JP2000070338A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JP2000070338A
JP2000070338A JP10259382A JP25938298A JP2000070338A JP 2000070338 A JP2000070338 A JP 2000070338A JP 10259382 A JP10259382 A JP 10259382A JP 25938298 A JP25938298 A JP 25938298A JP 2000070338 A JP2000070338 A JP 2000070338A
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container
polypropylene
resin layer
polyethylene
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JP10259382A
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Kazuya Araki
和也 荒木
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 収容した薬液と共に温度120℃以上の高圧
蒸気滅菌処理にも耐えることができる医療用容器を提
供。 【構成】 透明性及び柔軟性を有する樹脂の積層構造壁
からなり、且つ収容した薬液と共に高圧蒸気滅菌処理さ
れる医療用容器において、上記容器壁は、該壁の機械的
強度を賦与する補強樹脂層と、上記補強樹脂層の外側に
該補強樹脂層を加熱から保護する耐熱樹脂層と、上記補
強樹脂層の内側にヒートシール層とを有し、上記補強樹
脂層は、ポリエチレン100重量部にポリプロピレンが
1〜50重量部の範囲で含まれるブレンド樹脂層からな
り、上記耐熱樹脂層はポリプロピレン層からなり、上記
ヒートシール層はポリエチレン100重量部にポリプロ
ピレンが20〜100重量部の範囲で含まれるブレンド
樹脂層からなり、上記ポリエチレンは、密度が0.88
0〜0.935g/cm3の範囲である低密度ポリエチレン
又は線状低密度ポリエチレンであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薬液を収容した医療用容
器に関する。本発明は基本的に柔軟性及び透明性を有し
た樹脂容器であって、特に温度120℃以上の高圧蒸気
滅菌に耐える医療用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用容器はガラス容器から樹脂容器に
代わりつつある。樹脂容器は柔軟な容器であるため、使
用時、エア針等を必要としないため医療用容器に好まし
く、その廃棄処理もガラス容器より簡単であるからであ
る。その容器に用いる樹脂はポリ塩化ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン等である。容器の
廃棄問題の点、及び内容物に悪影響を与えない点で特に
ポリエチレンが頻繁に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】医療用の樹脂容器は一
般にその容器壁が耐熱性、透明性、及び柔軟性(内容液
の滴下性)に優れていることが望ましい。このような樹
脂容器としてはポリエチレン容器がある。従来のポリエ
チレン容器は耐熱性、透明性、及び柔軟性に優れている
ことが知られている。しかし、このような容器に高圧蒸
気滅菌を行う場合、その加熱温度は115℃以下であ
る。それ以上の温度でこのような容器に高圧蒸気滅菌を
行うと、容器が変形したりする。また、容器の内壁同
士、又は外壁同士が互いに接着したりして、壁同士が完
全に離れなくなるブロッキングを生じる場合がある。こ
のため、更に耐熱性のある医療用のポリエチレン容器が
望まれている。最近、高密度ポリエチレンを使用した耐
熱性の容器が提案されている(特開平4−266759
号公報)。このポリエチレン容器はその容器壁が種類の
異なる樹脂の積層構造からなる。その容器壁の外層は低
密度ポリエチレンに5〜40%程度の高密度ポリエチレ
ンが混合された樹脂からなる。そして、高密度ポリエチ
レンによって容器壁の耐熱性が保たれている。本発明の
目的は、温度120℃以上の高圧蒸気滅菌に耐える医療
用容器を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明性及び柔
軟性を有する樹脂の積層構造壁からなり、且つ収容した
薬液と共に高圧蒸気滅菌処理される医療用容器におい
て、上記容器壁は、該壁の機械的強度を賦与する補強樹
脂層と、上記補強樹脂層の外側に該補強樹脂層を加熱か
ら保護する耐熱樹脂層と、上記補強樹脂層の内側にヒー
トシール層とを有し、上記補強樹脂層は、ポリエチレン
100重量部にポリプロピレンが1〜50重量部の範囲
で含まれるブレンド樹脂層からなり、上記耐熱樹脂層は
ポリプロピレン層からなり、上記ヒートシール層はポリ
エチレン100重量部にポリプロピレンが20〜100
重量部の範囲で含まれるブレンド樹脂層からなり、上記
ポリエチレンは、密度が0.880〜0.935g/cm3
の範囲である低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエ
チレンであることを特徴とする医療用容器を提供するも
のである。
【0005】本発明の医療用容器は樹脂容器であり、そ
の樹脂容器はその壁が積層構造からなる。樹脂容器は基
本的に透明性及び柔軟性を有するものである。容器の透
明性は容器内の収容薬液中の沈殿物や微粒子等の不純物
が確認できる程度の透明性を有するものである。容器の
柔軟性は点滴針等を取り付けた排出口等から収容薬液が
自然滴下できる程度に柔軟性を有するものである。上記
樹脂容器はブロー成形、圧空成形、真空成形、射出成形
したもの、或いはフィルム或いはシートを適宜に裁断し
て周縁を熱溶着シールして成形したものである。上記容
器壁を樹脂の積層構造とする場合、ブロー成形、圧空成
形、真空成形、或いは射出成形等のときは各樹脂の共押
出によって形成される。フィルム或いはシートを使用す
るときは、そのフィルム或いはシートを共押出しによっ
て形成するか、各樹脂フィルムを個々に形成した後、こ
れらをラミネートして製造する。
【0006】本発明に係る医療用容器には輸液、透析
液、臓器保存液等の薬液が収容される。薬液は容器に収
容された後、医療用容器と共に高圧蒸気滅菌処理され
る。高圧蒸気滅菌処理は従来と異なり、温度120℃以
上で行うことが望ましい。このような処理温度にあって
は薬液の滅菌が完全且つ迅速に行うことができる。
【0007】上記容器壁は補強樹脂層を有する。上記補
強樹脂層はポリエチレンとポリプロピレンとのブレンド
樹脂層からなる。
【0008】上記ポリエチレンは、その密度が0.88
0〜0.935g/cm3の範囲にある低密度ポリエチレン
である。上記ポリエチレンはラジカル重合によって得ら
れる高圧法低密度ポリエチレン(以下、LDPEとい
う。)、又はイオン重合によって得られる線状低密度ポ
リエチレン(以下、L−LDPEという。)である。上
記ポリエチレンはLDPEとL−LDPEとの混合物で
も良い。上記LDPEは、1000〜3000kg/cm2
高圧下でのラジカル重合によって製造される。ラジカル
重合中に分子内の水素引き抜き反応によって主鎖に比肩
する分岐鎖が生成し、上記LDPEは低密度になる。上
記LDPEの密度は0.910〜0.935g/cm3の範
囲、特に0.922〜0.933g/cm3の範囲にあるこ
とが望ましい。また医療用バックにあっては出来る限り
耐熱性が求められることから、上記LDPEのピカッド
軟化点温度(JIS:K6760法)は、95〜110℃の範囲
にあることが望ましい。上記L−LDPEはイオン重合
によって得られる線状ポリエチレンである。上記イオン
重合はTi系触媒(チーグラー法)、Cr系触媒(フィ
リップ法)、又はZi系触媒(カミンスキー法)が用い
られる。中でも、カミンスキー法によるメタロセン触媒
によって得られる線状ポリエチレンは分子量及び立体規
則性が狭い。このため、加熱処理される容器材料として
は熱変形、ブロッキングが起き難い点で特に望ましい。
重合プロセスは気圧〜100(kg/cm2)の範囲の条件下で、
溶液法、スラリー法、又は気相法が用いられる。上記L
−LDPEはその密度が0.880〜0.935g/cm3
の範囲、特に0.922〜0.934g/cm3の範囲にあ
ることが望ましい。上記L−LDPEはその密度を調製
するため、少量のα−オレフィンが共重合体される。α
−オレフィンを数%共重合させると、L−LDPEの主
鎖に短鎖の分岐が導入され、L−LDPEは低密度化さ
れる。α−オレフィンはプロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1であ
る。上記L−LDPEのピカッド軟化点温度(JIS:K676
0法)は、105〜120℃の範囲にあることが望まし
い。上記L−LDPEは耐熱性、透明性及び柔軟性を十
分に有している。
【0009】上記ポリプロピレンは、チーグラー・ナッ
タ触媒を用いて重合されるポリプロピレンである。上記
ポリプロピレンはメタロセン触媒を用いて重合されるポ
リプロピレンである。上記ポリプロピレンは少量のα−
オレフィンを共重合させた共重合体であっても良い。上
記チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合されるポリプロ
ピレンは、主にアイソタクチックポリプロピレンであ
る。上記メタロセン触媒を用いて重合されるポリプロピ
レンは主にアイソタクチックポリプロピレン及びシンジ
オタクチックポリプロピレンである。上記アイソタクチ
ックは副生成物のアタックチックポリマー等を少量含ん
でも良い。しかし、上記アイソタクチックポリプロピレ
ンはアタックチックポリマーを除去したものが望まし
い。上記メタロセン触媒を用いて重合されるポリプロピ
レンは、その触媒が可溶性で活性点が1種のため、その
分子量や立体規則性の分布が狭い点で望ましい。また上
記シンジオタクチックポリプロピレンはシクロペンタジ
エニル環とフルオレニル環とからなるメタロセン触媒を
用いて重合される。上記シンジオタクチックポリプロピ
レンはアイソタクチックポリプロピレンに較べて軟らか
く、透明性があるため、柔軟な医療用バックに適用する
ことが望ましい。上記プロピレン/α−オレフィン共重
合体は、プロピレン/エチレンランダム共重合体、プロ
ピレン/ブテンランダム共重合体、及びプロピレン/エ
チレン/ブテン共重合体等である。共重合体中のα−オ
レフィンは1〜10重量%、特に3〜7重量%の範囲で
含まれることが望ましい。α−オレフィンはプロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、オクテン−1である。上記α−オレフィンをプロピ
レンに共重合させることによって、そのポリマーに柔軟
性と透明性とを賦与することができる。一般にポリプロ
ピレンに核剤等を添加して透明性を賦与するが、医療用
バックではこのような核剤を使用できない場合があるた
め、上記共重合体とすることは好ましい。上記ポリプロ
ピレンはピカッド軟化点温度(JIS:K6758法)が温度1
40℃以上であることが望ましく、上記温度特性を有す
るポリプロピレンでは、耐熱性を示すことができる。
【0010】上記補強樹脂層のブレンド樹脂は、上記ポ
リエチレン100重量部に上記ポリプロピレンが1〜5
0重量部の範囲、特に5〜30重量部の範囲で含まれる
ことが望ましい。上記ポリプロピレンを上記ポリエチレ
ンに加えることによって、ブレンド樹脂の滅菌時の曇り
がないため、容器壁の透明性が維持される。上記ポリプ
ロピレンのブレンド量が上記範囲内であれば、容器壁の
耐熱性、透明性、及び柔軟性が十分に維持される。上記
ポリプロピレンのブレンド量が上記範囲を下回れば、上
記補強樹脂層は温度120℃以上での滅菌後の透明性を
十分に有することができない。上記ポリプロピレンのブ
レンド量が上記範囲を上回れば透明性及び柔軟性が悪く
なる。上記補強樹脂層の容器壁での厚みは、80〜40
0μmの範囲にある。特にその厚みは120〜250μ
mの範囲にあることが望ましい。上記範囲内の厚みであ
れば、上記容器壁は医療用としての機械的強度が十分に
維持される。上記範囲を下回る厚みであれば、容器壁の
機械的強度が不十分となる。また上記範囲を上回る厚み
であれば、容器壁の柔軟性が悪く、透明性も悪くなる。
【0011】上記耐熱樹脂層の樹脂は上記ポリプロピレ
ンである。上記耐熱樹脂層の厚みは10〜100μmの
範囲にある。特にその厚みは20〜60μmの範囲にあ
ることが望ましい。上記範囲内の厚みであれば、容器の
高圧蒸気滅菌において上記耐熱樹脂層は上記補強樹脂層
の熱変形及び曇り現象を防止する。また容器壁の透明
性、及び柔軟性を損なうことがない。上記ポリプロピレ
ンの厚みが上記範囲を下回れば、上記補強樹脂層が高圧
蒸気滅菌時に熱変形するおそれがある。上記ポリプロピ
レンの厚みが上記範囲を上回れば、上記容器壁の透明性
及び柔軟性に悪影響を与える。また上記ポリプロピレン
はシンジオタクチックポリプロピレンであることが望ま
しい。シンジオタクチックポリプロピレンはメタロセン
触媒によって最近工業的に製造されるものであり、従来
のポリエチレンに較べて透明性に優れている点で医療用
のバックに望ましい。
【0012】上記ヒートシール層はポリエチレン100
重量部にポリプロピレンが20〜100重量部の範囲で
含まれるブレンド樹脂層からなる。上記ヒートシール層
は特にポリエチレン100重量部に対してポリプロピレ
ンが30〜80重量部の範囲で含まれることが望まし
い。上記ヒートシール層のポリエチレン及びポリプロピ
レンは上記補強樹脂層に用いられるものと同様なもので
ある。上記ヒートシール層に上記範囲内の上記ポリプロ
ピレンが含まれていれば、滅菌後の容器壁の透明性を維
持するとともに、容器内壁同士に剥離可能なシール部を
形成することができる。上記ヒートシール層の厚みは1
0〜80μmの範囲、特に20〜50μmの範囲とする
ことが望ましい。上記ヒートシール層の厚みが上記範囲
を下回ると、剥離可能なヒートシール層を十分に形成す
ることができない。またヒートシール層の厚みが上記範
囲を上回ると、周縁等の固着シール層を形成する場合に
ヒート接着性の高い上記補強樹脂層が接着関与しないた
め、容器の成形が困難となる場合がある。
【0013】このように構成される本発明に係る医療用
容器にあっては、上記補強樹脂層のブレンド樹脂が十分
な厚みを有しているため容器壁の強度が十分に確保され
る。また、かかる厚みを有する補強樹脂層であっても、
容器壁の透明性及び柔軟性は十分に維持される。医療用
容器における薬液の状態の観察が十分にでき、また点滴
時等における自然滴下性を容器壁は十分に維持してい
る。上記医療用容器を温度120℃以上で高圧蒸気滅菌
処理した後も、上記補強樹脂層のポリエチレンとポリプ
ロピレンとのブレンド樹脂は、ポリエチレン層の単独に
較べて耐熱性を有するため、上記容器壁に白化現象等の
曇りが生じない。また、最外層に上記ポリプロピレンの
耐熱樹脂層を配したので、高圧蒸気滅菌時に容器の内外
に圧力差が生じても、上記補強樹脂層に破裂或いは腫れ
等の容器壁の形状変形が防止される。そして、耐熱樹脂
層の厚みを極力薄くしているので、容器壁の透明性も十
分に維持される。従って、医療用容器は基本的な透明性
と柔軟性を有することができ、120℃以上の高圧蒸気
滅菌にも十分に耐えることができる。
【0014】更に、最内層に上記ポリエチレンとポリプ
ロピレンとを一定の混合比率にしたブレンド物を一定の
厚みでヒートシール層として設けたので、容器壁同士の
固着シール形成及び剥離可能なシール形成を簡単に行う
ことができる。このため、使用時まで容器内の2成分を
分離して保存し、使用時に剥離可能なシール部を外側か
ら剥離するような医療用容器として提供することが簡単
にできる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の医療用容器に関する実施例を
詳述する。図1は本発明の医療用容器に関する実施例の
平面図である。図2は本発明の医療用容器に関する実施
例のシートの断面図である。図3は本発明の医療用容器
に関する実施例のシートの拡大断面図である。
【0016】図1に示す如く、本実施例に係る医療用容
器10は2室12、14が形成され、各室12、14に
は異なる薬液16、18が収容される。各室12、14
には、充填口兼排出口のポート20、22がそれぞれ取
付られる。図2及び図3に示す如く医療用容器10は2
枚のシート24、26から成形される。各シート24、
26はそれぞれの3枚のフィルムがラミネートされ、積
層構造になっている。シート24、26が容器10壁と
なったとき、外層32は耐熱樹脂層として形成され、中
間層34は補強樹脂層として形成され、また内層36は
ヒートシール層として形成される。
【0017】各シート24、26は互いの周縁部28が
固着シールされる。周縁部28は温度150℃でヒート
シールされる。この熱接着シールの際に、内層36は完
全に溶解し、中間層34はその固着シールに関与する。
各シート24、26の中央部には剥離可能な隔離シール
部30が形成され、隔離シール部30によって医療用容
器10は室12、14に区分される。隔離シール部30
は温度125℃でヒートシールされる。そして、各シー
ト24、26の互いの内層36、36同士が熱接着シー
ルされ、使用時に外側から剥離可能なシール部30とし
て形成される。医療用容器10は薬液16、18を排出
口から充填した後、各室12、14は密封され、医療用
容器10は温度121℃で、30分間高圧蒸気滅菌処理
される。このような医療用容器10はその使用にあって
は、隔離シール部30を剥離した後、各薬液16、18
が無菌的に混合された状態で点滴等がされる。また、保
存時においては、反応し易い薬液16、18同士を隔離
した状態にして置くことができる。
【0018】上記医療用容器の各実施例のシート24、
26を構成する外層32、中間層34、及び内層36の
各樹脂フィルム、及びその厚みは表1に示してある。各
実施例1〜11における表1の各樹脂フィルムは以下の
材料からなる。上記各樹脂フィルムは、G-1〜G-3の外
層、T-1〜T-7の中間層、及びN-1〜N-7の内層であ
る。上記G-1層は、MFR(JIS K6758)が(6.6g/
10min)でアイソタクチックペンタッド分率が0.88
のアイソタクチックポリプロピレンである。上記G-2層
は、MFR(JIS K6758)が(6.8g/10min)でシン
ジオタクチックペンタッド分率が0.87のシンジオタ
クチックポリプロピレンである。上記G-3層は、エチレ
ンを4重量%含むプロピレン−エチレンランダム共重合
体である。
【0019】上記T-1層は、密度が0.922(g/c
m3)であり、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10m
in)である線状ポリエチレン100重量部に上記アイソ
タクチックポリプロピレン5重量部をブレンドするもの
である。上記T−2層は、密度が0.922(g/cm3)で
あり、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10min)で
ある線状ポリエチレン100重量部に上記アイソタクチ
ックポリプロピレン10重量部をブレンドするものであ
る。上記T−3層は、密度が0.922(g/cm3)であ
り、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10min)であ
る線状ポリエチレン100重量部に上記アイソタクチッ
クポリプロピレン25重量部をブレンドするものであ
る。上記T−4層は、密度が0.922(g/cm3)であ
り、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10min)であ
る線状ポリエチレン100重量部に上記シンジオタクチ
ックポリプロピレン25重量部をブレンドするものであ
る。上記T−5層は、密度が0.922(g/cm3)であ
り、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10min)であ
る線状ポリエチレン100重量部に上記プロピレン−エ
チレンランダム共重合体25重量部をブレンドするもの
である。上記T−6層は、密度が0.928(g/cm3)で
あり、そのMFR(JIS K6760)が1.2(g/10min)で
ある低密度ポリエチレン100重量部に上記アイソタク
チックポリプロピレン25重量部をブレンドするもので
ある。上記T−7層は、密度が0.930(g/cm3)であ
り、そのMFR(JIS K6760)が1.4(g/10min)であ
る線状ポリエチレン100重量部に上記プロピレン−エ
チレンランダム共重合体25重量部をブレンドするもの
である。
【0020】上記N-1層は、密度が0.922(g/c
m3)であり、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10m
in)である線状ポリエチレン100重量部に上記アイソ
タクチックポリプロピレン30重量部をブレンドするも
のである。上記N−2層は、密度が0.922(g/cm3
であり、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10min)
である線状ポリエチレン100重量部に上記アイソタク
チックポリプロピレン60重量部をブレンドするもので
ある。上記N−3層は、密度が0.922(g/cm3)であ
り、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10min)であ
る線状ポリエチレン100重量部に上記アイソタクチッ
クポリプロピレン80重量部をブレンドするものであ
る。上記N−4層は、密度が0.922(g/cm3)であ
り、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10min)であ
る線状ポリエチレン100重量部に上記シンジオタクチ
ックポリプロピレン30重量部をブレンドするものであ
る。上記N−5層は、密度が0.922(g/cm3)であ
り、そのMFR(JIS K6760)が1.0(g/10min)であ
る線状ポリエチレン100重量部に上記プロピレン−エ
チレンランダム共重合体30重量部をブレンドするもの
である。上記N−6層は、密度が0.928(g/cm3)で
あり、そのMFR(JIS K6760)が1.2(g/10min)で
ある低密度ポリエチレン100重量部に上記アイソタク
チックポリプロピレン30重量部をブレンドするもので
ある。上記N−7層は、密度が0.930(g/cm3)であ
り、そのMFR(JIS K6760)が1.4(g/10min)であ
る線状ポリエチレン100重量部に上記プロピレン−エ
チレンランダム共重合体30重量部をブレンドするもの
である。
【0021】各シートから医療用容器10を作製し、そ
の耐熱変形性、透明性、自然滴下性及びシール性を測定
した。耐熱性は、以下の事項を測定した。容器内壁にブ
ロッキングなどが生じるか否かである。また容器壁に白
濁又は斑点が生じるか否かである。更に容器壁にしわな
どの変形が生じるか否かである。これらの事項の全てが
良好なものを耐熱性が良好であるとした。少なくとも1
つの事項に不良を生じているものを耐熱性がないとし
た。透明性は以下の方法によって測定した。滅菌後の容
器からその厚さが均一な壁の部分を採り、この部分から
測定用サンプルを作製する。各サンプルは0.9×4c
mの大きさに切断したものを5個作製する。紫外線吸収
スペクトル測定用セルに水を満たし、セル内の水に各サ
ンプルを浸す。対照は水だけを満たしたセルである。光
透過測定法により波長450nmにおける各セルの透過率
を測定する。容器壁の透過率が55%未満のものを不可
とする。自然滴下性は以下の方法によって測定した。医
療用容器の排出口に点滴針を連結し、点滴針の位置から
1.5m下に静脈針を配する。この静脈針から滴下する
液量を単位時間毎に測定する。 ○:時間1分当たりの滴下量の各区分毎のばらつきは8
0%以内である。 ×:時間1分当たりの滴下量の各区分毎のばらつきが8
0%を下回るものである。 隔離シール部30の剥離性は医療用容器10の室12を
0.2kg/cm2まで加圧するように外側を手で押圧した時
に、剥離可能シール部が十分に剥離するか否かで調べ
る。周縁部28の固着シール性は、容器10内を2kg/c
m2まで加圧したときのピンホール等を調べ、ピンホール
のないものを漏れのない合格品とする。以上の評価の結
果を表2に示した。
【0022】
【表2】
【0023】上記表2に示すように、実施例1〜11の
測定結果は良好であった。特に実施例4の透明性が優れ
ていた。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器では、透明性及び柔軟性を有する樹脂の積層構造壁
からなり、且つ収容した薬液と共に高圧蒸気滅菌処理さ
れる医療用容器において、上記容器壁は、該壁の機械的
強度を賦与する補強樹脂層と、上記補強樹脂層の外側に
該補強樹脂層を加熱から保護する耐熱樹脂層と、上記補
強樹脂層の内側にヒートシール層とを有し、上記補強樹
脂層は、ポリエチレン100重量部にポリプロピレンが
1〜50重量部の範囲で含まれるブレンド樹脂層からな
り、上記耐熱樹脂層はポリプロピレン層からなり、上記
ヒートシール層はポリエチレン100重量部にポリプロ
ピレンが20〜100重量部の範囲で含まれるブレンド
樹脂層からなり、上記ポリエチレンは、密度が0.88
0〜0.935g/cm3の範囲である低密度ポリエチレン
又は線状低密度ポリエチレンであるので、温度120℃
以上の高圧蒸気滅菌に耐える医療用容器を提供するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の医療用容器に関する実施例の平
面図である。
【図2】図2は本発明の医療用容器に関する実施例のシ
ートの断面図である。
【図3】図3は本発明の医療用容器に関する実施例のシ
ートの拡大断面図である。
【符号の説明】
10 医療用容器 12、14 室 16、18 薬液 20、22 排出口 24、26 シート 28 周縁部 30 隔離シール部 32 外層 34 中間層 36 内層
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明性及び柔軟性を有する樹脂の積層構造
    壁からなり、且つ収容した薬液と共に高圧蒸気滅菌処理
    される医療用容器において、 上記容器壁は、該壁の機械的強度を賦与する補強樹脂層
    と、上記補強樹脂層の外側に該補強樹脂層を加熱から保
    護する耐熱樹脂層と、上記補強樹脂層の内側にヒートシ
    ール層とを有し、 上記補強樹脂層は、ポリエチレン100重量部にポリプ
    ロピレンが1〜50重量部の範囲で含まれるブレンド樹
    脂層からなり、上記耐熱樹脂層はポリプロピレン層から
    なり、上記ヒートシール層はポリエチレン100重量部
    にポリプロピレンが20〜100重量部の範囲で含まれ
    るブレンド樹脂層からなり、上記ポリエチレンは、密度
    が0.880〜0.935g/cm3の範囲である低密度ポ
    リエチレン又は線状低密度ポリエチレンであることを特
    徴とする医療用容器。
  2. 【請求項2】上記容器壁の内壁同士に剥離可能なヒート
    シール部分が形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の容器。
  3. 【請求項3】上記補強樹脂層の厚みは80〜400μm
    の範囲にあり、上記耐熱樹脂層の厚みは10〜100μ
    mの範囲にあり、上記ヒートシール層の厚みは10〜8
    0μmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記
    載の容器。
  4. 【請求項4】上記ポリプロピレンがシンジオタクチック
    ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1又は2
    記載の容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003528194A (ja) * 2000-03-16 2003-09-24 バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド 単層フィルム及び多層フィルム作製用の、加圧蒸気滅菌可能で非粘着性のヒートシール可能なポリマーブレンド
JP2008247481A (ja) * 2000-03-16 2008-10-16 Baxter Internatl Inc 新規な非pvc材料の多層フィルム

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