
31と、各容量素子C1 〜C31の他方の端子と演算増幅器
510の出力端子との間に接続したスイッチSY1 〜S
31と、2種類のクロックφ1 ,φ2 をこれら各スイッ
チに供給するクロック供給部520と、で構成されてい
る。
【0069】なお、クロック供給部520から供給され
る2種類のクロックφ1 ,φ2 は、図4に示すように、
それぞれローレベルとハイレベルとを所定間隔で繰り返
すようなクロックであって、一方がハイレベルのとき他
方はローレベルとなって、互いのクロックのハイレベル
部は重複しない。
【0070】スイッチSU1 〜SU31は、クロックφ1
がハイレベルのときは閉状態となって、これ以外のとき
は開状態となるようになっており、これらの状態を符号
φ1で示している。また、スイッチSBおよびスイッチ
SY1 〜SY31は、クロックφ2 がハイレベルのときは
閉状態となって、これ以外のときは開状態となるように
なっており、これらの状態を符号φ2 で示している。
【0071】SUG1 〜SU31は、DEM回路400か
らのディジタル信号D3 の各ビットに対応し、各ビット
の値Si (“0”または“1”)に応じて、接地電圧V
GNDおよび基準電圧VDDのいずれかに接続し、クロック
φ1 がハイレベルのときであってビットの値Si
“1”であるときは、基準電圧VDDに接続するようにな
っており、一方、クロックφ1 がハイレベルのときであ
ってビットの値Si が“0”であるときは、接地電圧V
GND に接続するようになっている。
【0072】このような構成であるため、クロック
φ1 ,φ2 の状態によって容量素子C1〜C31の間で電
荷の分配が起こり、電荷保存則より各容量素子C1 〜C
31が保持する電荷の総和に応じた電圧が出力端子から出
力される。すなわち、ディジタル信号D3 の各ビットの
“1”の総和に応じた量のアナログ信号AOUT が出力さ
れることになるため、31ビットのリニアレベル型のD
/A変換器を実現することができる。
【0073】なお、容量素子Cfbは、クロックφ1 がハ
イレベルのときに、前回のタイミングでのD/A変換の
結果を電圧として保持するホールドすることによって演
算増幅器510が常に正常な動作レンジ内で動作するこ
とを維持させ、演算増幅器510の出力が予測できない
ような電圧値となり、演算増幅器510の動作が動作レ
ンジ外となるのを防止している。
【0074】次に、デルタシグマ変調器300の詳細な
構成を図面を参照しながら説明する。図5は、デルタシ
グマ変調器300の構成を示すブロック図である。デル
タシグマ変調器300は、図5に示すように、3次のソ
ディニループ型と称されているもので、3次のループフ
ィルタ310と、31レベルの量子化を行う31レベル
量子化器320と、ゲイン330(増幅率G)を含むフ
ィードバックループによるフィードバック値と入力とを
加算する加算器340と、で構成されている。ループフ
ィルタ310において、301、302、303は、そ
れぞれディジタル積分器であり、304、305、30
6、307、308、309は、それぞれ係数K1 、K
2 、B1 、A1 、A2 、A3 のディジタル乗算器であ
り、311、312は、それぞれディジタル加算器であ
る。
【0075】31レベル量子化器320は、ディジタル
信号Dinをデルタシグマ変調した結果を、“−15”か
ら“+15”までの31レベルのコードを示す分解能5
ビットのディジタル信号D1 として出力するようになっ
ている。このディジタル信号D1 は、5ビットであるた
め、実際の値としては“0”から“31”までの範囲を
取り得るが、それら値のうち“1”から“31”まで
が、31レベルのコードのうち“−15”から“+1
5”のコードに対応している。
【0076】ゲイン330は、3次の負帰還ループを有
するデルタシグマ変調器において、大振幅入力時に予測
信号が入力信号の変化に追従できずに発振するのを防止
するためには不可欠なものであるとともに、ゲインを設
けることは、等価的に“1/G”なる増幅率の増幅器を
入力部に設けることに相当する。したがって、“1/
G”を調整し、例えばフィードバックゲインを1以上に
設定して、ポストD/A変換器500の出力振幅の調整
を行うとともに、大振幅入力時の発振を防止することが
可能となる。
【0077】本実施の形態においては、デルタシグマ型
D/A変換器100を、オーディオ用としてそのS/N
比が115dBとなるように構成した。そこで、上記に
示したように、必要帯域内の量子化ノイズを低減し、ポ
ストLPF600の次数を最低限の1次とするために、
デルタシグマ変調器300に31レベルの量子化器32
0を用いた。
【0078】また、DEM回路400を構成するにあた
っては、次の点を考慮した。すなわち、デルタシグマ変
調器300にフルスケール(D/A変換可能な最大振
幅:1kHZ,0dB)の正弦波を入力すると、その出
力ヒストグラムは、図6に示すようになる。この図か
ら、31レベルのコード(−15から+15まで)のう
ち、上側と下側のそれぞれ5コードの出力頻度が非常に
小さいことが判る。したがって、DEM回路400にお
いて、ディジタル信号D3 の各ビットのうち下位26ビ
ットに対してローテーション処理を行うのが効果的であ
ると考えられる。
【0079】次に、上記第1の実施の形態の動作を図面
を参照しながら説明する。図7は、DEM回路400の
動作を説明するための図である。まず、インターポレー
ションフィルタ200では、必要帯域内における折り返
し雑音の発生を防止するために、ディジタル信号D
INが、その128倍のサンプリング周波数のディジタル
信号D1 にインターポレーションされ、デルタシグマ変
調器300に入力される。
【0080】デルタシグマ変調器300では、ディジタ
ル信号D1 が分解能5ビットのディジタル信号D2 にデ
ルタシグマ変調される。このとき、ディジタル信号D2
に含まれる量子化ノイズが、必要帯域外の高周波数域に
ノイズシェイピングされて、“−15”から“+15”
までの31レベルのコードを示すディジタル信号D2
出力される。また、フィードバックゲインが1以上に設
定されているので、大振幅入力時であっても、31レベ
ル量子化器320からの予測信号(ディジタル信号
2 )を入力信号の変化に追従させることができる。
【0081】DEM回路400では、変換部410によ
り、ディジタル信号D2 が31レベルのサーモメータコ
ードに変換され、それら各レベルのうち上位5レベルの
サーモメータコードはそのまま出力され、下位26ビッ
トのサーモメータコードがDEM処理部420に出力さ
れる。
【0082】そして、DEM処理部420により、下位
26ビットのサーモメータコードに対してローテーショ
ン処理が行われ、上位5レベルのサーモメータコード
と、DEM処理された下位26レベルのサーモメータコ
ードとがまとめられ、これがディジタル信号D3 として
出力される。
【0083】例えば、図7に示すように、デルタシグマ
変調器300からそれぞれ値が“3”(−13)、“2
8”(+12)、“24”(+8)となるディジタル信
号D 2 が順次与えられた場合を例にとって説明する。た
だし、括弧内は、ディジタル信号D2 の値に対応する3
1レベルのコードを示している。
【0084】まず、1番目のディジタル信号D2 は、変
換部410により、2進数で“11100000…000000”の値
となる31レベルのサーモメータコードに変換され、そ
れら各レベルのうち上位5レベル“00000 ”のサーモメ
ータコードはそのまま出力され、下位26レベル“1110
0000…0000”のサーモメータコードがDEM処理部42
0に出力される。DEM処理部420では、前回までの
サーモメータコードの“1”の総数が0であるとする
と、下位26レベルのサーモメータコードは、ローテー
ションされずにそのままの値“11100000…0000”として
出力される。したがって、ディジタル信号D3 は、結果
としていずれのビットの値もローテーションされず、変
換部410から出力されたままの値“11100000…00000
0”として出力される。
【0085】次に、2番目のディジタル信号D2 は、変
換部410により、2進数で“11111111…111000”の値
となる31レベルのサーモメータコードに変換され、上
位5レベル“11000 ”のサーモメータコードはそのまま
出力され、下位26レベル“11111111…1111”のサーモ
メータコードがDEM処理部420に出力される。DE
M処理部420では、前回(1番目)までのサーモメー
タコードの“1”の総数が3であるので、下位26レベ
ルのサーモメータコードは、3ビット分だけ右周りにロ
ーテーションされるが、下位26レベルのサーモメータ
コードの各ビットの値はいずれも“1”であるため、結
果としてそのままの値“11111111…1111”として出力さ
れる。したがって、ディジタル信号D3 は、結果として
いずれのビットの値もローテーションされず、変換部4
10から出力されたままの値“11111111…111000”とし
て出力される。
【0086】次に、3番目のディジタル信号D2 は、変
換部410により、2進数で“11111111…000000”の値
となる31レベルのサーモメータコードに変換され、上
位5レベル“00000 ”のサーモメータコードはそのまま
出力され、下位26レベル“11111111…1100”のサーモ
メータコードがDEM処理部420に出力される。DE
M処理部420では、前回(1,2番目)までのサーモ
メータコードの“1”の総数が29であるので、下位2
6レベルのサーモメータコードは、3ビット分だけ右周
りにローテーションされ、“10011111…11”として出力
される。したがって、ディジタル信号D3 は、“100111
11…100000”として出力される。
【0087】すなわち、DEM回路400では、“2
6”以下の値となるディジタル信号D 2 が入力されたと
きは、その下位26レベルに対してローテーション処理
が行われるが、“27”以上の値となるディジタル信号
2 が入力されたときは、実質的に、このようなディジ
タル信号D2 に対してローテーション処理が行われな
い。このため、ポストD/A変換器500の容量素子C
1 〜C31において、すべての容量素子に対してではな
く、容量素子C1 〜C26に対してのみローテーション処
理が行われることになる。
【0088】換言すれば、“26”以下の値となるディ
ジタル信号D2 については、ポストD/A変換器500
において、すべての容量素子C1 〜C31に対してローテ
ーション処理を行う場合に比較して、その下位26レベ
ルに対応する容量素子C1 〜C26がオンされる頻度が高
くなって、容量素子C1 〜C26のミスマッチが平均化さ
れやすくなるため、DEM処理の効果であるノイズシェ
イピング効果が確保される。逆に、“27”以上の値と
なるディジタル信号D2 については、ポストD/A変換
器500において、ノイズシェイピング効果は得られな
いが、出現したときにこれに対応する容量素子C27〜C
31をオンするようにしても、もともと出現頻度が低いた
め、その容量素子C27〜C31によるミスマッチの影響は
さほど大きくない。
【0089】このようにして、分解能5ビットのディジ
タル信号D2 を出力するデルタシグマ変調器300と、
ディジタル信号D2 を31レベルのサーモメータコード
に変換する変換部410と、サーモメータコードの各レ
ベルのうち下位26レベルに対してローテーション方式
によるDEM処理を行うDEM処理部420と、DEM
処理されたディジタル信号D3 をその各ビットの“1”
の総数に応じた量のアナログ信号AOUT に変換するポス
トD/A変換器500と、を備えることによって、“2
6”以下の値となるディジタル信号D2 については、D
EM処理の効果であるノイズシェイピング効果が確保さ
れ、逆に“27”以上の値となるディジタル信号D2
ついては、ノイズシェイピング効果は得られないが、も
ともと出現頻度が低いため、容量素子C27〜C31による
ミスマッチの影響はさほど大きくないので、結果として
は、図8に示すように、従来よりも理想に近い高いS/
N比を得ることができる。また、回路規模についても、
DEM処理に必要な回路数等を少なくできるため、従来
より30%ほど減少させることができた。
【0090】したがって、従来に比して、デルタシグマ
変調器300の出力分解能を増加させたときに、DEM
処理の効果が低減するのを防止することができるととも
に、回路規模の増加を抑えて製造することができる。よ
って、デルタシグマ変調器300の出力分解能を増加さ
せても、製造コストの上昇を抑制することができ、しか
も高いS/N比を実現することもできる。
【0091】さらに、デルタシグマ変調器300を3次
に構成するとともに、そのフィードバックゲインを1以
上に設定したから、大振幅入力時であっても、31レベ
ル量子化器320からの予測信号(ディジタル信号
2 )を入力信号の変化に追従させることができる。し
たがって、大振幅入力時の発振を防止することができる
とともに、さらにはポストD/A変換器500の出力振
幅の調整を行うこともできる。またさらに、DEM処理
の範囲に応じた最適なディジタル信号D2 の出力振幅範
囲をフィードバックゲインの設定により調整することが
できる。
【0092】さらに、ポストD/A変換器500を、ク
ロックφ1 がハイレベルのときは基準電圧をサンプリン
グして保持する容量素子C1 〜C31と、クロックφ2
ハイレベルのときは演算増幅器510の入力端子・出力
端子間に接続され負帰還ループを形成する容量素子Cfb
と、を兼用するように構成したから、容量素子C1 〜C
31から容量素子Cfbへの電荷の転送を行う必要はなく、
演算増幅器100の電荷供給動作は行われない。したが
って、演算増幅器510に必要な消費電流は、演算増幅
器510の熱雑音の仕様を満たすための最低限のもので
十分であり、消費電流の小さなD/A変換器を実現する
ことができる。
【0093】さらに、DEM回路400を、下位26レ
ベル以下に限定してDEM処理を行うように構成したか
ら、出現頻度の高い値を有するディジタル信号D2 に対
してDEM処理を行うことができるので、出現頻度の高
い値を有するディジタル信号D2 については、DEM処
理の効果であるノイズシェイピング効果を有効に確保す
ることができる。
【0094】次に、本発明の第2の実施の形態を図面を
参照しながら説明する。図9は、本発明に係るデルタシ
グマ型A/D変換器の実施の形態を説明するためのブロ
ック図である。
【0095】この第2の実施の形態は、本発明に係るデ
ルタシグマ型A/D変換器を、図9に示すように、マル
チビット型のデルタシグマ変調器を用いたオーバーサン
プリング方式のデルタシグマ型A/D変換器に適用した
ものである。
【0096】まず、構成の概略を説明すると、図9中、
デルタシグマ型A/D変換器700は、3次のソディニ
ループ型と称されているもので、3次のループフィルタ
710と、ループフィルタ710の出力アナログ信号に
対して31レベルのA/D変換を行う分解能5ビットの
31レベルA/D変換器720と、31レベルA/D変
換器720からのディジタル信号DOUT に対してDEM
処理を行うDEM回路400と、DEM処理されたディ
ジタル信号に対して31レベルのD/A変換を行う31
レベルD/A変換器730と、ゲイン740(増幅率
G)を含むフィードバックループによるフィードバック
値と入力とを加算する加算器750と、で構成されてい
る。ループフィルタ710において、701、702、
703は、それぞれアナログ積分器であり、704、7
05、706、707、708、709は、それぞれ係
数K1 、K2 、B1 、A1 、A2 、A3 のアナログ乗算
器(増幅器)であり、711、713は、それぞれアナ
ログ加算器である。
【0097】31レベルA/D変換器720は、変換対
象となるアナログ信号AINを、“−15”から“+1
5”までの31レベルのコードを示す分解能5ビットの
ディジタル信号DOUT として出力するようになってい
る。このディジタル信号DOUT は、5ビットであるた
め、実際の値としては“0”から“31”までの範囲を
取り得るが、それら値のうち“1”から“31”まで
が、31レベルのコードのうち“−15”から“+1
5”のコードに対応している。
【0098】DEM回路400は、上記第1の実施の形
態におけるDEM回路400と同一構成となっており、
ディジタル信号DOUT を31レベルA/D変換器720
から入力し、入力したディジタル信号DOUT をサーモメ
ータコードに変換し、そのサーモメータコードの各レベ
ルのうち下位26レベルに対してローテーション方式に
よるDEM処理を行うようになっている。
【0099】31レベルD/A変換器730は、上記第
1の実施の形態におけるポストD/A変換器500と同
一構成となっており、DEM処理されたディジタル信号
をDEM回路400から入力し、入力したディジタル信
号の各ビットの“1”の総和に応じた量のアナログ信号
を出力するようになっている。
【0100】ゲイン740は、3次の負帰還ループを有
するデルタシグマ変調器において、大振幅入力時に予測
信号が入力信号の変化に追従できずに発振するのを防止
するためには不可欠なものであるとともに、ゲインを設
けることは、等価的に“1/G”なる増幅率の増幅器を
入力部に設けることに相当する。したがって、“1/
G”を調整し、例えばフィードバックゲインを1以上に
設定して、大振幅入力時の発振を防止することが可能と
なる。
【0101】本実施の形態においては、デルタシグマ型
A/D変換器700を、オーディオ用としてそのS/N
比が115dBとなるように構成した。そこで、上記に
示したように、必要帯域内の量子化ノイズを低減するた
めに、デルタシグマ型A/D変換器700に、31レベ
ルA/D変換器720および31レベルD/A変換器7
30を用いた。
【0102】次に、上記第2の実施の形態の動作を図面
を参照しながら説明する。まず、アナログ信号AINが加
算器750に与えられると、ループフィルタ710によ
り、アナログ信号AINが積分され、31レベルA/D変
換器720により、積分されたアナログ信号がディジタ
ル信号DOUT に変換される。次いで、DEM回路400
により、ディジタル信号DOUT がサーモメータコードに
変換され、そのサーモメータコードの各レベルのうち下
位26レベルに対してDEM処理が行われる。
【0103】そして、31レベルD/A変換器730に
より、DEM処理されたディジタル信号がアナログ信号
に変換され、フィードバックループにより、そのアナロ
グ信号がゲイン740のフィードバックゲインで加算器
750にフィードバックされる。なお、フィードバック
された後は、加算器750により、フィードバックされ
たアナログ信号と、新たに入力されたアナログ信号AIN
と、が減算される。
【0104】このようにして、3次のループフィルタ7
10と、31レベルのA/D変換を行う31レベルA/
D変換器720と、ディジタル信号DOUT に対してDE
M処理を行うDEM回路400と、31レベルのD/A
変換を行う31レベルD/A変換器730と、ゲイン7
40を含むフィードバックループによるフィードバック
値と入力とを加算する加算器750と、を備え、DEM
回路400は、ディジタル信号DOUT をサーモメータコ
ードに変換し、変換したサーモメータコードの各レベル
のうち下位26レベルに対してDEM処理を行うように
したから、上記第1の実施の形態と同様に、従来に比し
て、31レベルA/D変換器720の出力分解能を増加
させたときに、DEM処理の効果が低減するのを防止す
ることができるとともに、回路規模の増加を抑えて製造
することができる。よって、31レベルA/D変換器7
20の出力分解能を増加させても、製造コストの上昇を
抑制することができ、しかも高いS/N比を実現するこ
ともできる。
【0105】さらに、デルタシグマ型A/D変換器70
0を3次に構成するとともに、そのフィードバックゲイ
ンを1以上に設定したから、大振幅入力時であっても、
31レベルD/A変換器730からの予測信号を入力信
号AINの変化に追従させることができる。したがって、
大振幅入力時の発振を防止することができる。またさら
に、DEM処理の範囲に応じた最適な31レベルA/D
変換器720の出力振幅範囲もこのフィードバックゲイ
ンの設定により調整することができる。
【0106】さらに、DEM回路400を、下位26レ
ベル以下に限定してDEM処理を行うように構成したか
ら、出現頻度の高い値を有するディジタル信号に対して
DEM処理を行うことができるので、出現頻度の高い値
を有するディジタル信号については、DEM処理の効果
であるノイズシェイピング効果を有効に確保することが
できる。
【0107】なお、上記第1および第2の実施の形態に
おいては、変換部410を、DEM処理するサーモメー
タコードのレベル数を26に固定する構成としたが、こ
れに限らず、DEM処理するサーモメータコードのレベ
ル数を設定により可変にする構成としてもよい。具体的
には、例えば、全体的にレベルの小さなディジタル信号
が与えられるような場合は、所定値を小さくなるように
設定し、逆に、全体的にレベルの大きなディジタル信号
が与えられるような場合は、所定値を大きくなるように
設定する。
【0108】また、上記第1および第2の実施の形態に
おいては、DEM処理部420を、入力するサーモメー
タコードのすべてのレベルの範囲をローテーションする
ように構成したが、これに限らず、入力したサーモメー
タコードの各レベルを複数の領域に分割し、各領域にお
いて、それらレベルの値を所定規則でローテーションす
るように構成してもよい。
【0109】さらに、上記第1および第2の実施の形態
においては、DEM回路400を、入力するディジタル
信号の値が“26”以下のときは、その下位26レベル
に対してDEM処理を行うように構成したが、これに限
らず、所定の範囲を複数設定しておき、入力するディジ
タル信号の値が所定の範囲内であるときは、その所定の
範囲に応じて設定したビット列に対してDEM処理を行
うように構成してもよい。
【0110】さらに、上記第1および第2の実施の形態
においては、本発明に係るマルチビット型D/A変換器
を、オーバーサンプリング方式のデルタシグマ型D/A
変換器100に適用したが、これに限らず、オーバーサ
ンプリング方式を用いない型のD/A変換器の前段に適
用してもよい。
【0111】さらに、上記第1および第2の実施の形態
においては、DEM処理部420のDEM処理として、
ローテーション方式によるものを採用したが、これに限
らず、他の方式によるDEM処理を採用してもよい。
【0112】さらに、上記第1および第2の実施の形態
においては、デルタシグマ変調器300および31レベ
ルA/D変換器720を、いずれも5ビットの出力分解
能で構成したが、これに限らず、2ビット以上の出力分
解能で構成してもよい。
【0113】さらに、上記第1および第2の実施の形態
においては、DEM回路400を、ディジタル信号D3
の下位26レベル以下すべての値に対してDEM処理を
行うように構成したが、これに限らず、ディジタル信号
3 の各ビットのうちあらかじめ設定した任意のビット
に対してDEM処理を行うように構成してもよい。例え
ば、ディジタル信号D3 の各ビットのうち、6ビットか
ら26ビットまでに対してDEM処理を行ってもよい
し、6ビットから12ビットまで、および20ビットか
ら26ビットまでに対してDEM処理を行ってもよい。
後者の場合、右周りに1ビットローテーションするとき
は、12ビットの値が20ビットにローテーションさ
れ、26ビットの値が6ビットにローテーションされ
る。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るマル
チビット型D/A変換器またはデルタシグマ型A/D変
換器によれば、従来に比して、D/A変換器の分解能を
増加させたときに、DEM処理の効果が低減するのを防
止することができるとともに、回路規模の増加を抑えて
製造することができるので、D/A変換器の分解能を増
加させても、製造コストの上昇を抑制することができ、
しかも高いS/N比を実現することもできるという効果
が得られる。
【0115】また、本発明に係る請求項6記載のマルチ
ビット型D/A変換器によれば、大振幅入力時であって
も、デルタシグマ変調器において、予測信号を入力信号
の変化に追従させることができるので、大振幅入力時の
発振を防止することができるという効果も得られる。
【0116】さらに、本発明に係る請求項12記載のデ
ルタシグマ型A/D変換器によれば、大振幅入力時であ
っても、D/A変換器からの予測信号を入力信号の変化
に追従させることができるので、大振幅入力時の発振を
防止することができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマルチビット型D/A変換器の実
施の形態を説明するためのブロック図である。
【図2】DEM回路400の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】ポストD/A変換器500の回路構成を示す回
路図である。
【図4】ポストD/A変換器500に供給するクロック
のタイミングチャートである。
【図5】デルタシグマ変調器300の構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】デルタシグマ変調器300の出力ヒストグラム
を示す図である。
【図7】DEM回路400の動作を説明するための図で
ある。
【図8】入力信号レベルの変化に対するS/N比の変化
特性を示すグラフである。
【図9】本発明に係るデルタシグマ型A/D変換器の実
施の形態を説明するためのブロック図である。
【図10】従来のデルタシグマ型A/D変換器を説明す
るためのブロック図である。
【図11】従来のDEM処理を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
100 デルタシグマ型D/A変
換器 200,900 インターポレーションフ
ィルタ 300,910 デルタシグマ型変調器 310 ループフィルタ 320 31レベル量子化器 330 ゲイン 400,920 ダイナミック・エレメン
ト・マッチング回路 410 変換部 420 DEM処理部 500,930 ポストD/A変換器 510 演算増幅器 520 クロック供給部 600,940 ポストLPF 700 デルタシグマ型A/D変
換器 710 フィルタ 720 31レベルA/D変換器 730 31レベルD/A変換器 740 ゲイン

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多ビットのディジタル信号に対してダイ
    ナミック・エレメント・マッチング処理を行うDEM処
    理部と、前記ダイナミック・エレメント・マッチング処
    理されたディジタル信号の各ビットに対応した複数の素
    子を作動させてアナログ信号を出力するD/A変換器
    と、を備えたマルチビット型D/A変換器において、 前記DEM処理部は、前記ディジタル信号の値が所定値
    以下のときは、前記複数の素子のうち、前記素子の総数
    よりも少ない個数の素子からなる素子群を対象として前
    記ダイナミック・エレメント・マッチング処理を行うよ
    うになっていることを特徴とするマルチビット型D/A
    変換器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記DEM処理部は、前記ディジタル信号をその値をサ
    ーモメータコードで表した第2のディジタル信号に変換
    する変換手段と、前記第2のディジタル信号の値が所定
    値以下のときは前記第2のディジタル信号の各ビットの
    うち前記所定値と等しい個数のビットからなるビット列
    に対して前記ダイナミック・エレメント・マッチング処
    理を行う処理手段と、を有することを特徴とするマルチ
    ビット型D/A変換器。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記処理手段は、前記ビット列を所定規則でローテーシ
    ョンするようになっていることを特徴とするマルチビッ
    ト型D/A変換器。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 前記所定値を可変としたことを特徴とするマルチビット
    型D/A変換器。
  5. 【請求項5】 請求項2及び3のいずれかにおいて、 所定の範囲を複数設定しておき、 前記処理手段は、前記第2のディジタル信号の値が前記
    所定の範囲内であるときは、当該所定の範囲に対応して
    設定した前記ビット列を対象として前記ダイナミック・
    エレメント・マッチング処理を行うようになっているこ
    とを特徴とするマルチビット型D/A変換器。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかにおいて、 前記ダイナミック・エレメント・マッチング処理の対象
    となる前記ディジタル信号を前記DEM処理部に出力す
    るデルタシグマ変調器を備え、 前記ディジタルシグマ変調器は、そのフィードバックゲ
    インが1以上に設定されていることを特徴とするマルチ
    ビット型D/A変換器。
  7. 【請求項7】 アナログ信号を積分する積分回路と、前
    記積分されたアナログ信号を多ビットのディジタル信号
    に変換するA/D変換器と、前記ディジタル信号に対し
    てダイナミック・エレメント・マッチング処理を行うD
    EM処理部と、前記ダイナミック・エレメント・マッチ
    ング処理されたディジタル信号の各ビットに対応した複
    数の素子を作動させてアナログ信号を出力するD/A変
    換器と、を備え、前記D/A変換器からのアナログ信号
    を、所定のフィードバックゲインで前記積分回路にフィ
    ードバックするようになっているデルタシグマ型A/D
    変換器において、 前記DEM処理部は、前記A/D変調器からのディジタ
    ル信号の値が所定値以下のときは、前記複数の素子のう
    ち、前記素子の総数よりも少ない個数の素子からなる素
    子群を対象として前記ダイナミック・エレメント・マッ
    チング処理を行うようになっていることを特徴とするデ
    ルタシグマ型A/D変換器。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記DEM処理部は、前記A/D変調器からのディジタ
    ル信号をその値をサーモメータコードで表した第2のデ
    ィジタル信号に変換する変換手段と、前記第2のディジ
    タル信号の値が所定値以下のときは前記第2のディジタ
    ル信号の各ビットのうち前記所定値と等しい個数のビッ
    トからなるビット列に対して前記ダイナミック・エレメ
    ント・マッチング処理を行う処理手段と、を有すること
    を特徴とするデルタシグマ型A/D変換器。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記処理手段は、前記ビット列を所定規則でローテーシ
    ョンするようになっていることを特徴とするデルタシグ
    マ型A/D変換器。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれかにおいて、 前記所定値を可変としたことを特徴とするデルタシグマ
    型A/D変換器。
  11. 【請求項11】 請求項8及び9のいずれかにおいて、 所定の範囲を複数設定しておき、 前記処理手段は、前記第2のディジタル信号の値が前記
    所定の範囲内であるときは、当該所定の範囲に対応して
    設定した前記ビット列を対象として前記ダイナミック・
    エレメント・マッチング処理を行うようになっているこ
    とを特徴とするデルタシグマ型A/D変換器。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれかにおい
    て、 前記フィードバックゲインは、1以上に設定されている
    ことを特徴とするデルタシグマ型A/D変換器。
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