JP2000066417A - レジスト除去方法 - Google Patents

レジスト除去方法

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JP2000066417A
JP2000066417A JP25322698A JP25322698A JP2000066417A JP 2000066417 A JP2000066417 A JP 2000066417A JP 25322698 A JP25322698 A JP 25322698A JP 25322698 A JP25322698 A JP 25322698A JP 2000066417 A JP2000066417 A JP 2000066417A
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JP25322698A
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English (en)
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Akira Tanaka
明 田中
Kei Sakamoto
圭 坂本
Kishio Yokouchi
貴志男 横内
Yasuo Naganuma
靖男 長沼
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Zeon Corp
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光性ポリイミド樹脂組成物を用いて形成さ
れたレジストパターンが存在する物品表面から、粘着テ
ープを用いて、不要となったレジストパターンを除去す
る方法、及びパターン形成方法を提供すること。 【解決手段】 感光性樹脂組成物を用いて形成されたレ
ジストパターンが存在する物品表面からレジストパター
ンを除去する方法において、感光性樹脂組成物として、
テトラゾール類を含有する感光性ポリイミド樹脂組成物
を用い、かつ、レジストパターンが存在する物品上に粘
着テープを貼り付け、次いで、粘着テープをレジストパ
ターンと共に物品表面から剥離することを特徴とするレ
ジスト除去方法、及びパターン形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジスト除去方法
に関し、さらに詳しくは、感光性ポリイミド樹脂組成物
を用いたフォトリソグラフィ技術により、各種基板上に
電子回路などのパターンを形成して、プリント配線板、
半導体集積回路、液晶表示板などの物品を作成する際
に、最後に不要なレジストを除去するための方法に関す
る。また、本発明は、このようなレジスト除去方法を利
用したパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリント配線板(PWB)、
半導体集積回路(LSI)、液晶表示板(LCD)、フ
ォトマスク、リードフレーム等の微細加工部品などの物
品を製造する場合、回路パターンなどのパターンを精密
かつ微細に形成するのに、フォトリソグラフィ技術が用
いられている。フォトリソグラフィ技術では、被加工層
を表面に形成した基板の上に、レジストと呼ばれる感光
性高分子材料を有機溶剤に溶解した感光性樹脂組成物を
塗布し、プリベークにより余分な有機溶剤を蒸発させ
て、レジスト膜を形成する。レジスト膜に部分的に光を
照射して、被照射部分の現像液に対する溶解度を変化さ
せる。露光工程では、通常、フォトマスクを介して、レ
ジスト膜上にパターン状に光を照射する。次に、現像液
を用いて、不要な部分のレジスト膜を溶解除去して、基
板上にレジストパターンを形成する。このレジストパタ
ーンをマスクとして、基板上の被加工層を加工処理す
る。加工処理としては、例えば、エッチング、イオン注
入、ドーピングなどがある。最後に、不要なレジストパ
ターンを基板上から除去する。
【0003】従来、不要となったレジストパターンを除
去する方法としては、一般に、有機溶剤、濃硫酸に過酸
化水素水またはオゾンバブリングを加えた酸などを用い
る化学的方法、酸素プラズマまたはUV−オゾンによる
アッシング処理を用いる物理的方法、これらを組み合わ
せた方法などが採用されている。しかし、化学的方法
は、作業環境を悪化させるという問題があった。物理的
方法は、剥離作業に長時間を要し、しかもレジスト材料
中の不純物イオンがシリコンウエハなどの基板に残留す
る恐れがあった。また、強い剥離処理は、被加工層の表
面を変質させることがあった。
【0004】最近、従来のレジスト除去方法の問題点を
克服するために、粘着テープ(感圧性接着テープ)を用
いて、不要となったレジストパターンを物品表面から除
去する方法が提案されている。例えば、特開平5−27
5324号公報には、基板上に形成されたレジストパタ
ーン上面に接着テープを貼付し、レジストパターンを接
着テープと共に剥離するレジスト除去方法が開示されて
いる。特開平6−267893号公報には、レジストパ
ターンが存在する物品上に粘着テープを貼り付け、粘着
テープを剥離することにより物品表面のレジストを除去
する工程を、粘着テープの貼付け方向を異ならせて、2
回行うレジスト除去方法が開示されている。特開平7−
66102号公報には、基材または感圧性接着剤層の少
なくとも1つが吸水性もしくは保水性を有する接着シー
トを用いて、レジストを物品表面から剥離する方法が提
案されている。
【0005】特開平7−183196号公報には、半導
体製造プロセスにおいてイオン注入されたレジスト表層
上に、この表層と親和性を持つ接着シートを貼り付け、
この接着シートとレジスト表層を一体に剥離し、次い
で、残存するレジスト下層上に感圧性接着シートを貼り
付け、この感圧性接着シートとレジスト下層を一体に剥
離する2段階でのレジスト除去方法が提案されている。
特開平8−8153号公報には、レジストパターンが存
在する物品上に粘着テープを貼り付け、物品上に貼り付
けられた粘着テープを上方から加熱した後、粘着テープ
を剥離してレジストパターンを除去する方法が開示され
ている。同公報には、前記粘着テープとして、紫外線硬
化型の粘着テープを使用し、物品上に貼り付けられた粘
着テープを上方から加熱した後、紫外線を照射し、次い
で、粘着テープを剥離してレジストパターンを除去する
方法も開示されている。
【0006】特開平9−27473号公報には、半導体
基板上に形成したレジストパターンをマスクとしてイオ
ン注入を行い、次いで、半導体基板を加熱して冷却した
後、レジストを粘着テープにより剥離し、引き続いて、
酸素プラズマ、オゾンあるいはUV/オゾンによりアッ
シングを行うレジスト除去方法が提案されている。特開
平9−297407号公報には、帯電防止処理が施され
た支持フィルム上に粘着剤層が設けられた粘着テープを
用いて、レジストを除去する方法が提案されている。こ
の他、プリント配線板の製造方法(特開平2−4279
3号公報)、バリアメタルの形成方法(特開平9−82
711号公報)、バンプの形成方法(特開平9−298
200号公報)などにおいて、粘着テープを用いてソル
ダレジストやレジスト膜上のバリアメタルを除去する方
法が提案されている。
【0007】しかしながら、これらの粘着テープを用い
たレジスト除去方法は、一般に、レジストとしてノボラ
ック樹脂と感光剤とを含有する感光性樹脂組成物を用い
て形成されたレジストパターンの除去に適用されており
(例えば、特開平5−275324号、特開平7−18
3196号公報の各実施例)、前記従来技術のいずれに
も、それ以外の感光性樹脂組成物を用いた場合に、同様
に有効であることは明瞭に教示されていなかった。実
際、本発明者らは、感光性ポリイミド樹脂組成物を用い
て形成されたレジストパターンを除去するために、レジ
ストパターンが形成された基板上に粘着テープを貼り付
けて剥離する方法を試みたが、満足すべき結果を得るこ
とができなかった。
【0008】また、前記従来技術では、単に粘着テープ
を用いる方法では、実際には、レジストパターンの除去
が十分ではないため、例えば、吸水性もしくは保水性を
有する接着シートをレジストパターン上に貼り付け、水
分の一部をレジスト表面に移行させて、接着テープとレ
ジストとを一体化させた後、接着テープを剥離する方法
(特開平7−66102号公報)、2度にわたって、粘
着テープの貼付と剥離を繰り返す方法(特開平6−26
7893号公報、特開平7−183196号公報)、あ
るいはアッシングと組み合わせる方法(特開平9−27
473号公報)など、煩雑で工程管理の難しい方法が採
用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感光
性ポリイミド樹脂組成物を用いて形成されたレジストパ
ターンが存在する物品表面から、粘着テープを用いて、
不要となったレジストパターンを除去する方法を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、被加工層を表面に
形成した基板上に、感光性ポリイミド樹脂組成物を用い
てパターンを形成する方法において、エッチングなどに
より被加工層を加工処理した後、粘着テープを用いて、
不要となったレジストパターンを除去する工程を含むパ
ターン形成方法を提供することにある。
【0010】レジスト材料として、感光性ポリイミド樹
脂組成物を使用すると、厚みが数ミクロンの薄膜から3
0μm程度の厚膜までのレジストパターンを容易に形成
することができる。また、化学線官能基を有するポリア
ミド酸を含有する感光性ポリイミド樹脂組成物は、感度
及び解像性に優れている。このレジストパターンをマス
クとして、基板上の被加工層にエッチングするなどの加
工処理を施した後、レジストパターンを永久膜として残
存させない場合には、これをポリイミド化することなく
除去する。このレジストパターンを除去するに際し、厚
膜の場合、アッシャーでは時間が掛かりすぎる。また、
レジストパターンの除去部分が多い場合には、溶剤や薬
品処理では、溶解除去に時間が掛かりすぎ、さらには、
基板面での剥離ムラが起きやすい。そこで、本発明者ら
は、感光性ポリイミド樹脂組成物から形成されたレジス
トパターンを除去するために、前記の粘着テープを利用
した剥離方法の適用を試みた。しかしながら、感光性ポ
リイミド樹脂組成物を用いて形成されたレジストパター
ンが存在する基板上に、粘着テープを貼り付け、次い
で、粘着テープを剥離したところ、レジストパターンが
剥離できないか、満足できる剥離が極めて困難であるこ
とが判明した。
【0011】本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、
感光性ポリイミド樹脂組成物にテトラゾール類を少量配
合した感光性樹脂組成物を使用してレジストパターンを
形成したところ、該レジストパターンが粘着テープを用
いて容易に剥離除去できることを見いだした。特に、樹
脂付き銅箔上に、テトラゾール類を含有する感光性ポリ
イミド樹脂組成物を塗布してレジスト膜を形成し、次い
で、露光し、現像してレジストパターンを形成し、さら
に、該レジストパターンをマスクとして銅箔のエッチン
グ処理を行った後、レジストパターンが存在する基板上
に粘着テープを貼付し、次いで、粘着テープをレジスト
パターンと共に基板表面から剥離したところ、レジスト
パターンが粘着テープと共に銅箔上からきれいに剥離
し、銅箔の配線パターンが得られることを見いだした。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、感光性
樹脂組成物を用いて形成されたレジストパターンが存在
する物品表面からレジストパターンを除去する方法にお
いて、(1)感光性樹脂組成物として、テトラゾール類
を含有する感光性ポリイミド樹脂組成物を用い、かつ、
(2)レジストパターンが存在する物品上に粘着テープ
を貼り付け、次いで、粘着テープをレジストパターンと
共に物品表面から剥離することを特徴とするレジスト除
去方法が提供される。また、本発明によれば、加工層を
表面に形成した基板上に感光性樹脂組成物を塗布してレ
ジスト膜を形成し、次いで、レジスト膜に部分的に光を
照射した後、現像してレジストパターンを形成し、さら
に、レジストパターンをマスクとして被加工層を加工処
理し、最後にレジストパターンを除去するパターン形成
方法において、(1)感光性樹脂組成物として、テトラ
ゾール類を含有する感光性ポリイミド樹脂組成物を用
い、かつ、(2)被加工層をエッチングした後、レジス
トパターンが存在する基板上に粘着テープを貼付し、次
いで、粘着テープをレジストパターンと共に基板表面か
ら剥離することを特徴とするパターン形成方法が提供さ
れる。
【0013】
【発明の実施の形態】(感光性ポリイミド樹脂組成物)
本発明で使用する感光性ポリイミド樹脂組成物として
は、特に限定されず、例えば、ポリイミド前駆体のポリ
アミド酸に光重合性のアクリロイル基を導入した化合物
(特公昭55−30207号公報、特公昭55−414
22号公報)、ポリアミド酸に光重合性のアクリロイル
基を塩構造で導入した化合物(特公昭59−52822
号公報)、ポリアミド酸に化学線官能基を導入した化合
物(特開平4−70661号公報、特開平4−7774
1号公報)などを含有する感光性ポリイミド樹脂組成物
が挙げられる。また、酸またはアルカリ条件下にて脱離
可能な保護基をポリアミド酸のカルボキシル基もしくは
フェノール性水酸基に導入した化合物を含有する感光性
ポリイミド樹脂組成物(J.Macromol.Sc
i.Chem.,A24,10,1407,1987、
特開平1−259351号公報、特開平4−36336
1号公報)、光重合性モノマーを架橋助剤として添加し
た感光性ポリイミド樹脂組成物(特開昭63−1834
39号公報、特開平5−100424号公報)なども使
用することができる。
【0014】本発明で好ましく使用できる感光性ポリイ
ミド樹脂組成物としては、化学線官能基を有するポリア
ミド酸、光重合性官能基を有する感光助剤、及び光重合
開始剤を含有し、これらの各成分が有機溶剤中に均一に
溶解ないしは分散している感光性樹脂組成物を挙げるこ
とができる。これらの中でも、両末端に特定の構造を有
するアミノベンゼン類またはトリメリット酸誘導体によ
り変性された構造のポリアミド酸を含有する感光性ポリ
イミド樹脂組成物(特開平8−82931号公報、特開
平8−95247号公報)は、保存安定性に優れ、高分
子量化が可能であり、しかも感度および解像性に優れて
いるため、特に好ましい。ただし、これらの公報に具体
的に記載されている両末端変性ポリアミド酸は、必ずし
もアルカリ現像に適していないので、アルカリ現像性の
観点からは、アルカリと塩形成が可能なカルボキシル基
を特定の範囲で含有するように調整した両末端変性ポリ
アミド酸を含有する感光性ポリイミド樹脂組成物を使用
することが好ましい。しかも、このカルボキシル基を特
定の範囲で含有する両末端変性ポリアミド酸を含有する
感光性ポリイミド樹脂組成物は、粘着テープを用いた剥
離方法に特に適している。
【0015】本発明では、感光性ポリイミド樹脂組成物
にテトラゾール類を含有させた感光性樹脂組成物を使用
する。したがって、本発明で使用する好ましい感光性ポ
リイミド樹脂組成物は、(A)化学線官能基を有するポ
リアミド酸、(B)光重合性官能基を有する感光助剤、
(C)光重合開始剤、(D)テトラゾール類、及び
(E)溶剤を含有するものである。そこで、以下に、好
ましい感光性ポリイミド樹脂組成物について、より詳細
に説明する。
【0016】(A)化学線官能基を有するポリアミド酸 本発明で好ましく使用する感光性ポリイミド樹脂組成物
は、化学線官能基を有するポリアミド酸として、主鎖中
に式(1)
【0017】
【化1】 (式中、R1は、4価の有機基であり、R2は、2価の有
機基である。)で表される繰り返し単位を有し、かつ、
式(2)
【0018】
【化2】 (式中、Xは、単結合、−O−、−CO−、−COO
−、−OCO−、−OCOO−、−COCH2 O−、−
S−、−SO−、−SO2 −、または−SO2O−であ
り、R3、R4、R5、R6、及びR7は、光重合可能な炭
素−炭素二重結合を有する置換基であり、mは、0また
は1であり、nは、1〜3の範囲内の整数である。)で
表される基Z1、及び式(3)
【0019】
【化3】 (式中、R3、R4、R5、R6、及びR7は、光重合可能
な炭素−炭素二重結合を有する置換基であり、mは、0
または1である。)で表される基Z2からなる群より選
ばれる少なくとも一種の化学線官能基を両末端に有する
ポリアミド酸である。
【0020】アルカリ現像液またはアルカリ水溶液によ
り現像するには、前記式(1)で表される繰り返し単位
を単位分子量と定義した場合、カルボキシル基一個当り
の単位分子量の値(単位分子量/−COOH)が200
〜300の範囲内にあるポリアミド酸を使用することが
好ましい。また、このようなカルボキシル基を特定の範
囲で含有する両末端変性ポリアミド酸を含有する感光性
ポリイミド樹脂組成物は、粘着テープを用いた剥離方法
に特に適している。このようなポリアミド酸としては、
式(2)で表される化学線官能基Z1 を両末端に有する
式(4)
【0021】
【化4】 〔式中、R1は、4価の有機基であり、R2は、2価の有
機基であり、kは、5〜10000の範囲内の整数であ
り、Z1は、式(2)で表される化学線官能基であ
る。〕で表されるのポリアミド酸(A1)、及び式
(3)で表される化学線官能基Z2を両末端に有する式
(5)
【0022】
【化5】 〔式中、R1は、4価の有機基であり、R2は、2価の有
機基であり、kは、5〜10000の範囲内の整数であ
り、Z2は、式(3)で表される化学線官能基であ
る。〕で表されるのポリアミド酸(A2)を挙げること
ができる。化学線官能基を両末端に有するポリアミド酸
のカルボキシル基一個当りの単位分子量の値(単位分子
量/−COOH)が200〜300の範囲内になるよう
に調整することにより、アルカリ現像液やアルカリ水溶
液に対する適度な溶解性を有し、良好なパターンを形成
できるポリアミド酸を得ることができる。
【0023】ポリアミド酸(A1)は、通常、ジアミン
化合物とp−アミノ安息香酸〔トリス(メタクロイル)
ペンタエリスリトール〕エステルなどのアミノベンゼン
類との混合物に、テトラカルボン酸またはその酸無水物
を加え、常法により縮合反応させることにより得ること
ができる。この方法によると、安定して高分子量のポリ
アミド酸が得られる。ポリアミド酸(A2)は、ジアミ
ン化合物に、トリメリット酸アンハイドライド〔トリス
(メタクロイル)ペンタエリスリトール〕エステルなど
のトリメリット酸誘導体とテトラカルボン酸またはその
無水物を加え、常法により縮合反応させることにより得
ることができる。ポリアミド酸(A1)は、ジアミン化
合物とトリメリット酸誘導体との混合物に、テトラカル
ボン酸またはその無水物を加えて、常法により縮合反応
させることによっても得ることができる。これらの方法
によれば、安定して高分子量のポリマーが得られる。
【0024】ジアミン化合物 本発明で使用するジアミン化合物としては、例えば、
2,2′−ジ(p−アミノフェニル)−6,6′−ビベ
ンゾオキサゾール、2,2′−ジ(p−アミノフェニ
ル)−5,5′−ビベンゾオキサゾール、m−フェニレ
ンジアミン、1−イソプロピル−2,4−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノジフェニルプ
ロパン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、3,
3′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジア
ミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、4,
4″−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3″−ジアミ
ノ−p−テルフェニル、ビス(p−アミノシクロヘキシ
ル)メテン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニ
ル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペン
チル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペ
ンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−
アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレ
ン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−
アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトル
エン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン
−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キ
シリレンジアミンなどの芳香族ジアミン類;2,6−ジ
アミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−
ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾールなどの複素環
ジアミン類;1,4−ジアミノシクロヘキサンなどの脂
環式ジアミン類;ピペラジン、メチレンジアミン、エチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、2,2−ジメチル
プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−
ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサ
メチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−
ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメ
チレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジア
ミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミ
ン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,5−ジメチ
ルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,
10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、2,11
−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカ
ン、2,12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジア
ミノアイコサンなどの脂肪族ジアミン類;ジアミノシロ
キサン、2,6−ジアミノ−4−カルボキシリックベン
ゼン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジカルボキシリ
ックベンジジンなどが挙げられる。
【0025】これらのジアミン化合物は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。これらの中でも、4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4′−ジアミノベンズアニリド、1,4
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンは、アルカリ
現像液に対する適度な溶解性と高耐熱性のポリマーが得
られるので、特に好ましい。したがって、式(1)中の
2は、芳香族ジアミン、複素環ジアミン、脂環式ジア
ミン、脂肪族ジアミンなどのジアミン化合物から誘導さ
れる2価の有機基である。
【0026】テトラカルボン酸またはその酸無水物 本発明で使用するテトラカルボン酸またはその酸無水物
としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二
無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,
6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,
2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−
1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレ
ン−1,2,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフ
タレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、
4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒ
ドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二
無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−
ヘキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−テトラカル
ボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジク
ロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−
1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,
5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テ
トラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−
ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3″,4,4″−p−テルフェニルテトラカルボン酸二
無水物、2,2″,3,3″−p−テルフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,3″,4″−p−テルフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,
3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、2,
2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−プロパン
二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エー
テル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3
−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボン酸二無水
物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二
無水物、ペリレン−4,5,10,11−テトラカルボ
ン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,12−テトラ
カルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,7,8
−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,
2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレ
ン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物など
の芳香族テトラカルボン酸二無水物及びその水添加物;
シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二
無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシ
クロ[2,2,2]オクタ−7−エン−2−エキソ,3
−エキソ,5−エキソ,6−エキソテトラカルボン酸
2,3:5,6−二無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘ
プタン−2−エキソ,3−エキソ,5−エキソ,6−エ
キソテトラカルボン酸2,3:5,6−二無水物などの
脂環式酸二無水物;ピラジン−2,3,5,6−テトラ
カルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テ
トラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5
−テトラカルボン酸二無水物などの複素環誘導体酸二無
水物などが挙げられる。
【0027】これらは、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて使用することができる。これらの中
でも、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、及びこれら
の組み合わせは、良好な低熱膨張性、耐クラック性、解
像性などを実現する上で特に好ましい。したがって、式
(1)中のR1 は、芳香族テトラカルボン酸二無水物及
びその水添加物、脂環式酸無水物、複素環誘導体酸無水
物などのテトラカルボン酸またはその酸無水物から誘導
される4価の有機基である。
【0028】アミノベンゼン類 本発明では、テトラカルボン酸またはその酸無水物のカ
ルボキシル基と反応して、前記式(2)で表される置換
基Z1 を与える化合物として、アミノベンゼン類を使用
する。このようなアミノベンゼン類としては、下記の式
(6)で表される化合物を挙げることができる。
【0029】
【化6】 〔式中、Xは、単結合、−O−、−CO−、−COO
−、−OCO−、−OCOO−、−COCH2 O−、−
S−、−SO−、−SO2−、または−SO2O−であ
り、R3、R4、R5、R6、及びR7は、光重合可能な炭
素−炭素二重結合を有する置換基であり、mは、0また
は1であり、nは、1〜3の範囲内の整数である。〕
【0030】光重合可能な炭素−炭素二重結合を有する
置換基としては、アクリロイルオキシメチレン基及びメ
タクリロイルオキシメチレン基が代表的なものである
が、そのほかに、ビニル基、プロペニル基、イソプロペ
ニル基、ブテニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、2
−エチルブテニル基などの炭素数2〜6のアルケニル基
やその置換体が挙げられる。炭素数2〜6のアルケニル
基に結合可能な置換基の具体例としては、ハロゲン原
子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基などである。式(6)において、X
が−COO−である場合、アミノベンゼン類は、下記の
式(7)で表されるアミノベンゼンカルボン酸エステル
となる。
【0031】
【化7】 〔式中、R3〜R7、m及びnは、前記と同じである。〕 このようなアミノベンゼンカルボン酸エステルなどのア
ミノベンゼン類は、特開平8−82931号公報に記載
された方法に従って製造することができる。そこで、該
公報の記載内容を本願明細書において採用する。アミノ
ベンゼンカルボン酸エステルは、前記式(7)で表され
る構造を有しており、ベンゼン環には、アミノ基と1〜
3個のカルボン酸エステル残基が結合しているが、アミ
ノ基に対するカルボン酸エステル残基の結合部位は、o
−、m−、p−の何れでも構わない。
【0032】アミノベンゼンカルボン酸エステルの具体
例としては、o−アミノ安息香酸[トリス(メタクリロ
イル)ペンタエリスリトール]エステル、o−アミノ安
息香酸[トリス(アクリロイル)ペンタエリスリトー
ル]エステル、m−アミノ安息香酸[トリス(メタクリ
ロイル)ペンタエリスリトール]エステル、m−アミノ
安息香酸[トリス(アクリロイル)ペンタエリスリトー
ル]エステル、p−アミノ安息香酸[トリス(メタクリ
ロイル)ペンタエリスリトール]エステル、p−アミノ
安息香酸[トリス(アクリロイル)ペンタエリスリトー
ル]エステル、5−アミノ−イソフタル酸[トリス(メ
タクリロイル)ペンタエリスリトール]ジエステル、5
−アミノ−イソフタル酸[トリス(アクリロイル)ペン
タエリスリトール]ジエステル、o−アミノ安息香酸
[ペンタキス(メタクリロイル)ジペンタエリスリトー
ル]エステル、o−アミノ安息香酸[ペンタキス(アク
リロイル)ジペンタエリスリトール]エステル、m−ア
ミノ安息香酸[ペンタキス(メタクリロイル)ジペンタ
エリスリトール]エステル、m−アミノ安息香酸[ペン
タキス(アクリロイル)ジペンタエリスリトール]エス
テル、p−アミノ安息香酸[ペンタキス(メタクリロイ
ル)ジペンタエリスリトール]エステル、p−アミノ安
息香酸[ペンタキス(アクリロイル)ジペンタエリスリ
トール]エステルなどを挙げることができる。これらの
中でも、p−アミノ安息香酸〔トリス(メタクリロイ
ル)ペンタエリスリトール〕エステルが、合成コスト、
操作性、高感度、高解像度などの点で優れており、特に
好ましい。
【0033】両末端に式(2)の化学線官能基Z1を導
入したポリアミド酸(A1)を合成するには、ジアミン
化合物とアミノベンゼン類との混合物に、テトラカルボ
ン酸またはその無水物を加え、常法により縮合反応させ
る。より具体的に、両末端に化学線官能基Z1を導入し
たポリアミド酸を合成するには、テトラカルボン酸ま
たはその無水物1モルに対して、ジアミン化合物を通常
0.850〜0.990モル、好ましくは0.900〜
0.970モルの割合で使用し、ジアミン化合物1モ
ルに対して、アミノベンゼン類を通常0.400〜0.
020モル、好ましくは0.110〜0.040モル、
より好ましくは0.100〜0.050モルの割合で使
用し、さらに、テトラカルボン酸またはその無水物1
モルに対して、ジアミン化合物とアミノベンゼン類とを
合計量で、通常1.100〜0.900モル、好ましく
は1.100〜0.950モル、より好ましくは1.0
60〜0.990モルの割合で使用する。縮合反応は、
ポリアミド酸を合成する常法に従って、各成分をジメチ
ルアセトアミドなどの極性有機溶媒中で反応させればよ
い。反応条件としては、例えば、氷冷下で0.5〜10
時間、好ましくは1〜5時間、次いで、室温下で1〜5
0時間、好ましくは5〜30時間反応させる方法を挙げ
ることができる。ただし、本発明のポリアミド酸(A
1)は、特定の合成法に限定されるものではない。
【0034】トリメリット酸誘導体 本発明では、ポリアミド酸の両末端に式(3)で表され
る置換基Z2を与える化合物として、下記式(8)のト
リメリット酸誘導体を使用する。
【0035】
【化8】 〔式中、R3、R4、R5、R6、及びR7は、光重合可能
な炭素−炭素二重結合を有する置換基であり、mは、0
または1である。〕
【0036】光重合可能な炭素−炭素二重結合を有する
置換基としては、アクリロイルオキシメチレン基及びメ
タクリロイルオキシメチレン基が代表的なものである
が、そのほかに、ビニル基、プロペニル基、イソプロペ
ニル基、ブテニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、2
−エチルブテニル基などの炭素数2〜6のアルケニル基
やその置換体が挙げられる。炭素数2〜6のアルケニル
基に結合可能な置換基の具体例としては、ハロゲン原
子、フェニル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
〜4のアルコキシ基などである。このようなトリメリッ
ト酸誘導体は、特開平8−95247号公報に記載され
た方法に従って合成することができる。そこで、該公報
に記載された合成法を本願明細書において援用する。本
発明で使用するトリメリット酸誘導体の代表的なもの
は、式(9)で表される化合物である。
【0037】
【化9】 〔式中、Rは、水素原子または炭素数1〜5の低級アル
キル基である。〕 トリメリット酸誘導体としては、例えば、トリメリット
酸アンハイドライド[トリス(アクリロイル)ペンタエ
リスリトール]エステル〔式(9)中、R=Hの場
合〕、トリメリット酸アンハイドライド[トリス(メタ
クリロイル)ペンタエリスリトール]エステル〔式
(9)中、R=メチル基の場合〕などが、合成経費、操
作性、高感度、高解像度などの点で優れており、特に好
ましい。
【0038】両末端に式(3)の化学線官能基Z2を導
入したポリアミド酸(A2)を合成するには、ジアミン
化合物に、トリメリット酸誘導体とテトラカルボン酸ま
たはその無水物を加え、常法により縮合反応させる。あ
るいは、ジアミン化合物とトリメリット酸誘導体との混
合物に、テトラカルボン酸またはその無水物を加え、常
法により縮合反応させてもよい。より具体的に、両末端
に化学線官能基を導入したポリアミド酸を合成するに
は、(1)ジアミン化合物1モルに対して、テトラカル
ボン酸またはその無水物を通常0.850〜0.990
モル、好ましくは0.900〜0.970モルの割合で
使用し、(2)テトラカルボン酸またはその無水物1モ
ルに対して、トリメリット酸誘導体を通常0.400〜
0.020モル、好ましくは0.110〜0.040モ
ル、より好ましくは0.100〜0.050モルの割合
で使用し、さらに、(3)ジアミン化合物1モルに対し
て、テトラカルボン酸またはその無水物とトリメリット
酸誘導体とを合計量で、通常1.100〜0.900モ
ル、好ましくは1.100〜0.990モル、より好ま
しくは1.060〜1.020モルの割合で使用する。
縮合反応は、ポリアミド酸を合成する常法に従って、各
成分をジメチルアセトアミドなどの極性有機溶媒中で反
応させればよい。反応条件としては、例えば、氷冷下で
0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間、次いで、室
温下で1〜50時間、好ましくは5〜30時間反応させ
る方法を挙げることができる。ただし、本発明で使用す
るポリアミド酸(A2)は、特定の合成法に限定される
ものではない。
【0039】ポリアミド酸 本発明で好適に使用するポリアミド酸は、主鎖中に式
(1)で表される繰り返し単位を有し、かつ、式(2)
で表される基Z1 及び式(3)で表される基Z2からな
る群より選ばれる少なくとも一種の化学線官能基を両末
端に有するポリアミド酸である。このポリアミド酸は、
式(1)で表される繰り返し単位を単位分子量と定義
し、カルボキシル基一個当りの単位分子量の値(単位分
子量/−COOHの比)が200〜300の範囲内にあ
ることが、アルカリ現像する上で望ましい。カルボキシ
ル基一個当りの単位分子量の値が小さすぎると、ポリア
ミド酸がアルカリ現像液またはアルカリ水溶液からなる
現像液に極めて溶け易くなるため、パターン形成が困難
であるか、場合によっては不可能となる。この値が大き
すぎると、ポリアミド酸がアルカリ現像液またはアルカ
リ水溶液からなる現像液に溶解し難いか、場合によって
不溶となり、パターン形成ができなくなる。アルカリ現
像液またはアルカリ水溶液からなる現像液に対する現像
性と、膜特性とのバランスの観点から、カルボキシル基
一個当りの単位分子量の値は、好ましくは205〜29
5、より好ましくは230〜280の範囲内である。ポ
リアミド酸のカルボキシル基一個当りの単位分子量の値
をこの範囲内に調整するには、使用する各モノマーの種
類と組み合わせを選択する。
【0040】(B)光重合性官能基を有する感光助剤 本発明において使用する感光助剤は、一般に光硬化モノ
マーとして公知のものであれば特に制限されない。感光
助剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート
などの(メタ)アクリル酸系化合物が代表的なものであ
る。アクリル酸系化合物としては、例えば、アクリル
酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−
ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、カルビ
トールアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エ
トキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ブチレングリコールモノアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジエチルアミノエチルアクリレート、グリシジルア
クリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ペ
ンタエリスリトールモノアクリレート、トリメチロール
プロパンモノアクリレート、アリルアクリレート、1,
3−プロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブ
チレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、
2,2−ビス−(4−アクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(4−アクリロキシプロ
ピルキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパン
ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、トリアクリルホルマ
ール、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ト
リス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のアクリ
ル酸エステル、式(10)
【0041】
【化10】 (式中、bは、1〜30の整数を表す。)で表される化
合物、式(11)
【0042】
【化11】 (式中、c及びdは、c+d=2〜30となる整数を表
す。)で表される化合物、式(12)
【0043】
【化12】 で表される化合物、式(13)
【0044】
【化13】 で表される化合物等を挙げることができる。
【0045】メタクリル酸系化合物としては、例えば、
メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、エチルヘキシル
メタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エト
キシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、ヒドロキシペンチルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノメ
タクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒド
ロフルフリルメタクリレート、メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、アリルメタクリレート、トリメチ
ロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリト
ールモノメタクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、2,2−ビス−(4−メタクリロキシジエトキシフ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパンジメタクリ
レート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリメタクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)
イソシアヌル酸のメタクリル酸エステル、式(14)
【0046】
【化14】 (式中、eは、1〜30の整数を表す。)で表される化
合物、式(15)
【0047】
【化15】 (式中、f及びgは、f+g=1〜30となる整数を表
す。)で表される化合物、式(16)
【0048】
【化16】 で表される化合物、式(17)
【0049】
【化17】 で表される化合物等を挙げることができる。
【0050】これらの化合物は、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて使用することができる。こ
れらの中でも、特に、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、及び式(10)で表される化合物(b=3)が
好ましい。感光助剤の使用量は、ポリアミド酸と相溶す
る限り特に限定されないが、その使用量が極めて多量で
ある場合には、ポリアミド酸の熱処理によるポリイミド
化の際に分解除去し難く、しかも膜の残留応力が高くな
り、半導体素子基板にそり等の変形を生じやすくなると
いう問題がある。そこで、感光助剤は、(A)ポリアミ
ド酸100重量部に対して、通常10〜40重量部、好
ましくは15〜35重量部、より好ましくは20〜30
重量部の割合で使用することが望ましい。
【0051】(C)光重合開始剤 本発明において使用する光重合開始剤としては、例え
ば、ミヒラーズケトン、ベンゾイン、2−メチルベンゾ
イン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン
ブチルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、1,
2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、アントラキノ
ン、メチルアントラキノン、4,4′−ビス−(ジエチ
ルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフ
ェノン、チオキサントン、1,5−アセナフテン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−
1−プロパノン、ジアセチルベンジル、ベンジルジメチ
ルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジフェニルジ
スルフィド、アントラセン、フェナンスレンキノン、リ
ボフラビンテトラブチレート、アクリルオレンジ、エリ
スロシン、フェナンスレンキノン、2−イソプロピルチ
オキサントン、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベン
ジリデン)−4−メチル−4−アザシクロヘキサノン、
6−ビス(p−ジメチルアミノベンジリデン)−シクロ
ペンタノン、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンジ
リデン)−4−フェニルシクロヘキサノン、式(18)
【0052】
【化18】 で表されるアミノスチリルケトン、式(19)
【0053】
【化19】 (式中、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立に、水
素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜5個のアルキル
基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、またはアシロ
キシ基であり、R14は、5〜20個の環原子を有する芳
香族炭素環または複素環である。)で表される3−ケト
クマリン化合物、式(20)
【0054】
【化20】 (式中、R20及びR21は、それぞれ独立に、水素原子、
炭素数1〜5個のアルキル基、ジアルキルアミノ基、ア
ルコキシ基、またはアシロキシ基である。)で表される
ビスクマリン化合物、N−フェニルグリシン、N−フェ
ニルジエタノールアミン、3,3′,4,4′テトラ
(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンな
どを挙げることができる。光重合開始剤の使用量は、特
に限定されないが、(A)ポリアミド酸100重量部に
対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部、より好ましくは1〜5重量部である。
【0055】(D)テトラゾール類 本発明の感光性ポリイミド樹脂組成物には、粘着テープ
を使用して剥離可能なレジストパターンを形成するため
に、テトラゾール類を含有させる。テトラゾール類と
は、1H−テトラゾール、5,5′−ビス−1H−テト
ラゾール、及びこれらの誘導体である。テトラゾール類
は、銅及び銅合金に対する腐食防止、ポリイミド膜の基
板に対する密着性の向上、レジストの残膜防止などに寄
与する。本発明のレジスト除去方法では、テトラゾール
類を添加した感光性ポリイミド樹脂組成物を用いること
により、不要となったレジストパターンを粘着テープを
用いて容易に剥離することができるという、予期し得な
い作用効果を奏することができる。1H−テトラゾー
ル、及びその誘導体は、下記の式(21)
【0056】
【化21】 で表すことができる。5,5′−ビス−1H−テトラゾ
ール及びその誘導体は、下記の式(22)
【0057】
【化22】 で表される化合物である。
【0058】R1の定義:式(21)及び(22)にお
いて、R1は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10の
アリル基、炭素数3〜6の環状脂肪族基、フェニル基、
次式(23)
【0059】
【化23】 〔式中、nは、1〜3の整数であり、Xは、炭素数1〜
10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、−
NR′R″(R′R″は、独立して水素原子、メチル
基、エチル基、アセチル基、エチルカルボニル基であ
る)、−COOH、−COOCH3、−NO2、−OH、
−SH、または−SCH3である。〕で表される置換フ
ェニル基、または式(24)
【0060】
【化24】 〔式中、mは、1〜10の整数であり、Yは、−COO
H、−NR′R″(R′R″は、独立して水素原子、メ
チル基、エチル基、アセチル基、エチルカルボニル基で
ある)、フェニル基、または前記式(23)で表される
置換フェニル基である。〕で表される置換メチル基であ
る。
【0061】これらの置換基の中でも、R1として好ま
しい置換基の具体例としては、水素原子、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、
3−メチル−1−ブチル基、ヘキシル基、4−メチル−
1−ペンチル基などの炭素数1〜6のアルキル基;シク
ロプロピル基、シクロペンチル基、2−メチルシクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜6の環状
脂肪族基;フェニル基;前記一般式(3)で表される置
換フェニル基のうちnが1または2であり、Xが炭素数
1〜6のアルキル基、アミノ基、メチルアミノ基、アセ
トアミド基、−SH、−OHであるもの、例えば、メチ
ルフェニル基、ジメチルフェニル基、ブチルフェニル
基、t−ブチルフェニル基、アミノフェニル基、アミノ
メチルフェニル基、アセトアミドフェニル基、メルカプ
トフェニル基、ヒドロキシフェニル基などの置換フェニ
ル基;または前記式(24)で表される置換メチル基の
うちmが1または2であり、Yがフェニル基、アミノ
基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アセトアミド
基であるもの、例えば、ベンジル基、フェネチル基など
のアラルキル基、アミノメチル基、アミノエチル基、メ
チルアミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、アセチ
ルアミノメチル基などの(置換)アミノメチル基;等が
挙げられる。
【0062】R2の定義:式(21)において、R2は、
水素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10
のアルキニル基、炭素数3〜6の環状脂肪族基、フェニ
ル基、置換フェニル基、−OR3(ただし、R3は、炭素
数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル
基、炭素数2〜10のアルキニル基、フェニル基、また
は前記式(23)で表される置換フェニル基)、次式
(25)
【0063】
【化25】 〔式中、kは、1〜10の範囲内の整数であり、Zは、
ハロゲン原子、アミノ基、−NR′R″(R′及びR″
は、独立して水素原子、メチル基、エチル基、アセチル
基、エチルカルボニル基である)、フェニル基、前記式
(23)で表される置換フェニル基、−SH、−SR4
(ただし、R4は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニ
ル基、フェニル基、または前記式(23)で表される置
換フェニル基)、−C(NH2)H−(CH2)n−CH
3(ただし、n=1〜5)、または−C(NHCH3)H
−(CH2)n−CH3(ただし、n=0〜5)であ
る。〕で表される置換メチル基、または次式(26)
【0064】
【化26】 〔式中、Aは、−CO−、−NHCO−、−C(=N−
OH)−、−CH(OH)、−CH(NH2)−、−C
H(Cl)、−CH(Br)−であり、R5は、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル
基、炭素数3〜6の環状脂肪族基、フェニル基、前記式
(23)で表される置換フェニル基、前記式(25)で
表される置換メチル基、または次式(27)
【0065】
【化27】 [式中、Xは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1
〜10のアルコキシ基、アミノ基、−NR′R″(R′
R″は、独立して水素原子、メチル基、エチル基、アセ
チル基、エチルカルボニル基である)、−COOH、−
COOCH3、−NO2、−OH、−SH、または−SC
3である。]で表される基である。〕で表される基で
ある。
【0066】R2の好ましい具体例としては、水素原
子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、
t−ブチル基、ペンチル基、3−メチル−1−ブチル
基、ヘキシル基、4−メチル−1−ペンチル基などの炭
素数1〜6のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペ
ンチル基、2−メチルシクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基などの炭素数3〜6の環状脂肪族基;フェニル基;
メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニ
ル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシ
ルフェニル基などの炭素数1〜6のアルキル基を有する
置換フェニル基;アミノフェニル基、メチルアミノフェ
ニル基、アセトアミドフェニル基などの(置換)アミノ
フェニル基;前記式(25)で表される置換メチル基の
うちkが1または2であり、Zがフェニル基、アミノ
基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アセトアミド
基であるもの、例えば、ベンジル基、フェネチル基など
のアラルキル基、アミノメチル基、アミノエチル基、メ
チルアミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、アセチ
ルアミノメチル基などの(置換)アミノメチル基;等が
挙げられる。
【0067】1H−テトラゾール、5,5′−ビス−1
H−テトラゾール、及びこれらの誘導体の好ましい具体
例としては、未置換の1H−テトラゾール;5−メチル
−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾ
ール、5−アミノ−1H−テトラゾールなどの5置換−
1H−テトラゾール;1−メチル−1H−テトラゾール
などの1置換−1H−テトラゾール;1−フェニル−5
−メルカプト−1H−テトラゾールなどの1置換−5置
換−1H−テトラゾール;などを挙げることができる。
これらの中でもR1=Hである1H−テトラゾール、及
び5置換−1H−テトラゾールが特に好ましい。
【0068】本発明で用いるテトラゾール類、すなわ
ち、1H−テトラゾール、5,5′−ビス−1H−テト
ラゾール、及びこれらの誘導体は、R1 が水素原子のも
のが特に高い効果を示す。その理由としては、1位N部
位に水素原子が結合しているテトラゾール類は、溶液中
でその水素イオン(プロトン)が酢酸と同程度の酸性を
示し、容易に金属あるいは塩基と塩を形成することがで
きる。したがって、このようなテトラゾール類は、銅及
び銅合金と反応して、銅塩を形成する。この銅塩は、酸
化に対して安定で、銅イオンの遊離を抑制する。また、
このようなテトラゾール類は、ポリアミド酸中のカルボ
キシル基と銅または銅合金との反応を抑制し、カルボン
酸銅の生成を抑制すると考えられる。テトラゾール類
は、(A)化学線官能基を有するポリアミド酸100重
量部に対して、通常0.05〜20重量部、好ましくは
0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜3重量部の
配合割合で使用する。この配合割合が過小であると添加
効果が小さく、逆に、過大であると効果が飽和する。テ
トラゾール類は、通常、ポリアミド酸の溶液に添加して
使用する。
【0069】(E)溶剤 前記各成分(A)〜(D)は、溶剤中に均一に溶解ない
しは分散した感光性ポリイミド樹脂組成物として使用す
る。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクロ
ンなどの極性溶剤が挙げられる。これらの極性溶剤のほ
かに、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロ
ン酸ジエチル等のエステル類;ジエチルエーテル、エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル
類;ジクロロメタン、1,2−ジクロルエタン、1,4
−ジクロルブタン、トリクロルエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の炭化水素類なども使用することができる。
これらの溶剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を
組み合わせて使用することができる。これらの中でも、
N,N−ジメチルアセトアミドやN−メチル−2−ピロ
リドンなどが特に好ましい。
【0070】溶媒の使用割合は、一般に、各成分を均一
に溶解ないしは分散するに足る量とする。溶媒の使用割
合は、溶媒の種類やポリアミド酸の種類によって異なる
が、(A)化学線官能基を有するポリアミド酸に対し
て、通常、3〜25倍量(重量比)、好ましくは5〜2
0倍量、より好ましくは6〜10倍量の範囲である。本
発明の感光性ポリイミド樹脂組成物には、さらに必要に
応じて、接着助剤、レベリング剤、重合禁止剤等の各種
添加剤を添加することができる。
【0071】(パターン形成方法)本発明のパターン形
成方法は、通常、次の各工程から構成される。 被加工層を表面に形成した基板上に、感光性ポリイミ
ド樹脂組成物を塗布し、乾燥して、レジスト膜を形成す
る工程、 該レジスト膜上から部分的(パターン状)に光を照射
する露光工程、 現像液(好ましくは、アルカリ現像液またはアルカリ
水溶液)を用いて現像する工程、 現像により形成されたレジストパターンをマスクとし
て使用し、被加工層を加工処理する工程、 不要となったレジストパターンを、粘着テープを用い
て剥離することにより、基板上から除去する工程。
【0072】上記方法により、例えば、回路パターン、
リードフレーム、接続孔などが表面に形成された基板を
得ることができる。ビルトアップ配線板などのように、
配線と絶縁樹脂層との逐次積層の際、次の回路パターン
を形成するために、同様の工程が繰り返されることがあ
る。基板としては、特に限定されず、例えば、シリコン
基板、ガラス基板、樹脂基板、セラミック基板、単結晶
基板、プリント基板、金属基板、複合基板などが挙げら
れる。被加工層の材質としては、使用目的に応じて選択
することができ、例えば、銅箔、銅メッキ、Al合金、
Au合金、ITO、誘電体(SiO2、樹脂など)、ク
ロム、酸化クロムなどが挙げられる。したがって、除去
の対象となるレジストパターンが存在する物品の種類
も、特に限定されず、例えば、PWB、LSI、LC
D、フォトマスク、各種表面実相部品などが挙げられ
る。本発明のレジスト除去方法は、銅箔や銅メッキなど
の銅層が形成された各種基板、例えば、樹脂付き銅箔な
どに適用した場合に、特に優れた結果を得ることができ
る。
【0073】基板の被加工層の上に、感光性ポリイミド
樹脂組成物(ワニス)を塗布後、通常、50〜100℃
程度の低温でプリベークして、塗膜を乾燥する。塗布方
法としては、特に限定されず、例えば、スピナーを用い
た回転塗布法(スピンコート法)、スプレーコーターを
用いた噴霧塗布法、浸漬法、印刷法、ロールコーティン
グ法、スリットコート法などを挙げることができる。次
いで、塗膜(レジスト膜)上から、所望のパターン形状
に、化学線を照射する(露光)。化学線としては、X
線、電子線、紫外線、可視光線などを使用できるが、通
常200〜500nmの範囲内の波長のものが好まし
い。化学線をパターン状に照射する方法としては、所望
のパターン状の開孔を有するフォトマスクを介して化学
線を照射する方法が一般的であるが、所望により、化学
線で直接描画してもよい。露光後、塗膜の非照射部を現
像液で溶解除去することにより、レリーフパターンを得
ることができる。本発明では、現像液として、アルカリ
現像液またはアルカリ性水溶液を使用することが可能で
あり、かつ、これらの使用が好ましい。ただし、必要に
応じて、有機溶剤を現像液として使用することも可能で
ある。
【0074】アルカリ現像液とは、塩基性化合物を有機
溶媒が50重量%以上の溶媒に溶解して得た現像液であ
る。有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−アセチルピロリドン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、γ−ブチロラクトンなどの非プロトン性
極性溶媒が挙げられる。また、メタノール、エタノール
等のアルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;テトラヒドロフラン、ジオキサジン等のエーテル
類;等の一般的有機溶媒または水を混合して用いること
ができる。
【0075】アルカリ水溶液とは、塩基性化合物を水が
51重量%以上の溶媒に溶解して得た現像液である。水
以外の溶媒成分としては、例えば、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチ
ロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒;メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール
類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物;ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロペンタンノン等の
ケトン類;酢酸メチル、乳酸メチル等のエステル類;テ
トラヒドロフラン、ジオキサジン等のエーテル類;エチ
レングリコール、ジエチレングリコール等のジオール
類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ類;な
どが挙げられる。
【0076】塩基性化合物(アルカリ)としては、例え
ば、アルカリ金属や4級アンモニウムの水酸化物、炭酸
塩、重炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、酢
酸塩、アミン塩等が用いられる。これらの具体例として
は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウ
ム、水酸化アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニ
ウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ピロリン
酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、コリ
ン等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0077】塩基性化合物の使用割合は、溶媒100重
量部に対して、通常、0.001〜50重量部、好まし
くは0.05〜30重量部である。この使用割合が少な
すぎると現像性が低下し、多すぎると塩基性化合物が完
全に溶解せず不均一な溶液となったり、アルカリ濃度が
高すぎて、ポリアミド酸に対する溶解性が強すぎるた
め、非露光部の表面荒れを起こしたりする。塩基性化合
物は、現像液のpHが通常10.0以上、好ましくは1
1.0〜13.5の範囲内になるような割合で使用する
ことが望ましい。現像液のpHが低すぎると、現像速度
が低下する傾向にあり、高すぎると、ポリアミド酸に対
する溶解性が強すぎるため、非露光部の膨潤、表面荒れ
を起こしたり、露光部と非露光部の溶解度差が少なくな
り、良好な形状のパターン形成が困難になる。
【0078】現像液は、アルカリ現像液及びアルカリ水
溶液をそれぞれ単独で用いてもよいし、混合して用いて
もよい。アルカリ現像液とアルカリ水溶液を混合して用
いる場合は、有機溶媒の使用量が水100重量部に対し
て、通常0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重
量部である。現像液としては、人体に対してより安全で
あって、安価なアルカリ水溶液を用いることが好まし
い。このように、本発明では、現像液として、アルカリ
水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液は、有
機溶媒を含まないことが好ましく、有機溶媒を併用する
場合でも、その割合が小さい方が、有機溶媒の使用に伴
う前述の如き問題点を解消する上で好ましい。
【0079】現像方法としては、スプレー、パドル、浸
漬、超音波などの各種方式を採用することができる。感
光性ポリイミド樹脂のアルカリ現像のしやすさの程度に
応じて、パドル現像や超音波浸漬現像を選択することが
望ましい。現像速度は、現像液の液温によっても影響さ
れる。したがって、現像液のpHや液温、あるいは現像
法などの諸条件を予め点検して、最適の条件を設定する
ことが望ましい。現像により形成されたレリーフパター
ンは、通常、リンス液により洗浄し、現像液を除去す
る。洗浄処理後、レジストパターンをマスクとして、被
加工層の加工処理を行う。加工処理としては、目的応じ
て適宜選択することができ、例えば、エッチング、イオ
ン注入、ドーピングなどを挙げることができる。エッチ
ングとしては、ウエットエッチング及びドライエッチン
グのいずれでもよい。本発明のレジスト除去方法は、例
えば、銅層を形成した基板を用い、レジストパターン形
成後にウエットエッチングした場合にも、良好な結果が
得られる。
【0080】(レジスト除去方法)本発明では、基板上
の被加工層の加工処理を終了した後、ポリアミド酸をポ
リイミド化することなく除去する場合に、粘着テープを
用いて剥離する方法を採用する。粘着テープは、レジス
トパターンが形成された物品(各種基板など)上に貼り
付ける。粘着テープを貼り付ける方法は、特に限定され
ないが、通常、加圧ロールにより粘着テープを物品上に
押し付ける方法が好ましい。粘着テープの剥離方法も特
に限定されず、常法に従って行うことができる。粘着テ
ープとしては、支持体上に粘着剤層が形成されたものを
使用することができる。支持体としては、セロハン、
紙、フィルムまたはシート(例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
塩化ビニルなどのプラスチックフィルムやシート)、布
など任意である。粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着
剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げ
られる。また、粘着剤として、紫外線硬化型のものを使
用することができる。粘着テープが感圧接着型のもので
ある場合には、粘着テープを物品上に押し付けるだけで
よいが、紫外線硬化型の場合には、紫外線を照射する工
程を付加する。また、必要に応じて、物品上に貼り付け
た粘着テープを加熱したり、帯電防止処理を施した粘着
テープを使用することなどもできる。
【0081】粘着テープの粘着力は、JIS Z−02
37(常温、180度引き剥し法、剥離速度300mm
/分、相手材=SUS鋼板)に基づき、好ましくは10
0gf/10mm以上、より好ましくは120gf/1
0mm以上である。粘着力の上限は、剥離性の観点か
ら、通常、500gf/10mm程度である。粘着テー
プの粘着力が低すぎる場合には、レジストパターンを容
易に剥離することが難しくなる。本発明のレジスト除去
方法によれば、感光性ポリイミド樹脂組成物から形成さ
れたレジストパターンを、物品上からきれいに剥離除去
することができる。ただし、粘着テープの粘着力が不足
するなどの理由で、剥離後に若干のレジスト残渣が存在
する場合には、汎用の剥離液を用いて容易に除去するこ
とができる。カルボキシル基を特定の範囲で含む両末端
変性ポリアミド酸を含有する感光性ポリイミド樹脂組成
物を用いると、剥離液として有機溶剤系ではなく、水系
剥離液(例えば、アライドシグナル社製ACT935)
を使用することが可能である。
【0082】
【実施例】以下に、参考例、実施例、及び比較例を挙げ
て、本発明についてより具体的に説明する。 [参考例1] <感光性ポリイミド樹脂組成物(A)の調製>攪拌機と
乾燥ガス導入管を装備した反応器に、4,4′−ジアミ
ノベンズアニリド45.9g(0.202mol)とジ
メチルアセトアミド811gとを仕込み、50℃で攪拌
して溶解した。この溶液に、ピロメリット酸二無水物2
2.9g(0.105mol)と3,3′,4,4′−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物33.8g
(0.105mol)とを加えて、反応温度50℃で3
時間反応させた。次いで、10℃以下に冷却後、ピロメ
リット酸二無水物9.8g(0.045mol)、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物14.5g(0.045mol)、1,4′−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン25.1g(0.0
86mol)、及び末端変性アミンとしてp−アミノ安
息香酸[トリス(メタクリロイル)ペンタエリスリトー
ル]エステル11.02g(0.024mol)を粉体
で加えて、氷冷攪拌3時間、室温攪拌24時間を行っ
て、化学線官能基を有するポリアミド酸を合成した。こ
の両末端変性ポリアミド酸のカルボキシル基/−COO
H=258.3であった。このようにして得られたポリ
アミド酸溶液597重量部(固形分=100重量部)
に、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキ
シカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB:λmax=
340nm、日本油脂社製)2重量部、N−フェニルグ
リシン2重量部、感光助剤の3EG−A(共栄社化学社
製;トリエチレングリコールジアクリレート)32重量
部、及び1H−テトラゾール0.5重量部を添加し、室
温で溶解して、アルカリ現像可能な感光性ポリイミド樹
脂組成物A(ワニス)を得た。
【0083】[参考例2] <感光性ポリイミド樹脂組成物(B)の調製>1H−テ
トラゾールを添加しなかったこと以外は、参考例1と同
様にして、感光性ポリイミド樹脂組成物Bを調製した。
【0084】[参考例3]光塩基発生剤としてニフェジ
ピン誘導体を含有するアルカリ現像型感光性ポリイミド
樹脂組成物(日東電工社製JR−3240P)を、テト
ラゾール類を添加することなく使用し、これを感光性ポ
リイミド樹脂組成物Cとした。
【0085】[実施例1]参考例1で合成した感光性ポ
リイミド樹脂組成物A(ワニス)を市販の樹脂付き銅箔
の銅箔面にスピナーで塗布し、オーブン中、80℃で2
0分間乾燥し、膜厚約15μmのレジスト膜を形成し
た。このレジスト膜が形成された樹脂付き銅箔基板に、
凸版印刷社製ステップタブレットマスクを用いて、PL
A−501F(キャノン社製)により露光し、次いで、
0.15%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(T
MAH)水溶液で浸漬現像を行った。この結果、露光エ
ネルギー200mJ/cm2(436nm)以上のとこ
ろでレジストパターンを得ることができた。また、同じ
レジスト膜が形成された樹脂付き銅箔基板に、凸版印刷
社製の解像評価マスクを用いて、PLA−501Fで1
500mJ/cm2の露光エネルギーで露光し、現像し
たところ、幅30.0μmのパターンまで解像すること
ができた。解像後、残留した幅30μmのレジストパタ
ーン上に、市販セロハン粘着テープ(粘着力120gf
/10mm)を貼り付けた。次いで、セロハン粘着テー
プを基板から引き剥がしたところ、セロハン粘着テープ
と共にレジストパターンも銅箔表面からきれいに剥離し
た。
【0086】[実施例2〜4]実施例1と同一条件でレ
ジストパターンを形成した。次いで、粘着テープとし
て、表1に示す各種市販の粘着テープを用いて、剥離試
験を行った。結果を表1に示す。
【0087】[比較例1]参考例2で合成したワニスを
用い、実施例1と同一の条件でレジストパターンを形成
した。次いで、実施例1で使用したのと同じセロハン粘
着テープを用いて剥離試験を行ったが、レジストパター
ンを剥離することができなかった。
【0088】[比較例2]参考例3に記載した市販アル
カリ現像型感光性ポリイミド樹脂組成物を用い、樹脂付
き銅箔上にスピナーでワニスを塗布した。オーブン中、
80℃で20分間乾燥させ、膜厚約12μmのレジスト
膜を形成した。このレジスト膜が形成された樹脂付き銅
箔に、凸版印刷社製ステップタブレットマスクを用い
て、PLA−501F(キャノン社製)により露光し、
露光後、165℃で10分間加熱後、専用現像液で現像
した。また、同じレジスト膜が形成された樹脂付き銅箔
に、凸版印刷社製解像評価マスクを用いて、PLA−5
00Fで1500mJ/cm2の露光エネルギーで露光
し、現像したん用、幅35μmのレジストパターンを得
た。このレジストパターン上に市販セロハン粘着テープ
(粘着力120gf/mm)を貼り付け、次いで、セロ
ハン粘着テープと共にポリアミド酸パターンを剥離しよ
うとしたが、剥離できなかった。
【0089】
【表1】 (脚注)<レジストパターン剥離性の評価基準> ◎:レジスト残渣がなく、きれいに剥離除去できる、 ○:きれいに剥離除去できるが、若干のレジスト残渣が
残る場合がある、 ×:除去できない。
【0090】表1の結果から明らかなように、テトラゾ
ール類を添加した感光性ポリイミド樹脂組成物を用いて
レジストパターンを形成すると、不要となったレジスト
パターンを粘着テープを用いて基板上からきれいに剥離
除去することができる。使用する粘着テープの粘着力
は、剥離性の評価結果からみて、100gf/10mm
以上であることが好ましい。実際、セロハン粘着テープ
の粘着剤層をエタノールで処理して粘着力を低下させた
劣化粘着テープ(粘着力85gf/10mm)を用いた
ところ、粘着力が低すぎて、十分な剥離性を発揮できな
かった。
【0091】[実施例5]実施例1に記載した方法によ
り、樹脂付き銅箔上に、幅30μmのレジストパターン
を形成した。このレジストパターンをマスクとして、露
出した銅箔面を塩化第二銅水溶液でエッチングし、銅箔
部位を溶解した。エッチング処理した基板を水洗した
後、窒素ガスブローで乾燥した。次に、レジストパター
ン上に市販セロハンテープ(粘着力120gf/mm)
を貼り付けた後、該粘着テープを引き剥がしたことろ、
レジストパターンがきれいに剥れた。その結果、樹脂基
板上には、エッチング処理中にレジストパターンで保護
された銅箔部位が銅配線パターンとして得られた。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、感光性ポリイミド樹脂
組成物を用いて形成されたレジストパターンが存在する
物品表面から、粘着テープを用いて、不要となったレジ
ストパターンを除去する方法が提供される。また、本発
明によれば、被加工層を表面に形成した基板上に、感光
性ポリイミド樹脂組成物を用いてパターンを形成する方
法において、エッチングなどにより被加工層を加工処理
した後、粘着テープを用いて、不要となったレジストパ
ターンを除去する工程を含むパターン形成方法が提供さ
れる。本発明のレジスト除去方法によれば、作業安全性
が高く、また、膜強度の高い感光性ポリイミド樹脂組成
物をレジスト材料として使用するため、工程の取り扱い
安定性が高い。また、本発明によれば、例えば、銅配線
や銅箔基板上に、直接微細な回路パターン等を形成する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 圭 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 横内 貴志男 神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 長沼 靖男 神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA16 AB15 AB16 AC01 AD01 BC13 BC31 BC51 BC69 CC03 CC20 DA18 FA39 FA47 2H096 BA06 BA20 HA11 LA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性樹脂組成物を用いて形成されたレ
    ジストパターンが存在する物品表面からレジストパター
    ンを除去する方法において、(1)感光性樹脂組成物と
    して、テトラゾール類を含有する感光性ポリイミド樹脂
    組成物を用い、かつ、(2)レジストパターンが存在す
    る物品上に粘着テープを貼り付け、次いで、粘着テープ
    をレジストパターンと共に物品表面から剥離することを
    特徴とするレジスト除去方法。
  2. 【請求項2】 感光性ポリイミド樹脂組成物が、(A)
    化学線官能基を有するポリアミド酸、(B)光重合性官
    能基を有する感光助剤、(C)光重合開始剤、(D)テ
    トラゾール類、及び(E)溶剤を含有するものである請
    求項1記載のレジスト除去方法。
  3. 【請求項3】 粘着テープが、100gf/10mm幅
    (常態)以上の粘着力を有するものである請求項1記載
    のレジスト除去方法。
  4. 【請求項4】 粘着テープが、光硬化性の粘着剤層を有
    するものであって、レジストパターンが存在する物品上
    に粘着テープを貼り付け、次いで、光を照射して粘着剤
    層を硬化させた後、粘着テープをレジストパターンと共
    に物品表面から剥離する請求項1記載のレジスト除去方
    法。
  5. 【請求項5】 被加工層を表面に形成した基板上に感光
    性樹脂組成物を塗布してレジスト膜を形成し、次いで、
    レジスト膜に部分的に光を照射した後、現像してレジス
    トパターンを形成し、さらに、レジストパターンをマス
    クとして被加工層を加工処理し、最後にレジストパター
    ンを除去するパターン形成方法において、(1)感光性
    樹脂組成物として、テトラゾール類を含有する感光性ポ
    リイミド樹脂組成物を用い、かつ、(2)被加工層をエ
    ッチングした後、レジストパターンが存在する基板上に
    粘着テープを貼付し、次いで、粘着テープをレジストパ
    ターンと共に基板表面から剥離することを特徴とするパ
    ターン形成方法。
  6. 【請求項6】 被加工層を表面に形成した基板が、銅層
    を表面に形成した樹脂基板であり、かつ、被加工層の加
    工処理が、エッチングである請求項5記載のパターン形
    成方法。
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