JPH0520536A - 自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】商品補充作業，商品取出口からの商品取出しを
簡便にし、かつ庫内の商品収納数の拡大しつつ、しかも
商品を庫内で冷蔵，温蔵する際の消費電力の節減化を図
る。 【構成】本体１の庫内スペースを上下二分して上部側に
冷却器７，ヒータ８を備えた断熱構造の商品収納庫５、
下部側に常温の商品保管庫６を仕切り、かつ商品収納庫
には商品ラック９、および商品搬出機構１０を備えると
ともに、上下に並ぶ商品収納庫と商品保管庫との間を連
係して商品保管庫に装備の引出式商品保管棚１２に収納
されている商品１９を商品補給指令に基づき商品収納庫
の商品ラックへ移載する商品補給手段としリフタ１４を
設け、常温状態で商品補給棚に保管した商品を販売進行
に合わせて商品ラックに補給し、ラック内での滞在中に
販売適温に冷蔵，温蔵して販売する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、缶，瓶入り商品などを
販売するサーペンタイン式自動販売機を実施対象とした
自動販売機、特にその商品収納装置の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】頭記したサーペンタイン式自動販売機
は、断熱筐体で作られた冷蔵ないし温蔵用の商品収納庫
内に商品を縦一列に並べて収納する商品ラックを備え、
常時は商品ラックに収納した商品を冷却器，あるいはヒ
ータにより保冷（コールド商品販売）ないし加温（ホッ
ト商品販売）状態に貯蔵おくとともに、販売指令に基づ
いて商品ラックから落下搬出した商品をシュータなどを
介して前面扉に設けた商品取出口に送出するようにした
ものであり、現在ではこのサーペンタイン式自動販売機
が缶，瓶入り商品販売用の主流をなしている。

【０００３】一方、商品の補充，販売商品の取出しを容
易にし、併せて商品の収納本数の増大化を図ることを目
的に、商品収納庫を二分割して庫内の上下に設け、かつ
前面扉に開口する商品取出口を上部の商品収納庫と対応
する中段位置に設けるとともに、上下の商品収納庫の間
を連係して中継用の商品搬送装置を備えた自動販売機の
商品収納装置が特開平２−２１４９９８号公報で既に公
知である。

【０００４】かかる自動販売機の商品収納装置において
は、販売指令に基づいて上部の商品収納庫に設置したサ
ーペンタイン式商品ラックより商品を搬出し、シュータ
を経てその前方の商品取出口に送出する。一方、前記商
品ラックから商品が搬出されると、中継用搬送装置を経
由して下部の商品収納庫に収納されている商品が上部の
商品収納庫の商品ラックに補給される。また、下部の商
品収納庫に収納保管されている商品の数が減少すれば、
前面扉を開放した上で外部から商品を下部の商品収納庫
に補充する。

【０００５】これにより、販売時には顧客は立ったまま
の楽な姿勢で商品を商品取出口から取り出すことがで
き、また商品補充時に管理者は商品を高い位置まで持ち
上げることなく下部の商品収納庫に楽に補充できるほ
か、庫内スペースを最大源に活用して多数本の商品を収
納できる利点が得られる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来の自動販売機の商品収納装置では、特に商品をコール
ド商品，あるいはホット商品として販売するために、商
品収納庫内に収納した商品を冷蔵，温蔵する場合には次
のような問題点がある。すなわち、従来構成では上部，
および下部の商品収納庫が同一の収納庫内に上下に並べ
て設置されている。このために、商品を保冷，ないし保
温する冷却手段（冷凍機），加熱手段（電熱ヒータ）
は、収納庫内のスペース，および庫内に収容された全商
品の熱負荷に対応した容量が必要となる。

【０００７】一方、外部から自動販売機に補充した商品
が販売されるまでの庫内での経路について見ると、補充
商品は下部の商品収納庫に投入して保管された後、販売
経過に合わせて上部の商品収納庫に設置したサーペンタ
イン式商品ラックに補給される。これに対してサーペン
タイン式商品ラックは、商品を上下一列に並べて収納
し、販売指令に基づき最下位に並ぶ商品から順に搬出す
る方式であり、商品ラックの上端に投入された商品はそ
れ以前に補給された商品の販売を待って最下位まで順送
りされる。つまり、常温状態で外部から自動販売機の庫
内に補充された商品は、下部の商品収納庫に保管されて
いる時間，および上部の商品収納庫の商品ラックに移送
された後の販売待機時間を含めてかなり長い時間庫内に
滞在することになる。このために、下部の商品収納庫に
保管されている商品を含めて庫内に貯蔵している全商品
を一様に販売適温まで冷却ないし加熱すると必要以上に
熱負荷が大となり、この結果として自動販売機での電力
消費量が増大して運転費を高める。

【０００８】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、その目的は前記した従来の自動販売機の庫内構
造を改良することにより、商品の補充性，販売商品の取
出し性などの利点を生かしつつ、しかも商品をコールド
商品，ホット商品として販売する場合に大幅な省エネル
ギー化が図れるようにした自動販売機を提供することに
ある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
り、本体の庫内スペースを上下二分して上部側に冷却な
いし加熱手段を設けた断熱構造の商品収納庫、下部側に
常温の商品保管庫を仕切り、かつ前記商品収納庫には商
品ラック、および販売指令に基づき商品ラックから商品
を本体の前面扉の中段位置に設けた商品取出口へ搬出す
る商品搬出機構を備えるとともに、上下に並ぶ商品収納
庫と商品保管庫との間を連係して商品保管庫に収納され
ている商品を商品補給指令に基づき商品収納庫の商品ラ
ックへ移載する商品補給手段を備えて構成することによ
り達成される。

【００１０】ここで、前記構成における商品補給手段
は、下部側の商品保管庫から受け取った商品を上部側の
商品収納庫まで持ち上げて商品ラックに投入するリフタ
であり、該商品補給手段は、庫内の前面側に配備する、
本体の前面扉の裏面側に設けた中扉に装備する、あるい
は庫内の背面側に配備して実施できる。

【００１１】また、前記構成における商品保管庫には、
前方に引出し可能な商品保管棚を備え、さらに該商品保
管棚に商品補給指令に基づいて商品を商品補給手段へ払
い出す商品搬出機構を備えた実施態様がある。また、庫
内スペースの有効活用を図るために、冷却手段しての冷
凍機のコンデンシングユニットを本体の頂部に設けるの
がよい。

【００１２】

【作用】かかる構成において、まず外部から自動販売機
に補充される商品は庫内の下部に仕切られた商品保管棚
に収納して常温状態のまま保管される。一方、商品保管
棚から商品補給手段を介して上部の商品収納庫に移載さ
れた商品は、商品ラック内に滞在している間に商品収納
庫内に装備の冷却ないし加熱手段により販売に適した温
度に冷蔵ないし温蔵され、ここから販売指令に基づきコ
ールド商品あるいはホット商品として商品取出口に搬出
される。したがって冷却ないし加熱手段は、断熱構造と
して庫内上部に仕切られた商品収納庫の内容積、および
該商品収納庫内に収納されるている商品数の熱負荷に見
合った容量があれば十分であり、これにより冷却，加熱
手段の熱負荷を最小必要限に抑えて省エネルギー化を図
ることができる。例えば、商品収納庫の内容積，商品ラ
ックの収納本数を、商品保管庫を含めた庫内全容積，総
収納本数の半分とすれば、冷却，加熱手段の熱負荷が商
品保管庫を含めた全収納商品が保冷，保温する場合に比
べてほぼ半分となるので消費電力量を大幅に節減でき
る。

【００１３】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。まず図１において、１は自動販売機の本体、
２はその前面扉、３は前面扉２の中段位置に開口して設
けた商品取出口である。また、本体１の庫内には、庫内
スペースを上下に二分してその上部側に断熱筐体４で包
囲された商品収納庫５が、また下部側には前面を開放し
た常温の商品保管庫６が仕切られている。ここで、前記
の商品収納庫５には冷却手段として冷凍機の冷却器７，
加熱手段としてヒータ８とともに、複数のコラムからな
るサーペンタイン式商品ラック９，商品ラック９の搬出
端に設置した商品搬出機構１０，および商品投入口３と
の間を連係する搬出シュータ１１が収設されている。な
お、４ａは断熱筐体４の前扉、４ｂは搬出シュータ１１
とその前方に位置する商品取出口３との間の通路を仕切
るように前扉４ａに設けた商品出口側のフラッパ、４ｃ
は商品ラック９の各コラム商品投入口９ａと個々に対応
して前扉４ａに設けた商品投入口のフラッパ、３ａは商
品投入口３の後端から前記フラッパ４ｂに向けて突出し
た補助シュータ、３ｂは商品投入口３の前面に設けた商
品取出用フラッパである。また、商品保管庫６の内部に
は、前記商品ラック９の各コラムと個々に対応する引出
式の商品保管棚１２が上下段に並べて前傾姿勢に収設さ
れており、かつ各商品保管棚ごとにその前端には把手１
２ａ，商品払出用フラッパ１２ｂを備え、さらにフラッ
パ１２ｂの背後には収納商品を１個ずつ切り出す商品払
出機構１３が設けてある。また、本体１の頂部には先記
した冷却器７に対する冷凍機のコンデンシングユニット
７ａが配備されている。

【００１４】一方、前面扉２の裏面側には上下に並ぶ商
品収納庫５と商品保管庫６との間を連係して商品保管棚
１２に収容されている商品を商品収納庫５の商品ラック
９に移載する商品補給用のリフタ１４が設置されてい
る。このリフタ１４は、図２に示すように樋状のトレー
１５と、該トレー１５の左右両端に結合してトレーを昇
降操作する２組のチェーン機構１６，１７と、各チェー
ン機構１６，１７の駆動モータ１６ａ，１７ａとからな
る。なお、チェーン機構１６と１７を同期して駆動すれ
ば、トレー１５は水平姿勢を保って昇降移動し、かつ停
止位置でチェーン機構１６，１７を相対的に僅かに動か
すとトレー１５が前後方向に傾斜する。

【００１５】次に上記構成による商品の補充、並びに商
品販売動作について説明する。まず、外部から自動販売
機に商品を補充する場合には前面扉２（図１参照）を開
放して図３のように商品保管棚１２を前方に引出し、こ
の状態で商品包装箱１８を開封して箱内に詰まっている
商品１９を商品保管棚１２に一括して投入した後に商品
保管棚１２を元の位置に押し戻す。この操作を商品１９
の種類別に分けて各商品保管棚１２に補充する。この場
合に商品保管棚１２は本体下部の商品保管庫６に設置さ
れていので、管理者は商品１９を補充商品を高い位置ま
で持ち上げることなく低い位置で楽に補充作業を進める
ことができる。

【００１６】この状態で庫内上部の商品収納庫５に収設
した商品ラック９に空きがあれば、商品ラックの各コラ
ムごとに設けた商品検出センサ（図示せず）からの信号
に基づいてコントローラから商品補給指令が出力され、
その指令によりリフタ１４が始動して指定された商品保
管棚１２にアクセスし、ここで商品払出機構１３が動作
して保管棚１２からフラッパ１２ｂを押し開いて商品１
９が払出される。そして商品１９がリフタ１４のトレー
１５（図２参照）に載ると、続いてリフタ１４が上昇し
てトレー１５を指定された商品ラック９のコラムの商品
投入口まで移動して停止する。そしてこの停止位置でト
レー１５の姿勢を商品投入口に向けて傾けることによ
り、商品１９はトレー１５から商品投入口のフラッパ４
ｃを押し開いて商品ラック内に投入される。以下同様な
商品補給操作を繰り返し行って商品ラック９の全コラム
に商品１９を装填する。なお、この商品補給過程で図１
に示した商品取出口３の補助シュータ３ａとリフタ１４
のトレー１５とが干渉し合うのを防ぐために、図４で示
すように補助シュータ３ａを付勢ばね３ｃと組合わせて
揺動支持し、トレー１５がここを通過する際にばね３ｃ
に抗して補助シュータ３ａを押し退けるようにしてい
る。

【００１７】一方、常温状態のまま商品収納庫５の商品
ラック９に投入された商品１９は、ラック内に滞在して
いる期間に庫内に設置した冷却器７ないしはヒータ８に
より販売適温にまで保冷ないし加温される。そして、販
売指令が与えられると商品搬出機構１０が動作して選択
された商品ラック９から１個ずつ商品１９がシュータ１
１に落下搬出し、さらにシュータ１１の上を転動した商
品はフラッパ４ｂを押し開いて商品取出口３に送出され
る。また、この販売動作により商品ラック９には商品１
個分のスペースが空くと、この販売動作に連動してリフ
タ１４が作動して指定された商品保管棚１２から同じ種
類の商品を受け取り、前記商品ラック９に投入して補給
する。これにより、販売動作ごとに商品ラック９には新
たに商品１９が自動的に補給され、ラック内に滞在して
いる間に商品１９が庫内に設置した冷却器７あるいはヒ
ータ８で冷蔵ないし温蔵される。したがって販売指令に
基づいて商品ラック９から搬出される商品を常に適温の
コールド商品，あるいはホット商品として販売できる。

【００１８】なお、商品ラック９から搬出シュータ１１
を経由して庫外に送出されて来た販売商品は、前記のよ
うに直接商品取出口３に導く方式のほかに、リフタ１４
を利用して商品収納庫５から出て来た商品１９をリフタ
１４のトレー１５で受容した後に、リフタ１４を移動し
て商品取出口３に送り出すこともできる。このようにリ
フタ１４を中継して販売商品を商品取出口３に送出する
方式によれば、商品取出口３の位置を商品ラック９，搬
出シュータ１１の高さ位置に制約されることなく自由な
高さ位置に設置することが可能である。

【００１９】次に図１の応用実施例を図５に示す。この
実施例では、図１に示した断熱筐体４の前扉４ａを本体
１の下部まで延長して商品収納庫５，および商品保管庫
６の前面を共通に覆う中扉とし、かつこの中扉を基板と
してその前面側（前面扉２の背後）に商品補給手段とし
てのリフタ１４を装備したものであり、その基本構成は
図１と同様である。また、この中扉４には各商品保管棚
１２と個々に対応して窓４ｄを開口し、中扉を閉じた状
態のままで商品保管棚１２を前方へ引き出せるようにし
ている。

【００２０】図６はさらに異なる実施例を示すものであ
り、この実施例では商品補給手段としてのリフタ１４が
商品収納庫５，商品保管庫６の背後に設置されている。
そのために、上部の商品収納庫５では庫内に収設した商
品ラック９の商品投入口９ａを後方に向け、かつこの商
品投入口９ａに対向するフラッパ４ｃが断熱筐体４の後
壁に設けてある。また、商品保管庫６には商品保管棚１
２が後傾姿勢で収設されており、その後端側に商品払出
用フラッパ１２ｂ，および商品払出機構１３が設けてあ
る。かかる構成ではリフタ１４のトレー１５が商品ラッ
ク９と商品取出口３との間の商品搬出通路を横切ること
がない。したがって、リフタ１４は図１の実施例のよう
にトレー１５と商品取出口３の補助シュータ３ａとの干
渉防止策を講じる必要がない。また、商品ラック９から
シュータ１１を経て搬出された販売商品はフラッパ４ｂ
を押し開いて直接商品取出口３に送出される。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように本発明の構成によれ
ば、機内に商品を補充する際の作業性、顧客が商品取出
口から販売商品を取り出す際の便宜性、および商品の収
納本数増大化を図りつつ、しかも冷蔵，温蔵用の商品収
納庫を断熱構造として常温の商品保管庫と分離して構成
するようにしたので、この商品収納庫に設置した冷却な
いし加熱手段の熱負荷を必要以上に増加させることなし
に商品ラックに収納した商品を販売適温に冷蔵，温蔵し
て販売することができ、これにより消費電力量，運転コ
ストの大幅な節減化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の構成断面図

【図２】図１におけるリフタの構成斜視図

【図３】図１の商品保管棚に対する商品補充作業の状態
図

【図４】図１における商品取出口の構造を示す後面斜視
図

【図５】本発明の応用実施例の構成斜視図

【図６】本発明のさらに異なる応用実施例の構成断面図

【符号の説明】

１ 本体 ２ 前面扉 ３ 商品取出口 ４ 断熱筐体 ５ 商品収納庫 ６ 商品保管庫 ７ 冷却器 ７ａ 冷凍機のコンデンシングユニット ８ ヒータ ９ 商品ラック １０ 商品搬出機構 １１ 搬出シュータ １２ 商品保管棚 １３ 商品払出機構 １４ リフタ（商品補給手段）

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体の庫内スペースを上下二分して上部側
   に冷却ないし加熱手段を備えた断熱構造の商品収納庫、
   下部側に常温の商品保管庫を仕切り、かつ前記商品収納
   庫には商品ラック、および販売指令に基づき商品ラック
   から商品を本体の前面扉の中段位置に設けた商品取出口
   へ搬出する商品搬出機構を備えるとともに、上下に並ぶ
   商品収納庫と商品保管庫との間を連係して商品保管庫に
   収納されている商品を商品補給指令に基づき商品収納庫
   の商品ラックへ移載する商品補給手段を備えたことを特
   徴とする自動販売機。
2. 【請求項２】請求項１記載の自動販売機において、商品
   補給手段が下部側の商品保管庫から受け取った商品を上
   部側の商品収納庫まで持ち上げて商品ラックに投入する
   リフタであることを特徴とする自動販売機。
3. 【請求項３】請求項１記載の自動販売機において、商品
   補給手段が庫内の前面側に配備されていることを特徴と
   する自動販売機。
4. 【請求項４】請求項３記載の自動販売機において、商品
   補給手段が本体の前面扉の裏面側に設けた中扉に装備さ
   れていることを特徴とする自動販売機。
5. 【請求項５】請求項１記載の自動販売機において、商品
   補給手段が庫内の背面側に配備されていることを特徴と
   する自動販売機。
6. 【請求項６】請求項１記載の自動販売機において、商品
   保管庫内には前方に引出し可能な商品保管棚を備えてい
   ることを特徴とする自動販売機。
7. 【請求項７】請求項６記載の自動販売機において、商品
   保管棚が商品補給指令に基づいて商品を商品補給手段へ
   払い出す商品払出機構を備えていることを特徴とする自
   動販売機。
8. 【請求項８】請求項１記載の自動販売機において、冷却
   手段が冷凍機であり、かつ冷凍機のコンデンシングユニ
   ットを本体の頂部に設けたことを特徴とする自動販売
   機。