以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る冷凍食品の保管装置1の斜視図であり、図2は、冷凍食品の保管装置1の側面断面図である。実施形態に係る冷凍食品の保管装置1は、複数の冷凍食品Fを冷凍状態で保管すると共に保管した複数の冷凍食品Fを商品取出部7(後述する)に一つずつ搬出するように構成されている。
本実施形態において、冷凍食品Fは、主に解凍後又は加熱後すぐに食べることのできる調理済み冷凍食品である。但し、これに限られるものではなく、冷凍食品Fは、前記調理済み冷凍食品以外の冷凍食品であってもよい。また、本実施形態において、冷凍食品Fは、専用のトレイTに載置された状態で保管され及び搬出される。
冷凍食品の保管装置1は、直方体状の本体キャビネット2を有している。本体キャビネット2内には断熱構造の冷凍保管庫3が設けられている。冷凍保管庫3は、複数の冷凍食品Fを冷凍状態で保管することが可能である。なお、図示は省略するが、例えば本体キャビネット2及び冷凍保管庫3の前面壁、左側面壁及び/又は右側面壁の全部又は一部が、扉体や取り外し可能な壁体として形成されてもよい。この場合、冷凍保管庫3内へのアクセスが容易になる。
冷凍保管庫3の内部は、大別して上下に二つの保管室に、すなわち、下側の下側保管室4と上側の上側保管室5とに区画されている。下側保管室4内には図示省略の第1蒸発器が配置され、上側保管室5内には図示省略の第2蒸発器が配置されている。また、本体キャビネット2内における冷凍保管庫3の下側(すなわち、下側保管室4の下側)には機械室6が設けられている。機械室6内には圧縮機及び凝縮器を含む各種の機械類(いずれも図示省略)が配置されている。
前記第1蒸発器は、図示省略の冷媒配管を介して前記圧縮機及び前記凝縮器に接続されており、前記圧縮器及び前記凝縮器とともに下側保管室4内を冷却する第1冷却装置151(図16参照)を構成する。同様に、前記第2蒸発器は、図示省略の冷媒配管を介して前記圧縮機及び前記凝縮器に接続されており、前記圧縮器及び前記凝縮器とともに上側保管室5内を冷却する第2冷却装置152(図16参照)を構成する。
本実施形態において、下側保管室4は、-18℃以下の第1温度で複数の冷凍食品Fを保管する「冷凍室」として機能し、上側保管室5は、前記第1温度よりも高くかつ0℃よりも低い第2温度で複数の冷凍食品Fを保管する「弱冷凍室」として機能する。なお、ここでいう「弱冷凍室」とは、単に上側保管室5の室内温度が下側保管室4の室内温度よりも高いことを表現しているにすぎず、上側保管室5が実質的に冷凍室として機能してもよいことはもちろんである。具体的には、本実施形態において、前記第1温度、すなわち、下側保管室4の室内温度(保管温度)は-20℃~-18℃に設定されており、前記第2温度、すなわち、上側保管室5の室内温度(保管温度)は-15℃~-2℃、好ましくは-10℃~-2℃、さらに好ましくは-5℃~-2℃に設定されている。なお、本実施形態においては、下側保管室4が本発明の「第1保管室」に相当し、上側保管室5が本発明の「第2保管室」に相当する。
下側保管室4には下側保管室4内の温度を検出する第1温度センサS1(図16参照)が設けられ、上側保管室5には上側保管室5内の温度を検出する第2温度センサS2(図16参照)が設けられている。第1温度センサS1の検出結果及び第2温度センサS2の検出結果は、後述する制御装置100(図16参照)に出力される。
下側保管室4には第1収納棚41及び第2収納棚42が設けられている。第1収納棚41は下側保管室4内の後部側に配置され、第2収納棚42は下側保管室4内の前部側に配置されている。第1収納棚41と第2収納棚42との間には搬送機構8(後述する)が配置されるスペースが設けられている。第1収納棚41及び第2収納棚42は、複数の冷凍食品F、より具体的には、それぞれに冷凍食品Fが載置された複数のトレイTを収納可能に構成されている。本実施形態において、第1収納棚41と第2収納棚42とは同じ構成を有する。但し、これに限られるものではなく、第1収納棚41と第2収納棚42とが異なる構成を有していてもよい。
図3は、第1収納棚41及び第2収納棚42の概略正面図である。
図3に示されるように、本実施形態において、第1収納棚41(第2収納棚42)は、上下に三段構成の棚板411a~411c(421a~421c)と、これらの棚板411a~411c(421a~421c)を支持する支持フレーム412(422)と、で構成されている。各棚板411a~411c(421a~421c)は左右方向に延びており、各棚板411a~411c(421a~421c)にはそれぞれに冷凍食品Fが載置されたトレイTが配置されるn個の冷凍食品配置部4131~413n(4231~423n)が設けられている。
なお、図3には、最上段の棚板411a(421a)の最も左側の冷凍食品配置4131(4231)と、二段目の棚板411b(421b)の最も右側の冷凍食品配置部413n(423n)と、最下段の棚板411c(421c)の右から二番目の冷凍食品配置部413n-1(423n-1)と、のそれぞれに冷凍食品Fが載置されたトレイTが配置された状態が例示されている。
第1収納棚41には、第1商品検出センサP1(図16参照)が冷凍食品配置部4131~413n毎に設けられており、第2収納棚42には、第2商品検出センサP2(図16参照)が冷凍食品配置部4231~423n毎に設けられている。各第1商品検出センサP1及び各第2商品検出センサP2は、対応する冷凍食品配置部に冷凍食品F(冷凍食品Fが載置されたトレイT)が配置されているか否かを検出し、検出結果を制御装置100(図16参照)に出力する。
図2に示されるように、上側保管室5内の前側の下部には、冷凍保管庫3内の冷凍食品Fが搬出されると共に搬出された冷凍食品Fを利用者が取り出すための商品取出部7が設けられている。本実施形態において、商品取出部7は、断熱材によって略角筒状に形成されており、冷凍保管庫3の内外を連通している。すなわち、商品取出部7の一端側(前端側)は、冷凍保管庫3の前面壁3aに開口している。また、商品取出部7の内底面は、冷凍食品F(冷凍食品Fが載置されたトレイT)が載置される載置部7aを構成している。
下側保管室4と同様に、上側保管室5には第3収納棚51及び第4収納棚52が設けられている。第3収納棚51は上側保管室5内の後部側に配置され、第4収納棚52は上側保管室5内の前部側に配置されている。第3収納棚51と第4収納棚52との間には搬送機構8(後述する)が配置されるスペースが設けられている。第3収納棚51及び第4収納棚52は、複数の冷凍食品F、より具体的には、それぞれに冷凍食品Fが載置された複数のトレイTを収納可能に構成されている。
図4は、第3収納棚51の概略正面図である。図4に示されるように、第3収納棚51は、第1収納棚41及び第2収納棚42と同じ構成を有している。すなわち、第3収納棚51は、上下に三段構成の棚板511a~511cと、これらの棚板511a~511cを支持する支持フレーム512と、で構成されている。また、各棚板511a~511cにはそれぞれに冷凍食品Fが載置されたトレイTが配置されるn個の冷凍食品配置部5131~513nが設けられている。
図5は、第4収納棚52の概略正面図である。図5に示されるように、第4収納棚52は、上下に三段構成の棚板521a~521cと、これらの棚板521a~521cを支持する支持フレーム522と、で構成されている。最上段の棚板521a及び二段目の棚板521bにはそれぞれに冷凍食品Fが載置されたトレイTが配置されるn個の冷凍食品配置部5231~523nが設けられている。また、本実施形態において、第4収納棚52の最下段の棚板521cには、冷凍食品Fが載置されていないトレイTを待機させるm個のトレイ待機部5241~524mが設けられている。但し、これに限られるものではなく、最下段の棚板521cには、冷凍食品配置部とトレイ待機部との両方が設けられてもよい。ここで、最下段の棚板521cに設けられたトレイ待機部の数が最上段の棚板521a及び二段目の棚板521bに設けられた冷凍食品配置部の数に比べて少ないのは、図5中に二点鎖線で示されるスペースに商品取出部7が配置されるためである。
第3収納棚51には、第3商品検出センサP3(図16参照)が冷凍食品配置部5131~513n毎に設けられており、第4収納棚52には、第4商品検出センサP4(図16参照)が冷凍食品配置部5231~523n毎に設けられていると共に、トレイ検出センサQ(図16参照)がトレイ待機部5241~524m毎に設けられており、商品取出部7には、第5商品検出センサP5(図16参照)が設けられている。各第3商品検出センサP3及び各第4商品検出センサP4は、対応する冷凍食品配置部に冷凍食品F(冷凍食品Fが載置されたトレイT)が配置されているか否かを検出し、検出結果を制御装置100に出力する。トレイ検出センサQは、対応するトレイ待機部にトレイがあるか否かを検出し、検出結果を制御装置100に出力する。第5商品検出センサP5は、商品取出部7の載置部7aに冷凍食品F(冷凍食品Fが載置されたトレイT)があるか否かを検出し、検出結果を制御装置100に出力する。
図2に示されるように、冷凍保管庫3内の前後方向の中央部(すなわち、第1収納棚41と第2収納棚42との間の前記スペース及び第3収納棚51と第4収納棚52との間の前記スペース)には、冷凍保管庫3内で冷凍食品F(より具体的には、冷凍食品Fが載置されたトレイT)を搬送する搬送機構8が設けられている。搬送機構8は、下側保管室(冷凍室)4に保管されている冷凍食品Fを上側保管室(弱冷凍室)5に移送すること及び上側保管室(弱冷凍室)5に保管されている冷凍食品Fを商品取出部7に搬出することが可能である。また、搬送機構8は、商品取出部7にある冷凍食品Fを下側保管室(冷凍室)4に移送すること、換言すれば、商品取出部7を利用して下側保管室(冷凍室)4に冷凍食品Fを補充することも可能である。つまり、本実施形態において、商品取出部7は、冷凍保管庫3内に新たな冷凍食品Fを補充するための商品補充部としても機能する。なお、搬送機構8は、上側保管室(弱冷凍室)5に保管されている冷凍食品Fを下側保管室(冷凍室)4に移送することも可能である。搬送機構8の構成等については後述する。
本体キャビネット2の前面には、各種情報を表示可能な表示部21と、主にコード化された情報(コード化情報)を読み取る情報読取部22と、商品取出部7の前端側の前記開口を開閉する開閉扉23と、が設けられている。
表示部21は、タッチパネルで構成されている。すなわち、表示部21は、入力部としての機能も有している。表示部21は、冷凍食品の保管装置1に保管されている各冷凍食品Fに関する情報を表示すること及び各種指令等が入力される入力画面を提供することが可能である。特に、本実施形態において、表示部21は、上側保管室(弱冷凍室)5に保管されている各冷凍食品Fに関する情報を表示するように構成されている。また、表示部21は、利用者等によるタッチ操作によって前記各種指令等が入力される。例えば、表示部21は、上側保管室(弱冷凍室)5に保管されている各冷凍食品Fの商品名を表示しているときに利用者がいずれかの商品名が表示されている部位をタッチ操作することによって、商品取出部7に搬出させる冷凍食品Fを選択する商品選択指令が入力されるように構成され得る。表示部21の表示動作は制御装置100によって制御される。また、表示部21に対するタッチ操作によって入力された指令等は制御装置100に出力される。
情報読取部22は、商品取出部7の近傍に設けられている。本実施形態において、情報読取部22は、バーコードリーダー及び/又はQRコードリーダーを含む。情報読取部22は、冷凍食品Fの包装袋や包装箱などに付されたバーコード及び/又はQRコード(登録商標)を読み取り、そこに記録された冷凍食品Fに関する情報を取得する。取得される情報は、主に冷凍食品Fの属性情報であり、冷凍食品Fの属性情報は、冷凍食品Fの商品名及び賞味期限などを含む。情報読取部22によって取得された情報は制御装置100に出力される。
開閉扉23は、断熱性を有しており、例えば、その側縁部が図示省略のヒンジを介して本体キャビネット2の前面に取り付けられている。開閉扉23が開かれることにより、利用者が商品取出部7の載置部7aにあるトレイTに載置された冷凍食品Fを取り出すこと及び商品補充者が商品取出部7の載置部7aにあるトレイTに冷凍食品Fを載置することが可能である。
ここで、本実施形態において使用されるトレイT、すなわち、冷凍商品Fが載置されるトレイTについて説明する。図6は、トレイTの斜視図である。本実施形態で用いられるトレイTは、例えば合成樹脂製であり、図6に示されるように、下向きコ字状の断面形状を有する。そして、トレイTの上面Taに冷凍食品F(二点鎖線で示す)が載置され、下方に突出する一対の脚部Tb、Tbの間の空間に搬送機構8を構成する後述の保持体60の突出部80が差し込まれる(挿入される)。なお、本実施形態において、トレイTは、商品取出部7から冷凍保管庫3外に取り出されず、冷凍保管庫3内において循環利用されるものとする。
次に、搬送機構8について説明する。図7は、搬送機構8の全体構成図である。本実施形態において、搬送機構8は、冷凍食品Fが載置されたトレイTを保持可能な保持体60と、冷凍保管庫3内で保持体60を上下方向及び左右方向に移動させる移動機構90と、を含む。
図8は、保持体60の斜視図である。図8に示されるように、保持体60は、保持体本体70と、保持体本体70の上面に設けられて保持体本体70から前方及び後方に突出可能な突出部80と、を有する。
保持体本体70は、平面視矩形状の筐体部71を有している。筐体部71は、例えば下側筐体部71aと上側筐体部71bとが組み付けられて構成されている。筐体部71の前後方向の寸法D2は、トレイTの前後方向の寸法D1(図6参照)に略一致しており、筐体部71の幅(左右方向の寸法)W2は、トレイTの一対の脚部Tb、Tb間の距離W1(図6参照)よりも小さい。
筐体部71内には、突出部80を駆動する駆動機構が配置されている。本実施形態において、前記駆動機構は、突出部駆動モータ161(図16参照)と、突出部駆動モータ161によって回転駆動されるシャフト部材(図示省略)と、を有する。前記シャフト部材は前後方向に延びており、前記シャフト部材の外周面には螺旋溝(又はねじ溝)が形成されている。また、筐体部71(下側筐体部71a)には、筐体部71(さらに言えば、保持体本体70)を移動機構90の後述する載置プレート98に対して固定するための固定フック71cが形成されている。
本実施形態において、突出部80は、第1突出部81、第2突出部82及び第3突出部83を有し、突出部駆動モータ161による前記シャフト部材の回転方向に応じて、保持体本体70から前方又は後方に三段階で突出するように構成されている。具体的には、突出部80は、図8に示される状態(すなわち、突出部80が保持体本体70から突出していない非突出状態)にあるとき、突出部駆動モータ161によって前記シャフト部材が回転駆動されると、第1突出部81が保持体本体70(筐体部71)から突出し、第2突出部82が第1突出部81からさらに突出し、第3突出部83が第2突出部82からさらに突出するように構成されている(図9参照)。なお、保持体本体70から突出した突出部80(図9)は、突出部駆動モータ161によって前記シャフト部材が逆転駆動されることで図8に示される非突出状態に戻ることができる。
図8及び図9に加えて図10~図15を参照して保持体60の構成をさらに説明する。
図10は、突出部80を構成する第1突出部81の斜視図である。図11は、保持体60の構成を説明するための図であり、主に保持体本体70に第1突出部81及び第1突出部81の周辺部材が取り付けられた状態を示す図である。
図10に示されるように、第1突出部81は、前後方向に延びる平面視矩形状の板状部材として形成されている。第1突出部81の長さ(前後方向の寸法)は、筐体部71の前後寸法に略一致している。第1突出部81の上面には、一対の第1ボス部81a,81aが突出形成されている。一対の第1ボス部81a,81aの一方は第1突出部81の上面の左端側における前後方向中央部に形成されており、一対の第1ボス部81a,81aの他方は第1突出部81の上面の右端側における前後方向中央部に形成されている。また、第1突出部81の下面側には図示省略の連結部が第1突出部81に一体的に設けられている。前記連結部は、前記シャフト部材の外周面に形成された螺旋溝(又はねじ溝)に係合する係合部を有し、前記シャフト部材の回転に伴い前記シャフト部材の軸方向に移動するように構成されている。
図11に示されるように、第1突出部81は、前後方向に移動可能なように、保持体本体70の筐体部71の上面における左右方向の中央部に形成された凹部71dに配置されている。このとき、第1突出部81の下面側に設けられた前記連結部は、前記シャフト部材の螺旋溝(又はねじ溝)に係合される。したがって、突出部駆動モータ161によって前記シャフト部材が回転駆動されると、第1突出部81は、前記シャフト部材の回転方向に応じて、筐体部71の上面上を前記シャフト部材の軸方向に沿って、すなわち、前方又は後方に移動する。ここで、第1突出部81は、左右両端部が筐体部71の上面に固定された一対の規制部材73,73によって覆われており、上方への移動が規制されている。規制部材73は前後方向に延びる細長い板状部材であり、規制部材73の長さ(前後方向の寸法)は筐体部71の前後方向の寸法に一致している。
また、第1突出部81の一対の第1ボス部81a,81aのそれぞれには、第1ピニオンギヤ76が回転自在に装着されており、一対の規制部材73,73のそれぞれには、対応する第1ピニオンギヤ76と噛み合う第1ラックギヤ部73aが形成されている。
図12は、突出部80を構成する第2突出部82の斜視図である。図13は、保持体60の構成を説明するための図であり、主に保持体本体70に第1突出部81、第1突出部81の前記周辺部材及び第2突出部82が取り付けられた状態を示す図である。
図12に示されるように、第2突出部82は、前後方向に延びる平面視矩形状の板状部材として形成されている。第2突出部82の長さ(前後方向の寸法)は、筐体部71の前後寸法に略一致しており、第2突出部82の幅(左右方向の寸法)は、第1突出部81の幅よりも小さい。また、第2突出部82の上面には、一対の第2ボス部82b,82bが突出形成されている。一対の第2ボス部82b,82bの一方は第2突出部82の上面の左端側における前後方向中央部に形成されており、一対の第2ボス部82b,82bの他方は第2突出部82の上面の右端側における前後方向中央部に形成されている。
図13に示されるように、第2突出部82は、前後方向に移動可能なように、第1突出部81の上面上に配置されている。第2突出部82の左側面には、第1突出部81の左側の第1ボス部81aに装着された第1ピニオンギヤ76(左側の第1ピニオンギヤ76)と噛み合う第2ラックギヤ部82aが形成されている。同様に、第2突出部82の右側面には、第1突出部81の右側の第1ボス部81aに装着された第1ピニオンギヤ76(右側の第1ピニオンギヤ76)と噛み合う第2ラックギヤ部82aが形成されている。
つまり、左側の第1ピニオンギヤ76は、左側の第1ピニオンギヤ76を挟んで互いに対向する、左側の規制部材73に形成された第1ラックギヤ部73aと第2突出部82の左側面に形成された第2ラックギヤ部82aとに噛み合っており、右側の第1ピニオンギヤ76は、右側の第1ピニオンギヤ76を挟んで互いに対向する右側の規制部材73に形成された第1ラックギヤ部73aと第2突出部82の右側面に形成された第2ラックギヤ部82aとに噛み合っている。
図14は、保持体60の構成を説明するための斜視図であり、主に保持体本体70に第1突出部81、第1突出部81の前記周辺部材、第2突出部82及び第2突出部82の周辺部材が取り付けられた状態を示す図である。
図14に示されるように、筐体部71の上面には、凹部71dを挟んで一対の固定部材72,72が固定されている。固定部材72は、前後方向に延びる平面視矩形状の板状部材である。固定部材72の長さ(前後方向の寸法)は、筐体部71の前後寸法に略一致している。一対の固定部材72,72の一方は筐体部71の上面の左端部に配置され、一対の固定部材72,72の他方は筐体部71の上面の右端部に配置されている。なお、左側の規制部材73は左側の固定部材72と筐体部71との間に挟まれており、右側の規制部材73は右側の固定部材72と筐体部71との間に挟まれている。
また、第1突出部81の上面には、一対のラック部材75,75が固定されている。ラック部材75は、前後方向に延びている。ラック部材75の長さ(前後方法の寸法)は、第1突出部81の長さに一致している。一対のラック部材75,75の一方は第1突出部81の上面の左端部近傍に配置されており、一対のラック部材75,75の他方は第1突出部81の上面の右端部近傍に配置されている。一対のラック部材75,75の互いに対向する面、すなわち、左側のラック部材75の右側面及び右側のラック部材75の左側面には、第3ラックギヤ部75aが形成されている。ここで、一対のラック部材75,75は、第2突出部82の左右両端部を覆うように設けられており、これにより、第2突出部82は、上方への移動が規制されている。
さらに、一対のラック部材75,75のそれぞれには、ガイド部材74が一体に設けられている。ガイド部材74は、前後方向に延びている。ガイド部材74の長さは、ラック部材75の長さに一致している。
さらにまた、第2突出部82の左側の第2ボス部82bには、左側のラック部材75に形成された第3ラックギヤ部75aと噛み合う第2ピニオンギヤ77が回転自在に装着されている。同様に、第2突出部82の右側の第2ボス部82bには、右側のラック部材75に形成された第3ラックギヤ部75aと噛み合う第2ピニオンギヤ77が回転自在に装着されている。
図15は、突出部80を構成する第3突出部83の斜視図であり、主に第3突出部83の下面側を示す図である。
図15に示されるように、第3突出部83は、前後方向に延びる平面視矩形状の板状部材として形成されている。第3突出部83の長さ(前後方向の寸法)は、筐体部71の前後寸法に略一致している。また、第3突出部83の下面には、左右方向の中央部を挟んで一対のラック部831,831が突設されている。ラック部831は、第3突出部83の前端から後端まで延びている。一対のラック部831,831のそれぞれには、第2ピニオンギヤ77に噛み合う第4ラックギヤ部83aが形成されている。
第3突出部83は、前後方向に移動可能なように、第2突出部82の上面上に配置されている(図8参照)。第3突出部83の左側のラック部831に形成された第4ラックギヤ部83aは、第2突出部82の左側の第2ボス部82bに装着された第2ピニオンギヤ77(左側のピニオンギヤ77)と噛み合っており、第3突出部83の右側のラック部831に形成された第4ラックギヤ部83aは、第2突出部82の右側の第2ボス部82bに装着された第2ピニオンギヤ77(右側のピニオンギヤ77)と噛み合っている。
つまり、左側の第2ピニオンギヤ77は、左側の第2ピニオンギヤ77を挟んで互いに対向する、左側のラック部材75に形成された第3ラックギヤ部75aと第3突出部83の左側のラック部831に形成された第4ラックギヤ部83aとに噛み合っている。同様に、右側の第2ピニオンギヤ77は、右側の第2ピニオンギヤ77を挟んで互いに対向する、右側のラック部材75に形成された第3ラックギヤ部75aと第3突出部83の右側のラック部831に形成された第4ラックギヤ部83aとに噛み合っている。
なお、第3突出部83の左端部は、左側のラック部材75と左側のガイド部材74との間に位置しており、第3突出部83の右端部は、右側のラック部材75と右側のガイド部材74との間に位置している。このため、第3突出部83は、上方への移動が規制されている。また、本実施形態において、第3突出部83の上面は、一対の固定部材72,72の上面よりも高い位置に位置している。
上記構成の保持体60において、突出部駆動モータ161が前記シャフト部材を回転駆動し、これによって第1突出部81が筐体部71から前方に突出すると、第1突出部81の一対の第1ボス部81a,81a及びそこに回転自在に装着された一対の第1ピニオンギヤ76,76も前方に移動する。一対の第1ピニオンギヤ76,76は、一対の規制部材73,73に形成された第1ラックギヤ部73a,73aに噛み合っている。このため、一対の第1ピニオンギヤ76,76は、回転しながら前方に移動する。また、一対の第1ピニオンギヤ76,76には、第2突出部82の左側面及び右側面に形成された一対の第2ラックギヤ部82a,82aが噛み合っている。このため、第2突出部82は、第1突出部81が筐体部71から前方に突出するのに伴い、第1突出部81の筐体部71からの突出量と同じ量だけ第1突出部81から前方に突出する(図9参照)。
第2突出部82が第1突出部81から前方に突出すると、第2突出部82の一対の第2ボス部82b,82b及びそこに回転自在に装着された一対の第2ピニオンギヤ77,77も前方に移動する。一対の第2ピニオンギヤ77,77は、一対のラック部材75に形成された第3ラックギヤ部75a,75aに噛み合っている。このため、一対の第2ピニオンギヤ77,77は回転しながら前方に移動する。また、一対の第2ピニオンギヤ77,77には、第3突出部83の左右ラック部831,831に形成された一対の第4ラックギヤ部83a,83aが噛み合っている。このため、第3突出部83は、第2突出部82が第1突出部81から前方に突出するのに伴い、第2突出部82の第1突出部81からの突出量と同じ量だけ第2突出部82から前方に突出する(図9参照)。
したがって、第3突出部83の筐体部71からの突出量は、第1突出部81の筐体部71からの突出量の3倍になる。このため、本実施形態において、突出部80は、コンパクトな構成でありながら十分な突出量を確保することができる。
なお、第1突出部81が筐体部71から後方に突出する場合も上記と同様である。すなわち、第1突出部81が筐体部71から後方に突出するのに伴い、第2突出部82が第1突出部81の筐体部71からの突出量と同じ量だけ第1突出部81から後方に突出し、第2突出部82が第1突出部81から後方に突出するのに伴い、第3突出部83が第2突出部82の第1突出部81からの突出量と同じ量だけ第2突出部82から後方に突出する。
図7に戻り、移動機構90は、保持体60が載置された載置プレート98と、載置プレート98を左右方向に移動可能に支持するレール部材97と、レール部材97の左端部と右端部とに設けられてレール部材97を支持する一対の支持プレート96,96と、を有している。レール部材97は、一対の支持プレート96,96によって水平に支持されており、左右方向に延びている。なお、図7では省略されているが、レール部材97の底部には、その長さ方向の全体に亘って断熱板97aが取り付けられている(図2参照)。移動機構90は、さらに左側フレーム91と右側フレーム92とを有している。左側フレーム91は、例えば冷凍保管庫3の左側の内側面に沿って配置され、右側フレーム92は、例えば冷凍保管庫3の右側の内側面に沿って配置される。
左側フレーム91には、上下一対のプーリ93が設けられている。但し、図7では下側のプーリ93が省略されている。これらのプーリ93には、Y駆動用ベルト94が架け渡されている。そして、Y駆動用ベルト94の周方向における第1所定位置に左側の支持プレート96が固定されている。
なお、図示省略されているが、左側フレーム91と同様、右側フレーム92にも上下一対のプーリが設けられ、これらのプーリにもY駆動用ベルト(図示省略)が架け渡され、このY駆動用ベルトの周方向における第2所定位置(前記第1所定位置に対応する位置)に右側の支持プレート96が固定されている。
左側フレーム91に設けられた上側のプーリ93と右側フレーム92に設けられた図示省略の上側のプーリとは駆動伝達シャフト95を介して互いに連結されている。また、左側フレーム91の上部には上側のプーリ93を回転駆動するY駆動モータ163が取り付けられている。Y駆動モータ163の回転駆動力は、例えばY駆動モータ163の出力軸に取り付けられたギヤ(図示省略)及びプーリ93に一体形成されたギヤ(図示省略)を介してプーリ93に伝達される。
また、図示省略されているが、移動機構90は、例えばレール部材97の内部に、左右一対のプーリと、これらのプーリ間に架け渡されたX駆動用ベルトと、左右一対のプーリのうちの一方のプーリを回転駆動するX駆動モータ162(図16参照)と、をさらに有している。そして、X駆動用ベルトの周方向における所定位置に載置プレート98が固定されている。
Y駆動モータ163によって左側フレーム91に設けられた上側のプーリ93が回転駆動されると、左側のY駆動用ベルト94が回転する。また、右側フレーム92に設けられた上側のプーリも左側フレーム91に設けられた上側のプーリ93と同期して回転するため、右側のY駆動用ベルトも回転する。これにより、一対の支持プレート96,96が上昇又は下降し、これら一対の支持プレート96,96と一体に、レール部材97、載置プレート98及び保持体60も上昇又は下降する。
また、X駆動モータ162によって左右一対のプーリのうちの前記一方のプーリが回転駆動されると、X駆動用ベルトが回転する。これにより、載置プレート98が左方向又は右方向に移動し、載置プレート98と一体に保持体60も左方向又は右方向に移動する。
移動機構90は、上述のように、Y駆動モータ163によって左側フレーム91に設けられた上側のプーリ93及び右側フレーム92に設けられた上側のプーリを回転駆動することで冷凍保管庫3内において保持体60を上下に移動させ、X駆動モータ162によって左右一対のプーリのうちの前記一方のプーリを回転駆動することで冷凍保管庫3内において保持体60を左右に移動させる。
本実施形態において、移動機構90は、冷凍保管庫3内における保持体60の位置を検知する位置検知部(図示省略)を有している。そして、移動機構90は、保持体60を、保持体60と冷凍食品配置部4131~413n、4231~423n、5131~513n及び5231~523nのいずれかとの間で冷凍食品Fが載置されたトレイTの受け渡しが可能な第1受け渡し位置と、保持体60と商品取出部(商品補充部)7の載置部7aとの間で冷凍食品Fが載置されたトレイTの受け渡しが可能な第2受け渡し位置と、保持体60とトレイ待機部5241~524mのいずれかとの間で冷凍食品Fが載置されていないトレイTの受け渡しが可能なトレイ受け渡し位置と、に移動させることが可能である。なお、前記第1受け渡し位置は、冷凍食品配置部4131~413n、4231~423n、5131~513n及び5231~523nのいずれかに対向する位置であり、前記第2受け渡し位置は、商品取出部7の載置部7aに対向する位置であり、前記トレイ受け渡し位置は、トレイ待機部5241~524mのいずれかに対向する位置である。
また、本実施形態において、移動機構90は、非動作時に、保持体60を上側保管室(弱冷凍室)5内の所定位置(待機位置)で待機させる。室内温度(保管温度)が-18℃以下である下側保管室(冷凍室)4内で保持体60を待機させるようにすると、特に突出部駆動モータ161の性能低下や寿命低下などを招くおそれがあるからである。好ましくは、図2に示されるように、移動機構90は、レール部材97の底部に取り付けられた断熱板97aを下側保管室4と上側保管室5とを区画する区画壁3bの開口3c内又は開口3cの僅かに上側に位置させつつ、保持体60を上側保管室(弱冷凍室)5内の下部に待機させる。このようにすれば、保持体60を上側保管室5内で待機させて突出部駆動モータ161の性能低下や寿命低下を抑制しつつ、レール部材97(断熱板97a)によって区画壁3bの開口3cの大部分を塞ぐことができ、下側保管室(冷凍室)4の温度変化(温度上昇)を抑制できる。
なお、ここで説明した移動機構90は一例にすぎず、保持体60を上下及び左右に移動させることのできる種々の構成の移動機構が用いられ得る。
図16は、冷凍食品の保管装置1の制御系の概略構成を示すブロック図である。図16に示されるように、冷凍食品の保管装置1は、メモリM及び制御装置100を有する。
メモリMには、各種プログラムやデータなどが格納されている。また、本実施形態において、メモリMには、各冷凍食品配置部とそこに配置された冷凍食品Fに関する情報とが関連付けられて格納される。
制御装置100は、CPUなどで構成されており、冷凍食品の保管装置1の動作を統括的に制御する。例えば、制御装置100は、第1温度センサS1によって検出される下側保管室4の温度が前記第1温度を維持するように前記第1冷凍装置(主に前記圧縮機)を制御し、第2温度センサS2によって検出される上側保管室5の温度が前記第2温度を維持するように前記第2冷凍装置(主に前記圧縮機)を制御する。また、制御装置100はタイマなどによって日時情報を取得する。
また、本実施形態において、制御装置100は、(1)新たな冷凍食品Fを下側保管室(冷凍室)4に補充する処理(商品補充処理)、(2)下側保管室(冷凍室)4に保管されている(第1収納棚41又は第2収納棚42に収納されている)冷凍食品Fを上側保管室(弱冷凍室)5に移送する処理(商品移送処理)、及び、(3)上側保管室(弱冷凍室)5に保管されている(第3収納棚51又は第4収納棚52に収納されている)冷凍食品Fを商品取出部7に搬出する処理(商品搬出処理)、を実行するように構成されている。以下、これらの処理について順に説明する。なお、以下の説明においては、便宜上、補充される新たな冷凍食品Fを「Fa」といい、第1収納棚41に収納されている冷凍食品Fを「F1」といい、第2収納棚42に収納されている冷凍食品Fを「F2」といい、第3収納棚51に収納されている冷凍食品Fを「F3」といい、第4収納棚52に収納されている冷凍食品Fを「F4」という。また、冷凍食品Fが載置されていないトレイTを「T0」という。
[商品補充処理]
本実施形態において、制御装置100は、下側保管室(冷凍室)4内に配置された第1収納棚41又は第2収納棚42の冷凍食品配置部の少なくとも一つが空いており且つ表示部(入力部)21を介して商品補充指令が入力された場合に、前記商品補充処理を実行するように構成されている。ここでは、前記商品補充処理の一例として、新たな冷凍食品Faが、下側保管室(冷凍室)4内の後部側に配置された第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nに補充される場合について説明する。
制御装置100は、表示部(入力部)21を介して前記商品補充指令が入力されると、トレイ待機部5241~524mのいずれかにある(待機している)トレイT0を新たな冷凍食品Faの補充に使用するトレイとして決定すると共に、第1収納棚41又は第2収納棚42の空いている冷凍食品配置部のうちのいずれか一つを新たな冷凍食品Faの補充先として決定する。ここでは、第4収納棚52の最下段の棚板521cの最も左側のトレイ待機部5241にあるトレイT0が新たな冷凍食品Faの補充に使用するトレイとして決定され、及び、第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nが新たな冷凍食品Faの補充先として決定されたものとする。
この場合、制御装置100は、第4収納棚52の最下段の棚板521cの最も左側のトレイ待機部5241にあるトレイT0を商品取出部7の載置部7aに搬送するように、搬送機構8(具体的には、突出部駆動モータ161、X駆動モータ162、Y駆動モータ163)を制御する。
搬送機構8(保持体60及び移動機構90)は、制御装置100による前記制御に基づき次のように動作する。
まず、移動機構90は、保持体60を第4収納棚52の最下段の棚板521cの最も左側のトレイ待機部5241に対向する位置(すなわち、前記トレイ受け渡し位置)に移動させる。
次に、保持体60は、突出部80を保持体本体70から前方に突出させ、突出部80をトレイT0(冷凍食品Fが載置されていないトレイ)の一対の脚部Tb、Tb間に形成された空間に挿入させる(差し込む)。
次に、移動機構90は、保持体60を所定量だけ上昇させる。これにより、トレイT0は、第4収納棚52の最下段の棚板521c上に置かれた状態から保持体60の突出部80によって支持された状態に移行する。
次に、保持体60は、突出部80を元の状態(保持体本体70から突出していない非突出状態)に戻す。これにより、トレイT0は、保持体本体70上で突出部80に支持された状態、すなわち、保持体60に保持された状態となる。
次に、移動機構90は、保持体60を商品取出部7の載置部7aに対向する位置(すなわち、前記第2受け渡し位置)に移動させる。
次に、保持体60は、突出部80を保持体本体70から前方に突出させ、トレイT0を商品取出部7の載置部7aの上方に配置させる。
次に、移動機構90は、保持体60を前記所定量だけ下降させる。これにより、トレイT0は、保持体60の突出部80によって支持された状態から商品取出部7の載置部7a上に置かれた状態に移行する。
トレイT0(すなわち、冷凍食品Fが載置されていないトレイ)が商品取出部7の載置部7a上に置かれると、制御装置100は、表示部21を介して、商品補充者に対し、新たな冷凍食品Faの包装袋等に付されたコード化情報を情報読取部22に読み取らせること及び新たな冷凍食品Faを商品取出部7の載置部7aにあるトレイT0に載置することを要求する。
その後、制御装置100は、情報読取部22を介して新たな冷凍食品Faの属性情報が取得され及び新たな冷凍食品Faが商品取出部7の載置部7aにあるトレイT0に載置されると、商品取出部7の載置部7aにある新たな冷凍食品Faが載置されたトレイTを第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nに搬送するように、搬送機構8(突出部駆動モータ161、X駆動モータ162、Y駆動モータ163)を制御する。
搬送機構8(保持体60及び移動機構90)は、制御装置100による前記制御に基づき次のように動作する。
移動機構90は、保持体60を前記所定量だけ上昇させる。これにより、新たな冷凍食品Faが載置されたトレイTは、商品取出部7の載置部7a上に置かれた状態から保持体60の突出部80によって支持された状態に移行する。
次に、保持体60は、突出部80を元の状態(保持体本体70から突出していない非突出状態)に戻す。これにより、新たな冷凍食品Faが載置されたトレイTは、保持体本体70上で突出部80に支持された状態、すなわち、保持体60に保持された状態となる。
次に、移動機構90は、保持体60を第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nに対向する位置(すなわち、前記第1受け渡し位置)に移動させる。
次に、保持体60は、突出部80を保持体本体70から後方に突出させ、新たな冷凍食品Faが載置されたトレイTを第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nの上方に配置する。
次に、移動機構90は、保持体60を前記所定量だけ下降させる。これにより、新たな冷凍食品Faが載置されたトレイTは、保持体60の突出部80によって支持された状態から第1収納棚41の最下段の棚板411c上に置かれた状態に移行する。
次に、保持体60は、突出部80を元の状態(保持体本体70から突出していない非突出状態)に戻す。これにより、新たな冷凍食品Faの第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nへの補充が完了する。
制御装置100は、情報読取部22を介して取得された新たな冷凍食品Faの属性情報と、新たな冷凍食品Faの補充先(保管位置)である第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nと、を関連付けて冷凍食品関連情報としてメモリMに格納する。また、移動機構90は、保持体60を前記待機位置に移動させる。
なお、詳細な説明は省略するが、制御装置100は、決定された新たな冷凍食品Faの補充先に応じて搬送機構8を適宜制御することにより、新たな冷凍食品Faを第1収納棚41の他の冷凍食品配置部に補充したり、新たな冷凍食品Faを第2収納棚42の冷凍食品配置部に補充したりすることができる。また、制御装置100は、対応する冷凍食品関連情報をメモリMに格納する。
[商品移送処理]
本実施形態において、制御装置100は、上側保管室(弱冷凍室)5に配置された第3収納棚51又は第4収納棚52の冷凍食品配置部の少なくとも一つが空いている場合に、前記商品移送処理を実行するように構成されている。制御装置100は、所定のタイミングで(例えば、定刻に又は周期的に)第3収納棚51又は第4収納棚52の冷凍食品配置部の少なくとも一つが空いているか否かを判定し、第3収納棚51又は第4収納棚52の冷凍食品配置部の少なくとも一つが空いていると判定した場合に前記商品移送処理を実行するように構成され得る。但し、これに限られるものではなく、制御装置100は、前記商品搬出処理の実行直後に前記商品移送処理を実行してもよい。ここでは、前記商品移送処理の一例として、下側保管室(冷凍室)4内の後部側に配置された第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nに配置されている冷凍食品F1(冷凍食品F1が載置されたトレイT)が、上側保管室(弱冷凍室)5内の前部側に配置された第4収納棚52の最上段の棚板521aの最も左側の冷凍食品配置部5231に移送される場合について説明する。
制御装置100は、第3収納棚51又は第4収納棚52の空いている冷凍食品配置部のうちのいずれか一つを移送先として決定すると共に、第1収納棚41又は第2収納棚42の冷凍食品配置部のいずれかに配置されている冷凍食品F1又はF2を前記移送先に移送する移送対象として決定する。なお、例えば前記商品搬出処理の実行直後の場合には、当該商品搬出処理によって空いた冷凍食品配置部が前記移送先として決定され得る。また、好ましくは、第1収納棚41の冷凍食品配置部に配置されている冷凍食品F1及び第2収納棚42の冷凍食品配置部に配置されている冷凍食品F2のうち、決定された移送先に配置されていた冷凍食品F3又はF4と同種の冷凍食品が前記移送対象として決定される。ここでは、第4収納棚52の最上段の棚板521aの最も左側の冷凍食品配置部5231が前記移送先として決定され、第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nに配置されている冷凍食品F1が前記移送対象として決定されたものとする。
この場合、制御装置100は、第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nにある冷凍食品F1が載置されたトレイTを第4収納棚52の最上段の棚板521aの最も左側の冷凍食品配置部5231に搬送するように、搬送機構8(突出部駆動モータ161、X駆動モータ162、Y駆動モータ163)を制御する。
搬送機構8(保持体60及び移動機構90)は、制御装置100による前記制御に基づき次のように動作する。
まず、移動機構90は、保持体60を前記待機位置から第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nに対向する位置(すなわち、前記第1受け渡し位置)に移動させる。
次に、保持体60は、突出部80を保持体本体70から後方に突出させて、突出部80を冷凍食品F1が載置されたトレイTの一対の脚部Tb、Tb間に形成された空間に挿入させる(差し込む)。
次に、移動機構90は、保持体60を前記所定量だけ上昇させる。これにより、冷凍食品F1が載置されたトレイTは、第1収納棚41の最下段の棚板411c上に置かれた状態から保持体60の突出部80によって支持された状態に移行する。
次に、保持体60は、突出部80を元の状態(保持体本体70から突出していない非突出状態)に戻す。これにより、冷凍食品F1が載置されたトレイTは、保持体本体70上で突出部80に支持された状態、すなわち、保持体60に保持された状態となる。
次に、移動機構90は、保持体60を第4収納棚52の最上段の棚板521aの最も左側の冷凍食品配置部5231に対向する位置(すなわち、別の前記第1受け渡し位置)に移動させる。
次に、保持体60は、突出部80を保持体本体70から前方に突出させ、冷凍食品F1が載置されたトレイTを第4収納棚52の最上段の棚板521aの最も左側の冷凍食品配置部5231の上方に配置する。
次に、移動機構90は、保持体60を前記所定量だけ下降させる。これにより、冷凍食品F1が載置されたトレイTは、保持体60の突出部80によって支持された状態から第4収納棚52の最上段の棚板521a上に置かれた状態に移行する。
次に、保持体60は、突出部80を元の状態(保持体本体70から突出していない非突出状態)に戻す。これにより、第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nに配置されていた冷凍食品F1(冷凍食品F1が載置されたトレイT)の第4収納棚52の最上段の棚板521aの最も左側の冷凍食品配置部5231への移送が完了する。
制御装置100は、冷凍食品F1の移送に伴い、メモリMに格納されている冷凍食品関連情報の書き換えを行う。すなわち、制御装置100は、第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nに関連付けられていた冷凍食品F1の属性情報をクリアすると共に、冷凍食品F1の属性情報を冷凍食品F1の移送先(新たな保管位置)である第4収納棚52の最上段の棚板521aの最も左側の冷凍食品配置部5231に関連付けてメモリMに格納する。また、このとき、制御装置100は、冷凍食品F1が第1収納棚41の最下段の棚板411cの最も右側の冷凍食品配置部413nから第4収納棚52の最上段の棚板521aの最も左側の冷凍食品配置部5231に移送された日時、換言すれば、冷凍食品F1が下側保管室(冷凍室)4から上側保管室(弱冷凍室)5に移送された日時を移送日時情報としてメモリMに格納する。さらに、移動機構90は、保持体60を前記待機位置に移動させる。
なお、詳細な説明は省略するが、制御装置100は、決定された移送先及び移送対象に応じて搬送機構8を適宜制御することにより、第1収納棚41に収納された他の冷凍食品F1を第4収納棚52に移送したり、第1収納棚41に収納された各冷凍食品F1を第3収納棚51に移送したり、第2収納棚42に収納された各冷凍食品F2を第3収納棚51又は第4収納棚52に移送したりすることができる。また、制御装置100は、冷凍食品F1又は冷凍食品F2の移送に伴い、メモリMに格納されている冷凍食品関連情報の書き換えを行うと共に、冷凍食品F1又は冷凍食品F2が下側保管室(冷凍室)4から上側保管室(弱冷凍室)5に移送された日時(移送日時情報)をメモリMに格納する。
[商品搬出処理]
本実施形態において、制御装置100は、表示部(入力部)21を介して前記商品選択指令が入力された場合に、前記商品搬出処理を実行するように構成されている。ここでは、前記商品搬出処理の一例として、上側保管室(弱冷凍室)5内の前部側に配置された第4収納棚52の二段目の棚板521bの右から二番目の冷凍食品配置部523n-1に配置されている冷凍食品F4(冷凍食品F4が載置されたトレイT)が、商品取出部7に搬出される場合について説明する。
制御装置100は、前記商品選択指令に基づき、第3収納棚51の冷凍食品配置部に配置されている冷凍食品F3及び第4収納棚52の冷凍食品配置部に配置されている冷凍食品F4のうちのいずれか一つを商品取出部7に搬出する搬出対象として決定する。ここでは、第4収納棚52の二段目の棚板521bの右から二番目の冷凍食品配置部523n-1に配置されている冷凍食品F4が前記搬出対象として決定されたものとする。
この場合、制御装置100は、第4収納棚52の二段目の棚板521bの右から二番目の冷凍食品配置部523n-1にある冷凍食品F4が載置されたトレイTを商品取出部7に搬送するように、搬送機構8(突出部駆動モータ161、X駆動モータ162、Y駆動モータ163)を制御する。
搬送機構8(保持体60及び移動機構90)は、制御装置100による前記制御に基づき次のように動作する。
まず、移動機構90は、保持体60を前記待機位置から第4収納棚52の二段目の棚板521bの右から二番目の冷凍食品配置部523n-1に対向する位置(すなわち、前記第1受け渡し位置)に移動させる。
次に、保持体60は、突出部80を保持体本体70から前方に突出させて、突出部80を冷凍食品F4が載置されたトレイTの一対の脚部Tb、Tb間に形成された空間に挿入させる(差し込む)。
次に、移動機構90は、保持体60を前記所定量だけ上昇させる。これにより、冷凍食品F4が載置されたトレイTは、棚板521b上に置かれた状態から保持体60の突出部80によって支持された状態に移行する。
次に、保持体60は、突出部80を元の状態(保持体本体70から突出していない非突出状態)に戻す。これにより、冷凍食品F4が載置されたトレイTは、保持体本体70上で突出部80に支持された状態、すなわち、保持体60に保持された状態となる。
次に、移動機構90は、保持体60を商品取出部7の載置部7aに対向する位置(すなわち、前記第2受け渡し位置)に移動させる。
次に、保持体60は、突出部80を保持体本体70から前方に突出させ、冷凍食品F4が載置されたトレイTを商品取出部7の載置部7aの上方に配置させる。
次に、移動機構90は、保持体60を前記所定量だけ下降させる。これにより、冷凍食品F4が載置されたトレイTは、保持体60の突出部80によって支持された状態から商品取出部7の載置部7a上に置かれた状態に移行する。これにより、第4収納棚52の二段目の棚板521bの右から二番目の冷凍食品配置部523n-1に配置されていた冷凍食品F4(冷凍食品F4が載置されたトレイT)の商品取出部7への搬出が完了する。
その後、制御装置100は、利用者によって商品取出部7の載置部7aにあるトレイTに載置された冷凍食品F4が取り出されると、第4収納棚52の最下段の棚板521cの空いているトレイ待機部のうちのいずれか一つを冷凍食品F4が取り出された後のトレイT0の待機先として決定する。ここでは、第4収納棚52の最下段の棚板521cの最も左側のトレイ待機部5241が前記待機先として決定されたものとする。そして、制御装置100は、冷凍食品F4が取り出された後のトレイT0を前記待機先として決定された第4収納棚52の最下段の棚板521cの最も左側のトレイ待機部5241に搬送するように、搬送機構8(具体的には、突出部駆動モータ161、X駆動モータ162、Y駆動モータ163)を制御する。なお、この場合の搬送機構8(保持体60及び移動機構90)の動作は、前記商品補充処理において新たな冷凍食品Faの補充に使用するトレイT0を商品取出部7の載置部7aに搬送する場合の動作と逆であるので説明は省略する。
制御装置100は、冷凍食品F4の搬出に伴い、メモリMに格納されている冷凍食品関連情報の書き換えを行う。すなわち、制御装置100は、第4収納棚52の二段目の棚板521bの右から二番目の冷凍食品配置部523n-1に関連付けられていた冷凍食品F4に関する情報(属性情報及び移送日時情報)をクリアする。また、移動機構90は、保持体60を前記待機位置に移動させる。
なお、詳細な説明は省略するが、制御装置100は、決定された搬出対象に応じて搬送機構8を適宜制御することにより、第4収納棚52に収納された他の冷凍食品F4を商品取出部7に搬出したり、第3収納棚51に収納された各冷凍食品F3を商品取出部7に搬出したりすることができる。また、制御装置100は、冷凍食品F3又は冷凍食品F4の搬出に伴い、メモリMに格納されている冷凍食品関連情報の書き換えを行う。
本実施形態に係る冷凍食品の保管装置1によれば、以下のような効果が得られる。
冷凍食品の保管装置1は、下側保管室(冷凍室)4に保管されている冷凍食品Fを上側保管室(弱冷凍室)5に移送すると共に上側保管室(弱冷凍室)5に保管されている冷凍食品Fを商品取出部7に搬出するように構成された搬送機構8を有する。このため、冷凍食品F4を下側保管室(冷凍室)4にて長期保存することができると共に、下側保管室(冷凍室)4で冷凍保管された冷凍食品が上側保管室(弱冷凍室)5での保管を経た後に商品取出部7に搬出されるため、従来に比べて短時間で解凍され及び/又は加熱され得る状態で冷凍食品Fを商品取出部に搬出することができる。
また、搬送機構8は、新たな冷凍食品F(Fa)を商品取出部7から下側保管室(冷凍室)4に搬送すること、換言すれば、下側保管室(冷凍室)4に新たな冷凍食品F(Fa)を補充することが可能に構成されている。このため、新たな冷凍食品F(Fa)を補充する際に下側保管室(冷凍室)4や上側保管室(弱冷凍室)5を開放等する必要がなく、冷凍保管庫3の温度上昇等が抑制される。ここで、本実施形態においては、商品取出部7が商品補充部として機能を有している。しかし、これに限られるものではなく、商品補充部が商品取出部7とは別に設けられてもよい。
また、冷凍食品の保管装置1は、新たな冷凍食品F(Fa)から新たな冷凍食品F(Fa)に関する情報を読み取る情報読取部22を有しており、情報読取部22は、商品補充部としての機能を有する商品取出部7の近傍に配置されている。このため、新たな冷凍食品F(Fa)を補充する際に新たな冷凍食品F(Fa)に関する情報を容易に取得することができ、取得した情報を表示部21に表示したり、冷凍食品の管理に利用したりすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能である。