JP2000065054A - 潤滑油供給装置及びこれを用いた直線案内装置 - Google Patents

潤滑油供給装置及びこれを用いた直線案内装置

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JP2000065054A
JP2000065054A JP10236641A JP23664198A JP2000065054A JP 2000065054 A JP2000065054 A JP 2000065054A JP 10236641 A JP10236641 A JP 10236641A JP 23664198 A JP23664198 A JP 23664198A JP 2000065054 A JP2000065054 A JP 2000065054A
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ball
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track
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Shigeru Ebina
茂 海老名
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軌道軸に潤滑油を塗布する潤滑油保持部材の摩
耗を防止し、転動体の転走溝や転動体を潤滑する上で必
要最低限の量の潤滑油を長期にわたって安定的に軌道軸
に塗布することが可能な潤滑油供給装置及びこれを用い
た直線運動装置を提供する。 【解決手段】転動体3を介して軌道軸1に係合するスラ
イド部材2に装着され、かかるスライド部材2と軌道軸
1の相対的な移動に伴って該軌道軸1に潤滑油を塗布す
る潤滑油供給装置4であって、上記潤滑油を貯留する潤
滑油保持部材42,43と、この潤滑油保持部材42,
43と上記軌道軸1との間に介在すると共に該軌道軸1
の表面を転動し、かかる転動に伴って上記潤滑油保持部
材42,43から軌道軸1へ潤滑油を塗布する供給転動
体40とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば直線案内装
置やボールねじ、ボールスプライン等、ボール又はロー
ラ等の転動体を介して軌道軸とスライド部材とが相対的
に移動自在に係合した直線運動装置に使用される潤滑油
供給装置に係り、詳細には、上記軌道軸の表面に対して
潤滑油を塗布する潤滑油供給装置及びこれを用いた直線
運動装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の直線運動装置としては、
工作機械や搬送装置等の直線案内部に使用され、ベッド
又はサドル等の固定部上でテーブル等の可動体を案内す
る直線案内装置や、この直線案内装置と共に使用され、
モータの回転量に応じた直線運動のストロークを上記可
動体に対して与えるボールねじ等が知られている。
【0003】前者の直線案内装置は、上記固定部上に配
設されると共に長手方向に沿ってボールの転走溝が形成
された軌道レール(軌道軸)と、多数のボールを介して
上記軌道レールの転走溝と対向する負荷転走溝を有する
と共に、この負荷転走溝を転走するボールの無限循環路
が形成された摺動台(スライド部材)とからなり、ボー
ルの無限循環に伴い、上記可動体を支持した摺動台が軌
道レールに沿って連続的に直線運動するように構成され
ている。また、これとは逆に、固定した摺動台に対して
軌道レールが運動するように構成されている場合もあ
る。
【0004】一方、後者のボールねじは、螺旋状のボー
ル転走溝が所定のリードで形成されたねじ軸(軌道軸)
と、多数のボールを介して上記ボール転走溝と対向する
負荷転走溝を有すると共に、この負荷転走溝を転走する
ボールの無限循環路が形成されたナット部材(スライド
部材)とからなり、これらねじ軸とナット部材との相対
的な回転運動に伴ってボールが上記無限循環路内を循環
し、ナット部材とねじ軸とが軸方向へ相対的に運動する
ように構成されている。
【0005】ところで、このような直線運動装置を使用
するに当たっては、ボールそれ自体の摩耗やこれが転走
する軌道レール又はねじ軸の転走溝あるいは摺動台又は
ナット部材の負荷転走溝の摩耗を抑え、該スライド部材
の高精度の運動を長期にわたって維持する観点から、か
かるボールや上記転走溝等を使用条件に応じて適切に潤
滑してやる必要がある。
【0006】従来、ボールや転走溝等に対する潤滑油の
供給装置を有する直線運動装置しては、実開平7−23
824号公報に開示される直線案内装置が知られてい
る。この直線案内装置においては、図10に示すよう
に、潤滑油を含有したポリマ部材120が軌道レール1
21と対向する摺動台122の内面に設けられており、
かかるポリマ部材120から徐々に滲み出した潤滑油が
摺動台122の往復運動に伴って軌道レール121の上
面123及び側面124に塗布され、転走溝125やボ
ール126に潤滑油が供給されるようになっている。
【0007】また、直線運動装置の軌道軸を潤滑するそ
の他の潤滑油供給装置としては、特開平6−30744
2号公報に開示されるものが知られている。この潤滑油
供給装置では、図11に示すように、潤滑油を含有させ
たパット127をカバーフレーム128内に収容すると
共に、かかるカバーフレーム128を軌道レール129
に嵌合させてその内部のパット127を軌道レール12
9に当接させており、摺動台130の移動に併せて上記
パット127が軌道レール129と摺接するよう、上記
カバーフレーム128を摺動台130の移動方向の前後
に装着している。従って、摺動台130が軌道レール1
29に沿って往復運動を行うと、上記パット127から
滲み出した潤滑油が軌道レール129の表面に塗布さ
れ、やはり転走溝やボールに潤滑油が供給されるように
なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの潤滑
油供給装置においては、潤滑油を含有したポリマ部材又
はパットが直接軌道台と当接していることから、摺動台
が軌道レール上を走行すると、これらポリマ部材やパッ
トが徐々に摩耗して軌道レールに対する接触状態が経時
的に変化してしまい、軌道レールに対する潤滑油の供給
量が安定しないおそれがある。特に、摩耗によってこれ
らポリマ部材やパットと軌道レールの間に隙間が発生し
てしまうと、潤滑油を軌道レールに供給すること自体が
困難になり、潤滑不良によって直線案内装置が使用不能
に陥るといった事態も想定される。
【0009】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであって、その目的とするところは、転動体の転走
溝や転動体を潤滑する上で必要最低限の量の潤滑油を長
期にわたって安定的に軌道軸に塗布することが可能な潤
滑油供給装置及びこれを用いた直線運動装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の潤滑
油供給装置は、転動体を介して軌道軸に係合するスライ
ド部材に装着され、かかるスライド部材と軌道軸の相対
的な移動に伴って該軌道軸に潤滑油を塗布する潤滑油供
給装置であって、上記潤滑油を貯留する潤滑油保持部材
と、この潤滑油保持部材と上記軌道軸との間に介在する
と共に該軌道軸の表面を転動し、かかる転動に伴って上
記潤滑油保持部材から軌道軸へ潤滑油を塗布する供給転
動体とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の直線運動装置は、転動体の
転走面が形成された軌道軸と、上記転動体を介して軌道
軸に係合すると共に該軌道軸と相対的に移動するスライ
ド部材とから構成され、本発明の潤滑油供給装置が上記
スライド部材に装着されていることを特徴とするもので
ある。
【0012】このような技術的手段によれば、潤滑油を
貯留した潤滑油保持部材と軌道軸との間には該軌道軸上
を転動する供給転動体が介在しており、上記潤滑油保持
部材から軌道軸への潤滑油の塗布はこの供給転動体を介
して行われる。その結果、本発明では潤滑油保持部材を
直接軌道軸に当接させずとも潤滑油を軌道軸に塗布する
ことができるので、軌道軸との摺接による潤滑油保持部
材の摩耗を可及的に防止し、スライド部材の軌道軸に対
する累積走行距離に拘わらず常に安定した量の潤滑油を
軌道軸に塗布することができるものである。
【0013】このように構成された本発明において、上
記供給転動体としては、軌道軸上を転動するものであれ
ばローラやボール等、任意の形状のものを使用すること
ができる。例えば前述の直線運動装置を例に挙げると、
軌道レールに形成されたボール転走面にのみ潤滑油を塗
布するのであれば、荷重を負荷しながら該ボール転走面
を転走するボールと略同じ直径のボールであっても良い
し、ボール転走溝と関係なく軌道レールの表面全体に潤
滑油を塗布するのであれば、かかる塗布面に対応した軸
方向長さを有するローラとしても良い。
【0014】また、この供給転動体としては、ゴムや合
成樹脂等の弾性に富んだ材料からなるものを用いるのが
好ましい。このように供給転動体として弾性体を用いれ
ば、かかる供給転動体を押し潰すようにして潤滑油供給
装置をスライド部材に装着することが可能となり、供給
転動体と軌道軸との間に隙間が発生するのを防止して、
かかる供給転動体を軌道軸上で確実に転動させて潤滑油
の供給を行うことが可能となる。また、潤滑油供給装置
のスライド部材に対する取り付け精度が多少悪くとも、
供給転動体と軌道軸との接触状態を確保することができ
るので、潤滑油供給装置の取り付け作業を容易に行うこ
とも可能となる。
【0015】更に、上記潤滑油保持部材としては、潤滑
油を貯留すると共にこれを僅かずつ供給転動体へ排出す
る機能を有するものであれば、潤滑油を含ませて所定形
状に成形した含油樹脂、潤滑油が含浸されたフェルト等
の繊維交絡体等、適宜その設計を変更することが可能で
ある。また、繊維交絡体等を用いずに直接タンク内に潤
滑油を貯留すると共に、微細孔が形成された流量調整弁
をこのタンクの一箇所に設けたものであっても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の直線運動装置を詳細に説明する。図1は本発明を
直線案内装置に適用した第1実施例を示す分解斜視図で
ある。この実施例の直線案内装置は、長手方向に沿って
ボールの転走面11が形成された軌道レール(軌道軸)
1と、転動体としての多数のボール3を介してこの軌道
レールに嵌合すると共に内部に該ボールの無限循環路を
備えた摺動台(スライド部 材)2と、この摺動台2の
移動方向の前後両端面に装着されると共に、かかる摺動
台2の移動に伴って軌道レール1の表面に潤滑油を塗布
する一対の潤滑油供給部材4,4とから構成されてお
り、かかるボール3の循環に伴って上記摺動台2が軌道
レール1上を往復運動するように構成されている。
【0017】また、上記摺動台2は、テーブル等の機械
装置の取付け面21を備えると共にボール3を循環させ
るためのボール戻し孔22を備えた略サドル状のブロッ
ク本体23と、このブロック本体23の前後両端面に固
定された一対のエンドプレート24,24とから構成さ
れている。かかるエンドプレート24には、上記軌道レ
ール1の転走面11からボール3を掬い上げて上記ブロ
ック本体23のボール戻し孔22に送り込む一方、この
ボール戻し孔22からボール転走面11へボール3を送
り込む方向転換路(図示せず)が形成されており、この
エンドプレート24を取付ボルト25を用いてブロック
本体23に固定することにより、上記摺動台2にボール
3の無限循環路が形成されるようになっている。
【0018】更に、上記ブロック本体23には上記無限
循環路に対して潤滑油を注油するための給油口26が設
けられておれり、かかる給油口26には上記潤滑油供給
部材4及びエンドプレート24を介して供給ニップル2
7が装着されるようになっている。
【0019】一方、上記潤滑油供給部材4は、上記エン
ドレート24に当接する第1ケーシング41と、この第
1ケーシング41によって回転自在に保持されると共に
上記軌道レール1のボール転走面11に当接する供給ボ
ール(供給転動体)40と、上記第1ケーシング41内
に収容されると共に上記供給ボール40に当接して該ボ
ール40に潤滑油を塗布する潤滑油塗布体42と、潤滑
油を吸収して保持する一方で上記潤滑油塗布体42に対
して潤滑油を供給する潤滑油吸蔵体43と、この潤滑油
吸蔵体43を収容する第2ケーシング44と、上記第1
ケーシング41及び第2ケーシング44を接合した際に
潤滑油塗布体42と潤滑油吸蔵体43とを隔離する油量
調整板45とから構成されている。尚、この実施例にお
いて、本発明の潤滑油保持手段は上記潤滑油塗布体42
及び潤滑油吸蔵体43によって実現されている。
【0020】図2乃至図4に示すように、上記第1ケー
シング41は基板46となる鋼板の輪郭に沿って帯状突
起47を突設したものであり、かかる帯状突起47によ
って囲まれた凹所48は上記潤滑油塗布体42の収容ス
ペースとなっている。また、上記帯状突起47には軌道
レール1の各転走面11と対向する位置にボールホルダ
49が固定されており、このボールホルダ49には上記
供給ボール40が回転自在に保持されている。ここで、
上記帯状突起47は軟弾性体であるゴム材から成形され
ており、加硫接着によって上記基板46に接合されてい
る。また、上記凹所48は取付けボルト25及び供給ニ
ップル27の貫通孔28,29を避けるようにして形成
されており、図4に示すように、全体としては略H字状
を成している。
【0021】上記ボールホルダ49は低摩擦係数の合成
樹脂からなり、供給ボール40はこのボールホルダ49
によって回転自在に包持された状態で軌道レール1の転
走面11に当接する一方、上記第1ケーシング内の凹所
48に収容された潤滑油塗布体42がボールホルダ49
に収容された供給ボール40に対して潤滑油を塗布する
ように構成されている。
【0022】ここで、上記供給ボール40は発泡ウレタ
ンや合成ゴム等の弾性体から形成されており、潤滑油供
給部材4を摺動台に装着する際、かかる供給ボール40
が軌道レール1の転走面11に押圧されて上記ボールホ
ルダ49内で弾性変形するようになっている。
【0023】また、上記第2ケーシング43も基板50
となる鋼板の輪郭に沿って帯状突起51を突設し、かか
る帯状突起51によって囲まれた凹所52を上記潤滑油
吸蔵体43の収容スペースとしたものである。かかる帯
状突起51も軟弾性体であるゴム材から成形されてお
り、第1ケーシング41の帯状突起47と当接するよ
う、上記基板50の第1ケーシング41側の面に突設さ
れている。また、かかる基板50の反対側の面はゴム材
からなる保護層54に被覆されており、かかる保護層5
4には上記軌道レール1の側面及び上面に密着するシー
ルリップ部55が突設されている。尚、この第2ケーシ
ング43の凹所52も上記取付けボルト25及び供給ニ
ップル27の貫通孔28,29を避けるようにして形成
されており、全体としては略H字状を成している。
【0024】更に、上記潤滑油塗布体42は第1ケーシ
ング41の凹所48と同じ略H字状に成形されると共
に、上記供給ボール40に当接する突出片56が上記ボ
ールホルダ49の固定位置に合わせて突設されている。
この潤滑油塗布体42は含浸する潤滑油を澱みなく供給
ボール40に塗布することができるよう、毛管現象によ
る潤滑油の移動が生じ易い材質、例えば空隙率の低いフ
ェルト等の繊維交絡体が適しており、本実施例では空隙
率54%の羊毛フェルトを使用している。
【0025】また、上記潤滑油吸蔵体43も第2ケーシ
ング44の凹所52と同じ略H字状に成形されており、
潤滑油を多量に吸収保持することができるよう、空隙率
の高いフェルト等の繊維交絡体が適している。この実施
例では空隙率81%のレーヨン混合羊毛フェルトを使用
している。
【0026】一方、上記油量調整板45は上記第1ケー
シング41の帯状突起47と第2ケーシング44の帯状
突起51とを接合した際に、上記潤滑油塗布体42と潤
滑油吸蔵体43との間に挟み込まれて、これらの間を隔
離するように構成されており、この実施例においては厚
さ0.1〜0.2mmのステンレス薄板が用いられてい
る。また、この油量調整板45には複数の供給孔57が
開設されており、かかる供給孔57を通して潤滑油吸蔵
体43に含浸された潤滑油が潤滑油塗布体42へ移動す
るように構成されている。尚、潤滑油が油量調整板45
の周縁を介して潤滑油吸蔵体43から潤滑油塗布体42
へ漏れ出すのを防止するため、上記第1ケーシング41
の帯状突起47には油量調整板45の周縁が嵌まり込む
段部が形成されており、第1ケーシング41の帯状突起
47と第2ケーシング44の帯状突起51とを接合した
際に、かかる油量調整板45の周縁がこれら帯状突起4
7,51に挟み込まれて密封されるようになっている。
【0027】また、上記潤滑油吸蔵体43から潤滑油塗
布体42への潤滑油の供給を円滑に行うため、図2に示
すように、上記第2ケーシング44の帯状突起51には
空気孔58が開設されており、第1ケーシング41及び
第2ケーシング44内の圧力が常に大気圧に保たれるよ
うになっている。従って、潤滑油吸蔵体43から潤滑油
塗布体42への潤滑油の移動は、主として繊維交絡体の
内部における潤滑油の毛管現象に依存していることにな
る。もっとも、潤滑油吸蔵体43に含浸された潤滑油の
うち、油量調整板45の供給孔57よりも上方に位置す
る潤滑油は重力によっても潤滑油塗布体42側へ移動す
ることとなる。
【0028】このように構成された潤滑油供給部材4
は、先ずは、潤滑油塗布体42及び潤滑油吸蔵体43に
予め潤滑油を十分含浸させた後、潤滑油塗布体42を第
1ケーシング41に、潤滑油吸蔵体43を第2ケーシン
グ44に収容し、上記油量調整板45を挟み込むように
して両ケーシング41,44を加硫接着により接合す
る。このとき、既に第1ケーシング41には供給ボール
40を保持したボールホルダ49が固定されている。こ
れにより、内部に潤滑油吸蔵体43、潤滑油塗布体42
及び供給ボール40が収容された潤滑油供給部材4の組
立が完了する。そして、この潤滑油供給部材4は取付け
ボルト25によって摺動台2の前後両端面に装着され
る。
【0029】図5はこの実施例の潤滑油供給部材4の構
造を簡素化して示した模式図である。この潤滑油供給部
材4を摺動台2に取り付けた状態では、上記ボールホル
ダ49から露出した供給ボール40の一部が軌道レール
1の転走面11に圧接しており、摺動台2が軌道レール
1上を移動すると、上記供給ボール40が軌道レール1
の転走面11を転動する。供給ボール40には第1ケー
シング41に収容された潤滑油塗布体42の突出片56
が接触していることから、供給ボール40が転動する
と、該ボール40には潤滑油塗布体42に含浸した潤滑
油が塗布され、かかる潤滑油は供給ボール40の転動に
伴って軌道レール1の転走面11に転移する。これによ
り、潤滑油塗布体42に含浸されている潤滑油が供給ボ
ール40を介して間接的に軌道レール1に塗布されるこ
とになる。
【0030】このようにして潤滑油が供給ボール40を
介して軌道レール1に塗布されると、潤滑油塗布体42
に含まれる潤滑油は毛管現象によってその突出片56に
移動する。一方、潤滑油吸蔵体43には多量の潤滑油が
保持されていることから、潤滑油塗布体42に含浸され
た潤滑油が徐々に減少してくると、やはり毛細管現象に
より、潤滑油吸蔵体43に含浸されている潤滑油が油量
調整板45の供給孔57を介して潤滑油塗布体42へと
供給される。これにより、供給ボール40には常に略一
定量の潤滑油が潤滑油塗布体42から連続して塗布され
ることとなり、供給ボール40が転動する軌道レール1
の転走面11に対しても常に略一定量の潤滑油を供給す
ることが可能となる。
【0031】また、このように本実施例では潤滑油塗布
体42に含浸された潤滑油が供給ボール40を介して軌
道レール1に塗布されているので、潤滑油塗布体42が
軌道レール1との摺接によって摩耗してしまうことはな
く、しかも潤滑油供給部材4を摺動台2に装着した状態
においては、軌道レール1との当接によって押し潰され
た供給ボール40が元の形状に復元しようとすることか
ら、該ボール40と軌道レール1との確実な接触を確保
することができる。従って、本実施例の潤滑油供給部材
4では潤滑油塗布体42、供給ボール40及び軌道レー
ル1の三者間における接触状態を常に良好なものとする
ことができ、軌道レール1に対する摺動台2の累積走行
距離に拘わらず、潤滑油塗布体42の突出片56から供
給ボール40に塗布される潤滑油の量、ひいては潤滑油
供給ボール40から軌道レール1に塗布される潤滑油の
量を略一定に保つことが可能となる。
【0032】更に、かかる供給ボール40を発泡ウレタ
ン等の多孔質材料で形成すれば、潤滑油塗布体42から
供給ボール40に塗布された潤滑油は該供給ボール40
の内部に浸透し、供給ボール40それ自体が多少の潤滑
油を保持することとなる。従って、軌道レール1に対す
る潤滑油の安定的な供給という観点からすれば、上記供
給ボール40は多孔質材料から形成するのが好ましいと
も言える。
【0033】図6は本発明を適用した潤滑油供給部材
(潤滑油供給装置)4の第2実施例を示すものである。
この例では、ポリオレフィン等からなる合成樹脂に潤滑
油を含ませた含油樹脂を潤滑油保持部材60とし、かか
る潤滑油保持部材60に直接供給ボール40を回転自在
に保持させて、本発明の潤滑油供給部材4としている。
この場合、上記供給ボール40は、該供給ボールを金型
内に中子としてインサートした状態で上記含油樹脂を射
出成形することにより、上記潤滑油保持部材60の内部
に回転自在に収容することができる。
【0034】このように構成された本実施例の潤滑油供
給部材4は、図示外の2枚の鋼板の間にこれを挟み込
み、これらを貫通するボルトによって前述の第1実施例
の潤滑油供給部材4と同様にして摺動台2に取り付けら
れる。
【0035】そして、この実施例の潤滑油供給部材4に
おいても、摺動台2が軌道レール1上を移動すると、上
記供給ボール40が軌道レール1の転走面11上を転動
し、これに伴って潤滑油保持部材60に含まれた潤滑油
が供給ボール40の表面に塗布される一方、供給ボール
40に付着した潤滑油は軌道レール1の転走面11に塗
布される。これによって、軌道レール1の転走面11に
対して常に略一定量の潤滑油を安定して供給することが
できるものである。
【0036】次に、図7は本発明を適用した潤滑油供給
部材(潤滑油供給装置)4の第3実施例を示すものであ
る。この実施例では、ケーシング70の内部に潤滑油を
貯留するためのタンク71を形成すると共に、かかるケ
ーシング70にはボールホルダ49を介して供給ボール
40を回転自在に保持させ、上記タンク71とボールホ
ルダ49とを繋ぐようにして設けられた油量調整部材7
2を介して該タンク71から供給ボール40に対して潤
滑油を塗布するように構成している。
【0037】図8に示すように、上記油量調整部材72
にはタンク71から供給ボール40に向けて微細直径の
流通孔73が複数開設されており、供給ボール40はこ
れら流通孔73と極僅かな隙間を介して対向するように
ボールホルダ49に包持されている。従って、供給ボー
ル40がボールホルダ49内で回転すると、毛管現象や
潤滑油の粘性等に起因して、上記流通孔73内の潤滑油
が供給ボール40と油量調整部材72との隙間に引き出
されることとなり、潤滑油は上記タンク71から流通孔
73を介して連続的に供給ボール40の表面に塗布され
る。つまり、この実施例では上記タンク71と油量調整
部材72が本発明の潤滑油塗布部材を構成していること
になる。
【0038】従って、この実施例においても、上記供給
ボール40が軌道レール1の転走面11を転動すると、
タンク71内の潤滑油が供給ボール40の転動に伴って
軌道レール1に塗布されることとなり、軌道レール1の
転走面11に対して常に略一定量の潤滑油を安定して供
給することができるものである。
【0039】尚、上記タンク71内には潤滑油をそのま
ま貯留しても差し支えないが、組立時の取り扱い等を考
慮すると、第1実施例の潤滑油供給部材と同様、フェル
ト等の吸蔵体に潤滑油を含浸させて上記タンク71内に
収容するのが好ましい。
【0040】更に、前述の各実施例の潤滑油供給部材4
では供給ボール40が軌道レール1の転走面11にのみ
潤滑油を塗布する構成としたが、例えばシールリップ部
55の破損防止の観点から軌道レール1の上面全体にも
潤滑油を塗布したい場合等には、図9に示すように、ボ
ールではなく軸方向に長尺なローラ80を供給転動体と
して軌道レール1に当接させ、この供給ローラ80に対
して潤滑油塗布体42等から潤滑油を塗布するように構
成しても良い。
【0041】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の潤滑
油供給装置及びこれを用いた直線運動装置によれば、軌
道軸の表面を転動する供給転動体を媒介として潤滑油保
持部材に貯留された潤滑油を該軌道軸に塗布しており、
かかる潤滑油保持部材が軌道軸と直接摺接することによ
って摩耗してしまうことがないので、スライド部材の軌
道軸に対する累積走行距離に拘わらず、潤滑油保持部材
と供給転動体との確実な接触を確保することができ、転
動体の転走溝や転動体を潤滑する上で必要最低限の量の
潤滑油を長期にわたって安定的に軌道軸に塗布すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した潤滑油供給部材の第1実施
例を示す分解斜視図である。
【図2】 第1実施例に係る潤滑油供給部材を示す正面
図及び側面図である。
【図3】 (a)は図2のA−A線断面図、(b)は図
2のB−B線断面図である。
【図4】 図2のC−C線断面図である。
【図5】 第1実施例に係る潤滑油供給部材の構成を簡
素化して示した模式図である。
【図6】 本発明を適用した潤滑油供給部材の第2実施
例を示す断面図である。
【図7】 本発明を適用した潤滑油供給部材の第3実施
例を示す断面図である。
【図8】 第3実施例に係る潤滑油供給部材の要部拡大
図である。
【図9】 本発明の供給転動体をローラとした場合を示
す斜視図である。
【図10】 従来の潤滑油供給部材を示す正面図(一部
断面図)である。
【図11】 従来の潤滑油供給部材の他の例を示す分解
斜視図及び断面図である。
【符号の説明】
1…軌道レール(軌道軸)、2…摺動台(スライド部
材)、3…ボール(転動体)、4…潤滑油供給部材、4
0…供給ボール(供給転動体)、42…潤滑油塗布体
(潤滑油保持部材)、43…潤滑油吸蔵体(潤滑油保持
部材)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転動体を介して軌道軸に係合するスライ
    ド部材に装着され、かかるスライド部材と軌道軸の相対
    的な移動に伴って該軌道軸に潤滑油を塗布する潤滑油供
    給装置であって、 上記潤滑油を貯留する潤滑油保持部材と、この潤滑油保
    持部材と上記軌道軸との間に介在すると共に該軌道軸の
    表面を転動し、かかる転動に伴って上記潤滑油保持部材
    から軌道軸へ潤滑油を塗布する供給転動体とを備えたこ
    とを特徴とする潤滑油供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の潤滑油供給装置におい
    て、上記供給転動体は弾性体からなることを特徴とする
    潤滑油供給装置。
  3. 【請求項3】 転動体の転走面が形成された軌道軸と、
    上記転動体を介して軌道軸に係合すると共に該軌道軸と
    相対的に移動するスライド部材とから構成され、請求項
    1乃至3のいずれかに記載の潤滑油供給装置が上記スラ
    イド部材に装着されていることを特徴とする直線運動装
    置。
JP10236641A 1998-08-24 1998-08-24 潤滑油供給装置及びこれを用いた直線案内装置 Withdrawn JP2000065054A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007271003A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Thk Co Ltd 潤滑剤供給ユニット付運動案内装置
JP2009127812A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Thk Co Ltd 運動装置
JP2012219944A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Nsk Ltd 直動案内装置の潤滑剤供給部材及びそれを備えた直動案内装置

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