JP2000072898A - イオン性膜の製造方法、イオン性膜、イオン性膜の使用方法及びイオン性膜を備えた装置 - Google Patents
イオン性膜の製造方法、イオン性膜、イオン性膜の使用方法及びイオン性膜を備えた装置Info
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Abstract
製造上の問題点及び該膜の性能上の問題点が解決された
イオン性膜及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 カチオン性重合体成分又はアニオン性
重合体成分とマトリックス形成重合体成分とからなるイ
オン性膜を製造する方法において、上記イオン性重合体
成分が架橋した粒状重合体であり、上記マトリックス形
成重合体成分がポリアリレート系、ポリアミド系、ポリ
イミド系、ポリアミドイミド系、ポリスルホン系、ポリ
ウレタン系及び弗素系樹脂から選ばれる少なくとも1種
の重合体であり、製造に際して上記のイオン性重合体成
分と上記のマトリックス重合体成分の有機溶剤溶液とか
らなる組成物を使用して成膜することを特徴とするイオ
ン性膜の製造方法。
Description
に吸着或いは透過するイオン性膜の製造方法、イオン性
膜、イオン性膜の使用方法及びイオン性膜を備えた装置
に関する。
は、従来から公知であり、イオン性膜は対イオンは吸着
或いは透過することはできるが、副イオンは反発すると
いう機能を有している。
は、(1)イオン性の微粒子成分が、膜の断面方向に対
して実質的に貫通する構造を有する不均一膜の製造方法
として、イオン交換樹脂の微粉末とマトリックスを形成
するポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹
脂やポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂とを均一に混練
し、加熱成形する方法、
方法として、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ
化ビニリデン等のフィルムを、トリエチルアミン、クロ
ロスルホン酸等と直接反応させてイオン交換基を導入す
る方法、或いはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテ
トラフルオロエチレン等のフィルムに(メタ)アクリル
酸をグラフト重合するか、又はスチレン、ビニルピリジ
ンをグラフト重合した膜をそれぞれスルホン化或いは第
4級化してイオン性基を導入する方法が提案されてい
る。
粒子径が粗いと、イオン交換樹脂成分が膜を貫通した構
造を有する膜の製造方法は容易であるが、粒子の表面積
が小さいために固定イオン濃度を大きくすることが困難
である。又、対イオンの輸率や膜の電気抵抗等の電気化
学的効率が劣る。更に前記(2)の方法の化学反応処理
によりイオン性基を導入する方法は、製造方法が煩雑で
ある。これに対してイオン性重合体の微粒子を使用する
方法はその製造が非常に容易であり、且つ高い固定イオ
ン濃度を保持できるという利点がある。
鑑みて為されたものであり、本発明の目的は重合体微粒
子を使用する従来のイオン性膜の製造上の問題点及び該
膜の性能上の問題点が解決されたイオン性膜の製造方法
を提供することである。
検討した結果、重合体微粒子としてサブミクロンサイズ
のイオン性重合体の微小球体を使用し、これを特定なマ
トリックス形成重合体成分の有機溶剤溶液に分散させて
なる組成物(分散液)を用いて成膜することにより、微
小球体の持っている集積性及び等方性から非常に容易に
イオン性の重合体成分が膜を貫通した構造を有するイオ
ン性膜が得られ、このイオン性膜は対イオンの輸率や膜
の電気抵抗等の電気化学的効率に優れ、且つ優れた機械
的強度を保持することを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
ン性重合体成分又はアニオン性重合体成分とマトリック
ス形成重合体成分とからなるイオン性膜を製造する方法
において、上記イオン性重合体成分が架橋した粒状重合
体であり、上記マトリックス形成重合体成分がポリアリ
レート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアミドイ
ミド系、ポリスルホン系、ポリウレタン系及び弗素系樹
脂から選ばれる少なくとも1種の重合体であり、製造に
際して上記のイオン性重合体成分と上記のマトリックス
重合体成分の有機溶剤溶液とからなる組成物を使用して
成膜することを特徴とするイオン性膜の製造方法、イオ
ン性膜、イオン性膜の使用方法及びイオン性膜を備えた
装置が提供される。
て本発明を更に詳しく説明する。本発明は、イオン性膜
を製造する際に、イオン性の架橋粒状重合体とマトリッ
クス成分重合体の有機溶剤溶液とを混合及び分散してな
る組成物を使用して成膜することが特徴である。又、本
発明においてイオン性膜を構成するイオン性重合体成分
の好ましい平均粒子径は、0.01〜1.0μmの範囲
であり、更に好ましくは0.02〜0.5μmの範囲の
架橋した粒状重合体である。
成分としては、カチオン性重合体成分としては、例え
ば、第1級〜第3級のアミノ基、第4級アンモニウム
基、ピリジニウム基等のカチオン性基及びそれらの塩の
基を有する重合体成分が挙げられ、アニオン性重合体成
分としては、例えば、スルホン酸、カルボン酸、硫酸エ
ステル、燐酸エステル等のアニオン性基及びそれらの塩
の基を有する重合体成分が挙げられる。
には、カチオン性基に対しては、例えば、塩酸、硫酸、
燐酸、有機酸等の酸類が使用され、アニオン性基に対し
ては、例えば、アルカリ金属、アンモニア、アミン、ア
ルカノールアミン等のアルカリ又は塩基類が使用され
る。
粒状重合体成分を調製後、アミノ化及び第4級アンモニ
ウム化、加水分解、スルホン化、硫酸エステル化等の化
学修飾処理によって調製することもできる。又、イオン
性重合体には、イミノジ酢酸基、ポリアミン基等の金属
イオンとのキレート形成基成分を導入することもでき
る。これらの基の導入方法は、従来公知の方法が使用で
き、特に制限されない。
される代表的なモノマーとしては、例えば、(メタ)ア
クリル酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリロイル
オキシプロピルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホ
プロピル、(メタ)アクリル酸−2−スルホエチル、2
−(メタ)アクリロイルアミノ−2−メチル−1−プロ
パンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2
−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸等及びそれら
の塩等のアニオン性モノマー;4−ビニルピリジン、2
−ビニルピリジン及びその第4級化物、(メタ)アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、4−ビニルベンジルジメチルアミン、
2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルジ
メチルアミン等及びそれらの第4級化物等のカチオン性
モノマーが挙げられる。
はカチオン性モノマーを重合することにより得られる
が、その際、必要に応じて公知の非イオン性モノマーを
イオン性モノマーと共重合させることができる。非イオ
ン性モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸ラウ
リルや(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
非イオン性モノマーの使用割合は、全モノマー中0〜8
0重量%程度である。
成分に転換される非イオン性重合体を調製するために使
用される代表的なモノマーとしては、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒド
ロキシメチルスチレン等のスチレン系誘導体;(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコ
ール等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体;(メタ)
アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。
て化学修飾処理反応を実質的に受けない公知の非イオン
性モノマーを加えることも可能であり、例えば(メタ)
アクリル酸ラウリルや(メタ)アクリル酸ステアリル等
が挙げられる。
重合体成分の有機溶剤溶液に分散させて使用し、或は本
発明のイオン性膜が有機溶剤と接触して使用される場合
もあることから、有機溶剤に溶解したり、著しく膨潤す
ることのない耐溶剤性を有するように架橋していること
が必要である。架橋イオン性及び架橋非イオン性重合体
は、上記のイオン性モノマー等とともに架橋性モノマー
を共重合させることにより調製することができる。
ルベンゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジ
メタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸−
1,3−ブチレングリコール等の2官能性モノマーやそ
の他の3〜4官能性の(メタ)アクリレート類等のモノ
マー等が挙げられる。これらの架橋性モノマーは、ポリ
マーを構成する前記モノマー100重量部に対して、好
ましくは0.1〜30重量部、更に好ましくは0.5〜
10重量部の範囲で使用される。
用いて粒状重合体成分を調製する代表的な方法として
は、水系及び非水系の何れかにおけるラジカル重合が挙
げられる。重合の形態としてはエマルジョン重合、ソー
プフリー重合、懸濁重合、分散重合、逆相乳化重合等の
重合方法が挙げられるが、重合の形態は特に限定されな
い。
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−ア
ゾビス(メチルイソブチレート)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1′−アゾ
ビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,
2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロク
ロリド、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)
ジアセテート、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチ
レンイソブチルアミジン)ジハイドロクロリド等のアゾ
系化合物;クメンハイドロパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有機
過酸化物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過
硫酸塩等の重合開始剤が挙げられる。
成する重合体成分としては、イオン性膜を形成する際、
加熱乾燥等によって皮膜を形成することができる性質を
有し、形成したマトリックス重合体皮膜は耐薬品性、耐
溶剤性、耐水性等の物性に優れ、化学的にも安定で、酸
性、アルカリ性、低温度及び高温度で使用しても加水分
解や酸化分解に対する耐久性に優れていることが必要で
あり、かかる性質を有する重合体が本発明の目的に最も
好ましいマトリックス形成重合体成分である。
体的には、例えば、下記式(1)〜(3)等のポリアリ
レート系樹脂、下記式(4)及び(5)等のポリアミド
系樹脂、下記式(6)〜(8)等のポリイミド系樹脂、
下記式(9)等のポリアミドイミド系樹脂、下記式(1
0)〜(12)等のポリスルホン系樹脂、下記式(1
3)、(14)等のポリウレタン系樹脂及び下記式(1
5)〜(17)等の弗素系樹脂等の重合体が挙げられ
る。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用され
る。更に、膜に可撓性を付与するためにシリコーン系樹
脂やブタジエン系樹脂を本発明の効果が損なわれない範
囲で併用することも加も可能である。
性(カチオン性又はアニオン性)重合体成分である架橋
した粒状重合体を、マトリックス形成重合体成分である
ポリアリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリ
アミドイミド系、ポリスルホン系、ポリウレタン系及び
弗素系樹脂から選ばれる少なくとも1種の重合体の有機
溶剤溶液に分散させてなる組成物(分散液)を使用して
成膜することが特徴である。
形成重合体成分の有機溶剤溶液とを混合し、該溶液に上
記イオン性重合体成分を分散させて塗布液を調製する。
その際、イオン性重合体成分は、粒状(粉末状)で使用
することもできるが、有機溶剤に分散させた状態で使用
することが好ましい。有機溶剤はマトリックス形成重合
体成分の溶液調製に使用する溶剤の使用が好ましい。
解するために使用する有機溶剤としては、マトリックス
形成重合体成分を溶解する有機溶剤はいずれも使用可能
であるが、好ましい溶剤としては、例えば、N−メチル
−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−
ビニル−2−ピロリドン等の2−ピロリドン類;N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド等のホルムアミド類;N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド類
等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組合せて使
用される。又、系を不安定にしない限りにおいて他の有
機溶剤、例えば、エーテル系、ケトン系、アルコール
系、エステル系及び水系の溶剤を併用することも可能で
ある。
を形成するカチオン性又はアニオン性のイオン性重合体
成分とマトリックス形成重合体成分との使用割合は、両
者の合計に対してイオン性重合体成分の割合が、10〜
90重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは20〜8
0重量%の範囲である。塗布液を調製する際には、塗布
液中の各成分重合体の割合が上記の範囲となるように調
製する。マトリックス形成重合体成分の溶液とイオン性
重合体成分とを混合し、該溶液にイオン性重合体成分を
分散させる方法としては、例えば、超音波処理;ディゾ
ルバー、ホモミキサー、スターラー等による撹拌等が挙
げられる。
明のイオン性膜を成膜する。塗布液を適当な塗布方法
(手段)を用いずにそのまま、又は公知の塗布方法を用
いて基材上に塗布又はキャスト(流延)し、或いは支持
体にそのまま、又は公知の塗布方法を用いて塗布、含浸
又はキャストし、乾燥して成膜する。形成された膜は、
必要に応じて、加熱融着処理、加熱加圧プレス処理、第
4級化処理等の処理を施すことによって本発明のイオン
性膜が得られる。
ガラス板、アルミニウム板やテフロン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等のプラスチックシート、フィルム或
いは成形板、シリコーン樹脂又はポリプロピレン樹脂コ
ート離型紙等が挙げられる。又、本発明で使用する支持
体としては、例えば、織布、不織布、メッシュ状物、
紙、濾紙状物、中空糸、多孔質体等が挙げられる。これ
らの支持体の素材としては、例えば、ステンレススチー
ル、アルミニウム、セラミック、ポリエステル、ナイロ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、
ポリエチレン、セルロース、キチン、テフロン、ポリウ
レタン、ポリスルホン等が挙げられる。
る方法としては、例えば、ロールコーティング、ブレー
ドコーティング、ナイフコーティング、スクイズコーテ
ィング、エアドクターコーティング、グラビアコーティ
ング、ロッドコーティング、スプレーコーティング、含
浸、内添等の従来公知の塗工方法が挙げられる。
送風乾燥、赤外線ランプ乾燥等の方法で乾燥することに
よって本発明のイオン性膜が形成される。かかる膜の好
ましい厚みは0.1〜1,000μmの範囲、更に好ま
しくは0.5〜200μmの範囲である。尚、上記の如
くして製造される本発明のイオン性膜の形状は、特に制
限されず、例えば、平膜状、円筒状、ひだ折り状等であ
る。
いは透過はできるが、副イオンは反発する機能を有して
いる。従って、本発明のイオン性膜は、電気透析用、拡
散透析用、電解透析用、電池用等のイオン交換膜、金属
イオンのキレート化材、水性染料インキを使用するイン
クジェット、ペンプロッター等の記録方式用の記録媒体
等の精製に有用である。特に本発明のイオン性膜は、海
水濃縮製塩、塩水淡水化、医薬、食品工業におけるイオ
ン成分の分離精製、金属精錬、表面処理工程での酸の分
離、廃酸回収、電解酸化、還元用隔膜等のイオン交換膜
として有用であり、又、廃水中の有害金属イオンの除去
及び海水中に含まれている有用金属を採取する吸着分離
材としても有用である。
具体的に説明する。尚、文中の部及び%とあるのは重量
基準である。 合成例1(ポリマーA:カチオン性粒状重合体) 4−ビニルピリジン 20.0部 ジビニルベンゼン 2.0部 2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリド 0.4部 水 1,000部 上記成分をフラスコに仕込み、窒素気流下、80℃で8
時間重合した。重合生成物を凍結乾燥して、架橋した粒
状重合体を得た。該粒状重合体の平均粒子径は走査型電
子顕微鏡で測定したところ約350nmであった。
下、50℃で12時間重合した。得られた粒状重合体を
温水及びメチルアルコールで十分に洗浄して表面の界面
活性剤を取り除き、クロロメチル基を表面に有する粒状
重合体を得た。続いて、粒状重合体の水分散液を調製
し、これにトリエチルアミンを添加して12時間撹拌し
た後、凍結乾燥し、第4級アンモニウム塩化された粒状
重合体を得た。該粒状重合体の平均粒子径は約150n
mであった。
時間重合した。得られた重合体の平均粒子径は約180
nmであった。
及び粉砕して白色重合体を得た。この白色重合体100
部を650部の98%濃硫酸に徐々に添加し、50℃で
24時間、次いで80℃で3時間撹拌した。その後、冷
却し、反応混合液を大量の氷水に投入した。炭酸ナトリ
ウムで中和した後、濾過し、分離された粒状重合体を十
分水洗した。得られた粒状重合体は、赤外線吸収スペク
トル及びイオンクロマトグラフィー等の分析によって、
芳香環にほぼ1個のスルホン酸基が導入されていること
が確認できた。この粒状重合体の平均粒子径は約240
nmであった。
合体) 合成例3で得られたクロロメチル基を表面に有する粒状
重合体とイミノジ酢酸とを反応させた。その後、水酸化
ナトリウムで末端がカルボン酸のナトリウム塩型に置換
した後、凍結乾燥した。この粒状重合体の平均粒子径は
200nmであった。
0.0部に分散させ、この分散液とポリスルホン(アモ
コ社製ユーデル、ガラス転移点Tg190℃)の20%
N−メチル−2−ピロリドン溶液71.4部とを1時間
混合して塗布液を調製した。
上にナイフコーターで塗布し、熱風乾燥により溶剤を蒸
発させた。次いで、これをヨウ化メチル雰囲気中に室温
で12時間放置した後、希塩酸で塩交換を行い十分洗浄
し、風乾して本発明のイオン性膜を得た。上記の方法で
成膜されたイオン性膜は、膜厚が約70μmで、且つ均
一な厚みを有していた。
5.0部に分散させ、該分散液と実施例1で使用したポ
リスルホンの20%N−メチル−2−ピロリドン溶液6
4.0部とを1時間混合して塗布液を調製した。上記塗
布液をシリコーン樹脂コート離型紙上にナイフコーター
で塗布し、熱風乾燥させて成膜した。上記の方法により
得られたイオン性膜は、膜厚が約70μmで、且つ均一
な厚みを有していた。
例2で得られたアニオン性膜をそれぞれ用い、電気透析
用のイオン交換膜として使用して塩化ナトリウム水溶液
の濃縮に応用したところ良好な性能を有することが確認
された。
7.5部に分散させ、該分散液とポリアリレート樹脂
(ユニチカ社製U−100)の15%のN,N−ジメチ
ルホルムアミド溶液75部とを1時間混合して塗布液を
調製した。上記塗布液をガラス板上にナイフコーターで
塗布後、熱風乾燥して成膜した。膜が形成されたガラス
板を水中に浸漬して膜を剥離させ、得られた膜を十分に
水洗及び風乾して本発明のカチオン性膜を得た。上記の
方法で成膜されたイオン性膜は厚さ約80μmで、且つ
均一な厚みを有していた。このカチオン性膜を使用して
拡散透析による食塩水中に含まれる塩酸の除去を行った
ところ良好な性能を有することが確認された。
43.0部に分散させ、該分散液とポリスルホン/ポリ
エーテル系ポリウレタン(=2/1(不揮発分重量
比))からなるマトリックス重合体の20%N,N−ジ
メチルホルムアミド溶液38.5部とを1時間混合して
塗布液を調製した。上記塗布液をポリプロピレンコート
離型紙上にナイフコーターで塗布し、熱風乾燥させて溶
剤を除去し、本発明のイオン性膜を得た。
さが約50μmで、且つ均一な厚みを有していた。上記
で得られたイミノジ酢酸型イオン性膜をひだ折り状にし
て金属イオンを含む飽和食塩水の精製に使用したとこ
ろ、優れたカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの
キレート化除去性を示し、精製食塩水を得ることができ
た。
耐溶剤性、耐水性等の物性に優れ、化学的にも安定で酸
性、アルカリ性、低温度、高温度で使用しても加水分解
や酸化分解に対する耐久性が高く、更に、対イオンの輸
率や膜の電気抵抗等の電気化学的効率に優れ、且つ機械
的強度を保持したイオン性膜が提供される。
として架橋した粒状重合体を、マトリックス重合体とし
てポリアリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポ
リアミドイミド系、ポリスルホン系、ポリウレタン系及
び弗素系樹脂から選ばれる少なくとも1種の重合体をそ
れぞれ用い、マトリックス重合体の有機溶剤溶液にイオ
ン性重合体成分を分散させてなる組成物(分散液)を用
いて成膜することによって、成膜時間が短く、均一な膜
厚を有する薄膜のイオン性膜を製造することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 カチオン性重合体成分又はアニオン性重
合体成分とマトリックス形成重合体成分とからなるイオ
ン性膜を製造する方法において、上記イオン性重合体成
分が架橋した粒状重合体であり、上記マトリックス形成
重合体成分がポリアリレート系、ポリアミド系、ポリイ
ミド系、ポリアミドイミド系、ポリスルホン系、ポリウ
レタン系及び弗素系樹脂から選ばれる少なくとも1種の
重合体であり、製造に際して上記のイオン性重合体成分
と上記のマトリックス重合体成分の有機溶剤溶液とから
なる組成物を使用して成膜することを特徴とするイオン
性膜の製造方法。 - 【請求項2】 有機溶剤が、N−メチル−2−ピロリド
ン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
エチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及
びN,N−ジエチルアセトアミドから選択される少なく
とも1種である請求項1に記載のイオン性膜の製造方
法。 - 【請求項3】 イオン性重合体成分の平均粒子径が0.
01〜1.0μmの範囲である請求項1又は2に記載の
イオン性膜の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の方法
で得られたことを特徴とするイオン性膜。 - 【請求項5】 請求項4に記載のイオン性膜を対イオン
の吸着或いは透過に使用することを特徴とするイオン性
膜の使用方法。 - 【請求項6】 請求項4に記載のイオン性膜を備えたこ
とを特徴とする装置。
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1998
- 1998-08-19 JP JP23273298A patent/JP3923190B2/ja not_active Expired - Lifetime
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