JP2000072929A - 粉末スラッシュ成形品 - Google Patents

粉末スラッシュ成形品

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JP2000072929A
JP2000072929A JP24450198A JP24450198A JP2000072929A JP 2000072929 A JP2000072929 A JP 2000072929A JP 24450198 A JP24450198 A JP 24450198A JP 24450198 A JP24450198 A JP 24450198A JP 2000072929 A JP2000072929 A JP 2000072929A
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ethylene
weight
composition
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powder slush
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JP24450198A
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Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 卓越した耐環境劣化性、耐摩耗性、耐久性及
び機械的強度を有し、触感(柔軟性)に優れた粉末スラ
ッシュ成形品の提供。 【解決手段】 (A)エチレンと炭素数6〜12のα−
オレフィンからなる、メタロセン系触媒を用いて製造し
たエチレン・α−オレフィン共重合体1〜99重量部と
(B)プロピレン系樹脂1〜99重量部[(A)と
(B)の合計量が100重量部]とからなる部分的また
は完全に架橋された組成物からなる粉末スラッシュ成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末スラッシュ成
形品に関するものである。更に詳しくは、卓越した耐環
境劣化性、耐摩耗性、耐久性及び機械的強度を有し、触
感(柔軟性)に優れた粉末スラッシュ成形品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来よりインストルメントパネル、コン
ソールボックス、ドアートリム等の自動車内装部品等と
して、粉末成形法による粉末スラッシュ成形品が広く使
用されている。しかしながら、柔らかい上記成形品は、
触感は柔らかく良好であるが、機械的強度が低く、一
方、硬い上記成形品は、触感(柔軟性)が不充分であ
り、問題となっている。このために上記特性に加えて、
耐環境劣化性、耐摩耗性、及び耐久性を満足した粉末ス
ラッシュ成形品の出現が待たれている。
【0003】これらの問題に対して、特定のポリプロピ
レン、水素添加スチレンブタジエンゴム、プロセスオイ
ル、及び吸油能に優れた熱可塑性エラストマーからなる
粉末スラッシュ成形用組成物(特開平10−18290
0号公報)が開示されている。しかし、上記公報の材料
は、架橋されていないために耐摩耗性または耐久性、特
に圧縮永久歪み(C−Set)が劣り、産業界では実用
的使用に耐える粉末スラッシュ成形品が求められてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち耐環境劣
化性、耐摩耗性、耐久性及び機械的強度を有し、触感
(柔軟性)に優れた粉末スラッシュ成形品を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、触感(柔
軟性)、耐環境劣化性、耐久性及び機械的強度に優れた
粉末スラッシュ成形品を鋭意検討した結果、エチレンと
α−オレフィンとからなるある特定の構造を有したオレ
フィン系エラストマーを必須成分として用いることによ
り、驚くべきことに、耐環境劣化性、触感(柔軟性)を
保持しつつ、耐摩耗性、耐久性及び機械的強度が飛躍的
に向上する事を見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち本発明は、(A)エチレンと炭素数6
〜12のα−オレフィンからなる、メタロセン系触媒を
用いて製造したエチレン・α−オレフィン共重合体1〜
99重量部と(B)プロピレン系樹脂1〜99重量部
[(A)と(B)の合計量が100重量部]とからなる
部分的または完全に架橋された組成物からなる粉末スラ
ッシュ成形品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳しく述べ
る。
【0008】本発明の粉末スラッシュ成形品は、(A)
特定のエチレン・α−オレフィン共重合体と(B)プロ
ピレン系樹脂からなる部分的または完全に架橋された組
成物を成形したものである。
【0009】ここで、(A)エチレン・α−オレフィン
共重合体は特に触媒としてメタロセン系触媒、及びα−
オレフィンとして炭素数が6〜12であることが重要で
あり、このような(A)エチレン・α−オレフィン共重
合体を用いることにより卓越した触感(柔軟性)、耐環
境劣化性、耐摩耗性、耐久性及び機械的強度が発現する
ことができる。
【0010】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。
【0011】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、炭素数が6〜12のα−オレフィンからなるエチレ
ン・α−オレフィン共重合体である。
【0012】炭素数6〜12のα−オレフィンとして
は、例えば、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、
ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−
1、ウンデセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中
でもヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1が好ましく、特に好ましくはオクテン−1である。
オクテン−1は少量でも柔軟化する効果に優れ、得られ
た共重合体は機械的強度に優れている。
【0013】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、公知のメタロセン系触媒を用いて製造する。一般に
はメタロセン系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV
族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒からな
り、重合触媒として高活性であるだけでなく、チーグラ
ー系触媒と比較して、得られる重合体の分子量分布が狭
く、共重合体中のコモノマーである炭素数6〜12のα
−オレフィンの分布が均一である。
【0014】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、α−オレフィンの共重合比率が1〜60重量%であ
ることが好ましく、更に好ましくは10〜50重量%、
最も好ましくは20〜45重量%である。α−オレフィ
ンの共重合比率が60重量%を越えると、組成物の硬
度、引張強度等の低下傾向にあり、一方、1重量%未満
では、機械的強度が低下する傾向にある。
【0015】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
の密度は、0.8〜0.9g/cm3の範囲にあること
が好ましい。
【0016】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、長鎖分岐を有していることが望ましい。長鎖分岐が
存在することで、機械的強度を落とさずに、共重合され
ているα−オレフィンの比率(重量%)に比して、密度
をより小さくすることが可能となり、低密度、低硬度、
高強度のエラストマーを得ることができる。長鎖分岐を
有するオレフィン系エラストマーとしては、米国特許第
5278272号明細書等に記載されている。
【0017】また、(A)エチレン・α−オレフィン共
重合体は、室温以上にDSCの融点ピークを有すること
が望ましい。融点ピークを有するとき、融点以下の温度
範囲では形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツ
キも少ない。
【0018】また、(A)エチレン・α−オレフィン共
重合体のメルトインデックスは、0.01〜100g/
10分(190℃、2.16kg荷重)の範囲のものが
好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜10g/1
0分である。100g/10分を越えると、熱可塑性エ
ラストマー組成物の架橋性が不十分となる傾向があり、
また0.01g/10分より小さいと流動性が悪く、加
工性が低下する傾向がある。
【0019】(A)エチレン・α−オレフィン共重合体
は、複数の種類のものを混合して用いても良い。そのよ
うな場合には、加工性のさらなる向上を図ることが可能
となる。
【0020】本発明において(B)プロピレン系樹脂
は、例えばホモのアイソタクチックポリプロピレン、プ
ロピレンとエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1等の他のα−オレフィンとのアイソタクチック
プロピレン系樹脂(ブロック、ランダムを含む)等が挙
げられ、複数の種類のものを混合して用いてもよい。
【0021】また、(B)プロピレン系樹脂のメルトイ
ンデックスは、0.1〜100g/10分(230℃、
2.16kg荷重)の範囲のものが好ましく用いられ
る。100g/10分を越えると、組成物の耐熱性、接
着強度等の機械的強度が低下傾向であり、また0.1g
/10分より小さいと流動性が悪く、成形加工性が低下
する傾向がある。
【0022】本発明の組成物は、(A)エチレン・α−
オレフィン共重合体1〜99重量部と(B)プロピレン
系樹脂1〜99重量部[(A)と(B)の合計量が10
0重量部]とからなる。好ましくは(A)エチレン・α
−オレフィン共重合体10〜95重量部と(B)プロピ
レン系樹脂5〜90重量部、更に好ましくは(A)エチ
レン・α−オレフィン共重合体20〜80重量部と
(B)プロピレン系樹脂20〜80重量部である。
(B)プロピレン系樹脂が1重量部未満では組成物の流
動性、加工性が低下し、99重量部を越えると組成物の
柔軟性が不十分であり、望ましくない。
【0023】本発明において、組成物に加工性の向上の
ために必要に応じて、(C)軟化剤を配合することがで
きる。
【0024】(C)軟化剤は、パラフィン系、ナフテン
系などのプロセスオイルが好ましい。これらは組成物の
硬度、柔軟性の調整用に5〜250重量部、好ましくは
10〜150重量部用いる。5重量部未満では柔軟性、
加工性が不足する傾向にあり、250重量部を越えると
オイルのブリードが顕著となる傾向がる。
【0025】本発明において、組成物は、先に説明した
特定のオレフィン系エラストマーである(A)エチレン
・α−オレフィン共重合体と(B)プロピレン系樹脂に
対して、(C)軟化剤を特定の組成比で組み合わせるこ
とにより、機械的強度と柔軟性、加工性のバランスが改
善され、好ましく用いることができる。
【0026】本発明にて提供される組成物は、その組成
物を有機過酸化物等のラジカル開始剤あるいはラジカル
開始剤および架橋助剤により部分的または完全に架橋さ
せることが必要である。これにより、更に耐摩耗性や機
械的強度、耐熱性等を向上させることが可能となる。
【0027】ここで、好ましく使用されるラジカル開始
剤の具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等
のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド
類を挙げることができる。
【0028】また、アセチルパーオキサイド、イソブチ
リルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デ
カノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオ
キシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、および
クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類
を挙げることができる。
【0029】また、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび1,
1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハ
イドロパーオキサイド類を挙げることができる。
【0030】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。
【0031】これらのラジカル開始剤は、組成物100
重量部に対し0.02〜3重量部、好ましくは0.05
〜1重量部の量で用いられる。0.02重量部未満では
架橋が不十分である傾向があり、3重量部を越えても組
成物の物性は向上しない傾向がある。
【0032】更に、架橋助剤としては、ジビニルベンゼ
ン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオ
キシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フ
ェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−
m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、
テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等
が好ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のもの
を併用して用いてもよい。
【0033】これらの架橋助剤は、組成物100重量部
に対し0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部
の量で用いられる。0.1重量部未満では架橋が不十分
である傾向があり、5重量部を越えても組成物の物性は
向上せず過剰の架橋助剤が残存する傾向がある。
【0034】また、本発明の組成物には、その特徴を損
ねない程度に他の樹脂、エラストマーを添加しても良
い。
【0035】また、本発明の組成物には、その特徴を損
ねない程度に無機フィラーおよび可塑剤を含有すること
が可能である。
【0036】ここで用いる無機フィラーとしては、例え
ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カー
ボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、クレー、マイ
カ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、ポリ
エチレングリコール、ジオクチルフタレート(DOP)
等のフタル酸エステル等が挙げられる。
【0037】また、その他の添加剤、例えば、難燃剤、
有機・無機顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、シリコンオイル、アンチブロッキング
剤、発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用され
る。
【0038】本発明における組成物は、具体例として、
次のような加工工程を経由して製造することができる。
【0039】すなわち、(A)エチレン・α−オレフィ
ン共重合体と(B)プロピレン系樹脂とをよく混合し、
押出機のホッパーに投入する。ラジカル開始剤、架橋助
剤は、(A)エチレン・α−オレフィン共重合体と
(B)プロピレン系樹脂とともに当初から添加してもよ
いし、押出機の途中から添加してもよい。またオイルは
押出機の途中から添加してもよいし、当初と途中とに分
けて添加してもよい。(A)エチレン・α−オレフィン
共重合体と(B)プロピレン系樹脂は一部を押出機の途
中から添加してもよい。押出機内で加熱溶融し混練され
る際に、(A)エチレン・α−オレフィン共重合体とラ
ジカル開始剤および架橋助剤とが架橋反応し、さらにオ
イル等を添加して溶融混練することにより架橋反応と混
練分散とを充分させたのち押出機から取り出す。ペレタ
イズして本発明の組成物のペレットを得ることができ
る。
【0040】本発明の粉末スラッシュ成形品の製造方法
は、公知の方法を使用することができる。
【0041】まず本発明における組成物の粉末化を行
う。例えば、ターボミル、ピンミル、ハンマーミル等の
衝撃型粉砕機を用いて微粉砕する。このとき通常では液
体窒素を用いて冷凍粉砕する。また、配合により溶融組
成物をスプレあるいはデイスクアトマイザーによって噴
霧し冷却することにより粉体化することができる。粉砕
されたものは篩い等によって少なくとも1000μmの
目の篩を通過させ、平均粒径が100〜800μmのも
のを集め、必要に応じてこれに有機あるいは無機の粉体
性改良剤を添加、混合する。
【0042】このようにして得られた組成物粉末を、組
成物の軟化温度以上に加熱された型に投入し、一定時間
経過後に型を反転し、余分の組成物を回収箱に集める。
型表面には組成物が層となって付着しており、時間経過
とともに溶融してスキン層が形成される。そして、型を
冷却してスキン層を脱型し、これを繰り返し行う。この
成形方法は、射出成形や圧縮成形と異なり、賦形圧力を
かけないので、成形時には粉末材料を複雑な形状の金型
に均一に付着させるために粉体流動性が要求され、更に
金型に付着した粉体が溶融して無加圧下でも流動して皮
膜を形成するために、溶融粘度が低いことも重要であ
る。
【0043】また、成形に際しては、射出成形、2色成
形、インサート成形など、複数の素材を組み合わせて製
造することも可能である。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。
【0045】(1)耐環境劣化性 成形品をギヤオーブン中で120℃、100時間の条件
で加熱し、色調変化を観察し、耐環境劣化性を評価し
た。
【0046】(2)引張破断強度[kgf/cm2] 成形品を圧縮成形してシートを作製し、JIS・K62
51に準じ、23℃にて評価した。
【0047】(3)引張破断伸度[%] 成形品を圧縮成形してシートを作製し、JIS・K62
51に準じ、23℃にて評価した。
【0048】(4)圧縮永久歪み(C−Set)[%] 成形品を圧縮成形してシートを作製し、JIS・K63
01に準じ、70℃×22時間にて、耐久性の指標とし
て評価した。数値が小さいほど耐久性に優れる。
【0049】(5)耐摩耗性 成形品を圧縮成形してシートを作製し、シートの上にフ
ェルト布を下面に貼り付けた5cm×5cm×2mmの
ステンレス板を置き、100g/cm2の荷重がかかる
ように重しを載せ、30往復/分の速度で10000回
往復運動をさせ、表面状態を観察した。
【0050】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。
【0051】(イ)エチレン・α−オレフィン共重合体 a)エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−
1) 特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オ
クテン−1の組成比は、72/28(重量比)である
(TPE−1と称する)。
【0052】b)エチレンとオクテン−1との共重合体
(TPE−2) 通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造した。共
重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/2
8(重量比)である(TPE−2と称する)。
【0053】c)エチレン・プロピレン・ジシクロペン
タジエン共重合体(TPE−3) 特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジエンの組成比は、72/2
4/4(重量比)である(TPE−3と称する)。
【0054】(ロ)プロピレン系樹脂 日本ポリケム(株)製、アイソタクチックポリプロピレ
ン(PPと称する)。
【0055】(ハ)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルPW−38
0(MOと称する)。
【0056】(ニ)ラジカル開始剤 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25
B)(POXと称する)。
【0057】(ホ)架橋助剤 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る)。
【0058】(実施例1)TPE−1/PP/POX/
DVB/MO=75/25/0.5/1/45(重量
比)からなる組成物を、バレル中央部に注入口を有し、
注入口の前後に混練部を有した2条スクリュー2軸押出
機(40mmφ、L/D=47)を用いて動的架橋法に
より製造した。
【0059】即ち上記組成比でMO以外を混合したのち
2軸押出機(シリンダー温度220℃)に導入し、引き
続き、押出機の中央部にある注入口より所定量のMOを
ポンプにより注入し、溶融押出を行ない、ペレタイザー
でペレット化した。このようにして得られたペレット
を、ターボミルに液体窒素と共に投入して粉砕し、10
00μmの目の篩を通過した粉体のみを集めた。
【0060】次いで、皮シボ模様のついた150mm×
150mm×3mmの板をオーブン中で250℃に加熱
し、その上に上記粉体をのせて溶融付着させ、引き続き
300℃のオーブン中で加熱し、取り出し、冷却して
0.8mmの粉末スラッシュ成形品である表皮を得た。
【0061】得られた表皮は、感触(柔軟性)に優れ、
ギヤオーブン中で120℃、100時間でも初期の白色
に対して色調変化はなく、卓越した耐環境劣化性を有し
ている。
【0062】また、上記表皮を圧縮成形して得られた2
mmのシートは、卓越した耐摩耗性、耐久性及び機械的
強度を有している。
【0063】引張破断強度:82[kgf/cm2] 引張破断伸度:370[%] 圧縮永久歪み(C−Set):39[%] 耐摩耗性:傷がほとんど目立たない。
【0064】(比較例1)実施例1においてTPE−1
をTPE−2に変更する以外、同一の実験を繰り返し
た。
【0065】得られた表皮は、ギヤオーブン中で120
℃、100時間でも初期の白色に対して色調変化はな
く、耐環境劣化性に優れているが、上記表皮を圧縮成形
して得られた2mmのシートについては、耐摩耗性、耐
久性及び機械的強度が劣る。
【0066】引張破断強度:59[kgf/cm2] 引張破断伸度:270[%] 圧縮永久歪み(C−Set):53[%] 耐摩耗性:傷が目立つ。
【0067】(比較例2)実施例1においてTPE−1
をTPE−3に変更する以外、同一の実験を繰り返し
た。
【0068】得られた表皮は、ギヤオーブン中で120
℃、100時間において初期の白色が黄色に変色した。
また、上記表皮を圧縮成形して得られた2mmのシート
については、耐摩耗性、耐久性及び機械的強度が劣る。
【0069】引張破断強度:49[kgf/cm2] 引張破断伸度:200[%] 圧縮永久歪み(C−Set):68[%] 耐摩耗性:傷がかなり目立つ。
【0070】
【発明の効果】本発明の粉末スラッシュ成形品は、卓越
した耐環境劣化性、耐摩耗性、耐久性及び機械的強度を
有し、触感(柔軟性)に優れているために、インストル
メントパネル、コンソールボックス、ドアートリム等の
自動車内装部品等、自動車、家電、住宅・建材等の多岐
の分野に幅広く使用可能であり、産業界に果たす役割は
大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレンと炭素数6〜12のα−
    オレフィンからなる、メタロセン系触媒を用いて製造し
    たエチレン・α−オレフィン共重合体1〜99重量部と
    (B)プロピレン系樹脂1〜99重量部[(A)と
    (B)の合計量が100重量部]とからなる部分的また
    は完全に架橋された組成物からなる粉末スラッシュ成形
    品。
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