JP2000063179A - 窒化アルミニウム質焼結体、耐蝕性部材、金属埋設品および半導体保持装置 - Google Patents

窒化アルミニウム質焼結体、耐蝕性部材、金属埋設品および半導体保持装置

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JP2000063179A
JP2000063179A JP10227092A JP22709298A JP2000063179A JP 2000063179 A JP2000063179 A JP 2000063179A JP 10227092 A JP10227092 A JP 10227092A JP 22709298 A JP22709298 A JP 22709298A JP 2000063179 A JP2000063179 A JP 2000063179A
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aluminum nitride
corrosion
metal
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Kiyoshi Araki
清 新木
Yuji Katsuta
祐司 勝田
Sadanori Shimura
禎徳 志村
Haruaki Ohashi
玄章 大橋
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】窒化アルミニウム質焼結体の耐蝕性、特にハロ
ゲン系腐食性ガスのプラズマに対する耐蝕性を、一層向
上させること。 【解決手段】窒化アルミニウム質焼結体は、窒化アルミ
ニウムを主成分とし、窒化アルミニウム結晶の多結晶構
造を有しており、酸化物に換算して500ppm以上の
リチウムを含有している。リチウムの含有量は、好まし
くは10000ppm以下である。この焼結体は、半導
体製造装置用の耐蝕性部材やサセプターに対して特に好
適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化アルミニウム
質焼結体、耐蝕性部材、金属埋設品および半導体保持装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超LSIのメモリー容量の拡大に伴な
い、微細加工化がますます進行するに従って、ケミカル
な反応を必要とするプロセスが拡大してきている。特
に、スーパークリーン状態を必要とする半導体製造用装
置ではデポジション用ガス、エッチング用ガス、クリー
ニング用ガスとして、塩素系ガス、弗素系ガス等のハロ
ゲン系腐蝕性ガスが使用されている。
【0003】これらの腐蝕性ガスに接触させた状態で加
熱するための加熱装置として、例えば、熱CVD装置等
の半導体製造装置においては、デポジション後にClF3
NF3 、CF4 、HF、HCl 等のハロゲン系腐蝕性ガスからな
る半導体クリーニングガスを用いている。また、デポジ
ション段階においても、WF6 、SiH2Cl2 等のハロゲン系
腐蝕性ガスを成膜用ガスとして使用している。
【0004】本出願人は、特願平3−150932号明
細書 (1991年5月28日出願) 、特願平4−587
27号明細書 (1992年2月13日出願) において、
表面にフッ化アルミニウム層を有する窒化アルミニウム
焼結体が、上記のハロゲン系腐蝕性ガスのプラズマに対
して高い耐蝕性を備えていることを開示した。即ち、例
えばClF3ガスに対して1時間窒化アルミニウム焼結体を
曝露しても、その表面状態は変化が見られなかった。
【0005】また、本出願人は、窒化アルミニウム焼結
体の表面に、CVD法等の気相法によってフッ化アルミ
ニウム膜を形成することを開示した(特開平5−251
365号公報)。また、特開平7−273053号公報
においては、半導体ウエハー用静電チャックの表面の腐
食を防止するために、静電チャックの表面を、予めフッ
素で置換する表面処理を施し、静電チャックの表面にA
lF3 を生成させておくことが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、窒化アルミニ
ウム質焼結体についての上記の技術は、いずれも耐蝕性
の表面層を形成するものであり、作製プロセスが複雑で
ある。
【0007】本発明の課題は、窒化アルミニウム質焼結
体の耐蝕性、特にハロゲン系腐食性ガスのプラズマに対
する耐蝕性を、一層向上させることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化アルミニ
ウムを主成分とし、窒化アルミニウム結晶の多結晶構造
を有しており、500ppm以上のリチウムを含有して
いることを特徴とする、窒化アルミニウム質焼結体に係
るものである。
【0009】本発明者は、窒化アルミニウム焼結体中に
少量のリチウムを含有させることによって、焼結体その
ものの耐蝕性、特にハロゲン系腐食性ガスに対する耐蝕
性が著しく向上することを発見し、本発明に到達した。
【0010】本発明の窒化アルミニウム質焼結体は、ハ
ロゲン系腐食性ガスのプラズマ、特に塩素プラズマ、フ
ッ素プラズマを含むハロゲンガスプラズマに対して、高
い耐蝕性を示した。
【0011】本発明の焼結体におけるアルミニウムの含
有量は、窒化アルミニウム粒子が主相として存在し得る
だけの量である必要があり、好ましくは35重量%以上
である。
【0012】リチウムを500ppm以上、更には55
0または600ppm以上、更には1000ppm以上
添加したときに、耐蝕性の向上が特に顕著であった。ま
た、リチウムの添加量の上限は特にないが、機械的強度
の観点からは10000ppm以下とすることが好まし
い。また、熱膨張係数をできるだけ小さく抑制するとい
う観点からは、更に6000ppm以下であることが好
ましい。
【0013】窒化アルミニウム結晶の多結晶構造中に
は、窒化アルミニウム結晶以外に、微量の他の結晶相、
例えば酸化リチウム相を含んでいてよい。
【0014】また、後述する実施例では、リチウムの添
加量が少量の場合は、X線回折法では、窒化アルミニウ
ム相以外の相は確認できなかった。一方、リチウム添加
量が多量の場合は、X線回折法では、リチウムアルミネ
ートや酸化リチウムのピークが見られた。これらのこと
から、本発明の焼結体中では、リチウムは少なくともそ
の一部が窒化アルミニウム格子中に固溶している可能性
があり、また、X線回折法で窒化アルミニウム単相と確
認される場合であっても、リチウムアルミネートや酸化
リチウムなどの、X線回折法では確認までは至らない程
度の微結晶として析出している可能性がある。
【0015】また、リチウムを除く金属不純物量は60
0ppm以下であることが好ましく、200ppm以下
であることが最も好ましい。これによって、半導体用途
等の高度に不純物を嫌う用途に適した高耐蝕性の焼結体
を提供できる。
【0016】窒化アルミニウム質焼結体の相対密度は、
95%以上であることが好ましい。
【0017】窒化アルミニウムの原料は、直接窒化法ま
たは還元窒化法によって得られた粉末であることが好ま
しい。リチウムは、窒化アルミニウムの原料粉末に対し
て、硝酸リチウム、炭酸リチウム、フッ化リチウム、窒
化リチウムなど、種々の形態で添加できる。リチウム化
合物は、粉末の状態で添加できる。また、硝酸塩、アル
コキシドなどは、これらの化合物が可溶である適当な溶
剤に溶解させて溶液を得て、溶液を添加することもでき
る。
【0018】焼結体の成形は、乾式プレス、ドクターブ
レード法、押し出し、鋳込み等公知の方法を適用でき
る。
【0019】本発明の焼結体は、ホットプレス焼成によ
ることが好ましく、被焼成体を50kgf/cm2以上
の圧力下でホットプレス焼結させることが好ましい。
【0020】特に、後述するように、基体と表面層とを
備えている金属埋設品を製造する際には、基体の被焼成
体を成形し、その内部に抵抗発熱体等の金属部材を埋設
し、基体の被焼成体の表面の少なくとも一部に、表面層
の被焼成体を形成して被焼成体の一体物を作成し、この
一体物を50kgf/cm2以上の圧力下でホットプレ
ス焼結させることが好ましい。また、外殻層と内包層と
を備えている金属埋設品を製造する際には、内包層の被
焼成体を成形し、その内部に抵抗発熱体等の金属部材を
埋設し、内包層の被焼成体の周りに外殻層の被焼成体を
形成して被焼成体の一体物を作成し、この一体物を50
kgf/cm2以上の圧力下でホットプレス焼結させる
ことが好ましい。
【0021】半導体製造用途において、本発明の焼結体
を、窒化アルミニウム焼結体と一体化した場合には、こ
の窒化アルミニウム焼結体中の金属不純物量は、1000p
pm以下であることが好ましい。
【0022】以下、実際に窒化アルミニウム質焼結体を
製造し、その特性を評価した。
【0023】表1−表5に示す各焼結体を製造した。具
体的には、窒化アルミニウムの原料粉末(還元窒化粉又
は直接窒化粉)とリチウム化合物をそれぞれ所定量秤量
した。ただし、実験番号1−4ではリチウム化合物を添
加せず、番号5−20、33−44では硝酸リチウムを
使用し、番号21−32、45−56では炭酸リチウム
を使用した。次いで、イソプロピルアルコールを溶媒と
して、ポットミル混合し、乾燥し、各表に示す組成の混
合粉を得た。このとき、硝酸リチウムはイソプロピルア
ルコールに溶解し、液体となり、この液体がAlN粉末
と混合される。炭酸リチウムは、粉体のままでAlN粉
末と混合される。
【0024】この混合粉を200kgf/cm2の圧力
で一軸成形することにより、直径φ100mmの円盤状
成形体を作製した。この成形体を黒鉛モールドに収納
し、ホットプレス焼成を行った。最高温度は1700−
2000℃とし、最高温度での保持時間はいずれも4時
間とした。
【0025】得られた焼結体について、以下の評価を行
った。 (高温での体積抵抗率) 真空中において、JIS2141 に
基づいた絶縁物の体積抵抗率測定法による。 (リチウムの含有量) 湿式化学分析による。 (熱伝導率) レーザーフラッシュ法による。 (曲げ強度) JIS R 1601に基づいた室温4点曲げ強度
試験法による。 (嵩密度) 純水を媒体としたアルキメデス法による。 (CTE ) 窒素中、室温から800 ℃までの平均熱膨張係
数、5 ℃/minで昇温した。 (エッチングレート) 各焼結体を、735℃に保持し
たチャンバ内に設置し、Cl2ガスを300sccm、
N2ガスを100sccmで流して、チャンバー内圧力
を0.1Torrに保持した後、800Wの電力を投入
して、ICP方式の高周波プラズマを発生させ、2時間
暴露させた後の重量変化から求めた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】比較例1−4では、添加助剤なしか、炭素
やイットリアを添加しているが、エッチングレートは相
対的に高い。実施例5−20では、硝酸イットリウムと
還元窒化粉を使用し、焼成温度とリチウム添加量を変更
しているが、本発明の焼結体はエッチングレートが著し
く小さい。なお、リチウムの含有量が増加するのに従っ
て、熱膨張係数が上昇し、熱伝導率が低下する傾向が見
られた。番号21−32では、炭酸リチウムと還元窒化
粉を使用し、焼成温度とリチウム含有量とを変更してい
るが、前記と同様の結果を得た。番号33−44では、
硝酸リチウムと直接窒化粉を使用し、番号45−56で
は炭酸リチウムと直接窒化粉とを使用したが、前記と同
様の結果を得た。
【0032】本発明の焼結体は、その高い耐蝕性から、
各種の耐蝕性部材、特にハロゲン系腐食性ガスに対する
耐蝕性を必要とする耐蝕性部材に適しており、特に半導
体製造装置用のサセプター等の耐蝕性部材に適してい
る。また、この耐蝕性部材中に金属部材を埋設してなる
金属埋設品に対して好適である。耐蝕性部材としては、
例えば半導体製造装置中に設置されるサセプター、リン
グ、ドーム等に好適である。サセプター中には、抵抗発
熱体、静電チャック電極、高周波発生用電極等を埋設で
きる。
【0033】例えば図1(a)に示すように、本発明の
耐蝕性部材1Aの全体が、本発明の焼結体からなってい
る。2は、主としてハロゲン系腐食性ガスに対してさら
される耐蝕面である。
【0034】また、例えば図1(b)に示すように、耐
蝕性部材1Bが、基体3と、基体3の表面の少なくとも
一部を覆う表面層4とを備えている。この場合には、特
に耐蝕性を重視する場合には、表面層4が、本発明の焼
結体からなる。基体3は、好ましくはセラミックスから
なり、特に好ましくは、金属不純物量が1000ppm
以下の窒化アルミニウムからなる。
【0035】また、耐蝕性部材の全周ないし全表面にわ
たって、高い耐蝕性が要求される場合には、図1(c)
に示す耐蝕性部材1Cのように、内包層5の全表面が外
殻層6によって被覆されており、外殻層6が本発明の焼
結体からなる。
【0036】以下、特に金属埋設品に対して本発明を適
用した実施形態について更に述べる。
【0037】得耐蝕性部材中に埋設される金属部材、特
に導電性機能部品は、印刷によって形成された導電性膜
であってもよいが、面状の金属バルク材であることが特
に好ましい。ここで、「面状の金属バルク材」とは、金
属線や金属板を、一体の二次元的に延びるバルク体とし
て形成したものを言う。
【0038】金属部材は、高融点金属で形成することが
好ましく、こうした高融点金属としては、タンタル,タ
ングステン,モリブデン,白金,レニウム、ハフニウム
及びこれらの合金を例示できる。被処理物としては、半
導体ウエハーの他、アルミニウムウエハー等を例示でき
る。
【0039】本発明の金属埋設品は、耐蝕性部材と、こ
の中に埋設された金属部材からなる。一実施形態におい
ては、耐蝕性部材の全体が、本発明の焼結体からなる。
図2はこの実施形態に係るサセプターを概略的に示す断
面図であり、図3は抵抗発熱体の埋設パターンを示す模
式図である。
【0040】金属埋設品10Aの耐蝕性部材17A中に
は、コイル状の抵抗発熱体7および電極9が埋設されて
いる。抵抗発熱体7は背面8側に埋設されており、電極
9は加熱面2側に埋設されている。抵抗発熱体7の平面
的な埋設形状は、図3に模式的に示すようにした(図3
では巻回体のパターンのみを示している)。即ち、モリ
ブデン線を巻回して巻回体を得、巻回体の両端に端子1
8A、18Bを接合した(図2では端子を図示しな
い)。
【0041】抵抗発熱体7の全体は、図3において紙面
に垂直な線に対して、ほぼ線対称に配置されている。互
いに直径の異なる複数の同心円状部分7aが、線対称を
なすように配置されており、同心円の直径方向に隣り合
う各同心円状部分7aが、それぞれ連結部分7dによっ
て連絡している。最外周の同心円状部分7aが、連結部
分7bを介して、ほぼ一周する円形部分7cに連結され
ている。
【0042】電力供給用の高周波電源11を、電線1
2、14を介して抵抗発熱体7に接続し、かつアース1
5に接続する。電極9も電線13を介してアース15に
接続する。
【0043】(サセプターの実施例A)図2、3に示す
形態を有するサセプターを製造した。具体的には、イソ
プロピルアルコール中に、還元窒化法により得られた所
定量の窒化アルミニウム粉末と、炭酸リチウム粉末(酸
化物換算で0.3重量%)と、適量のアクリル系樹脂バ
インダーとを、ポットミルで混合し、噴霧造粒装置によ
って乾燥造粒し、造粒顆粒を得た。この造粒顆粒中に、
モリブデン製のコイル状の抵抗発熱体7および電極9を
埋設した。電極9としては、直径φ0.4mmのモリブ
デン線を、1インチ当たり24本の密度で編んだ金網を
使用した。また、抵抗発熱体7の平面的な埋設形状は、
図3に示すようにした。造粒顆粒を一軸加圧成形し、円
盤状の成形体を得た。
【0044】この成形体をホットプレス型中に収容し、
密封した。昇温速度300℃/時間で温度を上昇させ、
この際、室温〜1000℃の温度範囲で減圧を行った。
この温度の上昇と同時に、圧力を上昇させた。最高温度
を1800℃とし、最高温度で4時間保持し、ホットプ
レス圧力を200kgf/cm2とし、窒素雰囲気下で
焼成し、焼結体を得た。この焼結体を機械加工し、さら
に仕上加工してサセプターを得た。サセプターの直径φ
を240mmとし、厚さを18mmとし、抵抗発熱体と
加熱面との間隔を6mmとした。図2に概略的に示した
回路を接続した。
【0045】このサセプターを、ハロゲンガス雰囲気下
(Cl2ガス300sccm、N2ガス100scc
m、チャンバー内圧力0.1Torr)のチャンバー内
におき、抵抗発熱体に電力を投入し、加熱面2の温度を
735℃に保持し、ICP方式の高周波プラズマを加熱
面2上に発生させ、24時間暴露させた後の重量変化か
ら、エッチングレートを求めた。この結果、エッチング
レートは、1.8μm/時間であった。また、サセプタ
ーの基材中のリチウム含有量を湿式分析したところ、9
80ppmであった。リチウム以外の金属不純物量は9
0ppmであった。
【0046】(サセプターの比較例B)実施例Aと同様
にしてサセプターを作製し、上記と同様の実験を行っ
た。ただし、原料は、窒化アルミニウム粉末のみであ
り、炭酸リチウム粉末は加えなかった。この結果、エッ
チングレートは、4.8μm/時間であった。また、サ
セプターの基材中のリチウムの含有量を湿式分析した
が、検出限界以下であった。リチウム以外の金属不純物
量は100ppmであった。
【0047】本発明の他の実施形態に係る金属埋設品で
は、耐蝕性部材が、基体と、基体の表面の少なくとも一
部を覆う表面層とを備えている。この場合、表面層を、
本発明の焼結体によって形成でき、これによって最も高
い耐蝕性が得られる。この場合には、好ましくは、基体
が窒化アルミニウムからなり、更には窒化アルミニウム
中に含有されているアルミニウム以外の金属の含有量が
1000ppm以下である。
【0048】この場合、基体と表面層とが一体焼結され
ていることが好ましい。この場合には、基体と表面層と
の熱膨張係数差による応力を緩和するためには、本発明
の焼結体中におけるリチウムの含有量を、6000pp
m以下とすることが好ましい。
【0049】図4、図5は、それぞれ、本実施形態に係
る各金属埋設品10B、10Cを模式的に示す断面図で
ある。図4においては、耐蝕性部材17Bの基体21中
に抵抗発熱体7および電極9が埋設されており、電極9
と加熱面2との間に表面層22が形成されている。図5
においては、耐蝕性部材17Cの基体23中に抵抗発熱
体7が埋設されており、表面層24中に電極9が埋設さ
れている。
【0050】(実施例C、D)図4に示したサセプター
(実施例C)と、図5に示したサセプター(実施例D)
とを作製した。
【0051】具体的には、イソプロピルアルコール中
に、還元窒化法により得られた所定量の窒化アルミニウ
ム粉末と、炭素換算で0.05重量%のフェノール樹脂
と、適量のアクリル系樹脂バインダーとを、ポットミル
で混合し、噴霧造粒装置によって乾燥造粒し、造粒顆粒
を得た。図4、5に示すように、造粒顆粒を一軸加圧成
形し、基体21、23の各成形体を得た。基体21にお
いては、実施例Aで用いた抵抗発熱体7および電極9を
埋設し、基体23においては、実施例Aで用いた抵抗発
熱体7のみを埋設した。
【0052】更に、イソプロピルアルコール中で、還元
窒化法により得られた所定量の窒化アルミニウム粉末
と、炭酸リチウム粉末(0.3重量%)と、適量のアク
リル系樹脂バインダーとを、ポットミルで混合し、噴霧
造粒装置によって乾燥造粒し、造粒顆粒を得た。次い
で、図4、5に示すように、この造粒顆粒を、各基体2
1、23用の各成形体に積層するように一軸加圧成形
し、各表面層22、24を成形し、各積層成形体を得
た。図5においては、表面層24内に電極9を埋設し
た。
【0053】この後は、実施例Aと同様にして積層成形
体を焼結し、配線し、耐蝕性を試験した。この結果、エ
ッチングレートは、1.6μm/時間(図4、実施例
C)、1.7μm/時間(図5、実施例D)であった。
各表面層22、24から、それぞれ試料を切り出し、リ
チウムの含有量を湿式分析したところ、図4の表面層2
2では1000ppm、図5の表面層24では990p
pmであった。図4の表面層22のリチウム以外の金属
不純物量は110ppmであり、図5の表面層24のリ
チウム以外の金属不純物量は90ppmであった。
【0054】また、本発明に係る半導体保持装置は、ハ
ロゲンガスプラズマに曝される耐食面と背面とを備える
サセプターを備えており、サセプターの少なくとも一部
が、本発明の焼結体からなる。この好適な態様において
は、熱遮蔽部をサセプターの背面に設け、サセプターか
らの熱流を制限することができる。
【0055】最近、半導体素子を得るためのウエハーの
口径を大きくし、あるいは液晶パネルを大型化しようと
いう要望が高まっており、このためにサセプターの大型
化が求められている。このため、サセプターの直径は、
例えば直径φ300mm以上とすることが求められてき
ている。しかし、サセプターの直径が大きくなると、加
熱面の温度の均一性を保持することが非常に困難になっ
てきている。なぜなら、加熱面の温度分布にむらが生ず
ると、不良品が発生するからである。熱遮蔽部を設ける
ことによって、サセプターを大型化した場合に、加熱面
の温度の均一性を図れる。
【0056】図6は、この実施形態に係るサセプターを
概略的に示す断面図である。金属埋設品であるサセプタ
ー10Aの構成は、前述したものと同じである。サセプ
ター10Aの背面8側に、熱遮蔽部28が設けられてい
る。熱遮蔽部28は、チャンバーの外壁30に対してO
リング29を介して取り付けられている。熱遮蔽部28
の中央には中空部28aが設けられており、外壁30に
も貫通孔30aが設けられており、中空部28aと貫通
孔30aとが連通しており、これらの中に電線が収容さ
れている。サセプターの耐食面2側の空間32にはハロ
ゲン系腐食性ガスが流され、チャンバー外壁30の外側
空間31は通常は大気にさらされている。
【0057】図7は、本発明の他の実施形態に係る半導
体保持装置を概略的に示す断面図である。ただし、図6
に示したものと同じ部分には同じ符号を付け、その説明
は省略する。本例では、熱遮蔽部28Aとサセプター1
0Aの背面8との間には、例えばモリブデン製のリング
状のスペーサー34が介在している。スペーサー34と
背面8、およびスペーサー34と熱遮蔽部28Aとの間
は、それぞれ接着層35によって接着されている。
【0058】また、本発明の好適例の半導体保持装置
は、サセプターの背面に設けられており、サセプターを
その背面側から支持する支持部材を備えている。図8
は、この実施形態に係る装置を概略的に示す断面図であ
る。
【0059】サセプター10Aの背面8に、支持管44
が設けられている。支持管44は、本体44cと、本体
44cの一方の端部に設けられているフランジ部44a
と、本体の反対側の端部に設けられているフランジ部4
4dとを備えている。本体44cからフランジ部44a
へと向かって、徐々に直径が大きくなるように拡径部4
4bが設けられている。支持管44のフランジ部44a
が、サセプターの背面に対して接合されている。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、窒
化アルミニウム質焼結体の耐蝕性、特にハロゲン系腐食
性ガスのプラズマに対する耐蝕性を、一層向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)、(c)は、それぞれ、本発明
の耐蝕性部材を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る金属埋設品10Aを
概略的に示す断面図である。
【図3】図2の金属埋設品10Aにおける抵抗発熱体7
の埋設パターンを示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る金属埋設品10B
を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態に係る金属埋設品1
0Cを概略的に示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る半導体保持装置を概
略的に示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る半導体保持装置を
概略的に示す断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態に係る半導体保持装
置を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C 耐蝕性部材 2 加熱面(耐食
面) 3、21、23 基体 4、22、24 表面層
5 内包層 6 外殻層 7 抵抗発熱体 8 背面
9 電極 10A、10B、10C 金属埋設品
11 高周波電源 17A、17B、17C
金属埋設品を構成する耐蝕性部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志村 禎徳 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 大橋 玄章 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4G001 BA36 BA67 BA71 BA81 BB01 BB31 BB36 BB67 BB71 BC42 BD02 BD14 BD23 BD37 BD38 BE11 4G051 BF01 BF03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウムを主成分とし、窒化アル
    ミニウム結晶の多結晶構造を有しており、500ppm
    以上のリチウムを含有していることを特徴とする、窒化
    アルミニウム質焼結体。
  2. 【請求項2】リチウムの少なくとも一部が、前記窒化ア
    ルミニウム結晶中に固溶していることを特徴とする、請
    求項1記載の窒化アルミニウム質焼結体。
  3. 【請求項3】X線回折法で測定したときに、窒化アルミ
    ニウム単相であることを特徴とする、請求項1または2
    記載の窒化アルミニウム焼結体。
  4. 【請求項4】リチウムを除く金属不純物量が600pp
    m以下であることを特徴とする、請求項1−3のいずれ
    か一つの請求項に記載の窒化アルミニウム質焼結体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記
    載の窒化アルミニウム質焼結体によって少なくとも一部
    が構成されていることを特徴とする、耐蝕性部材。
  6. 【請求項6】前記耐蝕性部材が前記窒化アルミニウム質
    焼結体からなることを特徴とする、請求項5記載の耐蝕
    性部材。
  7. 【請求項7】前記耐蝕性部材が、基体と、この基体の表
    面の少なくとも一部を覆う表面層とを備えており、前記
    表面層が、前記窒化アルミニウム質焼結体からなること
    を特徴とする、請求項5記載の耐蝕性部材。
  8. 【請求項8】前記耐蝕性部材が、外殻層と、この外殻層
    の中に包含されている内包層とを備えており、前記外殻
    層が前記窒化アルミニウム質焼結体からなることを特徴
    とする、請求項5記載の耐蝕性部材。
  9. 【請求項9】耐蝕性部材と、この耐蝕性部材中に埋設さ
    れている金属部材とを備えている金属埋設品であって、
    前記耐蝕性部材の少なくとも一部が、請求項1〜4のい
    ずれか一つの請求項に記載の窒化アルミニウム質焼結体
    によって構成されていることを特徴とする、金属埋設
    品。
  10. 【請求項10】前記耐蝕性部材中に、前記金属部材とし
    て抵抗発熱体が埋設されており、前記耐蝕性部材に加熱
    面が設けられていることを特徴とする、請求項9記載の
    金属埋設品。
  11. 【請求項11】前記金属部材として前記抵抗発熱体に加
    えて電極が埋設されており、前記抵抗発熱体と前記加熱
    面との間に前記電極が設けられていることを特徴とす
    る、請求項10記載の金属埋設品。
  12. 【請求項12】前記耐蝕性部材が前記窒化アルミニウム
    質焼結体からなることを特徴とする、請求項9−11の
    いずれか一つの請求項に記載の記載の金属埋設品。
  13. 【請求項13】前記耐蝕性部材が、基体と、この基体の
    表面の少なくとも一部を覆う表面層とを備えており、前
    記表面層が前記窒化アルミニウム質焼結体からなること
    を特徴とする、請求項9−11のいずれか一つの請求項
    に記載の金属埋設品。
  14. 【請求項14】前記基体が窒化アルミニウムからなるこ
    とを特徴とする、請求項13記載の金属埋設品。
  15. 【請求項15】前記耐蝕性部材が、外殻層と、この外殻
    層の中に埋設されている内包層とを備えており、前記外
    殻層が前記窒化アルミニウム質焼結体からなることを特
    徴とする、請求項9−11のいずれか一つの請求項に記
    載の金属埋設品。
  16. 【請求項16】半導体を保持する保持装置であって、ハ
    ロゲンガスプラズマに曝される耐食面と背面とを備える
    サセプターを備えており、前記サセプターが、請求項5
    −8のいずれか一つの請求項に記載の耐蝕性部材からな
    ることを特徴とする、半導体保持装置。
  17. 【請求項17】半導体を保持する保持装置であって、ハ
    ロゲンガスプラズマに曝される耐食面と背面とを備える
    サセプターを備えており、前記サセプターが、請求項9
    −15のいずれか一つの請求項に記載の金属埋設品から
    なることを特徴とする、半導体保持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005003414A1 (ja) * 2003-06-30 2005-01-13 Kenichiro Miyahara 薄膜形成用基板、薄膜基板、及び発光素子
JP2016155727A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 丸祥電器株式会社 多面体形状窒化アルミニウム粉末およびその製造方法

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JPWO2005003414A1 (ja) * 2003-06-30 2006-08-17 宮原 健一郎 薄膜形成用基板、薄膜基板、及び発光素子
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