JP4642833B2 - 硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体 - Google Patents
硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4642833B2 JP4642833B2 JP2007310994A JP2007310994A JP4642833B2 JP 4642833 B2 JP4642833 B2 JP 4642833B2 JP 2007310994 A JP2007310994 A JP 2007310994A JP 2007310994 A JP2007310994 A JP 2007310994A JP 4642833 B2 JP4642833 B2 JP 4642833B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxide
- zinc sulfide
- sputtering
- phase change
- protective film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
- Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
Description
相変化光ディスクは、基板上の記録薄膜をレーザー光の照射によって加熱昇温させ、その記録薄膜の構造に結晶学的な相変化(アモルファス⇔結晶)を起こさせて情報の記録・再生を行うものであり、より具体的にはその相間の光学定数の変化に起因する反射率の変化を検出して情報の再生を行うものである。
また、上記結晶学的な相変化すなわちアモルファスと結晶との相変化を実現する上で、溶融と急冷が光ディスクの相変化記録層だけでなく周辺の誘電体保護層やアルミニウム合金の反射膜にも繰返し付与されることになる。
このなかで反射層と保護層はアモルファス部と結晶部との吸収を増大させ反射率の差が大きい光学的機能が要求されるほか、記録薄膜の耐湿性や熱による変形の防止機能、さらには記録の際の熱的条件制御という機能が要求される(雑誌「光学」26巻1号頁9〜15参照)。
このように、高融点誘電体の保護層は昇温と冷却による熱の繰返しストレスに対して耐性をもち、さらにこれらの熱影響が反射膜や他の箇所に影響を及ぼさないようにし、かつそれ自体も薄く、低反射率でかつ変質しない強靭さが必要である。この意味において誘電体保護層は重要な役割を有する。
ところが、この高周波スパッタリング(RF)装置は、装置自体が高価であるばかりでなく、スパッタリング効率が悪く、電力消費量が大きく、制御が複雑であり、成膜速度も遅いという多くの欠点がある。また、成膜速度を上げるため、高電力を加えた場合、基板温度が上昇し、ポリカーボネート製基板の変形を生ずるという問題がある。
しかし、このような温度範囲ではSiO2自体の変形等は発生せず、ZnSとの反応も起こらないため、ZnSとSiO2の間に空隙を生じ易く、またSiO2を微細にするほど、それが顕著となり、ZnSの緻密化も阻害されるため、ターゲット密度が低下するという問題があった。
さらに、ZnSにSiO2を含有するターゲットは、スパッタリングによって膜を形成する際にアーキングを発生し易く、それが起因となってスパッタ時に発生するパーティクル(発塵)やノジュールが発生し、成膜の均一性及び品質が低下するだけでなく、生産性も劣るという問題があった。
1.硫化亜鉛を主成分とし、さらに導電性酸化物を含有することを特徴とする膜の屈折率を2.0〜2.6の範囲に調節できるスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
2.導電性酸化物の含有量が1〜50mol%であることを特徴とする上記1記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
3.導電性酸化物が酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛から選択した1種以上であることを特徴とする上記1又は2記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
4.酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化ニオブから選択した1種類以上の酸化物を、さらに含有することを特徴とする上記1〜3のそれぞれに記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
5.酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化ニオブから選択した1種類以上の酸化物を、導電性酸化物に対して重量比換算で0.01〜20%含有することを特徴とする上記1〜3のそれぞれに記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
6.酸化アルミニウム、酸化硼素、酸化燐、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物から選択した1種類以上を酸化ケイ素に対する重量比で0.1%以上含有する酸化ケイ素を主成分としたガラス形成酸化物を含有することを特徴とする上記1〜3のそれぞれに記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
7.ガラス形成酸化物が総量に対するモル比換算で1〜30%含有することを特徴とする上記6記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
8.ターゲットバルク中に存在する絶縁相又は高抵抗相の平均結晶粒径が5μm以下であることを特徴とする上記1〜7のそれぞれに記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
9.ターゲットバルク中に存在する絶縁相又は高抵抗相が、硫化亜鉛、酸化ケイ素、酸化硼素、酸化燐、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の1種以上を含有することを特徴とする上記1〜8のそれぞれに記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
10.相対密度が90%以上であることを特徴とする上記1〜9のそれぞれに記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体
11.バルク抵抗値が1Ωcm以下であることを特徴とする上記1〜10のそれぞれに記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体、を提供する。
さらに、スパッタ時に発生するパーティクル(発塵)やノジュールを低減し、品質のばらつきが少なく量産性を向上させることができ、かつ空孔が少なく結晶粒が微細であり、相対密度90%以上の高密度を備えた硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットを製造することができ、また保護膜としての特性も損なわずに、該ターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体を得ることができるという著しい効果を有する。
DCスパッタリングは、上述のRFスパッタリングに比べ、成膜速度が速く、スパッタリング効率が良いという優れた特徴を持つ。また、DCスパッタリング装置は価格が安く、制御が容易であり、電力の消費量も少なくて済むという利点がある。
また、屈折率を通常のZnS−SiO2(2.0〜2.1)より大きくすることで、保護膜自体の膜厚を薄くすることも可能となるため、生産性向上、基板加熱防止効果を発揮できる。
したがって、本発明のスパッタリングターゲットを使用することにより、生産性が向上し、品質の優れた材料を得ることができ、光ディスク保護膜をもつ光記録媒体を低コストで安定して製造できるという著しい効果がある。
また、導電性酸化物は、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛から選択される。さらに、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化ニオブから選択した1種類以上の酸化物を、さらに含有させることができる。この含有量は、導電性酸化物に対して重量比換算で0.01〜20%含有させるのが望ましい。
酸化物を含有させる理由は導電性酸化物と価数の異なる酸化物を固溶させて不定比性を生じさせ、それにより伝導電子ホールを多くすることができるためである。この場合は特に、ZnSと混合する前に予め酸化物を固溶させることが望ましい。
また、導電性酸化物に対して重量比換算で0.01〜20%とする場合の下限値は、添加による効果を得るためであり、また上限値は、固溶限より多く添加すると導電性が阻害され、膜特性への影響が無視できなくなるからである。
酸化ケイ素を含有させると直流スパッタリングにおいて、異常放電の起点となり易いという欠点があが、酸化アルミニウム、酸化硼素、酸化燐、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物から選択した1種類以上を酸化ケイ素に対する重量比で0.1%以上のガラス形成酸化物を含有させることによって、前記欠点を解消することができるので、上記の光学特性、熱伝導率等をZnS−SiO2と同等に調整できるという効果がある酸化ケイ素を添加することは有効である。
また、このガラス形成酸化物は、総量に対するモル比換算で1〜30%含有させることが望ましい。これは異常放電がなくZnS−SiO2と同等の膜を得ることができる。
さらにこのターゲットバルク中に存在する絶縁相又は高抵抗相が、硫化亜鉛、酸化ケイ素、酸化硼素、酸化燐、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物の1種以上を含有することが望ましい。これによって、絶縁性の大きい酸化ケイ素の抵抗値を低減することができる。
さらに本発明のターゲットの相対密度が90%以上、さらには95%以上の高密度のものを得ることができる。これによって、スパッタリングの際にパーティクル(発塵)やノジュールをより低減させ、品質のばらつきが少なく量産性を向上させることができる。
これによって、焼結体の相対密度90%以上、さらには相対密度95%以上、バルク抵抗値が1Ωcm以下である硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットを製造することができる。
本発明の硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットの密度の向上は、空孔を減少させ結晶粒を微細化し、ターゲットのスパッタ面を均一かつ平滑にすることができるので、スパッタリング時のパーティクルやノジュールを低減させ、さらにターゲットライフも長くすることができるという著しい効果を有する。
(実施例1)
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)の酸化インジウム(In2O3)粉ZnSに対し20mol%の比率で均一に混合した。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度1000°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は98%であった。また、抵抗値は2.5×10-3Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングが容易にでき、優れた特性の高密度ZnSを主成分とする導電性酸化物含有相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットが得られた。被膜の透過率は93%、屈折率は2.3であった。
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)のITO(In2O3−10wt%SnO2)粉を、ZnSに対し30mol%の比率で均一に混合した。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度1100°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は97%であった。また、抵抗値は4.7×10-3Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングが容易にでき、優れた特性の高密度ZnSを主成分とする導電性酸化物含有相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットが得られた。被膜の透過率は88%、屈折率は2.4であった。
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)の酸化インジウム(In2O3)粉と酸化ジルコニウム(ZrO2)を、ZnSに対し20mol%の比率で均一に混合した。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度1000°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は100%であった。また、抵抗値は1.4×10-2Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングが容易にでき、優れた特性の高密度ZnSを主成分とする相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットが得られた。被膜の透過率は95%、屈折率は2.3であった。
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)の酸化インジウム(In2O3)粉と酸化ジルコニウム(ZrO2)をZnSに対し20mol%、さらに珪酸ガラスを同ZnSに対し20mol%の比率で均一に混合した。珪酸ガラスの組成は、SiO2−0.2wt%Al2O3−0.1wt%Na2O3である。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度1100°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は100%であった。また、抵抗値は5.4×10-2Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングが容易にでき、優れた特性の高密度ZnSを主成分とする相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットが得られた。被膜の透過率は95%、屈折率は2.3であった。
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)のATO(SnO2−10wt%Sb2O3)粉とを同ZnSに対し30mol%の比率で均一に混合した。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度800°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は95%であった。また、抵抗値は5.2×10-1Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングが容易にでき、優れた特性の高密度ZnSを主成分とする相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットが得られた。被膜の透過率は85%、屈折率は2.4であった。
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)のINO(In2O3−5wt%Nb2O5)粉とを、同ZnSに対し20mol%の比率で均一に混合した。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度1100°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は98%であった。また、抵抗値は3.5×10-2Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングが容易にでき、優れた特性の高密度ZnSを主成分とする相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットが得られた。被膜の透過率は90%、屈折率は2.3であった。
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)のGZO(ZnO−2wt%Ga2O3)粉とを、同ZnSに対し20mol%の比率で均一に混合した。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度1100°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は96%であった。また、抵抗値は6.8×10-2Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングが容易にでき、優れた特性の高密度ZnSを主成分とする相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットが得られた。被膜の透過率は95%、屈折率は2.2であった。
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)の酸化インジウム(In2O3)粉と純度4Nの酸化ケイ素(SiO2)を、組成比がそれぞれ20mol%、10mol%の比率で、均一に混合した。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度1000°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は98%であった。また、抵抗値は2.0×10-1Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングでは異常放電が起こった。これらが原因となってパーティクル(発塵)やノジュールが増加した。このように、比較例1の条件では成膜の均一性及び品質が低下するだけでなく、生産性も劣るという問題があった。
ZnS−In2O3−SiO2相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットとしては、適切なものではなかった。
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)ののITO(In2O3−10wt%SnO2)粉と純度4Nの酸化ケイ素(SiO2)を、組成比がそれぞれ20mol%、20mol%の比率で、均一に混合した。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度1100°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は100%であった。また、抵抗値は1.4×10-1Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングの際に異常放電が起こった。これらが原因となってパーティクル(発塵)やノジュールが増加した。このように、比較例2の条件では成膜の均一性及び品質が低下するだけでなく、生産性も劣るという問題があった。
ZnS−In2O3−SnO2−SiO2相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットとしては、適切なものではなかった。
純度4N(99.99%)である硫化亜鉛(ZnS)粉に、純度4N(99.99%)ののIZO(In2O3−5wt%ZrO2)粉と純度4Nの酸化ケイ素(SiO2)を、組成比がそれぞれ20mol%、20mol%の比率で、均一に混合した。
この混合粉をグラファイトダイスに充填し、真空雰囲気中、面圧200kg/cm2、温度1100°Cの条件でホットプレスを行った。これによって得られたバルク体の相対密度は99%であった。また、抵抗値は1.0×10-2Ωcmであった。
このバルク体からターゲットを作製し、スパッタ試験を実施したところDCスパッタリングの際に異常放電が起こった。これらが原因となってパーティクル(発塵)やノジュールが増加した。このように、比較例2の条件では成膜の均一性及び品質が低下するだけでなく、生産性も劣るという問題があった。
ZnS−ZrO2−SiO2相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットとしては、適切なものではなかった。
なお、上記実施例1〜7は、本発明のターゲット組成の代表例を示すが、本発明に含まれる他のターゲット組成においても、同様の結果が得られた。
これらに対して、比較例1〜3においては、SiO2がそのまま添加されているためバルク抵抗値は低下するが、スパッタリングの際に異常放電が発生し、そしてこれらに起因してパーティクル(発塵)やノジュールが増加し、また相変化型光ディスク保護膜としての特性も損なわれるという問題があることが分かった。
以上から、本発明の硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットは、相変化型光ディスク保護膜を形成するターゲットとして極めて有効であることが分かる。
さらに、スパッタ時に発生するパーティクル(発塵)やノジュールを低減し、品質のばらつきが少なく量産性を向上させることができ、かつ空孔が少なく結晶粒が微細であり、相対密度90%以上の高密度を備えた硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットを製造することができ、また保護膜としての特性も損なわないので、該ターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体として有用である。
Claims (4)
- 硫化亜鉛を主成分とし、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛から選択した1種以上の導電性酸化物を1〜50mol%、及び酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化ニオブから選択した1種類以上の酸化物を含有し、相対密度が90%以上であって、バルク抵抗値が1Ωcm以下であることを特徴とする膜の屈折率を2.0〜2.6の範囲に調整できるスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体。
- 硫化亜鉛を主成分とし、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛から選択した1種以上の導電性酸化物を1〜50mol%、及び酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化アンチモン、酸化ニオブから選択した1種類以上の酸化物を導電性酸化物に対して重量比換算で0.01〜20%含有し、相対密度が90%以上であって、バルク抵抗値が1Ωcm以下であることを特徴とする膜の屈折率を2.0〜2.6の範囲に調整できるスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体。
- ターゲットバルク中に存在する絶縁相又は高抵抗相の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体。
- ターゲットバルク中に存在する絶縁相又は高抵抗相が硫化亜鉛を含有することを特徴とする請求項1〜3のそれぞれに記載のスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007310994A JP4642833B2 (ja) | 2007-11-30 | 2007-11-30 | 硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007310994A JP4642833B2 (ja) | 2007-11-30 | 2007-11-30 | 硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002036154A Division JP4198918B2 (ja) | 2002-02-14 | 2002-02-14 | 硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲット及び該スパッタリングターゲットの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008159242A JP2008159242A (ja) | 2008-07-10 |
JP4642833B2 true JP4642833B2 (ja) | 2011-03-02 |
Family
ID=39659949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007310994A Expired - Lifetime JP4642833B2 (ja) | 2007-11-30 | 2007-11-30 | 硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4642833B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114890785A (zh) * | 2022-05-31 | 2022-08-12 | 先导薄膜材料(广东)有限公司 | 一种硫氧锌靶材及其制备方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11328730A (ja) * | 1998-05-21 | 1999-11-30 | Mitsubishi Chemical Corp | 光学的情報記録用媒体およびその製造方法 |
JP2000064035A (ja) * | 1998-08-21 | 2000-02-29 | Tdk Corp | 光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
JP2001011615A (ja) * | 1999-07-01 | 2001-01-16 | Nikko Materials Co Ltd | 光ディスク保護膜形成スパッタリングターゲット |
JP2001098361A (ja) * | 1999-09-28 | 2001-04-10 | Mitsubishi Materials Corp | 高出力スパッタ条件ですぐれた耐割損性を発揮する光記録媒体保護層形成用スパッタリングターゲット材 |
JP2001192820A (ja) * | 2000-01-06 | 2001-07-17 | Mitsubishi Materials Corp | 直流スパッタリング可能な光記録保護膜形成用スパッタリングターゲット |
JP2001316804A (ja) * | 2000-05-08 | 2001-11-16 | Mitsubishi Materials Corp | 直流スパッタリング可能でかつ異常放電の少ない光記録保護膜形成用スパッタリングターゲット |
JP2001355065A (ja) * | 2000-06-13 | 2001-12-25 | Mitsubishi Materials Corp | 直流スパッタ条件下で優れた耐割損性を発揮する光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット |
JP2003099995A (ja) * | 2001-09-26 | 2003-04-04 | Ulvac Japan Ltd | 光ディスク用誘電体ターゲット及び成膜方法 |
-
2007
- 2007-11-30 JP JP2007310994A patent/JP4642833B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11328730A (ja) * | 1998-05-21 | 1999-11-30 | Mitsubishi Chemical Corp | 光学的情報記録用媒体およびその製造方法 |
JP2000064035A (ja) * | 1998-08-21 | 2000-02-29 | Tdk Corp | 光記録媒体の干渉膜用スパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
JP2001011615A (ja) * | 1999-07-01 | 2001-01-16 | Nikko Materials Co Ltd | 光ディスク保護膜形成スパッタリングターゲット |
JP2001098361A (ja) * | 1999-09-28 | 2001-04-10 | Mitsubishi Materials Corp | 高出力スパッタ条件ですぐれた耐割損性を発揮する光記録媒体保護層形成用スパッタリングターゲット材 |
JP2001192820A (ja) * | 2000-01-06 | 2001-07-17 | Mitsubishi Materials Corp | 直流スパッタリング可能な光記録保護膜形成用スパッタリングターゲット |
JP2001316804A (ja) * | 2000-05-08 | 2001-11-16 | Mitsubishi Materials Corp | 直流スパッタリング可能でかつ異常放電の少ない光記録保護膜形成用スパッタリングターゲット |
JP2001355065A (ja) * | 2000-06-13 | 2001-12-25 | Mitsubishi Materials Corp | 直流スパッタ条件下で優れた耐割損性を発揮する光記録媒体保護膜形成用スパッタリングターゲット |
JP2003099995A (ja) * | 2001-09-26 | 2003-04-04 | Ulvac Japan Ltd | 光ディスク用誘電体ターゲット及び成膜方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008159242A (ja) | 2008-07-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4198918B2 (ja) | 硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲット及び該スパッタリングターゲットの製造方法 | |
JP4965540B2 (ja) | スパッタリングターゲット、光情報記録媒体用薄膜及びその製造方法 | |
JP4711244B2 (ja) | スパッタリングターゲット | |
JP4047552B2 (ja) | ZnS−SiO2スパッタリングターゲット | |
JP4642833B2 (ja) | 硫化亜鉛を主成分とするスパッタリングターゲットを使用して硫化亜鉛を主成分とする相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体 | |
JP4965524B2 (ja) | スパッタリングターゲット及びその製造方法 | |
JP4817137B2 (ja) | スパッタリングターゲット及び光記録媒体 | |
JP4279533B2 (ja) | スパッタリングターゲット及び光記録媒体 | |
JP3916125B2 (ja) | ZnS−SiO2スパッタリングターゲット及び該ターゲットを使用してZnS−SiO2相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体 | |
JP4745319B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP4579224B2 (ja) | 相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法 | |
JP5019343B2 (ja) | スパッタリングターゲット用ZnS粉末及びスパッタリングターゲット | |
JP4685177B2 (ja) | 相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲット及び該ターゲットを使用して相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体 | |
JP2002358699A (ja) | 相変化型光ディスク保護膜形成用スパッタリングターゲット及び該ターゲットを使用して相変化型光ディスク保護膜を形成した光記録媒体 | |
JP4625050B2 (ja) | ZnS−SiO2スパッタリングターゲット | |
JP5134040B2 (ja) | スパッタリングターゲット用ZnS粉末及びスパッタリングターゲット | |
JP5389852B2 (ja) | 光情報記録媒体の保護膜 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100802 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20100813 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100817 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101018 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101130 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101201 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4642833 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |