JP2000063454A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物

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JP2000063454A
JP2000063454A JP10239330A JP23933098A JP2000063454A JP 2000063454 A JP2000063454 A JP 2000063454A JP 10239330 A JP10239330 A JP 10239330A JP 23933098 A JP23933098 A JP 23933098A JP 2000063454 A JP2000063454 A JP 2000063454A
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Japan
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polyester resin
acid
unsaturated polyester
resin composition
mol
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JP10239330A
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English (en)
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Hirosuke Sugita
裕輔 杉田
Akira Matsumura
明 松村
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体に対して悪影響を及ぼさず、かつ硬化性
樹脂組成物とした場合には硬化性及び硬度に優れたポリ
エステル樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 マレイン酸系化合物又はフマル酸系化合
物から選ばれる不飽和ジカルボン酸(a)と、テトラヒ
ドロフタル酸系化合物を含有する飽和ジカルボン酸
(b)とを縮重合成分とする不飽和ポリエステル樹脂
に、アクリル酸エステル系又はアルキルビニルエ−テル
系から選ばれる架橋性不飽和単量体を、配合してなる不
飽和ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物に関し、更に詳しくは、人体に悪影響を及
ぼさず、硬化性に優れかつ塗膜の硬度が高い塗料用の不
飽和ポリエステル樹脂組成物、特に活性エネルギ−線硬
化型不飽和ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、多価アルコールアリルエーテ
ル成分やジシクロペンタジエン等を含有した不飽和ポリ
エステル樹脂は、空乾性を有して光沢や肉持ち感が好ま
しく、しかも美麗な仕上がりを与えるため、一般(木工
用)塗料、シーリング材、接着剤、成形物等に用いられ
ている。そして、かかる不飽和ポリエステル樹脂を主成
分とする硬化型樹脂組成物は、上記の如く不飽和ポリエ
ステル樹脂中に多価アルコールアリルエーテル成分やシ
クロペンタジエンあるいはジシクロペンタジエン類等を
導入した不飽和ポリエステル樹脂以外に架橋性不飽和単
量体、開始剤、硬化助剤等が配合され、該架橋性不飽和
単量体としてはスチレンが多用されているのが実情であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
スチレンは、揮発性が高く、悪臭も強く、人体に対して
悪影響を及ぼす恐れがあり、その使用に際しては要注意
で、毒性の少ない架橋性不飽和単量体が望まれ、更には
硬化性樹脂組成物とした時の硬化性や塗膜の硬度に優れ
た架橋性不飽和単量体が望まれるところである。本発明
者はかかる観点からスチレンに変えて安全性の高い架橋
性不飽和単量体であるアクリル酸エステル系又はアルキ
ルビニルエ−テル系化合物に着目し、種々検討したとこ
ろ、かかる単量体を使用した時は、従来のスチレン処方
よりは硬化速度の点及び塗膜の硬度の点で改善の余地が
あることを確認した。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は不飽
和ポリエステル樹脂の骨格を工夫することにより、かか
る課題を解決しようとして、鋭意研究を重ねた結果、不
飽和ポリエステル樹脂として、マレイン酸系化合物又は
フマル酸系化合物から選ばれる不飽和ジカルボン酸
(a)と、テトラヒドロフタル酸系化合物を含有する飽
和ジカルボン酸(b)とを縮重合成分とする不飽和ポリ
エステル樹脂を使用する場合に、上記の目的を達成でき
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明で用いられる不飽和ポリエステル樹
脂は、基本的には多塩基酸と多価アルコ−ルとを縮重合
して得られるものであるが、酸成分としてマレイン酸系
化合物又はフマル酸系化合物から選ばれる不飽和ジカル
ボン酸(a)と、テトラヒドロフタル酸系化合物を含有
する飽和ジカルボン酸(b)とを縮合成分とすることを
必須の要件とする。
【0007】(a)の不飽和ジカルボン酸のうちマレイ
ン酸系化合物としてはマレイン酸、無水マレイン酸、並
びに該酸のエステルがフマル酸系化合物としてはフマル
酸並びにそのエステルが挙げられる。(b)の飽和ジカ
ルボン酸としては無水フタル酸、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、テトラヒドロフタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸等が挙げられるが、本発明ではかかる酸
中に占めるテトラヒドロフタル酸系化合物の含有量が1
0モル%以上、好ましくは10〜80モル%、特に好ま
しくは20〜60モル%でなければならない。
【0008】テトラヒドロフタル酸系化合物の含有量が
10モル%未満では、本発明の効果が得難く一方80モ
ル%を超えると硬化速度が低下するという傾向がでてく
る。本発明では発明の趣旨を損なわない範囲において、
必要に応じて上記以外のカルボン酸例えばトリメリット
酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメ
リット酸、6−メチル−4−シクロヘキセン−1,2,3
トリカルボン酸無水物等が併用されても差し支えない。
また、不飽和ポリエステル樹脂は分子量が3000〜3
0000(更には4000〜25000)程度が実用的
である。
【0009】又、該酸と縮重合させられる多価アルコー
ルとしては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、水添ビスフェノールA、ビス
フェノールAジオキシプロポキシエーテル、ビスフェノ
ールAジポリオキシプロポキシエーテル、ビスフェノー
ルAジオキシエトキシエーテル、ビスフェノールAジポ
リオキシエトキシエーテル、1,9−ノナンジオール、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレ
ングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル
−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタン−ジオール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジ
メタノールなどが挙げられる。
【0010】本発明においては、かかる不飽和ポリエス
テル樹脂の構成単位として、シクロペンタジエン単位、
ジシクロペンタジエン系単位、多価アルコールアリルエ
ーテル単位から選ばれる少なくとも1種を含有していて
も良く、かかるシクロペンタジエン単位、ジシクロペン
タジエン系単位とは、シクロペンタジエン、ジシクロペ
ンタジエン、更にはこれらの誘導体が挙げられる。
【0011】該誘導体の例としてはマレイン酸トリシク
ロデセニル、フマール酸トリシクロデセニル、アジピン
酸トリシクロデセニル、フタル酸トリシクロデセニル、
イソフタル酸トリシクロデセニル、トリメリット酸トリ
シクロデセニル、エチレングリコールトリシクロデセニ
ルエーテル、ジエチレングリコールトリシクロデセニル
エーテル、プロピレングリコールトリシクロデセニルエ
ーテル、1,4−ブタンジオールトリシクロデセニルエ
ーテル、1,6−ヘキサンジオールトリシクロデセニル
エーテル、ネオペンチルグリコールトリシクロデセニル
エーテル、グリセリントリシクロデセニルエーテル、ト
リメチロールプロパントリシクロデセニルエーテル、ヒ
ドロキシル化ジシクロペンタジエン等が挙げられ、ま
た、多価アルコールアリルエーテル単位としては、具体
的にはペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリ
メチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンモノ
アリルエーテル、トリメチロールエタンジアリルエーテ
ル、グリセリンジアリルエーテルなどが挙げられ、いず
れも分子中に少なくとも1個の水酸基を含有するエーテ
ルである。
【0012】かかるシクロペンタジエン系単位、ジシク
ロペンタジエン系単位、多価アルコールアリルエーテル
単位から選ばれる少なくとも1種の成分の構成割合は、
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を活性エネルギ
ー線により硬化する硬化型樹脂組成物とするときには、
多塩基酸成分に対して2〜40モル%とすることがより
好ましく、シクロペンタジエン系単位またはジシクロペ
ンタジエン系単位の場合は15〜30モル%存在させる
ことがより好ましい。かかる割合が2モル%未満では十
分な空乾性が得られず、又40モル%を越えると硬化性
が低下する。また、多価アルコールアリルエーテル単位
の場合は10〜30モル%存在させることがより好まし
く、2モル%未満では十分な空乾性が得られず、又空乾
性も低下する。一方50モル%を越えて導入しても量に
比較して格別顕著な向上は見られない。
【0013】また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組
成物を常温または加熱により硬化する硬化型樹脂組成物
とするときには、多塩基酸成分に対して10〜50モル
%とすることがより好ましく、シクロペンタジエン系単
位またはジシクロペンタジエン系単位の場合は20〜5
0モル%存在させることがより好ましい。かかる割合が
10モル%未満では十分な空乾性が得られず、又50モ
ル%を越えると速乾性が低下する。また、多価アルコー
ルアリルエーテル単位の場合は10〜40モル%存在さ
せることがより好ましく、10モル%未満では十分な空
乾性が得られず、一方40モル%を越えて導入しても量
に比較して格別顕著な向上は見られない。尚、上記の含
有モル%は多塩基酸成分1モルに対するそれぞれの割合
で、50モル%とは多塩基酸成分1モルに対して0.5
モル配合することを意味する。
【0014】かかるシクロペンタジエン系単位やジシク
ロペンタジエン系単位を不飽和ポリエステル樹脂中に導
入するには、基本的にはシクロペンタジエン、ジシクロ
ペンタジエン及びこれらの誘導体の少くとも1種を多塩
基酸と共に仕込んで縮合反応を行うが、シクロペンタジ
エン系単位やジシクロペンタジエン系単位が不飽和ポリ
エステル樹脂末端にあるよりも該樹脂の主鎖中にある場
合の方が塗料等に供したときには、塗料物性が優れてい
る傾向があるので、かかる樹脂を製造するためには、シ
クロペンタジエン、ジシクロペンタジエン及びこれらの
誘導体の少なくとも1種は縮合初期に仕込むことが望ま
しい。また、多価アルコールアリルエーテル単位を不飽
和ポリエステル樹脂中に導入するには、上記のシクロペ
ンタジエン系単位やジシクロペンタジエン系単位の場合
と同様に行えばよい。
【0015】不飽和ポリエステル樹脂の製造に当たって
は、上記の各成分を使用して、常法に従い、不活性ガス
雰囲気中温度150〜250℃程度で縮合又は付加反応
させればよく、得られた不飽和ポリエステル樹脂は通常
酸価が10〜30KOHmg/g程度であり、好ましく
はエステル化を促進したりして酸価を10〜20KOH
mg/g程度の範囲にすることが好ましく、該不飽和ポ
リエステル樹脂の重量平均分子量としては上記の如く3
000〜30000とすることが実用的で、さらには4
000〜25000が好ましく、該重量平均分子量が3
000未満では硬化物の物理物性が低く、硬化性も遅
く、逆に30000を越えると粘度が高くなって希釈モ
ノマーが多量必要となり、硬化速度が遅くなる傾向があ
る。
【0016】尚、本発明の重量平均分子量は、ゲルパー
ミッションクロマトグラフィー(GPC)によって測定
されるもので、例えばショーデックスシステム(昭和電
工社製)でKF−806のカラムを用い、テトラヒドロ
フランを溶媒としポリスチレンを標準として測定するこ
とができる。
【0017】本発明で、不飽和ポリエステル樹脂に配合
する架橋性不飽和単量体としては、アクリル酸エステル
系又はアルキルビニルエ−テル系から選ばれる化合物が
必須である。具体的には、ブチル(メタ)アクリレ−
ト、アミル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)ア
クリレ−ト、ラウリルアクリレート等(メタ)アクリル
酸の高級アルキルエステルの他、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリ
レ−ト、ジプロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−
ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パンEO(エチレンオキサイド)付加トリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート、1,6ヘキサンジオールジア
クリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエ
チレングリコールアクリレート、EO(エチレンオキサ
イド)変性ビスフェノールAジアクリレート、ノニルフ
ェノキシアクリレート、イソボルニルアクリレート、3
−メトキシブチルアクリレート、メトキシトリプロピレ
ングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエ
チル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリ
ロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アク
リロイルオキシプロピルテトラヒドハイドロゲンフタレ
ート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等が例示
される。
【0018】アルキルビニルエ−テルとしてはブチルビ
ニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル、ヒドロキシ
ブチルビニルエ−テル、トリエチレングリコ−ルジビニ
ルエ−テル、シクロヘキサンジメタノ−ルジビニルエ−
テル、ドデシルビニルエ−テル等が好適に用いられる。
【0019】また、本発明のポリエステル樹脂組成物を
活性エネルギー線により硬化する硬化型樹脂組成物とし
て使用する場合には、更にラジカル発生型光重合開始剤
を併用する必要があり、該開始剤としては、光の作用に
よりラジカルを発生するものであれば特に限定されず、
具体的には、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、
4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピレン
フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル
エーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノ
ン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、
4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノ
ン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファ
イド、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−
メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソ
ン、イソプロピルチオキサンソン、カンファーキノン、
ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、4′,
4″−ジエチルイソフタロフェノン、3,3′,4,
4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベン
ゾフェノン、α−アシロキシムエステル、アシルホスフ
ィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベ
ンジル、9,10−フェナンスレンキノン、4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2
−プロピル)ケトン等が挙げられ、これらの助剤として
トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、
4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケ
トン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2
−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブ
トキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、
2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロ
ピルチオキサンソン等を併用することも可能であり、こ
れらのラジカル発生型光重合開始剤の中では、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキ
シ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オンが好適に用いられ
る。
【0020】不飽和ポリエステル樹脂(A)、架橋性不
飽和単量体(B)、開始剤(C)の配合比については特
に限定されないが、本発明の効果を効率よく得るために
は、(A):(B):(C)の配合重量比が100:6
0〜200:2〜20が好ましく、更には100:80
〜120:3〜10が好ましい。かかる範囲よりも
(B)が少ないと物理物性が悪く、硬化性も遅く、逆に
多いと粘度が高くなって作業性が低下する。また、
(C)が過少のときは硬化性が遅く、逆に過多であって
も硬化性は向上せず無駄である。また、上記の(A)〜
(C)以外にも、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤
等を併用することも可能である。
【0021】かかる配合で得られた硬化型樹脂組成物を
硬化させる方法としては、上記のラジカル発生型光重合
開始剤(C)を活性化させる方法であれば特に限定され
ず、遠紫外部、紫外部、近紫外部、赤外部の光線、X
線、γ線等の電磁波や電子線、プロトン線、中性子線な
どの活性エネルギー線を照射して硬化させる方法等が挙
げられるが、放射線照射装置の入手のし易さ、価格等か
ら、紫外線照射による硬化方法が有利で、該紫外線とは
150〜450nm波長域の光を主体としたもので、高
圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、ケミカルランプ等を用いて照射する方法が挙げられ
る。
【0022】また、本発明のポリエステル樹脂組成物を
常温または加熱により硬化する硬化型樹脂組成物として
使用する場合には、上記のラジカル発生型光重合開始剤
(C)に替えて熱によるラジカル発生剤(D)を用いれ
ばよい。かかるラジカル発生剤(D)としては、メチル
エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチル
パーベンゾエート、等が挙げられ、これらの助剤として
オクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクテン酸
マンガン、ナフテン酸マンガン、各種アミン化合物等を
併用することも可能であり、好適にはメチルエチルケト
ンパーオキサイドとオクテン酸コバルトが併用される。
【0023】かかる(A)、(B)及び(D)を配合し
てなる組成物は、その配合比については特に限定されな
いが、本発明の効果を効率よく得るためには、(A):
(B):(D)の配合重量比が100:60〜200:
2〜20が好ましく、更には100:80〜120:3
〜10が好ましい。かかる範囲よりも(B)が少ないと
物理物性が悪く、硬化性も遅く、逆に多いと粘度が高く
なって作業性が低下する。また、(D)が過少のときは
硬化性が遅く、逆に過多であっても硬化性は向上せず無
駄である。また、上記の(A)、(B)及び(D)以外
にも、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤等を併用す
ることも可能である。
【0024】かくして得られた本発明のポリエステル樹
脂組成物は、各種基材用のコーティング剤(塗料)、パ
テ・シーリング剤、接着剤等に幅広く利用することがで
き、その用途により、本発明の効果を阻害しない範囲に
おいて、顔料(チタン白、シアニンブルー、ウォッチン
グレッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラ
ック、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、
ハンザレッド、クロームイエロー、クロームグリーンな
ど)、充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タ
ルク、マイカ、アルミナ、アスベスト粉、微粉シリカ、
硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、
パーライトなど)、レベリング剤(シリコーン、セルロ
ースアセテートブチレート、界面活性剤など)、安定
剤、熱可塑性樹脂(高密度、中密度、低密度の各種ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン
等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ナイ
ロン−6、ナイロン−6,6 等のポリアミド系樹脂、塩
化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩化ビニリ
デン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、
スチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル
系樹脂など)、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維など)、
垂れ止め剤(水添ヒマシ油、微粒子無水硅酸など)、艶
消し剤(微粉シリカ、パラフィンワックスなど)、研削
剤(ステアリン酸亜鉛など)などを配合することも可能
で、このときの顔料の配合量は2〜20重量%、充填剤
の配合量は2〜50重量%、レベリング剤の配合量は
0.001〜5重量%、熱可塑性樹脂の配合量は5〜3
0重量%、垂れ止め剤の配合量は1〜5重量%、艶消し
剤の配合量は1〜10重量%、研削剤の配合量は1〜1
0重量%の範囲より適宜選択される。また、必要に応じ
て希釈剤として、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ブ
タノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチル
エチルケトン、セロソルブ類、ジアセトンアルコールな
どを1〜10重量%程度添加することも可能である。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。尚、実施例中「%」及び「部」とあるのは、
特にことわりのない限り重量基準を表す。 実施例1 撹拌機、精留塔、窒素導入管、真空装置を付した反応器
に、無水マレイン酸58.8g(0.6モル)、テトラ
ヒドロ無水フタル酸60.9g(0.4モル)、ジエチ
レングリコ−ル63.7g(0.6モル)、トリエチレ
ングリコ−ル75.1g(0.5モル)、ハイドロキノ
ン200ppmを仕込み窒素気流下で220℃に昇温
し、縮合反応を行い酸価20mgKOH/gになった時
点で反応を終了し、トリプロピレングリコ−ルジアクリ
レ−トで60%となるように溶解した。上記溶液に樹脂
100重量部に対してベンジルジメチルケタ−ル(チバ
ガイギ−社製イルガキュア651)を3重量部添加し、
ガラス板に200ミクロンのアプリケ−タ−で塗布した
後、80W/cmの高圧水銀灯下15cmをコンベアス
ピ−ド5m/minの速度で繰り返し通過させて、爪に
よる擦り傷の痕跡が認められなくなるまでの通過回数を
調べた。更に、硬化塗膜について硬度及びフイルム物性
(試料;幅15mm、長さ25mm、測定条件;20
℃、65%RH、引っ張り速度10mm/min)を評
価した。結果を表1に示す。
【0026】対照例1 実施例1において、テトラヒドロ無水フタル酸を無水フ
タル酸に変えて実験を行った。結果を表1に示す。
【0027】実施例2 実施例1で使用した反応器に、フマル酸81.3g
(0.7モル)、テトラヒドロ無水フタル酸45.7g
(0.3モル)、ネオペンチルグリコ−ル41.7g
(0.4モル)、1,4−ブタンジオ−ル63.1g
(0.7モル)、ハイドロキノン200ppmを仕込み
窒素気流下で220℃に昇温し、縮合反応を行い酸価2
0mgKOH/gになった時点で反応を終了し、エチレ
ンオキサイド3モル変性トリメチロ−ルプロパントリア
クリレ−ト(第一工業製薬製ニュ−フロンティアTMP
−3)で60%となるように溶解した。上記溶液に樹脂
100重量部に対してベンジルジメチルケタ−ル(チバ
ガイギ−社製イルガキュア651)を3重量部添加し、
以下実施例1と同じ測定をした。結果を表1に示す。
【0028】対照例2 実施例2において、テトラヒドロ無水フタル酸を無水フ
タル酸に変えて実験を行った。結果を表1に示す。
【0029】実施例3 実施例1のトリプロピレングリコ−ルジアクリレ−トに
変えて、トリエチレングリコ−ルジビニルエ−テルを使
用して同例と同じ実験をした。結果を表1に示す。
【0030】実施例4 実施例1で使用した反応器に、無水マレイン酸58.8
g(0.6モル)、テトラヒドロ無水フタル酸45.7
g(0.3モル)、アジピン酸14.6g(0.1モ
ル)、ジエチレングリコ−ル63.7g(0.6モ
ル)、ハイドロキノン200ppmを仕込み窒素気流下
で220℃に昇温し、縮合反応を行い酸価20mgKO
H/gになった時点で反応を終了し、トリプロピレング
リコ−ルジアクリレ−トで60%となるように溶解し
た。上記溶液に樹脂100重量部に対してベンジルジメ
チルケタ−ル(チバガイギ−社製イルガキュア651)
を3重量部添加し、以下実施例1と同じ測定をした。結
果を表1に示す。
【0031】実施例5 実施例1で使用した反応器に、フマル酸69.6g
(0.6モル)、テトラヒドロ無水フタル酸45.7g
(0.3モル)、ネオペンチルグリコ−ル41.7g
(0.4モル)、1,4−ブタンジオ−ル63.1g
(0.7モル)、ハイドロキノン200ppmを仕込み
窒素気流下で220℃に昇温し、縮合反応を行い酸価2
0mgKOH/gになった時点で反応を終了し、エチレ
ンオキサイド3モル変性トリメチロ−ルプロパントリア
クリレ−ト(第一工業製薬製ニュ−フロンティアTMP
−3)で60%となるように溶解した。上記溶液に樹脂
100重量部に対してベンジルジメチルケタ−ル(チバ
ガイギ−社製イルガキュア651)を3重量部添加し、
以下実施例1と同じ測定をした。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】 硬化性 鉛筆硬度 フイルム引っ張り試験 (パス回数) ヤング率 最大強度 伸び率 (Kgf/mm2)(Kgf/mm2)(%) 実施例1 1 4H 7.0 2.1 15 対照例1 2 H 4.9 0.7 16 実施例2 1 4H 15.3 3.2 8 対照例2 2 2H 9.6 1.1 9 実施例3 1 4H 6.5 2.0 16 実施例4 1 4H 7.1 2.4 17 実施例5 1 4H 15.5 3.3 10
【0033】
【発明の効果】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、特定架橋性不飽和単量体を配合しているため、人体
に対して悪影響を及ぼさず、かつ硬化性樹脂組成物とし
た場合には硬化性及び硬度に優れ、各種基材用のコーテ
ィング剤(塗料)、パテ・シーリング剤、接着剤、成形
物等に有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J027 AB02 AB06 AB07 AB15 AB16 AB17 AB18 AB19 AB23 AB24 AB26 AC03 AC04 AC06 BA04 BA07 BA17 BA19 BA24 BA26 CB10 CC02 CC05 CD08 4J038 DD191 FA012 PA17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイン酸系化合物又はフマル酸系化合
    物から選ばれる不飽和ジカルボン酸(a)と、テトラヒ
    ドロフタル酸系化合物を含有する飽和ジカルボン酸
    (b)とを縮重合成分とする不飽和ポリエステル樹脂
    に、アクリル酸エステル系又はアルキルビニルエ−テル
    系から選ばれる架橋性不飽和単量体を、配合してなるこ
    とを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 テトラヒドロフタル酸系化合物が、テト
    ラヒドロ無水フタル酸であることを特徴とする請求項1
    記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 酸中に占めるテトラヒドロフタル酸系化
    合物の含有量が、10〜80モル%であることを特徴と
    する請求項1〜2いずれか記載の不飽和ポリエステル樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル酸エステル系架橋性不飽和単量
    体が、トリプロピレングリコ−ルジアクリレ−ト又はエ
    チレンオキシド変性トリメチロ−ルプロパントリアクリ
    レ−トであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記
    載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 不飽和ポリエステル樹脂が、活性エネル
    ギ−線硬化型であることを特徴とする請求項1〜4いず
    れか記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002094897A1 (fr) * 2001-05-22 2002-11-28 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Composition de resine insaturee durcissable
CN114702849A (zh) * 2022-03-28 2022-07-05 广州市中瀚创能新材料科技有限公司 一种高铁用环保型双组分弹性聚酯腻子及其制备方法

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