JP3048452B2 - Ad変換器 - Google Patents

Ad変換器

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JP3048452B2
JP3048452B2 JP03314583A JP31458391A JP3048452B2 JP 3048452 B2 JP3048452 B2 JP 3048452B2 JP 03314583 A JP03314583 A JP 03314583A JP 31458391 A JP31458391 A JP 31458391A JP 3048452 B2 JP3048452 B2 JP 3048452B2
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M3/00Conversion of analogue values to or from differential modulation
    • H03M3/30Delta-sigma modulation
    • H03M3/39Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators
    • H03M3/412Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the number of quantisers and their type and resolution
    • H03M3/42Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the number of quantisers and their type and resolution having multiple quantisers arranged in parallel loops

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーバーサンプル型A
D変換器、特により高い変換精度を実現できるAD変換
器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、1ビット(2値)のAD・DA変
換手段を用いて従来より高精度のAD変換特性が得られ
るとして注目視されているAD変換器として、△−Σ変
調器に代表されるオーバサンプル型AD変換器がある。
これは、DA変換手段のアナログ回路素子の精度が低く
ても例えば16ビット程度の高精度のアナログ・デジタ
ル変換特性が得られる集積回路向きの高精度AD変換器
である。△−Σ変調器については、例えば湯川彰著「オ
ーバーサンプリング方式A/D・D/A変換技術(第1
回〜第6回)」日経エレクトロニスク、No.453−4
60、1989年の文献に示されている。
【0003】ここで、△−Σ変調器を用いたAD変換器
の構成を図14に示す。入力信号X1と1ビットDA変
換手段304から帰還されるアナログ信号との差を積分
器302により積分し、積分器出力を1ビットAD変換
手段303で比較判定し、デジタル信号を出力する。デ
ジタル出力は1ビットAD変換手段のデジタル信号をロ
ーパスフィルタ305に通過させることにより得られ
る。さて、この△−Σ変調器をAD変換器としてより高
精度化するために大きな2つの課題があげられている。
【0004】第1はS/N比を改善しようとして積分の
次数を3次以上に大きくした場合に、1ビットのDA変
換手段を用いたのでは、入力信号に出力信号が追随でき
ずに変換に不安定が生ずることである。これは多ビット
のDA変換手段を使用することで解決されることが知ら
れているが、そうすると、そのDA変換手段は例えば1
6ビット以上の高精度のアナログ回路素子を必要とする
こととなり、低精度の素子で構成できるというIC化に
とって重要な、△−Σ変調器本来の利点を失う。もし高
精度なアナログ回路素子を用いるのであれば、△−Σ変
調器形以外のAD変換器で十分ことが足りる。これにあ
えて△−Σ変調形AD変換器を用いれば、△−Σ変調形
AD変換器のメリットを損ねることになる。他に、IC
内部でトリミングなしに再現性良く実現できる16ビッ
ト精度のDA変換手段は殆ど1ビット(2値)の変換手
段に限られるからである。1ビットより多値の変換手段
では、たとえ16ビットの精度が実現できたとしても、
変換器の占有面積が過大になってしまう。
【0005】第2は、△−Σ変調器では、後段の積分器
ほど急速に出力電圧振幅が増大し、全体のダイナミック
レンジを損なう原因となることである。例えば1次の積
分を行う△−Σ変調器の場合、積分器の出力は最大入力
レンジの約2倍、2次の積分を行う場合は第1積分器の
出力は最大入力レンジの約2倍、第2積分器の出力は約
4倍の振幅まで歪みを生ずることなく発生できることが
必要となる。したがって、ダイナミックレンジは最大振
幅を生ずる部分で決定されてしまう。これも多ビットの
DA変換手段を使用することで解決されることが知られ
ているが、そうすると上記と同様の素子精度の問題を生
じてしまい、IC化する場合には高精度のAD変換器は
望めないことになる。
【0006】したがって、△−Σ変調器のS/N比を改
善しようとする場合、1ビットのDA変換手段だけを用
いる構成法が探求されてきた。そのような例としては、
吉留健、内村国治著「1bitオーバーサンプリングA
/D変換器の量子化雑音の低減」(昭和63年度電子情
報通信学会春季全国大会講演予稿集A−126)の文献
に示されている。この文献では、従来の1次および2次
の△−Σ変調器に1ビット分解能のDA変換手段が用い
られるのに対して、AD変換器としては多ビットの量子
化手段が用いられ、多ビット量子化手段と1ビットDA
変換器のビット数の差に起因する量子化雑音をディジタ
ル処理で除去する例が開示されている(図15参照)。
従って、この方法は、通常の1ビットのAD及びDA変
換器を用いる△−Σ変調器に比べてS/N比を改善する
ことができる利点がある。
【0007】しかし、この例においても、帰還ループを
構成するDA変換手段が1ビットで構成されており、後
段の積分手段ほど出力電圧振幅が増大するので、最大振
幅を生ずる部分で全体のダイナミックレンジが制限され
てしまう。このため、前述した第2の問題が解決されて
おらず、第1の問題も解決されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきた通り、
従来では△−Σ変調形のAD変換器では、後段の積分器
ほど急速に出力電圧振幅が増大し、全体のダイナミック
レンジを損なう原因となっていた。そこで、これを解決
するために帰還ループに設けられるDA変換器を多ビッ
トのもので構成する方法が考えられるが、多ビットのD
A変換手段は同じ回路規模の1ビットのDA変換手段よ
りも、個々の値の精度が低く、値の精度を得るためには
回路規模が膨大となってしまうという欠点があった。
【0009】本発明は、2個以上の積分器を含む△−Σ
変調形AD変換器において、高精度のDA変換手段を用
いることなく、安定性を確保できるAD変換器を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、アナログ信号
を積分する複数の積分手段を直列に接続し、この直列接
続された積分手段のアナログ出力をデジタル出力に変換
するAD変換手段と、このAD変換手段のデジタル出力
をDA変換手段によりアナログ出力に変換し、このアナ
ログ出力を前記複数の積分手段に帰還する複数の帰還ル
ープとからなるAD変換器において、前記複数の帰還ル
ープは量子化レベル数の異なるDA変換手段からのアナ
ログ出力を帰還し、前記直列接続された初段の積分手段
にアナログ出力を帰還するDA変換手段は、二段目以降
の積分手段にアナログ出力を帰還する帰還ループのDA
変換手段よりも量子化レベル数を小さく構成することを
特徴とするAD変換器、または、アナログ信号を積分す
る複数の積分手段を直列に接続し、この直列接続された
積分手段のアナログ出力をデジタル出力に変換するAD
変換手段と、このAD変換手段のデジタル出力をDA変
換手段によりアナログ出力に変換し、このアナログ出力
を前記複数の積分手段に帰還する複数の帰還ループとか
らなるAD変換器において、前記複数の帰還ループは量
子化レベル数の異なるDA変換手段からのアナログ出力
を帰還し、前記直列接続された最終段の積分手段にアナ
ログ出力を帰還するDA変換手段は、最終段より前の積
分手段にアナログ出力を帰還する帰還ループのDA変換
手段よりも量子化レベル数を大きく構成することを特徴
とするAD変換器を提供する。
【0011】
【作用】N個(Nは2以上の整数とする)の積分器と多
値のAD変換手段と量子化レベル数の異なる複数のDA
変換手段とを有するAD変換器であって、初段の積分器
に信号を帰還するDA変換手段の量子化レベル数が最も
小さいか、または最終段の積分器に信号を帰還するDA
変換手段の量子化レベル数が最も大きいことを特徴とす
る。
【0012】これによって、最もDA変換手段の精度の
影響が大きい初段の積分器を含む帰還ループの帰還信号
を最も高精度にして、AD変換器全体のS/Nを維持し
つつ、DA変換手段の値の精度の影響がより小さい最終
段の積分器を含む帰還ループの帰還信号を多値(3値以
上)とすることにより積分器の出力振幅を減少せしめ
る。
【0013】このような構成にすることにより、高精度
のDA変換手段を用いることなく、より大きな入力まで
歪まずに動作させることが可能となり、かつ安定動作を
確保することができる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。図
1は、本発明のAD変換器の基本構成を示す図である。
【0015】同図で、1は入力信号端子であって、ここ
から入力信号Xが印加される。2は第1の積分器、3は
第2の積分器、4はAD変換手段、6は第2のDA変換
手段、11は第1のDA変換手段をそれぞれ表してい
る。また15は、AD変換器4に供給されるクロック信
号を表している。ここで第1のDA変換手段11は2値
(1ビット)、第2のDA変換手段6は3値以上の多値
のものである。そこで多値のAD変換手段4の出力Y2
を第2のDA変換手段の入力とし、AD変換手段4の出
力のうちの符号ビット、例えばMSB(Most Sm
allBit)の1ビットY1をDA変換手段11の入
力として用いる。
【0016】さらに、AD変換手段4の出力Y2とMS
Bの1ビットY1とにより、デジタル信号処理を行なう
ことにより、量子化雑音を低減するためのデジタル信号
処理部を設ける。具体的には、AD変換手段4の出力Y
2とMSBの1ビットY1とを減算する減算器22と、
(Y1−Y2)をクロック遅延させる遅延手段23と、
遅延された(Y1−Y2)とY2を加算処理する加算器
24とで構成される。
【0017】このように、1段目の積分器への帰還信号
を2値とし、2段目以降の積分器への帰還信号をこれよ
りも大きな量子化レベル数(すなわち3値以上)とする
構成を採用することにより、AD変換器全体のダイナミ
ックレンジを改善しつつ、雑音を制御することが可能と
なる原理を以下に説明する。
【0018】図2には、雑音の発生源を仮想的に示した
モデルによる本発明の2次の△−Σ変調器の構成を示
す。但し、説明上、同図からはデジタル信号処理回路が
省かれている。
【0019】図2において、入力信号端子1には入力信
号Xが印加される。第1の積分器2は加算器18を介し
て第2の積分器3に接続され、この第3の積分器3の出
力端子は第2のAD変換手段4の入力端子に接続され
る。第2のAD変換手段4の出力端子は加算器21を介
して第2のDA変換手段6の入力端子に接続される。第
2のDA変換手段6の出力端子は加算器19を介して係
数器8の入力端子に接続され、係数器8の出力端子は加
算器18に接続される。第1のAD変換手段9の入力端
子は積分器3の出力端子に接続され、出力端子は加算器
20を介して第1のDA変換手段11の入力端子に接続
される。第1のデジタル出力端子13及び第2のデジタ
ル出力端子14をそれぞれ介して出力信号Y1およびY
2が出力される。クロックCKはAD変換手段4および
9に供給される。ここで第1のDA変換手段11は2値
(1ビット)の変換手段であり、第2のDA変換手段6
は3値以上の多値の変換手段である。また、説明の都合
上、第1と第2のAD変換手段4および9は別個のもの
として表してある。さて、DA変換手段11の出力は仮
想的に示され、この出力はDA変換手段11において発
生する歪みにより発生する雑音D1と加算器16で加算
され、この加算値が端子1から入力された信号Xから減
算され、第1の積分器2にて積分される。DA変換手段
6の出力が仮想的に示され、この出力はDA変換手段6
において発生する歪みにより発生された雑音D2と加算
器19で加算される。この加算値が係数器8で定数倍
(例えば2倍)され、その積が積分器2の積分値から減
算され、第2の積分器3へ入力される。第2の積分器3
の出力はAD変換手段4とAD変換手段9に入力され
る。AD変換手段9とAD変換手段4のデジタル出力
は、それぞれDA変換手段11に入力されて再びアナロ
グ信号に変換され、最終的にそれぞれ積分器2と3へ入
力され帰還ループを構成する。また、信号Q1と信号Q
2はそれぞれAD変換手段4の量子化雑音を表してお
り、仮想的に加算器20および21によりAD変換手段
20及び21の出力信号とそれぞれ加算される。また、
信号D2と信号D1はそれぞれDA変換手段6とDA変
換手段11において発生する歪みによる雑音を表してい
る。
【0020】積分器2および3が上記の△−Σ変調器に
広く用いられているスイッチトキャパシタ積分器で構成
されると、その伝達関数はZ-1/(1−Z-1)で表され
るから、このブロック図で表される系を表す式は次のよ
うになる。 Y1=[(X−Y1−D1){Z-1/(1−Z-1)} −2(Y2+D2)]{Z-1/(1−Z-1)}+Q1 …(1) Y2=[(X−Y1−D1){Z-1/(1−Z-1)} −2(Y2+D2)]{Z-1/(1−Z-1)}+Q2 …(2)
【0021】ただし、Z=exp(jωT)で、jは虚
数単位、ωは角周波数、Tはスイッチトキャパシタ積分
器のサンプリング周期で、通常クロック信号15のサン
プリング周期に等しい。また、この例ではAD変換器全
体の安定性確保のために、係数器8の係数を2としてあ
る。
【0022】(1)、(2)式をY1について解くと Y1=Z-2(X−D1)−2Z-1(1−Z-1)D2+ (1−Z-12 Q1+2Z-1(1−Z-1)(Q1−Q2) =Z-2(X−D1)−2Z-1(1−Z-1)D2+ (1−Z-2)Q1−2Z-1(1−Z-1)Q2 …(3) を得る。従来の構成、すなわちAD変換手段とDA変換
手段がそれぞれ1個づつ設けられている場合は、式
(3)でQ1=Q2=Q、D1=D2=Dと置けば良い
から、 Y1=Y2=Z-2(X−D)−2Z-1(1−Z-1)D+(1−Z-12 Q =Z-2X−Z-1(2−Z-1)D+(1−Z-12 Q …(4) となる。 式(4)から、次のことが分かる。従来の構成の場合の
雑音について1.従来の構成の場合は、よく知られてい
るように雑音信号Qは(1−Z-1なる2次の高域通
過特性を有するフィルタを通過して出力され、雑音信号
Dは−Z-1(2−Z-1)なる特性を有するフィルタを通
過して出力に現れることが分かる。したがって、Qの低
周波成分は大きな減衰を受けて出力に現れるが、Dの通
過するフィルタの振幅特性は角周波数ωが小さいとき、
ほぼ1となるからDの低周波成分はほぼそのまま出力に
現れてしまう。ゆえに、最終的に必要とするS/Nと同
等以上のS/NがD、すなわちDA変換手段の精度に要
求される。
【0023】式(3)からつぎのことが分かる。2.D
A変換手段の発生する歪みに起因する雑音について式
(3)の第1式から、D1は入力Xと同じ伝達特性でそ
のまま出力されるのに対して、D2は−2Z-1(1−Z
-1)なる1次の高域通過フィルタ特性を有するフィルタ
を通過して出力されることが分かる。
【0024】従って、Y1における雑音D2の低域雑音
への寄与はD1の寄与に比べて小さく、△−Σ変調器全
体のS/N劣化に対する責任は格段に少ない。これは角
周波数数ωが小さいとき(1−Z-1)の値も小さくなる
からである。ゆえに△−Σ変調器全体のS/NはD2で
なく、D1が支配している。言い換えると、最終的なS
/Nに与える影響からは、DA変換手段6の精度はDA
変換手段11に比べて低くてよい。
【0025】したがって、従来では、DA変換手段11
とDA変換手段6は別個のDA変換手段を用いるのでな
くて1つの2値DA変換手段を共用しているが、本発明
によれば、S/Nをほとんど劣化させることなくDA変
換手段6として多値のDA変換手段を使用できる。しか
し、D1はそのまま出力に現れるので、DA変換手段1
1には最終的に必要とするS/Nと同等以上のS/Nが
要求される。現在のIC製造技術ではトリミングなしで
得られるDA変換手段の精度は高々13ビット程度であ
るら、それ以上の精度が必要な場合は本発明においても
2値のDA変換手段を使う必要がある。
【0026】3.AD変換手段の量子化雑音の寄与につ
いて(3)式の第2式から、AD変換手段9の発生する
量子化雑音Q1は(1−Z-2)なる高域通過フィルタ特
性を通過して出力に現れ、AD変換手段4の量子化雑音
Q2は−2Z-1(1−Z-1)なる高域通過フィルタ特性
を有するフィルタを通過して出力に現れることが分か
る。雑音Q1は、項目1で説明した従来構成の変換器に
おいて発生する雑音Qと比べると、Qが2次の微分特性
で出力されるQ1は1次の微分特性で出力されるから、
従来の構成よりもかえって量子化雑音が増加し、量子化
雑音の低周波成分はQ1の方が多く出力に現れる。Q2
についても1次の微分特性で出力されるが、Q1が2値
のAD変換に伴う量子化雑音であるのに対してQ2は多
値のAD変換に伴う量子化雑音であるから、ビット数を
増加することによって容易に低減することができる。し
たがって、本発明の構成で従来よりも高いS/Nを得る
ためには、なんらかの方法で量子化雑音Q1の効果を低
減することが課題となる。
【0027】次に、問題の量子化雑音Q1の効果を低減
する方法について説明する。この方法の基本的な考え方
は、AD変換手段9が1ビットAD変換手段であり、A
D変換手段4が多ビットAD変換手段であることを利用
する。 まず、式(1)、(2)よりQ1を消去してつぎの量を
計算する: Y1−(1−Z-2)(Y1−Y2)=Z-2(X−D1)
− 2X-1(1−Z-1)D2+(1−Z-12 Q2
…(5)
【0028】式(5)の右辺は式(4)の第1式右辺と
同じ形をしているが、Qの代わりにQ1よりも小さいQ
2が現れており、第1項にはDの代わりにD1が現れ、
第2項にはDの代わりにD2が現れている。即ち、本発
明の構成を用いて式(5)の左辺の量を計算することに
より量子化雑音を従来の構成よりも格段に低減すること
ができる。また、D1に比べてD2は必ずしも小さくは
ないが、D1がそのまま出力となるのに対してD2は1
次の高域通過フィルタを通って出力されるためD2の出
力雑音に対する寄与は格段に少ない。
【0029】なお、式(5)の左辺は全て直接デジタル
量として出力端子から得られる量をデジタル演算して得
られる量であるのに対して、右辺の量は全てアナログ量
をアナログ演算して得られる量であって、入力信号X以
外は外部から直接観測できない量から成っていることに
注意する。一方、Y1とY2は共に第2の積分器3の出
力信号をAD変換したデジタル信号であるからY2のM
SB(符号ビット)がY1そのものに相当する。したが
って、Y1とY2は共に多ビットのAD変換4の出力か
ら得ることができるので、実際上は別に1ビットのAD
変換手段9を設ける必要はない。もし個別に1ビットの
AD変換手段9を設けたとすると、その出力と多ビット
のAD変換手段4のMSB出力はオフセットその他精度
の問題から常には一致しないと考えられるので、むしろ
Y1とY2は共に多ビットのAD変換手段4の出力から
得るほうが望ましい。 なお、式(5)の左辺の例えば次式のように変形でき
る: Y1−(1−Z-2)(Y1−Y2)=Z-2Y1 +(1−Z-2)Y2=Y2+Z-2(Y1−Y2)したが
って、実際に式(5)の左辺を計算するには、目的によ
って、例えばデジタル演算のハードウェアが少なくなる
実現法を与える計算式を選べば良い。
【0030】以上を要するに、定性的にいえば、第1の
DA変換手段にはできるだけD1の少ないDA変換手段
を使用し、第2のDA変換手段は、D2はともかく、で
きるだけQ2の少ないDA変換手段を使用することによ
って、低量子化雑音かつ低歪みの△−Σ変調型AD変換
器が実現できるということが明らかになった。
【0031】このようにAD変換手段4とDA変換手段
6として多値の変換器を用いる本発明の構成により、第
2の積分回路3の出力振幅を低減することができる。さ
らに、本発明の構成では、加算器22と遅延器23と加
算器24とによりデジタル信号処理を行うことにより、
出力25における量子化雑音を従来の構成に比べて低減
することができる。以上では簡単のために図1で係数乗
算器8の係数を2として説明したが、次に、係数が任意
の値μである場合について説明する。先の計算と同様の
仮定を設けて計算すると、図1のブロック図で表される
系を記述する式は次のようになる: Y1={(X−Y1−D1){Z-1/(1−Z-1)} −μ(Y2+D2)]{Z-1/(1−Z-1)}+Q1…
(6) Y2=[(X−Y1−D1){Z-1/(1−Z-1)} −μ(Y2+D2)]{Z-1/(1−Z-1)}+Q2…
(7) Y1−Y2=Q1−Q2であることに注意して式(1)
からQ1を消去すると次式を得る: z-2Y1−(1−z-1){1−(1−μ)z-1}Y2 =z-2(X−D1)−μz-1(1−z-1)D2+(1−
-12 Q2 …(8)
【0032】従って、前の例と同様に式(8)の左辺を
計算してやれば雑音を打ち消して1ビットの量子化雑音
Q1よりも小さい多ビットの量子化雑音Q2が最終的な
△−Σ型AD変換器の出力に現れることとなり、精度の
向上を図ることができる。ここで、左辺の量は全てデジ
タル量からデジタル的に計算できることも前の例と同じ
である。次に、係数μを含む2次の△−Σ型AD変換器
の構成を表すブロック図を図3に示す。
【0033】同図で、1は入力信号端子であって、ここ
から入力信号Xが印加される。2は第1の積分器、3は
第2の積分器、また31は多値(例えば3値以上、Nビ
ット)のAD変換手段、32は多値(例えば3値以上、
Nビット)のDA変換手段、33は2値(1ビット)の
DA変換手段をそれぞれ表している。AD変換手段31
の出力Y2を多値のDA変換手段32の入力とし、AD
変換手段31の出力Y2のうちの符号ビット、例えばM
SB(Most Small Bit)の1ビットを2
値のDA変換手段33の入力Y1として用いる。
【0034】さらに、AD変換手段31の出力Y2とそ
の出力Y2のMSBの1ビットY1とにより、デジタル
信号処理を行なうデジタル信号処理部40の構成を示
す。AD変換手段31の出力Y2は遅延器34により遅
延され、遅延器34の出力は1クロック後のAD変換手
段31の出力Y2の反転信号と加算器35により加算さ
れる。この加算器35の出力は、係数器36により(1
−μ)倍され遅延器37により遅延された1クロック前
の加算器35の出力の反転信号と、加算器38により加
算される。一方Y2のMSBの1ビットY1は、遅延器
41により2クロック遅延された後、加算器39により
加算器38の出力と加算されて出力信号を出力する。
【0035】このように、1段目の積分器への帰還信号
を2値とし、2段目以降の積分器への帰還信号を多値
(3値以上)とする構成を採用することにより、入力信
号のダイナミックレンジを改善しつつ、デジタル信号処
理部により量子化雑音を制御することが可能となる。
【0036】ところで、上記のμの値だけはアナログ回
路の素子値に依存して決まっているので、デジタル信号
処理で想定したμの値が、実際にアナログ回路として実
現されているμの値と必ずしも一致するとは限らない。
そこで、次にμがμ+△μに変化した場合の影響につい
て検討する。式(8)においてμが△μだけ変化したと
すると、対応する変化は −(1−z-1)△μz-1Y2 …
(9) となり、想定した値(=設計値)と実際の値が△μだけ
異なると、これだけの雑音が余計に信号に加わることと
なる。
【0037】ここで△μ/μの値は積分器の係数誤差に
相当するが、例えば積分器として一般的なスイッチトキ
ャパシタ積分器を使用するものとすれば、現状の技術で
△μ/μの値は0.1%(=−60dB)程度の値が容易
に得られる。また(1−z-1)の項の寄与は1次の△−
Σ型A/D変換器の量子化雑音と同様に見積もることが
でき、例えば16ビットの精度が必要なデジタルオーデ
ィオを例にとると、256倍程度のオーバーサンプリン
グ比が必要になるので、この項の寄与による雑音は信号
帯域全体で約−50dBになる。
【0038】従って、フルスケールに相当するY2が入
力されたとすると、△μによる雑音は、フルスケールの
約110dB下のレベルに現れる。例えば16ビット場合
はS/N比が約96dBであるから、この程度の雑音の増
加は無視できる。従って、本発明を適用する場合には、
係数器の誤差による雑音の増加は無視できる程度である
ことが明らかとなった。
【0039】図4は本発明の第1の実施例の効果を説明
するための図で、従来2次の△−Σ変調器で問題となっ
ていた第2の積分回路の出力信号波形を、従来の1ビッ
トAD・DA変換手段を用いた場合と本発明とを比較し
たシミュレーション結果を示している。同図で、横軸は
正規化した時間、縦軸は出力振幅である。同図の(a)
は入力信号波形を示し、(b)は本発明でAD変換手段
と第2のDA変換手段を9値とし、第1のDA変換手段
を2値とした場合のAD変換器の出力波形を、(c)は
AD・DA変換手段として2値の変換器を用いた場合の
第2の積分器を用いた場合のAD変換器の出力波形を示
している。同図(b)と(c)の比較から、第2の積分
器の出力振幅の最大値が約1/2に低減されており、雑
音の増加を制御することが可能であり、第2のDA変換
手段が9値の場合でも本発明の効果は明らかであること
がわかる。
【0040】図5は、本発明の図1の構成で得られるA
D変換出力のスペクトルをシミュレーションによって求
めた結果である。同図で縦軸は出力デジタル値のスペク
トルをデジタルで表し、横軸はサンプリング周波数で正
規化した周波数を示している。同図から、DA変換手段
6の量子化レベル数が5値(a)および29値(b)の
場合について従来の2値(c)の場合と比べて雑音成分
がそれぞれ約15dBと30dB程度改善されていることが
分かる。
【0041】なお、同図の線スペクトルは振幅0.5V
の正弦波入力信号によるスペクトルであり、それ以外は
全て雑音成分と見做される。ただし、このシミュレーシ
ョンは、AD変換手段の入力フルスケールを±2Vと
し、この間を5値ないし29値に量子化して行った。ま
た、DA変換手段11の出力は±1Vの2値とし、DA
変換6はA/D変換手段のデジタル出力をそのままアナ
ログ値に変換している。従って、本実施例のAD変換器
では、入力のフルスケールが±1Vに相当する。また、
AD変換手段9とDA変換手段6の量子化レベル数を増
加すると、第2の積分器の出力は第1の積分器の出力に
近付くので、両積分器の飽和レベルを揃えることがで
き、回路設計上好都合である。さらに、AD変換手段9
とDA変換手段6のフルスケールをDA変換手段11の
フルスケールよりも大きく設定することにより、入力X
がフルスケールに近くなっても、従来の2値DACのみ
を用いた△−Σ変調器を用いたAD変換器とは異なり、
歪みの増加を少なく抑えることができる利点が有る。
【0042】図6は本発明のこの利点を説明するための
図であって、横軸は入力信号電圧、縦軸はAD変換され
たデジタル値のS/Nを表している。同図から明らかな
ように、従来の2値のDA変換手段のみを用いた場合に
比べて、本発明による第2のDA変換手段に多値の変換
器を用いて、さらにそのフルスケールを2値の第1のD
A変換手段のフルスケールの2倍とした場合は、総合の
S/Nが改善されるばかりでなく、従来の△−Σ変調器
を用いたAD変換器に特徴的な大入力時のS/Nの飽和
も改善できることが分かる。
【0043】AD変換手段4とDA変換手段6のフルス
ケールをDA変換手段11のそれよりも大きく設定する
事によって大入力時の歪みを改善できるのは以下の理由
による。従来の技術の問題点で述べた第2の問題点、す
なわち、第1積分器の出力は最大入力レンジの約2倍ま
で振れるので、AD変換手段4はこれに対応できるフル
スケールを有している必要がある。例えば図1、図2、
図3及び後に示される図7等の複数の帰還ループを含む
構造の△−Σ型AD変換器では、最大入力レンジは最も
外側の帰還ループに含まれるDA変換手段11のフルス
ケールにより制御されるので、AD変換手段4は少なく
ともDA変換手段11のフルスケールの約2倍のフルス
ケールを有する事が必要であり、DA変換手段6のフル
スケールもこれに対応させる必要がある。
【0044】一方、従来の構成であるDA変換手段に全
て2値、すなわち1ビットのDA変換手段を用いるタイ
プでは、AD変換手段も2値、すなわち1ビットであ
る。すなわち、積分器の出力の符号(極性)だけを判定
すれば良いわけであるから、AD変換手段のフルスケー
ルというもの自体の意味がないため、これに対応して1
ビットのDA変換器のフルスケールは適当に定められて
おり、そのフルスケールに等しい最大入力レンジを有す
る△−Σ型AD変換器が得られていた。
【0045】以上の事情から単にAD変換器の量子化レ
ベル数を増やすだけでは実際上十分でなく、本実施例の
如くそのフルスケールを第1積分器の最大出力に対して
も飽和しないよう、最も外側の帰還ループに含まれるD
A変換手段11のフルスケールよりも大きく設定しなけ
ればならない事がわかる。
【0046】図7は、本発明の3次の△−Σ型AD変換
器の実施例の構成を説明するためのブロック図である。
同図に示した通り入力X1は、加算器17を介して積分
器2に入力される。この積分器2の出力は、加算器18
を介して積分器3に入力される。積分器3の出力は加算
器27を介して積分器26に入力された後、AD変換手
段4によりAD変換される。このAD変換された信号
は、DA変換手段6とDA変換手段11を介してフィー
ドバックされる。ここでDA変換手段6の量子化レベル
数はDA変換手段11よりも大きく構成するものとし、
例えば、DA変換手段11の量子化レベル数が2値の場
合にDA変換手段6の量子化レベル数は3値以上とす
る。また、AD変換手段4の出力信号がそのMSBから
減算器22により減算され、減算器22の出力信号が遅
延器23に入力される。減算器22の出力信号は遅延器
23により3クロックだけ遅延され、その遅延信号とA
D変換手段4の出力信号とが加算器24で加算され、加
算器24から出力25が得られる。
【0047】一般に、高次の△−Σ変調器は高精度のA
D変換を実施するために用いられるにもかかわらず、こ
れに用いる多値のDA変換手段の精度が最終的に必要な
精度以上でないと、雑音はノイズシェイピングの作用で
改善することができるが、歪みはシェイピングされない
ので、歪を低減することが出来ず、全体としては必要な
精度が結局実現できないという矛盾した結果となる。
【0048】さて、図7の3次△−Σ変調器は、図1に
示した2次の△−Σ変調器とは積分器26が増加した点
が異なる。即ち、この実施例では、3個の積分器が使用
されている。従って、帰還ループの安定性を確保するた
め、係数器28および29の係数を適切な値に定めてお
く必要がある。
【0049】本実施例では、第1積分器に対する帰還信
号が2値のDA変換手段11から供給され、第2および
第3の積分器3および26に対する帰還信号が多値(3
値以上)のDA変換手段6から供給される。この様にす
ることによって、最も高精度が要求される第1積分器2
へ帰還信号を供給するDA変換手段11として集積回路
上でも容易に高精度で実現できる2値の変換器が使用で
きる。このとき、第2および第3の積分器3および26
に帰還信号を供給する多値DA変換手段6は、第1の実
施例で説明したのと同様の事情により値の精度に対する
要求が大幅に緩和されるので、積分器の出力振幅を効果
的に抑制することができる。
【0050】図1と、同様に、DA変換手段11の誤差
を表す信号をD1、DA変換手段6の誤差を表す信号を
D2、AD変換手段4の多値AD変換手段としての量子
化雑音をQ2、2値AD変換手段としての量子化雑音を
Q1とし、AD変換手段4の多値AD変換手段としての
デジタル出力をY2、2値AD変換手段としてのデジタ
ル出力をY1とすると、前と同様にQ1を打ち消すと次
式が得られる。 z-3Y1+(1−z-3)Y2=z-3(X−D1) −3z-1(1−z-2)D2+(1−z-13 Q2
…(10) 従って、右辺(出力)の量子化雑音は2値のAD変換手
段の雑音Q1より小さいQ2とする事ができ、多値のD
A変換手段6の誤差は前記と同様に1次のハイパスフィ
ルタを通過し、減衰して出力されるので、その影響は少
なくなる。なお、この実施例では、係数乗算器28およ
び29の利得は安定性を考慮して各々3倍に設定されて
いる。
【0051】さて、勿論、この式(10)も適宜デジタ
ル信号処理の演算量が減るように変形して実現すればよ
く、例えば、同式は、 Y1−(1−z-3)(Y1−Y2)=Y2+z-3(Y1
−Y2)…(11) に変形できるから、この式(11)は図7のデジタル信
号処理回路50によって実現することができる。ただ
し、遅延器23は、図2の2つの積分器を有する回路で
は2クロック遅延(z-2)だったのに対し、図7の本実
施例では3クロックの遅延(z-3)となる。
【0052】また、デジタル信号処理回路50への入力
は、Y1とY2が示されているが、Y1はY2の一部で
あるので、実際はY2のみを入力すれば十分であること
も当然であり、この事は図1のデジタル信号処理回路5
0のデジタル信号処理部についても同様である。さら
に、AD変換手段4とDA変換手段6のフルスケール
を、DA変換手段11のフルスケールよりも大きく設定
する事により過負荷付近のS/N低下を改善できる事も
図1の例と同様である。
【0053】最終的なデジタル出力を得るためには、第
1の実施例と同様に、多値AD変換手段4の出力(Y2
とする)とその符号ビット、例えばMSB(Y1とす
る)を用いて、Y1−(1−z-3)(Y1−Y2)なる
量をデジタル的に演算すればよい。 もちろん第3積分
器26への帰還信号はさらに量子化レベル数の多い第3
のDA変換手段を導入して供給してもよいが、はじめか
ら第2のDA変換手段が十分に多値化されておいてよ
い。しかし、これは、後続のデジタル処理部の複雑化と
第3のDA変換手段のハードウェア(=占有する面積)
が増大することを考慮すると、総合的にみて必ずしも有
利とはいえない。
【0054】また、これまでの議論から、図8に示した
ように第1および第2の積分器への帰還信号を2値、す
なわち1ビットとし、第3積分器26への帰還信号を多
値、例えば多ビットのDA変換手段6から与えても良い
のは当然である。これを数式で説明すると次のようにな
る。
【0055】図2の例と同様に、DA変換手段11の誤
差を表す信号をD1、DA変換手段6の誤差を表す信号
をD2、DA変換手段4の多値AD変換手段としての量
子化雑音をQ2、2値変換器としての量子化雑音をQ1
とし、AD変換手段4の多値AD変換手段としてのデジ
タル出力をY2、2値AD変換手段としてのデジタル出
力をY1とすると、前と同様にQ1を打ち消すと次式を
得る。 z-2(3−z-1)Y1 −(1−z-12 (1−2z-1
2 =z-3(X−D1 )−3z-2(1−z-1)D1 −3
-1(1−z-12 2+(1−z-13 2
【0056】従って、右辺(出力)の量子化雑音は2値
のAD変換手段の雑音Q1より小さいQ2とすることが
でき、多値のDA変換手段6の誤差は2次のハイパスフ
ィルタを通過し、減衰して出力されるので、その影響は
前の例より更に少なくなる。このとき、上式で右辺第2
項は2値のDA変換手段の誤差であるから、無視できる
程度に小さな値が実現できる。しかし、第2積分器3の
出力振幅が低く抑えられず、従って第3積分器26の出
力振幅も第2積分器3のそれと同程度に抑えられるに過
ぎなくなり、図7に示す実施例と比べると歪が増加する
欠点がある。また、この場合のデジタル信号処理回路4
0は図9に示すように構成が複雑になってしまう。しか
し、反面、第1、第2積分器2および3には誤差の極め
て少ない2値のDA変換手段11を使用するため、第2
積分器3、第3積分器26に多値のDA変換手段を使用
する場合に比べてDA変換手段の誤差に基づく雑音を低
減することができる利点がある。
【0057】次に本願発明の3次以上のAD変換器の構
成の一般形を図10に示す。この実施例の構成は以下の
ようになる。入力X1と複数の積分器101、102…
103とが加算器111、112…113を介して直列
に接続され、最終段の積分器103の出力は、複数のA
D変換手段121、122…123に入力される。それ
ぞれのAD変換手段121、122…123は、DA変
換手段131、132…133と係数器141、142
…143の直列回路により各々形成される複数の帰還ル
ープFBL1 、FBL2 …FBLN をなし、これらの帰
還ループの帰還信号は加算器111、112…113に
入力され、減算処理される。また各AD変換器121、
122…123からの出力はデジタル信号処理部40に
入力されここで量子化誤差の低減処理等を行なった後、
デジタル信号を出力する。
【0058】ここで、DA変換手段131、132…1
33の量子化レベル数は、内側の帰還ループを構成する
ものが、外側の帰還ループを構成するものよりも小さく
ならないよう構成する。例えば、一番外側の帰還ループ
FBL1 のDA変換手段の量子化レベル数が1ビットで
構成された場合に、内側の帰還ループFBL2 …FBL
N のDA変換器の量子化レベル数はFBL1のDA変換
手段の量子化レベル数と等しい(1ビット)か、または
これよりも大きい量子化レベル数に設定される。逆に最
も内側の帰還ループFBLN を構成するDA変換手段の
量子化レベル数が3値以上である場合には、外側の帰還
ループFBLN-1 …FBL2 の量子化レベル数はFBL
N のDA変換手段の量子化レベル数と等しいか、これよ
りも小さい量子化レベル数に設定される。
【0059】図10に示す実施例の別の構成例を図11
に示す。これは、特に帰還ループを2つ設けた例であ
り、外側の帰還ループを1ビットのDA変換手段201
で構成し、内側のDA変換手段202を多値のDA変換
手段で構成し、2段目以降の加算器の入力は、複数の係
数器を介して多値のDA変換手段の出力を用いて構成し
た例である。この場合には、多値のAD変換手段203
の出力Y2を多値のDA変換手段202の入力とし、Y
2の符号ビット(例えばMSB)を2値のDA変換手段
201の入力とする。デジタル信号処理部40は、2値
のDA変換手段201への入力Y1、多値のDA変換手
段202への入力Y2を処理し、量子化誤差の低減を行
なうものとする。
【0060】上記のように、△−Σ型AD変換手段の複
数の帰還ループのうち、外側よりも内側の帰還ループ
に、より量子化レベル数の大きいDA変換手段を割り当
てるやり方には自由度があるが、いずれを選ぶかは設計
時の選択の範囲に属することであって、与えられた仕様
と実現可能性を考慮して決定すればよい。
【0061】さらに4次以上の高次の場合も、同様に第
1積分器に対する帰還信号だけを2値の局部DA変換手
段から供給し、第2積分器以降に対する帰還信号は(必
ずしも1つに限らないが)多値の局部DA変換手段から
供給することにより、高精度と安定性を両立させること
ができるのは明らかである。
【0062】説明の都合上、積分器2および3等にはス
イッチトキャパシタ積分器を使用するものとしてz変換
で表される離散値系の伝達関数を考えてきたが、これら
はラプラス変換の変数sで表される通常のアクティブR
C積分器など、連続値系の積分器を用いても構成するこ
とができる。
【0063】さらに、第1の積分器に対する帰還信号を
2値の局部DACから供給する例を説明してきたが、実
際には必ずしも2値である必要はなく、要するに高精度
の局部DA変換手段であればよい。実際、集積回路上で
は2値の他に3値のDA変換手段も容易に高精度で実現
できる。たとえば、±1Vと0Vからなる3値のDA変
換手段は図12の回路で実現できる。同図で基準電圧源
232は1Vとする。はキャパシタ230および231
は簡単のために等しい値とする。アナログスイッチ23
4および240は、たとえば図13のように制御され
る。
【0064】すなわち、+1Vの出力が必要な時は、ほ
ぼデューティー比1:1でオン・オフが周期的に制御さ
れているスイッチ235がオフの時(スイッチ240は
235とオン・オフが逆になるよう制御されているもの
ととする)にスイッチ234と238をオンにし、他を
オフにする。続いてスイッチ235がオンになる区間で
スイッチ237だけをオンにし、他はオフにする。この
ようにすると、キャパシタ230は一旦図で右側の電極
が+となるように充電され、続いてスイッチ235がオ
ンとなると、その電荷はキャパシタ231に全て転送さ
れ、演算増幅器233の出力234は+1Vになる。
【0065】0Vの出力が必要な時は、スイッチ235
がオフの時にスイッチ234と239をオンにし、他を
オフにする。続いてスイッチ235がオンになる区間で
スイッチ237だけをオンにし、他はオフにする。この
ようにすると、キャパシタ230は充電されず、続いて
235がオンとなると、転送されるべき電荷がないか
ら、すでにスイッチ240によって放電されていたキャ
パシタ231には電荷が転送されず、演算増幅器233
の出力234は0Vになる。
【0066】−1Vの出力が必要な時は、スイッチ23
5がオフの時にスイッチ234と239をオンにし、他
をオフにする。続いてスイッチ235がオンになる区間
でスイッチ236だけをオンにし、他はオフにする。こ
のようにすると、キャパシタ230は図で左側の電極が
基準電源232の+の端子に接続され、右側の電極が演
算増幅器233の仮想接地の反転入力端子に接続され
る。キャパシタ230は初め放電状態にあったから、基
準電源232からキャパシタの左側電極が+1V、右側
電極が0Vになるまで充電され、その充電電流はキャパ
シタ231に積分される。両キャパシタの値が等しいの
で、出力端子234には−1Vが出力される。実際に
は、スイッチ234、236、235、237および2
39の開閉はAD変換手段の出力から3値の信号を構成
し、これで制御するように理論回路を作っておけば良
い。また、スイッチ235、240はクロック信号15
から直接得ることができる。
【0067】このようにすることにより、演算増幅器が
オフセットを持っている場合でも、+1Vと0Vと−1
Vに相当する3値の間隔は、高い精度で1Vに保つこと
ができ、非常に低歪み率の3値DA変換手段を集積化す
ることができる。さらに、演算増幅器233には各積分
器に用いる演算増幅器を使用することができるので特別
に演算増幅器を用意する必要はなく、その場合は積分器
がリセットされることがないのでスイッチ240も必要
ない。また、スイッチ234を接地電位でなく、前段の
積分器の出力などの信号に接続することにより、局部D
A変換手段と加算器を兼ねることができるのはいうまで
もない。当然、0Vを出力せず+1Vと−1Vだけを出
力させれば2値のDA変換手段を得る。この時はスイッ
チの制御信号をAD変換手段の出力の符号ビットで制御
するように論理回路を作っておけば良いことも当然であ
る。
【0068】本発明によれば、2個以上の積分器を含む
△−Σ変調型のAD変換手段では、従来から用いられて
いる素子を使用したとしても従来以上に高精度なAD変
換手段を提供することができる。
【0069】特にDA変換手段及び多値AD変換手段の
量子化レベル数をより外側の帰還路の2値DA変換手段
の量子化レベル数よりも大きな値に設定することで、過
負荷状態近くまでS/Nの低下の生じないAD変換手段
が実現できる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
Δ−Σ型AD変換器において、高精度のDA変換手段を
用いることなく、より大きな入力まで出力が歪むことな
く動作をさせることが可能で、かつ安定動作を確保する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のAD変換器の基本構成を示す図
【図2】 本発明のAD変換器の動作原理を説明するた
めの図
【図3】 係数器を含むAD変換器の実施例を示す図
【図4】 本発明のAD変換器のノイズ低減効果を説明
するための図
【図5】 本発明のAD変換器の出力スペクトルを示す
【図6】 本発明のAD変換器のS/N改善を説明する
ための図
【図7】 本発明のAD変換器の別の実施例を示す図
【図8】 本発明のAD変換器の別の実施例を示す図
【図9】 図8に示す実施例のデジタル信号処理部の構
成例を示す図
【図10】 本発明のAD変換器の別の実施例を示す図
【図11】 本発明のAD変換器の別の実施例を示す図
【図12】 本発明の局部DA変換手段の構成例を示す
【図13】 スイッチの制御信号例を示す図
【図14】 従来のAD変換器の構成を示す図
【図15】 従来のAD変換器の構成を示す図
【符号の説明】
2、3、26、101、102、103、302…積分
器 6、11、32、33、131、132、133、20
1、202、304…DA変換手段 4、121、122、123、203、303、306
…AD変換手段 17、18、22、24、27、35、38、111、
112、113、301、307…加算器 23、24、39…遅延器 40…デジタル信号処理部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アナログ信号を積分する複数の積分手段を
    直列に接続し、この直列接続された積分手段のアナログ
    出力をデジタル出力に変換するAD変換手段と、このA
    D変換手段のデジタル出力をDA変換手段によりアナロ
    グ出力に変換し、このアナログ出力を前記複数の積分手
    段に帰還する複数の帰還ループとからなるAD変換器に
    おいて、前記複数の帰還ループは量子化レベル数の異な
    るDA変換手段からのアナログ出力を帰還し、前記直列
    接続された初段の積分手段にアナログ出力を帰還するD
    A変換手段は、二段目以降の積分手段にアナログ出力を
    帰還する帰還ループのDA変換手段よりも量子化レベル
    数を小さく構成することを特徴とするAD変換器。
  2. 【請求項2】アナログ信号を積分する複数の積分手段を
    直列に接続し、この直列接続された積分手段のアナログ
    出力をデジタル出力に変換するAD変換手段と、このA
    D変換手段のデジタル出力をDA変換手段によりアナロ
    グ出力に変換し、このアナログ出力を前記複数の積分手
    段に帰還する複数の帰還ループとからなるAD変換器に
    おいて、前記複数の帰還ループは量子化レベル数の異な
    るDA変換手段からのアナログ出力を帰還し、前記直列
    接続された最終段の積分手段にアナログ出力を帰還する
    DA変換手段は、最終段より前の積分手段にアナログ出
    力を帰還する帰還ループのDA変換手段よりも量子化レ
    ベル数を大きく構成することを特徴とするAD変換器。
  3. 【請求項3】前記複数の帰還ループにアナログ出力を帰
    還するDA変換手段のうち、量子化レベル数の小さいD
    A変換手段に起因する量子化雑音の影響を除去するデジ
    タル信号処理部を設けたことを特徴とする請求項1また
    は2記載のAD変換器。
  4. 【請求項4】前記AD変換手段は、前記直列接続された
    最終段の積分手段のデジタル出力のフルスケール値より
    も大きなフルスケール値を備えたことを特徴とする請求
    項1または2記載のAD変換器。
  5. 【請求項5】前記AD変換手段は、前記直列接続された
    初段の積分手段に信号を帰還する帰還ループにアナログ
    出力を帰還するDA変換手段のアナログ出力のフルスケ
    ール値よりも大きなフルスケール値を備えたことを特徴
    とする請求項1または2記載のAD変換器。
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