JP2000071600A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

Info

Publication number
JP2000071600A
JP2000071600A JP10247112A JP24711298A JP2000071600A JP 2000071600 A JP2000071600 A JP 2000071600A JP 10247112 A JP10247112 A JP 10247112A JP 24711298 A JP24711298 A JP 24711298A JP 2000071600 A JP2000071600 A JP 2000071600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
gloss
fine particles
recording paper
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10247112A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunichiro Mukoyoshi
俊一郎 向吉
Shinichi Asano
晋一 浅野
Masahiro Morie
正博 森江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP10247112A priority Critical patent/JP2000071600A/ja
Publication of JP2000071600A publication Critical patent/JP2000071600A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光沢性に優れ、印字濃度、記録画質等のインク
ジェット記録適性に優れ、更にプリンタ搬送性に優れた
インクジェット記録用紙を提供する。 【解決手段】基材に顔料および接着剤を含有する光沢層
を設けたインクジェット記録用紙において、光沢層中の
顔料が、1次粒子の平均粒子径が3nm以上40nm以
下で、2次粒子の平均粒子径が10nm以上400nm
以下であるシリカ微細粒子を含有し、さらに光沢層中に
ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有することを特徴
とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙に関し、特に光沢、インクジェット記録適性に優
れ、インクジェットプリンタ記録の際の搬送性に優れた
インクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタによる記録は、
騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が
容易なために多方面で利用されている。インクジェット
記録用紙としては、インク吸収性に富むように工夫され
た上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が適
用されている。ところで、これらの用紙はすべて表面光
沢の低い、いわゆるマット調のインクジェット記録用紙
が主体であるため、表面光沢の高い、優れた外観を持つ
インクジェット記録用紙が要望されている。一般に、表
面光沢の高い用紙としては、表面に板状顔料を塗工し、
さらに必要に応じてキャレンダー処理を施した高光沢を
有する塗工紙、あるいは湿潤塗工層を鏡面を有する加熱
ドラム面に圧着、乾燥することにより、その鏡面を写し
取ることによって得られる、いわゆるキャスト塗工紙が
知られている。
【0003】このキャスト塗工紙はスーパーキャレンダ
ー仕上げされた通常の塗工紙に比較して高い表面光沢と
より優れた表面平滑性を有し、優れた印刷効果が得られ
ることから、高級印刷物等の用途に専ら利用されている
が、インクジェット記録用紙に利用した場合、種々の難
点を抱えている。すなわち、一般に従来のキャスト塗工
紙は、例えばUS5275846号に開示されている。
その塗工層を構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性
物質がキャストコーターの鏡面ドラム表面を写し取るこ
とにより高い光沢を得ている。他方、この成膜性物質の
存在によって塗工層の多孔性が失われ、インクジェット
記録時のインクの吸収を極端に低下させる等の問題を抱
えている。そして、このインク吸収性を改善するには、
キャスト塗工層がインクを容易に吸収できるようにポー
ラスにしてやることが重要であり、そのためには成膜性
を減ずることが必要となるが、成膜性物質の量を減らす
ことにより、結果として白紙光沢が低下する。以上の如
く、キャスト塗工紙の表面光沢とインクジェット記録適
性の両方を同時に満足させることが極めて困難であっ
た。
【0004】上記問題を解決する方法として、顔料およ
び接着剤を主成分とする記録層を設けた原紙上に、エチ
レン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる4
0℃以上のガラス転移点を有する共重合体組成物を主成
分とする塗工液を塗工してキャスト用塗工層を形成せし
め、該キャスト用塗工層が湿潤状態にある間に加熱され
た鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げることにより、優
れた光沢とインク吸収性を兼ね備えるインクジェット記
録用キャスト紙が得られることを本発明者等は見出し、
特開平7-89220号として提案した。ところで、近年イン
クジェット記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカ
ラー化といった用途の拡大に伴い、さらに強光沢かつ高
画質、高記録濃度の品質が望まれてきており、例えば銀
塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢、記録品質が
求められているが、このような要求を満たすには、先に
提案した技術を使用しても達成が困難であるのが現状で
ある。
【0005】そこで、本発明者等は鋭意検討の結果、基
材に顔料および接着剤を含有する下塗り層を少なくとも
1層設け、さらに該下塗り層上に顔料および接着剤を主
成分とするキャスト塗工層を設けたインクジェット記録
用紙において、キャスト塗工層中の顔料が、1次粒子の
平均粒子径が3nm以上40nm以下で、2次粒子の平
均粒子径が10nm以上300nm以下であるシリカ微
細粒子を含有することにより、光沢とインクジェット記
録適性に極めて優れるインクジェット用紙が得られるこ
とを見出し、特願平9-132021号公報として出願した。し
かしながら、新たな問題点として、上記インクジェット
用紙では、表面のべたつきが生じやすく、また滑りが悪
いため、インクジェットプリンタで記録する際搬送しな
かったり、搬送ロールに貼り付いたり、複数枚を連続し
て記録させる時に重送が生じたりする問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光沢性に優
れ、印字濃度、記録画質等のインクジェット記録適性に
優れ、更にプリンタ搬送性に優れたインクジェット記録
用紙を提供するものである。
【課題を解決するための手段】本発明は下記の態様を含
む。 [1]基材に顔料および接着剤を含有する光沢層を設け
たインクジェット記録用紙において、光沢層中の顔料
が、1次粒子の平均粒子径が3nm以上40nm以下
で、2次粒子の平均粒子径が10nm以上400nm以
下であるシリカ微細粒子を含有し、さらに光沢層中にポ
リテトラフルオロエチレン微粒子を含有することを特徴
とするインクジェット記録用紙。 [2]光沢層が、光沢層用塗工液を塗工し、該塗工層が
湿潤状態にある間に、あるいは乾燥後再湿潤した後に、
加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げてなるこ
とを特徴とする[1]記載のインクジェット記録用紙。 [3]基材と光沢層の間に、顔料および接着剤を含有す
る下塗り層を少なくとも1層設けたことを特徴とする
[1]または[2]記載のインクジェット記録用紙。
【0007】[4]ポリテトラフルオロエチレン微粒子
の含有量が、光沢層の全固形分に対し、1重量%〜20
重量%である[1]、[2]または[3]記載のインク
ジェット記録用紙。 [5]光沢層が、カチオン樹脂を含有することを特徴と
する[1]、[2]、[3]または[4]記載のインク
ジェット記録用紙。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる基材としては、特
に限定されるものではなく、一般の塗工紙に使用される
酸性紙、あるいは中性紙等の紙基材が適宜使用される。
また透気性を有する樹脂シート類も用いることができ
る。基材上には、直接キャスト塗工層を設けてもよい
が、インクの吸収容量、吸収速度を高める目的で、下塗
り層を設けるのが好ましい。紙基材は木材パルプと必要
に応じ顔料を主成分として構成される。木材パルプは、
各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用する
ことができ、これらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調
整するために、叩解機により叩解度を調整できる。パル
プの叩解度(フリーネス)は特に限定しないが、一般に25
0〜550ml(CSF:JISP−8121)程度で
ある。顔料は不透明性等を付与したり、インク吸収性を
調整する目的で配合し、炭酸カルシウム、焼成カオリ
ン、シリカ、酸化チタン等が使用できる。この場合、配
合量は1〜20%程度が好ましい。多すぎると紙力が低
下するおそれがある。助剤としてサイズ剤、定着剤、紙
力増強剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増
白剤等を添加することができる。さらに、抄紙機のサイ
ズプレス工程において、デンプン、ポリビニルアルコー
ル、カチオン樹脂等を塗布・含浸させ、表面強度、サイ
ズ度等を調整できる。サイズ度は1〜200秒程度が好
ましい。サイズ度が低いと、塗工時に皺が発生する等操
業上問題となる場合があり、高いとインク吸収性が低下
したり、印字後のカールやコックリングが著しくなる場
合がある。紙基材の坪量は、特に限定されないが、20
〜400g/m2 程度である。
【0009】紙基材上に設けられる下塗り層は、顔料と
接着剤を主成分として構成される。記録層中の顔料は、
カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形
シリカ)、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホ
ワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、ゼオライト、合
成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメ
クタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化
マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメ
ント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピ
グメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント
等、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料が1種も
しくはそれ以上、併用することが出来る。これらの中で
も、インク吸収性の高い無定形シリカ、アルミナ、ゼオ
ライトを主成分として使用するのが好ましい。
【0010】下塗り層接着剤としては、カゼイン、大豆
蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種
澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセル
ロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブ
タジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、ア
クリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重
合体等のビニル系重合体ラテックス、等一般に塗工紙用
として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるい
は併用して用いられる。顔料と接着剤の配合割合は、そ
の種類にもよるが、一般に顔料100重量部に対し接着
剤1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部の範囲
で調節される。その他、一般塗工紙の製造において使用
される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等
の各種助剤が適宜添加される。下塗り層中には蛍光染
料、着色剤を添加することもできる。
【0011】下塗り層中には、インクジェット記録用イ
ンク中の染料成分を定着する目的で、カチオン性化合物
を配合することもできる。ただし、後で述べる様に、イ
ンク染料は下塗り層上に設ける光沢層にできるだけ定着
させた方が、印字(記録)濃度が高くなるため好まし
く、このためには、下塗り層中よりも光沢層中にカチオ
ン性化合物を多く配合するのが好ましい。更に好ましく
は、光沢層のみにカチオン性化合物を配合し、下塗り層
中にはカチオン性化合物が実質的に存在しないのが良
い。実質的に存在しないとは、例えば、カチオン性界面
活性剤等を助剤的に微量添加することは除外される。光
沢層のみにカチオン性化合物を配合し、下塗り層中には
カチオン性化合物が実質的に存在しない場合に、光沢層
を設けた際の光沢が最も発現し易い。
【0012】下塗り層中に、コロイダルシリカとエチレ
ン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合
体樹脂との複合体を配合すると、光沢層を設けた際の光
沢がより向上する。この理由は具体的には不明である
が、該複合体の存在が、下塗り層のインク吸収性を維持
したまま、光沢層用塗工組成物の下塗り層への浸透を抑
制するためと推定される。さらに、その理由は不明であ
るがキャスト方式により光沢層を設けた場合のキャスト
ドラムからの離型性が向上する傾向がある。エチレン性
不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹
脂としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリ
レート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、グリシジルアクリレート等のアルキル基
炭素数が1〜18個のアクリル酸エステル、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、グリシジルメタクリレート等のアルキル基炭素
数が1〜18個のメタクリル酸エステル、スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、エチレン、ブタジエン等のエチレン性モノマ
ーを重合して得られる重合体が挙げられる。なお、重合
体は、必要に応じて2種類以上のエチレン性モノマーを
併用した共重合体であっても良いし、さらに、これら重
合体あるいは共重合体の置換誘導体でも良い。因みに、
置換誘導体としては、例えばカルボキシル基化したも
の、またはそれをアルカリ反応性にしたもの等が例示さ
れる。
【0013】コロイダルシリカとの複合化は、上記のエ
チレン性モノマーをシランカップリング剤等とコロイダ
ルシリカの存在下で重合させ、Si−O−R(R:重合
体成分)結合によって複合体にする、あるいは必要に応
じシラノール基等で変性した重合体樹脂とコロイダルシ
リカを反応させ、Si−O−R(R:重合体成分)結合
によって複合体にする方法が挙げられる。上記材料をも
って構成される下塗り層用組成物は、一般に固形分濃度
を5〜50重量%程度に調整し、紙基材上に乾燥重量で
2〜100g/m2 、好ましくは5〜50g/m2
度、更に好ましくは10〜20g/m2 程度になるよう
に塗工する。塗工量が少ないと、インク吸収性が劣った
り、光沢層を設けた際に光沢が十分に出なかったりする
場合があり、多いと、印字濃度が低下したり、塗工層の
強度が低下し粉落ちや傷が付き易くなる場合がある。下
塗り層用組成物は、ブレードコーター、エアーナイフコ
ーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレ
ックスコーター、バーコーター、リップコーター、グラ
ビアコーター、カーテンコーター等の各種公知公用の塗
工装置により塗工、乾燥される。さらに、必要に応じて
記録層の乾燥後にスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等
の平滑化処理を施すこともできる。
【0014】本発明では、上記した顔料と接着剤よりな
る記録層上にさらに光沢層を設ける。この光沢層は、特
定のシリカ微細粒子と接着剤を主成分とし、さらにポリ
テトラフルオロエチレン粒子を含有する。まず、このシ
リカ微細粒子について、説明する。本発明に用いるシリ
カ微細粒子の調整方法は特に限定するものではないが、
例えば、一般的に市販されている合成非晶質シリカ(例
えば2次粒子径は数ミクロン程度のもの)を機械的手段
により強い力を与えて2次粒子径を小さくすることによ
り得ることが出来る。この機械的手段としては、超音波
ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、高速回転ミ
ル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジ
ェットミル、サンドグラインダー等があげられる。この
ようにして処理されたシリカ微細粒子は、通常に固形分
濃度が5〜20%程度の水分散体(スラリーあるいはコ
ロイド粒子)として得られる。本発明でいう平均粒子径
とは、電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒子径
である(1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5c
m四方中の粒子のマーチン径を測定し、平均したもの。
「微粒子ハンドブック」(朝倉書店)のP52、1991
年等に記載されている。)
【0015】本発明で用いるシリカ微細粒子(実質的に
2次粒子が主体)の平均粒子径は、10nm以上400
nm以下であり、好ましくは10nm以上300nm以
下であり、より好ましくは15nm以上150nm以
下、さらに好ましくは20nm以上100nm以下に調
整される。シリカ微細粒子の2次粒子の平均粒子径が4
00nmを越えると、光沢層の透明性が低下し、光沢層
中に定着された染料の発色性が低下し、所望とする印字
濃度が得られない。また、2次粒子の平均粒子径が極め
て小さいシリカ微細粒子を使用すると、インキ吸収性が
低下し、所望とする画像品位を得ることが出来ない。ま
た、シリカ微細粒子の1次粒子の平均粒子径は、3nm
以上40nm以下に調整する必要があり、好ましくは5
nm以上30nm以下、より好ましくは7nm以上20
nm以下である。この1次粒子径が3nm未満になると
1次粒子間の空隙が著しく小さくなり、インキ中の溶剤
やインキを吸収する能力が低下し、所望とする画像品位
を得ることが出来ない。また、1次粒子径の平均が40
nmを越えると、凝集した2次粒子が大きくなり、光沢
層の透明性が低下し、光沢層中に定着された染料の発色
性が低下し、所望とする印字濃度が得られない。光沢層
中の全顔料におけるシリカ微細粒子の比率は、記録層の
透明性を維持するために、50%以上が望ましい。全顔
料中のシリカ微細粒子の比率が50%未満になると透明
性の低下がおこり、印字濃度等の画像品位が低下する場
合もある。
【0016】接着剤としては、水溶性樹脂(例えばポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、
大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボキシルメチ
ルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導
体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリ
レート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラ
テックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系
共重合体ラテックス等の水分散性樹脂、水性アクリル樹
脂、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂等そ
の他一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤を、本発
明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。
【0017】上記した接着剤の中でも、水性ポリウレタ
ン樹脂を少なくともその一部として含有するのが好まし
い。水性ポリウレタン樹脂を含有することにより、キャ
ストドラムからの離型性に優れたものとなりやすい。さ
らに得られた記録用紙は、インク吸収性、印字濃度、耐
水性、表面強度、光沢に優れたものとなりやすい。ポリ
ウレタン樹脂とは、ポリイソシアネート化合物と活性水
素含有化合物との反応から得られる比較的多くのウレタ
ン結合および尿素結合を含む高分子化合物であると定義
づけられる。ポリイソシアネート化合物としては、特に
限定するものではないが、例えばトリレンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等
の芳香族系、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート等の脂肪、脂環族系のものが挙げ
られる。活性水素含有化合物としては、一般に水酸基や
アミン基を持つ化合物が用いられ、高分子量のものとし
てはポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポ
リカーボネートジオール等が挙げられ、低分子量のもの
としては、エチレングリコール、1,4 ブタンジオール、
1,6 ヘキサンジオール等のグリコール類、イソプロピル
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類等が
挙げられる。水性ポリウレタン樹脂は、分散粒子の粒子
径が0.001〜20μm程度であり、その外観が透
明、半透明のコロイダル分散液のものから、乳白色のエ
マルジョンに属するものがあり、一括して水性ポリウレ
タン樹脂と表現する。
【0018】水性ポリウレタン樹脂は、乳化剤の存在下
で高い機械的せん断力で強制乳化した強制乳化型と、分
子鎖中にイオン基を導入し親水性を賦与して、乳化剤の
助力なしに水中に安定に分散させた自己乳化型、さらに
水中に溶解させた溶解型に分類される。この内でも自己
乳化型が光沢、耐水性等に優れやすく好ましい。自己乳
化型の中には、導入するイオン基により、カチオン型、
アニオン型、ノニオン型に分類される。この中では、三
級アミノ基等のカチオン基を導入しそれを酸で中和また
は四級化したカチオン型のものが、水性インクの定着性
に優れやすく、さらにインク定着剤としてのカチオン化
合物を配合する場合、混和性に優れ易いため、特に好ま
しい。
【0019】水性ポリウレタン樹脂がカチオン性の場
合、インク吸収性、印字濃度に特に優れたものとなりや
すく、後述するように、水性インク定着剤としてのカチ
オン性化合物を配合する場合、混和性に優れる。水性ポ
リウレタン樹脂のガラス転移温度は40℃以上の場合、
キャスト方式による塗工の際のキャストドラムからの離
型性に優れ易く好ましい。ガラス転移温度は60℃以上
の場合更に好ましい。上限は特にないが、例えば200
℃程度が例示できる。接着剤の配合量は顔料100重量
部に対し1〜200重量部、より好ましくは10〜10
0重量部の範囲で調節される。ここで接着剤の量が少な
いと、所望の効果が得られにくく、さらに塗工層の強度
が弱くなり表面が傷つきやすくなったり、粉落ちが発生
する場合がある。逆に多いと、インク吸収性が低下し、
所望のインクジェット記録適性が得られなくなる場合が
ある。本発明では、光沢層にポリテトラフルオロエチレ
ン微粒子を配合する。本発明者等は、光沢層表面の滑り
性を向上させ、ベタツキを抑制する目的で、各種滑剤の
配合を検討した。まず、脂肪族炭化水素系滑剤、高級脂
肪族アルコール系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、脂肪酸アマ
イド系滑剤、金属石鹸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤等
を検討したが、効果の点で不十分であり、配合量を増加
させることにより、ある程度の効果は得られるものの、
表面光沢の低下やインク吸収性、印字濃度の低下を招
き、バランスのとれた品質のものは得られなかった。ま
た、各種無機顔料やポリオレフィン、ポリメチルメタク
リレート、ポリアクリルニトリル、ポリスチレン等の有
機微粒子も検討したが、これらについても上記と同様の
問題が付随することが判った。
【0020】そこで更に検討を進めた結果、ポリテトラ
フルオロエチレン微粒子の配合が極めて効果的であるこ
とを見出した。即ちポリテトラフルオロエチレン微粒子
は配合量が少なくても優れた滑り性と貼りつき防止性を
付与できるため、インク吸収性や光沢の低下が少なく、
ポリテトラフルオロエチレン微粒子自体の透明性が高い
ためか、記録濃度の低下も少ないものであることが判っ
た。ポリテトラフルオロエチレンとは、ポリ四弗化エチ
レンとも呼ばれるポリマーであり、本発明においては、
このポリマーを微粒子の形態で用いる。このポリテトラ
フルオロエチレン微粒子の粒子径は、その配合量や光沢
層の塗工量にもよるが、平均粒子径が1〜20μm程度
が好ましい。ここで、粒子径が小さいと滑り性や貼りつ
き防止の効果が十分には得られにくく、逆に大きいと、
光沢の低下や記録濃度の低下、ベタ印字均一性の低下等
記録品質の低下を招くおそれがある。ポリテトラフルオ
ロエチレン微粒子の配合量は、光沢層の全固形分に対し
て、1〜20重量%の範囲が好ましい。少ないと搬送性
改善の効果が不十分となる恐れがあり、多いと、光沢や
印字品位の低下を招く恐れがある。
【0021】光沢層には、インク中の染料成分を定着さ
せる目的で、カチオン性化合物を配合するのが好まし
い。配合の方法は、前記シリカ微細粒子に混合すれば良
いのだが、シリカ微細粒子は一般にアニオン性であり、
混合の際凝集が起こる場合がある。この場合、一般的に
市販されている非晶質シリカ(数ミクロンの二次粒子径
を有する)を機械的手段により強い力を与えて微細粒子
にする際、処理前の無定形シリカにカチオン性化合物
(光沢層に配合するカチオン性化合物の全量または少な
くともその一部)を一緒に混合分散してから機械的手段
により分散・粉砕するか、あるいは微細化したシリカ2
次粒子分散体に混合し、一旦増粘・凝集させた後、再度
機械分散・粉砕する方法等をとることができる。カチオ
ン性化合物としては、カチオン樹脂や低分子カチオン性
化合物(例えばカチオン性界面活性剤等)が挙げられ
る。印字濃度向上の効果の点ではカチオン樹脂が好まし
く、水溶性樹脂あるいはエマルジョンとして使用でき
る。更にカチオン樹脂を架橋等の手段により不溶化し粒
子状の形態としたカチオン性有機顔料としても使用でき
る。このようなカチオン性顔料は、カチオン樹脂を重合
する際、多官能性モノマーを共重合し架橋樹脂とする、
あるいは反応性の官能基(水酸基、カルボキシル基、ア
ミノ基、アセトアセチル基等)を有するカチオン樹脂に
必要に応じ架橋剤を添加し、熱、放射線等の手段により
架橋樹脂としたものである。カチオン性化合物、特にカ
チオン樹脂は接着剤としての役割を果たす場合もある。
【0022】カチオン樹脂は下記のものが例示できる。
具体的には、1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピ
レンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類また
はその誘導体、2)第2級アミン基や第3級アミン基や
第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、3)ポリ
ビニルアミン、ポリビニルアミジン類、4)ジシアンジ
アミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カ
チオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ジエチレントリア
ミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、
6)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、
7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−S02
共重合物、8)ジアリルアミン塩−S02 共重合物、
9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、
10)アリルアミン塩の重合物、11)ジアルキルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、12)ア
クリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物等のカチオン
性化合物。カチオン性化合物は、さらに印字画像耐水性
を向上させる効果も有する。光沢層に配合するカチオン
性化合物は顔料100重量部に対し、1〜100重量
部、より好ましくは5〜50重量部の範囲で使用するこ
とができる。配合量が少ないと印字濃度向上の効果が得
られにくく、多いと逆に印字濃度が低下したり、画像の
ニジミが発生する場合がある。
【0023】下述するように、キャスト方式にて光沢層
を形成する場合、光沢層に配合されるポリテトラフルオ
ロエチレン微粒子の効果により、キャストドラム等から
の離型性に優れる利点がある。ただし更に光沢層に、通
常の印刷用塗工紙や印刷用キャスト紙製造の際に用いら
れる離型剤を配合することもできる。この様な離型剤と
しては、高級脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス類、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン
酸カリウム、オレイン酸アンモミウム等の高級脂肪酸ア
ルカリ塩類、レシチン、シリコーンオイル、シリコーン
ワックス等のシリコーン化合物が挙げられる。離型剤の
配合量は、顔料100重量部に対し0.1〜50重量
部、好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは1
〜20重量部の範囲で調節される。ここで配合量が少な
いと、離型性改善の効果が得られにくく、多いと逆に光
沢が低下したり、インクのハジキや記録濃度の低下が生
じる場合がある。光沢層は、光沢層用塗工液を塗工し乾
燥した後、スーパーカレンダー処理等により光沢を発現
させることもできるが、キャスト方式で形成させると特
に光沢に優れ易く好ましい。
【0024】キャスト方式とは、塗工層を、平滑性を有
するキャストドラム(鏡面仕上げした金属、プラスチッ
ク、ガラス等のドラム)、鏡面仕上げした金属板、プラ
スチックシートやフィルム、ガラス板等上で乾燥し、平
滑面を塗工層上に写し取ることにより、平滑で光沢のあ
る塗工層表面を得る方法である。キャスト方式により、
光沢層を設ける方法としては、上記の光沢層用塗工液を
下塗り層上に塗工して、該塗工層が湿潤状態にある間に
加熱された鏡面ドラム等に圧接、乾燥して仕上げる方法
(ウェットキャスト法)、あるいは一旦乾燥後再湿潤し
た後加熱された鏡面ドラム等に圧接、乾燥して仕上げる
方法(リウェットキャスト法)等の加熱された鏡面ドラ
ムにより乾燥する製法が挙げられる。一般にウェットキ
ャスト法の方が光沢、インク吸収性に優れるものとなり
易く、リウェットキャスト法の方が生産性に優れたもの
となり易い。また加熱された鏡面ドラム等に直接光沢層
用塗工液を塗工した後、下塗り層を設けた基材の下塗り
層面に圧接、乾燥して仕上げる方法(プレキャスト法)
も採用することができる。さらに、上記の光沢層用塗工
液を下塗り層上に塗工して、この塗工層をある程度乾燥
し、半乾燥の状態にある間に、加熱された鏡面ドラム等
に圧接、乾燥して仕上げると、均一な塗工層が形成され
やすく、印字濃度が高く、光沢の優れた光沢層が得られ
易いため特に好ましい。ここで半乾燥とは、塗工層の流
動性はほとんど無くなっているが、水分は多く含んでい
る状態を意味し、塗工層絶乾量に対して20〜400%
(即ち塗工層の絶乾重量100重量部に対し20〜40
0重量部の水分を含む)程度とするのが好ましく、より
好ましくは50〜200%の範囲で調整される。水分が
少ないと鏡面ドラムに圧接した際の鏡面の転写が不十分
となり、十分に光沢が発揮されにくく、多いと鏡面ドラ
ムに圧接した際、塗工層が押しつぶされ均一で十分な塗
工量の塗工層が得られず、印字濃度や光沢が不十分とな
り易い。
【0025】光沢層用塗工液を下塗り層上に塗工して、
下塗り層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラム等
に圧接、乾燥して仕上げる場合、均一で十分な塗工量の
塗工層を得る目的で、光沢層用塗工液の不動化を促進す
る方法を採ることもできる。この方法としては例えば、
(1)下塗り層中に光沢層用塗工液の不動化を促進する
様なゲル化剤を配合しておく、(2)下塗り層上に光沢
層用塗工液の不動化を促進する様なゲル化剤を塗工・含
浸させる、(3)光沢層用塗工液を塗工した後、光沢層
用塗工液の不動化を促進する様なゲル化剤を表面に塗工
・含浸させる、(4)光沢層用塗工液中に塗工液が乾燥
する過程で不動化が促進されるようなゲル化剤を配合し
ておくことが挙げられる。この様なゲル化剤としては、
光沢層用塗工液中の接着剤の架橋剤であるほう酸、ぎ酸
等およびそれらの塩、アルデヒド化合物、エポキシ化合
物等が挙げられる。光沢層用塗工組成物を、塗工し乾燥
または半乾燥した後、該塗工層上にさらに同様の塗工組
成物を塗工し、キャストドラム等の上で乾燥することも
できる。光沢層用塗工組成物中には白色度、粘度、流動
性等を調節するために、一般の印刷用塗工紙やインクジ
ェット用紙に使用されている顔料、消泡剤、着色剤、蛍
光増白剤、帯電防止剤、防腐剤及び分散剤、増粘剤等の
各種助剤が適宜添加される。
【0026】前述した光沢層用塗工液を下塗り層上に塗
工する場合、ブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレック
スコーター、バーコーター、グラビアコーター等の各種
公知の塗工装置が使用できる。キャスト塗工層の塗工量
は、乾燥固形分で1〜30g/m2 、好ましくは、1.
5〜20g/m2 、より好ましくは、3〜15g/m2
である。ここで、1g/m2 未満では印字濃度や光沢が
十分に出ない場合があり、30g/m2 を越えて多いと
効果は飽和し、乾燥に負担がかかり操業性が低下する恐
れがある。光沢層をキャスト仕上げにより設けた後で、
さらにスーパーカレンダー等により平滑化処理を行うこ
ともできる。
【0027】本発明により、光沢およびインクジェット
記録適性に特に優れたインクジェット用紙が得られる理
由としては、以下の如く考えられる。まず、印字品質を
向上させる理由について述べる。光沢層に使用するシリ
カ微細粒子の2次粒子径を小さくすると、光沢層の透明
性が増し、光沢層に保持されたインキの発色が、より透
明性の増した光沢層によって妨げられ難くなり、結果と
して、画像品位(印字濃度)が向上すると思われる。光沢
層にカチオン性化合物が含有された場合、光沢層にイン
ク中の染料成分が選択的に定着されるため画像品位(印
字濃度)が向上の効果がより発現され好ましい。下塗り
層の存在は、インクを速やかに吸収する働きをするが、
光沢層にカチオン性化合物が含有され、且つ下塗り層中
には実質的にカチオン性化合物が含有されない場合に
は、光沢層はインク中の染料成分を選択的に定着し、下
塗り層はインク中の溶媒成分を速やかに吸収する働きを
するものと考えられる。次に、光沢性が向上する理由に
ついて述べる。光沢層に使用するシリカ微細粒子の2次
粒子径が十分に小さいため、光の乱反射が少なく光沢層
表面の光沢は発現しやすい。特に光沢層をキャスト方式
により設けると、キャストドラムの平滑性が転写され、
光沢に特に優れたものとなる。また、ポリテトラフルオ
ロエチレン微粒子が配合されていることにより、キャス
トドラム等への貼りつきが適度に抑えられ、光沢に優れ
た面が得られる。
【0028】
〔シリカ微細粒子の調製〕
[シリカ微細粒子A]合成無定形シリカ(トクヤマ社
製、商品名:ファインシールX−45、2次粒子径4.
5μm、1次粒子径15nm)の水分散液を用い、圧力
式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモ
ジナイザーGM−1)を用いて粉砕の操作を繰り返した
(加圧500kg/cm2 )。処理後の分散液の平均2
次粒子径は50nm、固形分濃度は12%であった。 [シリカ微細粒子B]合成無定形シリカ(日本シリカ工
業社製、商品名:Nipsil LP、2次粒子径9μ
m、1次粒子径16nm)の水分散液を用い、圧力式ホ
モジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモジナ
イザーGM−1)を用いて粉砕の操作を繰り返した(加
圧500kg/cm2 )。処理後の分散液の平均2次粒
子径は500nm、固形分濃度は12%であった。
【0029】「シリカ微細粒子とカチオン性化合物の混
合」以下の実施例、比較例で、上記したシリカ微細粒子
AまたはBとカチオン性化合物を混合する際は、両者を
混合分散し、顔料の凝集を生じせしめた後、さらに圧力
式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモ
ジナイザーGM−1)を用いて粉砕し(加圧500kg
/cm2 )、分散液中のシリカの平均2次粒子径が、も
とのシリカ微細粒子の平均2次粒子径になるまで処理し
た。
【0030】(ただし一次粒子径は圧力式ホモジナイザ
ー処理前後で変わらない) 実施例1 紙基材上に、下記下塗り層用塗工液を、乾燥重量で12
g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗工、
乾燥した。次に、下記光沢層用塗工液を、上記の下塗り
層上にエアーナイフコーターで塗工し、冷風で20秒乾
燥し半乾燥状態にした後(塗工層絶乾量に対する水分率
150%)、表面温度が100℃の鏡面ドラムに圧接
し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記
録用紙を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量
で、6g/m2 であった。 〔下塗り層用塗工液(固形分濃度17%)〕合成シリカ
(ファインシールX−60;トクヤマ製、平均二次粒子
径6.0μm、一次粒子径15nm)80部、ゼオライ
ト(トヨビルダー;トーソー製、平均粒子径1.5μ
m)20部、シリル変性ポリビニルアルコール(R11
30;クラレ製)20部、ガラス転移点75℃のスチレ
ン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体と粒子径3
0nmのコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(共
重合体とコロイダルシリカは重量比で40:60、エマ
ルジョンの粒子径は80nm)40部、蛍光染料(Wh
itexBPSH;住友化学製)2部。
【0031】〔キャスト塗工層用塗工液(固形分濃度1
2%)〕固形分重量部 シリカ微細粒子A100部、ジアリルジメチルアンモニ
ウムクロライド−アクリルアミド共重合体(日東紡績社
製、商品名;PAS−J−81)10部、カチオン性水
性ウレタン樹脂(F−8554D;第一工業製薬製、T
g=73℃)25部、ステアリン酸アミド 1部、ポリ
テトラフルオロエチレン微粒子(Fluo−HT;MICR
O POWDERS INC.製、平均粒子径4.0μm)5部。
【0032】実施例2 実施例1において平均粒子径4.0μmではなく平均粒
子径6.0μmのポリテトラフルオロエチレン微粒子
(Fluo300;MICRO POWDERS INC.製、平均粒子径
6.0μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光
沢タイプのインクジェット記録用紙を得た。 実施例3 実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子
(Fluo−HT;MICRO POWDERS INC.製、平均粒子径
4.0μm)の添加部数を5部から0.5部とした以外
は、実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット
記録用紙を得た。
【0033】実施例4 実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子
(Fluo−HT;MICRO POWDERS INC.製、平均粒子径
4.0μm)の添加部数を5部から2部とした以外は、
実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録
用紙を得た。 実施例5 実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子
(Fluo−HT;MICRO POWDERS INC.製、平均粒子径
4.0μm)の添加部数を5部から15部とした以外
は、実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット
記録用紙を得た。
【0034】比較例1 実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子を
無添加とした以外は、実施例1と同様にして光沢タイプ
のインクジェット記録用紙を得た。 比較例2 実施例1においてポリテトラフルオロエチレン微粒子の
替わりにポリオレフィン系微粒子(ケミパールW−40
0;三井石油化学(株)製)を5部添加した以外は、実
施例1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用
紙を得た。 比較例3 実施例1で用いた光沢層用塗工液において、シリカ微細
粒子をAからBに変更した以外は、実施例1と同様にし
て光沢タイプのインクジェット記録用紙を得た。
【0035】比較例4 実施例1において下塗り層まで設けたものを用いた。 比較例5 紙基材をそのまま用いた。この様にして得られたインク
ジェット記録用紙のインクジェット記録適性、白紙光
沢、ドラム離型性を表1にまとめて示した。なお、上記
の評価については下記の如き方法で評価を行った。
【0036】[インクジェット記録適性]インクジェッ
トプリンターBJC420J(キヤノン(株)製)を用
いて印字を行なった。 (ベタ印字部の均一性)シアンインクとマゼンタインク
の2色混合のベタ印字部の印字ムラ(濃淡ムラ)を目視
にて評価した。 ○:印字ムラは見られず良好なレベル。 ○−:印字ムラが若干あるが、実用上問題とならないレ
ベル。 △:印字ムラがややあり、実用上やや問題となるレベ
ル。 ×:印字ムラが著しく、実用上重大な問題となるレベ
ル。 (印字ニジミ)ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー
の各色インクのベタ印字部を、境界部が互いに接する様
に印字し、境界でのニジミを目視にて評価した。 ○:ニジミは見られず良好なレベル。 ○−:ニジミが若干あるが、実用上問題とならないレベ
ル。 △:ニジミがやや目立ち、実用上やや問題となるレベ
ル。 ×:ニジミが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
【0037】(インクの乾燥性)シアンインクとマゼン
タインクの2色混合のベタ印字部につきインクの乾燥性
を評価した。 ○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。 ×:印字直後に指で触れると汚れる。 (インクジェット記録後の印字濃度) 黒ベタ印字部分の印字濃度をマクベスRD−914で測
定。 (搬送性)A4サイズで50枚の連続印字を行い、紙詰
まりと重送(2枚以上の紙が同時に給紙される現象)の
発生した回数をカウントした。
【0038】〔光沢度〕JIS−P8142に準じて白
紙部の75°光沢を測定した。 〔外観〕光沢感、平滑感を目視により評価 ○:優れる。 ○−:やや劣る。 △:劣る。 ×:光沢が無い。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明は、光沢性に優れ、印字濃度、記
録画質等のインクジェット記録適性に優れ、更にプリン
タ搬送性に優れたインクジェット記録用紙である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に顔料および接着剤を含有する光沢層
    を設けたインクジェット記録用紙において、光沢層中の
    顔料が、1次粒子の平均粒子径が3nm以上40nm以
    下で、2次粒子の平均粒子径が10nm以上400nm
    以下であるシリカ微細粒子を含有し、さらに光沢層中に
    ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有することを特徴
    とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】光沢層が、光沢層用塗工液を塗工し、該塗
    工層が湿潤状態にある間に、あるいは乾燥後再湿潤した
    後に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げて
    なることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
    録用紙。
  3. 【請求項3】ポリテトラフルオロエチレン微粒子の含有
    量が、光沢層の全固形分に対し、1重量%〜20重量%
    である請求項1または2記載のインクジェット記録用
    紙。
JP10247112A 1998-09-01 1998-09-01 インクジェット記録用紙 Pending JP2000071600A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10247112A JP2000071600A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 インクジェット記録用紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10247112A JP2000071600A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 インクジェット記録用紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000071600A true JP2000071600A (ja) 2000-03-07

Family

ID=17158623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10247112A Pending JP2000071600A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 インクジェット記録用紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000071600A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015036408A (ja) * 2013-08-14 2015-02-23 共同印刷株式会社 印字定着層形成用組成物、及び印字定着層付き媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015036408A (ja) * 2013-08-14 2015-02-23 共同印刷株式会社 印字定着層形成用組成物、及び印字定着層付き媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4051838B2 (ja) 被記録体及びその製造方法
US6187430B1 (en) Ink jet recording sheet and process for producing same
JP2002337447A (ja) インクジェット記録用キャスト塗工紙およびその製造方法
JP2001347750A (ja) インクジェット記録用紙
JP2007216686A (ja) インクジェット記録用紙の製造方法
JPH11268405A (ja) インクジェット記録用紙及び製造方法
JP2000247021A (ja) インクジェット記録体
JPH11208103A (ja) インクジェット記録用シート及びその製法
JP2000085242A (ja) インクジェット記録用紙
JP3832064B2 (ja) インクジェット記録シート
JP2000335103A (ja) インクジェット記録用紙
JP4285246B2 (ja) インクジェット記録用紙の製造方法
JP2000071600A (ja) インクジェット記録用紙
JP3711747B2 (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法
JP2007237524A (ja) インクジェット記録紙用基材
JP2000263926A (ja) インクジェット記録用紙
JP3835476B2 (ja) インクジェット記録用紙の製造方法
JP2005022334A (ja) インクジェット記録用シート
JP3832478B2 (ja) インクジェット記録用紙の製造方法
JP2004209684A (ja) インクジェット記録用紙およびその製造方法
JP3832479B2 (ja) インクジェット記録用紙
US20090068442A1 (en) Glossy ink-jet recording sheet
JP3832480B2 (ja) インクジェット記録用紙の製造方法
JP2004322656A5 (ja)
JP2004306616A5 (ja)