JP2000073135A - 耐摩耗性部材、その製造方法、ならびにそれに使用するアルミニウム合金粉末 - Google Patents

耐摩耗性部材、その製造方法、ならびにそれに使用するアルミニウム合金粉末

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JP2000073135A JP10241998A JP24199898A JP2000073135A JP 2000073135 A JP2000073135 A JP 2000073135A JP 10241998 A JP10241998 A JP 10241998A JP 24199898 A JP24199898 A JP 24199898A JP 2000073135 A JP2000073135 A JP 2000073135A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高SiのAl−Si系合金を用いた耐摩耗性
部材を提供すること。 【解決手段】 本発明の耐摩耗性部材は、金属基板と、
金属基板表面に一体的に形成された耐摩耗性被覆部材
と、からなり、耐摩耗性被覆部材は、ケイ素(Si)を
26〜80重量%及び所望により他の添加成分を含有
し、残部がアルミニウム(Al)及び不可避不純物から
なり、マトリックスがSiの一部を3重量%以上固溶し
ているアルミニウムで形成され、Siの残部が微粒子状
で且つ平均粒径が0.01μm以上10μm未満の範囲
でマトリックス中に分散した組成をもつことを特徴とす
る。本発明の耐磨耗性部材は、高い耐摩耗性および低い
相手攻撃性を有するとともに、摩擦係数が無潤滑で0.
2〜0.25と低くなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の摺動部品
(エアコン、エンジン、軸受け部品等)等に用いられる
耐摩耗性に優れたアルミニウム合金の被覆層を有する耐
摩耗性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】摺動部材に用いられるAl−Si系合金
よりなる耐摩耗性部材には、特開昭53−149832
号公報に記載された、Al−Si系合金溶射材料を溶射
した耐摩耗性部材がある。このAl−Si系合金溶射材
料は、Siを6〜11重量%含んだAl−Si系合金
に、添加成分としてSnおよびPbを含んだ溶射材料で
ある。
【0003】また、特開平2−70036号公報には、
Al−Si系合金に自己潤滑剤(Sn、MoS2、Ca
2等)を2〜20vol%含んだバルク状の複合材料
が開示されている。ここでは、Al−Si系合金とし
て、Siを5〜35重量%含んだ合金粉末が用いられて
いる。この合金は、原料粉末を焼結(冷間圧縮成形、次
いで熱間プレス成形)した後、熱間押し出しを行って製
造されている。この原料粉末としては、例えばガスアト
マイズ法などを用いて製造された急冷凝固粉末が用いら
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
53−149832号公報に記載されたAl−Si系合
金溶射材料を溶射した耐摩耗性部材は、Al−Si系合
金溶射材料に含まれるSi量が少なく、十分な耐摩耗性
が得られなかった。また、耐摩耗性部材の製造における
溶射では、固体冷却速度で冷却されるため、Alマトリ
ックス中にSiが過飽和に固溶され、Si晶出量は少な
くなっていた。
【0005】また、特開平2−70036号公報に記載
のバルク状の複合材料は、Siを5〜35重量%含んだ
合金粉末を用いているが、複合材に自己潤滑剤を含むた
め、実際に複合材料に含まれるSi量は少なくなってい
た。本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、高
SiのAl−Si系合金を用いた耐摩耗性部材を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明者らは、耐摩耗性部材に用いられる高SiのAl
−Si系合金について検討を重ねた。Siは硬度が高く
(Hv:1000)、それ自身耐摩耗性があるが、脆い
ため、切削や摺動時に欠け易く、欠けた場合にはSi粒
子が工具等の相手材の摩耗を進めるものであった。この
ため、Alマトリックス中でのSi粒子は粒径が小さく
する必要があった。
【0007】このため、耐摩耗性被覆部材に含まれるS
i粒子の粒径を制御したAl合金とすることで上記課題
を解決できることを見出した。すなわち、本発明の耐摩
耗性部材は、金属基板と、金属基板表面に一体的に形成
された耐摩耗性被覆部材と、からなり、耐摩耗性被覆部
材は、ケイ素(Si)を26〜80重量%及び所望によ
り他の添加成分を含有し、残部がアルミニウム(Al)
及び不可避不純物からなり、マトリックスがSiの一部
を3重量%以上固溶しているアルミニウムで形成され、
Siの残部が微粒子状で且つ平均粒径が0.01μm以
上10μm未満の範囲でマトリックス中に分散した組成
をもつことを特徴とする。
【0008】本発明の耐磨耗性部材は、金属基板表面に
一体的に形成された耐摩耗性被覆部材がSiを26〜8
0重量%及び所望により他の添加成分を含有し、残部が
Al及び不可避不純物からなり、マトリックスがSiの
一部を3重量%以上固溶しているAlで形成され、Si
の残部が微粒子状でかつ平均粒径が0.01μm以上1
0μm未満の範囲でマトリックス中に分散した組成をも
つことを特徴とする。
【0009】耐摩耗性被覆部材に含まれるSiは、26
〜80重量%で配合される。このSiの配合量が26重
量%未満となると、Siの晶出量が低下し、耐摩耗性が
低下する。また、80重量%を超えるようになると、摺
動部材として使用したときに相手材に対する攻撃性が許
容限度を越えて大きくなる。耐摩耗性被覆部材は、Si
の一部を3重量%以上固溶しているAlマトリックスよ
りなる。Siを3重量%以上固溶しているため、硬さの
向上がみられ、耐摩耗性が向上する。
【0010】マトリックス中に分散したSi微粒子の平
均粒径は、0.01μm以上10μm未満である。平均
粒径が10μm以上では、耐摩耗性部材を摺動部材に用
いたときに、相手材に対する攻撃性が増加する。
【0011】
【発明の実施の形態】(耐摩耗性部材)他の添加成分
は、0.05〜10重量%のMgであることが好まし
い。また、他の添加成分は、0.5〜10重量%のCu
であることが好ましい。MgおよびCuを添加すること
は、アルミニウム基地の固溶体及び析出強化により、合
金の機械的な性質を改善する。これにより、合金自体の
硬さを向上させるとともに、摺動時の微細なSiの脱落
も防止する。含有率が0.05重量%未満では、強化の
効果は少なく、10重量%を越えると、合金が脆くな
る。
【0012】他の添加成分は、4A族、5A族、6A
族、7A族および8族より選ばれる1種以上の元素で、
その総量が0.05〜15重量%であることが好まし
い。ここで、これらの元素は、Al基地の強度を向上さ
せるものである。特に、4A〜8族の元素はアルミニウ
ム中の拡散速度が遅いため、合金の耐熱性を顕著に改善
する。これらの含有率の総量が0.05重量%未満では
強度向上の効果は少なく、15重量%を越えると、合金
は脆くなる。また、ケイ素を除く他の添加成分を含む含
有率の総量が15重量%を越えないことが好ましい。
【0013】4A〜8族の元素としては、コストを考慮
すると、4A族はチタン(Ti)、ジルコニウム(Z
r)、ハフニウム(Hf)、5A族はバナジウム
(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、6A族は
クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン
(W)、7A族はマンガン(Mn)、8族は鉄(F
e)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)が望まし
い。
【0014】他の添加成分は、Sn、Pbの少なくとも
一種であり、その合計が0.1〜20重量%であること
が好ましい。これらの元素は、Al−Si合金の潤滑成
分として働き、加工性の向上や、摺動部材として用いら
れたときの焼き付きを防止する効果を示す。含有率が
0.1重量%未満では被削性の向上は期待できず、反対
に20重量%を越えるとAl−Si合金の強度や耐摩耗
性を低下させる。
【0015】金属基板は、耐摩耗性被覆部材の製造時に
溶融金属の冷却速度を高めるため、熱伝導性の大きな金
属材料を用いればよく、その中では熱伝導性の大きなア
ルミニウム基板が好ましい。なお、本発明の耐摩耗性部
材中のSi微粒子の平均粒径は、例えば、合金を鏡面研
磨した表面を光学顕微鏡ないし走査型電子顕微鏡を用い
て高倍率(×1000以上)で観察し、その結果を画像
にし、該画像を解析することにより測定することができ
る。又、本発明の耐摩耗性被覆部材におけるAlマトリ
ックス中のSi固溶率は、X線強度比(SiのX線強度
/AlのX線強度)や合金組織の画像解析により求め
た。
【0016】本発明の耐磨耗性部材は、たとえば、自動
車のエアコンのコンプレッサー、パワーステアリング、
エンジン等の摺動部品に用いられる。 (耐摩耗性部材の製造方法)本発明の耐摩耗性部材の製
造方法は、金属基板表面に、Siを26〜80重量%及
び所望により他の添加成分を含有し、残部がAl及び不
可避不純物からなるアルミニウム合金を溶射し、該金属
基板表面上で急冷凝固して耐摩耗性被覆部材を形成する
方法である。
【0017】本製造方法は、金属基板表面に溶射された
アルミニウム合金が金属基板により急冷凝固される。こ
のため、アルミニウム合金中に晶出するSi粒子が成長
する時間が短くなり、Siはアルミニウム合金中で微細
な粒子として分散し、一部のSiはAlマトリックス中
に3重量%以上固溶する。すなわち、溶射されたアルミ
ニウム合金が徐冷されると、金属組織中に粗大なSi粒
子が発生し、摺動部材の相手材への攻撃性が増加するよ
うになるため、急冷されることで金属組織(微細なSi
粒子)を維持するものである。
【0018】金属基板は、溶融合金の冷却速度を高める
ため、熱伝導性の大きな金属材料を用いればよくその中
では、熱伝導性の大きなアルミニウム基板が好ましい。
ここで、金属基板には、銅系、鉄系等の金属材料からな
る基板を用いてもよい。溶射法の場合、密着性を確保す
るために、機械的な研削加工面にブラスト処理した面に
溶射膜を形成すると良い。
【0019】アルミニウム合金の金属組織を保持した耐
摩耗性被覆部材とする方法には、溶融した金属を吹き付
けて溶着させる溶射法がある。ここで、溶射方法として
は、プラズマ溶射あるいはフレーム溶射であることが好
ましい。また、耐摩耗性部材の製造方法は、金属基板表
面に、Siを26〜80重量%及び所望により他の添加
成分を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなるア
ルミニウム合金粉末を配置し、このアルミニウム合金粉
末をレーザで短時間に加熱溶融し、その後、金属基板に
より急冷凝固させて該金属基板上に耐摩耗性被覆部材を
形成する方法である。
【0020】本製造方法では、金属基板表面に配置され
たアルミニウム合金粉末が、短時間で加熱溶融し、その
後、急冷凝固されることで、アルミニウム合金中に晶出
するSi粒子が、成長する時間が短くなり、Siはアル
ミニウム合金中で、10μm未満の微細な粒子として分
散される。また、本製造方法においても金属基板は、ア
ルミニウム基板であることが好ましい。
【0021】また、耐摩耗性部材の製造において、金属
基板と耐摩耗性被覆部材との熱膨張率が異なると、被覆
処理後或いは耐摩耗性部材の使用時に熱サイクルを受け
るような環境下で使用される場合に耐摩耗性被覆部材が
剥離するなどのトラブルが予想されるが、この様な場合
に、耐摩耗性被覆部材中のシリコンの組成比を制御した
傾斜組成を持った耐摩耗性被覆部材にすることで、この
ようなトラブルを防止することができる。
【0022】すなわち、本耐摩耗性被覆部材中のシリコ
ン量が大きいと相対的に熱膨張係数が小さくなることを
利用して、用いる金属基板の熱膨張係数に近づけるよう
に、金属基板近傍の耐摩耗性被覆部材中のシリコン量を
変えることが好ましい。溶射法或いはレーザクラッド法
で形成した本発明の耐摩耗性被覆部材は、機械的な研削
加工面或いは研磨面に仕上げ、自動車の摺動部品(例え
ば、コンプレッサー部品やエンジン部品や軸受け材料)
や機械部品などに使用することができる。
【0023】(アルミニウム合金粉末)本発明のアルミ
ニウム合金粉末は、Siを26〜80重量%及び所望に
より他の添加成分を含有し、残部がAl及び不可避不純
物からなり、ガスアトマイズ法あるいは水アトマイズ法
により製造された粉末であり、その平均粒径が1〜20
0μmの範囲となり、その粒子中のSi粒子の平均粒径
が0.01〜20μmの範囲となることを特徴とするア
ルミニウム合金粉末。
【0024】Si微粒子の平均粒径は、0.01〜20
μmの範囲である。平均粒径が20μm以上となると、
アルミニウム合金粉末を溶射するときに、Si粒子がア
ルミニウム合金中に十分に溶けなくなる。Si粒子が十
分に溶けなくなると、溶射されたアルミニウム合金中で
粗大なSi粒子が発生するようになる。粗大なSi粒子
が発生すると、アルミニウム合金溶射膜を用いた耐磨耗
性部材において、耐磨耗性が低下するようになる。
【0025】本発明のアルミニウム合金粉末は、その平
均粒径が10〜200μmの範囲内である。アルミニウ
ム合金粉末の平均粒径が200μm以上となると、粉末
内に分散されたSi粒子の平均粒径が20μm以上とな
り、前述したように好ましくなくなる。また、アルミニ
ウム合金粉末の粒径は、10〜100μmの範囲内であ
ることが好ましい。
【0026】本発明のアルミニウム合金粉末のSiの配
合量は、26〜80重量%である。このSiの配合量が
26重量%未満となると、アルミニウム合金粉末を溶射
したときに初晶Siの晶出量が低下し、アルミニウム合
金溶射膜の耐摩耗性が低下する。また、80重量%を超
えるようになると、アルミニウム合金溶射膜を有する耐
磨耗性部材の相手材に対する攻撃性が許容限度を越えて
大きくなる。ここで、さらに好ましい配合量は、36〜
70重量%である。
【0027】他の添加成分は、0.05〜10重量%の
Mgであることが好ましい。また、他の添加成分は、
0.5〜10重量%のCuであることが好ましい。Mg
およびCuを添加することは、アルミニウム基地の固溶
体及び析出強化により、合金の機械的な性質を改善す
る。これにより、合金自体の硬さを向上させるととも
に、摺動時の微細なSiの脱落も防止する。含有率が
0.05重量%未満では、強化の効果は少なく、10重
量%を越えると、合金が脆くなる。
【0028】他の添加成分は、4A族、5A族、6A
族、7A族および8族より選ばれる1種以上の元素で、
その総量が0.05〜15重量%であることが好まし
い。ここで、これらの元素は、Al基地の強度を向上さ
せるものである。特に、4A〜8族の元素はアルミニウ
ム中の拡散速度が遅いため、合金の耐熱性を顕著に改善
する。これらの含有率の総量が0.05重量%未満では
強度向上の効果は少なく、15重量%を越えると、合金
は脆くなる。また、ケイ素を除く他の添加成分を含む含
有率の総量が15重量%を越えないことが好ましい。4
A〜8族の元素としては、コストを考慮すると、4A族
はチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム
(Hf)、5A族はバナジウム(V)、ニオブ(N
b)、タンタル(Ta)、6A族はクロム(Cr)、モ
リブデン(Mo)、タングステン(W)、7A族はマン
ガン(Mn)、8族は鉄(Fe)、コバルト(Co)、
ニッケル(Ni)が望ましい。
【0029】他の添加成分は、Sn、Pbの少なくとも
一種であり、その合計が0.1〜20重量%であること
が好ましい。これらの元素は、Al−Si合金の潤滑成
分として働き、加工性の向上や、摺動部材として用いら
れたときの焼き付きを防止する効果を示す。含有率が
0.1重量%未満では被削性の向上は期待できず、反対
に20重量%を越えるとAl−Si合金の強度や耐摩耗
性を低下させる。
【0030】本発明のアルミニウム合金粉末は、球形の
粒子よりなる粉末であることが好ましい。球形粒子とな
ることで、合金粉末の流動性が良好となり、耐摩耗性部
材の製造時に溶射が容易に行われるようになる。本発明
のアルミニウム合金粉末は、その粒子内のSi粒子が1
0μm未満の微細化した組織の状態で耐摩耗性部材表面
に溶着され、耐摩耗性被覆部材となる。すなわち、本発
明のアルミニウム合金粉末は、耐摩耗性部材表面の耐摩
耗性被覆部材を形成するときに、溶射法、レーザクラッ
ド法といった短時間に溶融および凝固される製造方法に
より耐摩耗性部材表面に溶着される。
【0031】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。 (アルミニウム合金粉末の作製)本発明の実施例として
表1に示される組成のアルミニウム合金粉末を作製し
た。なお、これらのアルミニウム合金粉末は、粉末粒径
が45〜106μmの範囲に収められたものである。
【0032】このアルミニウム合金粉末は、所定の組成
に調整されたアルミニウム合金を溶融し、ガスアトマイ
ズ法により粉末化した後、このアルミニウム合金粉末を
ふるい分けにより、粉末粒径が45〜106μmの範囲
に収められたアルミニウム合金粉末としたものである。
【0033】
【表1】 (耐摩耗性部材の製造)実施例のアルミニウム合金粉末
を、プラズマ溶射法により厚さ0.3mmの膜として形
成した後、この膜を研磨し、表面あらさRz1.0μm
以下の耐摩耗性部材を作製した。
【0034】ここで、基板にはアルミニウム板のA20
17が用いられた。また、プラズマ溶射は室温雰囲気下
で、ミラーサーマル社製溶射機で行われ、溶射距離は1
50mm、溶射出力は30KVAであった。本製造方法
においては、溶射されたアルミニウム合金が室温状態の
基板に接触すると、この基板の温度に急冷されて凝固す
る。この急冷凝固により、溶射されたアルミニウム合金
内でSi粒子は成長がおさえられ、アルミニウム合金中
に10μm未満の微細な粒子として分散された金属組織
が保持される。
【0035】(耐摩耗性部材の評価)耐摩耗性部材の評
価として、ボールオンディスク試験を行った。なお、比
較例1としてSiが17重量%、Cuが5重量%、Mg
が0.5重量%、残部がAlよりなるアルミニウム合金
を、実施例と同様の方法で粉末化した後にアルミニウム
基板に溶射して作成した耐摩耗性部材を用いた。この比
較例1の組成も、表1に合わせて示した。
【0036】(ボールオンディスク試験1)ボールオン
ディスク試験は、図1の模式図に示されるように、耐摩
耗性部材試料にボールを押しつけた状態で耐摩耗性部材
を回転させ、摺動後の耐摩耗性部材の最大摩耗深さを測
定することで、耐摩耗性の評価の尺度とした試験であ
る。本試験は、大気中無潤滑で、0.2m/sで摺動さ
れ、その時間が1時間の条件で行われた。また、ボール
は、径が6.35mmの軸受け鋼SUJ2よりなり、1
74gfの荷重で耐摩耗性部材に押しつけられている。
この試験結果を表2に示した。
【0037】
【表2】 表2より、実施例1〜4はSiを26重量%以上含むこ
とで、比較例と比べて摩耗深さが半分以下となってい
る。さらに、高Siの実施例2〜4は摩耗深さが少なく
なっており、耐摩耗性が大幅に向上している。
【0038】さらに、以下に示されるように材質の異な
る比較例を作製して、本発明の耐摩耗性部材の評価の比
較例とした。 (比較例2)本比較例は、アルミニウム基板(A505
2)に陽極酸化膜を厚さ30μmで形成した試料であ
る。
【0039】(比較例3)本比較例は、アルミニウム基
板(A390)にSnメッキを厚さ1μmで形成した試
料である。 (比較例4)本比較例は、軸受け鋼基板(SUJ2)よ
りなる試料である。
【0040】(比較例5)本比較例は、Cuが10重量
%、Pbが10重量%、残部がCuよりなる焼結材より
なる試料である。 (比較例6)本比較例は、鋳鉄(FC25)よりなる試
料である。
【0041】(比較例7)本比較例は、比較例1に用い
られたアルミニウム合金と同じ組成の合金を金型鋳造し
た試料である。 (ボールオンディスク試験2)実施例3、比較例1〜7
の試料にボールオンディスク試験を行った。なお、本試
験は、実施例及び比較例の試料に押しつけられるボール
がSUJ2よりなるボールとA2017よりなるボール
の2種類を用いて行われた。ここで、試験条件は、前述
したボールオンディスク試験1と同様な条件で行われ
た。なお、本試験においては、ボールオンディスク試験
1で測定した耐摩耗性部材の最大摩耗量にくわえて、ボ
ールの摩耗径を測定し、この摩耗径を耐摩耗性部材の相
手攻撃性の評価の基準とした。
【0042】ボールオンディスク試験2による測定結果
を、摩耗深さを横軸に、ボール摩耗径を縦軸にとった図
2及び3に示した。図2にはSUJ2よりなるボール
を、図3にはA2017よりなるボールを用いたときの
測定結果が示されている。図2および3より、本実施例
の耐摩耗性部材は、比較例1〜7の試料と比べて、ボー
ル摩耗径および摩耗深さがそれぞれ大幅に改善されてい
る。すなわち、本発明の耐磨耗性部材は、耐磨耗性が高
く、相手攻撃性が低くなっている。
【0043】(金属組織の観察)実施例3および比較例
7の耐摩耗性部材の金属組織の顕微鏡写真を図4に示し
た。ここで、比較例7は、比較例1に用いられるアルミ
ニウム合金と同じ組成の合金を鋳造した合金である。す
なわち、Alマトリックス中のSiの粒径を制御してい
ない合金ある。
【0044】図4(a)は、実施例3の金属組織の顕微
鏡写真、図4(b)は、比較例7の金属組織の顕微鏡写
真である。比較例7ではSiの初晶の平均粒径は25μ
mと大きく、実施例3ではSiの平均粒径は0.5μm
であり、比較例品に比べて非常に小さいことが良く判
る。 (摩擦係数の測定)また、ボールオンディスク試験2に
おいて、実施例3、比較例6及び7の試料について、摺
動中の摩擦係数も測定し、その測定結果を図5に示し
た。
【0045】図5より、比較例1は、摩擦係数が0.6
程度から0.4程度まで低下した後におよそ0.5で安
定している。比較例6は、摺動距離の増加にともない摩
擦係数がおおきくなり、最大で、1.4程度にまでなっ
ている。しかし、実施例3の試料においては、摩擦係数
が0.2近辺と低い値で安定している。実施例3は、耐
磨耗性が高いため、表面に被覆されたAl合金層の低い
相手攻撃性の特性を保っているためである。
【0046】(高温軟化特性の測定)実施例3および比
較例7の試料を用いて高温軟化特性の測定を行った。高
温軟化特性の測定は、大気中で加熱時間を一定(1時
間)とし、加熱温度を変化させた場合の硬さを調べた。
このときの測定結果を図6に示した。図6より、実施例
3は比較例の試料と比較して、低温時から高度が高く、
さらに、高温に晒されても硬さの低下は小さいことか
ら、耐熱性が優れていることがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明の耐磨耗性部材は、SiがAlマ
トリックスに3重量%以上固溶することにより、硬さが
増加し、耐摩耗性が向上している。さらに、高Si化に
より、Si分散粒の体積割合が増加し、合金自体の耐摩
耗性や耐焼付性が大幅に向上している。また、Si粒径
が微細なため、摺動時の相手材の磨耗が小さい。このこ
とは、切削加工の際に工具の損傷が少なく、切削時の切
り粉も細かくなるなど研削、研磨工程が容易になり、被
削性が改善されることとなる。高Si化および相手攻撃
性の低下により、摩擦係数の低い耐摩耗性部材が得られ
る。さらに、本発明の耐摩耗性部材は、高い高温軟化抵
抗性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 摩耗試験の様子を示す図である。
【図2】 SUJ2ボールを用いたときの摩耗試験結果
を示す図である。
【図3】 A2017ボールを用いたときの摩耗試験結
果を示す図である。
【図4】 実施例3及び比較例7の耐磨耗性被覆部材の
金属組織を示す図である。
【図5】 摩耗試験における摺動距離に対する摩擦係数
値を示した図である。
【図6】 高温軟化特性の測定結果を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月29日(1998.9.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 和之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福島 英沖 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4E068 BB00 BB01 DA02 DB04 4K031 AA02 AB08 CB01 CB09 CB18 CB37 DA04 DA07

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基板と、該金属基板表面に一体的に
    形成された耐摩耗性被覆部材と、からなり、 該耐摩耗性被覆部材は、ケイ素(Si)を26〜80重
    量%及び所望により他の添加成分を含有し、残部がアル
    ミニウム(Al)及び不可避不純物からなり、マトリッ
    クスが該Siの一部を3重量%以上固溶している該アル
    ミニウムで形成され、該Siの残部が微粒子状でかつ平
    均粒径が0.01μm以上10μm未満の範囲で該マト
    リックス中に分散した組成をもつことを特徴とする耐摩
    耗性部材。
  2. 【請求項2】 前記他の添加成分は、0.05〜10重
    量%のマグネシウム(Mg)であることを特徴とする請
    求項1記載の耐摩耗性部材。
  3. 【請求項3】 前記他の添加成分は、0.5〜10重量
    %の銅(Cu)であることを特徴とする請求項1記載の
    耐摩耗性部材。
  4. 【請求項4】 前記他の添加成分は、4A族、5A族、
    6A族、7A族および8族より選ばれる1種以上の元素
    で、その総量が0.05〜15重量%であることを特徴
    とする請求項1記載の耐摩耗性部材。
  5. 【請求項5】 前記他の添加成分は、スズ(Sn)と鉛
    (Pb)の少なくとも一種であり、その合計が0.1〜
    20重量%であることを特徴とする請求項1記載の耐摩
    耗性部材。
  6. 【請求項6】 前記金属基板は、アルミニウム基板であ
    る請求項1記載の耐摩耗性部材。
  7. 【請求項7】 金属基板表面に、Siを26〜80重量
    %及び所望により他の添加成分を含有し、残部がAl及
    び不可避不純物からなるアルミニウム合金を溶射し、該
    金属基板表面上で急冷凝固して耐摩耗性被覆部材を形成
    することを特徴とする耐摩耗性部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記金属基板は、アルミニウム基板であ
    る請求項7記載の耐摩耗性部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記溶射は、プラズマ溶射である請求項
    7記載の耐摩耗性部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 金属基板表面に、Siを26〜80重
    量%及び所望により他の添加成分を含有し、残部がAl
    及び不可避不純物からなるアルミニウム合金粉末を配置
    し、該アルミニウム合金粉末をレーザで短時間に加熱溶
    融し、その後急冷凝固させて該金属基板上に耐摩耗性被
    覆部材を形成することを特徴とする耐摩耗性部材の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記金属基板は、アルミニウム基板で
    ある請求項10記載の耐摩耗性部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 Siを26〜80重量%及び所望によ
    り他の添加成分を含有し、残部がAl及び不可避不純物
    からなり、ガスアトマイズ法あるいは水アトマイズ法に
    より製造された粉末であり、その平均粒径が1〜200
    μmの範囲となり、その粒子中のSi粒子の平均粒径が
    0.01〜20μmの範囲となることを特徴とするアル
    ミニウム合金粉末。
  13. 【請求項13】 前記Si粒子は、前記アルミニウム合
    金粉末中で平均粒径が10μm以下で分散された請求項
    12記載のアルミニウム合金粉末。
  14. 【請求項14】 前記アルミニウム合金粉末は、その平
    均粒径が10〜100μmの範囲内である請求項12記
    載のアルミニウム合金粉末。
  15. 【請求項15】 前記Siの配合量が36〜70重量%
    である請求項12記載のアルミニウム合金粉末。
  16. 【請求項16】 前記他の添加成分は、0.05〜10
    重量%のマグネシウム(Mg)であることを特徴とする
    請求項15記載のアルミニウム合金粉末。
  17. 【請求項17】 前記他の添加成分は、0.5〜10重
    量%の銅(Cu)であることを特徴とする請求項16記
    載のアルミニウム合金粉末。
  18. 【請求項18】 前記他の添加成分は、4A族、5A
    族、6A族、7A族および8族より選ばれる1種以上の
    元素で、その総量が0.05〜15重量%であることを
    特徴とする請求項17記載のアルミニウム合金粉末。
  19. 【請求項19】 前記他の添加成分は、スズ(Sn)と
    鉛(Pb)の少なくとも一種であり、その合計が0.1
    〜20重量%であることを特徴とする請求項12記載の
    アルミニウム合金粉末。
  20. 【請求項20】 前記アルミニウム合金粉末は、球形状
    の粉末粒子であることを特徴とする請求項12記載のア
    ルミニウム合金粉末。
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CN111531172A (zh) * 2020-05-29 2020-08-14 同济大学 高强度铝硅合金的3d打印工艺方法

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