JP2000064518A - 防水継手材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は横葺き用屋根材、あるいは横張り用
壁材等の外装材を用いて屋根、壁体を形成した際の、左
右の連結部に使用する防水継手材に関するものである。 【構成】 幅狭短尺板状で途中を外方に突出して突出部
４ａを形成した敷目部４と、敷目部４の幅方向の側端部
を外方に突出し先端を内側方に延長し、略中央部分に長
手方向に沿って断面略窪状に形成した係止舌片を有する
係止部７を形成した防水継手材Ａである。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は横葺き用屋根材、あ
るいは横張り用壁材等の外装材を用いて屋根、壁体を形
成した際の、左右の連結部に使用する防水継手材に関す
るものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、横葺き用屋根材、横張り用外壁材
等の外装材を施工した際の接続構造は、外装材の両側
縁をはぜ状に屈曲し、互いにはぜ継ぎした構造、敷目
板とカバー材とにより外装材の側端部を上下でサンドイ
ッチした構造、外装材同士を単に重ねた構造、等であ
った。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の構造において、は防水性に劣り、、は外装材を
重ねることにより段差が不揃いとなって意匠性の低下を
招く不利があった。またでは、特に屋根材に適応した
場合、積雪地方での雪落としの際にカバー材を外装材の
長手方向にスライドさせてしまい継手部分が外部に露出
してしまう危険性があった。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するため、幅狭短尺板状で途中を外方に突出して
突出部を形成した敷目部と、敷目部の幅方向の側端部を
外方に突出し先端を内側方に延長し、略中央部分に長手
方向に沿って断面略窪状に形成した係止舌片を有する係
止部を形成した防水継手材を提供するものである。 【０００５】 【発明の実施の形態】以下に図面を用いて本発明に係る
防水継手材について詳細に説明する。図１（ａ）、
（ｂ）は防水継手材Ａを示す斜視図と端面図、２（ａ）
〜（ｃ）は防水継手材Ａを示す側面図、図１（ａ）のａ
−ａ部中央部断面図、図１（ａ）のａ−ａ部中央部端面
図、図３（ａ）、（ｂ）〜図６（ａ）〜（ｄ）は施工状
態を示す説明図、図７（ａ）〜（ｄ）〜図１０は金属製
外装材ＣとシートＤよりなる外装材Ｂの代表的一例を示
す説明図、図１１は外装材Ｂの施工状態を示す断面図で
ある。また、αは下地、βは釘等の固定具を示してい
る。 【０００６】下地αは、新築の際は図３（ａ）、（ｂ）
に示すように垂木１、野地板２、防水シート３（一点鎖
線で示す）から構成した木造下地を示したものである。
すなわち、垂木１上に野地板２を敷設し、野地板２上に
防水シート３を配設した一般的な構造の下地αである。
また、下地αとしてＨ形鋼、Ｉ形鋼、ミゾ形鋼、軽量ミ
ゾ形鋼、リップ溝形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、角
形鋼（角パイプ）、円形鋼（円形パイプ）、等を使用し
た鉄骨下地でも良いものである。勿論、改修屋根の際に
は、これらに新生瓦や瓦棒等の既存屋根（図示せず）が
含まれる構造である。 【０００７】防水継手材Ａは例えば図１（ａ）、
（ｂ）、図２（ａ）〜（ｃ）に示すように、金属製外装
材Ｃと同様な種類の素材を同等な成形法により形成した
ものである。その素材としては、金属材、合成樹脂材
（プラスチック）、等であり、ロール成形、押出成形、
射出成形、プレス成形、等を介して成形したものであ
る。 【０００８】すなわち、防水継手材Ａは図１（ａ）、
（ｂ）に示すように、金属製外装材Ｃの裏面１１と当接
する敷目部４と、敷目部４の下辺を裏面側に屈曲した馳
部５と、敷目部４の上辺を表面側に屈曲して形成した雨
返部６とから形成したものであり、かつ、図１（ａ）の
イ−イ線端面図である図１（ｂ）に示すように、幅方向
において、敷目部２０の両側縁を表面側に折り返し、そ
の先端を内側方に突出した延長部８と、延長部８の先端
を敷目部２０の略中央近傍まで突出した係止舌片９とか
ら係止部７を形成したものである。また、敷目部４には
外方に突出した突出部４ａを形成し、強度を向上すると
共に、防水性をも向上しているものである。 【０００９】なお、この端面形状は敷目部４のみなら
ず、馳部５から雨返部６にかけてほぼ同一とすることが
可能である。すなわち防水継手材Ａはロールフォーミン
グ等により連続的に成形し、その後のプレス加工により
連続して生産することが可能である。 【００１０】係止舌片９は、図７（ｃ）、（ｄ）に示す
ように金属製外装材Ｃの化粧面１０の両側縁に設けた連
結片２０を嵌合、係止するものである。 【００１１】そこで、図９に示すように引っ掛け溝１４
の最奥部から固定片１８の端部間の寸法をＷ、図１
（ａ）に示すように敷目部４の長さをｗとすると、Ｗ＜
ｗの関係である。 【００１２】金属製外装材Ｃは、例えば金属板（カラー
鋼板、銅板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス
板、サンドイッチ鋼板、クラッド鋼板等）等をロール成
形、プレス成形、押出成形、等によって形成したもの、
あるいは窯業系素材、もしくは合成樹脂材（プラスチッ
ク）、等である。なお、外装材Ｂは外壁として使用する
こともでき、その他に金属系サイディング材、窯業系サ
イディング材、中空セメント板、ＡＬＣ、等を使用する
こともできるものである。勿論、外装材Ｂは、シートＤ
を削除した金属製外装材Ｃのみで使用可能である。 【００１３】さらに説明すると、金属製外装材Ｃは長尺
板状であり、その幅方向一側縁を化粧面１０の下側、す
なわち、裏面１１側に略コ字状に屈曲して段差化粧面１
２と差込縁１３とを形成した雄型連結部１５としたもの
で、化粧面１０と段差化粧面１２と差込縁１３とから略
コ字状の引っ掛け溝１４を形成したものである。 【００１４】また、化粧面１０の他端には化粧面１０の
上側に屈曲して断面略Ｕ字状に形成した前記差込縁１３
と嵌合する嵌合溝１６と、嵌合溝１６の先端をコ字状に
折り返した嵌合縁１７と、嵌合縁１７の先端を下方に屈
曲すると共に化粧面１０と略平行で外方にＬ字状に屈曲
して延長した固定片１８を形成した雌型連結部１９を形
成したものである。 【００１５】さらに、図８（ｃ）（図６（ｂ）のロ−ロ
線一部切り欠き端面図）に示すように化粧面１０の長手
方向の両側端縁にはそれぞれ裏面１１側にハゼ状に屈曲
した連結片２０を形成したものである。なお、長手方向
の強度の強化と、外部からの雨水等が毛細管現象により
内部に浸入するのを防止する意味で嵌合溝１６と差込縁
１３に凹条２１、凹条２２を形成している。 【００１６】また、嵌合縁１７には凸条２３を形成した
ものであり、この凸条２３は図１１に示すように施工さ
れた時点で、防水層、気密層として機能するものであ
る。 【００１７】シートＤは断熱材、吸音材、緩衝材、防火
材、結露防止材、等として機能するものであり、不織
布、合成樹脂発泡体（例えばＰＥＦ（ポリエチレンフォ
ーム）、等）、ロックウール、テックス（軟質繊維
板）、ゴムシート、樹脂シート、等よりなるものであ
る。 【００１８】シートＤの一例としては不織布であり、縦
糸と横糸を交差させて繊維から織物にする従来の方法と
異なり、各種の繊維を接着剤等で結合した布である。こ
の布はまず繊維が平行に交差するか、また無秩序に配列
された薄いフェルト状のものを接着剤で結合させるか、
または主体となる繊維状態の中に別の熱可塑性繊維を混
在させて、加熱および加圧して溶融し相互に結合させた
りして作られたものである。一般的にはプラスチック補
強材・レザー生地・フェルト等として用いられる。 【００１９】その素材としては、例えばポリエステル
系、ナイロン系、ビニロン系、ボロン系、炭素系、アル
ミナ系、炭化ケイ素系、アラミド系、ガラス系等の繊維
からなるシート状物である。 【００２０】その接着方法は、接着剤、熱融着、等を介
して行うものであり、接着剤としては自然硬化型接着
剤、常温硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型
接着剤、反応硬化型接着剤、等の少なくとも１種からな
るものであり、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ウレタン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ＥＶＡ樹脂等の合成樹脂系の接着剤、ゴム系接
着剤、油性系接着剤、等よりなるものである。 【００２１】その接着はシートＤと金属製外装材Ｃの接
触面全面、あるいは線状（複数本）、面状（複数本）で
横、縦、斜め、等に形成するものである。勿論、全面に
接着剤を介して形成した場合には、金属製外装材Ｃ自体
に衝突した時の生ずる固体音（これに対して空気中を伝
搬する音を空気音という）が、全面接着とシートの相乗
効果により減衰し、家屋内側への騒音の侵入を防止する
効果を有するものである。 【００２２】さらに、シートＤには遮音材を含浸、含
有、混合、積層（一層、あるいは複数層）、サンドイッ
チ、等し、シートＤ自体に遮音性を具備させることもで
きるものであり、粉状、シート状、等である。 【００２３】なお、遮音性を表す透過損失は均一な材料
からできている壁体の単位面積当たりの重量とほぼ比例
するので、単位面積当たりの質量が大きいほど、遮音性
能は良くなるものである。このため、シートＤに形成す
る遮音材としては比重の大きい材料を使用するものであ
る。 【００２４】遮音材としては、金属粉（鉛、鉄、銅、真
鍮、等）、コンクリート粉、セメント粉、ガラス粉、ゴ
ム粉、等、あるいは金属板（鉛、鉄、銅、真鍮、等）、
コンクリート板、セメント板、ガラス板、ゴム板、等、
もしくは石粉、岩粉、石膏粉、炭酸カルシウム、ケイ酸
カルシウム、等である。勿論、これらをシート状に形成
（合成樹脂、接着剤等で結合）した遮音性シート材を遮
音材として形成することもできる。 【００２５】ここで、本発明に係る防水継手材の施工に
ついて図１（ａ）、（ｂ）〜図１１を用いて説明する。
そこで、図１（ａ）、（ｂ）、図２（ａ）〜（ｃ）に示
すような防水継手材Ａと、図８（ａ）〜（ｃ）〜図１０
に示すような外装材Ｂを用いて、図３（ａ）、（ｂ）に
示すように施工するとする。 【００２６】まず、図４（ａ）、（ｂ）に示すように、
外装材Ｂ₂ の連結片２０に図７（ｃ）に示すように防水
継手材Ａをスライドさせて係合し、雄型連結部１５と雌
型連結部１９の連結と固定具βによる固定により施工さ
れた下段の外装材Ｂ₁ の嵌合縁１７上に、図４（ｃ）に
示すように載置する。次に、図５（ａ）に示すように相
隣る外装材Ｂ₂ の連結片２０を図７（ｄ）に示すように
係合し、図５（ｂ）に示すように施工するものである。 【００２７】このように、外装材Ｂ₃ を図５（ｃ）、つ
まり、図４（ａ）〜図５（ｂ）に示すような工程を軒先
から棟（あるいは壁際）まで順次施工することにより、
施工を完了するものである。なお、軒先にはスタータ、
唐草、端部にはケラバキャップ、棟には棟包み、隅棟カ
バー、谷樋、壁押さえ、等の役物を使用するものであ
る。勿論、必要部分にはパッキング材、コーキング材を
使用するものである。 【００２８】なお、図６（ａ）〜（ｄ）はその施工状態
端面図を示すものであり、図７（ａ）、（ｂ）は外装材
Ｂの裏面１１に防水継手材Ａを形成した状態を示す説明
図である。 【００２９】以上説明したのは本発明に係る防水継手材
の一実施例であり、防水継手材Ａを図１２（ａ）〜
（ｇ）〜図２１（ａ）〜（ｃ）に示すように形成した
り、図２２に示すように施工することもできる。 【００３０】図１２（ａ）〜（ｇ）〜図１４（ａ）〜
（ｈ）は防水継手材Ａの横端面図を示すものであり、特
に図１４（ｈ）はパッキング材Ｅを形成して防水性を向
上した防水継手材Ａである。 【００３１】パッキング材Ｅは合成樹脂系、ゴム系、等
の防水材である。また、パッキング材Ｅは接着剤を介し
て、あるいはパッキング材Ｅ自体に粘着剤を形成したテ
ープ材、もしくは熱融着、嵌合、等の接着手段により形
成しているものである。 【００３２】図１５（ａ）〜（ｉ）、図１６（ａ）〜
（ｉ）は防水継手材Ａの縦端面図を示すものであり馳舌
片５ａを形成して係合力を向上したり、固定部６ａを形
成したものである。 【００３３】図１７（ａ）〜（ｃ）〜図２１（ａ）〜
（ｃ）は防水継手材Ａのその他の実施例を示す斜視図で
ある。特に、図２１（ａ）〜（ｃ）は防水継手材Ａの裏
面に断熱材Ａ₁ 、裏面材Ａ₂ を形成した防水継手材Ｄで
ある。 【００３４】図２２は外壁材として外装材Ａを形成した
構造を示すものである。勿論、この場合でも既存壁を下
地αとして形成することもできるものである。 【００３５】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る防水
継手材によれば、防水継手材が上下左右に移動するこ
とがない。防水継手材に突出部を形成したために、強
度が向上する。防水継手材に突出部を形成したため
に、防水性が確実である。施工性がよい。施工が確
実である。施工後の納まりがよい。等の特徴、効果が
ある。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明に係る防水継手材の代表的一例を示す説
明図である。 【図２】本発明に係る防水継手材の代表的一例を示す説
明図である。 【図３】本発明に係る防水継手材の施工状態を示す説明
図である。 【図４】本発明に係る防水継手材の施工順序を示す説明
図である。 【図５】本発明に係る防水継手材の施工順序を示す説明
図である。 【図６】本発明に係る防水継手材の施工順序を示す説明
図である。 【図７】外装材の代表的一例を示す説明図である。 【図８】外装材の代表的一例を示す説明図である。 【図９】金属製外装材の代表的一例を示す説明図であ
る。 【図１０】シートの代表的一例を示す説明図である。 【図１１】外装材の施工状態を示す説明図である。 【図１２】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図１３】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図１４】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図１５】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図１６】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図１７】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図１８】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図１９】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図２０】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図２１】本発明に係る防水継手材のその他の実施例を
示す説明図である。 【図２２】本発明に係る防水継手材のその他の施工状態
を示す説明図である。 【符号の説明】 α 下地 β 固定具 Ａ 防水継手材 Ａ₁ 断熱材 Ａ₂ 裏面材 Ｂ 外装材 Ｃ 金属製外装材 Ｄ シート Ｅ パッキング材 １ 垂木 ２ 野地板 ３ 防水シート ４ 敷目部 ４ａ 突出部 ５ 馳部 ５ａ 馳舌片 ６ 雨返部 ６ａ 固定部 ７ 係止部 ８ 延長部 ９ 係止舌片 １０ 化粧面 １１ 裏面 １２ 段差化粧面 １３ 差込縁 １４ 引っ掛け溝 １５ 雄型連結部 １６ 嵌合溝 １７ 嵌合縁 １８ 固定片 １９ 雌型連結部 ２０ 連結片 ２１ 凹条 ２２ 凹条 ２３ 凸条

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2E108 AS03 AZ01 BB04 BN02 CC01 CV01 CV03 CV08 DD01 DD20 DF01 DF03 DF15 DF20 GG05 GG15 2E110 AA13 AB02 AB04 AB22 CC03 CC06 CC14 DC02 GB01Z

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 幅狭短尺板状で途中を外方に突出して突
   出部を形成した敷目部と、敷目部の幅方向の側端部を外
   方に突出し先端を内側方に延長し、略中央部分に長手方
   向に沿って断面略窪状に形成した係止舌片を有する係止
   部を形成したことを特徴とする防水継手材。