JP2000064273A - 継手構造及び該継手構造を利用した杭の接続方法 - Google Patents

継手構造及び該継手構造を利用した杭の接続方法

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JP2000064273A
JP2000064273A JP10240019A JP24001998A JP2000064273A JP 2000064273 A JP2000064273 A JP 2000064273A JP 10240019 A JP10240019 A JP 10240019A JP 24001998 A JP24001998 A JP 24001998A JP 2000064273 A JP2000064273 A JP 2000064273A
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Takeshi Yoshida
武 吉田
Yasuyuki Yoshida
耕之 吉田
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Chiyoda Geotech Co Ltd
Okamoto Kensetsu Yohin Seisakusho KK
Original Assignee
Chiyoda Geotech Co Ltd
Okamoto Kensetsu Yohin Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼管杭どうしを油圧ジャッキ等の工具を使用
しなくても接続することができる継手構造及び該継手構
造を使用した杭の接続方法を提供すること。 【解決手段】 一方の鋼管杭10の上端に予め溶接され
略円筒状の継手ブロック20と、他方の鋼管杭11の
先端に予め溶接される継手ブロック21と、これら1対
の継手ブロック20,21の外周面に被せて、該1対の
継手ブロック20,21どうしを接続する接続リング
30と、この接続リング30に支持されて、他方の鋼管
杭11から一方の鋼管杭10に回転トルクを伝達するた
めの、複数本のピン40とを具備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継手構造及び該継
手構造を使用した杭の接続方法に係り、詳しくは杭、例
えば鋼管杭どうしを油圧ジャッキ等の工具を使用しなく
ても接続することができる継手構造及び該継手構造を使
用した杭の接続方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】軟弱地盤上に建造物を
構築する際にはその基礎として鋼管杭が使用されるが、
ある程度の強度を有する地層に達するまで、複数本の鋼
管杭を継ぎ足して埋設するようにしている。
【0003】従来より、鋼管杭どうしを溶接によって接
続しているが、鋼管杭を地盤に埋設する全施工時間のう
ち、溶接時間の占める割合が大きく、この点の改善が要
望されていた。例えば、260φの鋼管杭を溶接する場
合、その溶接時間は20分程度であるが、500φの鋼
管杭を溶接する場合、その溶接時間は1時間となり、複
数本の鋼管杭を溶接すると、全施工時間のうち、溶接作
業が占める割合が非常に大きくなる。また、施工現場で
の溶接作業には、ある程度の熟練が必要で、天候に左右
される等の問題があり、また溶接部分の信頼性の点でも
問題がある。
【0004】そこで、施工現場において溶接をせずに鋼
管杭どうしを接続することが種々試みられている。例え
ば、フランジ継手を利用することが試みられたが、継手
部分の外径が鋼管杭の外径よりも大きく、鋼管杭の外周
面から大きく突出することから、鋼管杭を地盤中に埋設
する際に大きな貫入抵抗となり、また継手部分に曲げモ
ーメントが作用し、さらに継手部分間には鋼管杭の外周
に空間が生じてしまい、水平支持力が確保できなくなる
おそれがある等の問題が指摘されている。
【0005】また、実開平5−81326号、特開平9
−119132号等で提案された、無溶接継手構造があ
る。この無溶接継手構造は、外周面に環状凹溝又は環状
凸条を設け、予め鋼管杭の端部に溶接される継足部と、
該継足部の環状凹溝又は環状凸条に噛み合う環状凸条又
は環状凹溝を内周面に形成し、また外周面をテーパー状
に形成し、複数の片に分割された円筒形状の内リング
と、内周面にテーパー面を形成し、内リングに被せられ
る外リングとからなる。鋼管杭どうしの接続に際して
は、まず継足部どうしを突き合わせ、それらの外周面に
複数の片に分割された内リングをかぶせ、この後、外リ
ングを内リングの外側に被せ、内リングの外周面のテー
パー面と外リングの内周面のテーパー面との間の楔効果
を利用して内リングを継足部の外周面に締め付けるよう
にしている。
【0006】上述した無溶接継手構造は、フランジ継手
を利用する連結構造に比して鋼管杭の外周面より継手構
造が大きく突出することなく、このため貫入抵抗が大き
くなる、連結部分に曲げモーメントが作用する、水平支
持力が確保できなくなる等の問題は生じないものの、外
リングを内リングの外側に取り付ける際に、地中に埋設
された鋼管杭の回りに台座を介して複数の油圧シリンダ
を配置し、これら油圧シリンダによって外リングを押し
上げて内リングの外側にはめ込む作業が必要となり、設
備と手間がかかる上に、複数の油圧シリンダを同時に作
動させて外リングを押し上げることは難しく、多少でも
外リングが傾くと内リングにはめ込むことが困難である
等の不都合がある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、施工現場での溶接作業を無くすことが出来る上に、
貫入抵抗が大きくなる、連結部分に曲げモーメントが作
用する、水平支持力が確保できなくなる等の問題を解決
し、さらに設備と手間がかからない継手構造及び該継手
構造を使用した杭の接続方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の継手構造では、接続すべき一方の部材と他方の部材
の軸線方向端部にそれぞれ取り付けられる1対の継手ブ
ロックと、前記1対の継手ブロックの外周面の係合部に
係合する被係合部を内周面に有して、前記1対の継手ブ
ロックどうしを接続するための接続リングとを具備し、
前記接続リングは、その周方向において複数のリング片
に分割されて、これら複数のリング片のうちの、1つの
リング片を固定用のリング片とし、該固定用のリング片
は、前記1対の継手ブロックの外周面に固定手段を介し
て固定され、他方のリング片は、固定用のリング片によ
って前記1対の継手ブロックの外周面に保持されること
を特徴とする。
【0009】前記1対の継手ブロックは、その端面にそ
れぞれ被係合部が形成され、前記他方のリング片は、前
記被係合部に係合する係合部材を支持し、これら被係合
部と係合部材との係合を介して前記一方の部材から他方
の部材にトルクを伝達するように構成することが出来
る。また、前記被係合部は係合凹部で、前記係合部材は
該係合凹部に係合するピンであり、前記他方のリング片
は、その内周面に前記ピンを保持する鍔片を有し、該鍔
片を前記1対の継手ブロックの端面間に配置することが
出来る。
【0010】本発明の継手構造によれば、1対の継手ブ
ロックは予め工場で一方の部材と他方の部材の軸線方向
端部にそれぞれ取り付けておき、施工現場では複数のリ
ング片に分割された接続リングの該リング片をそれぞれ
1対の継手ブロックの外周面に被せ、固定用のリング片
を、固定手段を介して1対の継手ブロックに固定するだ
けで、一方の部材と他方の部材とを接続することができ
る。このため、施工現場で溶接作業をしなくても済み、
またフランジ継手を利用する場合のように継手構造が一
方の部材と他方の部材の径方向に大きく突出することが
ないことから、貫入抵抗が大きくなる、連結部分に曲げ
モーメントが作用する、水平支持力が確保できなくなる
等の問題はなく、また固定手段としてボルトを使用する
場合は、単にボルト締め作業だけですみ、特別な工具、
設備を必要とせず、手間もかからない。
【0011】本発明の継手構造を使用した杭の接続方法
では、周縁で開口する係合凹部を端面にそれぞれ形成し
た1対の継手ブロックと、該1対の継手ブロックの外周
面の係合部に係合する被係合部を内周面に有して、前記
1対の継手ブロックどうしを接続するための接続リング
とを具備し、該接続リングは、その周方向において複数
のリング片に分割されて、これら複数のリング片のうち
の、1つのリング片が固定用のリング片として前記1対
の継手ブロックの外周面に固定手段を介して固定され、
また他方のリング片は、固定用のリング片によって前記
1対の継手ブロックの外周面に保持され、且つ他方のリ
ング片は、前記係合凹部に係合するピンを支持する、継
手構造を使用する杭の接続方法にして、接続すべき一方
の杭の上端と、他方の杭の先端にそれぞれ前記継手ブロ
ックを取り付けるステップと、前記一方の継手ブロック
の端面上に、前記他方の継手ブロックの端面を、前記係
合凹部が互いに向き合うように、突き合わせるステップ
と、前記ピンが前記係合凹部の開口部から進入して該係
合凹部に係合するように、前記他方のリング片を前記1
対の継手ブロックの外周面に被せるステップと、前記固
定用のリング片を、前記一方の継手ブロックと他方の継
手ブロックの外周面に被せて前記固定手段を介して固定
するステップとを具備してなることを特徴とする。
【0012】本発明の継手構造を使用した別の杭の接続
方法では、端面にそれぞれ係合凹部を有した1対の継手
ブロックと、該1対の継手ブロックの外周面の係合部に
係合する被係合部を内周面に有して、前記1対の継手ブ
ロックどうしを接続するための接続リングとを具備し、
該接続リングは、その周方向において複数のリング片に
分割されて、これら複数のリング片のうちの、1つのリ
ング片が固定用のリング片として前記1対の継手ブロッ
クに固定手段を介して固定され、また他方のリング片
は、固定用のリング片によって前記1対の継手ブロック
の外周面に保持され、且つ他方のリング片は、前記係合
凹部に係合するピンを支持する、継手構造を使用する杭
の接続方法にして、接続すべき一方の杭の上端と、他方
の杭の先端にそれぞれ前記継手ブロックを取り付けるス
テップと、前記一方の継手ブロックの外周面に、前記他
方のリング片を被せて、該一方の継手ブロックの係合凹
部に前記ピンを係合させるステップと、前記他方の継手
ブロックを、前記一方の継手ブロック上に、前記係合凹
部が前記ピンと係合するように配置して、前記他方の継
手ブロックの外周面に前記他方のリング片を被せるステ
ップと、前記固定用のリング片を、前記一方の継手ブロ
ックと他方の継手ブロックの外周面に被せて前記固定手
段を介して固定するステップとを具備してなることを特
徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の継手構造の一実施例
について添付図面を参照して説明する。
【0014】図1は本発明の継手構造を鋼管杭に適用す
る場合の一実施例を示す一部省略した分解斜視図、図2
は図1に示す継手構造の継手ブロック部分の端面図、図
3は複数に分割された接続リングのリング片を一方の鋼
管杭に溶接された継手ブロックの外周面に被せる過程を
説明する平面図、図4は接続リングを一方の鋼管杭に溶
接された継手ブロックの外周面に全て被せた状態を示す
平面図、図5は固定用のリング片を1対の継手ブロック
に固定した状態を示す部分断面図、図6は1対の継手ブ
ロックどうしを端面が互いに対向するように突き合わせ
たときの状態を示す部分拡大断面図である。
【0015】本実施例の継手構造は、鋼管杭の接続に適
用されるもので、図1乃至図5に示すように、一方の鋼
管杭10の上端に予め溶接される略円筒状の継手ブロッ
ク20と、他方の鋼管杭11の先端に予め溶接される略
円筒状の継手ブロック21と、これら1対の継手ブロッ
ク20,21の外周面に被せて、該1対の継手ブロック
20,21どうしを接続する、鋳鉄製の接続リング30
と、この接続リング30に支持されて、他方の鋼管杭1
1から一方の鋼管杭10に回転トルクを伝達するため
の、複数本のピン40とを具備してなる。
【0016】継手ブロック20,21の外周面には、図
1に示すように、その軸線方向両端側に環状凸条23,
23がそれぞれ形成されて、これら環状凸条23,23
間が環状凹部24となっている。継手ブロック20,2
1の端面(鋼管杭10と11とを接続する際に互いに向
き合う面部)には、その周方向に沿って被係合部として
の係合凹部25が複数(図2では4個)所定の間隔をお
いて形成される。これら係合凹部25は、それぞれその
一端部が継手ブロック20,21の外周縁で開口し、終
端部が継手ブロック20,21の端面の周方向に沿って
延びるように円弧状に形成される。接続リング30に支
持されたピン40の軸線方向両端部(ピン40の頭部の
一部と先端部の一部)は、係合凹部25,25の一端の
開口部から係合凹部25,25内に進入し、接続リング
30を継手ブロック20,21に対して回動させること
により、係合凹部25,25の終端部に係合する。継手
ブロック20,21の端面には、開口部の周縁に沿って
肉厚が薄く且つ高さの低い周壁26がそれぞれ形成され
ている。図6に詳細に示すように、継手ブロック20に
形成された周壁26はその内周面がテーパー状に形成さ
れ、また継手ブロック21に形成された周壁26はその
外周面がテーパー状に形成されていて、継手ブロック2
0の周壁26の内部に継手ブロック21の周壁26を嵌
合させて、継手ブロック20,21どうしを突き合わせ
た時に、両者のセンタリング(芯合わせ)をし、また継
手ブロック20,21の端面間に接続リング30の鍔片
36(後述する。図1,図5等参照)を挿入するための
隙間を確保するようにしてある。継手ブロック20の周
壁26と継手ブロック21の周壁26との間には防水の
ためのOリング28が介在されていて、継手ブロック2
0,21の接続部の内側に水が侵入しないようにしてあ
る。
【0017】接続リング30は、複数(図1では3個)
のリング片31,32,33に分割されていて、各リン
グ片31,32,33の内周面に、その軸線方向中央部
付近に継手ブロック20,21の環状凸部23に係合す
る凹溝34,34がそれぞれ形成されている。凹溝3
4,34は、各リング片31,32,33の内周面に沿
って該内周面の全体にわたって形成されている。各リン
グ片31,32,33の内周面の軸線方向両端部分は、
継手ブロック20,21の環状凹部24内に位置する。
各リング片31,32,33は、凹溝34,34と環状
凸部23との係合を介して、継手ブロック20,21の
外周面に対し、その周方向に移動可能であるが、軸線方
向に移動しないようになっている。
【0018】また、各リング片31,32,33の内周
面の軸線方向中央であって凹溝34,34間には、それ
ぞれ内周面に沿って水平方向に延びる扇形状の鍔片36
が形成される。これら扇形状の鍔片36は、各リング片
31,32,33を1対の継手ブロック20,21の外
周面に取り付けたとき(被せたとき)、周壁26,26
によって形成される継手ブロック20,21間の隙間に
配置される。鍔片36は、周壁26,26によって形成
される継手ブロック20,21間の隙間に相当する肉厚
を有する。
【0019】固定用のリング片33を除いたリング片3
1,32の鍔片36には、それぞれ係合凹部25,25
に係合する係合部材としてのピン40を嵌挿して支持す
るための、段付きの支持孔37,37が板厚方向に貫通
して形成される。ピン40は、その頭部に段部41が形
成されていて、該段部41が支持孔37の段部38に係
止して、支持孔37内に、頭部の一部と先端部の一部が
鍔片36の面部から突出した状態で支持される。鍔片3
6から突出する、ピン40の頭部の一部と先端部の一部
が、それぞれ係合凹部25,25の終端部に係合するこ
とにより(図4参照)、継手ブロック21(鋼管杭1
1)から継手ブロック10(鋼管杭10)に回転トルク
が伝達される。
【0020】また、固定用のリング片33には、その軸
線方向両端付近に固定手段としてのボルト50(図5参
照)のための取付孔39,39がそれぞれ形成される。
継手ブロック20,21の外周面のリング片33が取り
付けられる箇所には、取付孔39,39と合致する箇所
にねじ孔27が形成される。リング片31,32を継手
ブロック20,21の外周面に被せた後、リング片33
を継手ブロック20,21の外周面に固定すると、リン
グ片31,32は、継手ブロック20,21の外周面に
対し周方向に移動できなくなり、また凹溝34,34と
環状凸部23との係合を介して軸線方向に移動すること
ができず、さらにリング片31,32の鍔片36に支持
されたピン40と係合凹部25との係合を介してリング
片31,32を継手ブロック20,21の外周面から引
き離すことができず、この結果、リング片31,32
は、継手ブロック20,21の外周面に固定されること
になる。リング片33を継手ブロック20,21の外周
面から取り外すと、リング片31,32は、継手ブロッ
ク20,21の外周面に対して周方向に移動することが
可能となり、ピン40が係合凹部25の開口部に位置し
たときに、該開口部からピン40を係合凹部25から外
すことにより、継手ブロック20,21の外周面から取
り外すことができる。
【0021】次に、本発明の鋼管杭の接続方法の一実施
例について説明する。本実施例の接続方法は、上述した
図1乃至図5に示す継手構造を使用して行う。
【0022】なお、図示しないが、鋼管杭10の先端部
付近には、その外周面に螺旋状鍔がほぼ1巻きにわたっ
て溶接されており、またその先端には掘削用刃が固定さ
れている。
【0023】鋼管杭10の上端部には継手ブロック20
が、また鋼管杭11の先端部には継手ブロック21がそ
れぞれ予め工場内で溶接されている。鋼管杭10を地盤
中に回転推進させて無排土で埋め込み、鋼管杭10の先
端が所定深さに達した時点で鋼管杭10の上端に鋼管杭
11を接続する。この接続作業は、まず継手ブロック2
0上に鋼管杭11の先端部の継手ブロック21を重ね合
わせ、継手ブロック20の端面に形成された周壁26の
内部に継手ブロック21の周壁26を嵌挿するととも
に、係合凹部25が互いに向き合うようにする。また、
周壁26,26間にOリング28を介在させる。これに
より、継手ブロック20,21間に、周壁26,26の
高さに相当する隙間(鍔片36の肉厚に相当する隙間)
が生じる。次いで、この隙間にリング片31,32の鍔
片36,36が貫入するようにして、リング片31,3
2を継手ブロック20,21の外周面に被せる。このと
き、リング片31,32の鍔片36の支持孔37にピン
40を挿入して、ピン40の頭部の一部と先端部の一部
が鍔片36の面部から突出した状態でピン40を鍔片3
6に取り付けておく。そして、ピン40の頭部の一部と
先端部の一部を継手ブロック20,21の係合凹部2
5,25の開口部から係合させて、リング片31,32
を継手ブロック20に対して所定方向に回動させつつ、
継手ブロック20,21の外周面に接近させると、ピン
40の頭部の一部と先端部の一部は係合凹部25の終端
部に係合する。これより、リング片31,32の凹溝3
4,34に継手ブロック20,21の環状凸部23,2
3が係合する。この後、リング片33の鍔片36が継手
ブロック20,21間の隙間に貫入するようにして、リ
ング片33を継手ブロック20,21のねじ孔27,2
7が形成された箇所の外周面に被せ、取付孔39,39
をねじ孔27,27上に合致させ、ボルト50を取付孔
39,39からねじ孔27,27に挿入して螺合させ
る。
【0024】このように、リング片31,32を継手ブ
ロック20,21の外周面に被せた後、リング片33を
継手ブロック20,21の外周面に固定すると、リング
片31,32は、継手ブロック20,21の外周面に対
し周方向に移動できなくなり、また凹溝34,34と環
状凸部23,23との係合を介して軸線方向に移動する
ことができず、さらにリング片31,32の鍔片36に
支持されたピン40と係合凹部25との係合を介してリ
ング片31,32を継手ブロック20,21の外周面か
ら引き離すことができず、この結果、リング片31,3
2は、継手ブロック20,21の外周面に固定されるこ
とになり、リング片31,32,33と継手ブロック2
0,21とを介して鋼管杭10,11どうしが接続され
る。鋼管杭11からの回転トルクは、ピン40と係合凹
部25,25の終端部との係合を介して鋼管杭10に伝
達されるようになる。
【0025】このようにして鋼管杭11を接続したら鋼
管杭10を更に地盤中に回転推進させる。そして、鋼管
杭10の先端部が所定の硬度の地盤に達するまで、上述
の接続作業を繰り返して鋼管杭を継ぎ足す。
【0026】上記接続方法によれば、施工現場での溶接
作業を全く無くすことができ、ボルト締め作業だけで済
み、接続作業時間は僅かであり、施工時間の大幅な短縮
を図ることが可能となる。また、工具としてはボルト5
0を締め付ける工具だけで済み、油圧ジャッキを必要と
しない。さらに、ボルト締めだけなので、作業は非常に
簡単であり、熟練を要しない。さらにまた、接続リング
30は、フランジ継手のように鋼管杭の外側に大きく突
出しないことから、鋼管杭を地盤中に回転推進させる際
の貫入抵抗にならず、また地盤からの反力を受けて鋼管
杭に曲げモーメントが作用する事もなく、さらに鋼管杭
の接続部周辺の土砂の密度は他の部分と変わらず、水平
支持力を確保することができる。
【0027】上記継手構造では、前記係合凹部25,2
5を、その一端部が継手ブロック20,21の外周縁で
開口し、その終端部が継手ブロック20,21の端面の
周方向に沿って延びるように円弧状に形成した場合を示
したが、単にピン40が嵌挿される孔として形成しても
よい。この場合、鍔片36の支持孔37を、図2に示す
係合凹部25の様に、鍔片36の内周縁で開口するよう
に形成する。
【0028】このように構成した継手構造を使用して鋼
管杭10,11どうしを接続する場合には、まず一方の
継手ブロック20の外周面にリング片31,32を被せ
て、ピン40の先端部を継手ブロック20の端面の係合
凹部25に係合させる。次いで、他方の継手ブロック2
1を、一方の継手ブロック20上に、他方の継手ブロッ
ク21の係合凹部25がピン40の頭部と係合するよう
に位置合わせをして配置する。このとき、リング片3
1,32を一旦継手ブロック20の外周面から少し離し
ておき、継手ブロック21の邪魔にならないようにして
おく。そして、継手ブロック21の係合凹部25がピン
40の頭部と係合した後、リング片31,32を継手ブ
ロック20,21の外周面に被せる。リング片31,3
2の鍔片36は継手ブロック20,21の端面間に配置
される。この後、固定用のリング片33を継手ブロック
20,21の外周面にボルト50によって固定すること
により、上記実施例と同様に鋼管杭10,11どうしを
接続することができる。
【0029】上記実施例では鋼管杭の接続に利用した場
合を示したが、これに限定されず、本発明の継手構造は
杭以外の構造材、例えば建造物の柱、梁、桁、斜材、支
柱等に広く適用される。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の継手構造
によれば、1対の継手ブロックと、該1対の継手ブロッ
クの外周面の係合部に係合する被係合部を内周面に有し
て、前記1対の継手ブロックどうしを接続するための接
続リングとを具備し、該接続リングは、その周方向にお
いて複数のリング片に分割されて、これら複数のリング
片のうちの、1つのリング片を固定用のリング片とし、
該固定用のリング片は、前記1対の継手ブロック外周面
に固定手段を介して固定され、他方のリング片は、固定
用のリング片によって前記1対の継手ブロックの外周面
に保持されるようにしてあるので、施工現場で溶接作業
をしなくても済み、またフランジ継手を利用する場合の
ように継手構造が接続すべき部材径方向に大きく突出す
ることがないことから、貫入抵抗が大きくなる、連結部
分に曲げモーメントが作用する、水平支持力が確保でき
なくなる等の問題はなく、また固定手段を介して固定用
のリング片を1対の継手ブロックの外周面に固定するよ
うにしてあるので、油圧ジャッキ等の特別な工具、設備
を必要とせず、手間もかからない。
【0031】また、上記継手構造を利用する本発明の杭
の接続方法によれば、溶接作業をする場合や、油圧ジャ
ッキを操作する場合のような特別な熟練を要さず、施工
時間の大幅な短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の継手構造を鋼管杭に適用する場合の一
実施例を示す一部省略した分解斜視図である。
【図2】図1に示す継手構造の継手ブロック部分の端面
図である。
【図3】複数に分割された接続リングのリング片を一方
の鋼管杭に溶接された継手ブロックの外周面に被せる過
程を説明する平面図である。
【図4】接続リングを一方の鋼管杭に溶接された継手ブ
ロックの外周面に全て被せた状態を示す平面図図1に示
す基礎杭の平面図である。
【図5】固定用のリング片を1対の継手ブロックに固定
した状態を示す部分断面図である。
【図6】1対の継手ブロックどうしを端面が互いに対向
するように突き合わせたときの状態を示す部分拡大断面
図である。
【符号の説明】
10,11 鋼管杭 20,21 継手ブロック 23 環状凸条 25 係合凹部 27 ねじ孔 30 接続リング 31,32 他方のリング片 33 固定用のリング片 34 凹溝 36 鍔片 37 取付孔 40 ピン 50 ボルト
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月9日(1998.9.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本実施例の継手構造は、鋼管杭の接続に適
用されるもので、図1乃至図5に示すように、一方の鋼
管杭10の上端に予め溶接される略円筒状の継手ブロッ
ク20と、他方の鋼管杭11の先端に予め溶接される略
円筒状の継手ブロック21と、これら1対の継手ブロッ
ク20,21の外周面に被せて、該1対の継手ブロック
20,21どうしを接続する接続リング30と、この
接続リング30に支持されて、他方の鋼管杭11から一
方の鋼管杭10に回転トルクを伝達するための、複数本
のピン40とを具備してなる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接続すべき一方の部材と他方の部材の軸
    線方向端部にそれぞれ取り付けられる1対の継手ブロッ
    クと、 前記1対の継手ブロックの外周面の係合部に係合する被
    係合部を内周面に有して、前記1対の継手ブロックどう
    しを接続するための接続リングとを具備し、 前記接続リングは、その周方向において複数のリング片
    に分割されて、これら複数のリング片のうちの、1つの
    リング片を固定用のリング片とし、該固定用のリング片
    は、前記1対の継手ブロックの外周面に固定手段を介し
    て固定され、他方のリング片は、固定用のリング片によ
    って前記1対の継手ブロックの外周面に保持されること
    を特徴とする継手構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の継手構造にして、 前記1対の継手ブロックの端面にそれぞれ被係合部が形
    成され、前記他方のリング片は、前記被係合部に係合す
    る係合部材を支持し、これら被係合部と係合部材との係
    合を介して前記一方の部材から他方の部材にトルクを伝
    達するように構成してなることを特徴とする継手構造。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の継手構造にして、 前記被係合部は係合凹部で、前記係合部材は該係合凹部
    に係合するピンであり、前記他方のリング片は、その内
    周面に前記ピンを保持する鍔片を有し、該鍔片は前記1
    対の継手ブロックの端面間に配置されることを特徴とす
    る継手構造。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の継手構造にして、 前記一方の部材と他方の部材は、建造物を支えるために
    地盤中に埋設される鋼管杭であることを特徴とする継手
    構造。
  5. 【請求項5】 周縁で開口する係合凹部を端面にそれぞ
    れ形成した1対の継手ブロックと、該1対の継手ブロッ
    クの外周面の係合部に係合する被係合部を内周面に有し
    て、前記1対の継手ブロックどうしを接続するための接
    続リングとを具備し、該接続リングは、その周方向にお
    いて複数のリング片に分割されて、これら複数のリング
    片のうちの、1つのリング片が固定用のリング片として
    前記1対の継手ブロックの外周面に固定手段を介して固
    定され、また他方のリング片は、固定用のリング片によ
    って前記1対の継手ブロックの外周面に保持され、且つ
    他方のリング片は、前記係合凹部に係合するピンを支持
    する、継手構造を使用する杭の接続方法にして、 接続すべき一方の杭の上端と、他方の杭の先端にそれぞ
    れ前記継手ブロックを取り付けるステップと、 前記一方の継手ブロックの端面上に、前記他方の継手ブ
    ロックの端面を、前記係合凹部が互いに向き合うよう
    に、突き合わせるステップと、 前記ピンが前記係合凹部の開口部から進入して該係合凹
    部に係合するように、前記他方のリング片を前記1対の
    継手ブロックの外周面に被せるステップと、 前記固定用のリング片を、前記一方の継手ブロックと他
    方の継手ブロックの外周面に被せて前記固定手段を介し
    て固定するステップとを具備してなることを特徴とす
    る、杭の接続方法。
  6. 【請求項6】 端面にそれぞれ係合凹部を有した1対の
    継手ブロックと、該1対の継手ブロックの外周面の係合
    部に係合する被係合部を内周面に有して、前記1対の継
    手ブロックどうしを接続するための接続リングとを具備
    し、該接続リングは、その周方向において複数のリング
    片に分割されて、これら複数のリング片のうちの、1つ
    のリング片が固定用のリング片として前記1対の継手ブ
    ロックに固定手段を介して固定され、また他方のリング
    片は、固定用のリング片によって前記1対の継手ブロッ
    クの外周面に保持され、且つ他方のリング片は、前記係
    合凹部に係合するピンを支持する、継手構造を使用する
    杭の接続方法にして、 接続すべき一方の杭の上端と、他方の杭の先端にそれぞ
    れ前記継手ブロックを取り付けるステップと、 前記一方の継手ブロックの外周面に、前記他方のリング
    片を被せて、該一方の継手ブロックの係合凹部に前記ピ
    ンを係合させるステップと、 前記他方の継手ブロックを、前記一方の継手ブロック上
    に、前記係合凹部が前記ピンと係合するように配置し
    て、前記他方の継手ブロックの外周面に前記他方のリン
    グ片を被せるステップと、 前記固定用のリング片を、前記一方の継手ブロックと他
    方の継手ブロックの外周面に被せて前記固定手段を介し
    て固定するステップとを具備してなることを特徴とす
    る、杭の接続方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014129706A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Mitani Sekisan Co Ltd 熱交換用のパイプの埋設方法及び台座

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