JP3398444B2 - ガス注入ノズル - Google Patents
ガス注入ノズルInfo
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/1703—Introducing an auxiliary fluid into the mould
- B29C45/1734—Nozzles therefor
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ひけや反りのない外観
の美麗な成形品を成形する装置に使用するガス注入ノズ
ルに関する。更に詳しくは、金型内に注入された溶融樹
脂内部に加圧ガスを圧入して中空構造を有する成形品を
製造する際に使用するガス注入ノズルに関するものであ
る。 【０００２】 【従来の技術】溶融した熱可塑性樹脂を射出成形により
成形する際、ひけや反りのない外観の美麗な成形品を得
るため、特開昭６４−１４０１２号公報には、溶融した
熱可塑性樹脂を金型キャビティ内に射出し、該溶融した
熱可塑性樹脂内に加圧ガスを導入して熱可塑性樹脂にガ
ス含有中空部を造り、その後、金型を開ける前にガス含
有中空部内のガス圧を大気中に解放する熱可塑性樹脂の
製造装置が開示されている。 【０００３】又、上記加圧ガスを導入する弁構成とし
て、中心孔を有し、該中心孔を通って加圧ガスが溶融熱
可塑性樹脂中に導かれ、該中心孔の出口端に球を用いた
逆止弁が配設されており、該逆止弁によって熱可塑性樹
脂も排出ガスも逆流することを防止する構造が開示され
ている。 【０００４】特開昭６４−１４０１２号公報の一実施例
では逆止弁が球で構成されている。しかしながら、本構
造では球が自由に挙動することがあり、樹脂材料の残存
により、弁構成内の逆止弁の周りに樹脂材料が付着し、
樹脂材料の金型キャビティ内への充填時に該逆止弁が正
常な動作を行わず、微量の溶融樹脂が該逆止弁を逆流し
てガス配管系へ流入する場合があった。 【０００５】上記逆流が生じた場合、逆止弁を逆流した
樹脂を成形品側へ押戻すことによるクリーニング方法も
あるが、逆止弁近傍の樹脂は完全に除去できず、樹脂が
蓄積される場合には、冷却固化された樹脂がガス配管系
を閉塞してしまい、加圧ガスを溶融樹脂内に導入できな
くなる場合があった。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような従来技術の課題を解決し、加圧ガスの溶融樹
脂内部への円滑な圧入を行うためのガス注入ノズルを提
供することにある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する装置について鋭意研究を重ねた結果、発条を
用い強制的にシート面に密着せしめる機構を有した逆止
弁をガス注入ノズルに配設することにより、溶融樹脂充
填時の溶融樹脂の逆流を完全に阻止し、その後、溶融樹
脂内に充填される加圧ガスの圧力でもって発条の力に打
ち勝ち、該逆止弁は加圧ガス流動方向に摺動し解放さ
れ、ガス体流路を経て逆止弁を加圧ガスは通過し、溶融
樹脂内に加圧ガスを導入し得ることを見出し、本発明に
到達した。 【０００８】すなわち、本発明は、射出成形機を使用し
て金型に設けられた金型キャビティ内に溶融熱可塑性樹
脂を射出する際に溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを
圧入し、中空構造を有する成形品を成形するためのガス
注入ノズルであって、逆止弁、ガス注入ノズル本体部、
及び、発条から構成され、 逆止弁は、弁本体部と、弁本
体部の後端部に設けられた連通部と、弁本体部の先端部
に設けられた拡径部から構成され、 ガス注入ノズル本体
部は、ガス注入ノズル本体部の後部に設けられたガス体
流路と、ガス体流路に連通し、弁本体部の後端部に設け
られた連通部を格納し、連通部によって前部と後部とに
仕切られ、且つ、連通部を介して前部と後部とが連通し
たガス体流路拡径部と、ガス体流路拡径部に連通した弁
本体部格納部と、ガス注入ノズル本体部の先端部に設け
られ、弁本体部格納部に連通したガス体注入孔とを備
え、 発条は、ガス体流路拡径部の前部内に配設され、 ガ
ス体注入孔の弁本体部格納部側には、弁本体部の先端部
に設けられた拡径部 の後面と密着するシート面が設けら
れ、 弁本体部の先端部に設けられた拡径部は、ガス体注
入孔内に常に格納されており、 ガス体注入孔が、直接、
金型キャビティに開口した状態でガス注入ノズルは金型
に配置され、 溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを圧入
しない場合には、発条によって、弁本体部の先端部に設
けられた拡径部の後面は強制的にシート面に密着せしめ
られ、 溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを圧入する際
には、ガス体流路を流れる加圧ガスによって弁本体部の
後端部に設けられた連通部がガス体流路拡径部内におい
て前方に押し出される結果、弁本体部の先端部に設けら
れた拡径部の後面とシート面との間に隙間が形成される
ことを特徴とするガス注入ノズルに関する発明である。 【０００９】本発明において使用する逆止弁の個数は１
個が望ましく、直列に複数、並列に複数併設される方法
も良いが、加圧ガスを溶融熱可塑性樹脂内に圧入する際
の抵抗が大きくなり、所望とするガス量通過を妨げる虞
があり、又、部品点数が増え、その機構が複雑となり、
好ましくはない。 【００１０】本発明のガス注入ノズルは、ガス配管系に
接続されている。 【００１１】図１〜４に本発明のガス注入ノズルを例示
し、説明する。図１は、本発明で使用できる射出成形機
と金型の模式図である。図２は、図１のガス注入ノズル
における「Ａ」の部分を拡大した模式図である。図３
は、図２のガス注入ノズルの弁及びシート面の拡大模式
図である。図４は、図２で弁が開放した状態を示す模式
図である。 【００１２】各図における符号を以下に説明する。 １：可動型 ２：固定型 ３：射出成形機シリンダー ４：金型キャビティ ６：油圧シリンダー ７：ガス体導通管 ８ａ：逆止弁 ８ｂ：球を有する逆止弁 １９：弁本体部 ８ｃ：弁本体部の先端部に設けられた拡径部 １７：弁本体部の後端部に設けられた連通部 ５：ガス注入ノズル本体部 １０：ガス体流路 １０ａ：ガス体流路拡径部 １５：ストッパー １０ｂ：弁本体部格納部 ９：ガス体注入孔 １８：シート面 １１：発条 １２：溶融樹脂 １３：ガス注入口 １４：ヒーター 【００１３】図１において、射出成形機シリンダー３よ
り溶融樹脂１２が金型キャビティ４内に射出される。金
型の可動型１側に油圧シリンダー６の駆動によって往復
運動するガス注入ノズルが設けられており、該ガス注入
ノズルより溶融樹脂１２内へのガスが圧入される。 【００１４】図２は、図１のガス注入ノズルにおける
「Ａ」の部分を拡大した図であり、連通部１７を備えた
逆止弁８ａは、通常の状態（加圧ガスを圧入しないと
き）では発条１１により左端に押しつけられ、逆止弁８
ａはシート面１８に強制的に密着しており、ガスもしく
は溶融樹脂の逆流が防止されている。 【００１５】図３は、図２のガス注入ノズルの逆止弁及
びシート面の部分の拡大図であり、逆止弁８ａがシート
面１８に強制的に密着した状態を示す。 【００１６】図４は、図２で逆止弁が開放された状態を
示す図であり、ガス体導通管７を通して、加圧ガスがガ
ス体流路１０に流入すると、連通部１７は加圧ガスでス
トッパー１５の位置まで押しつけられる。加圧ガスの流
入が停止されると、連通部１７は、図２に示すごとく、
再び発条１１により左端に押しつけられる。 【００１７】本発明のガス注入ノズルを用いて金型キャ
ビティ内の溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを圧入
し、所望の形状に構成された成形品は、中空構造部に圧
入されている加圧ガスの圧力作用を維持しながら冷却さ
れ、冷却が完了すると金型から取り出されるが、成形品
を金型から取り出す際に、前記中空構造部に残存してい
る加圧ガスの圧力作用によって成形品が変形するのを防
止するために、金型を開くに先立ってガス注入ノズル
を、例えば、往復運動によって移動し、中空構造部の加
圧ガスを解放する態様においては、本発明のガス注入ノ
ズルを用いることにより樹脂充填時のガス配管系への溶
融樹脂の逆流が防止でき、実用的である。 【００１８】ここで、本発明によるガス注入ノズルは特
開平４−３１０１６号公報に開示されている様にガス注
入ノズル先端を加熱装置で加熱することも効果的であ
る。 【００１９】 【作用】本発明のガス注入ノズルにおいては、発条を用
い強制的にシート面に密着せしめる機構を有した逆止弁
を配設することにより、ガス配管系内への溶融樹脂の逆
流を完全に阻止し、樹脂のガス配管系への蓄積を防止す
ることができる。 【００２０】 【実施例】以下、図面を参照して本発明を好ましい実施
例に基づき説明する。 【００２１】図２に詳細を示すように、ガス注入ノズル
は、逆止弁８ａ、ガス注入ノズル本体部５、及び、発条
１１から構成されている。そして、逆止弁８ａは、弁本
体部１９と、弁本体部１９の後端部に設けられた連通部
１７と、弁本体部１９の先端部に設けられた拡径部８ｃ
から構成されている。一方、ガス注入ノズル本体部５
は、ガス注入ノズル本体部５の後部に設けられたガス体
流路１０と、ガス体流路１０に連通し、弁本体部１９の
後端部に設けられた連通部１７を格納し、連通部１７に
よって前部と後部とに仕切られ、且つ、連通部１７を介
して前部と後部とが連通したガス体流路拡径部１０ａ
と、ガス体流路拡径部１０ａに連通した弁本体部格納部
１０ｂと、ガス注入ノズル本体部５の先端部に設けら
れ、弁本体部格納部１０ｂに連通したガス体注入孔９と
を備えている。また、発条１１は、ガス体流路拡径部１
０ａの前部内に配設されている。更には、ガス体注入孔
９の弁本体部格納部側には、弁本体部１９の先端部に設
けられた拡径部８ｃの後面と密着するシート面１８が設
けられている。 【００２２】弁本体部１９の先端部に設けられた拡径部
８ｃは、ガス体注入孔９内に常に格納されている。ま
た、ガス体注入孔９が、直接、金型キャビティ４に開口
した状態でガス注入ノズルは金型に配置されている。 【００２３】そして、溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガ
スを圧入しない場合には、発条１１によって、弁本体部
１９の先端部に設けられた拡径部８ｃの後面は強制的に
シート面１８に密着せしめられ、溶融熱可塑性樹脂の内
部に加圧ガスを圧入する際には、ガス体流路１０を流れ
る加圧ガスによって弁本体部１９の後端部に設けられた
連通部１７がガス体流路拡径部１０ａ内において前方に
押し出される結果、弁本体部１９の先端部に設けられた
拡径部８ｃの後面とシート面１８との間に隙間が形成さ
れる。 【００２４】実施例１ 図１に示す構造のガス注入ノズルを有する金型を使用
し、中空成形品を成形した。 【００２５】一次成形として、ガラス繊維強化ポリカー
ボネート樹脂（三菱ガス化学（株）製、商品名：ユーピ
ロンＧＳ−２０３０自然色）を射出成形機シリンダー３
内にて樹脂温度２８０℃に溶融、可塑化した。型締め
後、ガス注入ノズル本体部５を油圧シリンダー６にて可
動型１側に設けたガス注入口１３に密着させた後、射出
圧力１１３０ｋｇ／ｃｍ2にて前記金型キャビティ４内
に射出注入した。射出開始後３．０秒後に射出動作を停
止し、同時に、ガス注入ノズルより８０ｋｇ／ｃｍ2の
圧縮窒素ガスを圧入した。６０秒間冷却した後、成形品
内の圧縮窒素ガスを油圧シリンダー６にてガス注入ノズ
ルを後退させ大気中に解放し、型開きを行い、成形品を
取り出した。 【００２６】得られた成形品には、厚肉部に貫通した中
空構造が形成されており、ガス注入ノズルの機能は十分
果たしている。 【００２７】次に該ガス注入ノズルを掃除せずに二次成
形を行い、ポリアセタール樹脂（三菱ガス化学（株）
製、商品名：ユピタールＦ４０−０３自然色）を射出成
形機シリンダー３内にて樹脂温度２００℃に溶融、可塑
化した。 【００２８】型締め後、ガス注入ノズル本体部５を油圧
シリンダー６にて可動型１側に設けたガス注入口１３に
密着させた後、射出圧力１１３０ｋｇ／ｃｍ2にて前記
金型キャビティ４内に射出注入した。射出開始後３．０
秒後に射出動作を停止し、同時に、ガス注入ノズルより
８０ｋｇ／ｃｍ2の圧縮窒素ガスを圧入した。６０秒間
冷却した後、成形品内の圧縮窒素ガスを、油圧シリンダ
ー６にてガス注入ノズルを後退させ大気中に解放し、型
開きを行い、成形品を取り出した。 【００２９】得られた成形品には、厚肉部に貫通した中
空構造が形成されており、ガス注入ノズルの機能は十分
果たしている。 【００３０】上記実験結果から、溶融粘度の違う更には
ガラス繊維を含んだポリカーボネート樹脂から掃除をせ
ずにポリアセタール樹脂の成形を行ったのにも拘わら
ず、圧縮窒素ガスが溶融樹脂１２内へ正常に圧入できた
ことが観察できた。 【００３１】比較例１ 図５に示すごとく、ガス注入ノズルに特開昭６４−１４
０１２号公報に開示された加圧ガスを導入する弁構成と
して、中心孔を有し、該中心孔を通ってガスが熱可塑性
樹脂中に導かれ、該中心孔の出口端に球を用いた逆止弁
８ｂを配設し、以下は、実施例の操作を繰り返した。 【００３２】得られた成形品は、厚肉部に貫通した中空
構造が形成されておらず、圧縮窒素ガスの溶融樹脂内へ
の圧入が行われないことが観察できたので、ガス注入ノ
ズルを取り外し調べてみたところ、ポリアセタール樹脂
が逆止弁８ｂを介してガス注入ノズル内のガス体流路１
０、及び、ガス体流路１０に通ずるガス体導通管７にま
で達し固化していた。原因はガラス繊維を含んだポリカ
ーボネート樹脂が逆止弁８ｂに付着し、該逆止弁８ｂは
正常に作動せず溶融樹脂の逆流を阻止できなかったこと
がわかる。 【００３３】 【発明の効果】本発明においては、発条を用い強制的に
シート面に密着せしめる機構を有した逆止弁を配設する
ことにより、ガス配管系内への溶融樹脂の逆流を完全に
阻止し、樹脂のガス配管系への蓄積を防止することがで
き、ガス注入ノズルへの樹脂の逆流に伴うガス体流路の
閉塞がなく、金型キャビティ内の溶融樹脂の内部に円滑
に加圧ガスの注入を行うことができ、安定した連続サイ
クルで所望の中空構造を有する成形品を成形することが
できる。
の美麗な成形品を成形する装置に使用するガス注入ノズ
ルに関する。更に詳しくは、金型内に注入された溶融樹
脂内部に加圧ガスを圧入して中空構造を有する成形品を
製造する際に使用するガス注入ノズルに関するものであ
る。 【０００２】 【従来の技術】溶融した熱可塑性樹脂を射出成形により
成形する際、ひけや反りのない外観の美麗な成形品を得
るため、特開昭６４−１４０１２号公報には、溶融した
熱可塑性樹脂を金型キャビティ内に射出し、該溶融した
熱可塑性樹脂内に加圧ガスを導入して熱可塑性樹脂にガ
ス含有中空部を造り、その後、金型を開ける前にガス含
有中空部内のガス圧を大気中に解放する熱可塑性樹脂の
製造装置が開示されている。 【０００３】又、上記加圧ガスを導入する弁構成とし
て、中心孔を有し、該中心孔を通って加圧ガスが溶融熱
可塑性樹脂中に導かれ、該中心孔の出口端に球を用いた
逆止弁が配設されており、該逆止弁によって熱可塑性樹
脂も排出ガスも逆流することを防止する構造が開示され
ている。 【０００４】特開昭６４−１４０１２号公報の一実施例
では逆止弁が球で構成されている。しかしながら、本構
造では球が自由に挙動することがあり、樹脂材料の残存
により、弁構成内の逆止弁の周りに樹脂材料が付着し、
樹脂材料の金型キャビティ内への充填時に該逆止弁が正
常な動作を行わず、微量の溶融樹脂が該逆止弁を逆流し
てガス配管系へ流入する場合があった。 【０００５】上記逆流が生じた場合、逆止弁を逆流した
樹脂を成形品側へ押戻すことによるクリーニング方法も
あるが、逆止弁近傍の樹脂は完全に除去できず、樹脂が
蓄積される場合には、冷却固化された樹脂がガス配管系
を閉塞してしまい、加圧ガスを溶融樹脂内に導入できな
くなる場合があった。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような従来技術の課題を解決し、加圧ガスの溶融樹
脂内部への円滑な圧入を行うためのガス注入ノズルを提
供することにある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する装置について鋭意研究を重ねた結果、発条を
用い強制的にシート面に密着せしめる機構を有した逆止
弁をガス注入ノズルに配設することにより、溶融樹脂充
填時の溶融樹脂の逆流を完全に阻止し、その後、溶融樹
脂内に充填される加圧ガスの圧力でもって発条の力に打
ち勝ち、該逆止弁は加圧ガス流動方向に摺動し解放さ
れ、ガス体流路を経て逆止弁を加圧ガスは通過し、溶融
樹脂内に加圧ガスを導入し得ることを見出し、本発明に
到達した。 【０００８】すなわち、本発明は、射出成形機を使用し
て金型に設けられた金型キャビティ内に溶融熱可塑性樹
脂を射出する際に溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを
圧入し、中空構造を有する成形品を成形するためのガス
注入ノズルであって、逆止弁、ガス注入ノズル本体部、
及び、発条から構成され、 逆止弁は、弁本体部と、弁本
体部の後端部に設けられた連通部と、弁本体部の先端部
に設けられた拡径部から構成され、 ガス注入ノズル本体
部は、ガス注入ノズル本体部の後部に設けられたガス体
流路と、ガス体流路に連通し、弁本体部の後端部に設け
られた連通部を格納し、連通部によって前部と後部とに
仕切られ、且つ、連通部を介して前部と後部とが連通し
たガス体流路拡径部と、ガス体流路拡径部に連通した弁
本体部格納部と、ガス注入ノズル本体部の先端部に設け
られ、弁本体部格納部に連通したガス体注入孔とを備
え、 発条は、ガス体流路拡径部の前部内に配設され、 ガ
ス体注入孔の弁本体部格納部側には、弁本体部の先端部
に設けられた拡径部 の後面と密着するシート面が設けら
れ、 弁本体部の先端部に設けられた拡径部は、ガス体注
入孔内に常に格納されており、 ガス体注入孔が、直接、
金型キャビティに開口した状態でガス注入ノズルは金型
に配置され、 溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを圧入
しない場合には、発条によって、弁本体部の先端部に設
けられた拡径部の後面は強制的にシート面に密着せしめ
られ、 溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを圧入する際
には、ガス体流路を流れる加圧ガスによって弁本体部の
後端部に設けられた連通部がガス体流路拡径部内におい
て前方に押し出される結果、弁本体部の先端部に設けら
れた拡径部の後面とシート面との間に隙間が形成される
ことを特徴とするガス注入ノズルに関する発明である。 【０００９】本発明において使用する逆止弁の個数は１
個が望ましく、直列に複数、並列に複数併設される方法
も良いが、加圧ガスを溶融熱可塑性樹脂内に圧入する際
の抵抗が大きくなり、所望とするガス量通過を妨げる虞
があり、又、部品点数が増え、その機構が複雑となり、
好ましくはない。 【００１０】本発明のガス注入ノズルは、ガス配管系に
接続されている。 【００１１】図１〜４に本発明のガス注入ノズルを例示
し、説明する。図１は、本発明で使用できる射出成形機
と金型の模式図である。図２は、図１のガス注入ノズル
における「Ａ」の部分を拡大した模式図である。図３
は、図２のガス注入ノズルの弁及びシート面の拡大模式
図である。図４は、図２で弁が開放した状態を示す模式
図である。 【００１２】各図における符号を以下に説明する。 １：可動型 ２：固定型 ３：射出成形機シリンダー ４：金型キャビティ ６：油圧シリンダー ７：ガス体導通管 ８ａ：逆止弁 ８ｂ：球を有する逆止弁 １９：弁本体部 ８ｃ：弁本体部の先端部に設けられた拡径部 １７：弁本体部の後端部に設けられた連通部 ５：ガス注入ノズル本体部 １０：ガス体流路 １０ａ：ガス体流路拡径部 １５：ストッパー １０ｂ：弁本体部格納部 ９：ガス体注入孔 １８：シート面 １１：発条 １２：溶融樹脂 １３：ガス注入口 １４：ヒーター 【００１３】図１において、射出成形機シリンダー３よ
り溶融樹脂１２が金型キャビティ４内に射出される。金
型の可動型１側に油圧シリンダー６の駆動によって往復
運動するガス注入ノズルが設けられており、該ガス注入
ノズルより溶融樹脂１２内へのガスが圧入される。 【００１４】図２は、図１のガス注入ノズルにおける
「Ａ」の部分を拡大した図であり、連通部１７を備えた
逆止弁８ａは、通常の状態（加圧ガスを圧入しないと
き）では発条１１により左端に押しつけられ、逆止弁８
ａはシート面１８に強制的に密着しており、ガスもしく
は溶融樹脂の逆流が防止されている。 【００１５】図３は、図２のガス注入ノズルの逆止弁及
びシート面の部分の拡大図であり、逆止弁８ａがシート
面１８に強制的に密着した状態を示す。 【００１６】図４は、図２で逆止弁が開放された状態を
示す図であり、ガス体導通管７を通して、加圧ガスがガ
ス体流路１０に流入すると、連通部１７は加圧ガスでス
トッパー１５の位置まで押しつけられる。加圧ガスの流
入が停止されると、連通部１７は、図２に示すごとく、
再び発条１１により左端に押しつけられる。 【００１７】本発明のガス注入ノズルを用いて金型キャ
ビティ内の溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを圧入
し、所望の形状に構成された成形品は、中空構造部に圧
入されている加圧ガスの圧力作用を維持しながら冷却さ
れ、冷却が完了すると金型から取り出されるが、成形品
を金型から取り出す際に、前記中空構造部に残存してい
る加圧ガスの圧力作用によって成形品が変形するのを防
止するために、金型を開くに先立ってガス注入ノズル
を、例えば、往復運動によって移動し、中空構造部の加
圧ガスを解放する態様においては、本発明のガス注入ノ
ズルを用いることにより樹脂充填時のガス配管系への溶
融樹脂の逆流が防止でき、実用的である。 【００１８】ここで、本発明によるガス注入ノズルは特
開平４−３１０１６号公報に開示されている様にガス注
入ノズル先端を加熱装置で加熱することも効果的であ
る。 【００１９】 【作用】本発明のガス注入ノズルにおいては、発条を用
い強制的にシート面に密着せしめる機構を有した逆止弁
を配設することにより、ガス配管系内への溶融樹脂の逆
流を完全に阻止し、樹脂のガス配管系への蓄積を防止す
ることができる。 【００２０】 【実施例】以下、図面を参照して本発明を好ましい実施
例に基づき説明する。 【００２１】図２に詳細を示すように、ガス注入ノズル
は、逆止弁８ａ、ガス注入ノズル本体部５、及び、発条
１１から構成されている。そして、逆止弁８ａは、弁本
体部１９と、弁本体部１９の後端部に設けられた連通部
１７と、弁本体部１９の先端部に設けられた拡径部８ｃ
から構成されている。一方、ガス注入ノズル本体部５
は、ガス注入ノズル本体部５の後部に設けられたガス体
流路１０と、ガス体流路１０に連通し、弁本体部１９の
後端部に設けられた連通部１７を格納し、連通部１７に
よって前部と後部とに仕切られ、且つ、連通部１７を介
して前部と後部とが連通したガス体流路拡径部１０ａ
と、ガス体流路拡径部１０ａに連通した弁本体部格納部
１０ｂと、ガス注入ノズル本体部５の先端部に設けら
れ、弁本体部格納部１０ｂに連通したガス体注入孔９と
を備えている。また、発条１１は、ガス体流路拡径部１
０ａの前部内に配設されている。更には、ガス体注入孔
９の弁本体部格納部側には、弁本体部１９の先端部に設
けられた拡径部８ｃの後面と密着するシート面１８が設
けられている。 【００２２】弁本体部１９の先端部に設けられた拡径部
８ｃは、ガス体注入孔９内に常に格納されている。ま
た、ガス体注入孔９が、直接、金型キャビティ４に開口
した状態でガス注入ノズルは金型に配置されている。 【００２３】そして、溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガ
スを圧入しない場合には、発条１１によって、弁本体部
１９の先端部に設けられた拡径部８ｃの後面は強制的に
シート面１８に密着せしめられ、溶融熱可塑性樹脂の内
部に加圧ガスを圧入する際には、ガス体流路１０を流れ
る加圧ガスによって弁本体部１９の後端部に設けられた
連通部１７がガス体流路拡径部１０ａ内において前方に
押し出される結果、弁本体部１９の先端部に設けられた
拡径部８ｃの後面とシート面１８との間に隙間が形成さ
れる。 【００２４】実施例１ 図１に示す構造のガス注入ノズルを有する金型を使用
し、中空成形品を成形した。 【００２５】一次成形として、ガラス繊維強化ポリカー
ボネート樹脂（三菱ガス化学（株）製、商品名：ユーピ
ロンＧＳ−２０３０自然色）を射出成形機シリンダー３
内にて樹脂温度２８０℃に溶融、可塑化した。型締め
後、ガス注入ノズル本体部５を油圧シリンダー６にて可
動型１側に設けたガス注入口１３に密着させた後、射出
圧力１１３０ｋｇ／ｃｍ2にて前記金型キャビティ４内
に射出注入した。射出開始後３．０秒後に射出動作を停
止し、同時に、ガス注入ノズルより８０ｋｇ／ｃｍ2の
圧縮窒素ガスを圧入した。６０秒間冷却した後、成形品
内の圧縮窒素ガスを油圧シリンダー６にてガス注入ノズ
ルを後退させ大気中に解放し、型開きを行い、成形品を
取り出した。 【００２６】得られた成形品には、厚肉部に貫通した中
空構造が形成されており、ガス注入ノズルの機能は十分
果たしている。 【００２７】次に該ガス注入ノズルを掃除せずに二次成
形を行い、ポリアセタール樹脂（三菱ガス化学（株）
製、商品名：ユピタールＦ４０−０３自然色）を射出成
形機シリンダー３内にて樹脂温度２００℃に溶融、可塑
化した。 【００２８】型締め後、ガス注入ノズル本体部５を油圧
シリンダー６にて可動型１側に設けたガス注入口１３に
密着させた後、射出圧力１１３０ｋｇ／ｃｍ2にて前記
金型キャビティ４内に射出注入した。射出開始後３．０
秒後に射出動作を停止し、同時に、ガス注入ノズルより
８０ｋｇ／ｃｍ2の圧縮窒素ガスを圧入した。６０秒間
冷却した後、成形品内の圧縮窒素ガスを、油圧シリンダ
ー６にてガス注入ノズルを後退させ大気中に解放し、型
開きを行い、成形品を取り出した。 【００２９】得られた成形品には、厚肉部に貫通した中
空構造が形成されており、ガス注入ノズルの機能は十分
果たしている。 【００３０】上記実験結果から、溶融粘度の違う更には
ガラス繊維を含んだポリカーボネート樹脂から掃除をせ
ずにポリアセタール樹脂の成形を行ったのにも拘わら
ず、圧縮窒素ガスが溶融樹脂１２内へ正常に圧入できた
ことが観察できた。 【００３１】比較例１ 図５に示すごとく、ガス注入ノズルに特開昭６４−１４
０１２号公報に開示された加圧ガスを導入する弁構成と
して、中心孔を有し、該中心孔を通ってガスが熱可塑性
樹脂中に導かれ、該中心孔の出口端に球を用いた逆止弁
８ｂを配設し、以下は、実施例の操作を繰り返した。 【００３２】得られた成形品は、厚肉部に貫通した中空
構造が形成されておらず、圧縮窒素ガスの溶融樹脂内へ
の圧入が行われないことが観察できたので、ガス注入ノ
ズルを取り外し調べてみたところ、ポリアセタール樹脂
が逆止弁８ｂを介してガス注入ノズル内のガス体流路１
０、及び、ガス体流路１０に通ずるガス体導通管７にま
で達し固化していた。原因はガラス繊維を含んだポリカ
ーボネート樹脂が逆止弁８ｂに付着し、該逆止弁８ｂは
正常に作動せず溶融樹脂の逆流を阻止できなかったこと
がわかる。 【００３３】 【発明の効果】本発明においては、発条を用い強制的に
シート面に密着せしめる機構を有した逆止弁を配設する
ことにより、ガス配管系内への溶融樹脂の逆流を完全に
阻止し、樹脂のガス配管系への蓄積を防止することがで
き、ガス注入ノズルへの樹脂の逆流に伴うガス体流路の
閉塞がなく、金型キャビティ内の溶融樹脂の内部に円滑
に加圧ガスの注入を行うことができ、安定した連続サイ
クルで所望の中空構造を有する成形品を成形することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明のガス注入ノズルの設置場所を示す模
式図である。 【図２】 図１のガス注入ノズルにおける「Ａ」の部分
を拡大した模式図である。 【図３】 図２の弁及びシート面の拡大図である。 【図４】 図２の弁が解放したときの模式図である。 【図５】 比較例１の樹脂付着の状況を示す模式図であ
る。 【符号の説明】 １：可動型 ２：固定型 ３：射出成形機シリンダー ４：金型キャビティ ６：油圧シリンダー ７：ガス体導通管 ８ａ：逆止弁 ８ｂ：球を有する逆止弁１９：弁本体部 ８ｃ：弁本体部の先端部に設けられた拡径部 １７：弁本体部の後端部に設けられた連通部 ５：ガス注入ノズル本体部 １０：ガス体流路 １０ａ：ガス体流路拡径部 １５：ストッパー １０ｂ：弁本体部格納部 ９：ガス体注入孔 １８：シート面 １１：発条 １２：溶融樹脂 １３：ガス注入口 １４：ヒーター
式図である。 【図２】 図１のガス注入ノズルにおける「Ａ」の部分
を拡大した模式図である。 【図３】 図２の弁及びシート面の拡大図である。 【図４】 図２の弁が解放したときの模式図である。 【図５】 比較例１の樹脂付着の状況を示す模式図であ
る。 【符号の説明】 １：可動型 ２：固定型 ３：射出成形機シリンダー ４：金型キャビティ ６：油圧シリンダー ７：ガス体導通管 ８ａ：逆止弁 ８ｂ：球を有する逆止弁１９：弁本体部 ８ｃ：弁本体部の先端部に設けられた拡径部 １７：弁本体部の後端部に設けられた連通部 ５：ガス注入ノズル本体部 １０：ガス体流路 １０ａ：ガス体流路拡径部 １５：ストッパー １０ｂ：弁本体部格納部 ９：ガス体注入孔 １８：シート面 １１：発条 １２：溶融樹脂 １３：ガス注入口 １４：ヒーター
─────────────────────────────────────────────────────
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(56)参考文献 特開 平２−281923（ＪＰ，Ａ)
特開 平４−89220（ＪＰ，Ａ)
特開 平５−131498（ＪＰ，Ａ)
実開 平７−18824（ＪＰ，Ｕ)
特表 平８−500301（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B29C 45/00 - 45/84
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】射出成形機を使用して金型に設けられた金
型キャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出する際に溶融
熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを圧入し、中空構造を有
する成形品を成形するためのガス注入ノズルであって、逆止弁、ガス注入ノズル本体部、及び、発条から構成さ
れ、 逆止弁は、弁本体部と、弁本体部の後端部に設けられた
連通部と、弁本体部の先端部に設けられた拡径部から構
成され、 ガス注入ノズル本体部は、ガス注入ノズル本体部の後部
に設けられたガス体流路と、ガス体流路に連通し、弁本
体部の後端部に設けられた連通部を格納し、連通部によ
って前部と後部とに仕切られ、且つ、連通部を介して前
部と後部とが連通したガス体流路拡径部と、ガス体流路
拡径部に連通した弁本体部格納部と、ガス注入ノズル本
体部の先端部に設けられ、弁本体部格納部に連通したガ
ス体注入孔とを備え、 発条は、ガス体流路拡径部の前部内に配設され、 ガス体注入孔の弁本体部格納部側には、弁本体部の先端
部に設けられた拡径部の後面と密着するシート面が設け
られ、 弁本体部の先端部に設けられた拡径部は、ガス体注入孔
内に常に格納されており、 ガス体注入孔が、直接、金型キャビティに開口した状態
でガス注入ノズルは金型に配置され、 溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを圧入しない場合に
は、発条によって、弁本体部の先端部に設けられた拡径
部の後面は強制的にシート面に密着せしめられ、 溶融熱可塑性樹脂の内部に加圧ガスを圧入する際には、
ガス体流路を流れる加圧ガスによって弁本体部の後端部
に設けられた連通部がガス体流路拡径部内において前方
に押し出される結果、弁本体部の先端部に設けられた拡
径部の後面とシート面との間に隙間が形成される ことを
特徴とするガス注入ノズル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30938193A JP3398444B2 (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | ガス注入ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30938193A JP3398444B2 (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | ガス注入ノズル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07156185A JPH07156185A (ja) | 1995-06-20 |
| JP3398444B2 true JP3398444B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=17992326
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30938193A Expired - Fee Related JP3398444B2 (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | ガス注入ノズル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3398444B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-09 JP JP30938193A patent/JP3398444B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07156185A (ja) | 1995-06-20 |
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