JP2000071713A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2000071713A
JP2000071713A JP10248632A JP24863298A JP2000071713A JP 2000071713 A JP2000071713 A JP 2000071713A JP 10248632 A JP10248632 A JP 10248632A JP 24863298 A JP24863298 A JP 24863298A JP 2000071713 A JP2000071713 A JP 2000071713A
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tire
cord
filament
heat treatment
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Yoshitaka Sato
至孝 佐藤
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2207/00Rope or cable making machines
    • D07B2207/40Machine components
    • D07B2207/404Heat treating devices; Corresponding methods

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  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーカスのコード破断を有利に回避して、タ
イヤの長寿命化を達成し、さらに軽量化をも実現した、
空気入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 1対のビード部間でトロイド状に延びる
ラジアル配列コードのプライからなるカーカスを骨格と
する空気入りラジアルタイヤであって、該カーカスは、
伸線後に熱処理を経て、該熱処理前の耐力に比較して熱
処理後の耐力を5%以上増加した、スチールフィラメン
トを含むフィラメントの複数本から構成した、コードを
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りラジア
ルタイヤ、とくに耐久性に優れた空気入りラジアルタイ
ヤに関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りラジアルタイヤ、例えば建設車
両、トラック・バス、さらにはライトトラックなどの比
較的に車重のある車両に装着して使用される重荷重用空
気入りラジアルタイヤは、1対のビード部間でトロイド
状に延びるラジアル配列コードのプライからなるカーカ
スを骨格とし、このカーカスのクラウン部の外側にベル
トおよびトレッドを順に配置して成るのが、一般的であ
る。カーカスおよびベルトは、それぞれ多数本を並列配
置したコードをゴムで被覆して成り、そのコードを、カ
ーカスではタイヤ赤道に対して実質90°の角度にて、ま
たベルトではタイヤ赤道に対して0ないし30°の角度に
て、それぞれ配置するのが、通例である。そして、内圧
充填によって生じる、タイヤ幅方向の張力をカーカスで
負担し、一方タイヤ周方向の張力をベルトで負担してい
る。
【0003】ここで、カーカスを補強するコードとし
て、例えばトラック・バス用タイヤでは、スチールフィ
ラメントの3本を撚り合わせたコアのまわりに、9本の
スチールフィラメントを撚り合わせてシースを配置し、
その周囲に1本のラッピングフィラメントを巻き付け
た、3+9+1構造およびこのシースの外側にさらに15
本のフィラメントによるシースを設けた、3+9+15+
1構造、に代表される層撚り構造が、使用されている。
また、建設車両用タイヤでは、この層撚り構造の他に、
1+6構造の層撚りストランドの7本を同時に撚り合わ
せ、その周囲に1本のラッピングフィラメントを巻き付
けた、7×7+1構造に代表される複撚り構造が、使用
されている。また、近年では、乗用車用タイヤについて
も、そのカーカスにスチールコードを使用する試みがな
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の省資
源および省エネルギーに対する社会的要請から、自動車
の低燃費化に寄与する、転がり抵抗の小さいタイヤの開
発、つまりタイヤの軽量化が求められている。一方、ユ
ーザー側からは、経済性を考慮して、タイヤの長寿命化
が求められている。
【0005】前者のタイヤの軽量化には、カーカスにお
けるコード使用量を削減すること、つまりコードの打ち
込み数を減少することが有効であるが、悪路や未舗装路
などの走行において、路上の石や障害物にタイヤが乗り
上げることによって、カーカスに大きな衝撃が加わる
と、打ち込み数を減少したカーカスでは容易にコード折
れ、さらにはコード破断が発生し、カーカス強度を低下
し、ひいてはタイヤの短命化をまねくことになる。
【0006】そこで、この発明は、カーカスのコード破
断を有利に回避して、タイヤの長寿命化を達成し、さら
に軽量化をも可能とする、空気入りラジアルタイヤを提
供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、種々のコー
ドおよびタイヤの試作を重ねて検討した結果、特定のフ
ィラメントから成るスチールコードをカーカスに適用す
ることにより、上記の問題点が解決されることを見出
し、この発明を完成するに到った。
【0008】この発明の要旨構成は、次のとおりであ
る。 (1) 1対のビード部間でトロイド状に延びるラジアル配
列コードのプライからなるカーカスを骨格とする空気入
りラジアルタイヤであって、該カーカスは、伸線後に熱
処理を経て、該熱処理前の耐力に比較して熱処理後の耐
力を5%以上増加した、スチールフィラメントを含むフ
ィラメントの複数本から構成した、コードを用いて成る
ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
【0009】(2) 上記 (1)において、スチールフィラメ
ントの炭素含有量が0.6 〜1.0 mass%である空気入りラ
ジアルタイヤ。
【0010】(3) 上記 (1)または(2) において、スチー
ルフィラメントの径が0.05〜0.40mmである空気入りラジ
アルタイヤ。
【0011】(4) 上記(1) 、(2) または(3) において、
スチールフィラメントの表面に、CuおよびZnのいずれか
一方または両方から成る、めっき膜を有することを特徴
とする空気入りラジアルタイヤ。
【0012】
【発明の実施の形態】さて、図1に、この発明に従うト
ラック・バス用ラジアルタイヤの具体例を図解する。こ
のタイヤは、1対のビードコア1間でトロイド状に延び
るカーカス2、このカーカス2のクラウン部のタイヤ径
方向外側に配置した、少なくとも3層、図示例で4層の
ベルト3およびこのベルト3のタイヤ径方向外側に配置
したトレッド4から成る。そして、カーカス2に、伸線
後に熱処理を経て、該熱処理前の耐力に比較して熱処理
後の耐力を5%以上増加した、スチールフィラメントを
含むフィラメントの複数本から構成した、コードを適用
することに、特徴がある。
【0013】すなわち、カーカス2におけるスチールコ
ードの打ち込み数を減少した場合に問題となる、カーカ
スコードへの入力増加によるコード折れ並びにコード破
断を回避するには、コード自体の耐疲労性を向上するこ
と、つまり伸線後に熱処理を経て、該熱処理前の耐力に
比較して熱処理後の耐力を5%以上増加した、スチール
フィラメントにてコードの少なくとも一部を構成するこ
とが、肝要である。なぜなら、スチールフィラメントに
ついて、熱処理前の耐力に比較して熱処理後の耐力を5
%以上増加すると、該フィラメントは塑性変形に対する
抵抗が大きくなって、フィラメントに引張りおよび圧縮
の繰り返し入力があっても、フィラメントの塑性変形が
抑制される結果、コードの耐疲労性が向上するからであ
る。
【0014】なお、上記耐力は、図2に示すように、引
張試験で得られた応力−歪み曲線において、歪 0.2%の
点から弾性伸び部分に平行に直線を引き、該直線と曲線
との交点Y0.2に対する応力の値σY0.2を、意味する。
【0015】そして、この耐力が、熱処理前に比較して
熱処理後で5%以上増加していることが、肝要である。
なぜなら、スチールフィラメントの耐力の熱処理後の増
加が5%未満では、フィラメント表面が局部的な塑性変
形を起こし易くなる結果、タイヤ転動時のカーカスコー
ドに繰り返し入力が付加された際に、耐カーカスコード
疲労性の低下がより顕著になるからである。すなわち、
空気入りタイヤが、特に低内圧の下に転動される際、タ
イヤのカーカスコードのフィラメントにおいて、大きい
曲げ変形が繰り返し付加されると、コードを構成する各
フィラメントの最表面に引張及び圧縮歪による局部的な
塑性変形から亀裂が発生し、特にフィラメントの耐力が
低いと亀裂が発生し易くなり、この亀裂が拡大、成長し
最終的にフィラメントが破断する。従って、カーカスコ
ードの耐疲労性はフィラメントの耐力の熱処理後の増加
を5%以上にすることによって、格段に向上するのであ
る。
【0016】ここで、熱処理前に比較して熱処理後の耐
力を5%以上増加したスチールフィラメントは、コード
を構成するフィラメントの少なくとも一部に、具体的に
は少なくとも半数には適用することが好ましく、より好
ましくは全てのフィラメントに適用することが、推奨さ
れる。
【0017】なお、スチールフィラメントの耐力を熱処
理前に比較して熱処理後で5%以上増加するには、ダイ
スでの引き抜きによって伸線された当該フィラメント
に、ブルーイング処理を施すことが有利である。具体的
には、一定の減面率で複数回、例えば3回の伸線加工を
行ったのち、めっき処理、次いで、例えば 340〜500 ℃
で数秒から数十秒程度の短時間保持する、ブルーイング
処理を施す。そして、このブルーイング処理を施したフ
ィラメントを用いて、例えば1+nまたは1×n構造
に、撚り合わせてコードとする。また、複数回の伸線後
にめっき処理を行ったフィラメントを撚り合わせてコー
ドとしたのち、該コードに対して、上記と同様のブルー
イング処理を施してよい。いずれの場合も、ブルーイン
グ処理後に酸処理を行うことによって、ゴムとの接着性
を高めることが、好ましい。
【0018】ちなみに、フィラメントの引張り強さは、
3000MPa 以上、好ましくは3500MPa以上であることが、
コード打ち込み数の削減による、タイヤの軽量化および
転がり抵抗の低減を所期する際に、推奨される。
【0019】また、コードは耐力を熱処理前に比較して
熱処理後で5%以上増加したスチールフィラメントで構
成されていれば、特に構造は限定されないが、次に示す
コード構造が有利に適合する。すなわち、乗用車用タイ
ヤでは、1×n(n:2〜7)の単撚り構造、1+n
(n:5〜8)、2+n(n:5〜11)、3+n(n:
6〜12)、1+n+m(n:5〜8,m:9〜15)、2
+n+m(n:5〜11,m:11〜17)、3+n+m
(n:6〜12,m:12〜18)の層撚り構造を採用でき
る。トラック・バス用およびライトトラック用タイヤで
は、上記の構造に加えて、1×n(n:8〜27)の単撚
り構造を、そして建設車両用タイヤでは、上記の構造に
加えて、さらにn×m(n:2〜7,m:2〜27)の複
撚り構造を、それぞれ採用できる。いずれの構造におい
ても、周囲にラッピングフィラメントを巻き付けること
が可能である。また、層撚り構造では、コアのフィラメ
ントに波または螺旋形の形付けを施してもよく、複数本
のフィラメントでコアを構成する場合は、フィラメント
を撚り合わせる態様以外に、単に束ねることも可能であ
る。
【0020】次に、スチールフィラメントの炭素含有量
を0.6 〜1.0 mass%とすることが、好ましい。すなわ
ち、フィラメントの炭素含有量が0.6 mass%未満では、
フィラメントの引張り強さが小さくなって、所定のベル
ト強度を確保するには、カーカスでの打ち込み数を増加
しなくてはならないため、タイヤの軽量化を阻害する
他、カーカスプライの端部に露出するコード端面の相互
間隔が狭くなってコードとゴムとの剥離がコード端面の
相互で連結してセパレーションに進展し、耐プライエン
ドセパレーション性が低下する原因となる。一方、フィ
ラメントの炭素含有量が1.0 mass%をこえると、フィラ
メントの延性が低下し、伸線加工性が劣化するため実際
的ではない。
【0021】さらに、スチールフィラメントの径は、0.
05〜0.40mmとすることが好ましい。なぜなら、フィラメ
ント径が0.05mm未満では、フィラメントの強力が小さく
なってカーカス強度が小さくなるため、カーカスにおけ
るコード打ち込み数を増加する必要が生じ、上記のよう
にタイヤの軽量化および耐プライエンドセパレーション
性が阻害されるから、0.05mm以上とする。一方、フィラ
メント径が0.40mmをこえると、フィラメントの曲げ剛性
が大きくなり、タイヤ成形時の作業性が悪化するため実
際的ではない。
【0022】さらにまた、スチールフィラメントの表面
に、CuおよびZnのいずれか一方または両方から成る、め
っき膜を有することが、ゴムとの接着性を確保する上で
有利である。
【0023】
【実施例】実施例1 図1に示した構造のトラック・バス用ラジアルタイヤの
カーカス2に、表1に示す仕様の下に作製したスチール
コードを適用し、サイズ11R22.5 14PRのタイヤを試作
した。なお、スチールコードには、図3に示す3+9+
1構造を採用した。また、ベルト3は、カーカス2上
に、タイヤの赤道面に対して1+6構造のスチールコー
ドを用いた、4層構造に成る。
【0024】なお、この発明に従うタイヤは、次に示す
熱処理を施すことによって、そのカーカスコードのスチ
ールフィラメントの耐力を調整した。すなわち、伸線
後、約450 ℃に保持した加熱炉中に耐力の所定の増加が
得られるまで熱処理した。この処理は、後述の実施例2
および3においても、同様である。
【0025】このスチールフィラメントの耐力は、フィ
ラメントをインストロン試験機で引っ張り、得られた応
力−歪み曲線から永久伸びが0.2 %の場合を算出した、
各表の比較例の耐力を100 として、同様に算出した発明
例の耐力を指数で表示した。この耐力の測定は、後述の
実施例2および3においても、同様である。
【0026】かくして得られたタイヤについて、そのタ
イヤの製造における、伸線加工性および成形作業性、そ
してタイヤにおける、耐カーカスコード疲労性および耐
プライエンドセパレーション性について調査した。これ
らの調査結果を表1に併記する。
【0027】ここで、伸線加工性は、フィラメントの伸
線時に発生した断線回数を測定し、比較例の値を100 と
したときの指数で表示した。この指数が小さいほど断線
回数が少なく、伸線加工性に優れることを示している。
【0028】成形作業性は、タイヤの製造における成形
作業性を、作業者の感覚によって、比較例の作業性を基
準として評価した。
【0029】耐カーカスコード疲労性は、各供試タイヤ
を標準リムに組み込み、内圧800kPaを充填してから実車
に装着し、最大負荷能力の負荷の下に、一般路を10万km
でトレッドを更生して20万km走行させたのち、タイヤを
解剖してカーカスからゴム付きコードを取り出し、該コ
ードの引張り強さをインストロン試験機で測定し、この
測定値の、走行前のタイヤから同様に取り出し同様に測
定したコードの引張り強さに対する比を、コード強力保
持率として求めた。そして、このコード強力保持率を、
各表の比較例を100 としたときの指数にて表示した。こ
の指数が大きいほど、コード強力保持率が高く、耐カー
カスコード疲労性に優れる。
【0030】耐プライエンドセパレーション性は、カー
カスプライの端部における亀裂長さに支配されるから、
この亀裂長さを耐プライエンドセパレーション性の指標
とした。すなわち、上記の供試タイヤを標準リムに組み
込み、内圧800kPaを充填してから実車に装着し、最大負
荷能力に対応する負荷の下に、一般路を10万km走行さ
せ、しかる後タイヤを解剖してタイヤ周上の等分4箇所
のカーカスプライの両端において、それぞれコード10本
分の端面、従ってプライの両側で合計80端面にて観察
し、コード間で亀裂が連続した端面の80端面における割
合を亀裂つながり率として求め、比較例の亀裂つながり
率を100 としたときの指数で表示した。この指数が小さ
いほど亀裂長さが小さく、耐プライエンドセパレーショ
ン性に優れることを示している。
【0031】
【表1】
【0032】表1における発明例と比較例との比較か
ら、この発明に従って耐力を5%以上増加したフィラメ
ントによるコードでカーカスを構成することによって、
特に耐カーカスコード疲労性が向上することがわかる。
なお、発明例2はフィラメント径が0.42mmの例、発明例
3は炭素含有量が0.50mass%の例、そして発明例4は炭
素含有量が1.10mass%の例である。
【0033】実施例2 図4に示す、1対のビードコア1間でトロイド状に延び
るカーカス2、このカーカス2のクラウン部のタイヤ径
方向外側に配置した、6層のベルト3およびこのベルト
3のタイヤ径方向外側に配置したトレッド4から成る、
建設車両用ラジアルタイヤのカーカス2に、表2に示す
仕様の下に作製したスチールコードを適用し、サイズ2
1.00 R35のタイヤを試作した。なお、スチールコード
には、図5に示す7×7+1構造を採用した。また、ベ
ルト3は、カーカス2上に、タイヤの赤道面に対して7
×7+1構造のスチールコードを用いた、6層構造に成
る。
【0034】かくして得られたタイヤについて、そのタ
イヤの製造における、伸線加工性および成形作業性、そ
してタイヤにおける、耐カーカスコード疲労性および耐
プライエンドセパレーション性について調査した。これ
らの調査結果を表2に併記する。評価結果は、各表にお
ける比較例を基準として表示した。
【0035】ここで、伸線加工性および裁断作業性は、
上記実施例1の場合と同様に評価した。また、耐カーカ
スコード疲労性は、各供試タイヤを標準リムに組み込
み、内圧500kPaを充填してから実車に装着し、最大負荷
能力の負荷の下に、一般路を5万km走行させたのち、タ
イヤを解剖してカーカスからゴム付きコードを取り出
し、該コードの引張り強さをインストロン試験機で測定
し、この測定値の、走行前のタイヤから同様に取り出し
同様に測定したコードの引張り強さに対する比を、コー
ド強力保持率として求めた。そして、このコード強力保
持率を、各表の比較例を100 としたときの指数にて表示
した。この指数が大きいほど、コード強力保持率が高
く、耐カーカスコード疲労性に優れる。
【0036】さらに、耐プライエンドセパレーション性
は、試作タイヤの内圧を500kPaに調整し、悪路を5万km
走行させた以外は実施例1と同様の評価を行った。
【0037】
【表2】
【0038】表2における発明例と比較例との比較か
ら、この発明に従って耐力を5%以上増加したフィラメ
ントによるコードでカーカスを構成することによって、
特に耐カーカスコード疲労性が向上することがわかる。
なお、発明例2は、フィラメント径が0.42mmの例、発明
例3は炭素含有量が0.50mass%の例、そして発明例4は
炭素含有量が1.10mass%の例である。
【0039】実施例3 図6に示す、1対のビードコア1間でトロイド状に延び
るカーカス2、このカーカス2のクラウン部のタイヤ径
方向外側に配置した、少なくとも2層、図示例で2層の
ベルト3およびこのベルト3のタイヤ径方向外側に配置
したトレッド4から成る、乗用車用ラジアルタイヤのカ
ーカス2に、表3に示す仕様の下に作製したスチールコ
ードを適用し、サイズ195 /75R14のタイヤを試作し
た。ここで、ベルト3は、カーカス2上に、タイヤの赤
道面に対してスチールコードを20°の角度で傾斜しかつ
層間でコードが交差する向きで配置した、2層構造に成
る。この2層の交差ベルト層から成るベルト3に適用す
る、スチールコードには、図7に示す1×5構造を採用
した。
【0040】かくして得られたタイヤについて、そのタ
イヤの製造における、伸線加工性および成形作業性、そ
してタイヤにおける、耐カーカスコード疲労性および耐
プライエンドセパレーション性について調査した。これ
らの調査結果を表3に併記する。評価結果は、各表にお
ける比較例を基準として表示した。
【0041】ここで、伸線加工性および裁断作業性は、
上記実施例1の場合と同様に評価した。また、耐カーカ
スコード疲労性は、各供試タイヤを標準リムに組み込
み、内圧150kPaを充填してから実車に装着し、最大負荷
能力の負荷の下に、一般路を6万km走行させたのち、タ
イヤを解剖してカーカスからゴム付きコードを取り出
し、該コードの引張り強さをインストロン試験機で測定
し、この測定値の、走行前のタイヤから同様に取り出し
同様に測定したコードの引張り強さに対する比を、コー
ド強力保持率として求めた。そして、このコード強力保
持率を、各表の比較例を100 としたときの指数にて表示
した。この指数が大きいほど、コード強力保持率が高
く、耐カーカスコード疲労性に優れる。
【0042】さらに、耐プライエンドセパレーション性
は、試作タイヤの内圧を150kPaに調整し、一般路を6万
km走行させた以外は実施例1と同様の評価を行った。
【0043】
【表3】
【0044】表3における発明例と比較例との比較か
ら、この発明に従って耐力を5%以上増加したフィラメ
ントによるコードでカーカスを構成することによって、
特に耐カーカスコード疲労性が向上することがわかる。
なお、発明例2はフィラメント径が0.04mmの例、発明例
3はフィラメント径が0.42mmの例、発明例4は炭素含有
量が0.50mass%の例、そして発明例5は炭素含有量が1.
10mass%の例である。
【0045】
【発明の効果】この発明は、空気入りラジアルタイヤの
耐久性、特に軽量化をはかったタイヤにおける、カーカ
スプライの耐疲労性の改善を有利に達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従うトラック・バス用タイヤの構造
を示した図である。
【図2】応力−歪曲線を示す図である。
【図3】層撚り構造の一例を示した図である。
【図4】この発明に従う建設車両用タイヤの構造を示し
た図である。
【図5】複撚り構造の一例を示した図である。
【図6】この発明に従う乗用車用タイヤの構造を示した
図である。
【図7】単撚り構造の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 ビードコア 2 カーカス 3 ベルト 4 トレッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のビード部間でトロイド状に延びる
    ラジアル配列コードのプライからなるカーカスを骨格と
    する空気入りラジアルタイヤであって、該カーカスは、
    伸線後に熱処理を経て、該熱処理前の耐力に比較して熱
    処理後の耐力を5%以上増加した、スチールフィラメン
    トを含むフィラメントの複数本から構成した、コードを
    用いて成ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、スチールフィラメン
    トの炭素含有量が0.6 〜1.0 mass%である空気入りラジ
    アルタイヤ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、スチールフ
    ィラメントの径が0.05〜0.40mmである空気入りラジアル
    タイヤ。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、スチー
    ルフィラメントの表面に、CuおよびZnのいずれか一方ま
    たは両方から成る、めっき膜を有することを特徴とする
    空気入りラジアルタイヤ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001354006A (ja) * 2000-06-09 2001-12-25 Ohtsu Tire & Rubber Co Ltd :The 乗用車用ラジアルタイヤ
WO2015012255A1 (ja) * 2013-07-22 2015-01-29 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ

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