JP2000067442A - 光ヘッドアクチュエ−タ - Google Patents

光ヘッドアクチュエ−タ

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JP2000067442A
JP2000067442A JP10233872A JP23387298A JP2000067442A JP 2000067442 A JP2000067442 A JP 2000067442A JP 10233872 A JP10233872 A JP 10233872A JP 23387298 A JP23387298 A JP 23387298A JP 2000067442 A JP2000067442 A JP 2000067442A
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lens holder
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JP10233872A
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Kokichi Terajima
厚吉 寺嶋
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Akai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】対物レンズの傾斜やディスクの反り等の光軸傾
斜に起因する収差を補正し、安定した信号検出可能な光
ヘッドアクチュエ−タの提供。 【解決手段】XYZ直交座標系において、XY平面とほ
ぼ平行に配設されたディスク面に対向する対物レンズ
と、それを保持するレンズホルダと、これを全体として
ほぼX軸方向に延在する複数のばね部材を介して変位可
能に支持する支持体と、レンズホルダをほぼY軸方向お
よびZ軸方向へそれぞれ移動させる第一の電磁駆動手段
とを備えている。支持体は、2つの分岐部分を有する固
定部材と、ほぼX軸方向に延在する一対の第一のヒンジ
を介して固定部材の各分岐部分にそれぞれ連結され、か
つほぼY軸方向に延在する一対の連結部材と、ほぼX軸
方向に延在する一対の第二のヒンジを介して一対の連結
部材の両端近傍で連結され、かつ第一のヒンジを支点と
してY軸方向又はZ軸方向に相互に連動して変位可能な
一対の支持部材で構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンパクトディ
スク(CD)、ディジタルバ−サタイルディスク(DV
D)等の光ディスクや、ミニディスク(MD)等の光磁
気ディスク等の記録媒体に対して情報の記録や再生を行
なうのに用いる光ヘッドアクチュエ−タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光ヘッドアクチュエ−タとして
は、例えば図13に示すようなものがある。このような光
ヘッドアクチュエ−タは、いわゆる4ワイヤ支持型のム
−ビングコイル方式のもので、支持部材1Aの固定され
たベ−ス部材1B側には、例えば、Nd−Fe−B合金
等よりなる駆動用永久磁石2が配設され、また支持部材
1Aには、例えばCu−Be合金、Cu−P合金等より
なる4本の弾性部材、即ちばね部材3が例えば長方形の
頂点のような所定の間隔を隔てた位置において支持され
ており、それぞれのばね部材3はレンズホルダ4に向け
て延在し、その自由端においてレンズホルダ4を懸架支
持しており、このレンズホルダ4に保持される対物レン
ズ5をフォ−カス方向(Z軸方向)およびトラッキング
方向(Y軸方向)とにそれぞれ移動可能とする構造とな
っている。
【0003】レンズホルダ4の駆動手段としては、駆動
用永久磁石2とトラッキングコイル6およびフォ−カシ
ングコイル7とが用いられ、図14においてはこのような
駆動手段の要部が斜視図で詳細に示される。2つの駆動
用永久磁石2は空隙を介して対向しており、それぞれの
背面側の磁極が、例えば鉄、ニッケル、コバルトあるい
はこれらを含む合金、もしくはフェライト等よりなり、
断面がほぼU字形をなす軟質磁性ヨ−ク8によって連結
されている。そして、記録媒体としてのディスク(図示
を省略)の所定情報ピットの中心線上に対物レンズ5の
光軸を位置させる目的で、対物レンズ5をトラック幅方
向(Y軸方向)に駆動するためのトラッキングコイル6
と、ディスクの情報ピット面に合焦させる目的で、対物
レンズ5をフォ−カシング方向(Z軸方向)に駆動する
ためのフォ−カシングコイル7とが、それぞれ樹脂等か
らなるボビン11に巻回されている。ボビン11はそれ
ぞれのコイルが2つの駆動用永久磁石2の対向する磁極
の間に位置するようにレンズホルダ4に嵌合、固定され
ている。
【0004】ここで、トラッキングコイル6に通電する
と、Z軸方向に流れる電流と駆動用永久磁石2によるX
軸方向を向いた磁場との相互作用により、トラッキング
コイル6にはY軸方向の力が作用するようになる。その
結果、そのY軸方向の力はレンズホルダ4ひいては対物
レンズ5をディスクのトラック幅方向に平行に変位させ
ることができる。同様に、フォ−カシングコイル7に通
電すると、Y軸方向に流れる電流と駆動用永久磁石2に
よるX軸方向を向いた磁場との相互作用により、フォ−
カシングコイル7にはZ軸方向の力が作用するようにな
るので、その結果、そのZ軸方向の力はレンズホルダ4
ひいては対物レンズ5をZ軸方向、即ちディスクの記録
面に直交する光軸方向に平行に変位させることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した光ヘッドアク
チュエ−タは、4本のばね部材3による懸架支持構造が
とられており、このため、例えば他の代表的な支持構造
である軸摺動型の光ヘッドアクチュエ−タのようにレン
ズホルダの変位に際して軸部分との摩擦を生じることが
なく、滑らかで分解能の高い駆動が可能となるものの、
軸のように安定した案内がないためにX軸と平行な軸線
周りに回転し易い構造となっている。例えば、トラッキ
ングコイル6やフォ−カシングコイル7による駆動力の
中心が対物レンズ5等を含むレンズホルダ4全体の重心
からずれていたり、ばね部材3による支持中心からずれ
ていたりすると、トラッキング方向やフォ−カシング方
向の駆動力と、重力や弾性部材の復元力との間でトルク
が生じるので、レンズホルダ4はX軸と平行な軸線周り
に回転してしまう。また、レンズホルダ4に駆動力の作
用しないニュ−トラル位置において、これらトラッキン
グ方向やフォ−カシング方向の駆動力の中心と、レンズ
ホルダ4全体の重心や弾性部材3による支持中心とを一
致させておいても、トラッキング方向やフォ−カシング
方向に駆動力を印加してレンズホルダ4をニュ−トラル
位置から移動させると、駆動用永久磁石2に対するこれ
らのトラッキングコイル6やフォ−カシングコイル7の
相対位置が変化するので、これらの駆動力の中心の位置
がレンズホルダ4内で変動する。このような場合にもト
ラッキングコイル6やフォ−カシングコイル7による駆
動力によってレンズホルダ4はX軸と平行な軸線周りに
回転してしまうこともある。更に、ディスクの反り等の
変形や、固定の不具合により光ヘッドの光軸に対してデ
ィスク面がラジアル方向に傾斜することも少なくない。
【0006】このような光軸の傾斜が発生すると、レ−
ザ−光の波面にはコマ収差をはじめ種々の収差が引き起
こされることになる。収差が発生すると、ディスク面に
照射されるレ−ザ−光のスポットにサイドロ−ブができ
て隣接トラックからのクロスト−クが生じ易くなった
り、トラックオフセットが生じるため適切なトラック制
御ができなくなったり、更にレ−ザ−光のディスク面か
らの反射強度の低下に伴う情報読み取り信号レベルの低
下等が生じるので光ヘッドの性能としてのS/N比が低
下するという問題がある。
【0007】この発明は上述した従来の問題点に着目し
てなされたもので、その目的とするところは、対物レン
ズの傾斜やディスクの反り等の光軸傾斜に起因する収差
を補正し、安定した信号検出が可能な光ヘッドアクチュ
エ−タを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の請求項1に記載の光ヘッドアクチュエ−
タは、XYZ直交座標系において、XY平面とほぼ平行
に配設されたディスク面に対向する対物レンズと、その
対物レンズを保持するレンズホルダと、このレンズホル
ダを全体としてほぼX軸方向に延在する複数のばね部材
を介して変位可能に支持する支持体と、レンズホルダを
ほぼY軸方向およびZ軸方向へそれぞれ移動させる第一
の電磁駆動手段とを備え、支持体は、2つの分岐部分を
有する固定部材と、ほぼX軸方向に延在する一対の第一
のヒンジを介して固定部材の各分岐部分にそれぞれ連結
され、かつほぼY軸方向に延在する一対の連結部材と、
ほぼX軸方向に延在する一対の第二のヒンジを介して一
対の連結部材の両端近傍において連結され、かつ第一の
ヒンジを支点としてY軸方向もしくはZ軸方向のいずれ
かの方向に相互に連動して変位可能な一対の支持部材と
から構成され、二対以上のばね部材がY軸方向およびZ
軸方向のそれぞれの方向に所定間隔を隔てて一対の支持
部材により支持されており、更に支持部材をY軸方向も
しくはZ軸方向のいずれかの方向に移動させるための第
2の電磁駆動手段を備えていることを特徴とする。
【0009】さらに、この発明の請求項2に記載の光ヘ
ッドアクチュエ−タは、XYZ直交座標系において、X
Y平面とほぼ平行に配設されたディスク面に対向する対
物レンズと、その対物レンズを保持するレンズホルダ
と、このレンズホルダを全体としてほぼX軸方向に延在
する複数のばね部材を介して変位可能に支持する支持体
と、レンズホルダをほぼY軸方向およびZ軸方向へそれ
ぞれ移動させる第一の電磁駆動手段とを備え、支持体
は、2つの分岐部分を有する固定部材と、ほぼX軸方向
に延在する一対の第一のヒンジを介して前記固定部材の
各分岐部分にそれぞれ連結され、かつほぼY軸方向に延
在する支持部材を兼ねる一対の第一の連結部材と、ほぼ
X軸方向に延在する一対の第二のヒンジを介して支持部
材を兼ねる一対の第一の連結部材のそれぞれの両端近傍
において連結され、かつ第一のヒンジを支点としてY軸
方向もしくはZ軸方向のいずれかの方向に相互に連動し
て変位可能な一対の第二の連結部材とから構成され、二
対以上のばね部材がY軸方向およびZ軸方向のそれぞれ
の方向に所定間隔を隔てて支持部材を兼ねる一対の第一
の連結部材により支持され、更に第二の連結部材をY軸
方向もしくはZ軸方向のいずれかの方向に移動させるた
めの第2の電磁駆動手段を備えていることを特徴とす
る。
【0010】請求項1または請求項2に記載の発明にお
いて、第2の電磁駆動手段は、固定部材側においてY軸
もしくはZ軸に平行な軸周りに巻回されて配設されたソ
レノイドコイルと、一対の支持部材もしくは一対の第二
の連結部材のそれぞれに配設された、磁化方向を同一と
した永久磁石とから構成されることを特徴とする。ま
た、請求項1または請求項2に記載の発明において、第
一のヒンジがレンズホルダ側の重心を通る平面上に形成
されることを特徴とする。
【0011】また、請求項1に記載の発明において、固
定部材と、第一のヒンジと、一対の連結部材と、第二の
ヒンジと、一対の支持部材とが一体的に形成されること
を特徴とする。
【0012】さらにまた、請求項2に記載の発明におい
て、固定部材と、第一のヒンジと、支持部材を兼ねる一
対の第一の連結部材と、第二のヒンジと、一対の第二の
連結部材とが一体的に形成されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て添付図面を参照にして説明する。図1はこの発明の第
一の実施形態を示す概略的斜視図、図2(A)、
(B)、(C)はそれぞれ、この発明の要部の構成を説
明するための図であり、(A)はレンズホルダ側から見
た正面図、(B)は横断面図および(C)は縦断面図で
あり、図3はこの発明の動作説明図である。尚、図13お
よび図14に示すような従来例と同様の部分は簡略化のた
め省略している。
【0014】図1において、符号16はXYZ座標系にお
いてY軸方向に延在する固定部材であり、レンズホルダ
4に隣接する一方の端部は駆動用永久磁石(図示せず)
が配設されたベ−ス部材(図示せず)に保持されるべく
YZ平面にほぼ平行な平面接続部に形成され、他方の端
部はその接続部からX軸に平行な方向に延在し、Z軸と
ほぼ平行な方向に対面配置される、断面がほぼコ字形の
二股分岐部16Aおよび16Bに形成されている。これらの
分岐部16Aおよび16Bに挟まれた空間には後述するソレ
ノイドコイル19が巻回されたボビン18がX軸方向から挿
入配置され、各分岐部に16Aおよび16Bに担持されてい
る。このような固定部材16の各分岐部分16Aおよび16B
のそれぞれに対して、ほぼX軸方向に延在する一対の第
一のヒンジ12を介してほぼY軸方向に延在する一対の連
結部材13Aが連結されている。そして各連結部材13Aの
両端近傍にはそれぞれほぼX軸方向に延在する一対の第
二のヒンジ14が形成され、これらの第二のヒンジ14を介
してほぼX軸方向に延在する一対の支持部材15Aにその
両端近傍で接続されている。従って、一対の連結部材13
Aと一対の支持部材15Aは交互にそれらの両端近傍にお
いて第二のヒンジ14を介して連結されているので、一対
の連結部材13Aは相互の平行な位置関係を維持しなが
ら、第一のヒンジ12を中心としてX軸と平行な軸周りに
連動して傾斜可能であり、また一対の支持部材15Aはそ
れぞれZ軸と平行な位置関係を維持しながら互に反対方
向に連動して平行移動させることができるように構成さ
れる。
【0015】固定部材16 (16A,16B) や一対の連結部
材13Aや一対の支持部材15Aは、レンズホルダ4を変位
可能に支持する支持体を構成するが、これらの一連の連
鎖した部材だけでなくそれらを連結する第一のヒンジ12
および第二のヒンジ14も、例えば樹脂等の同一素材によ
り一体的に形成することができる。その際、第一のヒン
ジ12および第二のヒンジ14は連結部材13Aや支持部材15
Aに比して十分に薄肉化されていて変形自由な構造とす
る。この他、第一および第二のヒンジ12、14と連結部材
13Aおよび支持部材15Aとは、例えばそれぞれ軟質樹脂
と硬質樹脂との組合せにする等して相互に異なる素材か
ら形成する方法を採用してもよい。
【0016】上述した固定部材16の分岐部16Aおよび16
Bにおいて担持されたボビン18の外周にはZ軸と平行な
軸周りに、例えば直方体形状に、ソレノイドコイル19が
巻回されている。そして、このソレノイドコイル19を挟
んで対向する一対の支持部材15Aの側壁にはX軸と平行
な同一向きに磁化された一対のチルト駆動用永久磁石17
が固定されている。図2(A)に示すように、ソレノイ
ドコイル19のX軸と平行な対辺位置のコイル線分19aは
それぞれチルト駆動用永久磁石17に対向接近することに
なり、通電することによって、例えば矢印20で示すよう
に一対のチルト駆動用永久磁石17のそれぞれに対してZ
軸と平行で互に逆向きの駆動力を与えることができる。
このような構成によれば、ソレノイドコイル19の巻回線
材の往路および復路である対辺位置のコイル線分19aの
両者を駆動に利用できるため、駆動効率が高く、電力消
費が少ない。さらに、チルト駆動用永久磁石17の磁化方
向を揃えているため、チルト駆動用永久磁石17の相互間
で常にニュ−トラル角に引き戻す方向に吸引力が作用し
ており、後述するばね部材31の復元力によるニュ−トラ
ル角への復帰性に加え、ニュ−トラル角をより安定的に
得やすい特徴を有する。
【0017】このように構成された一対の支持部材15A
のそれぞれにばね部材31の対のそれぞれが二対以上支持
され、ばね部材31は、個々がX軸と平行である必要はな
いが、全体としてX軸方向に延在するように支持する。
ばね部材31は、例えば、Cu−Be合金、Cu−P合金等によ
り断面形状を長方形や円形に形成した線状のばねにより
構成されている。このばね部材31の先端側にはレンズホ
ルダ4が懸架支持されており、従来例と同様に、レンズ
ホルダ4を図示しない電磁駆動手段によってフォーカシ
ング方向やトラッキング方向へ移動させることができ
る。そして、ソレノイドコイル19に通電してチルト駆動
し、連鎖構造の一部をなす一対の連結部材13Aと一対の
支持部材15Aとをニュートラル角から移動させても、ば
ね部材31の変形に伴う復元力によりこれら連鎖構造の一
部をなす一対の連結部材13Aと一対の支持部材15Aとを
ニュートラル角に戻すことができる。
【0018】さらに、第一のヒンジ12は、連結部材13A
の中央近傍の、特にレンズホルダ4側の対物レンズ5そ
の他の構成部材の全質量やチルト駆動用永久磁石17の質
量等に対する外部からの加速度によるX軸と平行な軸周
りの回転トルクが零となる位置、すなわちこれらの総合
的な重心を通りZX面に平行な平面上に形成する。これ
により、使用時における姿勢や衝撃等の重力を含む加速
度の有無に関わりなく所定のチルト角を安定的に維持す
ることができる。また、第一のヒンジ12が連結部材13A
の中央近傍に設けられているので、連結部材13Aを所定
量傾斜させるためのそれぞれの端部の移動を小さくする
ことができ、これによって連結部材13Aや支持部材15A
等の可動部のZ軸方向の空間を大きく占有することを回
避できる。
【0019】このように形成された光ヘッドアクチュエ
−タは、以下の如く動作する。例えば、ばね部材31をそ
れぞれX軸と平行な方向に延在するように形成した場合
を例にとって説明する。すなわち、各々のばね部材31の
Y軸周りの断面二次モーメントをIF 、Z軸周りの断面
二次モーメントをIT 、X軸周りの断面二次極モーメン
トをIP 、また、ばね部材31のY軸方向の相互間隔を
w、ばね部材31のZ軸方向の相互間隔をhとし、YZ平
面と平行なそれぞれの平面上における、支持中心を貫く
X軸と平行な軸XO (支持中心軸) 上をそれぞれ原点と
する。
【0020】支持部材15Aを移動させないニュートラル
状態においては、ばね部材31と支持部材15Aとの四個所
の接続部(yH1,zH1),(yH2,zH2),(yH3,zH3),(yH4,zH4)
は、それぞれ(w/2, h/2), (-w/2, h/2), (-w/2, -h/2),
(w/2, -h/2)であり、重力等による撓みを無視すれば、
ばね部材31とレンズホルダ4との四個所の接続部である
(yL1,zL1),(yL2,zL2),(yL3,zL3),(yL4,zL4) も上述の座
標と同様にそれぞれ(w/2, h/2), (-w/2, h/2), (-w/2,
-h/2), (w/2, -h/2)となる。ここで、図3に示すように
対となる支持部材15Aをチルト駆動用永久磁石17により
反対方向に支持中心軸XO を基準としてそれぞれδz/2
ずつ平行移動させてばね部材31との接続部をZ軸方向に
相互差δz だけ微小変位させ、ばね部材31と支持部材15
Aとの接続部(yH1,zH1),(yH2,zH2),(yH3,zH3),(yH4,
zH4) をそれぞれ[w/2,(h+δz)/2], [-w/2,(h-δz)/2],
[-w/2, -(h-δz)/2], [w/2, -(h+δz)/2]としたとき
に、ばね部材31とレンズホルダ4との接続部(yL1,zL1),
(yL2,zL2),(y L3,zL3),(yL4,zL4) の(w/2, h/2), (-w/2,
h/2), (-w/2, -h/2), (w/2, -h/2)から変位してトルク
の釣り合うようになる位置を求める。
【0021】平行移動に伴ってばね部材31は支持中心軸
O 周りの撓みと捩りとを生じる。これにより、レンズ
ホルダ4を支持中心軸XO 周りに傾斜させることができ
る。このときの支持部材15Aの支持中心に対する平行移
動量をそれぞれ±δz/2 、その結果としてのレンズホル
ダ4の支持中心軸XO 周りの回転をθ (ラジアン) とし
て、これに伴う各支持部材15Aの撓みおよび捩れによる
トルクのつりあいを考える。ばね部材31のレンズホルダ
4との接続部(yL1,zL1),(yL2,zL2),(yL3,zL3),(yL4,
zL4) はそれぞれ (rcos[θ+α],rsin[θ+α]),(rc
os[θ+π−α],rsin[θ+π−α]), (rcos[θ+π
+α],rsin[θ+π+α]),(rcos[θ−α],rsin[θ−
α])に移動する。ここで、
【数1】
【数2】 である。
【0022】ばね部材31の撓みと復元力による生じるト
ルクをばね部材31による力の方向をY方向とZ方向とに
分けて求める。ばね部材31の縦弾性係数をE、剪断弾性
係数をGとして、ばね部材31とレンズホルダ4との接続
部(yL1,zL1) におけるトルクは、ばね部材31のY方向の
復元力により
【数3】 となる。また、ばね部材31のZ方向の復元力により
【数4】 のトルクを発生する。同様にばね部材31とレンズホルダ
4との他の接続部(yL2,z L2),(yL3,zL3),(yL4,zL4) にお
けるトルクも、ばね部材31のY方向の復元力により、そ
れぞれ
【数5】
【数6】
【数7】 となり、さらにばね部材31のZ方向の復元力により、そ
れぞれ
【数8】
【数9】
【数10】 となる。
【0023】さらにレンズホルダがθだけ傾斜したと
き、ばね部材31も両端間で同じ角度だけ捩れているの
で、それぞれ捩りトルク
【数11】 を生じる。そしてこれら全体のトルクがつりあうため、
【数12】 とが成り立つことになる。従って、支持部材15Aの平行
移動によってレンズホルダ4の傾斜する角度は
【数13】 となることがわかる。
【0024】図4は、ばね部材31の断面形状が正方形を
なす場合を例にとり、w=12(mm)、h=4(mm)、l=10
(mm)として、δz を変化させたとき、すなわち平行移動
させたときの対物レンズ5の回転角θを示したもので、
微小変位δz に対してほぼ比例的にレンズホルダ4を傾
斜できることが示されている。
【0025】図5は、h=4(mm)、l=10(mm)、δz =
0.5(mm) として、ばね部材31間のトラッキング方向にお
ける相互間隔wを変化させたときの対物レンズ5の回転
角θを示したもので、レンズホルダ4の傾斜を効率的に
生じさせうる相互間隔wが存在することがわかる。図
中、破線で示した曲線は連結部材13Aの傾斜を示すもの
である。
【0026】図6は、w=12(mm)、l=10(mm)、δz =
0.5(mm) として、ばね部材31間のフォーカシング方向に
おける相互間隔hを変化させたときの対物レンズ5の回
転角θを示したものである。
【0027】図7は、h=4(mm)、w=12(mm)、l=10
(mm)、δz =0.5(mm) 、ばね部材31の断面を長方形とし
て、そのフォーカシング方向の厚さbとトラッキング方
向の幅aとの矩形比b/aを変化させたときの対物レン
ズ5の回転角θを示したもので、矩形比b/aを増加す
ることにより対物レンズ4の傾斜角を大きくできること
が示されている。
【0028】図8は、この発明の第二の実施形態を示す
概略的斜視図、図9(A)、(B)、(C)はそれぞ
れ、この実施形態による発明の要部の構成を説明するた
めの図であり、(A)はレンズホルダ側から見た正面
図、(B)は横断面図および(C)は縦断面図であり、
図10はこの発明の動作説明図である。なお、図13および
図14に示すような従来例と同様の部分は簡略化のため省
略している。
【0029】この実施形態における固定部材16は、図8
に示すように、レンズホルダ4に隣接する一方の端部は
YZ平面にほぼ平行でありかつほぼY軸に平行な方向に
延在する平面、即ち垂直壁に形成され、その垂直壁は両
端近傍においてZ軸に平行な方向に曲げられており、図
示を省略した駆動用永久磁石が配設されるベ−ス部材に
よって保持されている。固定部材16の他の端部は第一の
実施形態と同じく、X軸に平行な方向に延在しZ軸とほ
ぼ平行な方向に対面配置された、断面がほぼコ字形の二
股分岐部16Aおよび16Bに形成されている。これらの分
岐部16Aおよび16Bに挟まれた空間には、後述するソレ
ノイドコイル19が巻回されたボビン18がX軸方向から挿
入配置され、各分岐部に16Aおよび16Bに担持されてい
る。
【0030】このような固定部材16の各分岐部分16Aお
よび16Bのそれぞれに対して、ほぼX軸方向に延在する
一対の第一のヒンジ12を介してほぼY軸方向に延在する
支持部材を兼ねる一対の第一の連結部材15Bがその中央
近傍において連結されている。そして、支持部材を兼ね
る一対の第一の連結部材15Bの両端近傍にはそれぞれ第
二のヒンジ14が形成され、支持部材を兼ねる一対の第一
の連結部材15Bは第二のヒンジ14を介してZ軸方向に延
在する一対の第二の連結部材13Bに接続される。従っ
て、支持部材を兼ねる一対の第一の連結部材15Bと一対
の第二の連結部材13Bは交互にそれらの両端近傍におい
て第二のヒンジ14を介して連結されているので、一対の
第一の連結部材15Bは相互の平行な位置関係を維持しな
がら、第一のヒンジ12を中心としてX軸と平行な軸周り
に連動して傾斜可能であり、また一対の第二の連結部材
13BはそれぞれZ軸と平行な位置関係を維持しながら互
に反対方向に連動して平行移動させることができるよう
に構成される。
【0031】固定部材16 (16A, 16B) や支持部材を兼
ねる一対の第一の連結部材15Bおよび一対の第2の連結
部材13Bはレンズホルダ4を変位可能に支持する支持体
を構成するが、これらの一連の連鎖した部材だけでなく
それらを連結する第一のヒンジ12および第二のヒンジ14
も、例えば樹脂等の同一素材により一体的に形成するこ
とができる。その際、第一のヒンジ12および第二のヒン
ジ14は第一の連結部材15Bや第二の連結部材13Bに比し
て十分に薄肉化されていて変形自由な構造とする。この
他、第一および第二のヒンジ12、14と支持部材を兼ねる
第一の連結部材15Bおよび第二の連結部材13Bとは、例
えばそれぞれ軟質樹脂と硬質樹脂との組合せにする等し
て相互に異なる素材から形成する方法を採用してもよい
ことは、第一の実施形態と同様である。
【0032】上述した固定部材16の分岐部16Aおよび16
Bにおいて担持されたボビン18の外周にはZ軸と平行な
軸周りに、例えば直方体形状に、ソレノイドコイル19が
巻回されている。そして、このソレノイドコイル19を挟
んで対向する一対の第二の連結部材13Bの側壁にはX軸
と平行な同一向きに磁化された一対のチルト駆動用永久
磁石17が固定されている。図9(A)に示すように、ソ
レノイドコイル19のX軸と平行な対辺位置のコイル線分
19aはそれぞれチルト駆動用永久磁石17に対向接近する
ことになり、通電することによって、例えば矢印20で
示すように一対のチルト駆動用永久磁石17のそれぞれに
対してZ軸と平行で互に逆向きの駆動力を与えることが
できる。このような構成によれば、ソレノイドコイル19
の巻回線材の往路および復路である対辺位置のコイル線
分19aの両者を駆動に利用できるため、駆動効率が高
く、電力消費が少ない。さらに、チルト駆動用永久磁石
17の磁化方向を揃えているため、チルト駆動用永久磁石
17の相互間で常にニュ−トラル角に引き戻す方向に吸引
力が作用しており、後述するばね部材31の復元力による
ニュ−トラル角への復帰性に加え、ニュ−トラル角をよ
り安定的に得やすい特徴を有する。
【0033】このように構成された支持部材を兼ねる一
対の第一の連結部材15Bのそれぞれにばね部材31の対の
それぞれが二対以上支持され、ばね部材31は例えばCu−
Be合金、Cu−P合金等により断面形状を長方形や円形に
形成した線状のばねにより構成されている。このばね部
材31は、個々がX軸と平行である必要はないが、全体と
してX軸方向に延在するように支持する。ばね部材31の
先端側にはレンズホルダ4が懸架支持されており、従来
例と同様に、レンズホルダ4を図示しない電磁駆動手段
によってフォーカシング方向やトラッキング方向へ移動
させることができる。そして、ソレノイドコイル19に通
電してチルト駆動し、連鎖構造をなす支持部材を兼ねる
一対の第一の連結部材15Bと一対の第二の連結部材13B
とをニユートラル角から移動させても、ばね部材31の変
形に伴う復元力によりこれら連鎖構造をなす支持部材を
兼ねる一対の第一の連結部材15Bと一対の第二の連結部
材13Bとをニユートラル角に戻すことができる。
【0034】さらに、第一のヒンジ12は、支持部材を兼
ねる一対の第一の連結部材15Bの中央近傍の、特にレン
ズホルダ4側の対物レンズ5その他の部材の全質量やチ
ルト駆動用永久磁石17の質量等に対する外部からの加速
度によるX軸と平行な軸周りの回転トルクが零となる位
置、すなわちこれらの総合的な重心を通りZX面に平行
な平面上に形成する。これにより、使用時における姿勢
や衝撃等の重力を含む加速度の有無に関わりなく所定の
チルト角を安定的に維持することができる。また、第一
のヒンジ12が支持部材を兼ねる第一の連結部材15Bの中
央近傍に設けられているので、支持部材を兼ねる第一の
連結部材15Bを所定量傾斜させるためのそれぞれの端部
の移動を小さくすることができ、これらよって支持部材
を兼ねる第一の連結部材15Bや第二の連結部材13B等の
可動部のZ軸方向の空間を大きく占有することを回避で
きる。
【0035】このように形成された光ヘッドアクチュエ
−タは、以下の如く動作する。すなわち、チルト駆動に
より支持部材を兼ねる一対の第一の連結部材15Bを、そ
れぞれ第一のヒンジ12を中心にして回転させることがで
きるので、ばね部材31は第一実施形態において説明した
ような平行移動に加えて、捩じりも発生することにな
る。すなわち、第二の連結部材13Bに取り付けたチルト
駆動用永久磁石17によりばね部材31との接続部をZ軸方
向にδz だけ微小に平行移動させると、支持部材を兼ね
る第一の連結部材15Bは、平行移動とともにほぼ
【数14】 だけ回転する。
【0036】これにより、ばね部材31は支持部材を兼ね
る第一の連結部材15Bとの接続部において回転角φの捩
りも加えられる。レンズホルダ4の支持中心軸X0 周り
の回転をθラジアンとして、これに伴う各支持部材15A
の撓みおよび捩れによるトルクのつりあいを考える。
【0037】支持部材を兼ねる第一の連結部材15Bの回
転によってばね部材31がそれぞれ捩られたとすると、各
ばね部材31には捩りモーメント
【数15】 が加えられる。従って、12式にこの捩りモーメントがさ
らに加わった状態でつりあうので、
【数16】 となり、結局レンズホルダ4の傾斜角は、
【数17】 となり、13式よりも大きな値が得られる。すなわち、ば
ね部材31に捩れを生じさせることにより、レンズホルダ
4の傾斜角を増大させることができる。
【0038】図11は、断面形状が正方形をなすばね部材
31を例にとり、w=12(mm)、h=4(mm)、l=10(mm)と
して、ばね部材31を平行移動させつつ捩れをも生じさせ
たときの対物レンズ5の回転角θを示したものであり、
レンズホルダ4の傾斜角を大きくできることが示され
る。
【0039】図12はこの発明の第三の実施形態を示す概
略的斜視図である。なお、図13および図14に示すような
従来例と同様の部分は簡略化のため省略している。この
実施形態における固定部材16はY軸方向に延在している
と共に、レンズホルダ4に隣接する一方の端部は駆動用
永久磁石(図示せず)が配設されたベ−ス部材(図示せ
ず)に保持され、他方の端部はその接続部からX軸に平
行な方向に延在する、断面がほぼコ字形の二股分岐部16
Aおよび16Bに形成されている。これらの分岐部16Aお
よび16Bは前述した第一および第二の実施形態における
分岐部と異なりY軸とほぼ平行な方向に対面配置され、
それらに挟まれた空間には後述するソレノイドコイル19
が巻回されたボビン18がX軸方向から挿入配置され、各
分岐部16Aおよび16Bに担持されている。
【0040】このような固定部材16の分岐部分16Aおよ
び16Bに対してほぼX軸方向に延在する一対の第一のヒ
ンジ12を介してほぼZ軸方向に延在する一対の連結部材
13Aが連結されている。一対の連結部材13Aは分岐部分
16Aおよび16Bを挟んでY軸とほぼ平行な方向に対面配
置され、かつその対向する側壁において分岐部分16Aお
よび16Bに連結されているだけでなく、各連結部材13A
にはZ軸方向の両端近傍においてほぼX軸方向に延在す
る一対の第二のヒンジ14が形成されており、これらの一
対の第二のヒンジ14を介して、Y軸方向に延在する一対
の支持部材15Aにその両端近傍にて接続されている。従
って、一対の連結部材13Aと一対の支持部材15Aは交互
にそれらの両端近傍において第二のヒンジ14を介して連
結されているので、一対の連結部材13Aは相互の平行な
位置関係を維持しながら、第一のヒンジ12を中心として
X軸と平行な軸周りに連動して傾斜可能であり、また一
対の支持部材15AはそれぞれY軸と平行な位置関係を維
持しながら互に反対方向に連動して平行移動させること
ができるように構成される。
【0041】固定部材16 (16A, 16B) や一対の連結部
材13Aや一対の支持部材15Aはレンズホルダ4を変位可
能に支持する支持体を構成するが、これらの一連の連鎖
した部材だけでなくそれらを連結する第一のヒンジ12お
よび第二のヒンジ14も、例えば樹脂等の同一素材により
一体的に形成することができる。その際、第一のヒンジ
12および第二のヒンジ14は連結部材13Aや支持部材15A
に比して十分に薄肉化されていて変形自由な構造とする
ことができること、更に第一および第二のヒンジ12、14
と連結部材13Aおよび支持部材15Aとは、例えばそれぞ
れ軟質樹脂と硬質樹脂との組合せにする等して相互に異
なる素材から形成する方法を採用してもよいは、第一お
よび第二の実施形態と同様である。
【0042】上述した固定部材16の分岐部16Aおよび16
Bにおいて担持されたボビン18の外周にはY軸と平行な
軸周りに、例えば直方体形状に、ソレノイドコイル19が
巻回されている。そして、このソレノイドコイル19を挟
んで対向する一対の支持部材15AにはX軸と平行な同一
向きに磁化された一対のチルト駆動用永久磁石17が固定
されている。従って、ソレノイドコイル19のX軸と平行
な対辺位置のコイル線分19aはそれぞれチルト駆動用永
久磁石17に対向接近することになり、通電することによ
って、一対のチルト駆動用永久磁石17のそれぞれに対し
てY軸と平行で互に逆向きの駆動力を与えることができ
る。このような構成によれば、ソレノイドコイル19の巻
回線材の往路および復路である対辺位置のコイル線分19
aの両者を駆動に利用できるため、駆動効率が高く、電
力消費が少ない。さらに、チルト駆動用永久磁石17の磁
化方向を揃えているため、チルト駆動用永久磁石17の相
互間で常にニュ−トラル角に引き戻す方向に吸引力が作
用しており、後述するばね部材31の復元力によるニュ−
トラル角への復帰性に加え、ニュ−トラル角をより安定
的に得やすい特徴を有する。
【0043】このように構成された一対の支持部材15A
のそれぞれにばね部材31の対のそれぞれが二対以上支持
され、ばね部材31は、個々がX軸と平行である必要はな
いが、全体としてX軸方向に延在するように支持する。
ばね部材31は例えば、Cu−Be合金、Cu−P合金等により
断面形状を長方形や円形に形成した線状のばねにより構
成されている。このばね部材31の先端側にはレンズホル
ダ4が懸架支持されており、図示しない従来例と同様
に、レンズホルダ4を電磁駆動手段によってフォーカシ
ング方向やトラッキング方向へ移動させることができ
る。そして、ソレノイドコイル19に通電してチルト駆動
し、連鎖構造をなす一対の連結部材13Aと一対の支持部
材15Aとをニュートラル角から移動させても、ばね部材
31の変形に伴う復元力によりこれら連鎖構造をなす一対
の連結部材13Aと一対の支持部材15Aとをニュートラル
角に戻すことができる。
【0044】さらに、第一のヒンジ12は、連結部材13A
の中央近傍の特に、レンズホルダ4側の対物レンズ5そ
の他の部材の全質量やチルト駆動用永久磁石の質量等に
対する外部からの加速度によるX軸と平行な軸周りの回
転トルクが零となる位置、すなわち、これらの総合重心
を通りXY面に平行な平面上に形成する。これにより、
使用時における姿勢や衝撃等の重力を含む加速度の有無
に関わりなく所定のチルト角を安定的に維持することが
できる。
【0045】なお、これらばね部材31は二対以上形成さ
れてもよく、必ずしもそれぞれが相互に平行である必要
はない。また、その延在方向がX軸と平行である必要も
なく、レンズホルダに向けて、全体としてX軸方向に延
在していればよい。それぞれが平行であるか否かに関わ
りなくここに提案する技術は有効に作用する。さらに、
説明にはムービングコイルタイプの光ヘッドアクチュエ
−タを用いたが、ムービングマグネットタイプの光ヘッ
ドアクチュエ−タに対しても有効であることは言うまで
もない。また、チルト駆動用の永久磁石やソレノイドコ
イルの配置関係も、例示したものに制限されるものでは
なく、ソレノイドコイルを可動側に、チルト駆動用永久
磁石を固定側に配置してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、二対
以上のばね部材のZ軸方向もしくはY軸方向への平行移
動により、対物レンズのラジアル方向への傾斜動作に変
換させることができ、従って、レーザー光の波面収差を
補正することが可能となる。従って、安定した信号検出
が実現される。
【0047】さらに、この発明によれば、二対以上のば
ね部材にX軸周りの捩りを加えることができるので、効
率よく対物レンズをラジアル方向へ傾斜させることが可
能となる。
【0048】また、第一のヒンジを連結部材もしくは支
持部材を兼ねる第一の連結部材の中央近傍の均衡位置に
形成しているため、光ヘッドアクチュエ−タを搭載した
装置に衝撃が加わったり姿勢が変化するなどの、加速度
の大きさや方向の変化にあっても、支持部材や支持部材
を兼ねる一対の第一の連結部材が移動することがなく、
従って、対物レンズの不要な傾斜を生じることがなく対
物レンズの向きは安定である。さらに、ニュートラル角
を維持するための駆動力を印加する必要がなく、不要な
電力を消費しない。また、第一のヒンジが連結部材もし
くは支持部材を兼ねる第一の連結部材の中央近傍に設け
られているので、これらを所定量回転させるために要す
るこれらの端部の移動を小さくすることができ、これに
よってこれら可動部の移動方向であるZ軸方向もしくは
Y軸方向の空間を大きく占有することがない。
【0049】さらに、永久磁石が同一方向に磁化され、
平行移動する一対の支持部材側もしくは一対の第二の連
結部材側に相互に対向するように配設されているので、
ニュートラル角に向けて相互に引き合うため安定的にニ
ュートラル角を得やすい。しかも、ソレノイドコイルの
往路と復路を駆動に利用できるため、駆動効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一の実施形態を示す概略的斜視図
である。
【図2】この発明の第一の実施形態の要部構成を説明す
るための図であり、(A)はレンズホルダ側から見た正
面図、(B)は横断面図および(C)は縦断面図であ
る。
【図3】この発明の第一の実施形態の動作説明図であ
る。
【図4】この発明の第一の実施形態の動作デ−タの一例
を示す図であり、ばね部材の平行移動量と対物レンズの
回転角との関係を示す。
【図5】この発明の第一の実施形態の動作デ−タの一例
を示す図であり、トラッキング方向のばね部材間の相互
間隔と対物レンズの回転角との関係を示す。
【図6】この発明の第一の実施形態の動作デ−タの一例
を示す図であり、フォ−カス方向のばね部材間の相互間
隔と対物レンズの回転角との関係を示す。
【図7】この発明の第一の実施形態の動作デ−タの一例
を示す図であり、ばね部材断面の矩形比と対物レンズの
回転角との関係を示す。
【図8】この発明の第二の実施形態を示す概略的斜視図
である。
【図9】この発明の第二の実施形態の要部構成を説明す
るための図であり、(A)はレンズホルダ側から見た正
面図、(B)は横断面図および(C)は縦断面図であ
る。
【図10】この発明の第二の実施形態の動作説明図であ
る。
【図11】この発明の第二の実施形態の動作デ−タの一
例を示す図であり、ばね部材の平行移動量と対物レンズ
の回転角との関係を示す。
【図12】この発明の第三の実施形態を示す概略的斜視
図である。
【図13】従来例の構成を示す的斜視図である。
【図14】従来例の要部の構成を示す分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
4 レンズホルダ 5 対物レンズ 12 第一のヒンジ 13A 連結部材 13B 第二の連結部材 14 第二のヒンジ 15A 支持部材 15B 支持部材を兼ねる第一の連結部材 16 固定部材 16a、16b 分岐部 17 チルト駆動用永久磁石 18 ボビン 19 ソレノイドコイル 31 ばね部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XYZ直交座標系において、XY平面と
    ほぼ平行に配設されたディスク面に対向する対物レンズ
    と、その対物レンズを保持するレンズホルダと、このレ
    ンズホルダを全体としてほぼX軸方向に延在する複数の
    ばね部材を介して変位可能に支持する支持体と、前記レ
    ンズホルダをほぼY軸方向およびZ軸方向へそれぞれ移
    動させる第一の電磁駆動手段とを備える光ヘッドアクチ
    ュエ−タにおいて、 前記支持体は、2つの分岐部分を有する固定部材と、 ほぼX軸方向に延在する一対の第一のヒンジを介して前
    記固定部材の各分岐部分にそれぞれ連結され、ほぼY軸
    方向に延在する一対の連結部材と、 ほぼX軸方向に延在する一対の第二のヒンジを介して前
    記一対の連結部材の両端近傍において連結され、前記第
    一のヒンジを支点としてY軸方向もしくはZ軸方向のい
    ずれかの方向に相互に連動して変位可能な一対の支持部
    材と、から構成され、 二対以上のばね部材が前記Y軸方向およびZ軸方向のそ
    れぞれの方向に所定間隔を隔てて前記一対の支持部材に
    より支持されており、更に前記支持部材をY軸方向もし
    くはZ軸方向のいずれかの方向に移動させるための第2
    の電磁駆動手段を備えていることを特徴とする光ヘッド
    アクチュエ−タ。
  2. 【請求項2】 XYZ直交座標系において、XY平面と
    ほぼ平行に配設されたディスク面に対向する対物レンズ
    と、その対物レンズを保持するレンズホルダと、このレ
    ンズホルダを全体としてほぼX軸方向に延在する複数の
    ばね部材を介して変位可能に支持する支持体と、前記レ
    ンズホルダをほぼY軸方向およびZ軸方向へそれぞれ移
    動させる第一の電磁駆動手段とを備える光ヘッドアクチ
    ュエ−タにおいて、 前記支持体は、2つの分岐部分を有する固定部材と、 ほぼX軸方向に延在する一対の第一のヒンジを介して前
    記固定部材の各分岐部分にそれぞれ連結され、ほぼY軸
    方向に延在する支持部材を兼ねる一対の第一の連結部材
    と、 ほぼX軸方向に延在する一対の第二のヒンジを介して前
    記支持部材を兼ねる一対の第一の連結部材のそれぞれの
    両端近傍において連結され、前記第一のヒンジを支点と
    してY軸方向もしくはZ軸方向のいずれかの方向に相互
    に連動して変位可能な一対の第二の連結部材と、から構
    成され、 二対以上のばね部材が前記Y軸方向およびZ軸方向のそ
    れぞれの方向に所定間隔を隔てて前記支持部材を兼ねる
    一対の第一の連結部材により支持され、更に前記第二の
    連結部材をY軸方向もしくはZ軸方向のいずれかの方向
    に移動させるための第2の電磁駆動手段を備えているこ
    とを特徴とする光ヘッドアクチュエ−タ。
  3. 【請求項3】 前記第2の電磁駆動手段は、前記固定部
    材側においてY軸もしくはZ軸に平行な軸周りに巻回さ
    れて配設されたソレノイドコイルと、前記一対の支持部
    材もしくは前記一対の第二の連結部材のそれぞれに配設
    された、磁化方向を同一とした永久磁石とから構成され
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光
    ヘッドアクチュエ−タ。
  4. 【請求項4】 前記第一のヒンジがレンズホルダ側の重
    心を通る平面上に形成されることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の光ヘッドアクチュエ−タ。
  5. 【請求項5】 前記固定部材と、前記第一のヒンジと、
    前記一対の連結部材と、前記第二のヒンジと、前記一対
    の支持部材とが一体的に形成されることを特徴とする請
    求項1に記載の光ヘッドアクチュエ−タ。
  6. 【請求項6】 前記固定部材と、前記第一のヒンジと、
    前記支持部材を兼ねる一対の第一の連結部材と、前記第
    二のヒンジと、前記一対の第二の連結部材とが一体的に
    形成されることを特徴とする請求項2に記載の光ヘッド
    アクチュエ−タ。
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WO2003085652A1 (fr) * 2002-04-08 2003-10-16 Sony Corporation Cartouche de lecture optique et pilote de disque

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