JP4374208B2 - 屋根材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根材として今までにない施工性を有し、かつ防水機能、断熱機能、結露防止機能、等を形成した屋根材に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、金属製板材をロール成形、プレス成形等して加工した屋根材は数多く上市され、その形状は、所謂引っ掛け構造であった。(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−038658号公報
【特許文献2】
特開2002−155602号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1、2は引っ掛け構造であるために、勾配が急な屋根に使用した際に、連結した上段の屋根材が自重で落ちてくるので、上段の屋根材の固定部を固定具(釘)で固定するまで、屋根材が落ちないように手で押さえている必要があり、施工が大変であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような欠点を解決するために化粧面の水上側の先端には屋外側に突出した防水片と、防水片の先端を水下側に突出した止水片と、止水片の先端を水上側へ折り返した下片と、下片と上記止水片とからなる嵌合溝と、下片の先端を水下側へ折り返し防水片よりも水下側へ突出した上片と、上片の先端を屋外側へ折り返した防水突起を形成し、化粧面の水下側の先端には屋内側突出した段差化粧面と、段差化粧面の先端を内方に折り返し化粧面の裏面に沿って延出した第2上片と、第2上片の先端を屋内側へ屈曲した最奥片と、最奥片の先端を水下側に突出した差込片を形成した屋根材を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて本発明に係る屋根材について詳細に説明する。図1は金属製屋根材Bと裏打材Cよりなる屋根材Aの代表的一例を示す説明図、図2は取付具Dを示す断面図、図3(a)、(b)は屋根材Aの施工状態を示す説明図である。図中、αは下地、βは釘等の固定具を示している。
【0007】
下地αは、新築の際は図3(a)、(b)に示すように垂木1、野地板2、防水シート3(一点鎖線で示す)から構成した木造下地を示したものである。すなわち、垂木1上に野地板2を敷設し、野地板2上に防水シート3を配設した一般的な構造の下地αである。また、下地αとしてH形鋼、I形鋼、ミゾ形鋼、軽量ミゾ形鋼、リップ溝形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、角形鋼(角パイプ)、円形鋼(円形パイプ)、等を使用した鉄骨下地でも良いものである。勿論、既存の屋根をそのまま改修する屋根の際には、これら下地α上に新生瓦や瓦棒等の既存屋根(図示せず)が形成された既存屋根構造が下地αとなるものである。勿論、防水シート3を形成しない下地αでも良いものである。
【0008】
金属製屋根材Bは、例えば金属板(カラー鋼板、銅板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス板、サンドイッチ鋼板、クラッド鋼板等)等をロール成形、プレス成形、押出成形、等によって形成したものである。勿論、屋根材Aの表面材として、金属製屋根材Bの代わりに窯業系素材、もしくは合成樹脂材(プラスチック)、等で形成してもよいものである。
【0009】
さらに説明すると、金属製屋根材Bは長尺板状であり、図1に示すように、略水平面状の化粧面4と、裏面5と、化粧面4の先端を屋内側突出した段差化粧面6と、段差化粧面6と化粧面4に沿って内側方に突出した第2上片7と、第2上片7の先端を屋内側に突出した最奥片8と、最奥片8の先端を水下側に突出した差込片9と、第2上片7と最奥片8と差込片9とから略コ字状の係合溝10を形成し、段差化粧面6と差込片9間に挿入間隙11を形成して雄型連結部12としたものである。
【0010】
また、図1に示すように、化粧面4の水上側端部には化粧面4の先端を上側に屈曲して形成した防水片13と、防水片13の先端を水下側に突出した止水片14と、防水片13と止水片14とからなる止水溝15と、止水片14の先端を水上側へ折り返した下片16と、止水片14と下片16とからなる嵌合溝17と、下片16の先端を水下側へ折り返した上片18と、上片18の先端をハゼ状に屈曲した防水突起19とから雌型連結部20を形成したものである。
【0011】
段差化粧面6は、段差を形成し屋根に重厚感を付与すると共に、内部に空間を形成し、直接、風雨が屋根材Aの連結部に当たらないように形成すると共に、屋根材A同士の連結の際に形成される連結部の隙間、すなわち、段差化粧面6の先端部分と、止水片14の先端部分が上下に存在するような形状にすることにより、防水性を向上するものである。
【0012】
挿入間隙11は、図3(a)に示すように挿入して屋根材A同士を連結する際に、段差化粧面6が邪魔にならないように、止水片14が係合溝10内に挿入できるように形成したものである。
【0013】
止水片14は、防水片13の先端を水下側へ突出することにより、断面コ字状の止水溝15を形成し、防水性の向上のために形成したものである。
【0014】
止水片14と防水突起19は図3(b)に示すように、屋根材A同士を連結した際に第2上片7にそのスプリングバックにより接触した状態で形成されるために、常時防水性・機密性の良い状態が維持されるものである。
【0015】
嵌合溝17には後記する取付具Dの係止片23が挿入され、取付具Dの固定片21を釘等の固定具βにより下地αに固定することにより、屋根材Aを固定するものである。
【0016】
裏打材Cは防水材、断熱材、吸音材、緩衝材、防火材、結露防止材、等として機能するものであり、不織布、合成樹脂製発泡シート(架橋化発泡ポリエチレンシート、等)、ロックウール、テックス(軟質繊維板)、ゴムシート、樹脂シート、等、あるいはこれらに遮音材、耐火材等を含浸、含有、混合、積層(一層、あるいは複数層)、サンドイッチ、等したものを使用することもできる。特に不織布は、縦糸と横糸を交差させて繊維から織物にする従来の方法と異なり、各種の繊維を接着剤等で結合した不織布等である。この不織布はまず繊維が平行に交差するか、また無秩序に配列された薄いフェルト状のものを接着剤で結合させるか、または主体となる繊維状態の中に別の熱可塑性繊維を混在させて、加熱および加圧して溶融し相互に結合させたりして作られたものである。勿論、素材自体に防水性の無いものには、樹脂材をコーティング、あるいは撥水剤、防水コーティング剤、等で防水機能を片面あるいは両面に付加したものである。
【0017】
屋根材Aの固定には、図2に示すような固定片21、突出片22、係止片23よりなる取付具Dを使用し、図3(a)、(b)に示すように施工するものである。なお、取付具Dは短尺(20mm〜60mm位)のものを使用するものである。勿論、長尺状でも可能である。
【0018】
以上説明したのは本発明に係る屋根材の一実施例にすぎず、図4に示すように形成することもできる。
【0019】
図4は屋根材Aを固定するための固定具Dのその他の実施例を示すものである。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る屋根材によれば、(1)屋根材を落とし込み構造としても、防水突起と止水溝の形成により防水性を維持できる。(2)勾配が急な屋根に使用しても、連結した上段の屋根材が自重で落ちてくることがないために、屋根材が落ちないように手で押さえている必要が無く、施工が楽である。(3)段差化粧面の形成により段差を形成し、屋根に重厚感を付与すると共に、内部に空間を形成し、直接、風雨が屋根材の連結部に当たらない。(4)屋根材同士の連結の際に形成される連結部の隙間、すなわち、段差化粧面の先端部分と、片の先端部分の防水突起が上下に存在するような形状にすることにより、防水性を向上する。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る屋根材の代表的一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る屋根材を固定するための取付具の代表的一例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る屋根材の施工状態を示す説明図である。
【図4】本発明に係る屋根材を固定するための取付具のその他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
α 下地
β 固定具
γ 空間
A 屋根材
B 金属製屋根材
C 裏打材
D 取付具
1 垂木
2 野地板
3 防水シート
4 化粧面
5 裏面
6 段差化粧面
第2上片
8 最奥片
9 差込片
10 係合溝
11 挿入間隙
12 雄型連結部
13 防水片
14 止水片
15 止水溝
16 下片
17 嵌合溝
18 上片
19 防水突起
20 雌型連結部
21 固定片
22 突出片
23 係止片

Claims (1)

  1. 化粧面の水上側の先端には屋外側に突出した防水片と、該防水片の先端を水下側に突出した止水片と、該止水片の先端を水上側へ折り返した下片と、該下片と上記止水片とからなる嵌合溝と、上記下片の先端を水下側へ折り返し防水片よりも水下側へ突出した上片と、該上片の先端を屋外側へ折り返した防水突起を形成し、化粧面の水下側の先端には屋内側突出した段差化粧面と、該段差化粧面の先端を内方に折り返し化粧面の裏面に沿って延出した第2上片と、該第2上片の先端を屋内側へ屈曲した最奥片と、該最奥片の先端を水下側に突出した差込片を形成したことを特徴とする屋根材。
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