JPH0717041B2 - 易開封性の未延伸密封包装体 - Google Patents

易開封性の未延伸密封包装体

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JPH0717041B2
JPH0717041B2 JP60087478A JP8747885A JPH0717041B2 JP H0717041 B2 JPH0717041 B2 JP H0717041B2 JP 60087478 A JP60087478 A JP 60087478A JP 8747885 A JP8747885 A JP 8747885A JP H0717041 B2 JPH0717041 B2 JP H0717041B2
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正浩 杉
研一 冨成
貴 中川
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三井石油化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は易開封性を有するポリプロピレンを主成分とし
た密封包装体に関する。更に詳しくはポリプロピレン容
器等のシール材として好適なヒートシール強度のヒート
シール温度依存性が少なく、耐熱性に優れた易開封性を
有するポリプロピレンと低結晶性のエチレン・α−オレ
フインランダム共重合体とからなるヒートシール部を有
する密封包装体に関する。
〔従来の技術〕
包装材料に要求される重要な性質の1つとして、保護性
すなわち製造及び荷役、輸送、保管などの流通過程にお
ける衝撃、振動、圧縮などの外力から包装中の内容物を
保護する性能(密閉保護性)と、便利性すなわち使用時
には材料を破壊することなく容易に内容物が取り出せる
性能(易開封性)とがあるが、この2つの性能は相反す
るため、ヒートシール強度の設計には、充填適性、流通
過程などを充分考慮する必要がある。かかる易開封性を
具備した包装材料として、包装材の非封着部と封着部と
を例えばポリイソブチレンとエチレン/ブテン共重合体
とのブレンドからなる薄膜とポリプロピレン薄膜とで構
成すること、エチレン/ブテン共重合体とポリイソブチ
レンと低密度ポリエチレンとのブレンドからなる薄膜と
ポリプロピレンの薄膜とで構成すること等、特定の構成
要件からなることを特徴としたたわみ性包装(特公昭46
−35513号公報)、あるいはポリプロピレンを主成分と
する材料同志が封着されて成る封着界面を有し、該封着
界面を構成する材料の少なくとも一方にエチレン−プロ
ピレン系合成ゴムを10〜30重量%配合したポリプロピレ
ン組成物とすることを特徴とした剥離容易な密封包装容
器(特公昭47−35876号公報)が提案されている。
一方、ポリプロピレンは光沢、透明性が良好でまた優れ
た防湿性と適度な腰の強さ、煮沸に耐える耐熱性などの
特性を有しているため、軽包装分野を初め、食品、繊
維、産業資材、化学薬品等のあらゆる分野の包装用フイ
ルム、容器として用いられている。
ところでかかるポリプロピレンのフイルムあるいは容器
の蓋材(シール材)として前記公告公報に提案されてい
る手段を適用しても、例えば前者の方法では、ポリプロ
ピレンとの易開封性を有する組成物として提案されてい
るポリイソブチレンとエチレン/ブテン共重合体とのブ
レンドあるいは更に低密度ポリエチレンを加えたブレン
ドは、その構成成分がいずれもポリプロピレンに比べて
低融点であるため、耐熱性、とくに耐煮沸性に劣り、し
かもヒートシール強度のヒートシール温度依存性が大き
いので、ヒートシール強度(剥離強度)の調節が困難で
ある。一方、後者の方法ではポリプロピレンに添加する
エチレン・プロピレン系合成ゴムの量が混合物当たり10
〜30重量%の量であるためか、低温ヒートシール性に劣
ること、又、該公報に具体的に記載されているエチレン
・プロピレン系合成ゴムはエチレン含有量が50〜60モル
%であるため、混合物の耐熱性低下が大きいこと、及び
30重量%以上の混合比では実用的強度を有するシール性
が得られないという欠点を有しており、いずれの方法も
ポリプロピレン本来の特徴である耐熱性を活かしきれな
いのが現状であつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
かかる状況に鑑み、本発明者は、ポリプロピレン本来の
特徴である耐熱性を損うことなく、且つヒートシール強
度のヒートシール温度依存性の少ない易開封性に優れた
ポリプロピレン包装容器を得るべく検討した結果、ポリ
プロピレン系ヒートシール面の一方の面を構成する材料
としてポリプロピレンにエチレン含有量が75〜95モル%
のエチレン・α−オレフインランダム共重合体を20〜60
重量%添加した組成物を用い、ポリプロピレン系ヒート
シール面の他方の面を構成する材料として (i)プロピレン単独重合体または (ii)プロピレンと、プロピレン以外の特定のα−オレ
フィンとのランダム共重合体であって、プロピレンを特
定量で含む結晶性プロピレン系重合体から形成されてい
るものを用いることにより、上記目的が達成できること
が分かり、本発明を完成するに至つた。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、ポリプロピレンを主成分とする相対
するヒートシール面を有し、一方のヒートシール面を構
成する材料が、ポリプロピレン(A)40ないし80重量%
とエチレン含有量が75ないし95モル%のエチレン・α−
オレフィンランダム共重合体(B)20ないし60重量%と
の組成物から形成されており、 他方のヒートシール面を構成する材料が、 (i)プロピレン単独重合体または (ii)プロピレンと、プロピレン以外の炭素数2ないし
20のα−オレフィンとのランダム共重合体であって、プ
ロピレンを90モル%以上の量で含む結晶性プロピレン系
重合体から形成されていることを特徴とする易開封性の
未延伸密封包装体を提供するものである。
〔作用〕
本発明の密封包装体に用いるポリプロピレン(A)はプ
ロピレンの単独重合体もしくはプロピレンと他のα−オ
レフイン、例えばエチレン、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数
2ないし20のα−オレフインとのランダム共重合体で通
常プロピレンを90モル%以上、好ましくは95モル%以上
含むプロピレンを主体とした重合体で結晶性のものであ
る。ポリプロピレン(A)のメルトフローレート(MFR
(L):ASTMD1238,L)は通常0.5ないし50g/10min、好ま
しくは1ないし15g/10minの範囲である。MFR(L)が上
記範囲外のものはいずれにしても成形性に劣る傾向にあ
る。
本発明に用いるエチレン・α−オレフインランダム共重
合体(B)はエチレン含有量が75ないし95モル%、好ま
しくは78ないし93モル%のエチレンとα−オレフインと
のランダム共重合体であり、通常X線による結晶化度が
40%以下、好ましくは1ないし30%の低結晶性のポリオ
レフインである。
エチレン含有量が75モル%未満のものは、ポリプロピレ
ンに添加すると少量では、ヒートシールの温度依存性が
大きく、改良効果がない。また多量に添加するとヒート
シール強度が低くなり過ぎて実用的でない。一方95モル
%を越えるものは、結晶性が高い為に、添加量にかかわ
らずヒートシール強度の温度依存性の改良効果が少な
く、易開封性に劣る。
エチレン・α−オレフインランダム共重合体(B)にお
いて、エチレンと共重合されるα−オレフインは通常炭
素数が3ないし20のα−オレフインであり、具体的に
は、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等
が挙げられる。これらの中では炭素数4ないし10のα−
オレフインとの共重合体を前記ポリプロピレン(A)に
添加したものが、ヒートシール強度のヒートシール温度
依存性が最も少ないので好ましい。
本発明に用いるエチレン・α−オレフインランダム共重
合体(B)は通常はメルトフローレート(MFR(E):AS
TM D1238,E)が0.4ないし50g/10min、好ましくは1ない
し10g/10minの範囲のものである。
本発明に用いる前記ポリプロピレン(A)及びエチレン
・α−オレフインランダム共重合体(B)には、耐熱安
定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、抗ブロツキン
グ剤、スリツプ剤、滑剤、顔料、染料、流滴剤、核剤等
の通常ポリオレフインに添加して使用される各種配合剤
を本発明の目的を損わない範囲で添加してもよい。
本発明の密封包装体は、ポリプロピレンを主成分とする
相対するヒートシール面を有し、一方のヒートシール面
を構成する材料が前記ポリプロピレン(A)40ないし80
重量%、好ましくは50ないし65重量%及び前記エチレン
・α−オレフインランダム共重合体(B)20ないし60重
量%、好ましくは35ないし50重量%との組成物から形成
されてなり、 他方のヒートシール面を構成する材料が、 (i)プロピレン単独重合体または (ii)プロピレンと、プロピレン以外の炭素数2ないし
20のα−オレフィンとのランダム共重合体であって、プ
ロピレンを90モル%以上の量で含む結晶性プロピレン系
重合体から形成されてなる通常ヒートシール強度が300
ないし2000g/15mm、好ましくは600ないし1500g/15mmの
範囲にある易開封性に優れた包装体である。
前記組成物において、エチレン・α−オレフインランダ
ム共重合体(B)の量が20重量%未満のものは、ヒート
シール強度のヒートシール温度依存性が大きく、ヒート
シール強度を剥離が容易な範囲内にコントロールするこ
とが困難である。一方60重量%を越えるものは、ヒート
シール強度が低下し過ぎ、又、組成物自体の耐熱性が低
下するので好ましくない。
本発明の密封包装体のヒートシール面の構成はポリプロ
ピレン(A)層/組成物層の構成を採る。又密封包装体
の形状は熱成形、射出成形もしくは中空成形等により成
形された容器とシートもしくはフイルムからなる蓋材、
フイルム同志からなる包装袋等を例示することができ
る。
本発明の密封包装体はヒートシール面の構成が前記した
如く、ポリプロピレンを主成分とする相対する面を有
し、且つ少なくとも一方の面を構成する材料が前記組成
物であり、 他方の面を構成する材料が、 (i)プロピレン単独重合体または (ii)プロピレンと、プロピレン以外の炭素数2ないし
20のα−オレフィンとのランダム共重合体であって、プ
ロピレンを90モル%以上の量で含む結晶性プロピレン系
重合体から形成されている限り、密封包装体の耐ガラス
透過性、耐油性、耐スクラツチ性、剛性等の機能を付与
するために、更にエチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化
物、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、
アルミニウム箔,二軸延伸ポリプロピレンフイルム等を
積層してもよい。
〔発明の効果〕
本発明の密封包装体はヒートシール温度の広い範囲にわ
たつてヒートシール強度の温度依存性が小さい。その結
果、エチレン・α−オレフインランダム共重合体のブレ
ンド比を20〜60重量%の範囲で任意にかえる事により、
目的とする用途に応じたヒートシール強度を得る事が可
能である。又、結晶性ポリプロピレンをベースにしてい
る為に耐熱性を有し、加熱処理に耐えうる特徴を有す
る。本包装体はポリプロピレン容器の蓋材としてだけで
なく、包装袋の内面に使用する事により易開封性包装フ
イルムとしても用いる事ができる。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はその要旨を越えない限りこれらの例に何ら制約さ
れるものではない。
実施例1〜3 MFR(L):1.5g/10minのプロピレン単独重合体(PP−
1)とエチレン含有量:89モル%、X線による結晶化度:
10%、密度:0.885g/cm3、MFR(E):3.6g/10minのエチ
レン・1−ブテンランダム共重合体(EBC−1)とを第
1表に示す割合でそれぞれヘンシエルミキサーで混合
後、65mmφ押出機(設定温度:260℃)で溶融後、T−ダ
イ(設定温度:240℃)から押出し、厚さ50μmのフイル
ムを得た。次いで該フイルムと別途MFR(L):0.4g/10m
inのプロピレン単独重合体を成形して得た厚さ50μmの
シートとを以下の方法でヒートシールを行つた後、ヒー
トシール強度を測定した。
ヒートシール強度:シートとフイルムとを重ね合わせ、
150℃、160℃、170℃、180℃、190℃の温度、2kg/cm2
圧力で1秒間、幅5mmのシールバーでヒートシールした
後放冷し、次いで該試料から15mm幅の試験片を切り取
り、クロスヘツド速度300mm/minでシートシール部を剥
離した際の強度をヒートシール強度(g/15mm)とした。
結果を第1表に示す。第1表から、組成物の構成をPP−
1:80重量%及びEBC−1:20重量%としたもの(実施例
1)は僅かにヒートシール強度のヒートシール温度依存
性がみられるものの、安定して1500g/15mm以下のヒート
シール強度が得られ、又、実施例2及び実施例3の如く
EBC−1の量を各々、35重量%及び50重量%とした組成
物は殆どヒートシール温度依存性がなく且つ700〜900g/
15min程度の適度のヒートシール強度を有し、易剥離性
に優れていることが明らかである。
実施例4,5 実施例1で用いたEBC−1の代わりに、エチレン含有量:
80モル%、X線による結晶化度:3%、密度:0.867g/c
m3、MFR(E):1.1g/10minのエチレン・プロピレンラン
ダム共重合体(EPC−1)を用い、PP−1との混合割合
を第1表に示す量とする以外は実施例1と同様に行つ
た。結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1で用いたPP−1とEBC−1との混合割合を第1
表に示す量とする以外は実施例1と同様に行つた。結果
を第1表に示す。第1表からEBC−1の量を15重量%と
したものは、ヒートシール強度のヒートシール温度依存
性が大きく、ヒートシール強度を600〜1500g/15mmの間
にコントロールすることが困難なことが明らかである。
比較例2 実施例2で用いたEBC−1の代わりにエチレン含有量:98
モル%、X線による結晶化度:57%、密度:0.936g/cm3
MFR(E):1.8g/10minのエチレン・1−ブテン共重合体
(EBC−2)を用いる以外は実施例2と同様に行つた。
結果を第1表に示す。第1表から、比較例1と同様にヒ
ートシールの温度依存性が大きく、ヒートシール温度の
コントロール性に劣る。
比較例3 実施例2で用いたEBC−1の代わりに、エチレン含有量:
57モル%、X線による結晶化度:0%、密度:0.860g/c
m3、MFR(E):1.7g/10minのエチレン・プロピレン共重
合体(EPC−2)を用いる以外は実施例2と同様に行つ
た。結果を第1表に示す。第1表から、エチレン含有量
が小さい場合には、実用的なヒートシール強度が得られ
なくなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレンを主成分とする相対するヒ
    ートシール面を有し、一方のヒートシール面を構成する
    材料が、ポリプロピレン(A)40ないし80重量%とエチ
    レン含有量が75ないし95モル%のエチレン・α−オレフ
    ィンランダム共重合体(B)20ないし60重量%との組成
    物から形成されており、 他方のヒートシール面を構成する材料が、 (i)プロピレン単独重合体または (ii)プロピレンと、プロピレン以外の炭素数2ないし
    20のα−オレフィンとのランダム共重合体であって、プ
    ロピレンを90モル%以上の量で含む結晶性プロピレン系
    重合体から形成されていることを特徴とする易開封性の
    未延伸密封包装体。
JP60087478A 1985-04-25 1985-04-25 易開封性の未延伸密封包装体 Expired - Fee Related JPH0717041B2 (ja)

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