JP2000068048A - 有機el及びその製造方法 - Google Patents

有機el及びその製造方法

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JP2000068048A JP10240484A JP24048498A JP2000068048A JP 2000068048 A JP2000068048 A JP 2000068048A JP 10240484 A JP10240484 A JP 10240484A JP 24048498 A JP24048498 A JP 24048498A JP 2000068048 A JP2000068048 A JP 2000068048A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造を複雑化させずに効果的に水分を吸着し
てダークスポットの発生及び成長を抑える。 【解決手段】 素子基板2の上には、透明導電膜3から
なる陽極6が形成され、陽極6の上には有機層8が積層
され、更に有機層8の上には陰極9が積層されて所定パ
ターンの発光部4が形成される。所定間隔をおいて対向
配置される封止基板10の内面には、黒鉛を主成分とす
る捕水膜11が形成される。素子基板2と封止基板10
とは、発光部4と捕水膜11が対面した状態で外周部分
が封着されて内部がドライ雰囲気に保たれた容器12を
構成する。上記捕水膜11は、容器12内の水分や容器
12の外から侵入する水分を吸着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも一方が
透明電極からなる一対の電極間に有機化合物材料の薄膜
が積層された有機エレクトロルミネッセンス(以下、有
機ELという)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機ELは、蛍光性有機化合物を含む薄
膜を陽極と陰極の一対の電極間に挟んだ構造であり、前
記薄膜に正孔及び電子を注入して再結合させることによ
り励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活
する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して表示を行う
素子である。
【0003】ところで、上記有機ELを表示素子として
利用する場合、最大の課題は耐久性の改善であり、その
中でもダークスポットと呼ばれる非発光部の発生と成長
が最も大きな問題となっている。ダークスポットが発生
する原因としては、水分及び酸素の影響が最も大きいと
され、特に水分は極めて微量でも大きな影響を及ぼすも
のとされている。
【0004】そこで、使用する有機材料の精製、成膜時
の真空の質、素子の封止など、水分を極力取り除くよう
に工夫し、ドライプロセスで有機ELの製造が行われ
る。しかしながら、それでも十分な特性が得られていな
いのが現状である。
【0005】このように、有機ELの最大の課題はダー
クスポットを根絶して長寿命化を図ることが最大の課題
であり、素子を封止することで大幅に改善できる。加え
て、別途捕水剤を使用することでより改善が進んでい
る。
【0006】図3は捕水剤を使用した従来の有機ELの
構成を示す側断面図である。図3に示す有機EL21
は、絶縁性及び透明性を有するガラス基板22の上にI
TO(Indium Tin Oxide)からなる透明導電膜が所定パ
ターン形状に成膜され、陽極23を形成している。
【0007】図3に示すように、陽極23の上には有機
化合物材料の薄膜による有機層24が積層されている。
有機層24の上には、例えばAl−Li等の金属薄膜か
らなる陰極25が形成されている。そして、上記陽極2
3、有機層24及び陰極25により所定パターン形状の
発光部26を形成している。
【0008】ガラス基板22の外周部分には、水分を極
力取り除いた不活性ガス(例えばドライ窒素)やドライ
エアによるドライ雰囲気において、金属キャップ27が
接着剤により固着されている。これにより、素子を構成
するガラス基板22上の陽極23、有機層24及び陰極
25が保護される。
【0009】金属キャップ27の内面側に彫り込まれて
形成された凹部28には、粉末状の酸化バリウムや酸化
カルシウム等からなる捕水剤29が収容されている。粉
末状の捕水剤29を収容した凹部28は、水分を通すシ
ート状の蓋30によって覆われている。凹部28内の捕
水剤29は、水と化学反応して水酸化物を生成し、この
生成された水酸化物を保持することにより、内部の残留
水分や外部からの水分を吸着している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に
示す従来の有機EL21では、金属キャップ27の凹部
28に収容される捕水剤29が粉末状であり、水と化学
反応して発熱した捕水剤29が熱に弱い発光部26に付
着しないように、捕水剤29を収容した凹部28を蓋3
0で覆い、捕水剤29を発光部26から隔離する必要が
あった。
【0011】このため、使用される金属キャップ27は
特殊なものとなり、構造を複雑化させていた。しかも、
捕水剤29を封入するために大きなスペースを必要と
し、素子全体が大型化するという問題があった。
【0012】また、使用される捕水剤29が粉末状のた
め、この捕水剤29を金属キャップ27の凹部28に封
入する際の取り扱いが難しく、作業性が極めて悪いとい
う問題があった。
【0013】そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてな
されたものであり、構造を複雑化させることなく効果的
に水分を吸着してダークスポットの発生及び成長を抑え
ることができる有機EL及びその製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、所定間隔をおいて配置された一
対の基板の外周部分が封着されて内部がドライ雰囲気に
保たれた容器を構成し、少なくとも一方が透明電極から
なる一対の電極間に発光層を含む有機層が前記一対の基
板の一方の基板の内面に積層されて発光部が形成された
有機ELにおいて、前記一対の基板の少なくとも一方の
内面で、前記発光部の発光の妨げにならない位置には、
黒鉛を主成分とする捕水膜が形成されたことを特徴とす
る。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の有機ELに
おいて、前記捕水膜が捕水剤を含有した黒鉛膜からなる
ことを特徴とする。
【0016】請求項3の発明は、請求項1の有機ELに
おいて、前記捕水膜がケイ酸ナトリウムを含有した黒鉛
膜からなることを特徴とする。
【0017】請求項4の発明は、請求項1の有機ELに
おいて、前記捕水膜が捕水剤及びケイ酸ナトリウムを含
有した黒鉛膜からなることを特徴とする。
【0018】請求項5の発明は、一対の電極間に発光層
を含む有機層を、所定間隔をおいて配置される一対の基
板の一方の基板に積層して発光部を形成し、前記一対の
基板の少なくとも一方の内面で、前記発光部の発光の妨
げにならない位置に黒鉛粉末とビークルからなる黒鉛ペ
ーストを塗布し、前記黒鉛ペーストの塗布された基板を
大気焼成した後、更に真空焼成して捕水膜を形成し、そ
の後、前記発光部と前記捕水膜とを対面させて前記一対
の基板の外周部分をドライ雰囲気中で封止することを特
徴とする。
【0019】請求項6の発明は、請求項5の有機ELの
製造方法において、前記黒鉛ペーストのビークル中に捕
水剤を含むことを特徴とする。
【0020】請求項7の発明は、請求項5の有機ELの
製造方法において、前記黒鉛ペーストのビークルのバイ
ンダーとして水ガラスを含むことを特徴とする。
【0021】請求項8の発明は、請求項5の有機ELの
製造方法において、前記黒鉛ペーストのビークル中に捕
水剤を含み、かつ該ビークルのバインダーとして水ガラ
スを含むことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明による有機ELの実
施の形態を示す分解斜視図、図2は図1の有機ELを組
み立てたときの部分拡大断面図である。
【0023】図1及び図2に示すように、有機EL1
は、絶縁性及び透光性を有する矩形状のガラス基板から
なる素子基板2を基部としている。図2において、素子
基板2の上には、透明性を有する導電材料として、IT
Oによる透明導電膜3が形成されている。透明導電膜3
は、例えば真空蒸着法、スパッタ法等のPVD(Physic
al Vapor Deposition )法により成膜される。透明導電
膜3は、更にフォトレジストパターンによるエッチング
で所定パターン形状にパターンニングされ、発光部4の
パターン(例えば図1に示す日の字の各セグメントのパ
ターン)を形作るように透孔5を有し、電極としての陽
極6を構成している。陽極6の一部は、素子基板2の端
部まで引き出されて不図示の駆動回路に接続される。
【0024】透明導電膜3からなる陽極4の上には、透
孔5を埋めて透孔5のエッジ部分5aを覆うようにして
例えばポリミイド膜からなる絶縁層7が形成されてい
る。絶縁層7は、発光部4のパターンを形作るととも
に、透明導電膜3による陽極4のパターンニング時に生
じる透孔5のエッジ部分5aの微小な突起を覆い、エッ
ジ部分5aでの電界集中による+−電極(陽極4と後述
する陰極9との間)のショートを防止している。
【0025】陽極4の上には、例えば分子線蒸着法、抵
抗加熱法等のPVD法により、有機化合物材料の薄膜に
よる有機層8が積層されている。図2の例における有機
層8は、陽極4の上に数10nmの膜厚で成膜されたホ
ール注入層としての銅フタロシアニン(CuPc)有機
膜8aと、CuPc有機膜8aの上に数10nmの膜厚
で成膜されたホール輸送層としてのBis(N−(1−
naphtyl −N−phneyl)benzidine (α−NPD)有機
膜8bと、α−NPD有機膜8bの上に数10nmの膜
厚で成膜される発光層兼電子輸送層としてのトリス(8
−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )有機膜8c
との3層構造からなる。そして、前記陽極4、有機層8
及び後述する陰極9とにより、所定パターン形状の発光
部4(図1の例では、日の字のセグメントによるパター
ン)を形成している。
【0026】図2に示すように、有機層8(Alq3
機膜8c)の上には金属薄膜による陰極9が形成されて
いる。陰極9は、例えばAl、Li、Mg、Ag、In
等の仕事関数の小さい金属材料単体やAl−Li、Mg
−Ag等の仕事関数の小さい合金からなる。陰極9は、
例えば分子線蒸着法、抵抗加熱法等のPVD法により、
例えば数10nm〜数100nm(好ましくは50nm
〜200nm)の膜厚で成膜される。陰極9の一部は、
素子基板2の端部まで引き出されて不図示の駆動回路に
接続される。
【0027】素子基板2の外周部分には、水分を極力取
り除いた不活性ガラス(例えばドライ窒素)やドライエ
アによるドライ雰囲気において、封止部材としての矩形
状の封止基板10が例えば紫外線硬化樹脂による接着剤
により固着されている。これにより、陽極4、有機層8
及び陰極9を保護している。
【0028】封止基板10の内面には捕水膜11が成膜
されている。捕水膜11としては、以下に説明する幾つ
かの構成が考えられる。まず、ポーラスな形状による物
理的捕水効果を有する黒鉛膜で捕水膜11を構成するこ
とができる。この黒鉛膜による捕水膜11は、黒鉛粉末
とバインダーとして有機チタン化合物を使用したビーク
ルとからなる黒鉛ペーストを、例えば印刷法、スピンコ
ート法等により封止基板10の内面に塗布して焼成する
ことで成膜される。
【0029】また、捕水膜11としては、黒鉛膜に捕水
剤を含有させて形成することもできる。黒鉛膜に含有さ
れる捕水剤としては、化学的に水を吸着(化学吸着)す
るものであれば特に限定されるものではない。捕水剤と
しては、例えば酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化
ナトリウム、酸化カリウム等の金属酸化物の他、マグネ
シウム、カルシウム等の金属を使用することができる。
【0030】上記捕水剤が黒鉛膜に含有された捕水膜1
1は、捕水剤を黒鉛ペーストのビークル中に含ませた状
態で、例えば印刷法、スピンコート法等により封止基板
10の内面に塗布して焼成することで成膜される。
【0031】そして、この捕水剤を含有した黒鉛膜によ
る捕水膜11は、例えば捕水剤として酸化バリウムを含
ませた場合、水と化学反応を起こして水酸化バリウムB
a(OH)2 を生成し、水分を吸着保持する。
【0032】更に、捕水膜11は、黒鉛ペーストを構成
するビークルのバインダーとして有機チタン化合物に代
えて水ガラス(ケイ酸ナトリウムの濃水溶液)を使用し
たもので形成することができる。この場合の捕水膜11
は、ケイ酸ナトリウムを含有した黒鉛膜となる。
【0033】上記水ガラスを使用した捕水膜11は、黒
鉛粉末とバインダーとして水ガラスを使用したビークル
とからなる黒鉛ペーストを、例えば印刷法、スピンコー
ト法等により封止基板10の内面に塗布して焼成するこ
とで成膜される。そして、このケイ酸ナトリウムを含有
した黒鉛膜による捕水膜11は、2Na2 SiO3 +H
2 O→Na2 Si2 5 +2NaOHなる化学反応を起
こすことにより水分を吸着保持する。
【0034】次に、上記構成による有機EL1の製造方
法について説明する。まず、素子基板2の上にITO等
の透明導電膜3を例えばスパッタ法により150nm程
度の膜厚で成膜して陽極6を形成する。この透明導電膜
3は、所定パターンによる発光部4を形作るように透孔
5を有して素子基板2の上に成膜される。
【0035】次に、透孔5を有する所定パターン形状の
陽極6を形成した素子基板2に対し、ポリミイド溶液を
スピンコートし、プリベーク、露光、現像、ポストベー
クの順で行う。これにより、陽極6の上には所望のポリ
ミイドパターンが形成される。
【0036】続いて、素子基板2を大気又は窒素雰囲気
中で熱処理(例えば300〜400℃で1時間の焼成)
を行う。これにより、素子基板2の陽極6の上には、透
孔5を孔埋めし、かつ透孔5のエッジ部分5aを覆うよ
うにして、ポリイミド膜による所定膜厚(例えば1〜2
0μm)の絶縁層7が形成される。
【0037】次に、陽極6及び絶縁層7が積層形成され
た素子基板2を洗浄(例えばUVオゾン洗浄)する。そ
して、この洗浄した素子基板2を真空蒸着装置にセット
し、10-4Pa以下まで減圧した後、有機層8を成膜す
る。この有機層8は、例えばホール注入層としてCuP
c有機膜8aを20nm、ホール輸送層としてα−NP
D8bを30nm、発光層としてAlq3 8cを50n
m、それぞれ0.1〜0.2nm/sの成膜レートで蒸
着する。
【0038】更にマスクを交換し、有機層8の上に例え
ば100nmの膜厚でAl−Li合金を蒸着して陰極9
を形成する。なお、上記有機層8の各有機膜8a,8
b,8c及び陰極9は、真空を解除せずに連続して作製
する。
【0039】ここで、上記作業とは別に、封止基板10
の内面に予め捕水膜11を形成する。捕水膜11を形成
するにあたっては、黒鉛ペーストとして、黒鉛粉末とバ
インダーに有機チタン化合物を使用したビークルとから
なるものが用いられる。この他、黒鉛粉末とビークル中
に捕水剤を含ませたもの、黒鉛粉末とバインダーに水ガ
ラスを使用したビークルとからなるものが用いられる。
【0040】そして、上記黒鉛ペーストを封止基板10
の内面に塗布し、大気焼成により膜化して捕水膜11が
得られる。この封止基板10の内面に成膜された捕水膜
11は、更に真空焼成することにより膜中の水分を脱水
する。このようにして作製された捕水膜11付の封止基
板10は、大気に曝すことなくドライ窒素中に移動さ
せ、保管しておく。
【0041】次に、発光部4が形成された素子基板2
を、封止基板10が保管されているドライ窒素中に大気
に曝すことなく移動させる。そして、素子基板2の発光
部4の面と、封止基板10の捕水膜11が成膜されてい
る面とを対面させ、紫外線硬化樹脂等の接着剤により、
素子基板2と封止基板4との間の外周部分を接着して封
止する。これにより、ドライ窒素Wが封入されて内部が
ドライ雰囲気に保たれた容器12が構成され、有機EL
1が完成する。
【0042】このように、上記実施の形態の有機ELに
よれば、以下に示すような効果を奏する。
【0043】捕水膜11は、従来のような粉末状のもの
ではなく、膜として封止基板10に形成される。このた
め、従来のような大きな配設スペース、特に基板の厚さ
方向のスペースを必要とせずに封止基板10の内面に形
成することができ、表示素子としての有機ELの薄型の
利点を生かすことができる。
【0044】捕水剤を含有した捕水膜11は、黒鉛粉末
とともにビークルに捕水剤が含まれたペースト材料で封
止基板10に形成される。これにより、従来のように粉
末状の捕水剤が熱に弱い発光部に付着して素子が破損す
るのを防止することができる。
【0045】捕水膜11は、黒鉛を主成分としているの
で、有機EL1の発光を素子基板2側から観察する際、
透明部分が黒色に見えるので、発光部4と周囲との間に
コントラストを付けて表示の視認性を向上させることが
できるとともに、反射防止の効果も得られる。
【0046】捕水膜11は、ペースト状の材料を封止基
板10に塗布して焼成することにより得られるので、封
止基板10の内面の任意の場所に形成することができ
る。これにより、図3の従来の有機ELのように封止内
部構造を複雑化させることなく簡単に構成でき、作業性
の向上も図ることができる。
【0047】捕水膜11は封止基板10の内面全体にわ
たって形成されているので、内部の水分を均一に吸着で
きるとともに、接着剤を介して外部から侵入する水分も
効率的に吸着することができる。なお、捕水膜11は封
止基板10の内面に部分的に形成しても容器12内や外
からの水分を吸着し、十分な吸着効果を得ることができ
る。
【0048】捕水膜11として、黒鉛ペーストのビーク
ル中に酸化マグネシウム、酸化バリウム等の捕水剤を含
ませたもの、黒鉛ペーストのビークルのバインダーとし
て水ガラスを使用したものによれば、水分を黒鉛による
物理吸着だけでなく、化学吸着することができ、更に高
い吸着効果を得ることができる。
【0049】ここで、捕水剤を含まず封止のみの構造に
よる有機EL(従来品)と、本実施の形態の有機EL1
とについて、大気中、室温で2000時間放置したとき
のダークスポットの成長を観察した。
【0050】2000時間放置後の従来品の有機ELで
発生するダークスポットの径を100とした場合、本実
施の形態の捕水膜11が黒鉛膜のみの有機ELでは、従
来品の有機ELの半分以下の値である46を示した。ま
た、本実施の形態の捕水膜11を黒鉛膜に捕水剤を含有
したもの、黒鉛膜に水ガラスを含有したもの、黒鉛膜に
捕水剤及び水ガラスを含有したものでは、更に低い値で
ある29を示した。
【0051】以上の結果から、本実施の形態の有機EL
1によれば、黒鉛膜のみ、黒鉛膜に捕水剤又は水ガラス
の少なくとも一方を含有したもの、いずれの捕水膜11
を用いた場合においても、従来品の有機ELと比較し
て、発生するダークスポットの径を小さくでき、ダーク
スポットの発生についても抑制されていることが確認で
きた。
【0052】ところで、上述した実施の形態では、有機
層8としてCuPc有機層8a、α−NPD有機膜8
b、Alq3 有機膜8cの3層構造を例にとって説明し
たが、発光層と電荷輸送層(ホール輸送層、ホール注入
・輸送層、電子注入層、電子注入・輸送層等)との組合
せで有機層8を構成することができる。
【0053】具体的には、発光層1層のみ、発光層とホ
ール輸送層の2層、発光層と電子注入層の2層、ホール
輸送層と発光層と電子注入層の3層等で有機層8を構成
することができる。その際、発光層の発光材料として
は、発光層そのものを発光させる場合には、例えばアル
ミキノリン(Alq3 )やジスチルアリーレン系化合物
等が使用される。発光層に別の発光材料(ドーパント)
を微量ドーピングすることで発光させる場合には、ドー
パントとしてキナクリドン(Qd)やレーザ用の色素等
が使用される。
【0054】また、電子注入層としては、電子の注入を
し易くするため、例えばLi、Na、Mg、Ca等の仕
事関数の小さい金属材料単体、或いは例えばAl−L
i、Mg−In、Mg−Ag等の仕事関数の小さい合金
が使用される。
【0055】上述した実施の形態では、水分を吸着する
捕水膜11を封止基板10の内面に形成した構成につい
て説明したが、素子基板2の内面の空きスペースで発光
部4の発光の妨げにならない位置(発光部4との接触を
避けることも含む)に捕水膜11を形成してもよい。こ
の場合、透明導電膜からなる陽極6と金属薄膜からなる
陰極9とを逆転させ、封止基板10側から発光を観察す
るタイプの有機ELの構成を採用することができる。そ
の際、素子基板2は必ずしも透明性を有する必要はな
く、有機層8の積層構造も逆転することになる。
【0056】また、上記捕水膜11は、封止基板10の
内面に形成するとともに、素子基板2の内面の空きスペ
ースで発光部4の発光の妨げにならない位置に形成して
もよい。
【0057】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、水分を吸着する捕水膜が、従来のような粉末状
のものではなく、膜として基板に形成されるので、従来
のような大きな配設スペース、特に基板の厚さ方向のス
ペースを必要とせずに形成することができ、表示素子と
しての有機ELの薄型の利点を生かすことができる。
【0058】捕水剤を含有する捕水膜は、捕水剤が黒鉛
粉末とともにビークルに含まれてペースト化されて基板
に形成されるので、従来のように粉末状の捕水剤が熱に
弱い発光部に付着して素子が破損するのを防止すること
ができる。
【0059】捕水膜は、ペースト状の材料を基板に塗布
して焼成することにより得られるので、基板の内面の任
意の場所に形成することができる。これにより、従来の
有機ELのように封止内部構造を複雑化させることなく
簡単に構成でき、作業性の向上も図ることができる。
【0060】捕水膜として、黒鉛ペーストのビークル中
に酸化マグネシウム、酸化バリウム等の捕水剤を含ませ
たもの、黒鉛ペーストのビークルのバインダーとして水
ガラスを使用したものによれば、水分を黒鉛による物理
吸着だけでなく、化学吸着することができ、更に高い吸
着効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機ELの実施の形態を示す分解
斜視図
【図2】図1の有機ELを組み立てたときの部分拡大断
面図
【図3】従来の有機ELの構成を示す側断面図
【符号の説明】
1…有機EL、2…素子基板、4…発光部、6…陽極、
8…有機層、9…陰極、10…封止基板、11…捕水
膜、12…容器。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 尚光 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB13 AB18 BB00 BB01 BB05 CA01 CB00 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01 FA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔をおいて配置された一対の基板
    の外周部分が封着されて内部がドライ雰囲気に保たれた
    容器を構成し、少なくとも一方が透明電極からなる一対
    の電極間に発光層を含む有機層が前記一対の基板の一方
    の基板の内面に積層されて発光部が形成された有機EL
    において、 前記一対の基板の少なくとも一方の内面で、前記発光部
    の発光の妨げにならない位置には、黒鉛を主成分とする
    捕水膜が形成されたことを特徴とする有機EL。
  2. 【請求項2】 前記捕水膜が捕水剤を含有した黒鉛膜か
    らなる請求項1記載の有機EL。
  3. 【請求項3】 前記捕水膜がケイ酸ナトリウムを含有し
    た黒鉛膜からなる請求項1記載の有機EL。
  4. 【請求項4】 前記捕水膜が捕水剤及びケイ酸ナトリウ
    ムを含有した黒鉛膜からなる請求項1記載の有機EL。
  5. 【請求項5】 一対の電極間に発光層を含む有機層を、
    所定間隔をおいて配置される一対の基板の一方の基板に
    積層して発光部を形成し、 前記一対の基板の少なくとも一方の内面で、前記発光部
    の発光の妨げにならない位置に黒鉛粉末とビークルから
    なる黒鉛ペーストを塗布し、 前記黒鉛ペーストの塗布された基板を大気焼成した後、
    更に真空焼成して捕水膜を形成し、その後、前記発光部
    と前記捕水膜とを対面させて前記一対の基板の外周部分
    をドライ雰囲気中で封止することを特徴とする有機EL
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記黒鉛ペーストのビークル中に捕水剤
    を含む請求項5記載の有機ELの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記黒鉛ペーストのビークルのバインダ
    ーとして水ガラスを含む請求項5記載の有機ELの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記黒鉛ペーストのビークル中に捕水剤
    を含み、かつ該ビークルのバインダーとして水ガラスを
    含む請求項5記載の有機ELの製造方法。
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