JP2000061988A - ル―フレ―ル、その製造方法および金型 - Google Patents

ル―フレ―ル、その製造方法および金型

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JP2000061988A
JP2000061988A JP16465799A JP16465799A JP2000061988A JP 2000061988 A JP2000061988 A JP 2000061988A JP 16465799 A JP16465799 A JP 16465799A JP 16465799 A JP16465799 A JP 16465799A JP 2000061988 A JP2000061988 A JP 2000061988A
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resin composition
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mold cavity
rail
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Shigeo Shingu
茂生 新宮
Kiminori Yogo
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外面状態を向上させることで、外観性に優
れ、全体として高品位であり、無塗装製品化が可能なル
ーフレールを提供する。 【解決手段】 結晶化温度が210℃以下、ガラス転移
温度が70℃以下のポリアミドとガラス繊維を含有する
ポリアミド樹脂組成物の一体成形品で、表面における6
0度表面グロスの最大値と最小値の差が5%以下で、か
つ表面粗さの最大値と最小値の差が0.5μm以下のル
ーフレールとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷載するために車
両のルーフ上に取り付けられるルーフレ―ル、その製造
方法および製造用の金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のルーフレールは、レール部と、車
両のルーフ上に取り付けるための脚部とが各々別部品と
なっており、両者は別々に製造された後に組み立てら
れ、この組み立てられたルーフレールを車両のルーフ上
に取り付けるのが一般的である。また、従来のルーフレ
ールは、レール部が金属製の異形管状体で構成され、こ
のレール部に取り付けられる脚部は金属ダイキャストや
特開平8−2336号公報で開示されているような合成
樹脂で構成されていた。
【0003】しかしながら、このような従来のルーフレ
ールでは、レール部と脚部の結合部が継ぎ目となり、そ
の継ぎ目が美観上の難点であった。また、金属製である
ことから重く、省エネルギー、燃費改善等の観点からも
難点があった。さらに、レール部と脚部を別々に製造
し、その後で組み立てるため、レール部と脚部の連結部
の強度を維持するために特別の注意を必要とすると共
に、製造工程が複雑化しやく、レール部と脚部を連結す
るための連結用部品も必要となることから、製造工程上
および製造資材上の負担が大きかった。
【0004】このような二部品型のルーフレールが抱え
る上記問題を改善するために、レ―ル部と脚部を一体化
した熱可塑性樹脂の車両用ルーフレールも既に提案され
ている。具体的には、例えば特開平9−109783号
公報、特開平9−183166号公報、特開平9−14
2226号公報、特開平9−175280号公報、特開
平10−35366号公報、特開平9−30334号公
報、特開平10−15981号公報、特開平10−19
3378号公報、特開平10−151993号公報など
を挙げることができる。
【0005】しかしながら、これらの提案においては、
高濃度のガラス繊維などで強化された熱可塑性樹脂によ
る一体成形車両用ルーフレールを提案しているにもかか
わらず、ガラス繊維などが浮き出すことにより、得られ
るルーフレールの外面状態が著しく損なわれるという問
題については全く記載されておらず、それ故にその改善
に係わる記載および開示を見出すことはできない。
【0006】具体的に説明すると、上記前記特開平9−
109783号公報は、ガラス繊維を混入した合成樹脂
により脚部とレール部を一体に成形すること、中空射出
成形によりレール部の全部または一部に中空部を形成す
ることを開示すると共に、脚部とレール部間の継ぎ目を
なくすことを提案しているものの、得られるルーフレー
ルの外面状態に関しての記載は見られない。
【0007】上記特開平9−183166号公報は、中
空射出成形により中空部が形成された合成樹脂製ルーフ
レールについての中空構造とこの中空を形成する方法に
ついて提案しており、また上記特開平9−142226
号公報および特開平9−175280号公報は、芯材を
埋設したルーフレールとその成形方法およびメンバーを
埋設したルーフレールに係わる提案をしているが、これ
らのいずれにおいても得られるルーフレールの外面状態
に関しての記載はない。
【0008】上記特開平10−35366号公報および
特開平9−30334号公報は、ルーフレールの構造お
よびその製法など開示しているが、ルーフレールの外面
状態および外面状態の良好なルーフレールを成形する方
法についての記載は見られない。
【0009】上記特開平10−15981号公報は、中
空射出成形による中空の形成により、成形時の収縮挙動
によるヒケや盛り上がりなどの改善について提案してお
り、さらに上記特開平10−193378号公報は、中
空射出成形による偏肉部の抑制に特定のポリアミド系樹
脂を用いることを提案しているが、いずれの提案におい
ても、ガラス繊維などの浮き出しによる表面状態の低下
およびその対策に係わる記載はない。
【0010】上記特開平10−151993号公報は、
中空射出成形方法における金型配置やその構造を提案し
ているが、ガラス繊維などの浮き出しによる表面状態の
低下およびその対策に係わる記載は見られない。
【0011】一方、上述した提案中でも利用している中
空射出成形は、例えば本願出願人による特開昭57−1
4968号公報で開示されていると共に、既に実用化さ
れており、この中空射出成形で用いられる装置や加圧ガ
スの注入ノズルも、本願出願人による特開平5−177
668号公報などで既に開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】例えば上記特開平9−
109783号公報の実施例1に、53重量%のガラス
繊維を混入した66ナイロン樹脂製のルーフレールが開
示されていることからも理解されるように、従来の合成
樹脂製のルーフレールには、高充填量のガラス繊維など
で強化された熱可塑性樹脂が用いられている。
【0013】しかしながら、このようなガラス繊維など
を高濃度に充填して補強した熱可塑性樹脂を用いた場合
には、得られるルーフレールの表面、中でも外表面にお
いてガラス繊維などが浮き出し、外面状態が損なわれや
すい。成形後の外面状態が悪く、外観が損なわれたルー
フレールは、ルーフレール全体として品位に欠け、塗装
前、あるいは塗装後においても車両の外装部材に要求さ
れる高度な外観性能を満たすことが困難である。特に、
ルーフレールを中空射出成形方法で成形する場合に外面
状態が顕著に低下する恐れがあった。
【0014】本発明は、上記従来の問題が解消されたル
ーフレールと、その簡便な製造方法および金型とを提供
するものである。すなわち、本発明の課題は、外面状態
を向上させることで、外観性に優れ、全体として高品位
であり、無塗装製品化が可能なルーフレールを提供する
と共に、その簡便な製造方法と、この製造方法に用いる
金型とを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために、ガラス繊維や無機充填材の成形体表
面への浮き出しなど、成形中に生ずる現象を詳細に観察
した。その結果、成形体の樹脂ゲートに近い部分と遠い
部分とにおいて観察される溶融樹脂の挙動が微妙に異な
っていることを見いだした。
【0016】すなわち、樹脂ゲートに近い部分では、先
に射出された溶融樹脂が、樹脂ゲートから金型のキャビ
ティ内に紐状に突出して流動し、これらの先に射出され
た溶融樹脂は、幾分冷却された段階で、後から射出され
る溶融樹脂により金型のキャビティ壁面に押し付けられ
る。このような現象は一般に、ジェッティングと云われ
ている。
【0017】本発明者らは、先に射出され、幾分冷却さ
れてからキャビティ壁面に押し付けられた樹脂が成形体
表面に痕跡として残り、得られる成形体の外面状態を損
なっていることを見出した。
【0018】本発明者らは、このジェッティング現象を
抑制することによって成形体の外面状態を大幅に改善で
きるはずであると考えて、ジェッティング防止策として
従来知られている種々の対策、例えば射出速度などの射
出条件を調整すること、あるいは樹脂ゲートの位置や樹
脂ゲートの形状、樹脂ゲートの大きさなどを調整するこ
となどについて種々検討を重ねた。
【0019】しかしながら、本発明の対象であるルーフ
レールのような長尺で特殊な形態の成形体では、樹脂ゲ
ートを設定できる位置が著しく制限されることもあっ
て、得られる成形体の外面状態を十分に改善することが
できなかった。
【0020】本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、
射出の際の溶融樹脂の流動状態を制御できる金型構造が
存在するすることを見いだすに至った。また、前記ジェ
ッティング現象とは異なる現象であるが、ルーフレール
のような長尺な成形体では、樹脂ゲートから遠く離れて
位置する成形体の末端部分には、冷却の進行した溶融樹
脂が充填され、十分な充填圧力が伝わらないため、溶融
樹脂のキャビティ面への押し付けが不十分となる現象が
観察される。この現象は、特に中空射出成形で成形する
成形体に顕著に観察されるが、本発明者等は種々検討を
重ねた結果、樹脂ゲートから遠い成形体の部分に十分な
圧力を伝え得る金型構造の存在を見出した。
【0021】さらに本発明者らは、成形に際しての前記
溶融樹脂の挙動が用いる樹脂によって異なること、また
得られる成形体の外面状態をより一層改善し得るポリア
ミドが存在することを見出した。
【0022】本発明者等は、以上の知見に基づき、さら
に検討を進め、成形後のルーフレール全体の品質が著し
く高められて無塗装製品化が可能となる表面形態が存在
することを見出して本発明を完成させるに至った。
【0023】すなわち、本発明の第1は、結晶化温度が
210℃以下、ガラス転移温度が70℃以下のポリアミ
ドおよびガラス繊維を含有するポリアミド樹脂組成物か
らなり、車両のルーフへの取付用の脚部とレール部とが
一体に形成されたルーフレールであって、該ルーフレー
ルの表面における60度表面グロスの最大値と最小値の
差が5%以下で、かつ該ルーフレールの表面における表
面粗さの最大値と最小値の差が0.5μm以下であるこ
とを特徴とするルーフレールを提供するものである。
【0024】本発明の第2は、樹脂ゲート近傍の金型キ
ャビティ内に設けられた固定性の堰を有する金型を用
い、結晶化温度が210℃以下、ガラス転移温度が70
℃以下のポリアミドとガラス繊維を含有する溶融ポリア
ミド樹脂組成物を金型キャビティ内に充填して、車両の
ルーフへの取付用の脚部とレール部とを一体に成形する
ことを特徴とする車両用ルーフレールの製造方法を提供
するものである。
【0025】本発明の第3は、樹脂ゲート近傍の金型キ
ャビティ内に設けられた可動性の堰を有する金型を用
い、堰が金型キャビティ内に突き出した状態で、結晶化
温度が210℃以下、ガラス転移温度が70℃以下のポ
リアミドとガラス繊維を含有する溶融ポリアミド樹脂組
成物を、樹脂ゲートから堰までの金型キャビティ内空間
に充填し、その後堰を後退させ、さらに溶融ポリアミド
樹脂組成物を金型キャビティ内に充填して、車両のルー
フへの取付用の脚部とレール部とを一体に成形すること
を特徴とするルーフレールの製造方法を提供するもので
ある。
【0026】本発明の第4は、樹脂ゲート近傍の金型キ
ャビティ内に設けられた固定性の堰と、排出ゲートを介
して金型キャビティに連結された排出キャビティと、金
型キャビティ中の溶融ポリアミド樹脂組成物中に加圧ガ
スを注入する加圧ガス注入ノズルとを有する金型を用
い、結晶化温度が210℃以下、ガラス転移温度が70
℃以下のポリアミドとガラス繊維を含有する溶融ポリア
ミド樹脂組成物を金型キャビティ内に充填し、金型キャ
ビティ内への溶融ポリアミド樹脂組成物の充填完了と同
時または充填後に、加圧ガス注入ノズルから加圧ガスを
金型キャビティ内の溶融ポリアミド樹脂組成物中に注入
し、排出ゲートから余剰の溶融ポリアミド樹脂組成物を
排出キャビティに排出することで中空部を形成すると共
に、車両のルーフへの取付用の脚部とレール部とを一体
に成形することを特徴とするルーフレールの製造方法を
提供するものである。
【0027】本発明の第5は、車両のルーフへの取付用
の脚部とレール部とが一体となったルーフレールを成形
するための金型において、樹脂ゲート近傍の金型キャビ
ティ内に固定性または可動性の堰を設けたことを特徴と
する金型を提供するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。
【0029】本発明に係るルーフレールの一例を図1に
示す。この図1において、1はルーフレール全体を示
し、2は車両のルーフへの取付用の脚部、3は載荷用の
レール部を示す。ルーフレール1は、一般的には車両の
ルーフに相当する長さを有し、その全長は通常少なくと
も100cm以上で、射出成形で脚部2とレール部3と
が一体に成形されている。
【0030】図1に例示するルーフレール1において
は、1本のレール部3に対して両端および中央部の3カ
所に脚部2が設けられている。しかしながら、本発明に
おける脚部2の数は、要求される荷載重量や想定される
動的負荷の許容限界に基づく安全率から決定してよく、
その数は特に制限されない。また、脚部2およびレール
部3の形状も、必要な強度や意匠上の観点などに基づい
て種々選択することができる。
【0031】本発明において、ルーフレール1は、結晶
化温度が210℃以下、ガラス転移温度が70℃以下の
ポリアミドおよびガラス繊維を含有するポリアミド樹脂
組成物(以下「樹脂組成物」と略称する)で構成されて
いる。また、本発明においては、JIS・K−7105
に準拠して測定したルーフレール1表面における60度
表面グロスの最大値と最小値の差(以下「表面グロス
差」という)が5%以下で、かつJIS・B−0601
に準拠して求めたルーフレール1表面における表面粗さ
Raの最大値と最小値の差(以下「表面粗さ差」とい
う)が0.5μm以下となっているものである。
【0032】本発明におけるポリアミドの前記結晶化温
度とは、示差走査熱量計(ディファレンシャル・スキャ
ニング・カロリーメーター:DSC)を用い、融点プラ
ス20℃の温度で5分間保持した後、20℃/minの
降温速度で測定した結晶化ピークのピークトップ温度で
ある。また、ガラス転移温度とは、ドライアイス/メタ
ノール混合液中で急冷した試料を、DSCを用い、昇温
速度20℃/minで−20℃から150℃まで加熱し
て得られるDSCチャート上のラインの変曲点として得
られる温度である。
【0033】本発明において、ルーフレール1の表面
は、平滑な表面であってもよいし、あるいは一般にシボ
と称されるエンボス加工した凹凸のある表面であっても
よい。また、成形後塗装してもよいし、あるいは塗装せ
ずにそのままの状態でもよい。但し、本発明において
は、表面グロス差と表面粗さ差とを前記のようにする必
要がある。このように構成することで、表面にむらがな
く、均一な表面状態のルーフレール1とすることがで
き、全体としての総合的な品位が著しく高められ、ルー
フレール1の無塗装製品化が可能となる。ルーフレール
1の表面グロス差が5%を超え、かつ表面粗さ差が0.
5μmを超えると、自動車の外装部品として、他の外装
部品に比べて品位の点で劣るようになり、自動車全体と
しての見栄えを低下させ、使用に耐え得なくなる恐れが
ある。
【0034】一方、ルーフレール1を構成するポリアミ
ドの結晶化温度が210℃を超えると、金型のキャビテ
ィ内に射出充填された溶融樹脂組成物が急速に冷却さ
れ、樹脂ゲートに近い場所では射出充填された溶融樹脂
組成物のジェッティング痕跡が微妙に残るようになり、
さらに樹脂ゲートから遠い場所では転写性が悪くなり、
得られるルーフレール1の表面における表面グロス差や
表面粗さ差が大きくなる。ガラス転移温度が70℃を超
えると、金型キャビティ内に射出充填された樹脂組成物
を射出充填圧力によって金型内面に押し付ける際の抵抗
力が増し、転写性が悪くなり、表面グロス差や表面粗さ
差が大きくなる。
【0035】本発明において、脚部2およびレール部3
は中実であっても、中空部を有していてもよいが、軽量
化により、取り付けた車両の省エネルギー、燃費改善を
図ること、中空射出成形による転写性の向上を図りやす
いことから、少なくともレール部3は中空部を有するこ
とが好ましい。
【0036】本発明において、レール部3が中空部を有
するルーフレール1とする場合、レール部3の長手方向
の任意の10箇所で測定される長手方向に直交する断面
における肉厚の最大値と最小値との差が5mm以下であ
ることが特に好ましく、またレール部3が、中空率が1
5〜75%で、長手方向に直交する任意の断面における
肉厚が3mm以上であることが特に好ましい。
【0037】上記レール部3の断面における肉厚の最大
値と最小値との差が5mmを超えるルーフレール1とし
た場合、ルーフレール1上に荷載し、ルーフレール1に
負荷が加わった際に応力集中が発生しやすくなり、レー
ル部3の破損を生じやすくなる。また、レール部3の中
空率が15%未満のルーフレール1では、重くなり、取
り付けた車両の省エネルギー、燃費改善の点で不利にな
りやすい。その上、レール部3内での中空部容積が十分
でないため、中空射出成形の際に、加圧ガスの圧力によ
って溶融樹脂組成物をキャビティ面に強く押し付けにく
く、転写性の向上を図りにくくなる。さらに、中空率が
75%を超え、長手方向に直交する任意の断面における
肉厚が3mm未満では、例えば、DIN 75 302
(ROOFRACKS F−OR PASSENGER
CARS Safety Requireme−nt
s and Testing)に規定されるような荷載
時の静的あるいは動的負荷を想定した強度特性、破壊強
度や変形量(撓み量)などを十分満足できなくなる懸念
がある。
【0038】本発明において、ルーフレール1は、前述
したように、結晶化温度が210℃以下、ガラス転移温
度が70℃以下のポリアミドおよびガラス繊維を含有す
る樹脂組成物で構成される。
【0039】ポリアミドとしては、結晶化温度およびガ
ラス転移温度についての上記要件を満たすポリアミドで
あれば、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、変性ポ
リアミド、共重合ポリアミド、あるいはこれらのブレン
ドポリアミドのいずれでもよい。これらの中でも本願出
願人による特開平6−73288号公報で開示されてい
る、ヘキサメチレンアジパミド単位とヘキサメチレンフ
タラミド単位から構成されるポリアミドが好ましく、ヘ
キサメチレンフタラミド単位が全ポリアミドの5〜30
重量%、好ましくは8〜30重量%であり、かつ硫酸溶
液粘度ηr(ポリマー1gに対して95.5%硫酸10
0ml、25℃で測定)が1.5〜3.5、好ましくは
2.0〜3.0であるヘキサメチレンアジパミド単位と
ヘキサメチレンフタラミド単位から構成されるポリアミ
ドが、本発明の課題を十分に達成し得るルーフレール1
を得やすいので、特に好ましく用いられる。
【0040】ヘキサメチレンフタラミド単位が5重量%
未満では、吸湿によってルーフレール1の実用性能や外
観状態が低下する恐れがあり、ヘキサメチレンフタラミ
ド単位が30重量%を超えると結晶性が低下し、成形時
の冷却時間が伸びて、生産効率が低下しやすくなる。硫
酸溶液粘度ηrが1.5未満では強度が十分出なくなる
恐れがあり、硫酸溶液粘度ηrが3.5を超えると射出
成形時の成形性が悪くなる傾向を示すようになる。
【0041】本発明において、ルーフレール1は、良好
な表面外観を有することから、製品価値を高めるために
通常行われる塗装を省略することも可能であるので、低
廉に提供し得る。塗装を省略した場合、屋外使用下で
の、光、熱、紫外線、空気(酸素)、水などによるポリ
アミドの劣化を防ぎ、長期間良好な外観表面を維持し得
る点から、本願出願人による特願平10−167797
号で開示している銅化合物、フォスファイト化合物、カ
ーボンブラックおよび銅フタロシアニン誘導体を配合し
たポリアミドとすることが特に好ましい。
【0042】本発明において、樹脂組成物は、ポリアミ
ドおよびガラス繊維を含有しており、さらにガラス繊維
以外の無機充填材(以下「無機充填材」と略称する)を
含有させてもよい。より具体的には、ポリアミド70〜
35重量部、より好ましくは65〜35重量部、ガラス
繊維30〜65重量部、より好ましくは30〜60重量
部、無機充填材0〜35重量部、より好ましくは0〜3
0重量部を、合計量が100重量部となる割合で含有
し、かつガラス繊維と無機充填材の総量が30〜65重
量部、より好ましくは35〜65重量部である樹脂組成
物であることが望ましい。ガラス繊維が30重量部未
満、ガラス繊維と無機充填材の総量が30重量部未満で
はルーフレール1の強度が低くなる傾向を示し、ガラス
繊維が65重量部超、ガラス繊維と無機充填材の総量が
65重量部超ではルーフレール1の外観表面がより劣る
ようになる懸念がある。
【0043】本発明では、ガラス繊維の種類、繊維径や
繊維長、無機充填材の種類、アスペクト比などは特に制
限されない。また、ガラス繊維は単一であってもよい
し、複合されたガラス繊維であってもよい。ガラス繊維
と無機充填材とを複合させる場合は、マイカ、タルク、
ワラストナイト、カオリン、酸化マグネシュウム、チタ
ン酸カリウム、炭酸カルシュウムあるいはカーボンファ
イバーなどから選択された一種以上の無機充填材が好ま
しく用いられる。
【0044】本発明における前記樹脂組成物は、熱安定
剤や滑剤、あるいは着色剤、耐候剤など、通常のリアミ
ド樹脂に用いられる配合剤を含有していてもよい。
【0045】次に、本発明の製造方法および金型を説明
する。
【0046】図1は、記述のように、本発明に係るルー
フレール1の一例を示すものである。また、図2はこの
ルーフレール1を製造する際に用いられる金型例を示す
断面図で、(a)は固定性の堰6を有する金型、(b)
は可動性の堰6を有する金型、図3は堰6設置側端部の
脚部2に相当する部分の金型構造を示す概念図、図4は
図3におけるa−a断面概念図、図5は堰6の形状例を
示す図、図6は可動性の堰6を有する金型を用いた成形
手順の説明図である。これらの図中、4は樹脂ゲートで
あり、5は金型キャビティであり、6は堰である。な
お、図1との関係を分かりやすくするため、金型キャビ
ティ5においても、脚部2とレール部3に対応する部分
についてはこれらと同じ名称と符号を使用する。
【0047】本発明の製造方法は、樹脂ゲート4の近傍
の金型キャビティ5内に固定性または可動性の堰6を設
けた金型を用い、射出成形機のシリンダーで溶融した樹
脂組成物を射出し、樹脂ゲート4から金型キャビティ5
中に流れ出た溶融樹脂組成物のジェッティング状の流れ
を堰6に突き当て、流れを制御することによるルーフレ
ール1の製造方法である。
【0048】本発明で使用する金型においては、図2お
よび図3に示されるように、樹脂ゲート4を、金型キャ
ビティ5の脚部2に設けるのが好ましい。このようにす
ることで、ルーフレール1に残される樹脂ゲート4の跡
を目立ちにくくすることができる。樹脂ゲート4は、特
に、両端のいずれか一方の脚部2に設けることがより好
ましい。
【0049】本発明で使用する金型における前記堰6
は、樹脂ゲート4と、脚部2からレール部3への移行部
との間の位置に設けるのが良く、樹脂ゲート4から金型
キャビティ5内に流入する溶融樹脂組成物の主たる流れ
に対面するように設置することがより好ましい。
【0050】堰6は固定性または可動性のいずれであっ
てもよいが、この大きさや形状を、溶融樹脂組成物の流
動を極端に阻害しないように設計することが好ましい。
なお、固定性の堰6とは、成形工程中一定位置に止まる
堰6をいい、可動性の堰6とは、成形工程中に移動可能
な堰6をいう。
【0051】本発明における堰6の大きさは、堰6の断
面積が、堰6を設ける位置の金型キャビティ5の断面積
の5〜80%であることが好ましい。5%未満では、本
発明の課題を達成し得る程に溶融樹脂組成物の流れを制
御することが困難となる恐れがあり、80%を超える
と、溶融樹脂組成物の流動が阻害されやすくなる。
【0052】本発明は、堰6の形態、形状を制限するも
のでない。固定性であるか可動性であるかを問わず、図
5に例示するようないずれの形態の堰6を用いてもよ
い。また、堰6の数にも特に制限がない。
【0053】本発明における堰6は、金型の一部を構成
する部材であっても、成形品の一部となる部材であって
ももよい。後者の具体例としては、例えば成形品中に埋
設する部材(インサート材)を利用して構成したものを
挙げることができる。
【0054】堰6が固定性の場合、金型キャビティ5内
に溶融樹脂組成物を射出充填して満たし、冷却すること
で本発明に係るルーフレール1を得ることができる。堰
6が図2(a)に示されるような金型の一部を構成する
固定性の場合、得られるルーフレール1には堰6に対応
する凹部が残されることになる。
【0055】堰6が可動性の場合、図6(a)〜(c)
に示されるように、可動性の堰6が金型キャビティ5中
に突き出た状態で、射出成形機のシリンダーで溶融した
樹脂組成物を射出し、樹脂ゲート4から可動性の堰6ま
での金型キャビティ5内空間中に溶融樹脂組成物7(図
6(b)参照)を充填し、その後堰6を金型キャビティ
5の壁面と同一の位置まで後退させ、引き続き溶融樹脂
組成物7を金型キャビティ5の全空間を満たすまで充填
することが好ましい。このようにすると、金型キャビテ
ィ5内に堰6が突出した状態での射出時にはこの堰6に
よってジェッティング現象を防止でき、堰6を後退させ
た後の射出時にはその前に金型キャビティ5内に供給さ
れた溶融樹脂組成物7(図6(b)参照)の存在によっ
てジェッティング現象を防止することができる。また、
堰6に対応する凹部のないルーフレール1を得ることが
できる。
【0056】本発明における可動性の堰6は、例えば空
圧ポンプあるいは油圧ポンプなどで進退させることがで
きる。また、堰6を進退させるタイミングの制御は、例
えば、堰6までのスプルー、ランナーなどをも含む空間
容積と射出成形機の計量および射出条件から割り出した
時間に基づいて制御してもよいし、あるいは内接した圧
力センサーで金型キャビティ5内の圧力の変化を感知
し、その変化信号などで制御してもよい。
【0057】上記製造方法において、ルーフレール1を
成形するための射出条件、即ち、射出温度、射出圧力、
保圧圧力、射出速度、射出時間、金型温度、冷却時間な
どは本発明の目的を満たす範囲内で選択して差し支えな
い。
【0058】以上の製造方法と金型は、特に中実のルー
フレール1を製造するためのものであるが、次に、少な
くともレール部3が中空部を有するルーフレール1の製
造方法と、それに用いる金型について図7〜図9で説明
する。
【0059】図7に概念的に示す金型は、ルーフレール
1の一端の脚部2に樹脂ゲート4を設け、この樹脂ゲー
ト4の近傍の金型キャビティ5内に、前述したような固
定性または可動性の堰6を設けたものとなっており、こ
の点では前述の金型と同様である。
【0060】一方、上記樹脂ゲート4を設けた脚部2と
は異なる、ルーフレール1の他端の脚部2には、開閉弁
8を設けた排出ゲ―ト9を介して排出キャビティ10が
連結されている。また、樹脂ゲート4を設置した側の脚
部2において、樹脂ゲート4と堰6の間に加圧ガス注入
ノズル11が設置されている。この加圧ガス注入ノズル
11は、金型キャビティ5内への溶融樹脂組成物の射出
開始から、溶融樹脂組成物中に圧入した加圧ガスの排出
開始までの間、先端開口部を狭溢状態とし、加圧ガスの
排出開始から金型開放までの間、先端開口部を拡大状態
とする機構を備えたものとなっている。
【0061】図7は脚部2が2個のルーフレール1を成
形する金型を例示するが、中空部を有するルーフレール
1においても、脚部2の数および形状は特に限定されな
い。
【0062】図7に示す排出キャビティ10は、後述す
るように、ルーフレール1に中空部を形成するために排
出される余分な溶融樹脂組成物を受け入れるための空間
を形成するものである。この排出キャビティ10は、少
なくとも10mm以上の厚さであること、および厚さの
2倍以上の幅であることが好ましい。全体の容積Vは厚
さ×幅×長さで算出され、本発明における排出キャビテ
ィ10の容積は、固定容積または調整可能な容積のいず
れにしてもよい。
【0063】排出キャビティ10の厚さは、排出キャビ
ティ10に排出された樹脂組成物を再利用などのために
粉砕処理する場合には薄い程好ましい。しかし、この厚
さが10mm以下の場合、加圧ガスの圧入に伴って排出
キャビティ10中に排出された溶融樹脂組成物におい
て、排出キャビティ10の壁面付近の流動と当該溶融樹
脂組成物の中心部の流動の平衡が崩れ、溶融樹脂組成物
の中心部の流動先端で、注入された加圧ガスによる破裂
を引き起こし、所望する大きさの中空部を形成できなく
なったり、また均一な中空部と肉厚を確保するのが難し
くなる恐れがある。さらに、前記破裂により、注入した
加圧ガスが系外に漏れるため、ルーフレール1の各部に
均一な圧力を負荷させ難くなり、本発明目的を達成し得
る外観表面が得難くなる恐れがある。
【0064】排出キャビティ10は、ルーフレール1を
形成する金型キャビティ5に対して、油圧あるいは空圧
で駆動制御される開閉弁8を設けた排出ゲート9を介し
て、脚部2部分で連結されている。本発明では、排出ゲ
ート9の大きさや長さは適宜決定してよい。
【0065】加圧ガス注入ノズル11の詳細を図8およ
び図9に例示する。図8は先端開口部が狭隘状態となっ
た加圧ガスノズル11の断面図、図9は先端開口部が拡
大状態となった加圧ガスノズル11の断面図である。
【0066】加圧ガス注入ノズル11は、筒状のスリー
ブ12と、このスリーブ12内に進退可能に挿入された
軸芯13からなる。この加圧ガスノズル11は、スリー
ブ12と軸芯13間の隙間を介して、金型キャビティ5
内の溶融樹脂組成物中に加圧ガスを注入するものであ
る。
【0067】軸芯13は全長に亘って一定の外径を有し
ている一方、スリーブ12の先端側内径は後端側内径に
比して小さくなっている。従って、スリーブ12と軸芯
13間に形成される隙間は、先端側が狭く、後端側が広
くなっている。軸芯13が図8に示される前進位置にあ
るとき、加圧ガス注入ノズル11の先端開口部は、スリ
ーブ12の内径の小さな部分と軸芯13間の隙間によっ
て形成された狭隘状態となる。一方、軸芯が図9の後退
位置まで後退すると、加圧ガス注入ノズル11の先端に
スリーブ12全体が開口した拡大状態となると共に、ス
リーブ12の後端側と軸芯13間の広い隙間が、軸芯1
3が後退したスリーブ12内に直接つながった状態とな
る。
【0068】金型キャビティ5中への溶融樹脂組成物の
射出開始から溶融樹脂組成物中に注入した加圧ガスの排
出開始までの間は、加圧ガス注入ノズル11は狭溢状態
(図8)である。加圧ガスを注入する経路と同じ経路で
加圧ガスを回収し、排出する工程となる、加圧ガスの排
出開始から金型開放までの間は、加圧ガス注入ノズル1
1は拡大状態(図9)である。本発明における加圧ガス
注入ノズル11は、前記狭溢状態と拡大状態との間で変
化させることができる機構を具備することが好ましい。
【0069】本発明における加圧ガス注入ノズル11の
狭溢状態において、先端に開口するスリーブ12と軸芯
13の間の隙間は、切り欠き状など種々の状態が可能で
あるが、その幅は同心円上で少なくとも0.010mm
以下であることが好ましく、しかもこの隙間がスリーブ
12および軸芯13の中心軸方向に少なくとも10mm
以上連続することが好ましい。
【0070】前記機構を備える加圧ガス注入ノズル11
は、本願出願人による特開平5−177668号公報で
提案されているが、この提案では、狭溢状態で先端に開
口する隙間の幅は0.02〜0.2mmと開示されてい
る。しかしながら、本発明者らの検討では、このような
大きな隙間の場合、溶融樹脂組成物を高圧、高速で射出
充填した場合、溶融樹脂組成物がこの隙間に入り込み、
加圧ガスの注入経路を閉塞する現象が観察された。
【0071】本発明においても、加圧ガス注入ノズル1
1が、狭溢状態において、スリーブ12の先端側と軸芯
13の間の隙間が同心円上で0.010mmを超えた
り、かつこの隙間の中心軸方向の長さが10mm未満の
場合、上記観察結果と同じように、高圧、高速で射出さ
れた溶融樹脂組成物がスリーブ12と軸芯13の間の隙
間に入り込み、加圧ガスの注入経路を閉塞しやすく、溶
融樹脂組成物の射出条件が制限される恐れがある。ま
た、加圧ガスの注入経路が閉塞されると、充填された溶
融樹脂組成物を金型内面へ押し付ける力が不十分とな
り、得られるルーフレール1の表面外観が悪くなること
が懸念される。スリーブ12の先端側と軸芯13の間の
隙間は、加圧ガスの吹き出しや軸芯13の摺動性などを
考慮し、同心円上で0.010m以下で、この隙間の中
心軸方向の長さが10mm以上となるように設定するこ
とが好ましい。
【0072】加圧ガス注入ノズル11の先端は、樹脂ゲ
ート4を設けた側の脚部2が車両のルーフに接する面か
ら脚部2の内部方向に10mm以上、好ましくはレール
部3の中心軸の延長線上まで突出させておくことが好ま
しい。脚部2の内部方向への突出量が10mm未満の場
合、加圧ガス注入部付近の中空部が大きくなり、その周
囲の肉厚が薄くなって強度が不足しやすくなる。また、
注入する加圧ガスが、金型キャビティ5内の樹脂組成物
と金型内面との間に漏れ出し、効率よく注入されず、中
空の形成が不安定となること、その結果、得られるルー
フレールの表面外観が悪くなる恐れがある。
【0073】加圧ガス注入ノズル11の設置位置は、図
7に示す金型例では、樹脂ゲ―ト4と堰6の中間に示さ
れているが、本発明の目的を逸脱しない限り、樹脂ゲー
ト4を設置した側の脚部2内で適宜選択することができ
る。中空部の形成がより容易になるという点からは、加
圧ガス注入ノズル11を、樹脂ゲート4と堰6の中間に
設置することが好ましい。
【0074】さらに、中空部を有するルーフレール1の
製造方法を説明する。
【0075】本発明で言う中空射出成形方法は、例えば
本願出願人による特公昭57−14968号公報などで
公知であり、金型内に充填された溶融樹脂中に加圧ガス
を注入する成形方法である。
【0076】本発明では、既述のように、図7に例示す
るような金型を用い、次のように成形する。
【0077】すなわち、前記加圧ガス注入ノズル11が
狭溢状態であると共に、排出ゲート9の開閉弁8を閉じ
た状態で、射出成形機で溶融した溶融樹脂組成物を金型
キャビティ5内に射出し、金型キャビティ5を十分満た
す量の溶融樹脂組成物の充填完了と同時に、または充填
した後に、加圧ガスを注入する。加圧ガスとしては、高
圧ガスを製造するユニットで製造される50kg/cm
2〜300kg/cm2の高圧窒素に代表される不活性ガ
スが好ましい。この加圧ガスは、前記加圧ガス注入ノズ
ル11から、金型キャビティ5に充填されている溶融樹
脂組成物中に注入される。
【0078】加圧ガスの注入開始と同時または注入した
後に、排出ゲート9の開閉弁8を開き、15〜75%の
中空率となる大きさの中空部を形成するのに相当する量
の溶融樹脂組成物を、金型キャビティ5から排出キャビ
ティ10へ押し出しす。その後、樹脂組成物中の加圧ガ
スの高圧状態の保持と、樹脂組成物の冷却を所定の時間
行った後、加圧ガス注入ノズル11のスリーブ12内の
軸芯13を後退させ、加圧ガス注入ノズル11を拡大状
態とし、溶融樹脂組成物中に注入した加圧ガスを、金型
キャビティ5内で固化した成形品中から排出した後、金
型を開放し、成形されたルーフレール1を金型から取り
出す。
【0079】中空部を有するルーフレール1を成形する
場合でも、堰6は固定性でも可動性でもよい。可動性の
堰6を有する金型を用いる場合、溶融樹脂組成物が未だ
射出充填されていない金型キャビティ5内に堰6が突き
出た状態で溶融樹脂組成物を射出し、樹脂ゲート4から
堰6までの金型キャビティ5の空間を溶融樹脂組成物で
充満させた後、堰6を金型キャビティ5の内面と同一な
位置まで後退させ、さらに引き続き溶融樹脂組成物を射
出充填する以外は上記と同様な方法で実施できる。
【0080】上記の製造方法は、溶融樹脂組成物の金型
キャビティ5内への充填量からはフルショット法、加圧
ガスの注入方法からは金型キャビティ注入法として分類
される方法であり、既述のような所望する中空部と表面
外観のルーフレール1を得るに好ましい方法である。し
かし、本発明の目的を満たす範囲内で、金型キャビティ
5を満たすに足りない量の溶融樹脂組成物を射出するシ
ョートショット法や、射出ノズルに内蔵された加圧ガス
注入ノズルから加圧ガスの注入を行う射出ノズル注入
法、さらには金型のランナー部分に対して加圧ガスの注
入を行うランナー注入法を選択しても差し支えない。
【0081】上記中空部を有するルーフレールの製造に
おいても、ルーフレール1を成形するための射出温度、
射出圧力、保圧圧力、射出速度、射出時間、金型温度、
冷却時間、加圧ガスの注入時間、加圧ガスの保持時間、
加圧ガスの回収および排出時間など射出条件は、本発明
の目的を満たす範囲内で適宜選択して差し支えない。
【0082】本発明では、金型キャビティ5内への溶融
樹脂組成物の射出充填は、200cc/秒以上の速度
で、使用する樹脂組成物の溶融温度での体積量が、金型
キャビティ5の容積以上になるように充填することが好
ましい。場合によっては通常の射出成形で用いられる樹
脂保圧工程を付加することが好ましく、排出ゲート9の
開閉弁8の開放は、溶融樹脂組成物の充填完了時または
充填完了以降に実施することが好ましい。
【0083】
【実施例】以下、本発明をより具体的に実施例で説明す
るが、これらの実施例によって本発明は限定されるもの
ではない。なお、以下に示す実施例および比較例によっ
て得られたルーフレールの評価は次のように実施した。
【0084】(1)表面状態 得られたルーフレールの外面状態を、次に示すような判
断基準で目視評価した。 ◎:ルーフレールの外表面が非常に平滑である。 ○:ルーフレールの外表面が平滑である。 △:ルーフレール外表面にガラス繊維の浮き出し状の模
様が観察される。 ×:ルーフレール外表面にガラス繊維の浮き出し状の模
様が多く観察される。
【0085】(2)表面グロスの平均値 得られたルーフレールの長手方向に等間隔の10箇所
で、3cm×7cmの表面積の60度表面グロスを、J
IS・K−7105に準拠し、堀場(株)製ハンディー
光沢計「IG302」で測定した値(n=3)の平均
値。
【0086】(3)表面グロス差 上記で得られた10箇所の60度表面グロスにおける最
大値と最小値の差。
【0087】(4)表面粗さの平均値 得られたルーフレールの長手方向に等間隔の10箇所
で、3cm×7cmの表面積の表面粗さRaをJIS・
B−0601に準拠し、(株)東京精密製三次元表面粗
さ形状測定機「570A」で測定した値(n=3)の平
均値。
【0088】(5)表面粗さ差 上記で得られた10箇所の表面粗さRaにおける最大値
と最小値の差。
【0089】(6)ジェッティング模様の有無 得られたルーフレールの外面状態を、次に示すような判
断基準で目視価した。 ◎:ルーフレールの外表面にジェッティング模様が無く
非常に平滑である。 ○:ルーフレールの外表面がジェッティング模様が無く
平滑である。 △:ルーフレール外表面にジェッティングの痕跡模様が
観察される。 ×:ルーフレール外表面にジェッティングの痕跡模様が
多く観察される。
【0090】(7)中空部の肉厚の平均値 得られたルーフレールの長手方向に等間隔の10箇所
で、長手方向に直交する断面における肉厚を1/100
mmマイクロメーターで測定し、各断面における肉厚の
最小値の平均値。
【0091】(8)中空部の肉厚の最大値と最小値の差 上記10箇所の断面における肉厚の最大値と最小値の
差。
【0092】(9)中空率 {排出キャビティに排出された樹脂の重量/(排出キャ
ビティに排出された樹脂の重量+ルーフレール成形品の
重量)}×100%で得られる値。
【0093】また、以下に記載する実施例および比較例
に用いた樹脂組成物の組成および物性を表1にまとめて
示した。さらに、表1に示すポリアミドを用いて成形し
たルーフレールの成形条件を表2にまとめて示し、表2
に示す成形条件によって成形したルーフレールの評価結
果を表3にまとめて示した。
【0094】実施例1 表1に示されるように、ヘキサメチレンアヂパミド単位
(Ny66)とヘキサメチレンフタラミド単位(Ny6
I)から構成され、Ny66とNy6Iの重量比が85
/15、硫酸溶液粘度ηrが2.40であるポリアミド
50重量部に対してガラス繊維(GF)を50重量部配
合した樹脂組成物でルーフレールの成形を行った。
【0095】本実施例では、鏡面状に仕上げた金型内面
を有する図7に示すような全長1600mmのルーフレ
ール成形用の金型を用い、排出ゲートの開閉弁を閉じた
状態で、中実のルーフレールを成形した。成形は、表2
に示されるように、型締力900トンの射出成形機を用
いて、シリンダー温度285℃、金型温度90℃、射出
充填時間4.5秒、樹脂保圧40%、冷却時間90秒で
行った。
【0096】成形したルーフレールを目視で評価した結
果、レール部表面および脚部表面のいずれにもジェッテ
ィングの痕跡もなく、全体として高品位感を有するルー
フレールであった。また、ルーフレールの全長に亘り約
145mmの等間隔位置で、その表面の表面グロスと表
面粗さを測定した。その結果、ルーフレール全体におけ
る表面グロスの平均値は55%であり、表面粗さRaの
平均値は0.6μmであった。また、表面グロス差は2
%であり、表面粗さ差は0.2μmであった。
【0097】評価結果を表3に示す。
【0098】尚、表1に示されるように、本実施例で用
いたポリアミドのDSCで測定した結晶化温度は205
℃、ガラス転移温度は53℃であった。
【0099】実施例2 表1に示されるように、実施例1と同じ樹脂組成物と金
型を用い、表2に示す成形条件で、中空射出成形によ
り、中空部を有するルーフレールを成形した。
【0100】得られたルーフレールの表面を目視で評価
した結果、ルーフレールの各部ともジェッティングの痕
跡もなく、全体として高品位感を有するルーフレールで
あった。また、実施例1と同様にして表面グロスと表面
粗さを測定した。さらに、同様位置で測定した肉厚も3
mm以上あり、比較的均一な肉厚であった。
【0101】評価結果を表3に示す。
【0102】実施例3 ヘキサメチレンアヂパミド単位(Ny66)とヘキサメ
チレンフタラミド単位(Ny6I)から構成され、Ny
66とNy6Iの重量比が80/20、ηrが2.60
のポリアミド40重量部に対してガラス繊維(GF)を
55重量部と無機充填材(カオリン)5重量部配合した
樹脂組成物でルーフレールの成形を行った。
【0103】実施例1と同じ図7に示すようなルーフレ
ール成形用の金型を用い、表2に示す成形条件により、
実施例1と同様の中実のルーフレールを成形した。
【0104】得られたルーフレールの表面を目視で評価
した結果、ルーフレールの表面の各部ともジェッティン
グの痕跡もなく、全体として高品位感のあるルーフレー
ルであった。また、実施例1と同様にして、その表面の
表面グロスと表面粗さを測定した。
【0105】評価結果を表3に示す。
【0106】尚、本実施例で用いたポリアミドのDSC
で測定した結晶化温度は195℃、ガラス転移温度は5
6℃であった。測定結果は表1に示す。
【0107】実施例4 実施例3と同じ樹脂組成物と金型を用い、表2に示す成
形条件で、中空射出成形により中空部を有するルーフレ
ールを得た。
【0108】成形したルーフレールの表面を目視で評価
した結果、ルーフレールの表面の各部ともジェッティン
グの痕跡もなく全体として高品位感のあるルーフレール
であった。また、実施例1と同様にして、その表面グロ
スと表面粗さを測定した。さらに、同様位置で測定した
肉厚も3mm以上あり、比較的均一な肉厚であった。
【0109】評価結果を表3に示す。
【0110】実施例5 堰を可動性とする以外は実施例1と同じルーフレール成
形用の金型と実施例1と同じ樹脂組成物を用い、表2に
示す成形条件により、中空射出成形で中空部を有するル
ーフレールを得た。
【0111】成形したルーフレールの表面を目視で評価
した結果、ルーフレールの各部ともジェッティングの痕
跡もなく、全体として高品位感を有するルーフレールで
あった。また、実施例1と同様にして表面グロスと表面
粗さを測定した。さらに、同様位置で測定した肉厚も3
mm以上あり、比較的均一な肉厚であった。
【0112】評価結果を表3に示す。
【0113】尚、可動性の堰の進退は、射出の計量値と
実際の充填時間および堰までの金型キャビティの空間容
積との関係から、樹脂ゲートから堰までの金型キャビテ
ィの容積が溶融樹脂で満たされる時間を算出し、タイマ
ーにより油圧シリンダーを動作させて行った。
【0114】比較例1 ヘキサメチレンアヂパミド単位(Ny66)とヘキサメ
チレンフタラミド単位(Ny6I)から構成され、Ny
66とNy6Iの重量比が90/10、ηrが2.35
のポリアミド45重量部に対してガラス繊維(GF)を
55重量部配合した樹脂組成物を用いてルーフレールの
成形を行った。
【0115】実施例2と同様のルーフレール成形用の金
型を用い、堰を使用しないで、表2に示す成形条件で、
中空射出成形により、中空部を有するルーフレールを成
形した。
【0116】得られたルーフレールの表面を目視で評価
した結果、ルーフレールの表面にジェッティングの痕跡
模様が観察された。また、実施例2と同様にして表面グ
ロスと表面粗さを測定した。さらに、同様位置で肉厚を
測定した。
【0117】評価結果を表3に示す。
【0118】なお、本比較例で用いたポリアミドのDS
Cで測定した結晶化温度は208℃、ガラス転移温度は
50℃であった。
【0119】比較例2 樹脂組成物として、ポリアミド66樹脂50重量部に対
してガラス繊維を50重量部配合したものを用いた。
【0120】実施例2と同じルーフレール成形用の金型
を用い、表2に示す成形条件で、中空射出成形により、
中空部を有するルーフレールを成形した。
【0121】得られたルーフレールの表面を目視で評価
した結果、ルーフレールの表面にジェッティングの痕跡
模様が観察された。また、実施例2と同様にして表面グ
ロスと表面粗さを測定した。さらに、同様位置で肉厚を
測定した。
【0122】評価結果を表3に示す。
【0123】なお、本比較例で用いたポリアミドのDS
Cで測定した結晶化温度は225℃、ガラス転移温度は
45℃であった。
【0124】比較例3 ポリアミドMXD6樹脂50重量部に対してガラス繊維
(GF)を50重量部配合した樹脂組成物と、実施例2
と同じルーフレール成形用の金型を用い、表2に示す成
形条件で、中空射出成形により、中空部を有するルーフ
レールを成形した。
【0125】得られたルーフレールの表面を目視で評価
した結果、ルーフレールの表面にジェッティングの痕跡
模様が観察された。また、実施例2と同様にして表面グ
ロスと表面粗さを測定した。さらに、同様位置で肉厚を
測定した。
【0126】評価結果を表3に示す。
【0127】なお、本比較例で用いたポリアミドのDS
Cで測定した結晶化温度は200℃、ガラス転移温度は
79℃であった。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
【表3】
【0131】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりのもので
あり、次の効果を奏するものである。
【0132】(1)本発明に係るルーフレールは、ガラ
ス繊維単独またはガラス繊維と無機充填材で強化された
樹脂組成物から成るので、高強度であり、特に荷載時の
曲げ応力負荷に対しての耐久性に優れる。
【0133】(2)脚部とレール部が一体に成形されて
いるので、継ぎ目が無く、優れた美観を有する。
【0134】(3)表面状態のむらがないことから、ル
ーフレール全体としての品位が高く、外観が従来の樹脂
製ルーフレールに比べて著しく改善される。このため、
ルーフレールの無塗装製品化が可能である。
【0135】(4)本発明の製造方法および金型は、成
形に際しての溶融樹脂組成物の流れを堰で制御するの
で、ジェッティング現象による成形品の表面外観の低下
を防止することができる。このため、ルーフレールの成
形品収率が著しく向上し、成形に要する樹脂組成物の量
および成形費用を著しく低減し得る。
【0136】(5)上記堰を可動性とすることにより、
堰に対応する凹部のないルーフレールを製造することが
できる。
【0137】(6)排出キャビティを備えた金型を用い
た中空射出成形とすると、さらに表面状態の優れ、かつ
軽量のルーフレールを容易に得ることができる。
【0138】(7)機械的特性と成形性に優れる特定の
ポリアミドを用いていることにより、ガラス繊維、無機
充填材量を多くした樹脂組成物を用いた場合でも、溶融
樹脂流れを制御して外観に優れたルーフレールを成形す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るルーフレールの一例を示す概略図
である。
【図2】図1のルーフレールを製造する際に用いられる
金型例を示す断面図である。
【図3】堰設置側端部の脚部に相当する部分の金型構造
を示す概念図である。
【図4】図3におけるa−a断面概念図である。
【図5】堰の形状例を示す図である。
【図6】可動性の堰を有する金型を用いた成形手順の説
明図である。
【図7】中空部を有するルーフレールを製造する際に用
いられる金型の一例を示す概念図である。
【図8】狭隘状態の加圧ガス注入ノズルの詳細を示す図
である。
【図9】拡大状態の加圧ガス注入ノズルの詳細を示す図
である。
【符号の説明】
1 ルーフレール 2 脚部 3 レール部 4 樹脂ゲート 5 キャビティ 6 堰 7 溶融樹脂組成物 8 開閉弁 9 排出ゲート 10 排出キャビティ 11 加圧ガス注入ノズル 12 スリーブ 13 軸芯

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶化温度が210℃以下、ガラス転移
    温度が70℃以下のポリアミドとガラス繊維を含有する
    ポリアミド樹脂組成物からなり、車両のルーフへの取付
    用の脚部とレール部とが一体に形成されたルーフレール
    であって、該ルーフレールの表面における60度表面グ
    ロスの最大値と最小値の差が5%以下で、かつ該ルーフ
    レールの表面における表面粗さの最大値と最小値の差が
    0.5μm以下であることを特徴とするルーフレール。
  2. 【請求項2】 少なくともレール部が中空部を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のルーフレール。
  3. 【請求項3】 レール部の長手方向の任意の10箇所
    で、長手方向に直交する断面における肉厚を測定した時
    の最大値と最小値との差が5mm以下であることを特徴
    とする請求項2記載のルーフレール。
  4. 【請求項4】 レール部が、中空率が15〜75%、長
    手方向に直交する任意の断面における肉厚が3mm以上
    であることを特徴とする請求項2記載のル―フレール。
  5. 【請求項5】 ポリアミドが、ヘキサメチレンアジパミ
    ド単位とヘキサメチレンフタラミド単位から構成される
    ことを特徴とする請求項1記載のルーフレール。
  6. 【請求項6】 ポリアミド樹脂組成物に、銅化合物、ホ
    スファイト化合物、カーボンブラックおよび銅フタロシ
    アニン誘導体が配合されていることを特徴とする請求項
    5記載のルーフレール。
  7. 【請求項7】 ポリアミド樹脂組成物が、結晶化温度が
    210℃以下、ガラス転移温度が70℃以下のポリアミ
    ド70〜35重量部と、ガラス繊維30〜65重量部
    と、ガラス繊維以外の無機充填材0〜35重量部とを合
    計量が100重量部となる割合で含有し、かつガラス繊
    維と無機充填材の総量が30〜65重量部であることを
    特徴とする請求項1に記載のルーフレール。
  8. 【請求項8】 樹脂ゲート近傍の金型キャビティ内に設
    けられた固定性の堰を有する金型を用い、結晶化温度が
    210℃以下、ガラス転移温度が70℃以下のポリアミ
    ドとガラス繊維を含有する溶融ポリアミド樹脂組成物を
    金型キャビティ内に充填して、ルーフへの取付用脚部と
    レール部とを一体に成形することを特徴とする車両用ル
    ーフレールの製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂ゲート近傍の金型キャビティ内に設
    けられた可動性の堰を有する金型を用い、堰が金型キャ
    ビティ内に突き出した状態で、結晶化温度が210℃以
    下、ガラス転移温度が70℃以下のポリアミドとガラス
    繊維を含有する溶融ポリアミド樹脂組成物を、樹脂ゲー
    トから堰までの金型キャビティ内空間に充填し、その後
    堰を後退させ、さらに溶融ポリアミド樹脂組成物を金型
    キャビティ内に充填して、車両のルーフへの取付用の脚
    部とレール部とを一体に成形することを特徴とするルー
    フレールの製造方法。
  10. 【請求項10】 樹脂ゲート近傍の金型キャビティ内に
    設けられた固定性の堰と、排出ゲートを介して金型キャ
    ビティに連結された排出キャビティと、金型キャビティ
    中の溶融ポリアミド樹脂組成物中に加圧ガスを注入する
    加圧ガス注入ノズルとを有する金型を用い、結晶化温度
    が210℃以下、ガラス転移温度が70℃以下のポリア
    ミドとガラス繊維を含有する溶融ポリアミド樹脂組成物
    を金型キャビティ内に充填し、金型キャビティ内への溶
    融ポリアミド樹脂組成物の充填完了と同時または充填後
    に、加圧ガス注入ノズルから加圧ガスを金型キャビティ
    内の溶融ポリアミド樹脂組成物中に注入し、排出ゲート
    から余剰の溶融ポリアミド樹脂組成物を排出キャビティ
    に排出することで中空部を形成すると共に、車両のルー
    フへの取付用の脚部とレール部とを一体に成形すること
    を特徴とするルーフレールの製造方法。
  11. 【請求項11】樹脂ゲート近傍の金型キャビティ内に設
    けられた可動性の堰と、排出ゲートを介して金型キャビ
    ティに連結された排出キャビティと、金型キャビティ中
    の溶融ポリアミド樹脂組成物中に加圧ガスを注入する加
    圧ガス注入ノズルとを有する金型を用い、堰が金型キャ
    ビティ内に突き出した状態で、結晶化温度が210℃以
    下、ガラス転移温度が70℃以下のポリアミドとガラス
    繊維を含有する溶融ポリアミド樹脂組成物を、樹脂ゲー
    トから堰までの金型キャビティ内空間に充填し、その後
    堰を後退させ、さらに溶融ポリアミド樹脂組成物を金型
    キャビティ内に充填して、金型キャビティ内への溶融ポ
    リアミド樹脂組成物の充填完了と同時または充填後に、
    加圧ガス注入ノズルから加圧ガスを金型キャビティ内の
    溶融ポリアミド樹脂組成物中に注入し、排出ゲートから
    余剰の溶融ポリアミド樹脂組成物を排出キャビティに排
    出することで中空部を形成すると共に、車両のルーフへ
    の取付用の脚部とレール部とを一体に成形することを特
    徴とするルーフレールの製造方法。
  12. 【請求項12】 ポリアミドが、ヘキサメチレンアジパ
    ミド単位とヘキサメチレンフタラミド単位から構成され
    ることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の
    ルーフレールの製造方法。
  13. 【請求項13】 ポリアミド樹脂組成物に、銅化合物、
    ホスファイト化合物、カーボンブラックおよび銅フタロ
    シアニン誘導体が配合されていることを特徴とする請求
    項11記載のルーフレールの製造方法。
  14. 【請求項14】 ポリアミド樹脂組成物が、結晶化温度
    が210℃以下、ガラス転移温度が70℃以下のポリア
    ミド70〜35重量部と、ガラス繊維30〜65重量部
    と、無機充填材0〜35重量部とを合計量が100重量
    部となる割合で含有し、かつガラス繊維と無機充填材の
    総量が30〜65重量部であることを特徴とする請求項
    8〜11のいずれかに記載のルーフレールの製造方法。
  15. 【請求項15】 車両のルーフへの取付用の脚部とレー
    ル部とが一体となったルーフレールを成形するための金
    型において、樹脂ゲート近傍の金型キャビティ内に固定
    性または可動性の堰を有することを特徴とする金型。
  16. 【請求項16】 さらに、排出ゲートを介して金型キャ
    ビティに連結された排出キャビティと、金型キャビティ
    中の溶融ポリアミド樹脂組成物中に加圧ガスを注入する
    加圧ガス注入ノズルとを有することを特徴とする請求項
    15記載の金型。
  17. 【請求項17】 排出キャビティが、10mm以上の厚
    さと、厚さの2倍以上の幅とを有することを特徴とする
    請求項16記載の金型。
  18. 【請求項18】 加圧ガス注入ノズルが、筒状のスリー
    ブとこのスリーブ内に進退可能に挿入された軸芯との間
    の隙間から加圧ガスを金型キャビティ内の溶融ポリアミ
    ド樹脂組成物中に注入するもので、軸芯の前進位置にお
    けるスリーブの先端側と軸芯間の隙間が、スリーブの中
    心軸に直交する断面において0.010mm以下であ
    り、かつスリーブの中心軸方向の長さが10mm以上で
    あることを特徴とする請求項16記載の金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018174018A1 (ja) * 2017-03-22 2018-09-27 住友化学株式会社 樹脂成形体の製造方法および樹脂成形体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018174018A1 (ja) * 2017-03-22 2018-09-27 住友化学株式会社 樹脂成形体の製造方法および樹脂成形体
JP2018158447A (ja) * 2017-03-22 2018-10-11 住友化学株式会社 樹脂成形体の製造方法および樹脂成形体

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