JP2000065777A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

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JP2000065777A
JP2000065777A JP10235073A JP23507398A JP2000065777A JP 2000065777 A JP2000065777 A JP 2000065777A JP 10235073 A JP10235073 A JP 10235073A JP 23507398 A JP23507398 A JP 23507398A JP 2000065777 A JP2000065777 A JP 2000065777A
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electrode
substrate
substrates
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counter electrode
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Masao Goto
正男 後藤
Yuzuru Tamura
譲 田村
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Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化還元酵素を電極上に固定し、作用極と対
極とを対面構造をとるように配置したバイオセンサであ
って、製作が容易であるものを提供する。 【解決手段】 酸化還元酵素を作用極上および対極上の
少くとも一方に固定化したバイオセンサにおいて、絶縁
膜を介して作用極および対極をそれぞれ形成させた2枚
の基板を、基板側面部に設けられた折曲げ可能な立上り
部によって一体化させ、該立上り部を折り曲げると共
に、基板他端側面部に形成させた立上り部を固定させる
ことにより、作用極と対極とが離間した対面構造をとる
ように配置したバイオセンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化還元酵素を電
極上に固定化したバイオセンサに関する。更に詳しく
は、酸化還元酵素を電極上に固定化し、作用極と対極と
を対面構造をとるように配置したバイオセンサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】グルコースオキシダーゼを作用極上に固
定化せしめた従来のグルコースバイオセンサにあって
は、作用極以外に対極あるいは対極と参照極とが平面状
基板の同一面上に配置されている。このような電極配置
のグルコースバイオセンサにおいて、測定サンプルを電
極に接触させるには2つの方法がとられている。
【0003】その第1の方法は、直接測定サンプルを電
極上に滴下する方法であるが、この方法ではサンプリン
グから滴下迄手間と時間を要するという問題がある。そ
の第2の方法は、電極基板の上に溝を有するスペーサを
配置し、その上に更に空気孔を設けたカバーを配置した
構造のものを用いるという方法である。この方法では、
測定サンプルが直接電極上に導かれるため手間や時間が
とられないという利点がある反面、空気孔の設置を必要
とするなど、素子製作において煩雑な工程を必要とする
という欠点を有している。
【0004】そこで、本出願人は先に、グルコースオキ
シダーゼを電極上に固定化せしめたグルコースバイオセ
ンサであって、製作および測定が容易であり、従って使
い捨てグルコースバイオセンサとして好適なものとし
て、作用極および対極とを対面構造をとるように配置
し、より具体的には作用極を配置した基板と対極を配置
した基板との間にスペーサを介在させることにより対面
構造をとるように配置したものを提案している(特開平1
0-2874号公報)。
【0005】かかるグルコースオキシダーゼは、微量サ
ンプルでも測定を可能とするという所期の目的は達成さ
せるものの、スペ−サを介在させているため、製作工程
が煩雑となり、コストアップをもたらすという欠点がみ
られた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸化
還元酵素を電極上に固定し、作用極と対極とを対面構造
をとるように配置したバイオセンサであって、製作が容
易であるものを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
酸化還元酵素を作用極上および対極上の少くとも一方に
固定化したバイオセンサにおいて、絶縁膜を介して作用
極および対極をそれぞれ形成させた2枚の基板を、基板
側面部に設けられた折曲げ可能な立上り部によって一体
化させ、該立上り部を折り曲げると共に、基板他端側面
部に形成させた立上り部を固定させることにより、作用
極と対極とが離間した対面構造をとるように配置したバ
イオセンサによって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】基板側面部に設けられた折曲げ可
能な立上り部を折り曲げると共に、基板他端側面部に形
成させた立上り部によって基板他端部同志を固定させる
ことにより、対面構造配置がとられるが、基板他端側面
部に形成させた固定用立上り部は、一方の基板にのみ設
けられる場合と両方の基板に設けられる場合の2通りの
いずれの方法によっても行うことができる。
【0009】図1に記載された態様にあっては、2枚の
基板1,2には、それぞれ接着剤層3によって接着された
絶縁層4を介して、作用極5および対極6が形成されて
おり、作用極5上および対極6上の少なくとも一方には
酸化還元酵素を固定化させることができる。これら2枚
の基板1,2は、それらの基板側面部に設けられた折曲げ
可能な立上り部7,8によって一体化されており、この立
上り部7,8を折り曲げ、一方の基板1の他端部に形成さ
せた立上り部9(折曲構造立上り部7,8の立上り高さと
同一の高さを有する)の端部接着層10に他方の基板2の
他端部11を接着させて固定することにより、作用極5と
対極6とが離間した対面構造配置がとられるようにな
る。
【0010】なお、この場合の立上り部9の長さは、電
極同志の確実な離間対面構造配置が確保される限り、基
板の長さ方向の全長にわたる必要はない。また、他端部
立上り部の固定は、図2に例示させる如く、接着による
のではなく、一方の基板の他端部立上り部21と他方の基
板の他端部立上り部22とを、互いに係合し得る構造23を
とることによって行うこともできる。
【0011】更に、図3に記載された態様にあっては、
先端部にテ−パ−部を有する2枚の基板31,32には、接
着剤層33によって接着された絶縁層34を介して、作用極
35および対極36が形成されており、作用極35上には酸化
還元酵素37が固定化されている。これら2枚の基板31,3
2は、それらの基板側面部に設けられた折曲げ可能な立
上り部38,39によって一体化されており、この立上り部3
8,39を折り曲げ、一方の基板1の他端部に形成させた立
上り部40の端部接着剤層41に他方の基板32の他端部42を
接着させて固定することにより、作用極35と対極36とが
離間した対面構造配置がとられるようになる。
【0012】なお、符号43,44はそれぞれ作用極リ−ド
部および対極リ−ド部であり、これらのリ−ド部は布等
によって研磨されていることが好ましく、またそれらの
一部は電極部分を残した状態で、例えば熱硬化性ポリエ
ステル等の絶縁膜44,45で覆われている。
【0013】これらの立上げられた折曲構造あるいは他
端部に形成させた立上り部の高さは、当然のこととして
作用極および対極が接触しない間隔を保持し得るもので
なければならず、その間隔は一般に約100〜500μm(約0.
1〜0.5mm)、好ましくは約150〜350μm(約0.15〜0.35mm)
で設定される。例えば、図1に示された態様にあって
は、約100〜2000μm(約0.1〜2mm)の厚さを有する樹脂製
基板上に、約25μmの接着剤層、約40μmのPET樹脂製
絶縁層および約10μmのカ−ボン電極(合計75μm)がいず
れもスクリ−ン印刷法により両方の基板上に設けられ、
これに対して一方の基板の端部に形成させた立上り部は
基板面からみて310μmの高さを有するので、結局電極間
間隔は160μmとなる。
【0014】少くとも作用極上に固定化せしめる酸化還
元酵素としては、グルコースオキシダーゼ乳酸オキシダ
ーゼ、アルコールオキシダーゼ、ピルビル酸オキシダー
ゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロ
ゲナーゼ、ピルビル酸デヒドロゲナーゼ等があり、これ
らによってグルコース、乳酸、アルコール、ピルビン
酸、抗原等の有機物質、塩素イオン、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、水素イオン、溶存酸素等の電解質
や無機物質の濃度測定が可能であるが、最も一般的に用
いられるグルコースオキシダーゼによるグルコース濃度
の測定法について、以下で説明することとする。
【0015】グルコースオキシダーゼは、一般には作用
極上に固定化せしめるが、グルコースオキシダーゼは測
定サンプルである水溶液中に溶解され、作用極上で反応
するようになるため、作用極周辺、対極またはその周辺
などに固定化させていてもよい。
【0016】グルコースオキシダーゼの電極への固定
化、好ましくは作用極上への固定化は、以下に列挙され
る如く、グルコースオキシダーゼ単体としてばかりでは
なく、電子伝達体(メディエータ)およびアルブミンの少
なくとも一種を添加した混合物層としても形成される。 (1)グルコースオキシダーゼ層 (2)グルコースオキシダーゼ-電子伝達体混合物層 (3)グルコースオキシダーゼ-アルブミン混合物層 (4)グルコースオキシダーゼ-電子伝達体-アルブミン混
合物層
【0017】グルコースオキシダーゼ層(1)の形成は、
グルコースオキシダーゼ(GOD)を、例えば165800単位/g
のGODの場合その約1〜50mg、好ましくは約5〜30mgを蒸
留水またはクエン酸緩衝液(約0.05〜0.2M濃度)1mlに溶
解させ、その溶液(GOD溶液)約0.5〜10μl、好ましくは
約1〜3μlを滴下法、スピンコート法などによって滴下
し、室温で乾燥させて、膜厚約0.05〜10μm、好ましく
は約0.1〜2μmの層を形成させることにより行われる。
【0018】混合物層(2)〜(4)の場合にも、この場合と
同様の形成方法が行われ、ただしGOD水溶液中に更に次
の各成分が添加された溶液が用いられる。 混合物層(2)の場合:フェリシアン化カリウム、パラベ
ンゾキノン等が電子伝達体として用いられ、フェリシア
ン化カリウムにあっては約1〜100mg、好ましくは約30〜
60mgを、パラベンゾキノンにあっては約1〜200mg、好ま
しくは約50〜150mgを更に添加した溶液を使用 混合物層(3)の場合:牛血清アルブミンを約1〜100mg、
好ましくは約5〜30mgを更に添加した溶液を使用 混合物層(4)の場合:混合物層(2)の形成に用いられた量
の電子伝達体および混合物層(3)の形成に用いられた量
の牛血清アルブミンを更に添加した溶液を使用
【0019】添加された電子伝達体は下記の如く作用
し、またアルブミンやクエン酸緩衝液の添加は、測定液
(グルコース水溶液)のpH変化に対して出力誤差を抑制
し、バラツキのより少ない測定結果を与える。また、ノ
ニオン系界面活性剤を電極付近に塗布することにより、
測定液の吸収、それに引続く混合層の溶解に寄与し、測
定精度を向上させるという効果も得られる。
【0020】グルコースがGODの作用により酵素の存在
下で酸化されてグルコノラクトンを生成させ、そのとき
発生するH2O2を作用極上で酸化し、その際の酸化電流値
を測定することにより、グルコース濃度を間接的に求め
る方法は周知である。しかしながら、測定液が水で希釈
されない原液サンプルの場合には、酸化反応が溶存酸素
濃度に律速されるため、グルコース濃度が約100mg/dl程
度迄しか直線検量範囲を示さない。
【0021】そこで、溶液中濃度が有限である酸素の代
わりに、電子伝達体がGODと共に用いられる。メディエ
ータがフェリシアン化カリウムK3Fe(CN)6の場合、この
反応は次のように進行する。 この際発生したフェロシアンイオンは、作用極で酸化さ
れて酸化電流を生ずる。
【0022】また、メディエータとしてフェリシアン化
カリウムの代わりにパラベンゾキノンを用いた場合に
は、GOD存在下でのグルコースとパラベンゾキノンとの
反応でヒドロキノンが生成し、この際生成したヒドロキ
ノンは作用極で酸化され、酸化電流を生ずるのでその値
が測定される。
【0023】一方、対極上には、特に何も固定化しなく
とも使用し得るが、アルブミンおよび電子伝達体の少な
くとも一種からなる混合物層を形成させて用いてもよ
い。この場合には、作用極上のみに混合物層を設けた場
合にみられる測定液による混合物層の溶解、拡散に生じ
勝ちな傾きがみられなくなる利点があり、測定精度も上
昇する。
【0024】なお、固定化せしめたGODへの測定サンプ
ル液の接触を円滑に行わしめるために、作用極上、対極
上、作用極周辺、対極周辺、作用極上およびその周辺、
対極上およびその周辺などに、ノニオン系界面活性剤を
塗布したり、不織布、ロ紙等の含浸促進剤をスペーサ間
隙を利用して挾着させるなどの手段を適用することも可
能である。
【0025】グルコース濃度の測定は、このようにして
作製されたグルコースバイオセンサに所定濃度のグルコ
ース水溶液約0.1〜10μlを接触させ、約1〜120秒間程度
反応させた後、そこに約0.05〜1.5V、好ましくは約0.4
〜1.1Vの電圧を印加し、例えば印加10秒後の電流値を測
定することによって行われる。測定には、ポテンショガ
ルバノスタットおよびファンクションジェネレータが用
いられる。
【0026】
【発明の効果】酸化還元酵素を電極上に固定し、作用極
と対極とが対面構造をとるように配置したバイオセンサ
であって、製作が容易であるものが本発明によって提供
される。
【0027】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0028】実施例1 前記した如き寸法を有する図1に示される態様のカーボ
ン電極上に、更に約10μmの絶縁膜を形成させた図3に
示されるバイオセンサにおいて、他端部に形成させた立
上り部の端部接着剤層として、日東電工製品両面粘着テ
−プ500番が用いられた。この場合、基板としては、A
BS、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート
等の折り曲げ構造をとり得る樹脂製基板が用いられる。
【0029】一方の基板端部に設けられた立上り部を他
方の基板端部と接着、固定させる前の作用極上に、水1
mlにグルコースオキシダーゼ(165800単位/g)10mgおよび
フェリシアン化カリウム48mgよりなる混合液(ドープ液)
を1.5μl滴下して、室温条件下で乾燥させ、混合物層を
形成させた。同様に、対極上にも混合物層を形成させ
た。なお、混合物層の形成に先立って、作用極部分およ
び対極部分が不織布によって研磨されている。
【0030】上記グルコースバイオセンサに1μlのpH
5.0のグルコース水溶液試料(濃度250mg/dl)を吸引さ
せ、20秒間静置した後、作用極-対極間に0.9Vの電圧を
印加し、印加10秒後の電流値(単位:μA)を測定した。測
定は10回行ない、CV値(平均値に対する標準偏差の割合)
を算出し、3.2%という値を得た。測定には、ポテンショ
ガルバノスタット(北斗電工製HA-501)およびファンクシ
ョンジェネレータ(同社製HB-104)が用いられ、この装置
に上記グルコースバイオセンサが取り付けられ、測定が
行われた。なお、センサは1試料測定毎に使い捨てとし
た。
【0031】実施例2 実施例1において、混合物層の形成を作用極上のみに行
うと、CV値は3.6%であった。
【0032】実施例3 実施例2において、ド−プ液中にアルブミン10mgを更に
添加して用い、グルコ−ス水溶液のpHを7.0とすると、
得られたCV値は3.9%であった。
【0033】実施例4 実施例2において、ド−プ液をpH5.0の0.1Mクエン酸緩
衝液として調製し、グルコ−ス水溶液のpHを7.0とする
と、得られたCV値は3.8%であった。
【0034】実施例5 実施例2において、ド−プ液中にアルブミン10mgを更に
添加し、またド−プ液をpH5.0の0.1Mクエン酸緩衝液と
して調製し、グルコ−ス水溶液のpHを7.0とすると、得
られたCV値は3.7%であった。
【0035】実施例6 実施例5において、更にノニオン系界面活性剤(シグマ
社製品トリトンX-100)を0.5%含有するド−プ液を用いる
と、得られたCV値は3.6%であった。
【0036】実施例7 実施例2において、作用極の周辺に0.5%ノニオン系界面
活性剤(トリトンX-100)を塗布し、乾燥させたバイオセ
ンサを用いると、得られたCV値は3.5%であった。
【0037】なお、上記各実施例のいずれの場合にも、
グルコ−ス水溶液濃度0〜1000mg/dlにおいて、良好な検
量性が得られることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバイオセンサの一態様の断面図で
ある。
【図2】バイオセンサの組立例を示す概略図である。
【図3】本発明に係るバイオセンサの他の態様の斜視図
である。
【符号の説明】
1,31 一方の基板 2,32 他方の基板 3,33 接着剤層 4,34 絶縁層 5,35 作用極 6,36 対極 37 酸化還元酵素 7,8,38,39 折曲げ可能な立上り部 9,21,22,40 他端部立上り部 10,41 端部接着層 11,42 基板他端部 23 係合構造 43,44 電極リ−ド部 45,46 絶縁膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化還元酵素を作用極上および対極上の
    少くとも一方に固定化したバイオセンサにおいて、絶縁
    膜を介して作用極および対極をそれぞれ形成させた2枚
    の基板を、基板側面部に設けられた折曲げ可能な立上り
    部によって一体化させ、該立上り部を折り曲げると共
    に、基板他端側面部に形成させた立上り部により基板他
    端部同士を固定させることにより、作用極と対極とが離
    間した対面構造をとるように配置したバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 基板他端側面部に形成させた固定用立上
    り部が一方の基板にのみ設けられた請求項1記載のバイ
    オセンサ。
  3. 【請求項3】 基板他端側面部に形成させた固定用立上
    り部が両方の基板に設けられた請求項1記載のバイオセ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 作用極上に酸化還元酵素−電子伝達体混
    合物層が形成された請求項1記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 作用極上および対極上に酸化還元酵素−
    電子伝達体混合物層が形成された請求項1記載のバイオ
    センサ。
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