JP2000074345A - 廃棄物溶融炉への廃プラスチック吹込み方法 - Google Patents
廃棄物溶融炉への廃プラスチック吹込み方法Info
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
廃棄物溶融処理において、廃プラスチックを多量に吹き
込み、極力タール等の発生を抑制してガス化を行うこと
ができる廃棄物溶融炉への廃プラスチックの吹込み方法
の提供。 【解決手段】廃棄物溶融炉1に廃棄物をコークス、石灰
石とともに装入し、乾燥、熱分解、燃焼、溶融して廃棄
物を溶融処理する際に、廃棄物溶融炉1の送風羽口7か
らコークスベッドヘ常温の酸素富化空気または高温空気
を吹き込むとともに、廃プラスチックを廃棄物溶融炉1
へ吹き込む方法において、コークスベッド上端より上部
で800℃以上の領域に廃プラスチックを吹き込む。
Description
廃棄物等の廃棄物を溶融処理する廃棄物溶融炉への廃プ
ラスチックの吹込み方法に関する。
理方法の一つとして、シャフト炉型の廃棄物溶融炉で廃
棄物を乾燥、熱分解、燃焼、溶融して、スラグとメタル
にする廃棄物溶融処理がある。この廃棄物溶融処理は、
廃棄物をガス化・高温溶融して一括処理することが可能
である。
棄物溶融炉の説明図で、図7において、廃棄物溶融炉1
には、副資材であるコークス2、石灰石3および廃棄物
が炉上部から2重シール弁機構の装入装置4を介して装
入され、乾燥、熱分解、燃焼、溶融の過程を経て、可燃
分は熱分解ガスとして廃棄物溶融炉上部のダクト5から
排出され、燃焼室で完全燃焼後、ボイラー・タービン発
電機などの付帯設備により熱および電気エネルギーとし
て利用される。炉下部には、スラグを排出するための出
滓口6、空気と酸素を混合した酸素富化空気を吹き込む
送風羽口7が設けられ、灰分はスラグおよびメタルとし
て出滓口6から取り出す。
炉型の廃棄物溶融炉には、炉下部に廃棄物の熱分解残渣
を燃焼するための空気を吹き込む上部送風羽口8が設け
られている場合もある。
類が含まれているが、廃棄物溶融炉では廃棄物中にプラ
スチック類が含まれている場合も、ダイオキシン等の有
害物質を発生させることなく安全に処理することが可能
である。しかし、炉内で廃棄物は下方に降下するに従っ
て次第に温度が上昇していくことから、プラスチック類
は炉下部に到達する前に熱分解・ガス化してしまい、プ
ラスチック類の持つ高い発熱量や、還元材としての能力
が高温溶融の際に有効に活用されていない。
る廃棄物溶融炉において、プラスチック類の持つ還元剤
としての能力及びその高い発熱量を有効利用することに
より、分別プラスチックを含めた廃棄物全体を効率よく
処理するため、廃棄物を直接溶融処理するシャフト炉型
の廃棄物溶融炉に分離した廃プラスチックを廃棄物溶融
炉の下部に設けた図7あるいは図8に示す送風羽口7を
介して廃棄物溶融炉内に供給する廃棄物溶融処理技術を
特願平9−320131号として出願した。
は、前述の一般廃棄物等の溶融処理とは異なるが、焼却
灰の溶融処理において、焼却灰の無害化及び減容化を図
るため、焼却灰の溶融装置で廃プラスチックを羽口から
供給する技術が記載されている。
願の発明にしたがって、既存の廃棄物溶融炉の羽口から
廃プラスチックをコークスベッドヘ吹き込んでも、廃プ
ラスチックの燃焼性や燃焼空間の制約から廃プラスチッ
クの吹込み量には限界があり、多量に吹き込むことがで
きない。
焼却灰の溶融装置では、廃プラスチックが徐々に加熱さ
れるため、低温領域での熱分解過程でタール等の発生が
避けられず、好ましくない。
を吹き込む廃棄物溶融処理において、廃プラスチックを
多量に吹込み、極力タール等の発生を抑制してガス化を
行うことができる廃棄物溶融炉への廃プラスチック吹込
み方法を提供するものである。
吹込み方法は、廃棄物溶融炉に廃棄物をコークス、石灰
石とともに装入し、乾燥、熱分解、燃焼、溶融して廃棄
物を溶融処理する際に、廃棄物溶融炉の送風羽口からコ
ークスベッドヘ常温の酸素富化空気または高温空気を吹
き込むとともに、廃プラスチックを廃棄物溶融炉へ吹込
む方法において、コークスベッド上端より上部で800
℃以上の領域に廃プラスチックを吹き込むことを特徴と
する。
は、送風羽口を介し吹き込まれた酸素が廃プラスチック
の燃焼も加味して消失するレベルにコークスベッド上端
を設定し、送風羽口レベルとコークスベッド上端レベル
との間に廃プラスチックを吹き込むとともに、コークス
ベッド上端より上部で800℃以上の領域に廃プラスチ
ックを吹き込んでもよい。
廃プラスチックの燃焼も加味して消失するレベルより高
い位置にコークスベッド上端を設定し、送風羽口レベル
と送風羽口を介し吹き込まれた酸素が消失するレベルと
の間、および該レベルとコークスベッド上端レベルとの
間の各々に廃プラスチックを吹き込むとともに、コーク
スベッド上端より上部で800℃以上の領域に廃プラス
チックを吹き込んでもよい。
るポリエチレンの熱分解特性温度依存性を示すグラフ
で、500℃レベルの低温域ではタールの発生が多くガ
ス化率が低いのに対して、800℃レベルの高温域では
タールの発生も少なくガス化率が高くなっていることが
分かる。
プラスチックを吹き込むことで燃焼または熱分解の空間
を拡大し、温度域800℃以上の領域に直接吹き込むこ
とで、高温での熱分解・ガス化、さらにはソルーション
反応によるガス化も促進することが可能となる。
への廃プラスチックの吹き込みと、コークスベッドへの
廃プラスチックの吹込みとの併用について説明する。
Cの消費には下記の二形態が存在する。
したがって、(1)式の反応により上昇し、一方O2は
消費され減少していく。そしてO2の消失した位置より
上方では、(2)式の反応によりCO2濃度が減少し、
CO濃度が上昇しはじめる。
のCが有効に利用されるが、(2)式の反応は吸熱反応
でCが有効に利用されないことになる。したがって、コ
ークスには極力(1)式の反応をさせる必要があるが、
O2のない状態で、高温のCO2に接すると、(2)式に
よりコークスのソリューション反応が起こり、コークス
が無駄に消費されることになる。
が速いため、コークスベッド内に廃プラスチックを吹き
込むと、吹き込まない場合に比べO2の消失位置が下る
ことになる。したがって、廃プラスチックを吹き込まな
い条件のまま、無闇にコークスベッドヘ廃プラスチック
を吹き込んでも、O2の消失位置より上方にコークスが
存在することになり、(1)式のコークス消費量を減少
できても、(2)式でコークス消費量が増大し、結果的
に廃プラスチック吹込みがコークスに消費量の低減に寄
与することができなくなる。
込みによりコークス代替を行わせるには、以下の二つの
方法が有効である。即ち(2)式の反応をコークスベッ
ド内で行わせないようにするか、(2)式で反応するコ
ークス中のCを廃プラスチック中のCに置き換えること
により、コークスのソリューション反応を起こさせない
ようにすることである。
口を介し吹き込まれたO2が廃プラスチックの燃焼も加
味して消失するレベルにコークスベッド上端を設定し、
O2の存在しない領域にはコークスも存在しないように
して、廃プラスチックを送風羽口レベルとコークスベッ
ド上端の間に吹き込む方法である。この場合、廃プラス
チックの吹込み位置は、送風羽口レべルとコークスベッ
ド上端の間であれば送風羽口も含め任意の位置でよく、
一段でも複数段でもよい。
量等を勘案して廃棄物溶融炉から投入され、炉下部へ降
下し、コークスベッドを形成する。しかし、前述のとお
り、コークスベッド上端を酸素消失レベルより高く設定
するとソリューション反応により無駄にコークスを消費
することになるため、コークス供給速度の適正化を図る
こと等によりコークスベッド上端レベルを調整すること
が必要である。
口を介し吹き込まれたO2が廃プラスチックの燃焼も加
味して消失するレベルによりコークスベッド上端を上方
に設定する場合で、この時は廃プラスチックを送風羽口
レベルとコークスベッド上端の間に吹き込むとともに、
O2の存在しないコークスベッド上部領域にもコークス
に代替してソルーション反応を起こさせるための廃プラ
スチックを吹き込む方法である。この場合、下部の廃プ
ラスチック吹込み位置は、送風羽口レベルとO2消失点
レベルの間であれば送風羽口も含め任意の位置でよく、
一段でも複数段でもよい。また上部の廃プラスチック吹
込み位置もO2消失点レベルとコークスベッド上端の間
であれば任意の位置でよく、一段でも複数段でもよい。
この方法は、前記第一の方法に比べて上部に吹き込む分
だけ廃プラスチックの吹込み量を増やすことが可能とな
る。
チックの吹込みを併用することにより、より多量の廃プ
ラスチックを吹き込むことができ、また、コークス使用
量を低減させることもできる。
スを燃焼し、その廃熱を回収するボイラにおいて、処理
対象物となる廃棄物のカロリー変動によって蒸気発生量
が変動することがあるが、廃プラスチックの吹込み量を
制御することにより、蒸気発生量の安定化を図ることも
可能となる。
示す説明図で、廃棄物溶融炉1は、図3に示す従来の廃
棄物溶融炉と実質的に同じ構造で、同一部材には同一符
号を付し、その説明は省略する。炉下部においては、送
風羽口前でコークスベッド9が形成され、常温の酸素富
化空気により高温で燃焼している。
が空気燃焼している。この時発生する高温ガスが上昇す
る過程において、充填層の廃棄物が加熱され、熱分解、
予熱、乾燥が行われる。ここで石灰石はスラグの流動性
を高めるために投入されるが、炉内の塩化水素等の酸性
ガス成分を中和する。
部で800℃以上の領域に設けられた上部送風羽口を利
用して廃プラスチックを吹き込む。
および吹き込まない場合の発生ガス量およびカロリーの
結果を示す。
る。廃プラスチックの吹込み量:100kg/tごみ、
吹込みキャリアガス流速:50m/s、廃プラスチック
粒径:5mm、吹込み位置:送風羽口上1200mm、
温度域:900℃。
ガス化が促進され、発生ガスが高カロリーとなることが
分かる。
材には同一符号を付し、その説明は省略する。本実施例
では、実施例1の送風羽口7に廃プラスチックを吹き込
むようにしたもので、送風羽口を介し吹き込まれた酸素
が廃プラスチックの燃焼も加味して消失するレベルにコ
ークスベッド上端を設定している。上部送風羽口からの
廃プラスチック吹込みに加え、下部の送風羽口からも廃
プラスチックを吹き込むことにより、コークス使用量を
低減しつつ廃プラスチックを多量に吹き込むことができ
る。
および吹き込まない場合の発生ガス量およびカロリーの
結果を示す。
る。廃プラスチックの吹き込み量:(上部)120kg
/tごみ (下部)40kg/tごみ、吹込みキーリア
ガス流速:50m/s、廃プラスチック粒径:5mm、
吹込み位置:送風羽口上1200mm、温度域:900
℃。
ガス化が促進され、発生ガスが高カロリーとなるととも
にコークス使用量も低減したことが分かる。
材には同一符号を付し、その説明は省略する。本実施例
では、実施例2の送風羽口7に廃プラスチックを吹き込
むようにするとともに、送風羽口7を介し吹き込まれた
酸素が廃プラスチックの燃焼も加味して消失するレべル
より高い位置にコークスベッド上端を設定し、送風羽口
7を介し吹き込まれた酸素が消失するレベルとコークス
ベッド上端レベルの間にも廃プラスチックを吹き込むよ
うにしたものである。下部送風羽口7、上部送風羽口8
からの廃プラスチック吹込みに加え、中部送風羽口10
からも廃プラスチックを吹き込むことにより、コークス
使用量を低減しつつ廃プラスチックをさらに多量に吹き
込むことができる。
および吹き込まない場合の発生ガス量およびカロリーの
結果を示す。
る。廃プラスチックの吹込み量:(上部)120kg/
tごみ、(中部)20kg/tごみ、(下部)40kg
/tごみ、吹込みキャリアガス流速:50m/s、廃プ
ラスチック粒径:5mm、吹込み位置:下部送風羽口
上、中部は300mm、上部は1200mm、温度域:
900℃。
ラスチックの吹込みによりガス化が促進され、発生ガス
がさらに高カロリーとなるとともにコークス使用量は低
減したままであることが分かる。
でき、かつ廃プラスチックのガス化を促進することがで
きる。これにより、廃棄物溶融炉の発生ガスの高カロリ
ー化が可能となる。
の吹込みを併用することにより、より多量の廃プラスチ
ックを処理することができる。
例を示す説明図である。
グラフである。
の実施例を示す説明図である。
の別実施例を示す説明図である。
である。
明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 廃棄物溶融炉に廃棄物をコークス、石灰
石とともに装入し、乾燥、熱分解、燃焼、溶融して廃棄
物を溶融処理する際に、廃棄物溶融炉の送風羽口からコ
ークスベッドヘ常温の酸素富化空気または高温空気を吹
き込むとともに、廃プラスチックを廃棄物溶融炉へ吹き
込む方法において、コークスベッド上端より上部で80
0℃以上の領域に廃プラスチックを吹き込むことを特徴
とする廃棄物溶融炉への廃プラスチック吹込み方法。 - 【請求項2】 廃棄物溶融炉に廃棄物をコークス、石灰
石とともに装入し、乾燥、熱分解、燃焼、溶融して廃棄
物を溶融処理する際に、廃棄物溶融炉の送風羽口からコ
ークスベッドヘ常温の酸素富化空気または高温空気を吹
き込むとともに、廃プラスチックを廃棄物溶融炉へ吹き
込む方法において、送風羽口を介し吹き込まれた酸素が
廃プラスチックの燃焼も加味して消失するレベルにコー
クスベッド上端を設定し、送風羽口レベルとコークスベ
ッド上端レベルとの間に廃プラスチックを吹き込むとと
もに、コークスベッド上端より上部で800℃以上の領
域に廃プラスチックを吹き込むことを特徴とする廃棄物
溶融炉への廃プラスチック吹込み方法。 - 【請求項3】廃棄物溶融炉に廃棄物をコークス、石灰石
とともに装入し、乾燥、熱分解、燃焼、溶融して廃棄物
を溶融処理する際に、廃棄物溶融炉の送風羽口からコー
クスベッドヘ常温の酸素富化空気または高温空気を吹き
込むとともに、廃プラスチックを廃棄物溶融炉へ吹き込
む方法において、送風羽口を介し吹き込まれた酸素が廃
プラスチックの燃焼も加味して消失するレベルより高い
位置にコークスベッド上端を設定し、送風羽口レベルと
送風羽口を介し吹き込まれた酸素が消失するレベルとの
間、および該レベルとコークスベッド上端レベルとの間
の各々に廃プラスチックを吹き込むとともに、コークス
ベッド上端より上部で800℃以上の領域に廃プラスチ
ックを吹き込むことを特徴とする廃棄物溶融炉への廃プ
ラスチック吹込み方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24547898A JP3732013B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 廃棄物溶融炉への廃プラスチック吹込み方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP24547898A Expired - Fee Related JP3732013B2 (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 廃棄物溶融炉への廃プラスチック吹込み方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3732013B2 (ja) |
-
1998
- 1998-08-31 JP JP24547898A patent/JP3732013B2/ja not_active Expired - Fee Related
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