JP2000005276A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JP2000005276A
JP2000005276A JP10189843A JP18984398A JP2000005276A JP 2000005276 A JP2000005276 A JP 2000005276A JP 10189843 A JP10189843 A JP 10189843A JP 18984398 A JP18984398 A JP 18984398A JP 2000005276 A JP2000005276 A JP 2000005276A
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polypropylene
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syndiotactic
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Hiroshi Motobayashi
博志 本林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度120℃以上の高圧蒸気滅菌処理をして
も容器壁に透明性及び柔軟性が失われず、また使用に際
して剥離可能な熱接着シール部の機能も維持され、且つ
内容液の自然滴下性も良好である医療用容器を提供。 【構成】 樹脂容器の熱接着部分に剥離可能なシール部
を有し、該シール部によって容器内を二室以上に隔離し
ている医療用容器において、上記容器壁はベース層と最
内層からなり、上記最内層は、シンジオタクチックペン
ダット分率が0.7以上で、結晶融点Tmが128℃〜
140℃の範囲にあるシンジオタクチックポリプロピレ
ン(A)又は結晶融点Tmが121℃〜140℃で、エ
チレン含量が1〜9重量%のプロピレン−エチレン系ラ
ンダム共重合体(B)とアイソタクチックペンダット分
率が0.96以下で、結晶融点Tmが140℃〜160
℃のポリプロピレン(C)とを50:50〜90:10
の重量比で混合した樹脂組成物からなり、上記最内層の
厚みL1が10〜250μmであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器に関するも
のであり、より詳細には、樹脂容器であること、容器の
一部に剥離可能な熱接着シール部を有して内容物が区分
されて収容されたものであること、容器が高温で蒸気滅
菌処理されていることを特徴とする医療用容器であり、
極めて耐熱性、透明性、柔軟性に優れた容器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】医療用容器はガラス容器から樹脂容器に
変わりつつある。樹脂容器は柔軟な非定形性容器である
ため、使用時、エア針等を必要としないため医療用容器
に好ましく、その廃棄処理もガラス容器より簡単である
からである。医療用容器に用いる樹脂はポリ塩化ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル、ポリエチレン等である。し
かし、容器の廃棄問題の点、及び内容物に悪影響を与え
ない点でポリエチレン系樹脂が最近頻用されている。ま
た、医療用容器には剥離可能な熱接着シール部が設けら
れる場合がある。かかる熱接着シール部を形成する理由
は容器を二室以上に区分し、保存に際して反応し易い内
容物を別々の容器室に収容することを目的とするもので
ある。そして、使用に際しては外部からその剥離可能な
熱接着シール部を剥離し、室と室とを連通して内容物同
士を混合した後、点滴等に使用しうるものである。区分
される内容物は液−液の場合の他に液−粉末の場合があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】樹脂製の医療用容器に
は一般に耐熱性、透明性、容器壁の柔軟性(内容液の滴
下性)等が優れていることが望まれる。従来の樹脂容器
であるポリエチレン製容器は耐熱性、透明性、及び柔軟
性に優れていることが知られている。しかし、かかるポ
リエチレン容器を高圧蒸気滅菌処理する場合、その温度
は精々で115℃までである。それ以上の温度で容器を
高圧蒸気滅菌するれば、変形或いは互いの内壁同士が接
着し、完全に離れなくなる。特に、剥離可能な熱接着シ
ール部が形成さる医療用容器にあっては、その接着シー
ル部が完全に固着して使用時に剥離しない不都合が生じ
る場合がある。このため、ポリエチレン容器よりも更に
耐熱性のある医療用容器が望まれており、最近、ポリエ
チレンに加えてポリプロピレンを主体とした更に耐熱性
のある医療用容器が提案されている(特開平6−343
691号公報)。しかし、ポリプロピレンを主体とする
容器にあっては透明性、柔軟性が悪くなるというおそれ
がある。本発明は、温度120℃以上の高圧蒸気滅菌処
理をしても容器壁に透明性及び柔軟性が失われず、また
使用に際して剥離可能な熱接着シール部の機能も維持さ
れ、且つ内容液の自然滴下性も良好である医療用容器を
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂容器の熱
接着部分に剥離可能なシール部を有し、該シール部によ
って容器内を二室以上に隔離している医療用容器におい
て、上記容器壁はベース層と最内層からなり、上記最内
層は、シンジオタクチックペンダット分率が0.7以上
で、結晶融点Tmが128℃〜140℃の範囲にあるシ
ンジオタクチックポリプロピレン(A)又は結晶融点T
mが121℃〜140℃で、エチレン含量が1〜9重量
%のプロピレン−エチレン系ランダム共重合体(B)と
アイソタクチックペンダット分率が0.96以下で、結
晶融点Tmが140℃〜160℃のポリプロピレン
(C)とを50:50〜90:10の重量比で混合した
樹脂組成物からなり、上記最内層の厚みL1が10〜2
50μmであることを特徴とする医療用容器を提供する
ものである。
【0005】樹脂容器はブロー成形物或いはシート加工
成形物である。ブロー成形物の場合、そのブロー口が内
容物の充填或いは排出するための口部となる。医療用容
器にあっては、その口部は通常ゴム栓体で密封され、使
用時にゴム栓体に点滴針等が刺通される。シート加工成
形物の場合、インフレーションシートのとき、裁断した
シートの端部の開口を熱接着により密封すれば容器を成
形すことができる。この際、重なったシート間に口部ポ
ート等を挿入して取付け、これを内容物の充填口或いは
排出口とする。また二枚のシートを重ねて形成すると
き、シートの四方を熱接着すれば容器を成形することが
できる。樹脂容器にはその対向する互いの内壁同士を熱
接着した剥離可能なシール部が形成され、シール部は通
常互いに反応しやすい内容物を別々に容器内に収容する
ための複数の隔離室の隔離用のシール部として形成され
る。
【0006】上記容器の熱接着部はヒートシール、イン
パルスシール等の外部加熱による接着、又は超音波接
合、高周波接合等の内部加熱による接着等を挙げること
ができる。上記容器の剥離可能な熱接着シール部は通常
ピールシール部或いは弱シール部とも称され、外部から
容器を圧迫し、内部を一定の昇圧状態にしたときに剥離
することができるシール部、或いは容器外壁のそれぞれ
を把持して引っ張ったときに剥離することのできるシー
ル等である。上記ピールシール部の180度の剥離強度
は、0.2〜1.0Kg/15mm、特に、0.3〜0.8
Kg/15mmの範囲にあることが望ましく、容器或いは室
内の圧が0.01〜1.0Kgf/cm2、特に、0.
05〜0.5Kgf/cm2の圧迫昇圧で剥離する強度
が望ましい。上記範囲を下回る強度であれば、製造、運
搬、保存時等の隔離状態を保つための安全性に欠ける。
上記範囲を上回る強度であれば、用時に連通操作を容易
にすることができなくなるおそれがある。
【0007】上記容器壁は少なくとも二層以上の積層構
造からなり、容器壁の主体となるベース層の他に最内層
が形成される。上記最内層はシンジオタクチックペンダ
ット分率が0.7以上で、結晶融点Tmが128℃〜1
40℃の範囲にあるシンジオタクチックポリプロピレン
(A)又は結晶融点Tmが121℃〜140℃で、エチ
レン含量が1〜9重量%のプロピレン−エチレン系ラン
ダム共重合体(B)とアイソタクチックペンダット分率
が0.96以下で、結晶融点Tmが140℃〜160℃
のポリプロピレン(C)とを50:50〜90:10の
重量比で混合した樹脂組成物からなり、上記最内層の厚
みL1が10〜250μmである。
【0008】上記シンジオタクチックポリプロピレン
(A)はシンジオタクチックペンタッド分率が0.7以
上のものである。かかるシンジオタクチックポリプロピ
レン(A)はジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)フルオレニルジルコニウムジクロライド、イソプロ
ピリデンシクロペンタジエニル2、7ジt−ブチルフル
オレニルジルコニウムジクロライド、及びメチルアミノ
キサンからなる触媒を用いて得られる。水素の存在下プ
ロピレンの塊状重合法により得られる。シンジオタクチ
ックペンタッド分率が0.7を下回ると、透明性及び柔
軟性が悪くなり、これを容器壁の一部とすると、容器壁
の透明性及び内容液の滴下性を損なうおそれがある。上
記ポリプロピレン(A)は示差走査熱量分析で測定した
結晶融点Tmが128℃〜140℃の範囲にある。上記
ポリプロピレン(A)の結晶融点Tmが上記範囲を下回
ると、温度121℃の高圧蒸気滅菌処理に容器の熱変形
が多くなり、容器壁同士が接着するブロッキングを生じ
たり、剥離可能なシール部の接着強度が変わり、剥離で
きなくなるおそれがある。上記ポリプロピレン(A)の
結晶融点Tmが上記範囲を上回ると、シンジオタクチッ
クペンダット分率が悪くなり、容器壁の透明性に影響を
与えるおそれがある。
【0009】プロピレン−エチレン系ランダム共重合体
(B)は、プロピレンとエチレンとの二元系のランダム
共重合体、又はプロピレンとエチレンとその他のα−オ
レフィンとの多元系の共重合体である。α−オレフィン
はブテン−1又はヘキセン−1等の炭素数2以上のα−
オレフィンである。上記プロピレン−エチレン系ランダ
ム共重合体(A)はチグラー・ナッタ系触媒、メタロセ
ン触媒或いは公知の還元型乃至担持型の高活性触媒で、
温度条件を低めに溶液重合或いは気相重合することによ
りランダム共重合体を得ることができる。尚、ブロック
重合体では透明性が極端に悪くなるため好ましくない。
上記プロピレン−エチレン系共重合体(B)はエチレン
含量が1〜9重量%、特に4〜8重量%の範囲で含まれ
ることが望ましい。上記範囲を下回るエチレン量では、
内層又は容器壁の柔軟性が失われ、熱接着時の加工性や
容器壁の滴下性等が悪くなるおそれがある。上記範囲を
上回るエチレン量では、柔軟性が出るものの、透明性及
び耐熱性が悪くなる。
【0010】上記ポリプロピレン(C)はアイソタクチ
ックペンダット分率が0.96以下で、結晶融点Tmが
140℃〜160℃のポリプロピレンである。上記ポリ
プロピレン(C)のアイソタクチックペンダット分率が
上記範囲を上回れば、結晶融点Tmが160℃を上回る
ものが多く、容器壁の透明性、柔軟性を悪くする。結晶
融点Tmが上記範囲を下回るものは容器壁での剥離可能
なシール部を形成することが難しくなる。結晶融点Tm
が上記範囲を上回るものは容器壁の透明性及び柔軟性に
悪影響を与える。
【0011】本発明に係る容器壁の最内層はシンジオタ
クチックポリプロピレン(A)又はプロピレン−エチレ
ン系ランダム共重合体(B)とポリプロピレン(C)と
のブレンド物であり、その混合比率は50:50乃至9
0:10、特に60:30乃至80:20である。上記
シンジオタクチックポリプロピレン(A)とプロピレン
−エチレン系ランダム共重合体(B)とはそれぞれ単独
で使用しても良く、また両者を一緒に使用しても良い。
両者を一緒に使用した場合には上記混合比率は、両者の
合算量とポリプロピレン(C)量との比率となる。上記
混合比率の上記ポリプロピレン(C)が上記範囲を下回
れば、剥離可能なシール部の熱溶着形成が十分にできな
くなる。上記混合比率の上記ポリプロピレン(C)が上
記範囲を上回れば、容器壁の透明性が悪くなり、滴下性
も悪くなる。
【0012】上記最内層の厚みL1は10〜250μ
m、特に20〜150μmであることが望ましい。最内
層の厚みL1が上記範囲を下回ると、製造上、技術的困
難を伴うので歩留まりが悪くなり好ましくない。最内層
の厚みL1が上記範囲を上回れば容器壁の透明性が低下
し、容器壁の柔軟性が悪くなり内容物の自然滴下性が低
下する。
【0013】本発明に係る医療用容器にあっては、上記
最内層を有することにより、剥離可能な熱接着シール部
を製造上簡単に形成することができると共に、温度12
1℃以上の高圧蒸気滅菌処理を行った場合でも剥離可能
なシール部が剥離不能な固着シールとなることがない。
また高圧蒸気滅菌中でも、医療用容器は容器壁の変形や
容器壁同士のブロッキングがない。また滅菌後に容器壁
に白化現象等を生じることもない。
【0014】本発明に係る請求項2記載の医療用容器は
請求項1記載の容器において、上記容器壁のベース層が
シンジオタクチックポリプロピレン(A)又は、結晶融
点Tmが121℃〜140℃で、エチレン含量が1〜9
重量%のプロピレン−エチレン系ランダム共重合体
(B)からなる。上記シンジオタクチックポリプロピレ
ン(A)又はポリプロピレン−エチレン系ランダム共重
合体(B)は最内層に使用されるものと同様なものであ
る。かかる樹脂は透明性、柔軟性、耐熱性を適度に有
し、ベース層として望ましい。また最内層との接着性も
十分にあり、積層部での剥離等を生じない。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の好ましい実
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は実施例
に係る医療用容器の平面図である。図2は図1の実施例
に係る医療用容器のI−I線に沿った容器壁の断面図で
ある。
【0016】本実施例に係る医療用容器1は図1及び図
2に示す如く、樹脂容器であり、熱接着部分に剥離可能
なシール部2を有し、シール部2によって容器1内を二
室3、4に隔離している医療用容器である。上記容器壁
1Aはベース層10と最内層11からなり、最内層11
は、シンジオタクチックペンダット分率が0.7以上
で、結晶融点Tmが128℃〜140℃の範囲にあるシ
ンジオタクチックポリプロピレン(A)又は結晶融点T
mが121℃〜140℃で、エチレン含量が1〜9重量
%のプロピレン−エチレン系共重合体(B)とアイソタ
クチックペンダット分率が0.96以下で、結晶融点T
mが140℃〜160℃のポリプロピレン(C)とを5
0:50〜90:10の重量比で混合した樹脂組成物か
らなり、上記最内層11の厚みL1が10〜250μm
の範囲である。上記容器壁1Aのベース層10が結晶融
点Tmが121℃〜140℃で、エチレン含量が1〜9
重量%のプロピレン−エチレン系ランダム共重合体
(B)からなる
【0017】本実施例に係る医療用容器1を更に詳しく
説明すると、ダイレクトブロー成形により容器が成形さ
れ、図1に示す如くブロー口が排出口6となる。排出口
6は点滴の際の点滴針の取付口となる。容器1の中央の
横断方向に剥離可能なシール部2が形成され、シール部
2により容器1は室3と室4とに隔離されている。尚、
シール部2の両端は剥離不能な固着シール部5、5が形
成されている。シール部2のシール条件は圧力4kg/
cm2で、5秒、温度140℃であり、固着シール部5
のシール条件は圧力4kg/cm2で、5秒、温度16
0℃である。室3にはアミノ酸成分を含む溶液8が50
0ml収容され、室4には糖成分を含む溶液9が500
ml収容され、両者は使用時まで混ざらないように収容
されている。このため、高圧蒸気滅菌処理時にメイラー
ド反応により各溶液8、9が変色、変質しないようにな
っている。図2に示す如く容器壁1Aは容器内壁となる
最内層11と容器壁1Aの大半を占めるベース層10と
からなる。上記シール部2における最内層11の厚みL
1は60μmであり、ベース層10の厚みは200μm
である。
【0018】上記容器壁1Aの最内層11はシンジオタ
クチックポリプロピレン(A)とポリプロピレン(C)
とを70:30の割合で混合した樹脂層からなる。シン
ジオタクチックポリプロピレン(A)は、温度230℃
のMFIが1.2g/10minであり、示差走査熱量分析
で測定した結晶融点Tmが130℃であり、NMRで測
定したシンジオタクチックペンダット分率が0.85で
ある(SPPという。)。ポリプロピレン(C)は温度
230℃のMFIが1.4g/10minであり、示差走査
熱量分析で測定した結晶融点Tmが150℃であり、N
MRで測定したアイソタクチックペンダット分率が0.
90である(PP1という。)。上記容器壁1Aのベー
ス層はプロピレン−エチレン系ランダム共重合体(B)
からなり、共重合体(B)は、エチレン含量5重量%、
ブテン−1含量4.5重量%のプロピレンランダム共重
合体であり、温度230℃のMFIが2.2g/10min
であり、示差走査熱量分析で測定した結晶融点Tmが1
25℃である。
【0019】このように構成した医療用容器1を実施例
1として、(1)剥離可能なシール部の機能、(2)容
器の透明性、(3)耐熱変形性、及び(4)自然滴下性
を調べた。その結果を表1に示した。尚、(1)〜
(4)の測定は以下の方法によるものである。 (1)剥離可能なシール部の機能 容器の剥離可能なシール部分を幅15mmを切り取り、25
0mm/分の速度で180度剥離強度を測定した。 (2)容器の透明性 JISK6714に規定する450nmの波長の可視光の入射量と全
光線透過量との比である透過量を示した。 (3)耐熱変形性 温度121℃、20分の高圧蒸気滅菌処理後の容器の外
観変形及びブロッキングの有無を目視で調べ、変形等の
ないもを○とし、変形等が見られたものを×とした。 (4)自然滴下性 蒸留水を充填した容器を温度121℃、20分で高圧蒸
気滅菌した後、剥離可能なシール部を開放し、排出口に
点滴用針を刺通し、点滴用針の位置から50cm下の位
置の静脈針から滴下する液量を時間とともに評価した。 ○:時間5分当たりの滴下量の各区分毎のばらつきは8
0%以内である。 ×:時間5分当たりの滴下量の各区分毎のばらつきが8
0%を下回るものである。
【0020】医療用容器の実施例2〜4及び比較例1及
び比較例2は、実施例1における最内層のシンジオタク
チックプロピレン(A)とポリプロピレン(C)との配
合率を変えたものであり、その配合率及びそのときの容
器の性能を表1に示した。また、実施例5〜7及び比較
例3は、最内層を結晶融点Tmが125℃、エチレンの
含量が5重量%でブテンー1の含量が4.5重量%であ
るプロピレン−エチレンランダム多元共重合体(B)と
ポリプロピレン(C)との混合物とし、ベース層を結晶
融点Tm131℃でエチレンの含量が6.7重量%のプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体(B)として、最
内層の厚み及びベース層の厚みを変えた以外は実施例1
と同じであり、その条件及びそのときの容器の性能を表
1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】比較例1において、剥離可能なシール部は
剥離強度が高圧蒸気滅菌中に高まり、剥離が困難であっ
た。また、比較例2及び3の容器は透明性が他の実施例
のものより劣り、自然滴下性が十分でなかった。尚、上
記実施例では最内層とベース層のみの二層の樹脂容器を
用いた。しかし、本発明に係る最内層を有し、その作用
効果を発揮する限り、最内層及びベース層の他に接着層
や保護層等の外層を余分に設けることもできる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器では、上記容器壁はベース層と最内層からなり、上
記最内層は、シンジオタクチックペンダット分率が0.
7以上で、結晶融点Tmが128℃〜140℃の範囲に
あるシンジオタクチックポリプロピレン(A)又は結晶
融点Tmが121℃〜140℃で、エチレン含量が1〜
9重量%のプロピレン−エチレン系ランダム共重合体
(B)とアイソタクチックペンダット分率が0.96以
下で、結晶融点Tmが140℃〜160℃のポリプロピ
レン(C)とを50:50〜90:10の重量比で混合
した樹脂組成物からなり、上記最内層の厚みL1が10
〜250μmであるので、温度120℃以上の高圧蒸気
滅菌処理をしても容器壁に透明性及び柔軟性が失われ
ず、また使用に際して剥離可能な熱接着シール部の機能
も維持され、且つ内容液の自然滴下性も良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第一実施例に係る医療用容器の平面図で
ある。
【図2】図2は図1の第一実施例に係る医療用容器のI
−I線に沿った容器壁の断面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器 2 剥離可能なシール部 3、4 容器室 10 ベース層 11 最内層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂容器の熱接着部分に剥離可能なシール
    部を有し、該シール部によって容器内を二室以上に隔離
    している医療用容器において、上記容器壁はベース層と
    最内層からなり、上記最内層は、シンジオタクチックペ
    ンダット分率が0.7以上で、結晶融点Tmが128℃
    〜140℃の範囲にあるシンジオタクチックポリプロピ
    レン(A)又は結晶融点Tmが121℃〜140℃で、
    エチレン含量が1〜9重量%のプロピレン−エチレン系
    ランダム共重合体(B)とアイソタクチックペンダット
    分率が0.96以下で、結晶融点Tmが140℃〜16
    0℃のポリプロピレン(C)とを50:50〜90:1
    0の重量比で混合した樹脂組成物からなり、上記最内層
    の厚みL1が10〜250μmであることを特徴とする
    医療用容器。
  2. 【請求項2】上記容器壁のベース層がシンジオタクチッ
    クポリプロピレン(A)又は、結晶融点Tmが121℃
    〜140℃で、エチレン含量が1〜9重量%のプロピレ
    ン−エチレン系ランダム共重合体(B)からなることを
    特徴とする請求項2記載の医療用容器。
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