JP2000067821A - 角柱形バッテリ - Google Patents

角柱形バッテリ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストが低く、使用時の安全性を高めた
設計を持つ角柱形バッテリを提供すること。 【解決手段】 基部１５と、矩形の幅の広い面からなる
幅広壁１１、１３と、幅の狭い狭壁１２、１４とからな
る角柱形容器１の幅広壁の周辺部を内側にへこんだ形状
としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、以下の文中では電
源が再充電式か否かに関わらず一般的用語「バッテリ」
で表す蓄電池もしくは角柱形電池に関するものである。
本発明はさらに詳しくは、電源がゼリーロールタイプの
アクティブ物質を巻いたものからなるバッテリに関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】携帯電話等の携帯装置においては、特に
装置全体の寸法を抑えるため、角柱形のバッテリが棒状
バッテリより一般的に望ましい。定義上軽量でなければ
ならないこの携帯装置は、壊れ易く、かつ電力消費が少
ないことを要求される電子回路および部品が組み込まれ
ているのが普通である。そのため、この装置に使用され
る角柱形バッテリは、出力密度が高い一方で軽量かつ製
造コストが最大限低いことが望ましく、蓄電池の場合に
は特に充分な寿命を持ち、さらにユーザーと隣接する電
子回路の両方に対して、安全の点から必要な使用中の保
証をすべて備えていることが望ましい。
【０００３】本発明の目的は、電流密度が一定でありな
がら軽量で、先行技術の角柱形バッテリより製造コスト
が低く、使用時の安全性を高めた設計を持つ角柱形バッ
テリを提供することである。
【０００４】図１に概略が図示された先行技術の角柱形
バッテリは、平行六面体の金属容器１を備え、その中に
は非円形螺旋巻回体２が配置されている。このバッテリ
は、巻回体が配置された後、容器内に電解液が充填され
たゼリーロールタイプ（Ｂ、Ｃ参照）であ。この巻回体
は、陽極２ａを形成するアクティブ物質の層と、多孔性
の分離材２ｂと、陰極２ｃを形成するアクティブ物質の
層と、第２の多孔性の分離材２ｂとを含む少なくとも１
つの組み合わせ帯体から得られる。陽極と陰極は各々、
一般的に容器１の内壁付近と巻回体２の中央付近に設け
られた接続手段５、６を含んでいる。このゼリーロール
は一般的に、容器１の幅広壁１１、１３と巻回体２との
間に配置された２枚の波形弾性板３ａ、３ｂにより押さ
れている。この弾性板により充電／放電サイクルの際に
生じる巻回体２の若干の体積変化が吸収される。こうし
て形成されたユニットは、接続手段５、６により電極２
ａ、２ｃに電気的に接続された接触端子７、８を備えた
カバー４によって気密シールされる。その電気的接続は
溶接により実施される。このタイプの角柱形バッテリ、
特に蓄電池の場合には、概略が９として示された安全通
気弁も含まれるのが一般的である。この通気弁９は、化
学反応が発生して圧力および／または温度の上昇が生じ
た場合に必要とされる。バッテリのケースに加えられる
機械的応力のため、容器はまずｆ０．５mm程度（図１
Ｂ）の均一な厚さの鋼板で製造することが選択された。
次にこのバッテリをより軽量でより安価にするのに、鋼
板の代わりにアルミニウムやアルミニウム合金を用いる
ことが提案された。変形に対して同じような耐性を持つ
には容器の壁を厚くすることが必要だが、それには、所
定の出力密度を持つためにバッテリの寸法を大きくする
か、もしくはバッテリの寸法を標準的寸法内に抑えよう
とする場合にはアクティブ物質の品質を低下させ、ひい
ては出力密度も低下させるという欠点がある。
【０００５】この欠点を回避するため、米国特許第５，
５５６，７２２号には、図１Ｃに示すように、容器の角
部１ａ〜１ｄを補強する、すなわち局所的に厚さを増や
すことが提案されている。このような容器の製造方法は
記載されていないが、この形状では、開始材料として厚
さが均一な金属板は使用できないとすれば、完成品のコ
ストが上昇するのは明らかである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軽量
で製造コストが低いのに、同じ外部寸法を持つ周知の角
柱形バッテリと少なくとも等しい有効出力密度を持つ角
柱形ゼリーロールバッテリを提供することにより、上述
の欠点を克服することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、陽極と、分離
材と、陰極とを含み、電解質が浸漬された組み合わせ帯
体からなる非円形螺旋巻回体が収容され、接続手段を介
して陽極および陰極に電気的に接続された２個の接触端
子を備えたシールカバーにより上部がシールされた、ほ
ぼ同一の厚さを持つ金属容器を含む角柱形バッテリであ
る。その容器は、矩形の基部と、基部と直交するように
基部に取り付けられた２枚の狭壁と、幅Ｉ１である幅の
狭い垂直方向のストリップを介して狭壁に取り付けら
れ、幅Ｉ２の幅の狭い水平方向のストリップを介して基
部に取り付けられた２枚の幅広壁とによって形成され、
これらのストリップが幅広壁の表面に向かって傾斜して
おり、ストリップの間に基部の４箇所の角部からの接合
線が形成されていることを特徴とする。
【０００８】幅広壁と狭壁を接合する垂直方向のストリ
ップは、幅広壁の面に対して角度α１をなしており、幅
広壁と基部を接合する水平方向のストリップはα２をな
している。これらのストリップ間の接合線を正確にこの
角度とするには、変数α１、α２、Ｉ１、Ｉ２がＩ１・
ｓｉｎα１＝Ｉ２・ｓｉｎα２の関係を満たしていなけ
ればならない。
【０００９】螺旋巻回体により容器の角部内に残された
自由空間を合理的に使用することにより、またそれによ
って容器の筒状部を特定の輪郭としなくても、角柱形バ
ッテリの内部圧力に耐えるに充分な剛性を幅広壁に与え
ることが可能となる。実際に、端部付近の幅の狭い突出
部からなる周辺リブがこうして形成される。容器の製造
にアルミニウムもしくはアルミニウム合金が使用される
場合には、壁の厚さは鋼製の容器と概ね同じ、すなわち
現在のバッテリについては０．５ｍｍ程度でよく、重量
とコストについて利点が得られる。
【００１０】鋼もしくは鋼合金をやはり用いるならば、
容器の壁厚を例えば０．５ｍｍから０．３５ｍｍに減少
させながら同じ機械的性質を維持し、かつ重量とコスト
に関する長所も得ることが可能である。
【００１１】本発明の別の側面によれば、アクティブ物
質から最適な収率を確保し、出力密度を最大限とするの
に必要な螺旋巻回体の良好な結合力を得るのに、幅広壁
と螺旋巻回体の間に弾性スペーサを挿入する必要がもは
やないことからも、コスト削減が実現する。
【００１２】これは、基部に数値α１、α２、Ｉ１、Ｉ
２に対応する連結部分にストリップを持つ凸形容器を得
るため深絞り加工によって金属板を変形した後に螺旋巻
回体を収容し、最後に幅広壁を形押し加工して凹形とす
ることから成る容器の製造方法の結果、得られるもので
ある。
【００１３】本発明による方法は、幅広壁の形押し加工
の前に、最終体積より大きな体積の空洞を持つことによ
り、電解質にすでに浸漬されてこれにより膨潤したゼリ
ーロールを中に収容することができるという長所を持つ
ことにも注意すべきである。
【００１４】
【実施形態】本発明の他の特徴および長所は、添付図面
とともに以下の明細書を読めば、一層明らかになるだろ
う。
【００１５】図１については、当該技術の現状を示すも
のとしてすでに説明したため、以下では本発明実施形態
による角柱形バッテリを図示した図２〜図６についいて
検討する。これらの図から、製造方法の主要段階も理解
できるはずである。
【００１６】図２の角柱形バッテリは、概ね矩形の底部
１５によって下部が閉鎖された筒状部材から形成される
金属容器１を含む。筒状部材は２枚の大きな平面壁であ
る幅広壁１１、１３と、２枚の小さな平面壁である狭壁
１２、１４と、壁を相互に接合するとともに壁を底部に
接合するための幅狭で矩形の垂直方向のストリップ２
１、２２、２３、２４および水平方向のストリップ２
５、２５ａ（図２には図示せず）を含む。なお、垂直と
か水平とかは単にストリップを区別する必要がある時の
区別のために付けただけであり、絶対的な方向を示すも
のではない。上記のように、本実施形態の容器１は幅広
壁１１、１３の周辺部がその状端部を除いてストリップ
に連結されている。容器を形成するエレメントはすべて
実質的に同じ厚さを有している。とりわけ、容器の垂直
な角部に余分な厚さを有していない。幅Ｉ１のストリッ
プ２１〜２４により狭壁１２、１４は幅広壁１１、１３
に接合され、容器１の内側に向かって角度α１だけ傾斜
される。幅Ｉ２のストリップ２５、２５ａにより底部１
５は幅広壁１１、１３に接合され、やはり容器の内側に
向かって角度α２だけ傾斜される。バッテリの大きな面
のいずれの側でも２枚の垂直方向のストリップ２１、２
２と２３、２４が接合線２６に沿って水平方向のストリ
ップ２５と２５ａにそれぞれ接続されている。接合線は
ストリップの向きとその幅とを決めるパラメータα１、
α２、Ｉ１、Ｉ２が関係Ｉ１・ｓｉｎα１＝Ｉ２・ｓｉ
ｎα２を満たす場合に正確となる。容器には、電解質に
浸漬されたゼリーロールタイプのアクティブ物質２の巻
回体が収容され、その上部は、接触端子７、８と安全通
気孔９とを備えたカバー４によって閉鎖されている。接
触端子は、接続手段５、６により巻回体２の電極に電気
的に接続されている。カバー４は容器の内部と同じ形
状、すなわち角部に三角形の突出部を持つ概ね矩形で、
容器に溶接されている。こうして得られる角柱形バッテ
リは、したがって、広い外面、幅広壁部分がへこんでい
ることを特徴とする。所望ならばこのように形成された
角柱形バッテリを、適当な形状の熱収縮シースで被覆
し、バッテリの性質や製造者の名称等の表示に使用でき
る。
【００１７】上述した容器は、図４から図６について以
下に説明する方法で、簡単かつ経済的に製造できる。図
２に示す容器を作るには、まず適当な寸法の金属板を用
意する。この金属板は例えば、０．４５ｍｍ程度の均一
な厚さの最終製品を得るのに十分な厚さを備えている、
Ａｌｐａｘ（登録商標）やＤｕｒａｌｕｍｉｎ（登録商
標）等の、マグネシウムとケイ素を含有するアルミニウ
ム合金製であってもよい。金属板をその開口軸に沿って
深絞り加工で図４と図５に示す凸形容器１０を得、その
加工の後に熱処理を行なって所望の機械的性質を容器に
与える。この処理により、狭い幅のストリップ２１〜２
４の幅がＩ１となり幅広壁１１、１３の平面と鋭角α１
を成すように、幅広壁１１、１３と狭壁１２、１４の間
に接合角部が形成される（図４）。同様に、この処理に
より幅広壁１１、１３と底部１５との接合角部が、狭い
幅のストリップ２５、２５ａの幅がＩ２となり幅広壁１
１、１３の平面に対して鋭角α２を成すように形成され
る（図５）。前述したように、ストリップ２５、２５ａ
とストリップ２１〜２４（図２参照）の間に正確な接合
線２６が形成されるには、数値Ｉ１、Ｉ２、α１、α２
はＩ１・ｓｉｎα１＝Ｉ２・ｓｉｎα２の関係を満たさ
なければならない。実際問題としては角度α１、α２
と、したがってストリップの幅Ｉ１、Ｉ２には近似値が
選択される。
【００１８】一例を挙げると、実質的に外側寸法が４８
×３４×１０ｍｍで厚さ０．４５ｍｍの角柱形バッテリ
については、ストリップ２１〜２４は幅Ｉ１＝２．７ｍ
ｍで角度α１＝１５°、ストリップ２５、２５ａは幅Ｉ
２＝３．６ｍｍで角度α２＝１１．２°である。容器内
部にストリップによって形成された角度を付けて変形さ
せた部分は、以下で説明するように、バッテリの構造に
とって有益である。凸形容器１０が形成されたのち、図
４に示すように、幅広壁１１、１３の内面と巻回体２の
間に残された自由空間に圧縮板を挿入せずに、ゼリーロ
ール２を空洞に挿入する。前述のように、この巻回体は
電解質にすでに浸漬されているため挿入は容易である。
次に、１枚の幅広壁に等しい矩形表面部分を持つヘッド
を備え、数値α１とα２に対応する角度の角錐台形状の
ダイにより、幅広壁１１、１３に形押し加工を施す。こ
のようにして、角度α１に与えられた数値の関数である
圧力で巻回体２が幅広壁に押しつけられている、図３の
形状が得られる。既知の技術により、必要ならば電解質
の量を調節し、蓄電池の場合には充電／放電サイクルを
実施し、その後接続手段５、６とともに陽極および陰極
と２個の接触端子７、８との間に電気的な接続を行い、
カバー４を気密シールすることにより、バッテリの製造
は完了する。
【００１９】図６に示すように、先行技術のバッテリの
弾性板のように、幅広壁１１、１３により充電／放電サ
イクルにおける螺旋巻回体の体積変化を吸収できること
に注意されたい。
【００２０】高い機械的性質を持つステンレス鋼、銅、
黄銅等のアルミニウム以外の金属を選択すると、たとえ
ば０．３５mmまで容器の厚さを削減することができ、こ
れは重量とコストの面で長所となる。
【００２１】バッテリ用容器の材料の選択と寸法の両方
について、上述した実施形態は、当該技術の熟練者であ
れば本発明の範囲を逸脱することなく、バッテリの特定
用途に改変が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 先行技術の角柱形バッテリを示す図である。
【図２】 本発明による角柱形バッテリの部分破断斜視
図である。
【図３】 図２の線III‐IIIにおける断面図である。
【図４】 幅広壁に形押し加工を施す前の、図２の容器
の上面図である。
【図５】 幅広壁に形押し加工を施す前の、図２の容器
の狭壁の側面図である。
【図６】 図３の容器の可能な変形状態を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
２ 巻回体、１１、１３ 幅広壁、１２、１４ 狭壁、
２１〜２４、２５、２５ａ ストリップ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 電解質が浸漬された陽極（２ａ）と、分
    離材（２ｂ、２ｄ）と、陰極（２ｃ）とを含む組み合わ
    せ帯体によって形成された非円形螺旋巻回体（２）が収
    容され、接続手段（５、６）を介して陽極（２ａ）と陰
    極（２ｃ）に電気的に接続された２個の接触端子（７、
    ８）を備えたシールカバー（４）によって上部がシール
    された厚さがほぼ同一の金属容器（１）を含む角柱形バ
    ッテリにおいて、矩形の基部（１５）と、その基部（１
    ５）と直交するように基部（１５）に取り付けられた２
    枚の狭壁（１２、１４）と、一方では幅（Ｉ１）の狭い
    垂直方向のストリップ（２１〜２４）を介して狭壁（１
    ２、１４）に取り付けられるとともに他方では幅（Ｉ
    ２）の狭い水平方向のストリップ（２５、２５ａ）を介
    して基部（１５）に取り付けられた２枚の幅広壁とによ
    って容器（１）が形成され、ストリップ（２１〜２４、
    ２５〜２５ａ）は幅広壁（１１、１３）の表面に向けて
    傾斜するとともに、基部の４箇所の角部からストリップ
    の間に接合線（２６）を有することを特徴とする角柱形
    バッテリ。
  2. 【請求項２】 幅広壁（１１、１３）と狭壁（１２、１
    ４）とを接合するストリップ（２１〜２４）は幅広壁の
    表面に対して角度α１を成すとともに、幅広壁（１１、
    １３）を基部に接合するストリップ（２５、２５ａ）が
    角度α２を成し、正確な接合線（２６）とするにはこれ
    らの数値α１、α２、Ｉ１、Ｉ２がＩ１・ｓｉｎα１＝
    Ｉ２・ｓｉｎα２の関係を満たすことを特徴とする請求
    項１の角柱形バッテリ。
  3. 【請求項３】 容器（１）を形成する金属がアルミニウ
    ムとアルミニウム合金から選択されることを特徴とする
    請求項１の角柱形バッテリ。
  4. 【請求項４】 容器（１）を形成する金属がステンレス
    鋼と銅と黄銅から選択されることを特徴とする請求項１
    の角柱形バッテリ。
  5. 【請求項５】 巻回体（２）を押圧するため幅広壁（１
    １、１３）が巻回体（２）と接触していることを特徴と
    する請求項１の角柱形バッテリ。
  6. 【請求項６】 幅広壁（１１、１３）とストリップ（２
    １〜２４、２５、２５ａ）によって形成される凹部が可
    塑性材料で被覆されることを特徴とする請求項１の角柱
    形バッテリ。
  7. 【請求項７】 ストリップ（２１〜２４、２５、２５
    ａ）の寸法および向きが数値α１、α２、Ｉ１、Ｉ２に
    対応する凸形容器（１０）を得るため開口軸に沿って深
    絞り加工を施し、 凸形容器（１０）に非円形螺旋巻回体（２）を収容し、
    幅広壁に形押し加工を施すこと、を連続して行なうこと
    により、金属板から容器（１）を形成することを特徴と
    する請求項１と２の角柱形バッテリの製造方法。
JP11088493A 1998-03-30 1999-03-30 角柱形バッテリ Pending JP2000067821A (ja)

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EP98105759A EP0948064B1 (fr) 1998-03-30 1998-03-30 Accumulateur ou pile prismatique avec container rigide et compressif
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