JP2000067729A - 回路遮断器の引外し装置 - Google Patents

回路遮断器の引外し装置

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JP2000067729A
JP2000067729A JP10229589A JP22958998A JP2000067729A JP 2000067729 A JP2000067729 A JP 2000067729A JP 10229589 A JP10229589 A JP 10229589A JP 22958998 A JP22958998 A JP 22958998A JP 2000067729 A JP2000067729 A JP 2000067729A
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省三 金子
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武司 由良
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    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H71/00Details of the protective switches or relays covered by groups H01H73/00 - H01H83/00
    • H01H71/10Operating or release mechanisms
    • H01H71/12Automatic release mechanisms with or without manual release
    • H01H71/44Automatic release mechanisms with or without manual release having means for introducing a predetermined time delay
    • H01H71/446Automatic release mechanisms with or without manual release having means for introducing a predetermined time delay making use of an inertia mass
    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主回路遮断器と分岐回路遮断器とを接続した
電気回路において、分岐回路遮断器の負荷側での異常電
流発生時に、分岐回路遮断器だけが開路状態となり主回
路遮断器は閉路状態を維持する回路遮断器の引外し装置
を提供する。 【解決手段】 掛止解除時に開閉接点を開離するトリッ
プラッチ機構15と、固定コア18と、固定コア18に
吸引されトリップレバーのラッチ機構15の掛止を解除
させる可動コア19と、可動コア19吸引途中で可動コ
ア19の移動を阻止する動作ピン22と、可動コア19
吸引時に蓄勢される動作ばね23と、動作ピン22を保
持し、動作ばね23が放勢されたとき蹴られて可動コア
19の移動を阻止しない位置まで変位するイナーシャロ
ーラ21とを備える構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電路の電源側に接
続される主回路遮断器とその負荷側に接続される分岐回
路遮断器とからなる電路において、分岐回路遮断器の負
荷側で短絡事故が発生し大きな電流が流れたとき、分岐
回路遮断器だけが遮断状態になるような選択遮断システ
ムに利用される主回路遮断器の引外し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気回路は、一般に図7に示されるよう
に、電源Sに接続される主回路遮断器B1と、この主回
路遮断器B1に接続された互いに並列の関係にある複数
の分岐回路遮断器B2、B3およびB4と、これら分岐
回路遮断器によって制御および保護される負荷機器L
2、L3およびL4とから構成される。これらの回路遮
断器には、通常、瞬時引外し装置が備えられ、短絡電流
のような大きな異常電流が流れたとき、この瞬時引外し
装置がトリップ動作して即座にそれらの開閉接点を開離
させて、異常電流を遮断できるようにしている。
【0003】このような電路において、主回路遮断器B
1と分岐回路遮断器との間の点X1において短絡事故が
発生したときは、主回路遮断器B1の瞬時引外し装置だ
けが動作して瞬時に異常電流が遮断される。このとき
は、主回路遮断器B1が開路状態となり、したがって、
やむを得ないことであるが、いずれの分岐回路にも給電
がされなくなる。
【0004】一方、分岐回路遮断器の負荷側、例えば分
岐回路遮断器B2の負荷側の点X2において短絡事故が
発生したとき、その短絡電流は主回路遮断器B1と分岐
回路遮断器B2に流れる。その結果、分岐回路遮断器B
2だけでなく主回路遮断器B1も開路状態となる。この
ため、事故の発生していない分岐回路遮断器B3および
B4にも給電されなくなり、負荷機器L3およびL4も
動作しなくなる。
【0005】一般に、一分岐回路における事故が原因と
なって、健全な他の分岐回路に接続された負荷機器の動
作が阻害されることはできるだけ避ける必要がある。こ
のため、図7に示す点X2で事故が発生したときは、分
岐回路遮断器B2だけがトリップして、分岐回路遮断器
B3およびB4には給電が維持されるような選択遮断シ
ステムが採用される。
【0006】この選択遮断システムについては、従来か
ら改良された技術が開示されている(例えば、特開平3
−101023号公報)。この従来の技術において使用
されている主回路遮断器B1は、瞬時引外し装置を装着
せず、その代わり、点X2において事故が発生したと
き、分岐回路遮断器B2が異常電流を遮断する極く短い
時間だけ、この主回路遮断器B1が動作しないようにし
た短限時引外し装置を装備している。このため、図7に
示す点X1における異常電流を上記の極く短い時間だけ
流すことができるような構成としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この従来の選択遮断シ
ステムにおける主回路遮断器B1にあっては、点X1に
おける異常電流をできるだけ早く遮断できるように短限
時引外し装置の動作時間をできるだけ短くする必要があ
るため、短限時引外し装置として動作時間にばらつきの
ない電子式引外し装置が用いられていた。しかし、この
電子式引外し装置は高価であるうえに、装置が大形化す
るという問題があった。
【0008】本発明の目的は、選択遮断システムを実現
することができる安価で小形の主回路遮断器の引外し装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、開閉接点を接触および開離さ
せる開閉機構と掛止が解除されたとき開閉機構を動作さ
せて開閉接点を開離するトリップラッチとを有する回路
遮断器の、固定コアと回路を流れる電流が所定の閾値を
超えたとき固定コアに吸引されトリップラッチの掛止を
解除させる可動コアとを備える引外し装置において、可
動コアとの係合手段を備え可動コアが吸引されるとき係
合手段を介して変位する動作部材と、可動コアが吸引さ
れる途中で動作部材の変位を阻止してトリップラッチの
掛止の解除を防止するストッパ手段と、可動コアが吸引
されるとき蓄勢されるとともに、可動コアが復帰すると
き放勢されその放勢力によって動作部材を変位させる動
作ばねと、動作ばねが放勢されたとき変位する動作部材
を元に戻る方向に付勢する復帰ばねとを備え、回路に流
れる電流が低下したとき動作ばねが放勢し、この放勢力
によってストッパ手段によりその変位が阻止されていた
動作部材が、電流が再び閾値を超えたとき再吸引される
可動コアが係合手段と係合することのない位置まで変位
するようにする。
【0010】このような構成により、回路を流れる電流
が最初に閾値を超えたときは可動コアが動作ばねを蓄勢
するとともに係合手段を介して動作部材を変位させなが
ら途中までは吸引される。しかし、動作部材がストッパ
手段によってその変位が阻止されるため、可動コアはト
リップラッチの掛止が解除される位置まで吸引されな
い。この状態において電流が低下して可動コアと固定コ
アの吸引力が弱まったとき、蓄勢されていた動作ばねが
放勢して可動コアの吸引時とは逆方向に動作部材を変位
させる。
【0011】このように動作ばねの放勢によって変位し
た動作部材が、復帰ばねの作用により元の位置に復帰す
るまでに、電流の値が再び閾値を超えて可動コアが再吸
引されたとき、係合手段と係合することがないため可動
コアはストッパ手段の影響を受けることなく十分に移動
してトリップラッチの掛止を解除させて回路遮断器を開
路状態とする。このようにこの引外し装置は、回路電流
が閾値を1回目に超えたときは動作せず2回目に超えた
ときに動作する。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明の動作部材を回転自在に軸支される慣性モーメン
トを有するローラとする。この慣性モーメントを有する
ローラの採用により、動作ばねの放勢によって回転変位
した動作部材の復帰を遅らせる作用を簡単な構造で実現
できる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明の係合手段をローラに偏心して備えられたピンで
あることとしている。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1、2ま
たは3に記載の発明の可動コアをヒンジ形とし、固定コ
アから離れる方向に可動コアを付勢する動作設定ばねを
備えることとしているため、動作ばねによる動作部材の
動作条件の設定と動作設定ばねによる可動コアの動作閾
値の設定とを分離して精密に行うことができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1、2、
3または4に記載の発明の引外し装置を、開閉接点を流
れる電流による電磁力で開閉接点が反発し、電磁力の消
滅または減少によって開閉接点が再接触する電磁反発形
の回路遮断器に備えることとしている。
【0016】このような構成により、最初に閾値を超え
る電流が流れたとき電流が即座に著しく低下し、次に開
閉接点が再接触して2回目に電流が閾値を超えるまでの
インターバルが十分あるため、可動コアが吸引される電
流の閾値を精密に調整する必要がない。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、本発明の
実施例である引外し装置を備えた電磁反発形回路遮断器
を示す図1ないし図4によって説明する。
【0018】図1は、この電磁反発形回路遮断器が閉路
している状態を示している。絶縁成型物製のケース1の
内部には、主回路導電部と、主回路導電部の開閉接点を
開閉操作するトグルリンク機構を有する開閉機構2と、
過電流が流れたとき開閉機構2を動作させて開閉接点を
開離させる引外し装置とが収納されている。また、ケー
ス1からは、開閉機構2を操作するハンドル3が突き出
されている。この実施例の主回路導電部および開閉機構
は、電磁反発形回路遮断器に一般的に使用されているも
のと同様である。
【0019】すなわち、主回路導電部は、入力側端子4
と出力側端子5との間に設けられる固定導体6と、図示
されないばねによって時計方向に付勢されその一端が固
定導体6に接続されている回転自在に保持された反発接
触子7と、反発接触子7と平行に配置された可動接触子
8と、反発接触子7と可動接触子8にそれぞれ備えられ
た開閉接点9と開閉接点10と、引外し導体11と、可
動接触子8と引外し導体11を接続する可とう導体12
とを備える。
【0020】このような主回路導電部の構成により、短
絡等の事故が発生したとき異常電流が逆方向に流れるよ
うに配置された反発接触子7と可動接触子8との間に発
生する電磁反発力のため、反発接触子7が高速で反時計
方向に回転し、開閉接点9と開閉接点10とが開離し、
極めて短い時間で異常電流が遮断される。
【0021】開閉機構2は、図1において、ハンドル3
を時計方向に回転させることによって、可動接触子8を
保持する接触子ホルダ13がホルダ軸25の周りを時計
方向に回転し、開閉接点9と10が開離する。この他、
後述するように、引外し装置が動作したときも、図示さ
れないばねによって反時計方向に付勢されているトリッ
プシャフト14が時計方向に回転し、トリップラッチ機
構15が動作し、トリップレバー16が反時計方向に回
転して、図4に示されるように、開閉機構2が動作し、
開閉接点9と10が開離する。なお、開離した開閉接点
はハンドル3を操作することによって再び接触させるこ
とができる。
【0022】トリップシャフト14を回転させる引外し
装置は、熱的に動作するものと磁気的に動作するものと
を備えている。熱的に動作するものは、過電流が流れた
とき引外し導体11において発生する所定値以上のジュ
ール熱によってバイメタル17が引外し導体11の逆U
字状曲折部を基点として右方向に湾曲し、その先端がト
リップシャフト14を押して時計方向に回転させる。こ
の熱的に動作するものは、本発明の主要部ではない。
【0023】一方、磁気的に動作するものは、固定コア
18とフレーム20に回転自在に軸支される可動コア1
9と可動コア19を時計方向に付勢する設定ばね24を
有する電磁石を備える。可動コア19には図1の上方か
ら見たときコ字状に見える吸引部19aが備えられ、引
外し導体11はこの吸引部19aと固定コア18によっ
て取り囲まれている。
【0024】フレーム20には、その先端部のイナーシ
ャローラ保持腕20aにイナーシャローラ21が回転自
在に備えられ、このイナーシャローラの回転軸の周りに
は、ねじりばね製の動作ばね23が設けられている。こ
の動作ばね23の一方の腕23bはイナーシャローラ保
持腕20aに接触し、他方の腕23aはフレームの直立
部に接触している。
【0025】イナーシャローラ21は図示されない復帰
ばねによって時計方向に付勢されているが、イナーシャ
ローラ21に取り付けられた動作ピン22が動作ばねの
他方の腕23aと接触することによって、イナーシャロ
ーラ21の時計方向の回転が阻止されている。
【0026】このような本発明の実施例の引外し装置を
備えた電磁反発形回路遮断器が主回路遮断器として使用
されたときの動作を次に説明する。
【0027】可動コア19の吸引部19aが固定コア1
8から開離している図1の状態において、分岐回路遮断
器の負荷側で短絡等事故が発生しこの回路遮断器に大き
な交流電流が流れると、その電流の瞬時値が所定の閾値
を超えたとき発生する磁束により吸引部19aが固定コ
ア18に吸引され、可動コア19が反時計方向に回転す
る。この反時計方向の回転中、可動コア19の先端部が
動作ピン22を押し、動作ピン22が他方の腕23aを
押して動作ばね23を蓄勢しながらイナーシャローラ2
1を時計方向に回転させる。しかし、図2に示すよう
に、可動コアの吸引部19aが固定コア18に吸着され
るまでに動作ピン22がイナーシャローラ保持腕20a
と接触してイナーシャローラ21の回転が阻止され、可
動コア19の先端部がトリップシャフト14の動作腕1
4aを押して回転させるまでにはいたらない。すなわ
ち、異常電流が電磁石を動作させる閾値を超える場合で
あっても、閾値を超えるのが1回目であるならば(1回
目に閾値を超える電流を、以下、FIRST PEAK
という。)この引外し装置は動作しない。
【0028】一方、分岐回路遮断器は、可動コア19や
設定ばね24や固定コア18に相当する部材を備えてい
るがイナーシャローラ21や動作ピン22や動作ばね2
3に相当する部材を備えていないため、異常電流が閾値
を超えると瞬時にトリップシャフト14に相当する部材
を回転させてその開閉機構を動作させて異常電流を遮断
する。そして、再び閉路操作をしないかぎり電流が流れ
ることはない。
【0029】主回路遮断器や分岐回路遮断器の引外し装
置の動作の閾値は、可動コアの吸引部19aと固定コア
18の隙間の大きさや設定ばね24のばね力などによっ
て定まり、主回路遮断器の閾値は分岐回路遮断器の閾値
よりも大きく設定されるため、主回路遮断器の可動コア
19が固定コア18に吸引されるような電流が流れたと
きは、分岐回路遮断器の引外し装置は必ず動作する。
【0030】次に、短絡等の事故が主回路遮断器と分岐
回路遮断器との間、すなわち図7の点X1で発生した場
合について説明する。
【0031】まず、FIRST PEAKにより引外し
装置は前述と同様に図1から図2と同様の動作をする。
しかし、電磁反発により開閉接点が開離して電流がすぐ
に零または零近くになるため、吸引力が低下して設定ば
ね24の作用力と動作ばね23の放勢力によって可動コ
ア19が時計方向に復帰回転する。この動作ばね23が
放勢するとき、図3のごとく他方の腕23aが動作ピン
22を蹴ってイナーシャローラ21を反時計方向に回転
させ、この回転力とイナーシャローラ21の復帰ばねの
作用力が等しくなってからイナーシャローラ21は時計
方向に復帰回転する。
【0032】しかし、イナーシャローラ21が図1の状
態に復帰するまでに、反発して回転していた反発接触子
7が電流が零または零近くになったことにより反発力が
低下して時計方向に復帰回転し、開閉接点9と開閉接点
10が再接触する。この再接触により、再び閾値を超え
る異常電流が流れて可動コア19が固定コア18に吸引
され反時計方向に回転する事態が生じたとする。このよ
うに、閾値を超える異常電流がわずかの時間の間隔を持
って2回流れたときは(2回目に閾値を超えた電流を、
以下、SECOND PEAKという。)、動作ピン2
2が可動コア19の回転を阻止する位置まで復帰してい
ないため可動コア19の先端部がトリップシャフトの動
作腕14aを押して回転させる。
【0033】この結果、図4のように、電磁反発力によ
って開閉接点9と10が開離して異常電流が遮断される
が、本発明の引外し装置の動作により開閉機構2も動作
するためハンドル3を操作して再閉路操作を行わない限
り電流が再び流れることはない。このとき、この電磁反
発形回路遮断器に流れる電流の波形が図5に示されてお
り、閾値を超える電流が短い間隔で2回流れたときは、
FIRST PEAKでは動作しないがSECOND
PEAKではこの引外し装置が必ず動作し、トリップラ
ッチ15の掛止が解除される。なお、この図において一
点鎖線で描かれた波形は遮断されない場合の異常電流を
示している。実線の波形は、反発接触子による開離の効
果も含めて、遮断され小さくされた電流を示す。
【0034】このように、SECOND PEAKが流
れるまでにイナーシャローラ21が図1の状態に復帰回
転しないように、本実施例ではイナーシャローラ21を
その慣性が期待できる程度の重量を有する部材、すなわ
ち一定以上の慣性モーメントを有する部材で構成してい
るが、復帰回転を遅らすことができれば、エスケープメ
ント機構のような他の方法によってもよい。
【0035】本実施例の引外し装置は、電磁反発形でな
い主回路遮断器に装着しても選択遮断機能を発揮するこ
とができる。すなわち、分岐回路遮断器の負荷側で短絡
事故が発生したときは、上記と同様に主回路遮断器の引
外し装置はFIRST PEAK電流では動作せず、分
岐回路遮断器の引外し装置が動作して短絡電流が遮断さ
れる。
【0036】次に、電磁反発形でない主回路遮断器と分
岐回路遮断器との間で、すなわち図1の点X1で事故が
発生したときの動作について説明する。このとき主回路
遮断器に流れる電流の波形は図6に示すとおりである。
FIRST PEAK電流が流れたとき、上述と同様
に、A時点で可動コア19が固定コア18に吸引される
が動作ピン22によってその回転が阻止され、電流が閾
値以下になったB時点で可動コア19が時計方向に復帰
回転して動作ばね23が動作ピン22を蹴ってイナーシ
ャローラ21を回転させる。しかし、電流が再び増加し
て閾値を超えるC時点に達するまでに、動作ピン22が
可動コア19と係合できる位置までイナーシャローラ2
1がその慣性モーメントにより回転復帰しない。このた
め、C時点でSECOND PEAKが流れたときは可
動コア19が動作ピン22によって阻止されることなく
固定コア18に吸着されトリップラッチ15の掛止を解
除する。このように、この回路遮断器では、FIRST
PEAKとSECONDPEAKとの間で電流は零に
はならないが、電磁反発形回路遮断器の場合と同様に開
閉機構が動作して電路を開路する。
【0037】なお、本実施例の引外し装置を電磁反発形
回路遮断器に搭載した場合は、分岐回路遮断器の負荷側
で事故が発生したとき選択遮断機能が発揮されるととも
に、分岐回路遮断器の負荷側で事故が発生したとき、主
回路遮断器の接点と分岐回路遮断器の接点がほぼ同時に
開離するため、より大きな異常電流を協調して遮断でき
るという効果も生じる。
【0038】
【発明の効果】本発明による引外し装置を装着した回路
遮断器を主回路遮断器として採用した電気回路において
は、引外し装置の動作の閾値を超える電流が1回流れて
もこの回路遮断器は開路状態とならない。このため、分
岐回路遮断器の負荷側で事故が起きたとき、異常電流に
よって分岐回路遮断器だけが開路し、他の分岐回路遮断
器には給電を維持できるという選択遮断システムを、小
形、安価かつ簡単な構成の主回路遮断器によって実現で
きるという効果を奏する。
【0039】さらに、電磁反発形の回路遮断器にこの引
外し装置を搭載したときは、選択遮断性能を有するとと
もに、主回路遮断器と分岐回路遮断器の双方の開閉接点
が開離するため、より大きな短絡電流を遮断することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である回路遮断器の引外し装置
を電磁反発形回路遮断器に取り付けたときの閉路状態に
おける側面図である。
【図2】本発明の実施例である回路遮断器の引外し装置
の動作を説明する図である。
【図3】本発明の実施例である回路遮断器の引外し装置
の動作を説明する図である。
【図4】本発明の実施例である回路遮断器の引外し装置
の動作を説明する図である。
【図5】図2ないし図4の回路遮断器の引外し装置の動
作時に回路遮断器に流れる電流の波形図である。
【図6】本発明の実施例である回路遮断器の引外し装置
を電磁反発形でない回路遮断器に取り付けたとき、回路
遮断器に流れる電流の波形図である。
【図7】回路遮断器が接続された一般的な電気回路図で
ある。
【符号の説明】
1 ケース 2 開閉機構 3 ハンドル 4 入力側端子 5 出力側端子 6 固定導体 7 反発接触子 8 可動接触子 9 開閉接点 10 開閉接点 11 引外し導体 12 可とう導体 13 接触子ホルダ 14 トリップシャフト、 14a 動作腕 15 トリップラッチ機構 16 トリップレバー 17 バイメタル 18 固定コア 19 可動コア、 19a 吸引部 20 フレーム、 20a イナーシャローラ保持腕 21 イナーシャローラ 22 動作ピン 23 動作ばね、 23a 他方の腕、 23b 一方
の腕 24 設定ばね 25 ホルダ軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉接点を接触および開離させる開閉機
    構と掛止が解除されたとき前記開閉機構を動作させて前
    記開閉接点を開離するトリップラッチとを有する回路遮
    断器の、固定コアと回路を流れる電流が所定の閾値を超
    えたとき前記固定コアに吸引され前記トリップラッチの
    掛止を解除させる可動コアとを備える引外し装置におい
    て、 前記可動コアとの係合手段を備え前記可動コアが吸引さ
    れるとき前記係合手段を介して変位する動作部材と、 前記可動コアが吸引される途中で前記動作部材の変位を
    阻止して前記トリップラッチの掛止の解除を防止するス
    トッパ手段と、 前記可動コアが吸引されるとき蓄勢されるとともに、前
    記可動コアが復帰するとき放勢されその放勢力によって
    動作部材を変位させる動作ばねと、 前記動作ばねが放勢されたとき変位する前記動作部材を
    元に戻る方向に付勢する復帰ばねとを備え、 前記回路に流れる電流が低下したとき前記動作ばねが放
    勢し、この放勢力によって前記ストッパ手段によりその
    変位が阻止されていた前記動作部材が、前記電流が再び
    前記閾値を超えたとき再吸引される前記可動コアが前記
    係合手段と係合することのない位置まで変位することを
    特徴とする回路遮断器の引外し装置。
  2. 【請求項2】 前記動作部材は、回転自在に軸支される
    慣性モーメントを有するローラであることを特徴とする
    請求項1に記載の回路遮断器の引外し装置。
  3. 【請求項3】 前記係合手段は前記ローラに偏心して備
    えられたピンであることを特徴とする請求項2に記載の
    回路遮断器の引外し装置。
  4. 【請求項4】 前記可動コアはヒンジ形であり前記固定
    コアから離れる方向に前記可動コアを付勢する動作設定
    ばねを備えることを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の回路遮断器の引外し装置。
  5. 【請求項5】 前記回路遮断器は前記開閉接点を流れる
    電流による電磁力で該開閉接点が反発し、前記電磁力の
    消滅または減少によって前記開閉接点が再接触する電磁
    反発形であることを特徴とする請求項1、2、3または
    4に記載の回路遮断器の引外し装置。
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