JP2000076535A - 自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビネット内部に商品を前後方向に並べて
収納するコラムが複数配設された自動販売機において、
マニピュレータの如く商品を掴み出す動作をすることな
くコラムから商品を取出すことができ、商品の搬送スピ
ードの速いものを提供する。 【解決手段】 最前列の商品Ｓ１が載置されるコラム前
端部２２ａが左右両側部において切欠かれ、商品搬送手
段３６がこの切欠部に対応する形状を有して商品の左右
両側部を支持する商品保持台４４を有し、コラム２２か
ら商品Ｓ１を取出す際に、商品保持台４４が、後方に移
動した状態でコラム前端部２２ａに下方から進入して最
前列の商品Ｓ１をすくい上げる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動販売機に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】コーヒ
ーやジュース、お茶等の飲料缶や飲料瓶等の商品を販売
する自動販売機においては、商品を前後方向に並べて収
納するコラムをキャビネット内に複数配し、これらコラ
ムの前方に配した商品搬送手段により各コラムに並べら
れた商品を先頭から順次に商品取出口に搬送するものが
ある。

【０００３】このような自動販売機の商品搬送手段とし
て、コラムから商品を掴み出すマニピュレータを用いる
ことがある。このマニピュレータは、指定されたコラム
の前面まで移動した後、その腕部を後方に移動させて最
前列の商品を掴み、その状態で上方に移動して腕部を後
方に移動させることにより、コラムから商品を取出す動
作を行なう。

【０００４】このように商品搬送手段としてマニピュレ
ータを用いる場合、商品を取出す際の動作を多いため、
商品の搬送スピードが遅いという問題がある。また、マ
ニピュレータは商品を掴むためのモータを必要とするた
め重量が重く、このことも搬送スピードが遅くなる要因
となるとともに、マニピュレータ自体を移動させるため
のモータによる駆動時の負荷が大きいという問題があ
る。

【０００５】そこで、本発明は、第１に、マニピュレー
タの如く商品を掴み出す動作をすることなくコラムから
商品を取出すことができ、商品の搬送スピードの速い自
動販売機を提供することを目的とする。

【０００６】一方、上記のような自動販売機において
は、商品収納室内を冷温室と加温室のように２つの温度
帯に分け、冷温と加温の割合を季節に応じて変更するこ
とがある。従来、このような場合、図１２に示すよう
に、商品収納室１００内を複数の固定式の断熱仕切１０
１，１０１で区切り、個々の部屋１０２，１０３，１０
４を冷温又は加温設定することで、冷温室と加温室の割
合を変更している。

【０００７】しかしながら、かかる構成では、冷温室と
加温室の割合を細かく設定しようとすると、その分、断
熱仕切が多くなってしまい、各部屋を冷温又は加温に設
定するのが面倒となる。また、断熱仕切を１枚しか設け
ない場合、冷温室と加温室の割合を変更することができ
ず、消費にきめ細かく対応することができない。

【０００８】そこで、本発明は、第２に、１枚の断熱仕
切板で冷温室と加温室の割合を変更することができる自
動販売機を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記第１の目的に対応す
る本発明の請求項１記載の自動販売機は、商品を前後方
向に並べて収納するコラムが、自動販売機のキャビネッ
ト内部に上下及び左右にそれぞれ複数配設され、各コラ
ムの商品を商品取出口に搬送する商品搬送手段が、これ
ら複数のコラムの前方において上下及び左右に移動可能
に配されており、商品販売時に、商品搬送手段が、１の
コラムの前面に移動して当該コラムの最前列に並んでい
る商品を得て、その商品を保持した状態で商品取出口ま
で移動して商品取出口に搬送する自動販売機において、
各コラムの最前列の商品が載置されるコラム前端部の商
品載置面が左右両側部において切り欠かれており、商品
搬送手段が、この切欠部に対応する形状を有して商品を
その左右両側部において支持する商品保持台と、該商品
保持台を前後方向に移動可能に支持する基部とよりな
り、商品搬送手段がコラムから商品を取出す際に、該商
品保持台が、後方に移動した状態でコラム前端部に下方
から進入して最前列の商品をすくい上げ、前方に移動す
るものである。

【００１０】この自動販売機では、商品搬送手段が指定
されたコラムの前面に移動して、商品保持台を後方に移
動させ、その状態で上方に移動する。すると、コラム前
端部が左右両側部において切り欠かれており、商品保持
台がこの切欠部に対応した形状を有しているため、コラ
ム前端部の切欠部に商品保持台が下方から進入して最前
列の商品がすくい上げられる。そして、その状態で商品
保持台を前方に移動させることで当該最前列の商品がコ
ラムから取出される。

【００１１】請求項２の自動販売機は、請求項１におい
て、前記商品保持台における商品を載せる商品保持面が
前方ほど下方に傾斜していることを特徴とする。

【００１２】この場合、商品搬送手段の受取った商品が
コラム側とは逆方向に傾斜した姿勢に保持されるので、
該商品がコラム側に倒れることなく、よって、商品を安
定した状態で搬送することができる。

【００１３】請求項３の自動販売機は、請求項１におい
て、コラムの前端部に２列目の商品の前方への移動を規
制する規制部材が設けられ、この規制部材が、コラム前
端部に最前列の商品が載置されているときに２列目の商
品の前面を係止し、最前列の商品がコラムから取出され
ることにより該係止を解除することを特徴とする。

【００１４】この場合、コラムに最前列の商品が載置さ
れているときには２列目の商品が規制部材により前方へ
の動きが規制されているので、コラムから最前列の商品
を取出す際に、当該最前列の商品が２列目の商品から受
ける押圧力をなくして、最前列の商品のみをスムーズか
つ確実に取出すことができる。最前列の商品が取出され
ると、規制部材による２列目の商品に対する規制が解除
されるので、該２列目の商品が最前列に送り出される。

【００１５】請求項４の自動販売機は、請求項３におい
て、前記規制部材が、商品載置面の下方に位置する水平
な軸を中心として回動するようコラム前端部に取付けら
れ、かつ、この回動によりその前端部及び後端部が商品
載置面を越えて上方に突出するよう構成され、該規制部
材の前端部が付勢手段により商品載置面から上方に突出
するよう付勢されており、コラム前端部に最前列の商品
が載置されているときに、最前列の商品によって規制部
材の前端部が下方に押圧され、これにより規制部材の後
端部が商品載置面から上方に突出して２列目の商品の前
面を係止し、最前列の商品が取出されたときに、付勢手
段の付勢力によって規制部材の前端部が上方に突出する
ように回動して規制部材の後端部が商品載置面よりも下
方に退き、これにより２列目の商品に対する係止が解除
されることを特徴とする。

【００１６】請求項５の自動販売機は、請求項４におい
て、前記規制部材の回動中心の位置が前後方向に少なく
とも２段階に切替え可能になっていることを特徴とす
る。

【００１７】これにより、コラムの収納商品を太缶や細
缶等といった大きさの異なる商品に切替える際に、規制
部材自体を交換することなく対応することができる。

【００１８】上記第２の目的に対応する本発明の請求項
６記載の自動販売機は、商品を前後方向に並べて収納す
るコラムが、自動販売機のキャビネットに設けられた商
品収納室に上下及び左右にそれぞれ複数配設され、これ
ら複数のコラムの前方に搬送空間が設けられて、各コラ
ムの商品がこの搬送空間を通って商品取出口に搬送され
る自動販売機において、商品収納室が断熱仕切板により
２室に仕切られ、該断熱仕切板の前端部がこれら２室の
搬送空間を開閉する可動仕切部とされており、前記断熱
仕切板が商品収納室の前方から抜き差し自在になってお
り、商品収納室に該断熱仕切板のための複数の差込み部
が設けられているものである。

【００１９】この自動販売機では、断熱仕切板によって
商品収納室内を冷温室と加温室のように異なる温度帯の
２室に仕切ることができる。そして、この断熱仕切板が
複数の差込み部に抜き差し自在に構成されているので、
断熱仕切板の差込み位置を変えることにより、１枚の断
熱仕切板で冷温室と加温室の割合を変更することができ
る。

【００２０】請求項７の自動販売機は、請求項６におい
て、前記可動仕切部が、断熱仕切板の仕切板本体の前端
部に回動自在に取付けられて、回動することにより前記
搬送空間を開閉する回動式の可動仕切であって、付勢手
段により閉状態に付勢されていることを特徴とする。

【００２１】この場合、断熱仕切板を越えて一の室から
他の室へ商品を搬送するときには、付勢手段の付勢力に
抗して可動仕切部を回動させて、断熱仕切板の前端部の
搬送空間に相当する部分を開状態とすることにより、断
熱仕切板を越える商品の移動が可能となる。例えば、コ
ラム前方の搬送空間に上下左右に移動するエレベータ等
の商品搬送手段を配し、この商品搬送手段が、商品販売
時に１のコラムの前面に移動してその最前列の商品を得
て、その商品を保持した状態で商品取出口まで搬送する
ものにおいては、この商品搬送手段が可動仕切部を押圧
することで可動仕切部が付勢手段の付勢力に抗して開状
態とされ、これにより商品搬送手段の断熱仕切板を越え
る移動が可能となる。

【００２２】請求項８の自動販売機は、請求項６におい
て、前記断熱仕切板が商品収納室を上下２室に仕切る仕
切板であり、商品収納室に複数のコラムが配設される商
品収納棚が上下複数段にて設けられ、各商品収納棚の下
に前記断熱仕切板のための差込み部が設けられているこ
とを特徴とする。

【００２３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００２４】図１は本発明の１実施形態に係る自動販売
機における商品搬送手段とコラムの斜視図、図２〜５は
コラムからの商品取出し動作を示す商品搬送手段とコラ
ム前端部の側面図、図６は同平面図、図７は該自動販売
機の正面図、図８は該自動販売機の縦断面図である。

【００２５】この自動販売機１０は、缶、ＰＥＴボトル
及び紙パック等の飲料容器（以下、商品という）を販売
する自動販売機であって、キャビネットの前面に断熱特
性を有する透明板が設けられ、この透明板を介してキャ
ビネット内部の商品が外側から見えるよう構成されたい
わゆるシースルー型の自動販売機である。

【００２６】すなわち、図７，８に示すように、自動販
売機１０は、前方に開口する本体１２とその前面を開閉
する前扉１４とよりなるキャビネットを備えてなり、こ
の前扉１４に透明なガラス１６が組込まれて、該ガラス
１６を介してキャビネット内部の商品Ｓが外側から見え
るよう構成されている。

【００２７】本体１２には、販売される商品が展示収納
される展示収納室１８が設けられており、この展示収納
室１８内には、商品を収納する収納棚２０が上下多段に
配設されている。各収納棚２０には、商品Ｓを前後方向
（ｚ軸方向）に並べた状態で収納するコラム２２が左右
方向（ｘ軸方向）に複数配されている。これにより、展
示収納室１８内には、コラム２２が、左右方向に複数
列、上下方向（ｙ軸方向）に複数段配設されている。

【００２８】図８に示すように、各コラム２２には、前
後方向に並べて収納された商品Ｓを前方に送る板状のプ
ッシャ２４が設けられている。このプッシャ２４は、コ
ラム２２内を前後方向に移動可能に配されており、バネ
等の付勢手段の付勢力によって最後尾の商品Ｓを前方に
押すように構成されている。

【００２９】図１，６に示すように、各コラム２２にお
いて、最前列の商品Ｓ１が載置されるコラム前端部２２
ａの商品載置面は、左右両側部を除く幅方向中央部で商
品Ｓ１を保持するように、左右両側部において切り欠か
れている。すなわち、コラム２２の前端部２２ａは、幅
方向中央部のみ前方に延設された前後方向に細長い形状
となっている。このコラム前端部２２ａの前端には最前
列の商品Ｓ１の前面を係止する前壁２３が形成されてい
る。

【００３０】コラム前端部２２ａには、２列目の商品Ｓ
２の前方への移動を規制する規制部材であるレバー２６
が取付けられている。このレバー２６は、コラム前端部
２２ａに最前列の商品Ｓ１が載置されているときに２列
目の商品Ｓ２の前面を係止し、最前列の商品Ｓ１がコラ
ム２２から取出されることにより該係止を解除するよう
になっている。

【００３１】具体的には、レバー２６は、図６に示すよ
うにＹ字状をなし、Ｙ字のつけ根に相当する中央部に水
平なピン２８を備え、このピン２８を介して、コラム前
端部２２ａの商品載置面から下方に延設されたフランジ
２９に回動自在に取付けられている。

【００３２】図２に示すように、レバー２６の前端部２
６ａは、上方に折曲した形状をなし、コラム前端部２２
ａに設けられた小孔３０から上方に突出可能になってい
る。そして、最前列の商品Ｓ１の下面に当接して、これ
により下方に押し下げられるようになっている。

【００３３】また、二股に分岐したレバー２６の後端部
２６ｂも上方に折曲した形状をなし、コラム前端部２２
ａの左右の切欠部から上方に突出して、２列目の商品Ｓ
２の前面に当接し、これにより該商品Ｓ２の前方への動
きを規制するようになっている。

【００３４】図２に示すように、コラム前端部２２ａの
下面には板バネ３２が配されており、この板バネ３２に
より、レバー２６の前端部２６ａが商品載置面から上方
に突出するよう付勢されている。

【００３５】各コラム２２の商品Ｓをキャビネット前面
にある商品取出口３４に搬送する商品搬送手段３６は、
図７，８に示すように、複数のコラム２２と前扉１４と
の間の搬送空間３８を上下及び左右に移動可能に配され
ている。

【００３６】詳細には、本体１２の左右両側にｙ軸方向
に延びる一対のｙ軸レール４０，４０が取付けられ、こ
の一対のｙ軸レール４０，４０間にｘ軸方向に延びるｘ
軸レール４２が掛渡されて、ｘ軸レール４２が不図示の
モータによりｙ軸レール４０，４０に案内されて上下に
走行するよう構成されている。また、ｘ軸レール４２上
に商品搬送手段３６が配されており、この商品搬送手段
３６が不図示のモータによりｘ軸レール４２に案内され
て左右に走行するよう構成されている。

【００３７】商品搬送手段３６は、コラム２２の最前列
の商品Ｓ１をコラム前端部２２ａに下方から進入してす
くい上げるようにして取出すものであり、コラム２２の
前端部における切欠部に対応する形状を有して商品Ｓ１
をその左右両側部において支持する商品保持台４４と、
この商品保持台４４を不図示のモータによって前後方向
に移動可能に支持する基部４６とよりなる。

【００３８】図６に示すように、商品保持台４４は、商
品Ｓ１を載せる商品保持面４４ａが、コラム前端部２２
ａを受入れることできるように幅方向中央部が細長く切
り欠かれている。また、図１に示すように、左右方向へ
の商品の倒れを防止するために左右両側壁４４ｂ，４４
ｂを備え、さらに、前方への商品の倒れを防止するため
に前壁４４ｃを備える。また、商品保持面４４ａは、図
４に示すように、コラム２２側への商品Ｓ１の落下を防
止して安定して搬送するために、前方ほど下方に傾斜し
た形状に形成されている。

【００３９】ここで、商品Ｓ１を搬出する際の動作につ
いて説明する。

【００４０】自動販売機１０の前扉１４に設けられた商
品選択部１５で商品が選択されると、商品搬送手段３６
が所定の販売待機位置からｘ軸レール４２とｙ軸レール
４０とによりその商品が収納されたコラム２２の前まで
移動する。このとき、図２に示すように、商品搬送手段
３６を指定されたコラム２２の少し下方の位置にて一旦
停止させる。

【００４１】そして、図２及び図６（ａ）に示すよう
に、商品保持台４４を後方にスライドさせる。この状態
で、図３に示すように、商品搬送手段３６を上方に移動
させると、図６（ｂ）に示すように、商品保持台４４の
商品保持面４４ａが、コラム前端部２２ａの左右両側の
切欠部に下方から進入して、最前列の商品Ｓ１の左右両
側部を上方に持上げて、図４に示すように、当該商品Ｓ
１をすくい上げるようにして確保する。その後、図５に
示すように、商品保持台４４を前方にスライドさせるこ
とで、コラム２２から商品Ｓ１が取出される。

【００４２】ここで、商品Ｓ１を取出すに際し、最前列
の商品Ｓ１がコラム前端部２２ａに載置されている段階
では、図２，３に示すように、最前列の商品Ｓ１によっ
てレバー２６の前端部２６ａが下方に押圧されており、
これにより後端部２６ｂが上方に突出して２列目の商品
Ｓ２の前面を係止しているので、最前列の商品Ｓ１が２
列目の商品Ｓ２によって前方に押圧されることがなく、
よって、最前列の商品Ｓ１のみをスムーズかつ確実にす
くい上げることができる。そして、最前列の商品Ｓ１が
コラム２２から取出されると、図４に示すように、板バ
ネ３２の付勢力によってレバー２６の前端部２６ａが上
方に突出するように回動して、後端部２６ｂがコラム２
２の商品載置面よりも下方に退き、これにより２列目の
商品Ｓ２に対する係止が解除されるので、２列目の商品
Ｓ２がプッシャ２４の押圧力により前方に送られる。そ
して、この２列目の商品Ｓ２が最前列まで移動すると、
図５に示すように、レバー２６の前端部２６ａが該商品
Ｓ２によって下方に押圧され、これによりレバー２６の
後端部２６ｂが上方に突出して、その次の商品Ｓの前面
を係止する。

【００４３】コラム２２から商品Ｓ１を取出した後、商
品搬送手段３６は、ｘ軸レール４２とｙ軸レール４０と
により商品Ｓ１を商品取出口３４まで搬送する。

【００４４】図９にはコラム前端部２２ａの他の例を示
している。この例では、細缶の商品と太缶の商品の設定
をコラム２２の前端部で簡単に切換ることができるよう
にしている。

【００４５】すなわち、図９（ｃ）に示すように、コラ
ム前端部２２ａのフランジ２９には、レバー２６のピン
２８が差込まれる孔４８が前後に２箇所設けられてお
り、前側の孔４８ａに差込むことにより、図９（ａ）に
示すように、細缶の商品を並べたときに、その２列目の
商品Ｓ２がレバー２６の後端部２６ｂによって係止され
るようになっている。また、後側の孔４８ｂに差込むこ
とにより、図９（ｂ）に示すように、太缶の商品を並べ
たときに、その２列目の商品Ｓ２がレバー２６の後端部
２６ｂによって係止されるようになっている。

【００４６】図９（ｄ）に示すように、レバー２６のピ
ン２８は左右２つに分割され、それぞれレバー２６とフ
ランジ２９との間にバネ４９，４９が介在され、下方に
延設された操作腕２８ａ，２８ａを互いに近付けるよう
につまむことにより、ピン２８がフランジ２９の孔４８
ｂから外れて他の孔４８ａに差替えることができるよう
になっている。

【００４７】次に、この自動販売機１０における断熱仕
切構成について説明する。

【００４８】図８に示すように、この自動販売機１０の
展示収納室１８は、水平な断熱仕切板５０により上下２
室に仕切られており、上室１８ａが商品の加温と冷却
（ホット商品とコールド商品）の切替えが可能な加温冷
却室となっており、下室１８ｂが商品の冷却専用（コー
ルド商品専用）の冷温室となっている。ここで、キャビ
ネットの底部には、展示収納室１８内を冷却するための
冷却装置５２が配されている。また、展示収納室１８内
には、最上段の収納棚２０、３段目の収納棚２０及び５
段目の収納棚２０の各後方に、それぞれ加温用のヒータ
５４が配されている。

【００４９】全ての収納棚２０の下面には、断熱仕切板
５０を収納するための差込み部５６が設けられている。
この差込み部５６は、展示収納室１８の左右両側壁及び
後壁に凹状のレールを設けることで形成されている。そ
して、断熱仕切板５０は展示収納室１８の前方から抜き
差し自在になっており、この断熱仕切板５０の差込み位
置を換えることにより、収納棚２０のどの段でも展示収
納室１８の仕切ができるようになっている。

【００５０】例えば、図８に示すように、３段目の収納
棚２０の差込み部５６に断熱仕切板５０を差込むと、上
３段が２つのヒータ５４により加温され、下３段が冷却
装置５２により冷却される。そして、この状態から断熱
仕切板５０を引き抜き１段上の差込み部５６に差込む
と、冷温室の割合が収納棚２０の１段分増え、上２段が
加温室に、下４段が冷温室になる。この場合、加温室は
１つのヒータ５４で加温される。一方、断熱仕切板５０
の差込み位置を１段下にすると、加温室の割合が収納棚
２０の１段分増え、上４段が加温室に、下２段が冷温室
になる。この場合、加温室は２つのヒータ５４で加温さ
れる。なお、断熱仕切板５０を取除いて、展示収納室１
８を全て加温室又は冷温室とすることもできる。

【００５１】断熱仕切板５０の前端部、即ちコラム２２
前方の搬送空間３８に相当する部分は、商品搬送手段３
６が上室１８ａと下室１８ｂとの間を移動することがで
きるように、上下の搬送空間３８を開閉する回動式の可
動仕切部５０ａとされている。

【００５２】この可動仕切部５０ａは、図１０に示すよ
うに、断熱仕切板５０の仕切板本体５０ｂの前端部に配
された水平な軸５８を中心に上下に回動できるように取
付けられており、軸５８に取付けられたバネ６０により
水平な姿勢を保つように付勢されている。なお、可動仕
切部５０ａの前端には、前扉１４のガラス１６に当接す
るようにガスケット６２が取付けられている。

【００５３】商品搬送手段３６は、販売待機状態におい
ては下室１８ｂに位置しているため、上室１８ａの商品
が選択されると、断熱仕切板５０を越えて商品を取りに
行く。その場合、商品搬送手段３６が上下に移動する動
力を利用して、図１１に示すように、商品搬送手段３６
が断熱仕切板５０の可動仕切部５０ａを押圧することで
可動仕切部５０ａがバネ６０の付勢力に抗して上方に押
し開かれ、これにより商品搬送手段３６が上室１８ａに
移動する。そして、商品を取出した商品搬送手段３６が
下室１８ｂに戻るときには、商品搬送手段３６が可動仕
切部５０ａを下方に押し下げて下室１８ｂに移動する。

【００５４】以上説明した本実施形態の自動販売機１０
であると、商品搬送手段３６が商品をすくい上げること
によりコラム２２から商品Ｓ１を取出すので、マニピュ
レータのように商品を掴み出す動作をするものに比べ
て、商品の搬送スピードが速い。また、商品を掴むため
のモータが不要となるため、商品搬送手段３６の重量が
軽く、これにより更に搬送スピードが速くなるととも
に、ｘ軸レール４２及びｙ軸レール４０の駆動モータの
負荷を小さくすることができる。

【００５５】また、展示収納室１８を２室に仕切る断熱
仕切板５０を全ての収納棚２０の差込み部５６に抜き差
し自在に構成しているので、断熱仕切板５０の差込み位
置を変えることにより、１枚の断熱仕切板５０で冷温室
と加温室の割合を細かく変更することができる。そのた
め、加温室と冷温室の割合をユーザーの要望どおり自由
に設定することができる。

【００５６】

【発明の効果】本発明の請求項１〜５の自動販売機であ
ると、商品搬送手段が商品をすくい上げることによりコ
ラムから商品を取出すので、マニピュレータのように商
品を掴み出す動作がなくなり、商品の搬送スピードが速
い。また、商品を掴むためのモータが不要となるため商
品搬送手段を軽量化できる。

【００５７】請求項６〜８の自動販売機であると、断熱
仕切板が複数の差込み部に抜き差し自在に構成されてい
るので、その差込み位置を変えることにより、１枚の断
熱仕切板で冷温室と加温室の割合を変更することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施形態に係る自動販売機における
商品搬送手段とコラムの斜視図である。

【図２】商品取出し動作を示す商品搬送手段とコラム前
端部の側面図である。

【図３】商品取出し動作を示す商品搬送手段とコラム前
端部の側面図である。

【図４】商品取出し動作を示す商品搬送手段とコラム前
端部の側面図である。

【図５】商品取出し動作を示す商品搬送手段とコラム前
端部の側面図である。

【図６】商品取出し動作を示す商品搬送手段とコラム前
端部の平面図であり、（ａ）は商品保持台が後方に移動
する前の状態、（ｂ）は移動した状態を示している。

【図７】該自動販売機の正面図である。

【図８】該自動販売機の側面断面図である。

【図９】コラム前端部の他の例を示す図であり、（ａ）
は細缶設定時のコラム前端部の平面図、（ｂ）は太缶設
定時のコラム前端部の平面図、（ｃ）は太缶設定時のコ
ラム前端部の側面図、（ｄ）は（ｂ）のＤ−Ｄ断面図で
ある。

【図１０】断熱仕切板の前端部を示す断面図である。

【図１１】商品搬送手段が断熱仕切板を越えて移動する
ところを示す断熱仕切板の前端部の断面図である。

【図１２】従来の自動販売機の斜視図である。

【符号の説明】

１０……自動販売機 １８……展示収納室 １８ａ…上室 １８ｂ…下室 ２０……収納棚 ２２……コラム ２２ａ…コラム前端部 ２６……レバー ２６ａ…レバーの前端部 ２６ｂ…レバーの後端部 ２８……ピン ３２……板バネ ３６……商品搬送手段 ３８……搬送空間 ４４……商品保持台 ４４ａ…商品保持面 ４６……基部 ５０……断熱仕切板 ５０ａ…可動仕切部 ５６……差込み部 ６０……バネ Ｓ１……最前列の商品 Ｓ２……２列目の商品

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】商品を前後方向に並べて収納するコラム
   が、自動販売機のキャビネット内部に上下及び左右にそ
   れぞれ複数配設され、 各コラムの商品を商品取出口に搬送する商品搬送手段
   が、これら複数のコラムの前方において上下及び左右に
   移動可能に配されており、 商品販売時に、商品搬送手段が、１のコラムの前面に移
   動して当該コラムの最前列に並んでいる商品を得て、そ
   の商品を保持した状態で商品取出口まで移動して商品取
   出口に搬送する自動販売機において、 各コラムの最前列の商品が載置されるコラム前端部の商
   品載置面が左右両側部において切り欠かれており、 商品搬送手段が、この切欠部に対応する形状を有して商
   品をその左右両側部において支持する商品保持台と、該
   商品保持台を前後方向に移動可能に支持する基部とより
   なり、 商品搬送手段がコラムから商品を取出す際に、該商品保
   持台が、後方に移動した状態でコラム前端部に下方から
   進入して最前列の商品をすくい上げ、前方に移動するこ
   とを特徴とする自動販売機。
2. 【請求項２】前記商品保持台における商品を載せる商品
   保持面が前方ほど下方に傾斜していることを特徴とする
   請求項１記載の自動販売機。
3. 【請求項３】コラムの前端部に２列目の商品の前方への
   移動を規制する規制部材が設けられ、この規制部材が、
   コラム前端部に最前列の商品が載置されているときに２
   列目の商品の前面を係止し、最前列の商品がコラムから
   取出されることにより該係止を解除することを特徴とす
   る請求項１記載の自動販売機。
4. 【請求項４】前記規制部材が、商品載置面の下方に位置
   する水平な軸を中心として回動するようコラム前端部に
   取付けられ、かつ、この回動によりその前端部及び後端
   部が商品載置面を越えて上方に突出するよう構成され、
   該規制部材の前端部が付勢手段により商品載置面から上
   方に突出するよう付勢されており、 コラム前端部に最前列の商品が載置されているときに、
   最前列の商品によって規制部材の前端部が下方に押圧さ
   れ、これにより規制部材の後端部が商品載置面から上方
   に突出して２列目の商品の前面を係止し、最前列の商品
   が取出されたときに、付勢手段の付勢力によって規制部
   材の前端部が上方に突出するように回動して規制部材の
   後端部が商品載置面よりも下方に退き、これにより２列
   目の商品に対する係止が解除されることを特徴とする請
   求項３記載の自動販売機。
5. 【請求項５】前記規制部材の回動中心の位置が前後方向
   に少なくとも２段階に切替え可能になっていることを特
   徴とする請求項４記載の自動販売機。
6. 【請求項６】商品を前後方向に並べて収納するコラム
   が、自動販売機のキャビネットに設けられた商品収納室
   に上下及び左右にそれぞれ複数配設され、 これら複数のコラムの前方に搬送空間が設けられて、各
   コラムの商品がこの搬送空間を通って商品取出口に搬送
   される自動販売機において、 商品収納室が断熱仕切板により２室に仕切られ、該断熱
   仕切板の前端部がこれら２室の搬送空間を開閉する可動
   仕切部とされており、 前記断熱仕切板が商品収納室の前方から抜き差し自在に
   なっており、商品収納室に該断熱仕切板のための複数の
   差込み部が設けられていることを特徴とする自動販売
   機。
7. 【請求項７】前記可動仕切部が、断熱仕切板の仕切板本
   体の前端部に回動自在に取付けられて、回動することに
   より前記搬送空間を開閉する回動式の可動仕切であっ
   て、付勢手段により閉状態に付勢されていることを特徴
   とする請求項６記載の自動販売機。
8. 【請求項８】前記断熱仕切板が商品収納室を上下２室に
   仕切る仕切板であり、 商品収納室に複数のコラムが配設される商品収納棚が上
   下複数段にて設けられ、各商品収納棚の下に前記断熱仕
   切板のための差込み部が設けられていることを特徴とす
   る請求項６記載の自動販売機。