JP2000064035A - 光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents
光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットおよびその製造方法Info
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Abstract
しての特性を満たし、低抵抗であり、DCスパッタ法に
よって成膜できる光記録媒体の干渉膜用スパッタリング
ターゲットと、その製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の光記録媒体の干渉膜用スパッタ
リングターゲットは、カルコゲン化物とガラスとを含
み、電気抵抗値が0.001〜0.1Ω・cmである。
Description
の干渉膜材料として使用されるスパッタリングターゲッ
トと、その製造方法とに関する。
情報を消去して書き換えることが可能な光記録媒体が注
目されている。書き換え可能型の光記録媒体のうち相変
化型のものは、レーザー光を照射することにより記録層
の結晶状態を変化させて記録を行い、このような状態変
化に伴なう記録層の反射率変化を検出することにより再
生を行うものである。
質状態とで反射率の差が大きいこと、非晶質状態の安定
度が比較的高いことなどから、Ge−Sb−Te系等の
カルコゲナイト系材料が用いられることが多い。
る際には、記録層が融点以上まで昇温されるような高パ
ワー(記録パワー)のレーザー光を照射する。記録パワ
ーが加えられた部分では記録層が溶融した後、急冷さ
れ、非晶質の記録マークが形成される。一方、記録マー
クを消去する際には、記録層がその結晶化温度以上であ
ってかつ融点未満の温度まで昇温されるような比較的低
パワー(消去パワー)のレーザー光を照射する。消去パ
ワーが加えられた記録マークは、結晶化温度以上まで加
熱された後、徐冷されることになるので、結晶質に戻
る。したがって、相変化型光記録媒体では、単一の光ビ
ームの強度を変調することにより、オーバーライトが可
能である。
両側に干渉膜(エンハンス層)が形成されている。これ
らの干渉膜には、 1)レーザー光照射による熱履歴に対し、記録層や基板
などを保護できること、 2)各層の界面で反射してくる光の干渉効果を利用して
再生信号を増幅できること、 3)各干渉膜の熱伝導率等を適当に調整することによ
り、記録・消去特性を調整できることなどが求められ
る。
屈折率の高いZnS等のカルコゲン化物を主成分とする
もの、特にカルコゲン化物とガラスとの混合物が用いら
れることが多い。例えば、特公平4−74785号公報
には、結晶質のカルコゲン化物とガラスとの混合物から
なる干渉膜を有する光学式情報記録部材が記載されてい
る。カルコゲン化物としては、ZnS、ZnSe、Zn
Te、PbS、PbSe、PbTe等が挙げられる。ガ
ラスとしては、SiO2、GeO2、SnO2、In
2O3、TeO2等が挙げられる。干渉膜をこのような組
成にすることで、記録時の照射パワーに対する感度が上
昇し、記録消去の繰り返しに関する信頼性が向上する。
感度の上昇は干渉膜の熱定数の最適化によるもので、記
録消去の繰り返し回数の増大は記録および消去に要する
レーザーパワーの低下によるものとしている。同公報で
は、SiO2/(ZnS+SiO2)が10〜30モル%
のときに、記録および消去に要するレーザーエネルギー
が最も少なくてすむので好ましいとしている。
られているカルコゲン化物とガラスとの混合物は絶縁体
であり、DCスパッタ法を用いることができず、干渉膜
はRFスパッタ法によって形成されている。しかしなが
ら、RFスパッタ法は、DCスパッタ法と比較して、電
力制御、成膜レート制御の精度が低く、膜特性がばらつ
いてしまう。また、生産性が低いので、特に大量生産す
る上で好ましくない。光記録ディスクを量産化するため
には、従来のものと同等の特性を維持した上で、DCス
パッタ法による干渉膜の成膜を可能にすることが重要な
課題である。
録ディスクの量産化のために、干渉膜としての特性を満
たし、低抵抗であり、DCスパッタ法によって成膜でき
る光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットと、
その製造方法を提供することである。
の本発明により達成される。
スパッタ法により形成する際に用いられるターゲットで
あって、カルコゲン化物とガラスとを含み、電気抵抗値
が0.001〜0.1Ω・cmである光記録媒体の干渉膜
用スパッタリングターゲット。 (2) 酸化亜鉛を含み、前記酸化亜鉛の組成をZnO
xで表すと、 0.8≦x≦1 である上記(1)の光記録媒体の干渉膜用スパッタリン
グターゲット。 (3) 酸化ホウ素および/または酸化アルミニウム
と、酸化亜鉛とを含む上記(1)の光記録媒体の干渉膜
用スパッタリングターゲット。 (4) 光記録ディスク用の干渉膜をDCスパッタ法に
より形成する際に用いられるターゲットであって、酸化
亜鉛を含み、前記酸化亜鉛の組成をZnOxで表すと、 0.8≦x≦1 である光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲッ
ト。 (5) 光記録ディスク用の干渉膜をDCスパッタ法に
より形成する際に用いられるターゲットであって、酸化
ホウ素および/または酸化アルミニウムと、酸化亜鉛と
を含む光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲッ
ト。 (6) 波長650nmにおける屈折率が2.0〜2.3
の膜をDCスパッタ法により形成する上記(1)〜
(5)のいずれかの光記録媒体の干渉膜用スパッタリン
グターゲット。 (7) 前記カルコゲン化物が硫化亜鉛であり、前記ガ
ラスが酸化ケイ素である上記(1)〜(6)のいずれか
の光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲット。 (8) 上記(1)、(2)、(4)、(6)または
(7)の光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲッ
トを製造する方法であって、酸化亜鉛と、亜鉛および/
または炭素とを焼成し、ZnOxで表したとき 0.8≦x≦1 である酸化亜鉛を得、この酸化亜鉛と、カルコゲン化物
と、ガラスとを不活性ガス雰囲気中または真空中で加圧
焼成することにより焼結する光記録媒体の干渉膜用スパ
ッタリングターゲットの製造方法。 (9) 上記(1)、(2)、(4)、(6)または
(7)の光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲッ
トを製造する方法であって、酸化亜鉛を還元雰囲気下で
焼成し、ZnOxで表したとき 0.8≦x≦1 である酸化亜鉛を得、この酸化亜鉛と、カルコゲン化物
と、ガラスとを不活性ガス雰囲気中または真空中で加圧
焼成することにより焼結する光記録媒体の干渉膜用スパ
ッタリングターゲットの製造方法。 (10) 上記(1)、(3)、(5)、(6)または
(7)の光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲッ
トを製造する方法であって、酸化亜鉛と、酸化ホウ素お
よび/または酸化アルミニウムとを焼成し、この酸化亜
鉛と、酸化ホウ素および/または酸化アルミニウムと、
カルコゲン化物と、ガラスとを不活性ガス雰囲気中また
は真空中で加圧焼成することにより焼結する光記録媒体
の干渉膜用スパッタリングターゲットの製造方法。
従来使用されているカルコゲン化物とガラスとの混合物
を主要マトリックス材とし、さらに低抵抗化材を添加す
ることによって導電路を形成し、干渉膜として必要な屈
折率を得、しかも、電気抵抗値を0.001〜0.1Ω
・cmと低くしている。その結果、電気抵抗値が十分低い
ので、本発明の光記録媒体の干渉膜用スパッタリングタ
ーゲットを用いると、従来ではRFスパッタ法でしか成
膜できなかった干渉膜をDCスパッタ法で成膜でき、生
産性の向上が図れ、光記録ディスクを量産化できる。成
膜される干渉膜の特性は、RFスパッタ法で成膜される
従来のものと同等である。
0.8≦x≦1である酸素欠損ないし酸素欠陥をもつ酸
化亜鉛、または、酸化ホウ素および/または酸化アルミ
ニウムをドープした酸化亜鉛が好ましく用いられる。こ
のような低抵抗化材をカルコゲン化物とガラスとに加え
てターゲットに含有させることにより、DCスパッタ可
能な低い電気抵抗値と、干渉膜として必要な屈折率とを
両立することができる。
ングターゲットは、各種光記録ディスク、好ましくは相
変化型ディスク、例えばDVDの干渉膜の成膜に好適に
用いられる。また、光磁気ディスクにも適用できる。
Cスパッタ法により形成する際に用いられるものであ
る。
ガラスとを主要マトリックス材として含む。カルコゲン
化物としては、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(Z
nSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、硫化鉛(Pb
S)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(PbT
e)、硫化カルシウム(CaS)、硫化マグネシウム
(MgS)等が挙げられる。中でも、硫化亜鉛を用いる
ことが好ましい。カルコゲン化物は、1種を用いても2
種以上を併用してもかまわない。ガラスとしては、酸化
ケイ素(SiO2)、酸化ゲルマニウム(GeO2)、酸
化スズ(SnO2)、酸化インジウム(In2O3)、酸
化テルル(TeO2)等が挙げられる。中でも、酸化ケ
イ素を用いることが好ましい。ガラスは、1種を用いて
も2種以上を併用してもかまわない。カルコゲン化物、
ガラスは、通常、化学量論組成で存在するが、多少化学
量論組成から偏倚していてもかまわない。
ラスが10〜30mol%、特に15〜25mol%であるこ
とが好ましい。ガラスの含有量が多すぎると、光記録デ
ィスクの干渉膜としたときに、屈折率が小さくなりすぎ
て高C/Nが得られにくくなり、良好な特性が得られに
くくなる。一方、ガラスの含有量が少なすぎると、光記
録ディスクの干渉膜としたときに、記録消去の繰り返し
に関する信頼性が低下してきて、良好な特性が得られに
くくなる。
値を0.001〜0.1Ω・cm、好ましくは0.003
〜0.02Ω・cmにする。従来干渉膜材料として用いら
れているカルコゲン化物とガラスの混合物は絶縁体であ
り、RFスパッタ法でしか成膜できなかったが、このよ
うに電気抵抗値を低くすることによって、量産化に適し
たDCスパッタ法で成膜することが可能になる。
スクの干渉膜としたときに必要な屈折率を得るために、
このターゲットを用いて成膜した膜の波長650nmにお
ける屈折率は2.0〜2.3、特に2.1〜2.2であ
ることが好ましい。屈折率がこれより大きくても小さく
ても干渉膜としての良好な特性が得られにくくなってく
る。ターゲットそのものの屈折率は、表面粗さ等のため
に精度よく測定することができない。膜の屈折率はター
ゲットの組成によって変化し、その組成を変えることに
よって制御できる。硫化亜鉛の屈折率は2.4、二酸化
ケイ素の屈折率は1.4、酸化亜鉛の屈折率は1.9で
あり、成膜される膜の屈折率は、通常、屈折率の加成性
関係から求められる。なお、本発明のターゲットを用い
て成膜される干渉膜の屈折率は、従来のものと同等であ
る。
低抵抗化材を添加することにより、干渉膜として必要な
屈折率を保ちつつ、ターゲットの電気抵抗値を下げる。
低抵抗化材としては、十分な導電性を有し、干渉膜とし
て必要な屈折率を保てるものが好ましく、酸素欠損ない
し酸素欠陥をもつ酸化亜鉛、または、酸化ホウ素および
/または酸化アルミニウムをドープした酸化亜鉛が好ま
しい。低抵抗化材は、十分低い電気抵抗値と必要な屈折
率が得られれば、1種を用いても2種以上を併用しても
かまわない。酸化亜鉛(ZnO)は導電性を持たない
が、酸素欠損を生成したり、ドープしたりすると十分な
導電性が得られる。しかも、屈折率が1.9程度で、カ
ルコゲン化物とガラスと組み合わせて用いても光記録媒
体の干渉膜として必要な屈折率が得られる。
と、 0.8≦x≦1、特に0.9≦x≦0.98 が好ましい。xがこれより大きくなって酸素欠損が少な
くなると、十分な導電性が得られなくなってくる。ま
た、xがこれより小さくなって酸素欠損が多くなると、
金属部が析出し、安定なスパッタ成膜ができなくなって
くる。このような酸素欠損をもつ酸化亜鉛は、後述する
が、水素等の還元雰囲気下で酸化亜鉛(ZnO)を焼成
したり、酸化亜鉛に炭素を加えて焼成したり、または、
酸化亜鉛に亜鉛を加えて焼成したりして得られる。これ
らは併用してもよい。
アルミニウム(Al2O3)をドープした酸化亜鉛(Zn
O)では、酸化ホウ素および/または酸化アルミニウム
の含有量は0.1〜5wt%、特に0.5〜2wt%である
ことが好ましい。含有量がこれより多くても少なくて
も、十分な導電性が得られにくくなってくる。このよう
なドープして導電性を持たせた酸化亜鉛は、後述する
が、酸化亜鉛に酸化ホウ素および/または酸化アルミニ
ウムを加えて焼成することで得られる。なお、この場合
も、酸化亜鉛は酸素欠損を有していてもよく、化学量論
組成から多少偏倚していてもかまわない。また、酸化ホ
ウ素および/または酸化アルミニウムが酸化亜鉛に固溶
せず、一部が酸化ホウ素、酸化アルミニウムとして存在
していてもよい。酸化ホウ素、酸化アルミニウムも、O
量が多少偏倚していてもかまわない。
に好ましくは10〜30vol%、特に14〜25vol%含
有されていることが好ましい。含有量がこれより少なく
なると、十分な導電性が得られにくくなる。これより多
くなると、光記録ディスクの干渉膜としたときに、良好
な特性が得られにくくなる。
な低い電気抵抗値と、光記録媒体の干渉膜として必要な
屈折率とが得られれば特に限定されない。酸化亜鉛にド
ープするものも酸化ホウ素、酸化アルミニウムに限定さ
れず、他のものも使用できる。
として、例えばC、Fe、Pb等の少なくとも1種が含
まれていてもよい。これらの元素の合計含有量は、0.
1at%以下であることが好ましい。
化物、ガラス、低抵抗化材がそれぞれ独立して存在す
る。通常、カルコゲン化物は結晶状態で存在し、ガラス
は焼結後に非晶質となってカルコゲン化物の粒界に析出
し、カルコゲン化物結晶をつなぎ合わせている。ガラス
は結晶であってもよい。低抵抗化材も、通常、結晶状態
で存在し、3次元的につながってターゲット中に導電パ
スを形成している。ターゲットは、カルコゲン化物とガ
ラスとから成る主要マトリックス材と、低抵抗化材とが
異相を形成していると考えられるが、ガラスは、一部、
低抵抗化材の粒界に析出して導電パスの形成を防げてい
ると考えられる。なお、好ましくは結晶質のガラスを用
いてターゲットを製造するが、この場合も焼成後には通
常非晶質となる。ただし、一部結晶が残っていてもよ
い。
抵抗化材の平均グレイン径は、0.1〜20μm程度で
ある。ガラスの平均粒界層厚さは0.5〜5μm程度で
ある。
厚さは特に限定されないが、通常、4〜12mm程度であ
る。ターゲットの平面形状は、円、楕円、方形等のいず
れであってもよい。ターゲットの直径ないし短径は、通
常、120〜260mm程度である。
%以上、より好ましくは95%以上である。後述する製
造方法によれば、このように高い焼結密度が容易に得ら
れる。本発明のターゲットは焼結密度が高いことから十
分な機械的強度が得られるので、スパッタ装置に設置す
る際のターゲットボンディング工程において割れにく
い。なお、この場合の焼結密度とは、理論密度に対する
焼結体の密度の比率である。
する。
ムをドープした酸化亜鉛の調製 まず、酸化亜鉛と、酸化ホウ素および/または酸化アル
ミニウムとをこれらの比率が所望の組成となるように混
合する。混合手段は特に限定されないが、ボールミル等
で行えばよい。混合は、通常、大気中で行う。酸化亜
鉛、酸化ホウ素、酸化アルミニウムの平均粒径は好まし
くは0.1〜10μmとする。粒径が小さすぎると嵩高
くなり、作業がしにくくなってくる。一方、粒径が大き
すぎると焼結しにくくなるので、後述する焼成工程にお
いて焼成温度を高くする必要が生じる。混合後、必要に
応じ、ふるい等により分級してもよい。
る。また、窒素ガスやArガス等の不活性ガス雰囲気
中、水素等の還元雰囲気中で仮焼成してもよい。焼成温
度は好ましくは600〜1000℃であり、前記焼成温
度に保持する時間は好ましくは30〜120分間であ
り、焼成温度まで昇温するときの速度は好ましくは10
℃/分間以上である。このようにして、酸化ホウ素およ
び/または酸化アルミニウムをドープした酸化亜鉛が得
られる。
の比率が所望の組成となるように混合する。混合手段は
特に限定されないが、ボールミル等で行えばよい。混合
は、窒素ガスやArガス等の非酸化性雰囲気中で行う。
酸化亜鉛、炭素、亜鉛の平均粒径は好ましくは0.1〜
10μmとする。粒径が小さすぎると混合時の酸化によ
りターゲット中の酸素含有量が多くなりすぎる。一方、
粒径が大きすぎると焼結しにくくなるので、後述する焼
成工程において焼成温度を高くする必要が生じる。混合
後、必要に応じ、ふるい等により分級してもよい。
性ガス雰囲気中または真空中で仮焼成する。また、水素
等の還元雰囲気中で仮焼成してもよい。焼成温度は好ま
しくは600〜1000℃であり、前記焼成温度に保持
する時間は好ましくは30〜120分間であり、焼成温
度まで昇温するときの速度は好ましくは10℃/分間以
上である。炭素を加えた場合、仮焼成によって炭素が酸
化亜鉛中の酸素と反応し、一酸化炭素となって気化して
酸素欠損が生成する。このようにして、酸素欠損をもつ
酸化亜鉛が得られる。
上記の条件で仮焼成することによっても酸素欠損をもつ
酸化亜鉛が得られる。
る上記の酸化ホウ素および/または酸化アルミニウムを
ドープした酸化亜鉛、または、酸素欠損酸化亜鉛とを、
これらの比率が所望の組成となるように混合する。混合
手段は特に限定されないが、ボールミル等で行えばよ
い。混合は、窒素ガスやArガス等の非酸化性雰囲気中
で行う。カルコゲン化物、ガラスの平均粒径は好ましく
は0.1〜10μmとする。粒径が小さすぎると混合時
の酸化によりターゲット中の酸素含有量が多くなりすぎ
る。一方、粒径が大きすぎると焼結しにくくなるので、
後述する焼成工程において焼成温度を高くする必要が生
じる。混合後、必要に応じ、ふるい等により分級しても
よい。
ス雰囲気中または真空中で加圧焼成することにより、焼
結体を得る。H2等の還元ガス雰囲気中で加圧焼成して
もかまわない。加圧焼成には、ホットプレス法を用いる
ことが好ましい。加圧焼成の際の圧力および温度は、緻
密な焼結体が得られるように決定すればよい。焼成温度
は、液相焼結が生じない温度とすることが好ましい。ま
た、ターゲットの割れを防ぐために、粒成長が生じない
温度で焼成することが好ましい。
には、加圧力は好ましくは200kgf/cm2以上、特に好
ましくは220〜280kgf/cm2であり、焼成温度は好
ましくは900〜1200℃であり、前記焼成温度に保
持する時間は好ましくは5〜60分間であり、焼成温度
まで昇温するときの速度は好ましくは10℃/分間以上
である。加圧力が小さすぎると、焼結密度が低くなって
しまう。一方、焼成温度が低すぎると、焼結密度が低く
なってしまい、ターゲットの機械的強度が不十分とな
る。昇温速度および焼成時間を上記範囲とするのは、焼
結密度を高くしてターゲットを割れにくくするためであ
る。なお、加圧力の上限は特にないが、ホットプレス法
において成形用型枠として一般的なカーボン型を用いる
場合には、通常、600kgf/cm2以下とすることが好ま
しい。
昇温し、焼成温度に所定時間保持した後、圧力を解放し
て冷却することが好ましい。
および組織的に不均質な領域を研削により除去し、スパ
ッタ用ターゲットを完成させる。このときの研削深さ
は、1mm程度以下で十分である。
にインジウム等でボンディングした後、DCスパッタ法
によって光記録ディスクの干渉膜を形成する際に用いら
れる。
使用される不活性ガスが使用できるが、好ましくはA
r、Kr、Xeのいずれか、あるいはこれらの少なくと
も1種以上のガスを含む混合ガスを用いることが好まし
く、特にAr、Kr、Xe単体が好ましい。動作圧は
0.05〜0.2Paの範囲が好ましい。スパッタガスの
流量は50〜150sccm程度が好ましい。DCスパッタ
装置の電力としては500W〜2kW程度が好ましい。
基板ターゲット間距離は35〜200mm程度であること
が好ましい。
O3)とを酸化アルミニウムが1wt%になるように調合
し、大気中でボールミルで混合した。酸化亜鉛の平均粒
径は0.5μm、酸化アルミニウムの平均粒径は0.5
μmだった。
中、800℃で100分間仮焼成して、酸化アルミニウ
ムをドープした酸化亜鉛を得た。
素(SiO2)と、上記の酸化アルミニウムをドープし
た酸化亜鉛とを、ZnS:SiO2=8:2(モル
比)、この混合物に対して酸化アルミニウムをドープし
た酸化亜鉛が20vol%になるように調合し、N2雰囲気
中でボールミルで混合した。硫化亜鉛の平均粒径は0.
5μm、酸化ケイ素の平均粒径は0.1μmだった。
し、250kgf/cm2で加圧しながら15℃/分間の速度
で昇温し、Ar雰囲気中において1000℃で20分間
ホットプレスした。加圧を解除した後、冷却し、焼結体
を得た。平均グレイン径は、5μmだった。
深さまで研削して除去し、ターゲットを得た。このター
ゲットは、直径127mm、厚さ6mmであった。
法で測定したところ、0.008Ω・cmであった。
グルーブ(幅0.74μm、深さ65nm、ピッチ1.4
8μm)を同時形成した直径120mm、厚さ0.6mmの
ディスク状ポリカーボネート基体の表面に、第1干渉
膜、記録層、第2干渉膜、反射層および保護層を以下に
示す手順で形成し、光記録ディスクを作製した。
ーゲットを用いてDCスパッタ法により形成した。第1
干渉膜の厚さは100nm、第2干渉膜の厚さは20nmと
した。成膜条件は、スパッタガスはAr80sccm、動作
圧は0.1Pa、投入電力は800W、基板とターゲット
間の距離は150mmとした。
法により形成した。ターゲットにはGe−Sb−Te
(Ge:Sb:Te=2:2:5)を用いた。厚さは2
0nmとした。
法により形成した。ターゲットにはAl−1.7原子%
Crを用いた。厚さは150nmとした。
ト法により塗布後、紫外線照射により硬化して形成し
た。硬化後の保護層の厚さは5μm であった。
は、干渉膜の波長650nmにおける屈折率が2.15
で、十分な屈折率を有し、特性が良好であった。
いた他は実施例1と同様にしてターゲットを作製した。
Ω・cmであった。ターゲットの平均グレイン径は、5μ
mだった。
光記録ディスクを作製したところ、干渉膜の波長650
nmにおける屈折率が2.10で、十分な屈折率を有し、
特性の良好な光記録ディスクが得られた。
%になるように調合し、N2雰囲気中でボールミルで混
合した。酸化亜鉛の平均粒径は0.5μm、炭素の平均
粒径は0.1μmとした。
性ガス雰囲気中、800℃で100分間仮焼成して、酸
素欠損酸化亜鉛ZnO0.95を得た。
化亜鉛の代わりに上記のZnO0.95を用いて実施例1と
同様にターゲットを作製した。
7Ω・cmであった。ターゲットの平均グレイン径は、5
μmだった。
光記録ディスクを作製したところ、干渉膜の波長650
nmにおける屈折率が2.12で、十分な屈折率を有し、
特性の良好な光記録ディスクが得られた。
wt%になるように調合し、N2雰囲気中でボールミルで
混合した。酸化亜鉛の平均粒径は0.5μm、亜鉛の平
均粒径は1.0μmとした。
性ガス雰囲気中、800℃で100分間仮焼成して、酸
素欠損酸化亜鉛ZnO0.96を得た。
化亜鉛の代わりに上記のZnO0.96を用いて実施例1と
同様にターゲットを作製した。
9Ω・cmであった。ターゲットの平均グレイン径は、5
μmだった。
光記録ディスクを作製したところ、干渉膜の波長650
nmにおける屈折率が2.10で、十分な屈折率を有し、
特性の良好な光記録ディスクが得られた。
スパッタ法でしか成膜できなかった光ディスクの干渉膜
を、より量産に適したDCスパッタ法で成膜することが
できた。また、成膜された干渉膜の屈折率は従来のもの
と同等のものが得られた。
ディスクの量産化のために、干渉膜としての特性を満た
し、低抵抗であり、DCスパッタ法によって成膜できる
光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットと、そ
の製造方法を実現できる。
Claims (10)
- 【請求項1】 光記録ディスク用の干渉膜をDCスパッ
タ法により形成する際に用いられるターゲットであっ
て、 カルコゲン化物とガラスとを含み、 電気抵抗値が0.001〜0.1Ω・cmである光記録媒
体の干渉膜用スパッタリングターゲット。 - 【請求項2】 酸化亜鉛を含み、 前記酸化亜鉛の組成をZnOxで表すと、0.8≦x≦
1である請求項1の光記録媒体の干渉膜用スパッタリン
グターゲット。 - 【請求項3】 酸化ホウ素および/または酸化アルミニ
ウムと、酸化亜鉛とを含む請求項1の光記録媒体の干渉
膜用スパッタリングターゲット。 - 【請求項4】 光記録ディスク用の干渉膜をDCスパッ
タ法により形成する際に用いられるターゲットであっ
て、 酸化亜鉛を含み、 前記酸化亜鉛の組成をZnOxで表すと、 0.8≦x≦1 である光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲッ
ト。 - 【請求項5】 光記録ディスク用の干渉膜をDCスパッ
タ法により形成する際に用いられるターゲットであっ
て、 酸化ホウ素および/または酸化アルミニウムと、酸化亜
鉛とを含む光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲ
ット。 - 【請求項6】 波長650nmにおける屈折率が2.0〜
2.3の膜をDCスパッタ法により形成する請求項1〜
5のいずれかの光記録媒体の干渉膜用スパッタリングタ
ーゲット。 - 【請求項7】 前記カルコゲン化物が硫化亜鉛であり、 前記ガラスが酸化ケイ素である請求項1〜6のいずれか
の光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲット。 - 【請求項8】 請求項1、2、4、6または7の光記録
媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットを製造する方
法であって、 酸化亜鉛と、亜鉛および/または炭素とを焼成し、Zn
Oxで表したとき 0.8≦x≦1 である酸化亜鉛を得、 この酸化亜鉛と、カルコゲン化物と、ガラスとを不活性
ガス雰囲気中または真空中で加圧焼成することにより焼
結する光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲット
の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1、2、4、6または7の光記録
媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットを製造する方
法であって、 酸化亜鉛を還元雰囲気下で焼成し、ZnOxで表したと
き 0.8≦x≦1 である酸化亜鉛を得、 この酸化亜鉛と、カルコゲン化物と、ガラスとを不活性
ガス雰囲気中または真空中で加圧焼成することにより焼
結する光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲット
の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1、3、5、6または7の光記
録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットを製造する
方法であって、 酸化亜鉛と、酸化ホウ素および/または酸化アルミニウ
ムとを焼成し、 この酸化亜鉛と、酸化ホウ素および/または酸化アルミ
ニウムと、カルコゲン化物と、ガラスとを不活性ガス雰
囲気中または真空中で加圧焼成することにより焼結する
光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットの製造
方法。
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